令和3(ワ)3824 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年3月4日 東京地方裁判所
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判決文本文12,978 文字)

1令和4年3月4日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官令和3年(ワ)第3824号 損害賠償請求事件口頭弁論終結日 令和4年1月19日判 決 5原 告 株式会社グッド・ラック同訴訟代理人弁護士 神 田 知 宏 被 告 Y同訴訟代理人弁護士 大 塚 裕 介10主 文1 被告は、原告に対し、22万円及びこれに対する令和元年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを25分し、その1を被告の負担とし、その余を原15告の負担とする。 事実及び理由第1 請求被告は、原告に対し、550万円及びこれに対する令和元年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 20第2 事案の概要1 本件は、「NEXTmobile」というモバイルWiFiルーター(以下「原告商品」という。)を販売する原告が、「初めてでも大丈夫!WiMAX超比較」という題名のインターネット上のウェブサイト(以下「本件サイト」という。)を運営する被告に対し、被告が本件サイトにおいて、原告商品はWiMAX商品25ではないにもかかわらず、「WiMAX8社」などとして、WiMAX商品であ 2るかのような記載をしたことが不正競争防止法2条1項21号の虚偽の事実の告知に該当すると主張して、同法4条に基づき、損害賠償金550万円及びこれに対する不法行為日である令和元年8月1日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定 の虚偽の事実の告知に該当すると主張して、同法4条に基づき、損害賠償金550万円及びこれに対する不法行為日である令和元年8月1日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の各証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実をいう。なお、証拠を摘示する場合には、特に記載のない限り、枝番を含むものとする。)⑴ 当事者ア原告は、「NEXTMobile」のブランド名でモバイルWiFiルー ター端末及び同端末を利用したインターネット接続サービス(原告商品)を提供する株式会社である(甲2、弁論の全趣旨)。 イ被告は、本件サイトを運営する個人である(弁論の全趣旨)。 ⑵ 本件サイトア本件サイトは、「初めてでも大丈夫!WIMAX超比較」というタイトル の下、以下の①ないし⑧の各ブランドで提供される商品(以下「本件各商品」といい、そのうち①ないし⑦の各商品を「本件WiMAX商品」という。)について、3年間の支払総額や実質月額料金、新機種の有無等を紹介するものである(甲1の2。なお、本件サイトは定期的に更新されているが、以下においては、令和元年8月1日当時の内容を前提とする。)。 ① とくとくBB(ただし、「キャッシュバック」と「月額割引」の2種類のプランが存在する。)② BIGLOBEWiMAX2+③ BroadWiMAX(なお、この商品は、原告のグループ会社により販売されている。) ④ @nifty ⑤ カシモWiMAX⑥ So-net⑦ UQWiMAX⑧ NEXTmo 会社により販売されている。) ④ @nifty ⑤ カシモWiMAX⑥ So-net⑦ UQWiMAX⑧ NEXTmobile(原告商品)イ本件サイトには、「騙されるな!!・・・WiMAX超比較」という見出 しに続き、「WiMAXはプロバイダや比較サイトなど数多くあり、“月額料金がお得”、“業界最安値”、“圧倒的No1”そんな中で選ぶのは大変ですよね、ハッキリ比較が見たい・・・そんなあなたのためのサイトです。」と記載されている。 その後、「徹底超比較!WiMAX一覧表」という見出しに続き、「実は、 WiMAXを比べた時に重要なのは「実質の総額料金」と「最新機種の有無」です。」、「なぜなら、UQWiMAXでも他のWiMAXでも機種が一緒なら通信速度やサービスは基本的に同じだからです。逆に最新機種が無いと繋がらない場所が増えたり、速度が出なかったりします。」、「つまり、WiMAXで快適に過ごすには月額割引・キャッシュバック等を全て含めた、 「契約期間の総額料金」、「最新機種の有無」を比較すれば、WiMAX各社が丸裸になり、選ぶべきWiMAXがハッキリします。」と記載されている。 これらの記載に続き、「さらにWiMAX8社の支払総額、実質月額料金を表にしました。(最新8月1日版)」として、別紙記載のランキング表(以 下「本件ランキング表」という。)が掲載されている(甲1の2)。 ウ本件ランキング表では、原告商品は最下位(9位)に位置付けられており、1位にランキングされている「とくとくBB(キャッシュバック)」との「差額」は「50、160円」、「新機種W06の有無」は「-」と記載されている(甲1の2) 品は最下位(9位)に位置付けられており、1位にランキングされている「とくとくBB(キャッシュバック)」との「差額」は「50、160円」、「新機種W06の有無」は「-」と記載されている(甲1の2)。 25エ 本件サイトには、本件ランキング表に続き、本件各商品の詳細がランキン 4グ順に紹介されているところ、原告商品については、「選べる3つのプランのモバイルWiFiルーター!」、「WiMAX端末に比べ超コンパクト」、「LTE回線を使用しているの(ママ)通信なのでWiMAXのような繋がりにくさがなく、ノンストレスの快適ネット通信。その反面キャンペーンの魅力は他者より劣る。」という記載が存在する(甲1の2)。 5オ 本件各商品の詳細が記載された箇所には、それぞれの商品について、「公式サイトはこちら」等のボタンが設けられている。 そして、原告商品及びBroad WiMAXについては、上記ボタンのリンク先として公式サイトが設定されているのに対し、これら以外の本件各商品については、いずれも、上記ボタンにはアフィリエイトリンクが設定さ10れており、閲覧者が本件サイトを通じて契約した場合には、原告に一定の報酬が支給される仕組みとなっている。(以上につき、甲1の2、甲6~8、弁論の全趣旨)⑶ モバイルWiFiルーター及びWiMAXについてア 一般に、モバイルWiFiルーターとは、①WiFi回線によって、PC、15スマートフォン、タブレットやゲーム機器等と接続した上、②LTE回線等を通じ、これらをインターネットに接続させるための小型で軽量な通信端末のことをいい、また、前記②のインターネット接続サービスを含めた概念を指す語としても用いられる(以下、後者の意味でも「モバイルWiFiルーター」の語を ーネットに接続させるための小型で軽量な通信端末のことをいい、また、前記②のインターネット接続サービスを含めた概念を指す語としても用いられる(以下、後者の意味でも「モバイルWiFiルーター」の語を用いる。)。 20そして、モバイルWiFiルーターは、通信会社各社が提供しており、どの通信会社を選ぶかにより、通信速度、1か月に使用できる通信料や速度制限の内容、対応エリア、費用等が異なるほか、端末によっても、最大速度や連続通信時間、バッテリー容量、最大接続可能数等が異なる。(以上につき、乙1、2、弁論の全趣旨)25イ 一般に知られるWiMAX端末は、モバイルWiFiルーターの一種であ 5るが、前記ア②のインターネット接続において、WiMAX規格(WiMAX 2+方式)の回線を用いるものである(以下、WiMAX規格、WiMAX端末ないしWiMAX規格の回線によるインターネット接続サービスの意味でも「WiMAX」の語を用いる。)。 WiMAXに関しては、通信サービスに係る無線局を自ら開設・運用する、5いわゆるMNOはUQコミュニケーションズ株式会社(以下「UQコミュニケーションズ」という。)のみであり、同社の提供する商品(UQ WiMAX)以外のWiMAXは、いずれも、MVNO各社が、同社から提供されるインフラ及び端末(機種)を顧客に利用させるものであり、その価格設定も同社の卸価格に拘束される。したがって、UQ WiMAXでもその他の10WiMAXでも、機種が同じである限りは通信速度やサービスは基本的に同一であるが、各社は各種の価格競争を通じて、価格設定において他社の商品との差別化を図っている。(以上につき、甲11、乙1、2、弁論の全趣旨)ウ 本件WiMAX商品は、WiMAXであり、原告商品は、モバ 、各社は各種の価格競争を通じて、価格設定において他社の商品との差別化を図っている。(以上につき、甲11、乙1、2、弁論の全趣旨)ウ 本件WiMAX商品は、WiMAXであり、原告商品は、モバイルWiFiルーターではあるが、WiMAXではない。 153 争点⑴ 競争関係の有無(争点①)⑵ 「虚偽の事実」該当性(争点②)⑶ 「営業上の信用を害する」該当性(争点③)⑷ 損害額(争点④)20第3 争点に関する当事者の主張1 争点①(競争関係の有無)(原告の主張)⑴ 本件サイトは、いわゆるアフィリエイトサイトであるが、原告商品と原告のグループ会社の商品であるBroad WiMAXについてのみ、アフィリエ25イトリンクが設定されておらず、原告商品は、被告がアフィリエイト報酬を得 6るために、本件ランキング表において上位に位置する商品の優位性を際立たせる目的で、あえて掲載されているものである。 ⑵ 大阪地裁令和2年11月10日判決は、「本件発信者は、訴外会社との関係上、第三者商品の売上向上について利益を有する者であり、原告や原告商品の評価を低下させることによって不当な利益を得る関係に立つものであると解5するのが相当である。」とした上で、アフィリエイターが不正競争防止法2条1項21号所定の「競争関係」にある旨判示しているところ、被告は、ランキングで1位とされているGMOインターネット社の「とくとくBB」などの売上げ向上について利益を有する者であり、原告や原告商品の評価を低下させることによって不当な利益を得る関係に立つから、「競争関係」があるといえる。 10(被告の主張)⑴ 原告の指摘する裁判例は、具体的な事実関係に着目し、当該個別事案において「競争関 せることによって不当な利益を得る関係に立つから、「競争関係」があるといえる。 (被告の主張)⑴ 原告の指摘する裁判例は、具体的な事実関係に着目し、当該個別事案において「競争関係」を認定した事例判断にすぎず、アフィリエイトサイト全般に関し、直ちに、商品を販売する事業者とアフィリエイターとの間の「競争関係」を肯定するものではない。 ⑵ 本件サイトにおいては、本件各商品につき、「WiMAX端末に比べ超コンパクト」、「WiMAXのような繋がりにくさがなく」などとして、その長所も指摘されているほか、「公式サイトはこちら」というボタンを設定し、本件各商品に関する原告の公式サイトへのリンクも紹介されている。また、本件サイト上には、本件WiMAX商品のうちアフィリエイトリンクが設定されてい る商品を公式サイトから契約することを強く推奨するような文章も記載されていない。 したがって、本件は、原告の指摘する裁判例とは事案を異にするものであり、原告と被告との間には「競争関係」は存在しない。 2 争点②(「虚偽の事実」該当性) (原告の主張) ⑴ 原告商品は、そもそもWiMAXではない。それにもかかわらず、被告は、本件サイトにおいて、「WiMAX8社」、「WiMAX超比較」、「WiMAX一覧表」などと記載した上で、原告商品もWiMAXとして、本件WiMAX商品と比較しており、「虚偽の事実」を告知したといえる。 ⑵ 被告は、原告商品が「モバイルWiFiルーター」であることは本件サイト 内で明示されているため、「虚偽の事実」には当たらない旨主張しているが、インターネット投稿に関しては、一般の閲覧者の普通の注意と閲覧の仕方を基準とする必要があるところ、本件サイトを精読した際に理解 内で明示されているため、「虚偽の事実」には当たらない旨主張しているが、インターネット投稿に関しては、一般の閲覧者の普通の注意と閲覧の仕方を基準とする必要があるところ、本件サイトを精読した際に理解できる意味ではなく、一般の閲覧者の受ける印象に基づき判断する必要がある。 そして、本件サイトは、印刷すると17ページもの分量になるが、本件ラン10キング表が掲載されているのは3ページ目であり、一般の閲覧者は、3ページ目まで読んだ時点で、既に、「とくとくBB」が最も安いという印象を受ける。 他方で、原告商品については、通信速度やサービスは基本的に同じであるにもかかわらず、「とくとくBB」と比べて5万円も高いという印象を受けるから、仮にスクロールをして本件サイトの全体を閲覧したとしても、規格の違いには15注意が向かず、結局は上記の印象しか残らない。 (被告の主張)⑴ 確かに、本件サイトの見出しでは、WiMAXを比較する旨掲げているにもかかわらず、原告商品は厳密にはWiMAXには当たらない。しかしながら、同じモバイルWiFiルーターの一種である原告商品と本件WiMAX商品20をサービス面で比較すること自体は何ら問題ではない。 また、本件サイト上で原告商品の詳細を紹介する箇所においては、「モバイルWiFiルーター!」という記載により、原告商品がWiMAXとは異なる商品であることを明記しているのみならず、「WiMAX端末に比べ超コンパクト」、「WiMAXのような繋がりにくさがなく」などと、原告商品をWi25MAXと区別した上でその長所を指摘している。 8以上のとおり、モバイルWiFiルーター商品同士を比較検討することの正当性や本件サイト全体の記載内容に照らせば、「WiMAX8社」、「WiMAX超比較」、「WiMA 所を指摘している。 以上のとおり、モバイルWiFiルーター商品同士を比較検討することの正当性や本件サイト全体の記載内容に照らせば、「WiMAX8社」、「WiMAX超比較」、「WiMAX一覧表」などといった記載が虚偽であるということはできない。 ⑵ 原告の主張は、本件サイトの冒頭の一部の記述が不正確であることを過大に 問題視することにより、実際は、ランキング結果自体について賠償を求めるものにほかならない。すなわち、仮に本件サイトが「WiMAX等超比較」、「WiMAX等一覧表」などといった表記をしていれば、虚偽の事実の告知には当たらないものと解されるところ、そのような表記がされていたとしても、原告商品に対する評価やランキング自体は何ら変わらない。 3 争点③(「営業上の信用を害する」該当性)(原告の主張)⑴ 本件サイトに接した閲覧者は、通信速度やサービスは基本的には同じであるにもかかわらず、原告商品は「とくとくBB」に比べて5万円も高く、際立って高額な商品であるという印象を受ける。被告は、まさにそのような印象を与 えるために、あえてWiMAXではない原告商品をWiMAXのランキングに加えているのであって、本件サイトの記載が原告の営業上の信用を害することは明らかである。 ⑵ テレビCM等の他の広告媒体を見て、原告商品を詳しく知りたいと思った閲覧者が、原告の会社名や原告商品の商品名で検索をし、本件サイトにたどり着 いたような場合、上記⑴のような印象を受け、「とくとくBB」を選ぶなど、潜在的な顧客が離脱する結果を招くことになる。 (被告の主張)⑴ 本件サイトは、被告の主観的評価として、被告が実施した調査に基づき、WiMAXである8つの本件各商品に原告商品を加えた合計9つの商 な顧客が離脱する結果を招くことになる。 (被告の主張)⑴ 本件サイトは、被告の主観的評価として、被告が実施した調査に基づき、WiMAXである8つの本件各商品に原告商品を加えた合計9つの商品につい25て、「実質の総額料金」と「最新機種の有無」を主軸にランク付けを行ったも 9のである。そして、一般の閲覧者は、被告の意見が直ちに万人に当てはまるものではないことは当然に理解しているのであるから、被告が主観的な意見を表明したことによって、原告の営業上の信用は害されない。 ⑵ そもそも、ランキングサイト等において、特定の商品が他の商品よりも相対的に低い評価を受けた場合に、不競法上の「営業上の信用」が害されるという5ことになれば、およそランキングサイトを運営することができなくなるという不当な結果を招くことになる。 ⑶ むしろ、WiMAXのランキングの中に原告商品が含まれていることによって、もともとWiMAXの購入やレンタルを検討していた顧客層の関心を原告商品に一定程度向けることに寄与していると考えることもできる。 104 争点④(損害額)について(原告の主張)次のとおり、原告には550万円の損害が生じている。 ⑴ 無形損害本件サイトにより、原告には、信用力の低下、企業価値の低下及び商品価値15の低下といった抽象的な不利益が生じた。無形損害の額は500万円を下らない。 ⑵ 弁護士費用被告の行為と相当因果関係のある弁護士費用は、50万円である。 (被告の主張)20争う。 第4 当裁判所の判断1 争点①(競争関係の有無)について⑴ 不正競争防止法2条1項21号は、競争関係にある者が他の事業者の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するなどし、競争行為に 第4 当裁判所の判断 1 争点①(競争関係の有無)について⑴ 不正競争防止法2条1項21号は、競争関係にある者が他の事業者の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するなどし、競争行為において有利な地位を 得ようとする行為を規定し、もって事業者間の公正な競争等を確保するもので ある。このような同号の趣旨、目的に鑑みると、不正競争防止法2条1項21号に規定する「競争関係」とは、商品販売上の具体的な競争関係がある場合に限定されるものではなく、虚偽の事実を告知又は流布した者が、他人の競争上の地位を低下させることによって、不当な利益を得る場合をも含むと解するのが相当である。 これを本件についてみるに、前記前提事実によれば、原告はモバイルWiFiルーターという商品を自ら販売する事業者であるのに対し、被告はアフィリエイターであり、原告商品と競合する商品を直接販売するものではない。 しかしながら、前記前提事実によれば、原告の需要者はモバイルWiFiルーター等の契約を希望する者であるのに対し、本件サイトの需要者は、WiM AXの契約を希望する者であって、両商品は、いずれも携帯可能な無線通信のための規格であるという点において共通しているところ、本件サイトにおいては、本件各商品のうち、原告商品及びBroadWiMAXを除いた本件WiMAX商品についてのみ、アフィリエイトリンクが設定されている。 そのため、本件サイトを閲覧した者が本件サイトを通じて商品を契約する場 合において、被告は、上記の者が原告商品を契約した場合には何らの経済的利益を得られないのに対し、BroadWiMAXを除いた本件WiMAX商品を契約した場合にはアフィリエイト報酬を得ることができることになる。 これらの事情の下においては、被告は、 には何らの経済的利益を得られないのに対し、Broad WiMAXを除いた本件WiMAX商品を契約した場合にはアフィリエイト報酬を得ることができることになる。 これらの事情の下においては、被告は、原告商品について虚偽の事実を告知又は流布し、原告の競争上の地位を低下させることによって不当な利益を得る20ことができる関係にあるものと認められる。 したがって、被告と原告は、「競争関係」にあるものと認めるのが相当である。 ⑵ これに対し、被告は、本件サイトにおいては、本件各商品の長所も指摘されていること、本件各商品に関する原告の公式サイトへのリンクも紹介されてい25ること、アフィリエイトリンクの設定されている本件WiMAX商品につき、 11公式サイトを通じて契約することを強く推奨するような文章も記載されていないこと、以上の事情等を指摘して、原告と被告は競争関係にない旨主張する。 しかしながら、本件サイトを閲覧した者が本件サイトを通じて商品を契約する場合において、被告は、原告商品が契約された場合よりも、Broad WiMAXを除いた他の本件WiMAX商品を契約された場合の方が、利益を得5られる関係にあるものと認められ、このことは、上記において説示したとおりである。そうすると、被告主張に係る事情を考慮しても、上記判断は左右されないものというべきである。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 2 争点②(「虚偽の事実」該当性)10⑴ 争点②に対する判断原告は、原告商品はWiMAXではないにもかかわらず、本件サイトにおいて、「WiMAX8社」、「WiMAX超比較」、「WiMAX一覧表」などと記載した上で、原告商品を本件WiMAX商品と比較したことが、「虚偽の事実」の告知に当たる旨主張する。 、本件サイトにおいて、「WiMAX8社」、「WiMAX超比較」、「WiMAX一覧表」などと記載した上で、原告商品を本件WiMAX商品と比較したことが、「虚偽の事実」の告知に当たる旨主張する。 15これを本件についてみるに、前記前提事実によれば、本件サイトのタイトルは、「初めてでも大丈夫!WiMAX超比較」というものであり、本件サイトには、その全体にわたってWiMAXとモバイルWiFiルーターの異同や通信規格の相違等に関する専門的な記述は見当たらないことからすると、本件サイトは、そのような点について予備知識を持ち合わせていない者を主たる閲覧20者として対象とするものといえる。そして、前記前提事実によれば、本件サイトは、「初めてでもわかるWiMAX超比較」というタイトルに続き、冒頭部分において「騙されるな!!・・・WiMAX超比較」、「徹底超比較!WiMAX一覧表」、「WiMAX8社の支払総額、実質月額料金を表にしました。」などと記載され、WiMAXではない原告商品が、本件ランキング表の最下位25に掲げられていることが認められる。 12そうすると、本件ランキング表は、WiMAX8社の一覧表であるとして記載されているにもかかわらず、WiMAXではない原告商品が最下位に掲げられているのであるから、これに接した閲覧者は、原告商品がWiMAXであると認識することは明らかである。 したがって、被告が、「WiMAX8社」などと記載した上、本件ランキン5グ表に原告商品を記載した行為は、「虚偽の事実」の告知に当たるものと認めるのが相当である。 ⑵ 被告の主張これに対し、被告は、本件サイトには、原告商品の詳細を紹介する部分が存在するところ、同部分には、「モバイルWiFiルーター!」、「WiMAX10 と認めるのが相当である。 ⑵ 被告の主張これに対し、被告は、本件サイトには、原告商品の詳細を紹介する部分が存在するところ、同部分には、「モバイルWiFiルーター!」、「WiMAX10のような繋がりにくさがない」、「WiMAX端末に比べ超コンパクト」といった各記載が存在するのであるから、閲覧者が本件サイト全体を読めば、原告商品がWiMAXであるという誤認が生ずるものではなく、原告の主張は冒頭の記載が一部不正確であったことを口実として本件ランキング表の結果自体を問題とするものにすぎない旨主張する。 15しかしながら、証拠(甲1の2)によれば、本件サイトは、印刷すると全体で17ページもの分量を有するものであり、本件ランキング表は3ページ目に示されているのに対し、原告商品の紹介は15ページ目に表示されていることが認められる。そうすると、閲覧者が被告指摘に係る上記各記載に接するには、本件ランキング表を閲覧した後、本件サイトを最後の方までスクロールする必20要がある。しかしながら、本件ランキング表は、原告商品をWiMAXであるとして最下位に掲げているのであるから、閲覧者が原告商品に興味を持つとはいい難く、原告商品の詳細を確認するために、上記のようなスクロール操作をするものと直ちに認めることはできない。のみならず、上記の各記載は、全17ページにわたる本件サイトのうち、僅か一部に記載されるにすぎないもので25あるから、本件ランキング表のほか、本件サイトの冒頭部分に多数存在する「W 13iMAX」という記載に接し、原告商品をWiMAXであると認識した閲覧者の誤解を直ちに解き得るものと認めることはできない。 これらの事情の下においては、被告主張に係る上記各記載の内容を十分に考慮しても、上記判断を左右するものとはいえない。 MAXであると認識した閲覧者の誤解を直ちに解き得るものと認めることはできない。 これらの事情の下においては、被告主張に係る上記各記載の内容を十分に考慮しても、上記判断を左右するものとはいえない。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 53 争点③(「営業上の信用を害する」該当性)⑴ 争点③に対する判断上記2において説示したとおり、本件サイトにおける本件ランキング表は、原告商品がWiMAXであるという虚偽事実を告知した上、これを最下位に掲げるものである。しかも、その内容をみるに、前記前提事実によれば、本件サ10イトは、原告商品につき、唯一「最新機種の有無」に対応しておらず、かつ、1位の「とくとくBB」との差額が5万0160円とされるなど、「契約期間の総額料金」が最も高額であると指摘するものである。 これらの事実を踏まえると、本件サイトの閲覧者は、原告商品は、最新機種に対応していないにもかかわらず、最も安い商品よりも3年間の支払総額が515万円も高いと認識するものといえる。 したがって、上記のような虚偽の事実の告知は、原告商品の市場価値を明らかに低下させるものといえるから、原告の営業上の信用を害するものと認めるのが相当である。 ⑵ 被告の主張20これに対し、被告は、本件サイトの記述によっては原告の営業上の信用は害されない旨主張するが、次のとおり、いずれも採用することはできない。 ア 被告は、一般の閲覧者は、本件サイトの記載が被告の主観的な意見を表明したものにすぎないと当然に理解するから、原告の営業上の信用は害されない旨主張する。 25しかしながら、前記前提事実によれば、本件ランキング表は、WiMAX 14については、機種が同一である限り、通信速度やサービスは基本的に同一であ 業上の信用は害されない旨主張する。 しかしながら、前記前提事実によれば、本件ランキング表は、WiMAX については、機種が同一である限り、通信速度やサービスは基本的に同一であるという前提に立った上で、「最新機種の有無」及び「契約期間の支払総額」という客観的かつ形式的な基準に基づき順位付けをするものであるから、本件ランキング表に接した閲覧者において、これに掲げられた順位が被告個人の主観的な意見や感想によるものと理解するものとはいえない。そうする と、被告の主張は、その前提を欠くものといえる。 イ被告は、ランキングサイト等において、特定の商品が他の商品よりも相対的に低い評価を受けた場合に、不競法上の「営業上の信用」が害されるということになれば、およそランキングサイトを運営することができなくなるという不当な結果を招く旨主張する。 しかしながら、本件ランキング表は、原告商品がWiMAXであるという虚偽事実を告知するものであることは、上記において説示したとおりである。 そうすると、原告商品は、WiMAXではないため、WiMAXの最新機種には当然対応しておらず、通信速度やサービスもWiMAX各商品と同じではない以上、本来、最新機種の有無や価格という基準をもって、原告商品と 本件WiMAX商品を比較することは、明らかに不公正であるというべきである。そうすると、被告の主張は、上記判断を左右するものとはいえない。 ウ被告は、WiMAXのランキングの中に原告商品が含まれていることによって、もともとWiMAXの購入やレンタルを検討していた顧客層の関心を原告商品に一定程度向けることに寄与していると考えられる旨主張する。 しかしながら、仮に被告の主張するような顧客層が実際に存在し WiMAXの購入やレンタルを検討していた顧客層の関心を原告商品に一定程度向けることに寄与していると考えられる旨主張する。 20しかしながら、仮に被告の主張するような顧客層が実際に存在したとしても、上記のような不公正な方法で原告商品を最下位に評価するものであるから、被告の主張は、上記判断を左右するものとはいえない。 4 争点④(損害)について前記前提事実、証拠(甲1の2、甲12)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、25具体的な支払額を明らかにしていないものの、本件サイトの対策費用として株式 15会社ALL CONNECTに対し業務委託費用の一部として支払っていること、他方、本件サイトの内容、体裁等を踏まえると、本件サイトを閲覧する者の多くは、いわゆる検索サイトにおいて、「WiMAX」等の単語を検索して本件サイトに到達したものであると推認することができ、本件サイトは、基本的にはWiMAXの契約に関心がある者によって閲覧され、原告商品その他のモバイルWi5Fiルーターの契約に関心がある者は少ないというべきであること、そのため、原告商品に対する信用毀損の程度は限定的なものであると認められること、以上の事実が認められる。 これらの事情のほか本件に顕れた一切の事情を総合考慮すると、原告の被った損害の額は20万円と認めるのが相当である。そして、本件事案の内容、難易度、10審理経過及び認容額等に鑑みると、被告に賠償させるべき弁護士費用は、20万円の1割である2万円と認めるのが相当である。 5 その他その他に、準備書面における当事者双方の各主張並びに各提出証拠につき、最後に改めて検討しても、上記において説示したところを踏まえると、上記各判断15を左右するに至らない。 第5 結論よって、原告の 書面における当事者双方の各主張並びに各提出証拠につき、最後に改めて検討しても、上記において説示したところを踏まえると、上記各判断15を左右するに至らない。 第5 結論よって、原告の請求は、主文の限度で理由があるのでこれを認容することとし、その余は理由がないのでこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部20 裁判長裁判官 中 島 基 至25 16 裁判官 𠮷 野 俊 太 郎 5 裁判官 小 田 誉 太 郎 10 17(別紙)

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