主文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 主位的請求(1)処分行政庁東京都渋谷区長がオマーン国に対して平成18年5月15日付けでした東京都建築安全条例4条3項に基づく認定を取り消す。 (2)処分行政庁東京都渋谷区建築主事がオマーン国に対して平成18年7月27日付けでした建築確認処分を取り消す。 予備的請求(1)処分行政庁東京都渋谷区長がオマーン国に対して平成18年5月15日付けでした東京都建築安全条例4条3項に基づく認定は無効であることを確認する。 (2)処分行政庁東京都渋谷区建築主事がオマーン国に対して平成18年7月27日付けでした建築確認処分は無効であることを確認する。 第2事案の概要 本件は,処分行政庁東京都渋谷区長(以下「渋谷区長」という)がオマー。 ン国(以下「オマーン」という)に対して平成18年5月15日付けでした。 東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号。以下「本件条例」という)4条3項に基づく認定(以下「本件認定」という,及び処分行政庁東。 。)京都渋谷区建築主事(以下「渋谷区建築主事」という)がオマーンに対して。 同年7月27日付けでした建築基準法6条1項に基づく確認(以下「本件建築確認」という)に係る別紙建設予定建物目録記載の建物(以下「本件建物」。 。)(「」。)というの敷地である別紙物件目録記載1の土地以下本件敷地というの隣接地に存する同目録記載2の(1)の建物(以下「件外建物1」という)の。 ,(,「」区分所有者である原告A及び同目録記載2の(2)の建物以下件外建物2といい,件外建物1と併せて「件外各建物」という。)の区分所有者である原告B(以下原告Aと併せて「原告ら の。 ,(,「」区分所有者である原告A及び同目録記載2の(2)の建物以下件外建物2といい,件外建物1と併せて「件外各建物」という。)の区分所有者である原告B(以下原告Aと併せて「原告ら」という)が,本件認定は本件条例4条。 3項に規定する「安全上支障がないと認める場合」に該当するような状況がないにもかかわらずされたものであって違法であり,また,本件建築確認は違法な本件認定を前提とするものであって違法である旨主張して,本件認定及び本件建築確認の各取消し等を求める事案である。 関係法令の定め(1)外交関係に関するウィーン条約(昭和39年条約第14号。以下「外交関係条約」という)。 ア1条この条約の適用上,(a)「使節団の長」とは,その資格において行動する任務を派遣国により課せられた者をいう。 (b)「使節団の構成員」とは,使節団の長及び使節団の職員をいう。 (c)「使節団の職員」とは,使節団の外交職員,事務及び技術職員並びに役務職員をいう。 (d)「外交職員」とは,使節団の職員で外交官の身分を有するものをい う。 (e)「外交官」とは,使節団の長又は使節団の外交職員をいう。 (f)から(h)まで(省略)(i)「使節団の公館」とは,所有者のいかんを問わず,使節団のために使用されている建物又はその一部及びこれに附属する土地(使節団の長の住居であるこれらのものを含む)をいう。 。 イ3条 使節団の任務は,特に,次のことから成る。 (a)接受国において派遣国を代表すること。 (b)から(e)まで(省略) (省略)ウ14条 使節団の長は,次の3の階級に分かたれる。 (a)国の元首に対して派遣された大使又はローマ法王の大使及びこれらと同等の地位を有する他の使節団の長(b)国の元首に対して派遣さ 略)ウ14条 使節団の長は,次の3の階級に分かたれる。 (a)国の元首に対して派遣された大使又はローマ法王の大使及びこれらと同等の地位を有する他の使節団の長(b)国の元首に対して派遣された公使及びローマ法王の公使(c)外務大臣に対して派遣された代理公使 (省略)エ31条 外交官は,接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。外交官は,また,次の訴訟の場合を除くほか,民事裁判権及び行政裁判権からの免除を享有する。 (a)接受国の領域内にある個人の不動産に関する訴訟(その外交官が使節団の目的のため派遣国に代わって保有する不動産に関する訴訟を含まない)。 (b)外交官が,派遣国の代表者としてではなく個人として,遺言執行者,遺産管理人,相続人又は受遺者として関係している相続に関する訴訟(c)外交官が接受国において自己の公の任務の範囲外で行なう職業活動又は商業活動に関する訴訟 (省略) 外交官に対する強制執行の措置は,外交官の身体又は住居の不可侵を害さないことを条件として,1(a),(b)又は(c)に規定する訴訟の場合にのみ執ることができる。 外交官が享有する接受国の裁判権からの免除は,その外交官を派遣国の裁判権から免れさせるものではない。 オ32条 派遣国は,外交官…(略)…に対する裁判権からの免除を放棄することができる。 放棄は,常に明示的に行なわなければならない。 外交官…(略)…が訴えを提起した場合には,本訴に直接に関連する反訴について裁判権からの免除を援用することができない。 民事訴訟又は行政訴訟に関する裁判権からの免除の放棄は,その判決の執行についての免除の放棄をも意味するものとみなしてはならない。 判決の執行についての免除の放棄のためには,別にその放棄をすることを必要 訟又は行政訴訟に関する裁判権からの免除の放棄は,その判決の執行についての免除の放棄をも意味するものとみなしてはならない。 判決の執行についての免除の放棄のためには,別にその放棄をすることを必要とする。 カ41条 特権及び免除を害することなく,接受国の法令を尊重することは,特権及び免除を享有するすべての者の義務である(以下省略)。 2及び3(省略)(2)国家及び国家財産の裁判権免除に関する国際連合条約(以下「国連裁判権免除条約」という)。 ア2条 この条約の適用上,(a)「裁判所」とは,名称のいかんを問わず,司法機能を行使する権限を有するあらゆる国家の機関をいう。 (b)「国家」とは,次のものをいう。 (1)国家及びその政府の各種の機関(2)国家の主権的権限の行使としての行為を行う権限を有し,その資格で行為を行っている連邦国家の支邦又は国家の地方政府(3)国家の主権的権限の行使としての行為を行う権限を有し,実際にそのような行為を行っている限りにおいて,国家の機関又は下部機関若しくは他の実体(4)その資格において行動している国家の代表(c)(省略)2及び3(省略) イ3条 この条約は,次の任務を果たすことに関連して国際法に基づき国家が享受する特権及び免除に影響を及ぼすものではない。 (a)国家の外交使節団,領事機関,特別使節団,国際機関に対する使節団又は国際機関の組織若しくは国際会議に対する代表団,及び(b)これらに所属する者2及び3(省略)ウ5条国家は,国家自身及びその国家財産に関し,この条約の規定に従って,他国の裁判所の裁判権からの免除を享有する。 エ6条 国家は,自国の裁判所における外国国家に対する訴訟での裁判権行使を差し控えることにより,第5条にいう国家の免除に し,この条約の規定に従って,他国の裁判所の裁判権からの免除を享有する。 エ6条 国家は,自国の裁判所における外国国家に対する訴訟での裁判権行使を差し控えることにより,第5条にいう国家の免除に効果を与えるものとし,その目的のために,自国の裁判所が第5条にいう当該外国国家の免除の尊重を自発的に決定することを確保する。 ある国家の裁判所での訴訟は,次の場合には,外国国家に対して提起されたものとみなされる。 (a)当該外国国家がその訴訟の当事者とされる場合,又は(b)当該外国国家がその訴訟の当事者とされてはいないが,その訴訟が実質的に当該外国国家の財産,権利,利益又は活動に影響を及ぼすことを求めるものである場合オ13条 関係国の間で別段の合意がない限り,国家は,次の決定に関係する訴訟に対して管轄を有する外国の裁判所において,裁判権からの免除を援用することができない。 (a)法廷地国に所在する不動産に関する国家の権利若しくは利益,国家によるその占有若しくは使用,若しくは国家の利益から生じる若しくは国家によるその占有若しくは使用から生じる当該国家の義務(b)相続,贈与若しくは無主物により生じる動産若しくは不動産に関する国家の権利若しくは利益,又は,(c)信託財産,破産者の財産若しくは解散した会社の財産のような財産の管理に関する国家の権利若しくは利益カ18条国家の財産に対する差押,仮差押又は強制執行のような判決前のいかなる強制措置も,次の場合であって,かつ次の限度による場合を除くほか,外国の裁判所での訴訟に関連してとられてはならない。 (a)国家が,以下の方法により,指定された措置をとることに明示的に同意している場合。 (1)国際協定(2)仲裁協定若しくは書面による契約,又は,(3)当事者間に紛争が生じた はならない。 (a)国家が,以下の方法により,指定された措置をとることに明示的に同意している場合。 (1)国際協定(2)仲裁協定若しくは書面による契約,又は,(3)当事者間に紛争が生じた後での裁判所における宣言又は文書による通知(b)国家が当該訴訟の目的である請求を満たすために財産を割当て又は指定した場合 キ19条国家の財産に対する差押,仮差押又は強制執行のような判決後のいかなる強制措置も,次の場合であって,かつ次の限度による場合を除くほか,外国の裁判所での訴訟に関連してとられてはならない。 (a)国家が,以下の方法により,指定された措置をとることに明示的に同意している場合。 (1)国際協定(2)仲裁協定若しくは書面による契約,又は,(3)当事者間に紛争が生じた後での裁判所における宣言又は文書による通知(b)国家がその訴訟の目的である請求を満たすために財産を割当て又は指定した場合,又は,(c)当該財産が国家により特に政府の非商業的目的以外の目的のために使用され又は使用されることが意図されており,かつ法廷地国の領域内に存在することが立証されている場合。但し,訴訟の対象とされている団体と関連を有する財産に対してのみ判決後の強制措置をとることができる。 (3)本件条例ア1条建築基準法(以下「法」という)第40条(…(略)…)による建築物。 の敷地,構造及び建築設備並びに工作物に関する制限の附加,法第43条第2項による建築物の敷地及び建築物と道路との関係についての制限の附 加,建築基準法施行令(…(略)…。以下「令」という)第128条の3。 第6項による地下街に関する令と異なる定め並びに令第144条の4第2項による道に関する令と異なる基準については,この条例の定めるところによる。 イ1条の2 …。以下「令」という)第128条の3。 第6項による地下街に関する令と異なる定め並びに令第144条の4第2項による道に関する令と異なる基準については,この条例の定めるところによる。 イ1条の2第4条,第10条の2,第10条の3,第22条,第41条及び第82条の規定は,都市計画区域及び準都市計画区域内に限り適用する。 ウ4条1項延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合は,その延べ面積の合計とする)が1000㎡を超える建築物の敷地は,その延べ。 ,。 面積に応じて次の表に掲げる長さ以上道路に接しなければならない延べ面積長さ1000㎡を超え,2000㎡以下のもの6m2000㎡を超え,3000㎡以下のもの8m3000㎡を超えるもの10m2項延べ面積が3000㎡を超え,かつ,建築物の高さが15mを超え,「」る建築物の敷地に対する前項の規定の適用については同項中道路 とあるのは「幅員6m以上の道路」とする。 ,3項前2項の規定は,建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支障がないと認める場合においては,適用しない。 前提事実本件の前提となる事実は次のとおりである。証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる事実並びに当裁判所に顕著な事実はその旨付記しており,それ以外の事実は,当事者間に争いがない。 (1)当事者等ア原告Aは,本件敷地の隣接地に存する件外建物1の区分所有者であり,原告Bは,同隣接地に存する件外建物2の区分所有者である(甲4。書。 証番号は特記しない限り枝番を含む。以下同じ)。 イ渋谷区長は,特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例(平成11年東京都条例第106号)に基づき,本件条例4条3項の認定に係る権限を有するものである。 ( 限り枝番を含む。以下同じ)。 イ渋谷区長は,特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例(平成11年東京都条例第106号)に基づき,本件条例4条3項の認定に係る権限を有するものである。 (2)本件認定及び本件建築確認の経緯等アオマーンは,平成16年1月30日,本件敷地を買い受けて,その所有権を取得した(甲1)。 イオマーンは,本件敷地上に大使館兼大使公邸兼大使館員住居として本件建物を建築することを計画した。本件建物の概要は,別紙建設予定建物目録記載のとおりであり,延べ床面積が6690.53㎡,高さが24.85mである。なお,現在,オマーン大使館は,東京都渋谷区α-××-1 1に在る(甲12,13,乙1)。 ウ「オマーン王国大使館駐日大使C」は,渋谷区長に対し,平成18年4月12日,本件建物の建築主として,認定申請書を提出するという方法により本件条例4条3項に基づく認定の申請をした以下この申請を本,(,「件申請」といい,上記認定申請書を「本件申請書」という(乙1)。)。 エ渋谷区長は「オマーン王国大使館駐日大使C」に対し,平成18年5,月15日付けで,本件認定をした(甲2,乙2)。 オ「オマーンスルタン国特命全権大使D」は,平成18年6月1日「オ,マーンスルタン国特命全権大使D」を建築主とする本件建物に関する建築計画概要書を渋谷区建築主事に提出した。建築基準法6条1項に基づく確認の申請書は,同法施行規則別記第二号様式による正本及び副本に,それぞれ同規則1条の3第1項に定める所定の図書を添えたもの並びに別記第三号様式による建築計画概要書のほか,同項に定める所定の図書を添えた(),「」,ものとされている同項がオマーンスルタン国特命全権大使Dは渋谷区建築主事に対し,本件建物について 記第三号様式による建築計画概要書のほか,同項に定める所定の図書を添えた(),「」,ものとされている同項がオマーンスルタン国特命全権大使Dは渋谷区建築主事に対し,本件建物について建築基準法6条1項に基づく確認の申請をしていない(乙3,4)。 カ渋谷区建築主事は,本件建物の建築主を「オマーンスルタン国特命全権大使D」として,同人に対し,平成18年7月27日付けで,建築基準法18条3項(同法6条の3第1項の規定により読み替えて適用される6条1項)の規定に基づき本件建築確認をした(乙3,4)。 キ原告らほか2名は,渋谷区建築審査会に対し,平成18年8月7日,本件認定及び本件建築確認の各取消しを求める審査請求をした(甲3)。 ク渋谷区建築審査会は,平成18年11月9日付けで,上記キの審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をした(甲3)。 ケ原告らは,平成18年11月29日,本件認定及び本件建築確認の各取消しを求める本件訴えを提起した。さらに,原告らは,同19年5月11日の第3回口頭弁論期日において陳述した準備書面(1)(同年4月10日付け)により,本件認定及び本件建築確認の各無効確認を求める予備的請求を追加した(当裁判所に顕著な事実)。 争点 (1)本案前の争点ア本件訴えについて我が国の裁判権が及ぶか。 イ本件認定及び本件建築確認が行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下「処分」という)に該当す」。 るか。 (2)本案の争点ア本件認定が違法なもの(主位的請求)又は無効なもの(予備的請求)であるということができるか。 ()()イ本件建築確認が違法なもの主位的請求又は無効なもの予備的請求であるということができるか。 当事者の主張の要旨(1)争 無効なもの(予備的請求)であるということができるか。 ()()イ本件建築確認が違法なもの主位的請求又は無効なもの予備的請求であるということができるか。 当事者の主張の要旨(1)争点(1)イ(本件認定及び本件建築確認が処分に該当するか)について。 (原告らの主張)ア外交官が職務として行った行為により生じる効果は,専ら国家に帰属す 。 ,。 る本件建物の用途は大使館であり本件建物の建築主はオマーンであるそのため,本件建物の建築に関する法令の適用につき,国家の特権に関する法理が影響することはあっても,オマーン駐日大使が外交官として有する治外法権が作用する余地はない。 イ特定の行政行為が処分ということができるかどうかは,当該行為の一般的な性質によって決まるのであり,個々の行為に関する個別の具体的な事情によって左右されるものではない。 本件認定は本件条例4条3項に,本件建築確認は建築基準法6条に基づくものであり,いずれも建築主に対して禁止されている建築の全部又は一部につき,禁止を解除する効果を持つものであるから,いずれも処分に該当する。 ,,ウ本件建物の建築主は外国国家であるオマーンであるところ外国国家は日本国内において行う建物の建築につき,日本法の適用を受け,これに関する地位は日本人と全く同等であって,日本人が建築を行う場合と比較して,いかなる優遇措置も受けることはできない。 仮に,本件建物の建築について,オマーンが国家の主権の作用として何,,らかの特権を有しているとしても①オマーン駐日大使及びその代理人は本件建物の建築に関して利害を有する原告ら周辺住民に対し,再三にわたり,本件建物の建築について我が国の法令を遵守して行う旨明言し,②オマーン駐日大使は,本件建物の建築に関し,我が国の建築行政を担当する行 物の建築に関して利害を有する原告ら周辺住民に対し,再三にわたり,本件建物の建築について我が国の法令を遵守して行う旨明言し,②オマーン駐日大使は,本件建物の建築に関し,我が国の建築行政を担当する行政庁である渋谷区長及び渋谷区建築主事に対して,それぞれ,本件条例4条3項に基づく認定及び建築基準法に基づく建築確認という我が国の建 築法制に基づく行政上の処置を求めたのであるから,オマーンは,本件建物の建築について,その特権を放棄した。 (被告の主張)ア国際慣習法上又は条約上,特権及び免除を享有するすべての者が,その特権及び免除の効果の1つとして,接受国の法令に基づく公権力の行使に服しないことは,国際慣習法上広く認められている「オマーンスルタン。 国特命全権大使D」は,外交関係条約1条(a)にいう「使節団の長」であり,同条(e)にいう「外交官」に該当するから,外交関係条約に規定する特権及び免除を享有する者であり,我が国の公権力の行使に服しない。そのため「オマーンスルタン国特命全権大使D」は,本来,本件建物に関,して,建築確認処分を受けなければならないものではない。 従前の取扱いとして,建築確認申請が大使等からされた場合には,事実上,これを建築基準法18条の手続に準じて取り扱うべき旨の国の通達があるところ,渋谷区長は「オマーン王国大使館駐日大使C」から本件建,物に関して本件条例4条3項の規定に係る認定申請書の提出を受けたので,上記通達に基づき,同条項の要件該当性について審査を行い,安全上支障がないと認めたことから「オマーン王国大使館駐日大使C」に対し,てその旨通知したにすぎない。 ,,「」,また渋谷区建築主事もオマーンスルタン国特命全権大使Dから本件建物に関し,建築基準法18条2項に基づく計画通知書の提出を受けたので 」に対し,てその旨通知したにすぎない。 ,,「」,また渋谷区建築主事もオマーンスルタン国特命全権大使Dから本件建物に関し,建築基準法18条2項に基づく計画通知書の提出を受けたので,上記通達に基づき,建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し,適合することを認めたことから「オマーンスルタン国特命全権大使, D」に対し,その旨を通知したにすぎない。 ,,イ処分とは公権力が一方的に私人の権利義務に影響を及ぼすものであり,「」,建築確認の法的効果は適法に工事ができるというものであるところ「オマーンスルタン国特命全権大使D」は,そもそも我が国の公権力に服するものではなく,その行う工事が「適法」又は「違法」であるということを観念することはできないのであるから,本件建築確認は「オマーン,」。 スルタン国特命全権大使Dに対して上記法的効果を及ぼすものではないしたがって,本件認定及び本件建築確認は,いずれも取消訴訟の対象である処分に当たらず,本件訴えはいずれも不適法である。 (2)争点(2)ア(本件認定が違法なもの又は無効なものであるということができるか)について。 (原告らの主張)ア(ア)本件においては,以下に示すとおり,本件条例4条3項に規定する「建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支障がないと認める」べき客観的状況は存在しない。 (イ)a本件建物は,本件敷地内にほぼ目一杯に建築されることが予定されており,本件建物の周辺には,安全の確保に必要な空地が極めて少ない。本件建物の建築計画において,本件敷地と本件敷地の東側を通る道路との境界に設置される予定であった障壁を,境界から本件敷地内に2m後退させた位置に建築するように変更し,それにより生じるスペースを事実上道路の一部と 計画において,本件敷地と本件敷地の東側を通る道路との境界に設置される予定であった障壁を,境界から本件敷地内に2m後退させた位置に建築するように変更し,それにより生じるスペースを事実上道路の一部とするようにされたが,このような方法は脱法的なものであり,周辺の空地の面積を拡大させ,安全を増進す るものということはできない。 b本件建物は,床面積は6600㎡を,高さは24mをそれぞれ超えるものであり,本件条例4条1項に規定する数値を大幅に上回るものであるから,災害時には甚大な危険を生じさせるものである。そのため,本件建物に関し「安全上支障がない」というためには,そのよ,うな危険を回避することができるだけの客観的状況が必要である。 c本件条例が大規模建築物について幅員6mを超える道路と接しなければならないということを定めた目的は,災害時に,避難路の確保や緊急車両の通行を円滑に行うことで,災害の拡大を防止することにある。本件敷地に接する道路は,本件敷地の北端において4.95m,南端において5.23mであり,本件建物に発生し得る災害の拡大の防止に必要な多数の緊急車両がかろうじて通行することができるものにすぎないのであるから,円滑な救助及び災害拡大の防止をすることは困難である。 d「安全上支障がない」というためには,周辺住民に及ぼす危険にも配慮した安全が確保されるかどうかが重要である。本件敷地の周辺には,社会福祉法人,学校法人,集合住宅等が存在し,知的障害児,老人,学生等の避難能力の乏しい人たちが多数生活しているので,本件建物に災害が発生した場合,これらの人たちが重大な被害を被るおそれがある。 (ウ)このように,本件条例4条3項に規定する要件を満たすような状況がないにもかかわらずされた本件認定は違法である。 イ(ア)被告は た場合,これらの人たちが重大な被害を被るおそれがある。 (ウ)このように,本件条例4条3項に規定する要件を満たすような状況がないにもかかわらずされた本件認定は違法である。 イ(ア)被告は,本件認定は処分には当たらず,処分は不存在である旨主張するところ,本件認定の不存在の主張は,本件訴訟の訴訟物である本件認定が違法であることを承認するものである。 したがって,被告は上記主張により請求の認諾をしたものである。 (イ)また,被告の上記主張は,本件認定のより重大な違法である無効の主張であり,本件認定の違法の主張を包含するものであるから,被告は上記主張をすることにより,本件認定の違法事由を包括的に自白した。 (ウ)したがって,本件認定は違法である。 ウ仮に被告が主張するように本件認定が処分に当たらないとしても,処分ではない本件認定が処分としてされたかのような外観が存在する。 したがって,予備的に本件認定が無効であることの確認を求める。 (被告の主張)ア渋谷区長は,本件建物について,敷地の形状,建築物の構造,規模,建築物の敷地内の空地の状況,建築物の敷地外の状況,敷地周囲の市街地の密集の度合い等を総合的に考慮した上で,本件条例が目的とする災害時等における居住者等の避難及び通行の安全について,十分に確保されていると判断した。 イ①本件敷地に接する道路は,幅員が平均約5.4mで,本件敷地との接道長は約50mであり,また,交通量が少なく,通り抜けが可能な一方通行の道路であること,②本件敷地内には,前面の道路に沿って,幅約2mの歩道状空地が設けられ,また,各方位についてもそれぞれ空地が設けられること,③本件敷地の周辺には低層の建物が点在し,また,高等学校の 校庭もあるなど,避難における安全性は高いこと,④本件建物は,大使館という施設の ,また,各方位についてもそれぞれ空地が設けられること,③本件敷地の周辺には低層の建物が点在し,また,高等学校の 校庭もあるなど,避難における安全性は高いこと,④本件建物は,大使館という施設の性格上,人口密度が低く,本件敷地における建ぺい率は基準の60%より低い52%であり,また,多数の窓が存在することなどから避難上の問題はないこと等の事情が存在するから,本件建物の火災の際の居住者等の避難及び通行における安全の確保については,問題はない。 また,①本件敷地の周辺には建築物は密集しておらず,緊急車両は空地を用いて消火活動等をすることができること,②本件敷地及び本件敷地の周辺の施設には,いずれも貯水槽が設けられていること,③本件建物及び本件敷地の周辺の建物のうちの多くは,耐火構造であること等の事情が存在するから,火災の際の周囲への延焼の危険はなく,また,消火活動にも支障はない。 ウ渋谷区長は,本件建物について,上記の事情等を総合的に考慮した上で本件認定をしたのであり,その判断は合理的であって,適法である。 (3)争点(2)イ(本件建築確認が違法なもの又は無効なものであるということができるか)について。 (原告らの主張)ア(ア)本件建築確認は,建築主であるオマーンによる建築基準法6条による確認申請がないにもかかわらずされた。建築確認を受けるにつき,確認申請を要しないのは,同法18条に定める「国,都道府県又は建築主事を置く市町村」に限られる。これは,これらの主体が建築の専門家を擁することにかんがみ,建築確認申請に関する手続を簡素化しても,建築の適正に関して支障がないことによる。我が国の建築に関する専門家 を擁しない外国国家であるオマーンは,上記主体に該当しないのであるから,オマーンを「国,都道府県又は建築主事を置く市町村」と同 築の適正に関して支障がないことによる。我が国の建築に関する専門家 を擁しない外国国家であるオマーンは,上記主体に該当しないのであるから,オマーンを「国,都道府県又は建築主事を置く市町村」と同様に扱った本件建築確認は,同法6条の手続に反し,違法である。 (イ)前述のとおり,本件認定は違法であるところ,本件建築確認は,確認事項の1つである本件認定の違法を看過し,これが適法であることを前提としたものであるから,違法である。 (ウ)本件建物は,周辺住民に対し,日照,圧迫感及びプライバシーに関して重大な侵害をもたらすものであり,また,周辺住民の居住する住宅の経済的価値を著しく損なうものであるから,オマーンによる本件建物の建築は,本件敷地の所有権を濫用するものである。このように,敷地の所有権の濫用がある場合,建築主事は,建築確認を行うに当たり,当事者の利害につき何らかの調整を試みるべきところ,本件建築確認は,その点を考慮することなくされたものであるから,違法である。 イ(ア)被告は,本件建築確認は処分には当たらず,処分は不存在である旨主張するところ,本件建築確認の不存在の主張は,本件訴訟の訴訟物である本件建築確認が違法であることを承認するものである。 したがって,被告は上記主張により請求の認諾をしたものである。 (イ)また,被告の上記主張は,本件建築確認のより重大な違法である無,,効の主張であり本件建築確認の違法の主張を包含するものであるから被告は上記主張をすることにより,本件建築確認の違法事由を包括的に自白した。 (ウ)したがって,本件建築確認は違法である。 ウ仮に被告が主張するように本件建築確認が処分に当たらないとしても,処分ではない本件建築確認が処分としてされたかのような外観が存在する。 したがって,予備的に本件建築 建築確認は違法である。 ウ仮に被告が主張するように本件建築確認が処分に当たらないとしても,処分ではない本件建築確認が処分としてされたかのような外観が存在する。 したがって,予備的に本件建築確認が無効であることの確認を求める。 (被告の主張)ア(ア)本件建築確認は,大使等から建築確認申請がされた場合には,事実上,これを建築基準法18条の手続に準じて取り扱うようにとの国の通達に基づいてされたものであり,その手続に違法はない。 (イ)また,建築基準法が建築物の構造等に関する最低基準を定めて国民の生命,健康及び財産を保護するために建築物の建築等を規制していることに照らすと,建築主が建築物を建築する予定がある場合には,たとえ当該建築物について建築主事に対する確認の申請がされていなかったとしても,当該建築物が建築基準関係規定に適合していれば,建築主事は,当該建築物についてその旨の確認をすることが認められるというべきである。 したがって,本件建物について建築主事に対する確認申請がされていないことは,本件建築確認の違法事由にはならないというべきである。 イ原告らは,本件建築確認の前提となる本件認定が違法であるから,本件建築確認もまた違法である旨主張する。 しかし,前述のとおり,本件認定は適法であるから,原告らの主張はその前提を欠くものである。 ウ原告らは,本件建築確認は,日照被害,圧迫感及びプライバシー侵害に ついての利害調整を行っていないから違法である旨主張する。 しかし,建築確認において,建築主事は,建築主が建築しようとする建,,物について建築基準関係規定に適合するかどうかを審査するものであり私人間の民事上の利害関係を調整する義務を負うものではないから,上記主張は失当である。 第3当裁判所の判断 争点(1)ア(本件訴えに ついて建築基準関係規定に適合するかどうかを審査するものであり私人間の民事上の利害関係を調整する義務を負うものではないから,上記主張は失当である。 第3当裁判所の判断 争点(1)ア(本件訴えについて我が国の裁判権が及ぶか)について。 (1)まず,本件建物の建築主として本件認定及び本件建築確認の相手方となったのはだれであるかということについて検討するに,①前記前提事実によると,本件建物について建築主として本件条例4条3項に基づく認定の申請をして本件認定を受けたのは「オマーン王国大使館駐日大使C」であり,,また,渋谷区建築主事に提出された本件建物に関する建築計画概要書において本件建物の建築主とされ,本件建築確認において本件建物の建築主とされていたのは「オマーンスルタン国特命全権大使D」であること,②前記前,提事実によると,本件建物は,オマーンの大使館兼大使公邸兼大使館員住居としてその建築が計画されたものであり,その敷地である本件敷地はオマーンの所有に属すること,③我が国においては,財務大臣の指定した外国国家の政府又は政府機関は,財務大臣の承認があれば,土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備を有効に取得することができ(外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令昭和24年政令第311号以下本(。 「件政令」という)2条,3条1項,4条,オマーンは財務大臣の指定する。 )国家の1つである(外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令によ り財務大臣の指定する国(昭和27年大蔵省告示第1531号)柱書き及び137)から,オマーンは,財務大臣の承認を受ければ我が国において土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備を有効に取得することができる上,本件政令は,既存の土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付 から,オマーンは,財務大臣の承認を受ければ我が国において土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備を有効に取得することができる上,本件政令は,既存の土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備の取得には財務大臣の承認を要するが,自ら新築するという方法による建物の取得には財務大臣の承認を要するものとは定めていないから,オマーンは,財務大臣の承認がなくても本件建物の建築によって本件建物の所有権を有効に取得することができること,④使節団の任務の1つは,接受国において派遣国を代表することであり(外交関係条約3条1(a) ,大使は)使節団の長である(外交関係条約1条(a))こと,⑤本件敷地に掲げられた「」(),「」建築計画のお知らせ甲8の8にも建築主はオマーンスルタン国と表示されていることを総合すると,オマーン駐日大使Cは,個人として建築主となり本件認定及び本件建築確認の相手方となったのではなくオマーンを我が国において代表する者として行動し申請者等として表記されていたものというべきであって,本件建物の建築主は,オマーン駐日大使個人ではなく,オマーンであると認めるのが相当であり,本件認定及び本件建築確認の相手方も,オマーン駐日大使個人ではなく,オマーンであるというべきである。 (2)ところで,オマーンは,本件建物の建築についてされた本件認定及び本件建築確認の各取消し等を求める本件訴えの被告ではない。しかし,仮に,本件認定及び本件建築確認がいずれも処分であり,本件訴えにおいてこれらがいずれも取り消されると,オマーンは,本件建物を建築することができな いことになる。他方,オマーンがする本件建物の建築についてされた本件認定及び本件建築確認の各取消し等を求める本件訴えが我が国の裁判権行使の対象とならないとすれ ,本件建物を建築することができな いことになる。他方,オマーンがする本件建物の建築についてされた本件認定及び本件建築確認の各取消し等を求める本件訴えが我が国の裁判権行使の対象とならないとすれば,そもそも本件訴えにおいて本件認定及び本件建築確認が違法であるか否かを判断することはできないことになる。そこで,まず,本件認定及び本件建築確認の各取消し等を求める本件訴えが我が国の裁判権行使の対象となるか否かについて検討する。 (3)ア外国国家を相手方とする処分が違法であるか否か等が裁判手続において争われる場合には,外国国家が我が国の民事裁判権又は行政裁判権に服するか否かを検討する必要がある。外国国家に対する民事裁判権及び行政裁判権の免除に関しては,かつては,外国国家は,法廷地国内に所在する不動産に関する訴訟など特定の場合や,自ら進んで法廷地国の民事裁判権又は行政裁判権に服する場合を除き,原則として,法廷地国の民事裁判権又は行政裁判権に服することを免除されるという考え方(以下「絶対免除主義」という。)が広く受け入れられ,この考え方を内容とする国際慣習法が存在していたものと解される。しかし,国家の活動範囲の拡大等に伴い,国家の行為を主権的行為とそれ以外の私法的ないし業務管理的な行為とに区分し,外国国家の私法的ないし業務管理的な行為についてまで法廷地国の民事裁判権及び行政裁判権を免除するのは相当でないという考え方(以下「制限免除主義」という)が徐々に広がり,現在では多くの国に。 おいて,制限免除主義に基づいて,外国国家に対する民事裁判権又は行政裁判権の免除の範囲が制限されるようになってきている。これに加えて,平成16年12月2日に国際連合第59回総会において採択された国連裁 判権免除条約も,制限免除主義を採用している。このような事情を考 権の免除の範囲が制限されるようになってきている。これに加えて,平成16年12月2日に国際連合第59回総会において採択された国連裁 判権免除条約も,制限免除主義を採用している。このような事情を考慮すると,今日においては,外国国家は主権的行為について法廷地国の民事裁判権又は行政裁判権に服することを免除される旨の国際慣習法の存在については,これを引き続き肯認することができるものの,外国国家は私法的ないし業務管理的な行為についても法廷地国の民事裁判権又は行政裁判権から免除される旨の国際慣習法はもはや存在しないものというべきである。そして,外国国家に対する民事裁判権及び行政裁判権の免除は,国家がそれぞれ独立した主権を有し,互いに平等であることから,相互に主権を尊重するために認められたものであるところ,外国国家の私法的ないし業務管理的な行為については,我が国が民事裁判権又は行政裁判権を行使したとしても,通常,当該外国国家の主権を侵害するおそれはないものと解されるから,外国国家に対する民事裁判権及び行政裁判権の免除を認めるべき合理的な理由はないといわなければならない。外国国家の主権を侵害するおそれのない場合にまで外国国家に対する民事裁判権及び行政裁判権の免除を認めることは,外国国家の私法的ないし業務管理的な行為によって損害を被るおそれのある私人に対して,合理的な理由のないまま,司法的救済を一方的に否定するという不公平な結果を招くことになる。したがって,外国国家は,その私法的ないし業務管理的な行為については,我が国による民事裁判権又は行政裁判権の行使が当該外国国家の主権を侵害するおそれがあるなど特段の事情がない限り,我が国の民事裁判権及び行政裁判権から免除されないと解するのが相当である(最高裁平成11年(オ)第887号,同年(受)第741号 が当該外国国家の主権を侵害するおそれがあるなど特段の事情がない限り,我が国の民事裁判権及び行政裁判権から免除されないと解するのが相当である(最高裁平成11年(オ)第887号,同年(受)第741号同14年4月12日第二小法廷判 決・民集56巻4号729頁,最高裁平成15年(受)第1231号同18年7月21日第二小法廷判決・民集60巻6号2542頁参照。 )そうすると,外国国家の行為が,主権的行為ではなく私法的ないし業務管理的な行為であると認められる場合には,我が国による民事裁判権又は行政裁判権の行使が当該外国国家の主権を侵害するおそれがあるなど特段の事情がない限り,当該外国国家の行為について当該外国国家を相手方としてされた処分が違法であるか否か等が裁判手続において争われれば,我が国の裁判所は,これについて判断することができるものと解される。 イそして,主権的行為と私法的ないし業務管理的な行為との区別については,①外国国家の我が国の裁判権からの免除は,外国国家の主権を侵害しない限りで,外国国家との取引の相手方となった者又は外国国家に対してされた処分によって法律上不利益を被る者若しくはそのおそれのある者の権利ないし利益についての裁判上の保護を図るという見地から,その範囲を確定すべきものであること,②その範囲を確定するに当たっては,外国国家の行為の目的ないし動機を基準にして区別しようとする見解は,その行為を行った外国国家の認識の内容がその判断基準になるという点において,判断が主観的なものとなるおそれがあること,③これに比べて,外国国家の行為自体の法的性質を基準にして区別しようとする見解は,私人が行うことができる行為と同様な行為であれば,私法的ないし業務管理的な行為であって,裁判権免除の対象とはならず,国家のみが行い得る行為を主権的 自体の法的性質を基準にして区別しようとする見解は,私人が行うことができる行為と同様な行為であれば,私法的ないし業務管理的な行為であって,裁判権免除の対象とはならず,国家のみが行い得る行為を主権的地位に基づく統治作用としての公的行為としてとらえて裁判権免除の対象とするもので,判断基準として客観的で優れたものであるというこ とができること,④もっとも,一見私法的ないし業務管理的な行為であっても,軍事,外交,立法,司法及び行政に関する権力の行使に密接に関係してされたものである場合には,行為の法的性質だけから機械的に私法的ないし業務管理的な行為と割り切って処理することが適当ではない場合があり得るものと考えられるから,主権的行為と私法的ないし業務管理的な行為との区別において外国国家の行為の目的ないし動機を全く参酌しないとするのは適当ではないが,上記②のおそれを考えると,外国国家の行為の目的ないし動機を参酌するとしても,それは,当該外国国家の行為の法的性質の判断に当たって,客観的に表示されている当該外国国家の行為の動機ないし目的を加味して総合的に考慮して,当該外国国家の行為が私人の行為と同様な行為であるか,それとも国家のみが行い得る行為であるかという観点から判断するのが相当である。 (4)ア①我が国においては,建築基準法6条1項各号に掲げる建築物を建築することは本来私人が自由にできることであること,②前記前提事実のほか,証拠(甲8,9,13から16まで,乙1,3)によると,(1)本件建物は,平成18年10月に建築が開始され,同20年2月にしゅん工の予定であり,完成後にはオマーンの大使館兼大使公邸兼大使館員住居として使用される予定であり,本件申請書には「建築物の主要用途」として,「,,」,,大使館大使公邸大使館員住居と の予定であり,完成後にはオマーンの大使館兼大使公邸兼大使館員住居として使用される予定であり,本件申請書には「建築物の主要用途」として,「,,」,,大使館大使公邸大使館員住居と記載されていたこと(2)しかし現在,オマーン大使館は,東京都渋谷区α-××-11に在ることが認め,,,,られること③そうすると使節団の公館とは所有者のいかんを問わず使節団のために使用されている建物又はその一部及びこれに附属する土地 (使節団の長の住居であるこれらのものを含む)をいう(外交関係条約。 1条(1))から,本件建物は,完成後には使節団の公館として使用される目的で建築が計画され,現在建築中のものであるということができるものの,現時点においてはオマーンから日本国に派遣された使節団の公館ではないこと,④使節団の公館が外国国家の我が国における外交活動の拠点であることを考慮すれば,外国国家が外交活動を行うために我が国において使節団の公館に供するための建物を最初に取得する行為は,それが既存の建物の購入や賃借であれ,新規に建物を建築することであれ,当該外国国家の我が国における外交活動の一環であるということができ,その意味において上記取得行為は当該外国国家のみが行い得ることであるということができるのに対し,既に我が国において使節団の公館に供するための建物を取得してこれを利用している外国国家が,これに替えて別の建物を取得する行為を直ちに外交活動の一環であるということは当然にはできないのであり,これを外交活動の一環であると認めるべき諸事情とあいまって初めて当該外国国家のみが行い得ることであるということができるところ,本件全証拠を精査しても,オマーンが本件建物を建築することを直ちにオマーンの外交活動の一環であると認めるべき諸事情の存在は まって初めて当該外国国家のみが行い得ることであるということができるところ,本件全証拠を精査しても,オマーンが本件建物を建築することを直ちにオマーンの外交活動の一環であると認めるべき諸事情の存在はうかがわれないのであり,したがって,オマーンが本件建物を建築することは,オマーンという外国国家のみが行い得る行為ではなく,私人が行うのと同様の行為であると認めるのが相当である。 そうすると,オマーンは,本件建物を建築することがオマーンの主権的行為であることを理由に,本件認定及び本件建築確認が違法であるか否か が争われている本件訴えにおいて,我が国の民事裁判権及び行政裁判権から免除されるべきであるということはできない。 イ(ア)また,法廷地国内に所在する不動産に関する訴訟は,絶対免除主義の下においても,法廷地国の裁判権に服するものと解されているが,これは,当該不動産に関する訴訟において問題となっている権利関係の内容が不動産を直接に支配するものであるという点において法廷地国の領土主権と抵触することから,法廷地国の領土主権を尊重して,法廷地国内に所在する不動産に関する訴訟については法廷地国の裁判権に服するものとされていることによるのである。そうすると,法廷地国の裁判権に服するものとされる法廷地国内に所在する不動産に関する訴訟とは,外国国家の所有に係る不動産を直接目的とする権利関係の訴訟をいうものと解するのが相当である。 また,我が国においては,財務大臣の指定した外国国家の政府又は政府機関は,財務大臣の承認がなければ,土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備を有効に取得することはできない(本件政令2条,3条1項,4条)が,本件政令は,外国国家が既存の土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備を取得する場合には財務大臣の承認 これに付属する設備を有効に取得することはできない(本件政令2条,3条1項,4条)が,本件政令は,外国国家が既存の土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備を取得する場合には財務大臣の承認を要するものと定めているものの,外国国家が自ら建築するという方法によって建物を取得する場合には財務大臣の承認を要するものとは定めていないから,外国国家は,財務大臣の承認がなくても建物の建築によって当該建物の所有権を有効に取得することができるというべきである。そうすると,法廷地国内に所在する不動産に関する訴訟にいう 不動産とは,既に外国国家が所有している土地,建物の全部若しくは一部又はこれに付属する設備のほか,外国国家が建築中の建物を含むものと解するのが相当である。 なお,外交関係条約31条1(a)の括弧書きでは,外交官が使節団の目的のため派遣国に代わって保有する不動産に関する訴訟には裁判権免除が認められる旨定められているが,これは,世界各国の中には法律で外国国家に不動産の取得を許さない旨定める国があり,その場合には当該外国国家は自己の名義で不動産を取得することはできないので,その国に派遣した使節団の長等の名義で不動産を取得することになるが,その場合,名義上は外交官の不動産であっても,実質的には当該外交官を派遣した外国国家の所有に係る不動産であることから,当該不動産に関する事件は,接受国の裁判権から免除されるのが相当であるとして規定されたものであると解することができる。そうすると,この規定によっても,外国国家の所有に係る不動産のうち使節団の目的のために現に使用されているものに関する訴訟は,法廷地国内に所在する不動産に関する訴訟から除外されるけれども,そのように現に使節団の目的のために使用されている不動産以外のものに係る訴訟については,裁 ために現に使用されているものに関する訴訟は,法廷地国内に所在する不動産に関する訴訟から除外されるけれども,そのように現に使節団の目的のために使用されている不動産以外のものに係る訴訟については,裁判権免除の対象とはならないものと解するのが相当である。 (イ)そうすると,本件建物は,完成後には使節団の公館として使用される目的で建築が計画され,現在建築中のものであるということができるものの,現時点においてはオマーンから日本国に派遣された使節団の公館は別に存在しているというのであるから,本件訴えは,オマーンが建 築中の本件建物を直接目的とする権利関係に関する訴訟に当たるということができ,法廷地国である我が国の民事裁判権及び行政裁判権から免除されないというべきである。 (5)以上によると,オマーンは,本件認定及び本件建築確認が違法であるか否かが争われている本件訴えにおいて,我が国の民事裁判権及び行政裁判権からの免除を受けるものではないというべきである。 争点(1)イ(本件認定及び本件建築確認が処分に該当するか)について。 (1)行政事件訴訟法3条2項に規定する処分の取消しの訴えとは,処分の取消しを求める抗告訴訟であり,抗告訴訟の対象である処分とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接相手方の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される(最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照。そうすると,処分の)取消しの訴えにおいて取消しを求められているものが上記のような抗告訴訟の対象である処分に当たらない場合には,当該処分の取消しの訴えは,抗告訴訟の対象とならないものを対象としている点において不適法な訴えという 訴えにおいて取消しを求められているものが上記のような抗告訴訟の対象である処分に当たらない場合には,当該処分の取消しの訴えは,抗告訴訟の対象とならないものを対象としている点において不適法な訴えということになる。このことは,同条4項に規定する無効等確認の訴えについても同様である。 (2)ア建築基準法6条1項及び6項,7条1項,4項及び5項並びに9条1項によると,建築主が同法6条1項各号に掲げる建築物を建築しようとする場合において当該工事に着手する前に建築主事に提出した確認の申請書に係る計画が建築基準関係規定(建築基準法並びにこれに基づく命令及び 条例の規定その他建築物の敷地,構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう)に適合する。 ものであることを建築主事が確認することは,建築基準法6条1項各号に掲げる建築物の建築の工事が着手される前に,当該建築物の計画が建築基準関係規定に適合していることを公権的に判断する行為であって,それを受けなければ上記工事をすることができないという法的効果が付与されており,建築基準関係規定に違反する建築物の出現を未然に防止することを目的としたものということができる(最高裁昭和58年(行ツ)第35号同59年10月26日第二小法廷判決・民集38巻10号1169頁参照)から,そのような建築確認は,処分に当たるというべきである。 イまた,建築基準法によれば,建築物の敷地は原則として道路に2m以上接しなければならず(43条1項,地方公共団体は,延べ面積が100)0㎡を超える建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員,その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により,同項の規定によっては避難又は 築物の敷地が接しなければならない道路の幅員,その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により,同項の規定によっては避難又は通行の安全の目的を十分に達し難いと認める場合においては,条例で,必要な制限を付加することができ(同条2項,これを受けて定)められた本件条例によれば,延べ面積が1000㎡を超える建築物の敷地は,その延べ面積に応じて定められた長さ以上道路に接しなければならず(4条1項),延べ面積が3000㎡を超え,かつ,建築物の高さが15mを超える建築物の敷地に対する前項の規定の適用については,同項中「道路」とあるのは幅員6m以上の道路とする(同条2項)が,建築物の周囲の 空き地の状況その他土地及び周囲の状況により都道府県の知事(以下「知事」という)が安全上支障がないと認める場合においては,同条1項及。 び2項の規定を適用しない(同条3項)ものとされている。 以上の規定からすると,同項に基づく認定の申請をした者は,知事が同条1項及び2項の規定を適用しない旨の認定をした場合には,建築基準法42条1項の規定する幅員4m(特定の区域内では6m)以上の道路に2m以上接しなければならないという同法43条1項本文所定の制限を受けるにとどまるのに対し,知事が上記認定をしなかった場合には,本件条例4条1項及び2項の規定に基づくより厳しい接道の規制を受けることとなり,その結果,建築基準法43条1項所定の接道の要件を満たすものの,本件条例4条1項及び2項所定の幅員6m以上の道路への接道要件を満た,。 すことができない場合には建築確認を受けることができないことになるそうすると,知事の本件条例4条3項に基づく認定には上記のような法的効果が付与されており,同認定は,申請者の法的 道要件を満た,。 すことができない場合には建築確認を受けることができないことになるそうすると,知事の本件条例4条3項に基づく認定には上記のような法的効果が付与されており,同認定は,申請者の法的地位に直接影響を与えるものであり,申請者個々人に対する権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものというべきであるから,処分に当たるというべきである。 (3)アところで,①処分とは,行政庁が,法律による特別の授権に基づき,優越的な意思の主体として相手方の意思のいかんにかかわらず一方的に意思決定をし,その結果につき相手方の受忍を強制し得るという効果を持つ行為にほかならないということができるところ,処分の相手方が外国国家である場合には,主権平等の見地から,我が国の行政庁が一方的に意思決定をした結果につき外国国家にその受忍を当然に強制し得るということは できないこと,②外国国家が日本国内において所有する財産(以下「外国所有財産」という)には,使節団の公館のほかにも,国内において当該。 外国国家の主権的作用のために使用されるものがあり得るから,外国所有財産に対する強制執行の措置は,国内における外国国家の主権的活動を阻,,,害する結果を招来する危険が大きいものと考えられしたがって一般に条約等の特別の定めの適用がなければ,当該外国国家の同意がない限り,外国所有財産に対する強制執行を実施することは許されないと解されていること,③前示のとおり,処分とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接相手方の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうから,外国国家を相手方とする処分は,我が国内における当該外国国家の主権的活動を阻害する結果を招来する危険があり得るという点においては,外国所有 その範囲を確定することが法律上認められているものをいうから,外国国家を相手方とする処分は,我が国内における当該外国国家の主権的活動を阻害する結果を招来する危険があり得るという点においては,外国所有,,財産に対する強制執行と異なるところはないことを総合すると行政庁は当該外国国家の同意がある場合に限り,一方的に意思決定をした結果につきその相手方である外国国家にその受忍を強制し得るのであり,したがって,外国国家を相手方とする処分は,これに服する旨の当該外国国家の同意がある場合に限り,有効な処分ということができると解するのが相当である。 イそして,いかなる場合に外国国家の同意があるということができるかについては,一概にはいえないものの,例えば,①国連裁判権免除条約は,,,いまだ日本において批准されていないものの国家の財産に対する差押え仮差押え又は強制執行のような判決前及び判決後のいかなる強制措置も, 国家が,国際協定,仲裁協定若しくは書面による契約,又は当事者間に紛争が生じた後での裁判所における宣言若しくは文書による通知の方法により,指定された措置をとることに明示的に同意している場合を除くほか,外国の裁判所での訴訟に関連してとられてはならない旨規定しており(18条柱書き及び(a),19条柱書き及び(a) ,これは,いかなる場合に)外国国家の同意があるということができるかを考えるに当たって参考となり得ること,②しかし,処分は,法律上直接その相手方の権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものであるが,処分によって形成される権利義務の内容又は処分によって確定される権利義務の範囲は多様であり,処分の中には処分がされることによって相手方の権利が伸張され,又は義務が軽減されるいわゆる利益処分もあること,③外国国家が,国際儀礼上の観 内容又は処分によって確定される権利義務の範囲は多様であり,処分の中には処分がされることによって相手方の権利が伸張され,又は義務が軽減されるいわゆる利益処分もあること,③外国国家が,国際儀礼上の観点等から,我が国の行政庁に対し,上記のような利益処分をすることを求める旨の申請をすることはあり得るものと考えられるが,仮に,当該処分の相手方となろうとする外国国家と当該処分がされることによって法律上不利益を受ける者又はそのおそれのある者との間に当該処分がされることをめぐる紛争が存在するという状況の下において,当該外国国家が我が国の行政庁に対して当該処分をすることを求める旨の申請をした場合には,当該外国国家は上記紛争に対する裁定を求める趣旨で行政庁に対し当該申請をしたと見ることも十分に可能であること,④仮に,そのように見ることができないとすると,たとえ当該処分が違法であったとしても,上記③の紛争の一方当事者である外国国家は,当該処分がされることによって権利の伸張又は義務の軽減を享受する一方,上記紛争の他方当事者は, 当該処分がされることによって法律上不利益を被り,又はそのおそれがあるにもかかわらず,我が国における司法的救済は一切受けられない事態となるが,そのような事態についてそれによって生ずる法律上の不利益を少しでも軽減するための何らの行政上の措置(例えば,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定18条5項は,外国国家に対する民事裁判権の免除に関する国際慣習法を前提として,外国の国家機関であるアメリカ合衆国の軍隊による不法行為から生ずる請求の処理に関する制度を創設したものと解されている(前掲最高裁平成14年4月12日第二小法廷判決参照)が採られてい を前提として,外国の国家機関であるアメリカ合衆国の軍隊による不法行為から生ずる請求の処理に関する制度を創設したものと解されている(前掲最高裁平成14年4月12日第二小法廷判決参照)が採られていない現状を前提にすると,上記)。 事態は到底容認することができないと考えられることを総合すると,処分の相手方の権利が伸張され,又は義務が軽減されるという処分について,当該処分の相手方となろうとする外国国家と当該処分がされることによって法律上不利益を受ける者又はそのおそれのある者との間に当該処分がされることをめぐる紛争が存在するという状況の下において,当該外国国家が行政庁に対し当該処分をすることを求める旨の申請を書面によって行った場合には,上記紛争が存在するにもかかわらず,当該申請が上記紛争に対する裁定を求める趣旨ではなく,あくまでも国際儀礼上の観点からされたものにすぎないと認められる特段の事情がない限り,当該申請それ自体によって,当該申請に対して行政庁がする意思決定の結果を尊重し,これに従う旨の外国国家の意思が明確に表明されているものと認めるのが相当である。 したがって,いかなる場合に外国国家の同意があるということができるかについては,一概にはいえないものの,例えば,利益処分の相手方となろうとする外国国家と当該処分がされることによって法律上不利益を受ける者又はそのおそれのある者との間に当該処分がされることをめぐる紛争が存在するという状況の下において,当該外国国家が当該処分をすることを求める旨の申請を書面によって行ったことは,前記の特段の事情がない限り,当該処分に服する旨の当該外国国家の同意に当たるというべきである。 ウそこで,以上の考え方によって,以下,本件認定に服する旨のオマーンの同意があるか否かについて検討する。 前記前提事実 ない限り,当該処分に服する旨の当該外国国家の同意に当たるというべきである。 ウそこで,以上の考え方によって,以下,本件認定に服する旨のオマーンの同意があるか否かについて検討する。 前記前提事実及び既に判示したことのほか,証拠(甲2,3,10から12まで,14から17まで,乙1から4まで,6,9)によると,①件外各建物は,βと呼ばれる15棟から成る建物の一部であるところ,オマーン大使館から本件建物の設計を請け負った株式会社E(以下「本件設計事務所」という)は,平成17年9月,βの住民を対象として本件建物。 の建築に関する説明会を行ったが,その説明会において,本件敷地に地下1階,地上7階建て,床面積が6500㎡を超え,高さが24mを超える本件建物が建築される予定であることが明らかにされたこと,②本件建物がその設計どおりに建築されると,βの住民が日照等において不利益を被ることが予想されること,③本件敷地は,その東側において南から北に通行する一方通行の港区道(以下「本件区道」という)と接しており,本。 件区道を南から北に向かって進むと,本件区道は6mの実効幅員を有する 道路に接続しているが,本件区道のうち上記接続地点から本件敷地までの部分の距離は約200mであり,その幅員は,台帳の記載によると,最も狭いところで4.88m,最も広いところで5.83mであり,実測によると,最も狭いところで4.85m,最も広いところで7.00mであるが,上記の7.00mの部分は1箇所のみであって,本件区道全体での平均は,約5.42mであるから,渋谷区長が本件建物の敷地である本件敷地について本件条例4条3項に基づく認定をしない限り,本件建物をその設計どおりに建築することはできないこと,④βの住民は,本件建物が本件敷地に占める状況及び本件敷地の周囲の状況等 の敷地である本件敷地について本件条例4条3項に基づく認定をしない限り,本件建物をその設計どおりに建築することはできないこと,④βの住民は,本件建物が本件敷地に占める状況及び本件敷地の周囲の状況等から,渋谷区長が本件敷地について同項に基づく認定をすることはないものと判断し,本件建物の設計を見直して本件建物の高さを同条2項に従って15m以内とするように求めて,本件設計事務所やオマーン大使館の代理人である弁護士と再三にわたり交渉を重ねたが,オマーン大使館は,上記のような設計の見直しには全く応じなかったこと,⑤βの住民は,渋谷区建築主事に対し,本件敷地について同条3項に基づく認定をしないよう働き掛けたものの,渋谷区建築主事は,本件建物の敷地である本件敷地について同項に基づく認定をすることができる旨の考えを変えなかったこと,⑥オマーンは,渋谷区長に対し,同18年4月12日,本件建物の建築主として,本件申請書を提出する方法により,同項に基づく認定を求める旨の本件申請をし,渋谷区長は,オマーンに対し,同年5月15日付けで,本件認定をし,渋谷区,,,建築主事は本件建物の建築主をオマーンとして同年7月27日付けで建築基準法18条3項(同法6条の3第1項の規定により読み替えて適用 される6条1項)の規定に基づき本件建築確認をしたことが認められる。 既に判示したところによると,本件認定は,本件条例4条1項及び2項所定の幅員6m以上の道路への接道要件を満たすことができない場合であっても,建築基準法42条1項の規定する幅員4m(特定の区域内では6m)以上の道路への接道要件を満たしてさえいれば,延べ面積が3000㎡を超え,かつ,高さが15mを超える建築物を建築することが可能となるという点において,当該処分の相手方にとって利益処分であるということが の道路への接道要件を満たしてさえいれば,延べ面積が3000㎡を超え,かつ,高さが15mを超える建築物を建築することが可能となるという点において,当該処分の相手方にとって利益処分であるということができるところ,上記認定事実によると,本件認定がされる前から,本件認定の相手方であるオマーンと本件認定がされることによって法律上不利益を受ける者又はそのおそれのある者であるβの住民との間には本件認定がされることをめぐる紛争が存在していたということができ,かつ,そのような紛争が存在する状況の下において,本件認定の相手方であるオマーンが渋谷区長に対し本件申請書を提出するという方法によって本件認定をすることを求める旨の本件申請を行っているのであって,本件全証拠を精査しても,上記紛争が存在するにもかかわらず,本件申請が上記紛争に対する裁定を求める趣旨ではなく,飽くまでも国際儀礼上の観点等からされたものにすぎないことを認めるに足りる証拠はないことを勘案すると,本件申請それ自体によって,本件申請に係る本件条例4条3項に基づく認定に係る行政庁である渋谷区長が一方的にする意思決定の結果を尊重し,これに従う旨のオマーンの意思が明確に表明されているものと認めるのが相当である。他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。 以上によると,本件認定に服する旨のオマーンの同意があるというべき であるから,本件認定は処分に当たるということができる。 エ次に,本件建築確認に服する旨のオマーンの同意があるか否かについては,①既に判示したところによると,オマーンとβの住民との間には,本件敷地が本件条例4条1項及び2項所定の幅員6m以上の道路への接道要件を満たしていないにもかかわらず,その上に,延べ面積が3000㎡を超え,かつ,高さが15mを超える本件建物を建築することができる 件敷地が本件条例4条1項及び2項所定の幅員6m以上の道路への接道要件を満たしていないにもかかわらず,その上に,延べ面積が3000㎡を超え,かつ,高さが15mを超える本件建物を建築することができるか否,,かをめぐる紛争が存在していたということができること②前示のとおり建築基準法の規定によると,本件建物に係る建築確認には,延べ面積が3000㎡を超え,かつ,高さが15mを超える建築物である本件建物を建築することができる旨の法的効果が付与されるから,上記①のオマーンとβの住民との間の紛争とは,要するに,本件建物に係る建築確認の適法性をめぐる紛争であるということができること,③本件条例4条3項に基づく認定は,建築物の敷地が同条1項及び2項所定の幅員6m以上の道路への接道要件を満たすことができない場合であっても,建築基準法42条1項の規定する幅員4m以上の道路への接道要件を満たしてさえいれば,延べ面積が3000㎡を超え,かつ,高さが15mを超える建築物を建築することが可能となるという法的効果を有しているから,渋谷区長が本件敷地について本件条例4条3項に基づく認定をして初めて,渋谷区建築主事は本件建物に係る建築確認をすることが可能となること,④したがって,上記①のオマーンとβの住民との間の紛争とは,要するに,本件敷地について本件認定をし,本件建築確認をすることの適法性をめぐる紛争であるということもできること,⑤前記認定事実のとおり,βの住民は,平成1 7年9月に説明会が行われた後,本件建物が本件敷地に占める状況及び本件敷地の周囲の状況等から,渋谷区長が本件建物の敷地である本件敷地について同項に基づく認定をすることはないものと判断し,本件建物の設計を見直して本件建物の高さを本件条例4条2項に従って15m以内とするように求めて,本件設計 渋谷区長が本件建物の敷地である本件敷地について同項に基づく認定をすることはないものと判断し,本件建物の設計を見直して本件建物の高さを本件条例4条2項に従って15m以内とするように求めて,本件設計事務所及びオマーン大使館の代理人である弁護士と再三にわたり交渉を重ねていたから,オマーンとしては,βの住民が本件建物に関する建築確認の適法性をめぐる紛争において主張する違法事由は,本件建物の敷地である本件敷地が同条1項及び2項所定の幅員6m以上の道路への接道要件を満たしていないことに尽き,したがって,渋谷区長が本件建物の敷地である本件敷地について同条3項に基づく認定をすれば,渋谷区建築主事がほとんど確実に本件建物に関する建築確認をするであろうことを容易に予想することができたということができること,⑥したがって,オマーンにとってみれば,渋谷区長が上記④のオマーンとβの住民との間の紛争についてする裁定は,同時に渋谷区建築主事が上記①のオマーンとβの住民との間の紛争についてする裁定を意味するものということができること,⑦そうすると,前示のとおり,オマーンが渋谷区長に対してした同項に基づく認定を求める旨の本件申請には,上記認定に係る行政庁である渋谷区長が一方的にする意思決定の結果を尊重し,これに従う旨のオマーンの意思が明確に表明されているから,本件申請には,渋谷区建築主事が上記①のオマーンとβの住民との間の紛争についての裁定を求める趣旨も含まれているということができること,⑧そして,前記前提事実及び既に判示したところによると,オマーンは,渋谷区建築主事に対 し,本件建物の建築確認の申請をしてはいないものの,本件認定がされた後である同18年6月1日,本件建物に関する建築計画概要書を渋谷区建築主事に提出していることが認められ,そうすると,これによ し,本件建物の建築確認の申請をしてはいないものの,本件認定がされた後である同18年6月1日,本件建物に関する建築計画概要書を渋谷区建築主事に提出していることが認められ,そうすると,これによって,渋谷区建築主事が上記①のオマーンとβの住民との間の紛争についてする裁定を求めるオマーンの意思がより一層明確にされたものということができること,⑨前記前提事実のとおり,オマーンは,渋谷区建築主事に対して本件建物について建築基準法6条1項に定める建築確認の申請をしていないが,そのことから直ちに,上記①の紛争が存在するにもかかわらず,本件申請が上記①の紛争に対する裁定を求める趣旨ではなく,飽くまでも国際儀礼上の観点からされたものにすぎないと認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はないことを総合すると,本件申請には,本件申請において求めた本件認定に引き続いてされるはずである同項に基づく建築確認に係る行政庁である渋谷区建築主事が一方的にする意思決定の結果を尊重し,これに従う旨のオマーンの意思が明確に表明されているものと認めるのが相当である。 以上によると,本件建築確認に服する旨のオマーンの同意があるというべきであるから,本件建築確認は処分に当たるということができる。 (4)したがって,本件認定及び本件建築確認はいずれも処分に当たらず本件訴えはいずれも不適法である旨の被告の主張を採用することはできない。 争点(2)ア(本件認定が違法なもの又は無効なものであるということができるか)について。 (1)本件条例4条1項及び2項は,延べ面積が3000㎡を超え,かつ,建 築物の高さが15mを超える建築物の敷地は,幅員6m以上の道路に10m以上接しなければならない旨規定しているところ,これは,このような大規模な建築物にあっては,火災その 00㎡を超え,かつ,建 築物の高さが15mを超える建築物の敷地は,幅員6m以上の道路に10m以上接しなければならない旨規定しているところ,これは,このような大規模な建築物にあっては,火災その他の災害が発生した場合に,避難,消火及び救助活動を迅速かつ適切に行うことによって,当該建築物やその居住者及びこれに隣接する建築物等やその居住者等に重大な被害が及ぶことのないようにするためには幅員6m以上の道路に接する必要があるとの考えに基づくものと解される。 もっとも,本件条例4条1項及び2項の規定を満たしていない場合でも,建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況によっては,災害時において当該建築物の居住者等に被害が及ぶことを防止することができると考えられることから,同条3項において,知事が安全上支障がないと認める場合においては,同条1項及び2項の規定は適用しない旨規定しているものと解される。 上記のような本件条例4条各項の趣旨及び規定の仕方に照らすと,同条3項の認定をするかどうかの判断は,建築物の構造及び規模,敷地の形状,敷地内の空地等の状況,敷地外の周囲の土地の状況,敷地の周囲の市街地の密集の度合い等を総合的に考慮した上での,行政庁の専門的かつ技術的な裁量にゆだねられていると解される。 したがって,同項の認定が違法となるのは,行政庁に認められた裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用したと認められる場合に限られると解するのが相当である。 (2)前記前提事実のほか,証拠(該当箇所に付記したもの)及び弁論の全趣 旨によると,以下の事実が認められる。 ア本件建物は,建築に係る敷地面積が2403.63㎡,建築面積が12. ,. ,. , 79㎡延べ面積が669053㎡高さが2485mであり本件建物の建ぺい率は,52.62% 。 ア本件建物は,建築に係る敷地面積が2403.63㎡,建築面積が12. ,. ,. , 79㎡延べ面積が669053㎡高さが2485mであり本件建物の建ぺい率は,52.62%である(甲2,13,14,乙1。 から4まで)イ本件敷地は,その東側において南から北に通行する一方通行の本件区道と,約49mにわたり接している。 本件敷地内の東側には,本件区道に沿って,幅2mの歩道状空地が,敷地幅全体である約49mにわたり設けられることとなっている。また,本件敷地内には,上記の歩道状空地のほか,東側には約5.1mの幅の空地が,北側には約2mの幅の空地が,西側には,最も狭いところで約2m,. ,. ,,広いところで約55m平均すると約39mの幅の空地が南側には植栽が予定されているものの,約1mの幅の空地が,それぞれ設けられる。(,,,,こととなっている甲8から10まで 14から16まで乙69)ウ本件敷地内の東側の空地には,本件区道に向けて,3箇所の出入り口が設けられることとなっている。その幅は,南に設置されるものから順に,約3m,約5.8m,約5.1mである(甲12,乙9)。 ,,. ,エ本件区道の幅員は台帳の記載によると最も狭いところで488m. ,,. 最も広いところで583mであり実測によると最も狭いところで485m,最も広いところで7.00mである。ただし,上記の7.00mの部分は1箇所のみであり,本件区道全体での平均は,約5.42mであ る。 本件区道は,南端及び北端のいずれにおいても,幅員6m以上の道路に接続している(甲10,乙6)。 オ本件敷地の西側には件外各建物を含むβがあり,本件敷地の北側には社会福祉法人F(以下「F」という)の2階建ての建物があり のいずれにおいても,幅員6m以上の道路に接続している(甲10,乙6)。 オ本件敷地の西側には件外各建物を含むβがあり,本件敷地の北側には社会福祉法人F(以下「F」という)の2階建ての建物があり,本件敷地。 ,,(「」。)の東側には本件区道を挟んで学校法人G学園以下G学園というの5階建ての建物及び社会福祉法人H(以下「H」という)の5階建て。 の建物があり,本件敷地の南側には4階建ての公務員宿舎がある。 件外各建物を含むβの敷地は,本件敷地よりも7,8m高く,件外各建物を含むβの敷地のうち本件敷地に面する方面はコンクリート製の擁壁である。 G学園の建物がある敷地には約1000㎡の校庭があり,その校庭の塀には,幅約5.4mの門が設けられている。また,本件敷地の北側に隣接するFの敷地内には,約777㎡の空地がある。 上記の公務員宿舎の南側にはI訓練所の建物があり,本件区道に面して,,. 。 いるがその床面積は6300㎡でありその高さは1491mである,,G学園の5階建ての建物及びHの5階建ての建物はその東側においてγ線に面している(甲8,9,12,14,16,乙6)。 ,,カ本件敷地内には約100mの貯水槽が設置されることとなっており また,G学園の敷地及びHの敷地には,本件区道に面して,それぞれ,100m及び40mの貯水槽取水口が設置されている(甲16,乙6) 。 キ建設会社による交通量調査によると,本件区道における平日(平成18 年7月28日)の日中(午前9時から午後9時まで)の1時間当たりの交,,,,,通量は自動車については平均で約29台最大で40台でありまた(。 。),,歩行者自転車運転者を含む以下同じについては平均約120人最大で184人であった(乙7) ,,,通量は自動車については平均で約29台最大で40台でありまた(。 。),,歩行者自転車運転者を含む以下同じについては平均約120人最大で184人であった(乙7)。 (3)ア前記(2)の認定事実によると,本件敷地の周囲は,狭小な敷地のない密集の度合いの低い市街地を形成しているということができる。 本件敷地の東側に接する本件区道は,その幅員が実測によると,最も狭いところで4.85m,最も広いところで7.00mであり,本件区道全体での平均は約5.42mであって,本件条例4条1項及び2項が適用される場合の幅員である6mと比べても,それほど大きな差があるというわけではないこと,南から北へ通り抜けることが可能な一方通行であり,その南端及び北端は,いずれも幅員6m以上の道路と接していることから,本件建物の災害時には,消防車等の緊急車両が本件区道に進入することは十分に可能であり,また,本件建物の居住者等の避難路としても有効に機能し得るものである。 また,本件建物は,延べ面積が6690.53㎡,高さが24.85mであるから,本件条例4条1項及び2項の適用があるとすると,本件敷地は幅員6mの道路に10m以上接していることが求められるところ,本件敷地は,本件区道と,上記基準を大きく超える約49mにわたり接しており,また,本件区道全体での平均の幅員は約5.42mであるものの,本件敷地内の東側には,本件区道に沿って約49mにわたって幅約2mの歩道状空地が設けられることから,本件敷地の東側の本件区道及び上記歩道 状空地において,複数の消防車両が効率的に消火避難活動をすることができると考えられる。また,本件区道における1時間当たりの交通量は,自動車については平均約29台,歩行者については平均約120人と,相当少ないもの ,複数の消防車両が効率的に消火避難活動をすることができると考えられる。また,本件区道における1時間当たりの交通量は,自動車については平均約29台,歩行者については平均約120人と,相当少ないものであって,本件建物が完成後には大使館として利用されるとしても,上記交通量が著しく増加するということは考えにくいことから,本件建物の災害時の消火避難活動に対して特段の支障を与えるものではないということができる。 さらに,本件建物の建ぺい率は比較的低く,本件敷地内の北側,西側及び南側の空地を消火避難活動に用いることは困難であると考えられるものの,本件敷地内の東側の空地には,3箇所の門を利用して消防車両が進入することが可能であり,幅が約5.1mあることから,同空地において,消火避難活動をすることもできると考えられる。また,本件敷地の本件区道を挟んで東側にあるG学園の敷地には約1000㎡の校庭が,本件敷地の北側にあるFの敷地には約777㎡の空地が,それぞれあるところ,これらの校庭及び空地も,災害時において,消火避難活動の拠点となり得る十分な広さを持つものであるということができる。 そして,本件敷地内には,約100mの貯水槽が設置され,また,周 辺には,100mと40mの貯水槽取水口も設置されており,火災の際 の消火活動に十分に対処することが可能であると考えられる。 イ以上のような事情に照らすと,本件建物の延べ面積は6690.53㎡で,高さが24.85㎡と,本件条例4条2項に規定する基準に比べても相当大きいものであること,本件建物の周辺には,学校法人や社会福祉法 人が存在することなどを考慮しても,本件建物の災害時における本件建物の居住者等の避難及び通行の安全は十分に確保されており,また,消火活,,動等への支障があるということはできず本 社会福祉法 人が存在することなどを考慮しても,本件建物の災害時における本件建物の居住者等の避難及び通行の安全は十分に確保されており,また,消火活,,動等への支障があるということはできず本件建物に災害が生じた場合に本件建物やその居住者及びこれに隣接する建築物等やその居住者等に重大な被害が及ぶと認めることはできないのであるから,本件認定が行政庁に認められた裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用したものであるということはできない。 (4)ア原告らは,被告は本件認定の処分性を否定する旨の主張をしたことにより,請求の認諾をした旨主張する。 しかしながら,請求の認諾とは,被告が原告の訴訟物である権利又は法律関係の存否に関する主張を承認する旨を裁判所に対して陳述するものであるところ,被告は,本件認定の処分性を争い,あるいは,本件認定の適法性を主張して,訴え却下あるいは請求棄却の判決を求めているのであるから,被告が,本件において請求の認諾をしたということができないことは明らかである。 したがって,原告らの上記主張を採用することはできない。 イまた,原告らは,被告の本件認定の処分性を否定する旨の主張が本件認定の無効を主張するものであるとして,これを前提に,本件認定の違法事由を包括的に自白した旨主張する。 しかしながら,被告は,本件認定の処分性を争う旨の主張をしているにすぎず,被告の主張する事実を前提としても,被告が本件認定の無効を主張しているものということはできないから,原告らの上記主張は,その前 提を欠くものであり,採用することはできない。 (5)以上によると,本件認定は適法であり,その取消しを求める原告らの主位的請求には理由がない。 (6)また,原告らは,仮に本件認定が処分に当たらないとしても,処分ではない本件認定が処分として行われたか 以上によると,本件認定は適法であり,その取消しを求める原告らの主位的請求には理由がない。 (6)また,原告らは,仮に本件認定が処分に当たらないとしても,処分ではない本件認定が処分として行われたかのような外観が存在するとして,予備的に本件認定が無効であることの確認を求めている。 原告らの上記主張は必ずしも明らかではないが,前記2(2)のとおり,本件認定は処分として有効であるから,原告らの予備的請求はその前提を欠くものであり,理由がない。 争点(2)イ(本件建築確認が違法なもの又は無効なものであるということができるか)について。 (1)ア原告らは,本件建物の建築主であるオマーンが建築確認の申請をしていないにもかかわらず,渋谷区建築主事が本件建築確認をしたことは,建築基準法に違反する旨主張する。 イ(ア)既に判示したところによると,処分の相手方が外国国家である場合には,主権平等の見地から,我が国の行政庁が一方的に意思決定をした結果につき外国国家にその受忍を当然に強制し得るということはできないから,外国国家を相手方とする処分は,それに服する旨の当該外国国,。 ,家の同意がない限り処分に当たるということはできないしたがって当該処分が建築確認である場合には,国際儀礼上建築基準法18条2項及び3項の規定に準じて処理すべきである。 しかし,前示のとおり,本件建築確認にはこれに服する旨のオマーン の同意があると認められるから,本件建築確認は,処分に当たるというべきである。したがって,オマーンを建築主とする本件建物に関する建築確認には同法6条1項が適用されるべきである。 (イ)ところで,建築基準法は,同法6条1項の建築物の構造等に関する最低基準を定めて国民の生命,健康及び財産を保護するために建築物の建築等を規制しようとして,本来自由で 項が適用されるべきである。 (イ)ところで,建築基準法は,同法6条1項の建築物の構造等に関する最低基準を定めて国民の生命,健康及び財産を保護するために建築物の建築等を規制しようとして,本来自由であるはずの建築物の建築等を一般的に禁止した上で,国,都道府県又は建築主事を置く市町村以外のものを建築主とする建築物については,当該建築主から申請のあった建築物のうち,建築主事が同法6条1項にいう建築基準関係規定に適合することを確認したものについてのみ建築等を認めることとしている。そうすると,当該建築主が当該建築物を建築する予定がある場合には,当該建築物が建築基準関係規定に適合してさえいれば,たとえ当該建築物について建築主事に対する確認の申請がされていなかったとしても,当該建築物について建築主事が建築基準関係規定に適合する旨の確認をすることは認められるべきである。したがって,当該建築物について建築主事に対する確認の申請がされていないことは,当該建築物について建築主事がした建築基準関係規定に適合する旨の確認を違法とする事由にはならないというべきである。 ウそうすると,前記前提事実のとおり,オマーンは,渋谷区建築主事に対して本件建物について建築基準法6条1項に定める建築確認の申請をしていないが,これをもって,直ちに本件建築確認が違法であるということはできず,原告らの前記アの主張を採用することはできない。 (2)原告らは,本件認定は違法であるところ,本件認定を前提とする本件建築確認もまた違法である旨主張する。 しかしながら,前記3において判示したとおり,本件認定は適法であるから,原告らの上記主張は,その前提を欠くものであり,採用することができない。 (3)ア原告らは,本件建物は,周辺住民に対し,日照,圧迫感及びプライバシーに関して重大な おり,本件認定は適法であるから,原告らの上記主張は,その前提を欠くものであり,採用することができない。 (3)ア原告らは,本件建物は,周辺住民に対し,日照,圧迫感及びプライバシーに関して重大な侵害をもたらし,また,周辺住民の居住する住宅の経済的価値を著しく損なうものであるから,オマーンによる本件建物の建築は本件敷地の所有権を濫用するものであるところ,建築主事は,本件建築確認を行うに当たり,当事者の利害につき何らの調整も試みていないから違法である旨主張する。 イしかしながら,本件建物の建築が本件敷地の所有権を濫用するものということができるかはさておき,①前述のとおり,建築基準法は,同法6条1項の建築物の構造等に関する最低基準を定めて国民の生命,健康及び財産を保護するために建築物の建築等を規制しようとして,本来自由であるはずの建築物の建築等を一般的に禁止した上で,国,都道府県又は建築主事を置く市町村以外のものを建築主とする建築物については,当該建築主から申請のあった建築物のうち,建築主事が同法6条1項にいう建築基準関係規定に適合することを確認したものについてのみ建築等を認めること,,,としていること②建築主事は建築主から建築確認申請がされた場合に申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査するものとされている(同法6条4項)にすぎないこと,③建築基準法その 他の建築基準関係規定において,建築確認申請に係る建築物が周辺住民に対して日照,圧迫感及びプライバシーに関して重大な侵害をもたらし,また,周辺住民の居住する住宅の経済的価値を著しく損なうものであるなどにより,当該建築物の建築が敷地所有権の濫用に当たり得るというような場合に,建築主事が建築確認に際して,建築主,周辺住民その他当事者間の利害について何ら 住宅の経済的価値を著しく損なうものであるなどにより,当該建築物の建築が敷地所有権の濫用に当たり得るというような場合に,建築主事が建築確認に際して,建築主,周辺住民その他当事者間の利害について何らかの調整を試みるべきであるということをうかがわせるような規定は見当たらないことなどを考慮すると,建築主事は,建築確認に際して,申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査することのほかに,日照,圧迫感,プライバシー等に係る私人間の民事上の利害関係を調整すべきものであるということはできない。 ウしたがって,本件建築確認は当事者の利害につき何らの調整も試みていないから違法である旨の原告らの主張を採用することはできない。 (4)原告らは,①被告は請求の認諾をした,②被告は本件建築確認の違法事由を包括的に自白した旨主張するが,前記3(4)に判示したのと同様の理由により,いずれも採用することはできない。 (5)以上によると,本件建築確認は適法であり,その取消しを求める原告らの主位的請求には理由がない。 (6)また,原告らの本件建築確認の無効確認に係る予備的請求も,前記3(6)と同様の理由により,理由がない。 第4 結論 よって,原告らの請求はいずれも理由がないからこれらをいずれも棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民訴法61条,65 条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部裁判長裁判官杉原則彦裁判官松下貴彦裁判官島田尚人
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