主文 本件上告を棄却する。理由 弁護人杉崎安夫の上告趣意第一点は、死刑は残虐な刑罰であるから、その裁判をするためには、裁判官全員一致の意見によるべきであるのに、裁判所法七七条が、この場合においても、過半数の意見によつて決することができる旨規定しているのは、憲法三六条に違反する旨主張するが、死刑が残虐な刑罰にあたらないことは、当裁判所昭和二三年三月一二日大法廷判決(刑集二巻三号一九一頁)の明らかにするところであるから、所論はその前提を欠き、同第二点は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。(なお、被告人には、その素質および生育歴において同情すべき点もあるが、本件犯行は被告人の欲望を満たすため、三度にわたつて全くおちどのない婦女子を凌虐し、そのうえ犯跡隠蔽のためこれらを殺害しようと企て、二名は幸い死を免れたものの一名はその生命を絶たれるにいたつたもので、その方法における被告人の残虐性およびその結果の重大性、さらには被告人の経歴等を考えると、被告人の責任はまことに重いものといわなければならない。原判決が、これら諸般の事情を慎重に考慮して、被告人を死刑に処した第一審判決を是認したのは、やむを得ないものというべきである。)また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。検察官河井信太郎公判出席昭和四四年一二月五日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官草鹿浅之介- 1 -裁判官城戸芳彦裁判官色川幸 裁判長裁判官草鹿浅之介- 1 -裁判官城戸芳彦裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一- 2 -
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