【DRY-RUN】主 文 被告人等の本件控訴はいずれもこれを棄却する。 当審における訴訟費用は全部被告人等の連帯負担とする。 理 由 本件控訴の趣意は末尾添附の被告人
主文被告人等の本件控訴はいずれもこれを棄却する。 当審における訴訟費用は全部被告人等の連帯負担とする。 理由本件控訴の趣意は末尾添附の被告人等の弁護人丸山正次提出の控訴趣意書記載のとおりであるからここにこれを引用する。これに対する当裁判所の判断は左のとおりである。 弁護人の論旨第二点及び第三点について。 原判決の認定した被告人等の判示第二、の傷害致死の事実は原判決引用の証拠によりこれを認めるに足り、記録を精査検討し当審における事実取調の結果に徴しても、原判決の右事実の認定が所論のように誤認であるとは認められない。すなわち原判決の引用する検察官作成の実況見分調書及び原裁判所の検証調書、被告人等及び原審相被告人Aの司法警察員竝びに検察官に対する各供述調書、原審公判廷における各供述、Bの司法巡査に対する供述調書、警察技師C作成の鑑定書によれば、被告人等は原判示第一、掲記の日時a川堤防東側斜面においてDを殴打し又は足蹴にする等の暴行をなし同人がその場に倒れるや、原判示第二、掲記のとおりAに命じて同人を監視させ、その間にEを同所から約二〇米北方の堤防東側低地に運れ出し、青年団会合の際の連絡が悪いなどと因縁をつけてEの顔面を平手でそれぞれ殴打し、更に同所から約二〇米離れた河原にEを連行し、その場所で再び同様詰問を続けようとしたところ、Eはなおも被告人等から暴行されるものと考え突然隙をみて其の場から東方a川縁に向つて「bのみなさん助けて下さい」と連呼しながら逃走したので、被告人等のうち被告人Fは川上から、被告人Gは川下から、被告人HはEの背後から、それぞれ川縁に向い包囲するような体勢をとつてEを追跡した結果、Eは逃げ場を失い、やむを得ずa川内に飛び込んだため同人を溺死するに至らしめたことを から、被告人Gは川下から、被告人HはEの背後から、それぞれ川縁に向い包囲するような体勢をとつてEを追跡した結果、Eは逃げ場を失い、やむを得ずa川内に飛び込んだため同人を溺死するに至らしめたことを認めることができるのである。 Eが逃走したa川堤防東側斜面から東方川縁までの距離が所論のように約一〇〇米あり、その川上も、川下もいずれも一面の草生地であるとしても、被告人等が右のように包囲するような体勢をとつてEを追跡した状況の下においては、Eが所論のように逃げ場を失うことはあり得ないものということはできないし、又原審証人Dの原審公判廷における供述によると、Eも当時飲酒していたことを認めることができるけれども、Eが所論のようにa川堤防東側の河原を川縁に向つて走り出した際、飲酒のため誤つてa川に転落したものと認めるべき証拠はない。 <要旨>そしてEは前示のように被告人等から暴行を受け、なおも被告人等から危害を受けることを恐れ、これ</要旨>を避けるため、救を求めながら逃走したが、被告人等から包囲体勢をとつて追跡された結果、逃げ場を失い、やむなくa川に飛び込み溺死したものであるからEは被告人等の暴行に関する動作により溺死するに至つたものに外ならないものというべく、従つて被告人等の暴行とEの死亡との間に因果関係があるものと認めるを相当とするのである。しからば原判決には所論のような事実の誤認又は法令適用の誤はないから、論旨はいずれも理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事加納駿平判事吉田作穂判事山岸薫一)
▼ クリックして全文を表示