主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。事実 控訴代理人は、「原判決を取り消す。被控訴人は本案判決確定に至るまで控訴人を西陣郵便局集配課計画係員として取扱わなければならない。訴訟費用は被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴代理人は主文同旨の判決を求めた。当事者双方の主張、証拠の提出、援用、認否は、控訴人において別紙その一のとおり、被控訴人において別紙その二のとおり陳述したほか、原判決の事実摘示と同一であるから、これをここに引用する。理由 当裁判所もまた原審と同様、西陣郵便局長が控訴人に対してなした本件配置転換命令は、国の行政機関である同局長がその有する任命権に基づき、国家公務員である控訴人に対してなした形成的な任命行為であり、行政事件訴訟法四四条にいう「公権力の行使に当たる行為」であると認め、このような行為についてその効力の停止を求める本件仮処分申請は不適法なものと判断するものであつて、その理由は次のとおり付加するほか、原判決の理由説示と同一であるから、これをここに引用する。一、五現業国家公務員の勤務ないし労働関係の実態が、当該事業の性質からみれば、一般の私企業のそれとなんら異ならないとしても、そのことから直ちにこれら公務員の勤務関係の法的性格を私法上の労働契約関係であるとすべきものではなく、国家公務員法および人事院規則の規定が右勤務関係の実態をどのようにとらえて法的規制をしているかが検討されなければならないのであつて、現行実定法の下においては、原判決の理由説示に明らかなとおり、その身分は一般国家公務員と同一であり、また、その勤務関係は公法関係と解せざるをえない。現に公共企業体等労働関係法(以下公労法という)二条二項二号および国の経営する企業に勤務する職員 らかなとおり、その身分は一般国家公務員と同一であり、また、その勤務関係は公法関係と解せざるをえない。 法的規制をしているかが検討されなければならないのであつて、現行実定法の下においては、原判決の理由説示に明らかなとおり、その身分は一般国家公務員と同一であり、また、その勤務関係は公法関係と解せざるをえない。現に公共企業体等労働関係法(以下公労法という)二条二項二号および国の経営する企業に勤務する職員 らかなとおり、その身分は一般国家公務員と同一であり、また、その勤務関係は公法関係と解せざるをえない。現に公共企業体等労働関係法(以下公労法という)二条二項二号および国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二九年六月一日法律一四一号)二条二項は、これらの法律における「職員」の定義として「国の経営する企業に勤務する一般職の国家公務員」と規定し、五現業公務員が一般職に属する国家公務員であることを明確にしている。二、もつとも郵政省職員を含む五現業公務員については、公労法八条が団体交渉事項の範囲を限定し、その限度において、当事者自治の支配を認めているが、前記のとおり、公労法の適用を受ける国の経営する企業の職員は、その身分においては一般職に属する国家公務員であるから、一般職の国家公務員たる身分と不可分なものの適用は除外されていない(公労法四〇条一項二項参照)。すなわち、これら職員の勤務関係の基本をなす任免、分限、保障および服務の関係については、五現業公務員に対しても、国家公務員法および人事院規則の各規定がほとんど適用され、ただ同条三項により、五現業公務員に係る処分のうち、労働組合法七条各号に該当するものについては行政不服審査法による不服申立をすることができないとされているにすぎない。また配置換と他の任用方法との関係についてみても、国家公務員法三五条は、職員の任用方法として、採用、昇任、降任、転任(配置換を含む)を定め、人事院規則八-一二の六条は、同じく任用方法として採用、昇任、転任、配置換、降任を定め、配置換の定義については、同規則五条四号において「分類官職に任用されている職員をその官職と同一の職級に属する他の分類官職で任命権者を同じくするものに任命すること」として、いずれも官職に対する任命行為としては、配置換を他の任用 則五条四号において「分類官職に任用されている職員をその官職と同一の職級に属する他の分類官職で任命権者を同じくするものに任命すること」として、いずれも官職に対する任命行為としては、配置換を他の任用方法と同列に扱つており、手続面についても、他の任用方法の場合と同じく、一定の要式行為によつて行うこととしている(同規則七五条一号、八〇条)。 」として、いずれも官職に対する任命行為としては、配置換を他の任用 則五条四号において「分類官職に任用されている職員をその官職と同一の職級に属する他の分類官職で任命権者を同じくするものに任命すること」として、いずれも官職に対する任命行為としては、配置換を他の任用方法と同列に扱つており、手続面についても、他の任用方法の場合と同じく、一定の要式行為によつて行うこととしている(同規則七五条一号、八〇条)。要するに、これはいずれも職階制の基本原則である官職の分類を前提として、職種職級によつて縦横十文字に分けられている職階制の階段を上下左右に動くことであつて、配置換を他の任用方法と別個のものとする何らの根拠もない。ところで、行政事件訴訟法四四条の規定の趣旨は民事訴訟法に規定する仮処分をもつて行政権の作用を阻止することを禁止しようとするにあるから、仮の処分により公権力の行使を阻止するについては、本案訴訟の性質および態様のいかんを問わず、すべて同法二五条に定める執行停止の方法によるべく、仮処分の規定によることを許さない趣旨と解すべきである。三、なお、付言するに、すでに説示したところから明らかなとおり、現業国家公務員に対する不利益処分について、その処分手続違背、処分事由不存在あるいは裁量権の逸脱を理由とする場合と当該処分の不当労働行為該当を理由とする場合とでは、その救済手続が截然と区別されている。前者については人事院に対する審査請求が認められ、後者については、行政不服審査法による不服の申立をすることができないが(公労法四〇条三項)、公共企業体等労働委員会に対する救済申立が認められている(同法二五条の五、労働組合法二七条)。この場合、当該行政処分が不当労働行為に該当する場合、憲法二八条、労働組合法七条の法意に照して直接に、あるいは公序良俗の原則を介して間接に、その行政処分の効力が生じないものと解すべきであるとして 。この場合、当該行政処分が不当労働行為に該当する場合、憲法二八条、労働組合法七条の法意に照して直接に、あるいは公序良俗の原則を介して間接に、その行政処分の効力が生じないものと解すべきであるとしても、そのことから、法は不当労働行為に該当する行政処分を対象とする抗告訴訟を予定していないところで、不当労働行為を理由として争う訴訟形式は当事者訴訟によるべきであるとはにわかに断定しがたいから、これを前提として、この場合には民事訴訟法の規定による仮処分が許されるとの見解にはたやすく左たんしがたい。 して直接に、あるいは公序良俗の原則を介して間接に、その行政処分の効力が生じないものと解すべきであるとしても、そのことから、法は不当労働行為に該当する行政処分を対象とする抗告訴訟を予定していないところで、不当労働行為を理由として争う訴訟形式は当事者訴訟によるべきであるとはにわかに断定しがたいから、これを前提として、この場合には民事訴訟法の規定による仮処分が許されるとの見解にはたやすく左たんしがたい。そのほか、控訴人の主張は独自の見解に基づき原判決の認定判断を攻撃するものであつて、当裁判所の採用しがたいところである。右の次第であるから、控訴人の本件仮処分申請を却下した原判決は相当というべきである。よつて、民事訴訟法三八四条により本件控訴を棄却し、控訴費用の負担につき同法九五条八九条を各適用して、主文のとおり判決する。(裁判官浮田茂男宮崎福二舘忠彦)別紙その一(控訴人の主張)一、(一) 原判決は、まず、国家公務員一般について、その勤務関係は「国の規律権、支配権に服する特別な関係」であると規定し、その論拠を第一に、勤務関係の基本的条件が法律によつて定められ、国によつても任意に決定し得ないものであること、第二に、その関係は単なる労務給付の関係につきるものではなく、国の公共目的達成のため、国民全体の奉仕者として勤務すべき公法上の特別の地位にあることに求めている。(二) 第一の点が、通常の労働契約関係にみられない特殊な規制であることは明らかである。(もつとも、この点は原判決も後に論及するとおり、現業公務員については労働協約締結権との関係において他の公務員とは著しく異なつている。)しかし、このことはその勤務関係が労働契約関係と異なる特殊な る。(もつとも、この点は原判決も後に論及するとおり、現業公務員については労働協約締結権との関係において他の公務員とは著しく異なつている。)しかし、このことはその勤務関係が労働契約関係と異なる特殊なものであることを必ずしも意味しない。たとえば、その勤務関係が労働契約関係であるとされている公労法適用の三公社の場合にも、それぞれの事業法において、任用の基準、給与の原則、身分の保障、懲戒、服務の基準等についての規定が設けられ(日本国有鉄道法二七条以下、日本電信電話公社法二九条以下)、給与についても、国会の議決を経た予算の中で定められた給与の総額の範囲内において給与準則を定めて支給しなければならない(日本国有鉄道法四四条、日本電信電話公社法七二条)とされているのであつて、法律による勤務関係の基本的条件の決定という意味においては国家公務員の場合と基本的に異るところはない。 の保障、懲戒、服務の基準等についての規定が設けられ(日本国有鉄道法二七条以下、日本電信電話公社法二九条以下)、給与についても、国会の議決を経た予算の中で定められた給与の総額の範囲内において給与準則を定めて支給しなければならない(日本国有鉄道法四四条、日本電信電話公社法七二条)とされているのであつて、法律による勤務関係の基本的条件の決定という意味においては国家公務員の場合と基本的に異るところはない。また、国と国民との法律関係のほとんどすべてが法律によつて定められていて、任意に変更することが許されていないにもかかわらず、その関係が契約関係であるものもある(公営住宅法は事業主と入居者との公営住宅の利用関係について、その内容を詳細に定め、事業主体と入居者とが任意にその内容を変更する余地を与えていないが、この利用関係が賃貸借契約であることに異論はないと思われる)。そうだとすると、勤務関係の基本的条件が法律によつて定められるということは、直ちに、その関係が労働契約関係であることを否定するものではないというべきである。(三) 第二の点は、公務員の勤務関係は公法上の特別なものであると主張する論者によつてひとしく指摘されるところである。この問題は、公務員の勤務関係の内容が労働契約関係とどのように異つているか(あるいは、異なつていないか)に関するものである。原判決もあえて否定しないように、 者によつてひとしく指摘されるところである。この問題は、公務員の勤務関係の内容が労働契約関係とどのように異つているか(あるいは、異なつていないか)に関するものである。原判決もあえて否定しないように、公務員の勤務関係の主要な側面が労務給付と給与支給との双務関係であることは明白であるから、問題は、国家公務員法が国家公務員の義務として定めているところのものが、労働契約の概念と相容れないものであるかどうかにある。原判決は、公務員は「国の公共目的達成のため、国民全体の奉仕者として勤務すべき公法上の特別の地位」にあるとの前提を当然のものとしてその結論を導いているが、その前提の当否そのものがまず問題とされなければならない。なるほど憲法一五条は公務員は全体の奉仕者であつて一部の奉仕者ではないと定めているが、この憲法の規定は、公務員が特定の支配者個人あるいは特定政党に対する奉仕者ではなく、国民全体、すなわち社会団体としての国家に対する奉仕者であるという近代的公務員制度の基本原則を示すものであるにとどまり、公務員に対して一般的に滅私奉公的な倫理的奉仕義務を課したものと解すべきものではない。 まず問題とされなければならない。なるほど憲法一五条は公務員は全体の奉仕者であつて一部の奉仕者ではないと定めているが、この憲法の規定は、公務員が特定の支配者個人あるいは特定政党に対する奉仕者ではなく、国民全体、すなわち社会団体としての国家に対する奉仕者であるという近代的公務員制度の基本原則を示すものであるにとどまり、公務員に対して一般的に滅私奉公的な倫理的奉仕義務を課したものと解すべきものではない。公務員としての義務の内容は憲法の基本原則を表現すべく定められた法律によつて具体的に定められているのであるから、これらの法律に定められた義務に基づいて公務員の勤務関係の法的性質を論ずべきであつて、憲法の一般的な規定を論拠に公務員の勤務関係を特別な関係と断ずることは許されない。さきにも述べたとおり、明治憲法下の官吏の勤務関係が特別権力関係だとされていたのは官吏が「天皇の官吏」という特殊な法的地位に置かれていたばかりか、具体的な義務としても、無定量の勤務に服すべき義務を負つていたことによるのであつて、その義務の倫理性は、国家公務員法の定めるものとは全然比較にならないほど明確 特殊な法的地位に置かれていたばかりか、具体的な義務としても、無定量の勤務に服すべき義務を負つていたことによるのであつて、その義務の倫理性は、国家公務員法の定めるものとは全然比較にならないほど明確なものであつたし、国家公務員法に定められた公務員の勤務義務は無定量ではなく明確に画定されているのである。即ち、公務員は実定法上「国の公共目的達成のため国民全体の奉仕者として」勤務すべき任務を担わされているといえるとしても、そのような任務は、いわば公務員制度そのものの任務ともいうべきものであつて、直接に具体的な公務員の内容をなしているとはいえないのである。(四) すでに述べたとおり、国家公務員法の定める公務員の勤務関係の内容は、公務員の労務提供義務と国の給与支払義務とが対価関係にたつ双務的な関係である。公務員関係の成立は国と公務員になろうとするものとの合意によつて成立する。成立した公務員関係は、国家公務員法その他の関係法令の定めるところに従つて労務を提供し、賃金の支給を受けるというものである。この関係の解消も国家公務員法の定めるところによる。合意によつてこの関係を解消できることも当然である。即ち、公務員の勤務関係は社会的経済的実態においてのみならず、法律的な観点からいつても労働契約関係と基本的に同じものであり、これを労働契約関係と異なるものと解さなければならない理由は見あたらない。 係は、国家公務員法その他の関係法令の定めるところに従つて労務を提供し、賃金の支給を受けるというものである。この関係の解消も国家公務員法の定めるところによる。合意によつてこの関係を解消できることも当然である。即ち、公務員の勤務関係は社会的経済的実態においてのみならず、法律的な観点からいつても労働契約関係と基本的に同じものであり、これを労働契約関係と異なるものと解さなければならない理由は見あたらない。二、次に、原判決は国家公務員法三五条は任命権者に対して法令の規定に反しない限り、同法所定の方法によつて自由に職員を任命することを認めたものであるとし、更に配転については法令上格別にこれを制限する規定がないから任命権者は自由な裁量によりこれを行なうことができると判示する。しかし、国家公務員法三五条は欠員補充の方法に関する規定であり任命権者と公務員との権利、義務関係(な 上格別にこれを制限する規定がないから任命権者は自由な裁量によりこれを行なうことができると判示する。しかし、国家公務員法三五条は欠員補充の方法に関する規定であり任命権者と公務員との権利、義務関係(ないし、支配、服務関係)を設定した規定と解すべきものではない。従つて配転については法令上国がこれを公務員の意に反してなしうることを定めた規定が存しないから、労働契約関係を規定する法理に従うべきものである。三、最後に原判決は現業公務員の勤務関係について論じ、公労法が「当事者対等的自治領域」を設定したことは、本来公法関係である任用の本質を変更するものではないと判示する。しかし、他の公務員についてはともかくとしても、少くとも、現業公務員は、その勤務関係が労働契約関係であるとされる三公社職員とともに公労法の適用をうけているのであり、しかも公労法八条の定める団交事項は労働条件のすべてにわたつているのであるから、原判決にいう公労法によつて設定された「当事者対等的自治領域」は労働条件の決定という労使関係の基本的部分の全部をおおつているのである。それにもかかわらず、原判決は「公務員の勤務関係は本来公法関係である」として、労働条件が当事者対等の立場における交渉によつて決定されるという勤務関係の法的性質を論ずるにあたつてもつとも重要な要素を無視し去つた。しかし、公務員の勤務関係の法的性質が何であるかは、実定法がこれをどのように定めているかの問題であつて、実定法を離れて論究すべきものではない。 う労使関係の基本的部分の全部をおおつているのである。それにもかかわらず、原判決は「公務員の勤務関係は本来公法関係である」として、労働条件が当事者対等の立場における交渉によつて決定されるという勤務関係の法的性質を論ずるにあたつてもつとも重要な要素を無視し去つた。しかし、公務員の勤務関係の法的性質が何であるかは、実定法がこれをどのように定めているかの問題であつて、実定法を離れて論究すべきものではない。労働条件が当事者対等の立場における交渉によつて決定されるという公労法の建前は、まさしく、少くとも現業公務員についてはその勤務関係を労働契約関係であると解すべき最も重要な実定法上の論拠である。別紙その二(被控訴人の主張)郵政省職員の勤務関係の法的性格一、国家公務員法や公共 さしく、少くとも現業公務員についてはその勤務関係を労働契約関係であると解すべき最も重要な実定法上の論拠である。別紙その二(被控訴人の主張)郵政省職員の勤務関係の法的性格一、国家公務員法や公共企業体等労働関係法(以下「公労法」という。)上、郵政省職員の勤務関係が具体的にどのようなものであるかは立法政策上どのように規律されているかによるのであるから、これを詳細に検討することなく、その勤務関係を直ちに私法関係であるとすることは、郵政省職員の勤務関係についての実定法の定めを無視するものであつて正当でない。周知のとおり、非現業の一般職国家公務員(以下「一般公務員」という。)についての任免、分限、服務および懲戒等の勤務関係はすべて法律および人事院規則によつて規律されており、任命された特定個人としての公務員は、このような法関係下に立たしめられるものであり、またこのような公務員に対する任免、分限、服務および懲戒等に関する行政庁の行為が国の行政機関として有する行政権の行使であり、行政処分であることは、現在多くの判例および学説の認めるところであつて異論をみない。ところで、郵政省設置法二〇条(昭和二四年法律一五九号)は郵政省に置かれる職員の任免、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法の定めるところによると規定し、五現業公務員の労働関係について適用される公労法二条二項二号及び国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二九年法律一四一号)二条二項は、これらの法律における「職員」の定義として「国の経営する企業に勤務する一般職の国家公務員」と規定し、郵政省職員を含む五現業公務員が一般職に属する国家公務員であることを明定している。 管理に関する事項については、国家公務員法の定めるところによると規定し、五現業公務員の労働関係について適用される公労法二条二項二号及び国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二九年法律一四一号)二条二項は、これらの法律における「職員」の定義として「国の経営する企業に勤務する一般職の国家公務員」と規定し、郵政省職員を含む五現業公務員が一般職に属する国家公務員であることを明定している。而して、公労法四〇条は、郵政省職員を含む五現業公務員(公労法二条一項二号)について、 般職の国家公務員」と規定し、郵政省職員を含む五現業公務員が一般職に属する国家公務員であることを明定している。而して、公労法四〇条は、郵政省職員を含む五現業公務員(公労法二条一項二号)について、国家公務員法の規定のうち、一定範囲のものを適用除外しているが、一般職公務員であるこれらの職員の勤務関係の基本をなす任免、分限、懲戒、保障および服務の関係については、ごく限られた一部の規定がその適用を除外されているだけで国家公務員法第三章第三節の試験および任免に関する規定(三三条~六一条)、第六節の分限、懲戒および保障に関する規定(七四条~九五条)、第七節の服務に関する規定(九六条~一〇六条)のほとんどは、一般公務員の場合と同様に郵政省職員を含む五現業公務員にも適用され、またこれらの規定にもとづく「職員の任免」に関する人事院規則八-一二、「職員の身分保障」に関する人事院規則一一-四、「職員の懲戒」に関する人事院規則一二-〇、「不利益処分についての不服申立て」に関する人事院規則一三-一、「営利企業への就職」に関する人事院規則一四-四、「服務の宣誓」に関する人事院規則一四-六、「政治的行為」に関する人事院規則一四-七、「営利企業の役員等との兼業」に関する人事院規則一四-八等も同様に適用されているのである。もつとも郵政省職員を含む五現業公務員については、公労法八条が一定の団体交渉の範囲を法定し、その限度において当事者自治の支配を認めているが、そのことから直ちにこれら公務員の勤務関係の法的性格を私法関係にあるとしたり、勤務関係の基本をなす任免、分限、懲戒、保障および服務の関係が労使関係事項と混同されて一般公務員の勤務関係と適用に異にするかのように、一般的に確定しうるものではなく、右のような国家公務員法および人事院規則の詳細な規定が右勤務関係の実態をどの 八条が一定の団体交渉の範囲を法定し、その限度において当事者自治の支配を認めているが、そのことから直ちにこれら公務員の勤務関係の法的性格を私法関係にあるとしたり、勤務関係の基本をなす任免、分限、懲戒、保障および服務の関係が労使関係事項と混同されて一般公務員の勤務関係と適用に異にするかのように、一般的に確定しうるものではなく、右のような国家公務員法および人事院規則の詳細な規定が右勤務関係の実態をどの および服務の関係が労使関係事項と混同されて一般公務員の勤務関係と適用に異にするかのように、一般的に確定しうるものではなく、右のような国家公務員法および人事院規則の詳細な規定が右勤務関係の実態をどのようにとらえて法的規制をしているかが検討されなければならないのである。しかして、右規律をうけるこれら郵政省職員を含む五現業公務員の勤務関係は、公労法四〇条によつて適用除外されているものを除き、一般公務員と同様の公法的規制をうけた勤務関係というほかはないのである。また、配置換と他の任用方法との関係についてみても、国家公務員法三五条は、職員の任用方法として、採用、昇任、降任、転任(配置換を含む。)を定め、人事院規則八-一二、六条は、同じく任用方法として採用、昇任、転任、配置換、降任を定め、いずれも、官職に対する任命行為としては、配置換を他の任用方法と同列に扱つており、手続面については、同規則七五条一号は、採用、昇任、転任、配置換等に際しては人事異動通知書を交付して行なうこととし、同規則八〇条は、人事異動通知書の様式、記載事項についての定めを置き、配置換も他の任用方法の場合と同じく、厳格な要式行為によつて行なうこととしているのである。さらに、任用方法の一つである降任については職員に対しその意に反して行なわれた場合には職員は人事院に対し不服申立をすることができ(国家公務員法八九条一項、九〇条一項)、さらに抗告訴訟(行政事件訴訟法八条により、人事院に対し不服申立をした後でなければ訴訟要件を欠くものとされている。)の提起が可能であるが、転任、配置換についても、これが特段の事情によりいちじるしく不利益な処分となる場合には、右同様、人事院に対し不服申立をし抗告訴訟の提起もできるのである。二、右述した郵政省職員の勤務関係が公法上の勤務関係であることは、 も、これが特段の事情によりいちじるしく不利益な処分となる場合には、右同様、人事院に対し不服申立をし抗告訴訟の提起もできるのである。 訟要件を欠くものとされている。)の提起が可能であるが、転任、配置換についても、これが特段の事情によりいちじるしく不利益な処分となる場合には、右同様、人事院に対し不服申立をし抗告訴訟の提起もできるのである。二、右述した郵政省職員の勤務関係が公法上の勤務関係であることは、 も、これが特段の事情によりいちじるしく不利益な処分となる場合には、右同様、人事院に対し不服申立をし抗告訴訟の提起もできるのである。二、右述した郵政省職員の勤務関係が公法上の勤務関係であることは、同じく公労法の適用をうけるとはいえ、一般に私法関係であるとされる三公社職員の勤務関係と対比することにより、さらに明らかとなる。以下、便宜国鉄の例をとり、両者を対比してみる。(一) 国鉄は、国家行政組織法に定める国の行政機関ではなく、したがつてその職員もまた国家公務員ではない。これに対し、郵政事業は国家行政組織法に定める国の行政機関である郵政省によつて執行され、従事する職員も国家公務員法二条二項にいう一般職に属する国家公務員であること。(二) 国鉄職員には、日本国有鉄道法(以下「国鉄法」という。)三四条二項により、国家公務員法が全面的に排除されているのに対し、郵政省職員には公労法四〇条により、国家公務員法の一部の規定の適用が排除されているのみで一般的には同法が適用され、なかでも公務員として、国との勤務関係の基本をなす任用、分限、懲戒、服務等に関する規定のほとんどがいぜんその適用を免れないこと。(三) 国鉄職員の任免については、国鉄法二七条において、その基準の大綱を示すにとどめ、その具体的規律については国鉄の定めるところに一任しているのに対し、郵政省職員の場合には、右述のとおり国家公務員法第三章第三節以下の規定および人事院規則八-一二等により、職員の採用、試験、任用手続等がきわめて詳細かつ具体的に規定されており、郵政省に一任されている部分はきわめて少ないこと。(四) 降任および免職事由についてみると、郵政省職員の場合には、国家公務員法七八条四号において「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」と規定されているの ないこと。(四) 降任および免職事由についてみると、郵政省職員の場合には、国家公務員法七八条四号において「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」と規定されているのに対し、国鉄職員の場合には、国鉄法二九条四号において、「業務量の減少その他経営上やむを得ない事由が生じた場合」と、ことさら私企業色彩の強い降職および免職事由が定められていること。 じた場合」と規定されているの ないこと。(四) 降任および免職事由についてみると、郵政省職員の場合には、国家公務員法七八条四号において「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」と規定されているのに対し、国鉄職員の場合には、国鉄法二九条四号において、「業務量の減少その他経営上やむを得ない事由が生じた場合」と、ことさら私企業色彩の強い降職および免職事由が定められていること。(五) 懲戒事由についてみると、郵政省職員の場合には、国家公務員法八二条三号に「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」と定められ、郵政省職員の公務員たる性格を明らかにしているのに対し、国鉄法には、その職員を「国民全体の奉仕者」であるとは規定していないこと。(六) 一般服務関係については、国鉄職員の場合には、国鉄法三二条が「職員は、その職務を遂行するについて、誠実に法令及び日本国有鉄道の定める業務上の規定に従わなければならない」旨を定めるにとどまつているのに対し、郵政省職員の場合には、国家公務員法九六条において「すべて職員は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務する。」ものであるとの根本基準を明らかにしているほか、同法および人事院規則により、上司の命令に対する服従、信用の保持、秘密の厳守、職務への専念、政治的行為の制限、私企業からの隔離等(国家公務員法九八条~一〇四条)国家公務員として特殊な勤務関係に応ずるものと解される詳細な規定が設けられていること。以上のように公社職員の勤務関係と郵政省職員の勤務関係との間には実定法規の上で本質的な差異が認められるのであり、この理を肯認する裁判例も多く(疎乙第一、二〇、二三、二四号証)、また、学説においても有力説の説くところとなつている(峯村光郎「公労法・地公労法」一八四頁「五現業職員についても、任用、昇 のであり、この理を肯認する裁判例も多く(疎乙第一、二〇、二三、二四号証)、また、学説においても有力説の説くところとなつている(峯村光郎「公労法・地公労法」一八四頁「五現業職員についても、任用、昇任、意に反する降任、休職、免職、不服申立、懲戒、服務などについて一般公務員と国家間の公法上の権利義務に関する規定が適用される以上、その勤務関係は私法的関係とはいえないから、「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」としての行政処分であるといわなければならない」、等)。 号証)、また、学説においても有力説の説くところとなつている(峯村光郎「公労法・地公労法」一八四頁「五現業職員についても、任用、昇任、意に反する降任、休職、免職、不服申立、懲戒、服務などについて一般公務員と国家間の公法上の権利義務に関する規定が適用される以上、その勤務関係は私法的関係とはいえないから、「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」としての行政処分であるといわなければならない」、等)。しかして、原告に対する本件配置換命令は、すでに述べたところから明らかなとおり、国家公務員法、人事院規則にもとづいて行なわれる公権力による一方的裁量行為であるから、いわゆる処分性を有し、行政処分としての性格を有するものであることはいうまでもない(公労法八条二号は各種の人事事項に関して、当事者自治による決定を認めているが、右に述べたとおり、これら公務員に対する法的規制が全面にわたつているため、当事者自治による取りきめの余地がほとんどないばかりか、ここではあくまでも所定の人事権行使に関する基準について団体交渉等を認めたものであつて、その基準を適用して具体的、個別的に行なわれる任命権の行使が一方的裁量行為であることに消長をきたすものではない)。三、任命権者ないし使用者が個別的具体的人事を決定する最終的権利を保有することは、公務員関係であると、私企業における労働関係であるとを問わず一般的に是認されているところである(労使関係法適用の実情及び問題点、労使関係法研究会報告書第二分冊一一四頁)。国家公務員として任用された以上は、任免、分限、服務および懲戒等の勤務関係の具体的内容は、国家公務員法にもとづき、任命権者が公務の円滑かつ能率的な遂行を期すため、任命権者の人事行政上の裁量措置とし 国家公務員として任用された以上は、任免、分限、服務および懲戒等の勤務関係の具体的内容は、国家公務員法にもとづき、任命権者が公務の円滑かつ能率的な遂行を期すため、任命権者の人事行政上の裁量措置として、一方的に行ないうるのであつて、個々に職員の同意を要しないものであり、また配置換命令についていえば、任命権者が国家公務員法三五条の欠員補充の方法として、その権限の範囲内で、職員をいかなる官職に任命するかは自由裁量であつて、それは任命によつて勤務官署が異なると否とを問わず、任用関係の本質および内容からいつてあらためて個々的に同意を要しないのである。 遂行を期すため、任命権者の人事行政上の裁量措置として、一方的に行ないうるのであつて、個々に職員の同意を要しないものであり、また配置換命令についていえば、任命権者が国家公務員法三五条の欠員補充の方法として、その権限の範囲内で、職員をいかなる官職に任命するかは自由裁量であつて、それは任命によつて勤務官署が異なると否とを問わず、任用関係の本質および内容からいつてあらためて個々的に同意を要しないのである。このようにこれらの行政処分が任命権者の裁量に委ねられている実質的な理由は、いうまでもなく、公務の能率的遂行の見地から、国家公務員として特殊な規律に服せしめるべきであるという立法政策上の要求に外ならないからであり、また、このことが郵政省職員を含む五現業公務員について、公労法四〇条で、一般公務員についての任免、分限、服務および懲戒等に関する規定を適用除外としなかつた所以もここにその理由があるのである。また、このことは、一般に公務員の政府に対する関係を単純な労務給付の関係であるとしたり、私法上の雇用契約関係と同一視したりすることは間違いであると説かれている(田中二郎著「新版行政法下1」三八三頁、原龍之助著「新版行政法概説」)こととその理を一にするものである。四、以上の次第であるから、西陣郵便局長が控訴人に対して行なつた本件配置換命令は、国の行政機関である同局長が、その有する任命権に基づき、国家公務員法三五条の欠員補充の方法の一つとして、国家公務員である控訴人に対して行なつた形成的任命行為であり、所謂公権力の行使に当る行政処分である。したがつて、当該行政処分は、国公法八九条、九〇条にいう処分に含まれるの 員補充の方法の一つとして、国家公務員である控訴人に対して行なつた形成的任命行為であり、所謂公権力の行使に当る行政処分である。したがつて、当該行政処分は、国公法八九条、九〇条にいう処分に含まれるのであるから、これに対する救済方法としては、同法九〇条・九二条の二に基づき人事院に対して審査請求を経た後において抗告訴訟を提起することは認められているが、民事訴訟法に基づく仮処分による救済を求めることは実体法上できないこととされているのである(行政事件訴訟法四四条)。
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