平成17(ネ)102 損害賠償

裁判年月日・裁判所
平成18年11月14日 福岡高等裁判所 破棄自判 熊本地方裁判所 平成11(ワ)1385
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判決文本文30,138 文字)

主文 被控訴人a1,同a6,同a9,同a10,同a13,同a14,同a15及び同a19に対する関係において,原判決を次のとおり変更する。 (1)上記被控訴人らは連帯して控訴人らに対しそれぞれ6,,,57万1000円及びこれに対する平成11年6月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2)控訴人らの上記被控訴人らに対するその余の請求をいずれも棄却する。 控訴人らのその余の被控訴人らに対する控訴をいずれも棄却する。 訴訟費用は,(1)控訴人らと上記1の被控訴人らとの間においてはこれを3,0分し,その1を上記被控訴人らの負担とし,その余を控訴人らの負担とする。 (2)その余の被控訴人らとの間において控訴費用は控訴人らの,負担とする。 この判決は,第1項の(1)に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人らは,控訴人らに対し,連帯して,それぞれ7400万円及びこれに対する平成11年6月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被控訴人a1は,控訴人らに対し,それぞれ100万円及びこれに対する平成11年6月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 本件は,平成11年6月当時,e大学医学部1年生であり,同学部学友会漕艇部(以下「漕艇部」という)に所属していたc(以下「c」という)が,。 。 同月5日に開催された漕艇部の新入生歓迎コンパ(以下「本件歓迎会」ともい。),,,うの翌日に死亡したことにつきcの両親である控訴人らがcの死因は本件歓迎会の際の大量飲酒による急性アルコール中毒であるとした上で,その責任原因は,被控訴人ら共同による不法行為や安全配慮義務違反にあると 日に死亡したことにつきcの両親である控訴人らがcの死因は本件歓迎会の際の大量飲酒による急性アルコール中毒であるとした上で,その責任原因は,被控訴人ら共同による不法行為や安全配慮義務違反にあると主張して,被控訴人らに対し,連帯してそれぞれ2億5081万9991円の損害賠償金の支払を求めるとともに,同大学大学院教授であり,漕艇部の部長であった被控訴人a1以下被控訴人a1というがcの死因等について学生(「」。)らに虚偽の説明をしたことなどによって精神的苦痛を被ったとして,同被控訴人に対し,上記賠償金の支払に加えて,それぞれ慰謝料500万円の支払を求めた事案である。 原審が控訴人らの請求を全部棄却したところ,控訴人らが控訴したが,上記第1の2及び3のとおり請求を減縮した。 本件の前提事実は,以下の諸点を改めるほかは,原判決の「第2事案の概要」欄の第1項記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決4頁19行目の「開催された」の次に「一次会の出席者は59名。 であり,うち新入生は,c,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7,,(,,。)b8b9これら新入生については以下姓のみで表示することがあるの10名であった」を加える。 。 (「」「」(2)同4頁25行目から5頁16行目まで(3)のイ二次会についての項)を次のとおり改める。 「イ二次会の概要(ア)二次会はくつろいだ自由な雰囲気の中で新入生と上級生・OBらと,の親睦を深める機会であり,そのような雰囲気の中で,上級生やOB らから新入生に対して飲酒を勧めることが多く,さらには,新入生同士或いは新入生と上級生との間でビールや焼酎等の早飲み競争が行われることもあった。しかも,新入生は飲酒経験が浅いため,自己の酒量の限界をわき 新入生に対して飲酒を勧めることが多く,さらには,新入生同士或いは新入生と上級生との間でビールや焼酎等の早飲み競争が行われることもあった。しかも,新入生は飲酒経験が浅いため,自己の酒量の限界をわきまえていない者が多く,勧められるまま多量に飲酒して酔いつぶれる者が多かった。 そこで,こうした事態を想定して,新入生から荷物等を預かって保管したり,車や運転手役を用意しておいて,前もって確保してある宿泊場所(多くは,一人住いの新入生のアパートの居室)に新入生を送り届ける等の準備をしておくのが慣例となっていた。なお,こうした新入生の世話役は主として2年生が担当するが,他の上級生も適宜サポートすることとされていた。 (,,,,,,,,,,甲3乙6 18~20 原審における被控訴人a8,同a2,同a7,同a13)(イ)二次会は一次会が行われたfから徒歩で5分程度の距離にある,「」居酒屋「g」3階の座敷部屋で開かれた。新入生全員を含む二次会の参加者は,一次会の終了後,二次会場に徒歩で参集したが,会場の後片付,。 けや準備の都合で廊下等でおよそ20ないし30分間程度待たされたそのため,午後9時30分から開始される予定が,およそ10分遅れの午後9時40分ころ,被控訴人a10の乾杯の音頭により開始された。 (乙3,15,20~22,原審における証人d1)(ウ)ところで上記のとおり待たされている間に被控訴人a18は他,,,の2年生と協力して,店の前などにいた新入生らに対し,酔って間違えて履いたり,無くしてはいけないからと言って,全員から荷物や靴(又は靴箱の木札)などを預かった上,同被控訴人が予め用意していたビニール袋に入れ,マジックペンで持主の名前を書いて,部屋の入口 て間違えて履いたり,無くしてはいけないからと言って,全員から荷物や靴(又は靴箱の木札)などを預かった上,同被控訴人が予め用意していたビニール袋に入れ,マジックペンで持主の名前を書いて,部屋の入口付近に置いた。また,二次会開始後しばらくして,同被控訴人らは,新入生か ら背広を預かり,名前を書いた付箋を貼って,上記新入生の保管荷物の上に置いた。 (甲15,乙10,23,原審における証人b1,被控訴人a10,同a18)(エ)二次会開始後10分ないし20分してから再び新入生の自己紹介,,が行われた。これは,新入生が1名ずつ前に出て,名前や出身高校,漕艇部における抱負等を述べてビール等を1杯飲んだ後,次に自己紹介をする者を指名するという方法で行われた。その際,当該新入生同士でビールの早飲み競争がおこなわれた。また,新入生の自己紹介後,新入生とその他の出席者との間で焼酎等の早飲み競争が行われる等した。 (乙15,18~22,31,43,44)(オ)酔いつぶれた新入生を宿泊場所等に送り届けたことが被控訴人a10に,さらに,同被控訴人から被控訴人a1に順次報告されると,同被控訴人は「ご苦労さん,そろそろお開きにしたら」と指示した。こうし,。 て,二次会は午後11時45分ころ終了した。 (乙15,19,20,23,44,77)ウ二次会におけるcの飲酒状況等(ア)cは新入生の中では12番目に自己紹介を行いその際ビール,,,,1杯を飲んだほか,cと相前後して自己紹介をしたb1との間で,ビールの早飲み競争をしてビール1杯を飲んだ。この早飲み競争は,cが早く飲み終えたため,b1はビールを更に1杯飲むこととなった。一方,cは,自己紹介を終えた後も,しばらく同じ場所に待機していて,b3が自己紹介をした際にも,同人を誘って んだ。この早飲み競争は,cが早く飲み終えたため,b1はビールを更に1杯飲むこととなった。一方,cは,自己紹介を終えた後も,しばらく同じ場所に待機していて,b3が自己紹介をした際にも,同人を誘って早飲み競争をし,この時にもビール1杯を飲んだなお自己紹介の順番についてはcが最初であっ。(,,たと思うとする供述等も少なくなく,原判決もその旨認定しているが,b1自身は,自分が最初で,次がcであったと証言している。結局,い ずれとも断じ難いので,上記のとおりの認定にとどめるのが相当である)。 (乙15,20~22,31,37,43,44,47,51,54,原審における証人d1,同b3,同b1,同b2,被控訴人a9,同a14,同a7,同a12)(イ)新入生の自己紹介が終了して間もなく新入生と上級生の間でビール,や焼酎の早飲み競争が行われた。cは,被控訴人a17との間で,机を挟んで向かい合った状態で早飲み競争をし,その際,160ccないし180ccのグラスに,2,3センチメートル程度注がれた焼酎を一気に飲み干した。cは,焼酎を飲み終えた後,ガッツポーズを取ったりするなど高揚した様子を見せており,周囲から促されるなどして,更に焼酎1杯を飲んだ。他方,被控訴人a17は,当時2年生で,新入生の世話役という立場にあったことや,上級生の被控訴人a16から,二次会では飲酒しないようにと注意されていたため,二次会を通じてほとんど飲酒することなく,cとの間で上記早飲み競争をした際にも,周囲の者に注がれた水を飲んだ。 (乙9,19,22,37,44,62,原審における証人d1,同b1,被控訴人a17)(ウ)その後cは被控訴人a17と早飲み競争をした同じ場所で被控,,,訴人a18としばらく話をした後,同被控訴人と早飲み競争をし ,62,原審における証人d1,同b1,被控訴人a17)(ウ)その後cは被控訴人a17と早飲み競争をした同じ場所で被控,,,訴人a18としばらく話をした後,同被控訴人と早飲み競争をした。この時,cは,グラスに氷が入った焼酎(なお,水で薄めたものかは不明であるを1杯飲み被控訴人a18は焼酎の水割り水の割合を多。),,(くしたもの)を飲んだ。その結果,cが先に飲み終えたため,cは,同被控訴人に対し「先輩,遅いですね。もう1杯飲んでください」など,。 と言って飲酒を勧めたが,同被控訴人は「もう飲めない」と言ってこ,。 れを断り,別の場所に移動した。 cは,多少は酔っている様子であったが,意識ははっきりしており,その後,近くにいた被控訴人a7との間で,再度早飲み競争をして,焼酎1杯を飲んだ(なお,被控訴人a7は,この時,原液に近い焼酎を飲んだ。 。)(乙10,38,44,51,原審における証人d1,被控訴人a7,同a10,同a18)(エ)早飲み競争は周囲の者が手拍子をしたりかけ声を掛けたりする中,,で行われ,その際,OBの被控訴人a3,同a4及び同a2の3名も,その場を盛り上げようとして,新入生同士の早飲み競争に加わって一緒にビールや焼酎を一気に飲んだこともあった。早飲み競争で負けた者の中には,周囲の声に押されるなどして,さらにビール等を飲んだ者もいたが,競争に負けて延々と飲み続ける者はおらず,最も多く飲んだ者でも,その飲酒量は,コップ3,4杯程度であった。 (乙16,19,40,51,原審における証人d1,被控訴人a4,同a2,同a3)エcの酩酊状況等(ア)その後被控訴人a8はcが1人で座っていたのを見て手招きを,,,して呼び寄せ,2人で腕相撲をしたが,cは陽気に酔っ る証人d1,被控訴人a4,同a2,同a3)エcの酩酊状況等(ア)その後被控訴人a8はcが1人で座っていたのを見て手招きを,,,して呼び寄せ,2人で腕相撲をしたが,cは陽気に酔っぱらっている様子であった。cは,腕相撲をした後は飲酒することなく,元の席に戻った。 ,,,(イ)その後cは被控訴人a9と同a11が座っていた席の方に移動し,「,。」,被控訴人a9の隣の席に座りa9さん飲みましょうよと言って手にしていたグラスを同被控訴人に差し出したところ,同被控訴人は,おお飲んでいるよと答えグラスを合わせたこの時のcは会「,。」,。 ,話はやや不明瞭で,上体はふらついていた状態であり,被控訴人a6はcの隣に座り「何か飲むか」と尋ねたが,cはこれを断わった。 ,。 (ウ)その後近くにいた被控訴人a19がcに焼酎の水割りが入ったグ,,ラスを手渡したところ,cは「僕は,もう結構飲んでますよ。俺ばっかり飲んでさーb8さんももっと飲めよと言って被控訴人a9の正面。 。」に座っていたb8に対し,被控訴人a19から渡されたグラスを差し出した。ところが,cは,手元が滑ってテーブルや床の上にグラスの中の焼酎をこぼした上,前のめりになって机に右肘を付いた。被控訴人a19はおい大丈夫かと言って肩に手を回してcの体を支え被控「,。」,,訴人a6はcに水を飲ませようとした(ただし,cがこの時に水を飲んだか否かは不明である。 。)(以上につき,乙6,14,18,19,23,31,37,47,原審における被控訴人a9,同a6,同a11,同a19)オ上記酩酊後のcの状況(ア)cが上記のとおりグラスの中の焼酎をこぼして前のめりになった,,後,被控訴人a18は, ,37,47,原審における被控訴人a9,同a6,同a11,同a19)オ上記酩酊後のcの状況(ア)cが上記のとおりグラスの中の焼酎をこぼして前のめりになった,,後,被控訴人a18は,上級生から頼まれて,酩酊したcをトイレに連れて行くことになった。同被控訴人はcに肩を貸していたが,cは自ら歩行することが可能で「大丈夫か」との問いに対しても「大丈夫で,。 ,すと答えるなど意識もはっきりしていた同被控訴人はトイレの。」,。 ,,,中の個室のある場所までcを誘導しその中で吐くように言ったところcは個室の中に入り鍵を掛けた。 同被控訴人は,その後,個室の外で少しの間待っていたが,声を掛けてもcからの返事はなく,ドアも開かなかったため,被控訴人a12を呼びに行き,同被控訴人と共にドアを叩いたり呼び掛けたりした。すると,cは漸く鍵を開けたが,その際,洋式便器にもたれ掛かるような格好で床に座り込んでいた。 (乙10,原審における被控訴人a18),,,(イ)その後被控訴人a7はトイレを出て部屋に戻って来たcに対し 「。」,,。 また飲むかと尋ねたがcはこれを断わり何か食べたいと言ったそこで,同被控訴人がテーブルの上にあった鶏の唐揚げを差し出すと,cは,それを1口食べたが,それ以上は食べなかった。同被控訴人は,その後再び酒を勧めたが,これも断られたため,それ以上は勧めなかった(cに飲酒を勧めたのは,同被控訴人が最後である。 。)そのころ,cは,酔ってきつそうな様子ではあったが,一応受け答えをしていた。 (乙51,原審における被控訴人a7)(ウ)それからしばらくしてcは被控訴人a9に上体を支えられた状態,,で,部屋の中で眠り始めた。cは,やや口を空け,ぐったりした様子であった。 た。 (乙51,原審における被控訴人a7)(ウ)それからしばらくしてcは被控訴人a9に上体を支えられた状態,,で,部屋の中で眠り始めた。cは,やや口を空け,ぐったりした様子であった。 そのころ,cの様子を見た被控訴人a4は,cの閉じた目を開いて見,「。 。」。 てこれはもう飲めないだろう連れて行った方が良いよと話したcの側には,被控訴人a6も付き添っていて,被控訴人a9と共に「おいc帰るぞ立てるかなどと呼び掛けたりしたがcから明確な,。 ,。」,返事はなかった。なお,これと前後して,被控訴人a6が,同a4に対して「こいつ(c,大丈夫ですかね」と訊ねたが,研修医になったば)。 ,「,。」。 かりである被控訴人a4は俺じゃまだ分からんよなどと答えた(,,,,,)乙14 原審における被控訴人a9同a8同a11(エ)その後被控訴人a9と同a6は吐くことで楽になることもあると,,考え,2人掛かりでcの身体を支えて,廊下を通りトイレの前まで連れて行った。ところが,トイレが使用中であったため,被控訴人a9らは,トイレ前の廊下で,cを,上半身を障子に持たせ掛けるようにして寝かせた。その後,同被控訴人らはcに呼び掛け,被控訴人a13もこれに加わって2,3回声をかけたが,cから明確な返事はなかった。なおそれと前後して店内の客が同所を通りかかりcを見て返事が,,,,「 なかったら急性アルコール中毒ですよと声を掛けてcの頬を叩い,。」,たりして「大丈夫ですかね」と言った。これに対し,被控訴人a9ら,。 は「多分寝ているだけなので,大丈夫です」と答えた。 ,。 (乙6,23,原審における被控訴人a9,同a13,同a19)(オ)被控訴 「大丈夫ですかね」と言った。これに対し,被控訴人a9ら,。 は「多分寝ているだけなので,大丈夫です」と答えた。 ,。 (乙6,23,原審における被控訴人a9,同a13,同a19)(オ)被控訴人a9と同a6はその後もトイレが使用中の状態が続いたた,め,cをトイレに連れて行くのを諦め,予定していた宿泊場所まで送り届けることにした。そこで,被控訴人a9らは,cを抱えて店内の階段で2階に降りた上,さらに,そこからエレベーターを使用して1階まで降りたそして1階ではd2当時3年生以下d2というが。 ,(,「」。)cの両足を支えd3当時6年生以下d3というや被控訴人,(。 「」。)a19も途中から手伝って,数人掛かりでcを店外に連れ出して,近くにある立体駐車場の前まで運んで,路上に寝かせた。なお,cは,そのころ嘔吐したため,この時点で口元や衣服には少量の吐物が付着していた。 この間,cは,全く自力では歩行しておらず,その他の自発的な動きを見せることもなかったし,周囲からの呼び掛けにも反応を示さなかった。終始いびきをかいていたが,いびきに加えて唸り声のような声を上げることもあった。 (甲15,乙10,18,23,52,原審における被控訴人a19,同a6,同a13,同a9,同a18)(カ)被控訴人a9同a13同a19d3及びd2は新入生を送る,,,,ために用意していた被控訴人a15の車以下a15車というが(「」。)到着するまでの間,cに対し,吐物で汚れないようにワイシャツを脱がせ,口元に付着していた吐物をおしぼりでふき取ったり,背中をさすったりし,さらに,吐物で喉を詰まらせることのないように,cを道路上に横向きにして寝かせた。 その後被控訴人a9はcの頬 を脱がせ,口元に付着していた吐物をおしぼりでふき取ったり,背中をさすったりし,さらに,吐物で喉を詰まらせることのないように,cを道路上に横向きにして寝かせた。 その後被控訴人a9はcの頬を軽く何回か叩いておーいcc,,,「,(の愛称。聞こえるか」などと呼び掛けたりしたが,cは,依然として)。 いびきや,唸り声のような声を出していて,何の反応も示さなかった。 また,この前後ころ,cは,再び嘔吐したが,それは口の中に残っていた液状の吐物が口から流れ出たような様子であった。 一方,d2は,被控訴人a13に頼まれて自動販売機でスポーツ飲料を買ってcに飲ませようとしたが,cは,少し飲んだものの,残りは口から流れ出るような状態で,飲むことができなかった。 (,,,,,,,乙7 原審における被控訴人a19同a13,同a9)(キ)a15車が付近の道路に到着したため被控訴人a9らはcを同車,,の駐車場所まで連れて行き,数人掛かりでcの体を抱えて,同車の後部座席に乗せた。その際,被控訴人a9らは,ズボンに吐物が付着しているのを見て,cのズボンを脱がせた。 ところで,被控訴人a9は,前年(平成10年)度の新入生歓迎コン,,パの際に怪我をしたd4に付き添って救急車でh医療センターに行き翌朝まで付き添った経験があったことから,同センターの場所を知っている被控訴人a13を車に同乗するよう指示するとともにもしあれだ,「ったら,h医療センターに連れて行くように」と伝えた。 。 そこで,被控訴人a13は,会場に靴等を取りに戻った後にa15車の助手席に同乗した。また,同車の後部座席には,被控訴人a19も同乗した。 (乙6~8,18,23,31,52,原審における被控訴人a19,同a15 人a13は,会場に靴等を取りに戻った後にa15車の助手席に同乗した。また,同車の後部座席には,被控訴人a19も同乗した。 (乙6~8,18,23,31,52,原審における被控訴人a19,同a15,同a6,同a18,原審及び当審における被控訴人a9,同a13)(ク)しかしa15車はh医療センターではなく事前に予定されてい,,, ,。 ,,たとおりb2のアパートに向かったこれを見て被控訴人a13は同a15にその点を問い質したところ,同被控訴人は,cをb2のアパートに連れて行った上で,しばらく様子を見ようと提案した。被控訴人a13は,二次会の会場に靴等を取りに戻っている間に,そのように方針が定まったものと理解して,この提案に特に異議を唱えることなく,そのままb2のアパートに向かうこととなった。 なお,被控訴人a19は,b2のアパートに向かう途中,cの体を軽く揺すったり,呼び掛けたりしていたが,cの様子に変化はみられなかった。 (乙7,8,10,18,原審における被控訴人a15,同a13)(ケ)被控訴人a6はcらを乗せたa15車が出発した後被控訴人a1,,に対し今新入生を1人a15の車で送っていきました病院へ行,「,,。 ったかもしれません誰やという問いに対してcです具。」「(「」)。」「(「合が悪いのかという問いに対して相当酔っぱらってはいますと報」)。」告した(乙23,原審における被控訴人a6」。 )(3)同5頁17行目から6頁16行目までを,次のとおり改める。 「(4)b2方におけるcの状態等アa15車は,午後10時30分ころ,e市i町j丁目所在のb2のアパートに到着し,被控訴人a15と同a19が,cを2階のb2の居室まで。 ,,運び入れた 。 「(4)b2方におけるcの状態等アa15車は,午後10時30分ころ,e市i町j丁目所在のb2のアパートに到着し,被控訴人a15と同a19が,cを2階のb2の居室まで。 ,,運び入れたそしてcを入口から向かって一番奥の畳部屋まで運んだ上cが嘔吐して畳を汚すのを防止するため,たまたま部屋にあった段ボールを畳の上に敷いて,その上にTシャツとトランクス姿のcを寝かせた。その際,うつぶせに寝かせた上で,吐物で喉を詰まらせないように,伸ばし(),。 た左腕に頭を載せて顔を横向き右向きにし右膝を曲げた体位にしたcは,依然として大きくて規則正しいいびきをかいて,目を覚まさなかったが,呼吸や顔色に異状は認められず,また,発熱や体温低下といった体 温の異常もみられず,痛みを訴えたりすることもなかった。 (乙6~8,80の4,原審における被控訴人a13,同a19,同a15)イ被控訴人a15と同a19は,再度新入生をb2のアパートに搬送してくるため,二次会の会場に引き返すことになったが,被控訴人a13はcの様子を見るために部屋に残った。同被控訴人は20分ないし30分間cの様子を見ていたが,顔色や体温等に変わりはなく,いびきをかきながら。 ,,,寝ているような状態であったその間同被控訴人はcの顔を拭いたり口の中に吐物と思われる食べ物が溶けかかったようで,ほとんど液体状のものが溜まっているのを認めて,おしぼりでこれをふき取ったりした。また,cを起こそうとしてみたが,cは目を覚まさなかった。 (乙7,8,原審における被控訴人a13)ウその後,a15車で,b2とb3がb2の居室に運ばれてきた。同車には,b2,b3及び被控訴人a19のほか,新たに被控訴人a17も同乗していた。 b3は,玄関の近くのキッチンですぐに寝たが, 3)ウその後,a15車で,b2とb3がb2の居室に運ばれてきた。同車には,b2,b3及び被控訴人a19のほか,新たに被控訴人a17も同乗していた。 b3は,玄関の近くのキッチンですぐに寝たが,b2は,しばらく大声で被控訴人a15らと話をして騒いでいた。この時も,cは,従前と同じ態勢で,依然としていびきをかいており,目を覚ますことはなかった。その後,b2も畳部屋の入口近くで入眠したため,被控訴人a13らは,6日午前零時前ころ上記新入生3名をb2の居室に残してa15車で二次会の会場付近に戻り,6日午前零時過ぎころ同所で別れた。 (乙6,8,80の4,原審における証人b3,被控訴人a13,同a15,同a17,同a19)エ被控訴人a13らの見回り等(ア)被控訴人a13は上記のとおり二次会の会場付近まで戻った後母,,親に車で迎えに来てもらい帰宅したが,その途中,母親にcの様子を話 したところ,看護師であった母親から「大丈夫なの。一緒に見に行こうかと言われもし体位を変えれば吐物を誤嚥することがあるかも知。」,,れないと考えたため,cの様子を見るために,b2の居室に見回りに行くことにした。 ,,,そこで同被控訴人はいったん帰宅した後の6日午前1時過ぎころ被控訴人a14に電話を架けて,新入生の様子を見るのに同行してほしいと依頼したところ,同被控訴人もこれを承諾した。なお,同被控訴人は,cがb2の居室に運び込まれた経過や,到着後のcの様子については,何も知らなかった。 (イ)上記被控訴人両名は6日午前1時30分ころb2の居室に到着し,,たが1回目の見回りその際cら3名は被控訴人a13が退去し(),,,た時と変わりがない状態で眠っていた。やがて,b3がトイレに起きて喉の渇きを訴えたため, b2の居室に到着し,,たが1回目の見回りその際cら3名は被控訴人a13が退去し(),,,た時と変わりがない状態で眠っていた。やがて,b3がトイレに起きて喉の渇きを訴えたため,被控訴人a14は,b3に冷蔵庫のウーロン茶を渡した。cは,上記アと同じ体位で,いびきをかいて熟睡している様子であった。被控訴人a13は,cの口元や襟元を濡らした布巾で拭いたり,口の中に溜まっていた涎のような液体を拭い取ったりし,更にcの頬を叩くなどしたが,反応はなかった。また,同被控訴人は,被控訴人a14と共に,うつぶせの状態のcの腰の辺りを持ち上げた上で,背中をさすったり,軽く叩くなどして嘔吐させようと試みたが,cは,嘔吐しなかった。 被控訴人a13らは,この時点でも,cに発熱はなく,顔色も良かったため,何らかの異状があるとは感じず,熟睡しているものと思っていた。そこで,同被控訴人らは,吐物で喉を詰まらせないように,上記アのような体位でcを寝かせた上,30分後に再び様子を見に来ることにして,b2のアパートを出た。なお,同被控訴人らは,b2のアパート「」,の道路の向かい側にk内科医院という医院があることに気付いたが 何かあればここに来れば大丈夫と考えたものの,その時点ではその必要性を感じなかったため,そのまま同所を後にした。 (ウ)上記被控訴人両名は同日午前2時過ぎから2時30分ころまでの間,に再びb2の居室に赴いた2回目の見回りcは1回目の見回り,()。 ,の時と同様に,上記アと同じ体位で寝ていたが,前回に比較して小さいいびきをかいており,吐物は認められなかった。同被控訴人らは,cが熟睡しているように感じたため,異状がないと考え,5分程度でb2の居室を出た。 (エ)上記被控訴人両名は同日午前3時前後ころ再 いびきをかいており,吐物は認められなかった。同被控訴人らは,cが熟睡しているように感じたため,異状がないと考え,5分程度でb2の居室を出た。 (エ)上記被控訴人両名は同日午前3時前後ころ再びb2の居室に赴い,,た3回目の見回りcの近くまで行って様子を見るとcは2回()。 ,,目の見回りをした際と同じ小さいいびきをかいていて,口元や周囲に吐物はなかった。同被控訴人らは,cの顔色や呼吸に異状がなく,b2やb3と同様に熟睡していると感じたため,cがこれ以上嘔吐したり,容態が変化することはないと考えて,b2のアパートを出て,それぞれ帰途についた。なお,その際,同被控訴人らは,b2の居室の机上に「鍵はポストに入れておくやばくなったら部員2年生に電話しろと。 ()。」書いた紙片を残した。 (以上につき,甲16,乙7,21,80の1,原審及び当審における被控訴人a13,同a14)(オ)b3は6日午前6時から午前6時30分ころまでの間に目を覚ま,,してコンビニエンスストアに買い物に行ったが,b2もそのころ目を覚ましており,これに気づいていた。この時,cは,多少横向きで大きないびきをかいて寝ており,痛みや苦しみを訴えることもなかったため,b3やb2は,cに異状があるとは感じなかった。 ,,,,一方被控訴人a13は午前7時ころ起床してb2に電話を架けcの様子を聞いたところいびきをかいて寝ていますいびきがうるさ,「。 くて寝られませんとの返事であったその後b2とb3は再び入。」。 ,,眠した。 (乙7,原審における証人b2,同b3,被控訴人a13」) 本件の主要な争点及びこれに関する当事者の主張は,原判決11頁22行目「」「」,「」「」の使用 。 ,,眠した。 (乙7,原審における証人b2,同b3,被控訴人a13」) 本件の主要な争点及びこれに関する当事者の主張は,原判決11頁22行目「」「」,「」「」の使用されの次にてを同15頁22行目の溶血していの次にる,「」「」,「」を24頁20行目のことの次にをを同29頁14行目の行われの次にてをそれぞれ加え同39頁4行目の冒頭のも飲まないをて「」,,「」「も飲めないと改め同43頁8行目に送るかはのはを削り争点(2)」,「」「」,について,当審における追加主張として以下のとおり付加するほかは,原判決「第2事案の概要」欄の第2項記載のとおりであるから,これを引用する。 (当審における追加主張)(1)控訴人らア本件歓迎会の一次会は中華料理店「f」で午後7時から9時まで行われたが,これは食事が主体であり,アルコールはビールのみであったから,さほど高度に酩酊する者もいなかった。cの意識状態,身体状態についても特に問題はない。 イ引き続いて午後9時40分ころからf近くの居酒屋gで二次,,「」「」会が催され,午後12時ころ閉会したが,ここでは,新入生の自己紹介時などに焼酎等の早飲み競争が行われるなどしたため,cの意識状態,身体状態は急激に悪化し,ついには意識をなくして,二次会の途中の午後10時30分ころには,会場から運び出され,酩酊者の搬入先用に確保されていたb2のアパートに運ばれたのである。 二次会での飲酒が実際に始まったのは,被控訴人a10により乾杯の音頭がとられた午後9時45分であり,上記早飲み競争が始まったのは午後10時ころであるから,cの意識状態,身体状態がいかに急激に悪化したかが での飲酒が実際に始まったのは,被控訴人a10により乾杯の音頭がとられた午後9時45分であり,上記早飲み競争が始まったのは午後10時ころであるから,cの意識状態,身体状態がいかに急激に悪化したかが分かる。 ウところで,被控訴人a1及び同a10が,cの意識状態等の急激な悪化(上記イ)を直接確認したという証拠はないが,いずれも他の者から(被),。 控訴人a1は同a6からの報告でそのことを認識していたものであるまた,被控訴人a9,同a6,同a13,同a19,同a15,同a18らは,cを二次会場から運び出し,a15車に乗せる際,cをh医療センターに連れて行くという話が出た時に,いずれもその場に居合わせた者達であり,しかも,cは実際には同センターには連れて行かれずに,b2のアパートに運ばれたということを知っていたものである。すなわち,被控訴人a15,同a13及び同a19は,実際にcをb2のアパートに連れて行った者達であり,その余の被控訴人らにおいても遅くともその直後にはそのことを知らされていたものである。 エ上記被控訴人らは,cの上記意識状態を認識していたものであり,しかも,同被控訴人らは医師ないしは医学生であるから,急性アルコール中毒の危険性や,或いはアルコール中毒ではないとしても意識を喪失するという状態が生命の危険性をはらんでいることを一般人よりも認識していた筈である。したがって,上記状態にあるcが死に至る危険性があることを予見し,そのような結果を防止するために,同人を救急病院など適切な医療機関に搬入すべき義務(保護義務)を負っていたものというべきである。 然るに,同被控訴人らは,上記のような状態にあるcを,酔っぱらった新入生の搬入先として予定していたb2のアパートに連れて行ってしまったか,或いはそのことを知りながら放置してし ものというべきである。 然るに,同被控訴人らは,上記のような状態にあるcを,酔っぱらった新入生の搬入先として予定していたb2のアパートに連れて行ってしまったか,或いはそのことを知りながら放置してしまったものであるから,上記保護義務違反の責を免れない(特に,上記ウの被控訴人a1及び同a10,並びにh医療センターに連れて行く話が出た場に居合わせた被控訴人a9ら6名の他,漕艇部副キャプテンの被控訴人a14,同部幹部で本件歓迎会の幹事である被控訴人a12,同部の幹部である被控訴人a11,同a8,当日の介抱役であった被控訴人a17の責任は重い。 。) (2)被控訴人らアcは,前提事実(3)オ(ウ)のとおり,二次会で,被控訴人a9に上体を支えられるようにして眠り始めた。やや口を開け,ぐったりした様子ではあったが,顔色は良く,呼吸状態も普通であったため,同被控訴人及び被控訴人a6らには異常は感じられず,酔っぱらって眠っているものと思われた。 その後同(エ)のような経緯があったがcの顔色体温呼吸状態に異,,,,常は見られなかったので,被控訴人a9,同a6らは危険な徴候を感じなかった。 イcは,その後,二次会場から外に運び出され,a15車で予定された宿泊場所であるb2のアパートに搬送され,同所で寝かされたこと,被控訴人a13及び同a14が3度にわたって見回りに行き,cの様子を観察していることなどは,前提事実(3)オ(オ)ないし(ク)及び(4)のとおりであるところ,cは全く自力歩行はしておらず,その他自発的な動きを見せることはなかったものの,終始いびきをかいて眠っていたため,被控訴人a9,同a6,同a13,同a19,同a15,同a14らにおいては,cが酔っぱらって熟睡していると思い,生命の危険があるなどとは思ってもみなか ったものの,終始いびきをかいて眠っていたため,被控訴人a9,同a6,同a13,同a19,同a15,同a14らにおいては,cが酔っぱらって熟睡していると思い,生命の危険があるなどとは思ってもみなかったものである。 ウh医療センターの件について(ア)被控訴人a9はcが前年のd4のように暴れ出したり顔色が蒼,,,白になったり,呼吸が乱れたりするなど明らかな異常が現れたりした場合には,同センターに連れて行く必要があると考え,前提事実(3)オ(キ)のとおり「これ以上具合が悪くなるようだったら,h医療センターに連れて行った方が良い」旨伝えただけである。仮に,同被控訴人が,cの生命身体に危険を感じていたならば,自らa15車に同乗してh医療センターに連れて行った筈であるし,その後の経過につき被控訴人a13 らに確認している筈である。しかし,被控訴人a9はそのような危険を感じなかったから,その点の確認をしていない。 (イ)また被控訴人a13にしても同a9から上記のように言われたも,,のの,cはただ酔っぱらっているだけにしか見えず,前年,d4に付き添ってh医療センターに同行した際の経験(d4は口から泡を吹いていたに照らしてもcの場合には同センターに連れて行かなくても大丈。),夫だと認識していたものである。 (ウ)被控訴人a15の認識も上記(イ)の同a13のそれと同様である。なお,控訴人らは,被控訴人a15から事情聴取した際の記録であるという甲20の2に依拠して,同被控訴人が「病院に行くのは面倒くさい」「病院沙汰にしたくない」などと考えて,cをh医療センターに連れて行かず,b2のアパートに搬送したものである旨主張するが,同被控訴人はこれを明確に否定し,上記録取結果は控訴人らから「言わされたもの」であると供述してい い」などと考えて,cをh医療センターに連れて行かず,b2のアパートに搬送したものである旨主張するが,同被控訴人はこれを明確に否定し,上記録取結果は控訴人らから「言わされたもの」であると供述しているところである(原審における同被控訴人。 )エ被控訴人a13及び同a14の見回りについて(ア)被控訴人a13の認識は上記ウ(イ)のとおりであったが前提事実(4),エ(ア)のとおりたまたま母親からの指摘で漠然とした不安を抱きc,,「がもしも体位をかえたりして,吐いた物を誤嚥したりしたら心配だ」と考えて,念のためcの様子を見に行くことにしたものである。 (イ)そこで同被控訴人は被控訴人a14を誘って2人でcの様子を,,,3回にわたって見に行ったのであるが,cは,その都度,前と同じ体位で,いびきをかいて眠っており,顔色もよく,特に異常は感じられなかった。 (ウ)なおk内科は1回目の見回りに行った際たまたまその所在を知っ,,た医院である。被控訴人a13は「呼び鈴を押してみようかとも考え,た旨陳述している乙7がこれはここに病院があるな何かあ」(),,「。 ったらここがあるな」という程度の趣旨で述べたものであり,呼び鈴を押そうとした訳でもなく,特にその必要性を感じていたわけでもない。 この点は,被控訴人a14についても同様である。もっとも,同被控訴人は控訴人らに追及されてベルを押そうと思った旨述べたこと,,「」があるが,これが偽りであることは原審における同被控訴人の尋問で明らかにされている。 第3当裁判所の判断 争点(1)について(1)控訴人らは①cは急性アルコール中毒に陥り呼吸中枢麻痺を来して死,亡したか,或いは,②過度の飲酒酩酊による吐物の誤嚥により窒息死し ている。 第3当裁判所の判断 争点(1)について(1)控訴人らは①cは急性アルコール中毒に陥り呼吸中枢麻痺を来して死,亡したか,或いは,②過度の飲酒酩酊による吐物の誤嚥により窒息死したと主張するのに対し,被控訴人らは,③cの死因は重症急性膵炎であり,かつ,それはアルコール性のものではないと主張して,真っ向から対立している。 そして,原審においては,この点が最大の争点であるかのように取り扱われ,双方の攻防が尽くされているが,原審は,①を否定し,②を認めるには至らないとし,③については,cが急性膵炎に罹患していた可能性を否定することはできないが,それとは矛盾する事情もあり,解剖による詳細な調査が行われていない以上,この点は不明というほかないと判断した。 (2)ア当裁判所もcの遺体が病理解剖に付されていない以上上記主張はい,,ずれも推測の域を出ないのであって,cの死因についていずれとも断定することはできないものと判断する。 イしかしながら,cが,本件歓迎会の一次会及び二次会を通して,相当量の飲酒をしたことは確実である。一次会ではビールしか飲んでいないが,それでもそれなりの量を飲んだものと認められるし,二次会におけるcの飲酒状況は前提事実(3)ウのとおりであって比較的短時間のうちに相当,,量のビールや焼酎を飲んだことが認められる。 しかも,二次会は,一次会とは違って猥雑な雰囲気であり,やはり相当多数の出席者がいた上,出席者達の多くは自らも相当量の飲酒をして酔いが回ってきたりしていたのであるから,そのような中で,cがどのようにしてどの程度の飲酒をしたかを正確に再現することはおよそ不可能なことといわざるを得ないそうであれば前提事実(3)ウで認定したのは確実。 ,,に認定できるところを押さえたもの cがどのようにしてどの程度の飲酒をしたかを正確に再現することはおよそ不可能なことといわざるを得ないそうであれば前提事実(3)ウで認定したのは確実。 ,,に認定できるところを押さえたものと見るべきである。加えて,前提事実(3)エ及びオのとおりcは二次会が始まった午後9時40分からそれ程,,経たないうちに顕著に酩酊し(したがって,それ以後は殆ど飲酒していない,宴もたけなわというころに早くも眠り込んでしまい,ついには会場。)から運び出され,午後10時30分には宿泊予定場所であるb2のアパートに搬送されているのである。 上記のような諸事情を総合して考察すれば,cはかなり短時間のうちに相当多量のアルコールを摂取したものと考えるのが相当である。 ウそうすると,解剖がなされていないが故に,厳密な意味でcの死因を特定することは断念せざるを得ないにしても,いずれにせよ,上記のようにして摂取されたアルコールがcの死亡という結果に相応の影響を及ぼしたであろうと考えるのが自然かつ合理的であって,このことを否定するのは著しく経験則に反することといわなければならない(仮に,被控訴人らが主張するとおり,cの直接の死因が重症急性膵炎であったとしても,その発症ないし悪化にアルコールの影響がなかったとは断じ切れないし,飲酒の影響がなければ,自ら症状を訴えるなどして,死亡には至らなかったと考えられる。 。) 争点(2)について(1)被控訴人らの不法行為ないし安全配慮義務違反原審からの控訴人らの主(張)についてア漕艇部の新入生歓迎会,特に,二次会においては,上級生やOBらから 新入生に対して飲酒を勧めることが多く,さらには,新入生同士或いは新入生と上級生との間でビールや焼酎等の早飲み競争が行われることもあったこと,しかも,新入生 次会においては,上級生やOBらから 新入生に対して飲酒を勧めることが多く,さらには,新入生同士或いは新入生と上級生との間でビールや焼酎等の早飲み競争が行われることもあったこと,しかも,新入生は飲酒経験が浅いため,自己の酒量の限界をわきまえていない者が多く,勧められるまま多量に飲酒して酔いつぶれる者が多かったことは,前提事実(3)イ(ア)のとおりである。 イそして同(エ)のとおり本件歓迎会の二次会においても早飲み競争が,,,行われた。 上記早飲み競争は,周囲の者が手拍子をしたり,かけ声を掛けたりする中で行われ,その際,OBである被控訴人a3,同a4及び同a2の3名も,その場を盛り上げようとして,新入生同士の早飲み競争に加わって,一緒にビールや焼酎を一気に飲んだこともあったし,早飲み競争で負けた者の中には,周囲の声などに押されるなどして,更に1杯のビール等を飲んだ者もいた。しかし,競争に負け続けて延々と飲み続ける者はおらず,最も多く飲んだ者でも,その際の飲酒量はコップ3,4杯程度であった。 (以上につき,前提事実(3)ウ(エ))また,c以外の新入生の中にも,二次会の席で,上級生と早飲み競争をした者は多くいたが,かかる行為が強要されたことはなかった。この点につき当の新入生らはもう飲めないと思った後は酒を注がれてもその,,「,ままにしていて飲まなかったが,そのことで上級生から非難されることはなかった乙26b4飲むのを嫌がっているのに酒を注がれたと」(,),「,いうことはなかった乙35b2自分がもう飲めないと感じた」(,),「「」ために,早飲み競争をするのを断ったところ,一度は聞き入れられなかったが再度断ったら上級生も認めてくれた乙40b1先輩らは,,」(,) 飲めないと感じた」(,),「「」ために,早飲み競争をするのを断ったところ,一度は聞き入れられなかったが再度断ったら上級生も認めてくれた乙40b1先輩らは,,」(,),「ひっきりなしに酒を勧めてきたので,断りつつも少しづつ飲んでいた。しかし,それも限界になったので,10時半ころからは一切酒を口にしないようにしそれからはずっと断り続けていた先輩らは自分に飲む気が,」「, なくても酒を勧めてきた点で無理強いと言えるかもしれないが,ちゃんと断ればそれ以上に勧めたりしなかったので,故意や悪意はなかったように思う乙43b7飲めないというのに無理に酒を飲まされたことは」(,),「ない(乙54,b3)と,それぞれ陳述しているところである。 」なお,乙44及び原審における証人d1の証言中には「新入生の中に,は,早飲み競争に加わらず,自己紹介の際に飲んだビールを直ぐにビニール袋の中にはき出すなどしていた者(b4)もいた「b7は「僕は未成」,年だから飲みません」といって,飲まなかった」とする部分もあるが,b4やb7の上記各陳述書の内容と照らしても,これらはある特定の一場面だけを捉えたものであって,同人らがほとんど酒を飲まなかったとは認められない。 ウそればかりか,以下のような事実も認められる。 ,,(),(ア)被控訴人a10は以前から同a9やd5当時4年生との間で「平成10年のd4の件のようなこともあったので,新入生に余り飲み過ぎないように注意しておいた方が良いなどと話し合っていたことか。」ら,本件歓迎会当日の6月5日,午前9時から午後零時ころまで,e市内のl湖において,漕艇部の練習が行われた際の練習終了後の全体ミーティング時に新入生の男子部員全員を集めた上で先 いたことか。」ら,本件歓迎会当日の6月5日,午前9時から午後零時ころまで,e市内のl湖において,漕艇部の練習が行われた際の練習終了後の全体ミーティング時に新入生の男子部員全員を集めた上で先輩に酒を勧めら,,「れても,自分が無理だと思ったら,きっぱり断るように」と注意した。 これには,cも参加していた。 (乙18,22,50,原審及び当審における被控訴人a10,原審における同a9)(イ)被控訴人a1も,一次会終了時に「例年,新入生歓迎コンパの二次,会では酩酊者が出やすい。新入生は,自分の酒量や限界を自覚していないことが多いので,これ以上飲みたくないと思ったら,たとえ上級生や先輩達から酒を勧められても断わるように。新入生には酒を断わる権利 があるなどと話し前年度のd4の件なども例に挙げた上注意を促。」,,した(原審及び当審における被控訴人a1)。 エまた前提事実(3)イ(ア)及び(ウ)の準備は所持品の紛失等の無用のトラ,,ブルの発生を防止し,或いは,酩酊した新入生を安全かつ確実に送り届けるための方策として考案されたものであり,いわば新入生に対する上級生側のサービスの一環と受け止めるべきものであって,これらの措置により新入生が二次会から自由に退出する機会を奪う目的があったなどと解することはできない。 もちろん,これらは,新入生に酩酊者が出ることを予定したものであることは明らかであるが,それだからといって,被控訴人らが新入生に早飲み競争を仕掛けるなどして,新入生を酩酊させることを意図していたということにはならない。 オ以上見たところによれば,控訴人らが主張するような被控訴人らの不法な意図を認めることはできない。 そうであれば,本件歓迎会(特に,二次会)が控訴人ら主張のような意図のもとに開催されたも らない。 オ以上見たところによれば,控訴人らが主張するような被控訴人らの不法な意図を認めることはできない。 そうであれば,本件歓迎会(特に,二次会)が控訴人ら主張のような意図のもとに開催されたものであることを前提にした上で,cの死亡の結果について予見可能性があったとして,被控訴人a10,同a14,同a1 同a12同a8ら漕艇部幹部の企画責任被控訴人a1部長同,,,(),a10(キャプテン)及び同a12(幹事役)の運営責任者としての不法行為責任を主張する点は,その前提を欠くものといわざるを得ず,採用することができない。 また,被控訴人らの救急救命義務違反(不作為としての不法行為責任)ないしは安全配慮義務違反を主張する点についても,控訴人らの上記主張を前提とするものである限りでは,やはりその前提自体を欠くことになるから,採用することができない。ただし,この関係においては,二次会の位置付けに関する控訴人らの上記主張を必ずしも前提にしない上での主張 ということも考えられないではない。そして,その点は当審における追加主張において,明確にされたものということができる。そこで,この場合の判断は後記(2)において当審における追加主張に対する判断と一括し,,て示すこととする。 (2)被控訴人らの救急救命義務違反(当審における控訴人らの追加主張を含む)についてア控訴人らは,①被控訴人らは,本件歓迎会を主催した上級生(漕艇部の幹部)及び部長,或いはその趣旨・目的に賛同して参加した上級生やOBであるから,新入生が介護を要するような高度酩酊状態に陥った場合,適切な介護をし,救急救命措置を講ずべき条理上の義務がある,②部長及び幹部(被控訴人a10,同a14,同a11,同a12,同a8)は,,,,危険な本件歓迎 ような高度酩酊状態に陥った場合,適切な介護をし,救急救命措置を講ずべき条理上の義務がある,②部長及び幹部(被控訴人a10,同a14,同a11,同a12,同a8)は,,,,危険な本件歓迎会を開催したという点で被控訴人a2同a3同a7同a17,同a18,同a19は,cに早飲み競争を仕掛ける等して,同被控訴人a5は,その際にcのグラスに焼酎を注いで早飲み競争の幇助をし,cに危険を生じさせたという点で,これら先行行為に基づいて上記義務を負う,③被控訴人a6,同a9,同a18,同a19は,重度酩酊したcを二次会場から運び出した者,同a13,同a15,同a19は,cをb2方に搬送した者,同a14は同a13とともにb2方に見回りに行った者として,いずれも事務管理に基づき上記義務を負う旨主張し,当審において,上記第2の3のとおり主張している。 イしかしながら,本件歓迎会(特に,二次会)においても,例年のそれのとおり,早飲み競争等が行われ,新入生らの中に高度に酩酊する者が出るであろうことが予想されていたとはいえ,新入生をそのような酩酊状態に陥らせることが意図されていたというわけではないことは上記(1)で見た,,,,ところでありそうである以上二次会の出席者である被控訴人ら全員にcの生命が危険にさらされていることを予見し,同人に対する介護及び救 急救命措置をとるべき条理上の義務があるとまではいえない。 上記①は採用することができない。 ウ(ア)同様に漕艇部の部長である被控訴人a1同部の幹部である被控訴,,人a10,同a14,同a11,同a12,同a8が,本件歓迎会を開催したということの故をもって,直ちにcの生命の危険を予見し,同人に対する介護及び救急救命義務を負うものとすることもできない。 (イ)また被控訴人a ,同a11,同a12,同a8が,本件歓迎会を開催したということの故をもって,直ちにcの生命の危険を予見し,同人に対する介護及び救急救命義務を負うものとすることもできない。 (イ)また被控訴人a17同a18及び同a7がcと早飲み競争をし,,,たことは前提事実(3)ウのとおりであるが被控訴人a2同a3及び同,,a19がcと直接早飲み競争をしたことを認めるに足りる証拠はない。 もっとも,被控訴人a2及び同a3が,新入生同士或いは新入生と上級生との早飲み競争の際に,自らも一気飲みをしてこれに加わったりしていたことは認められる(上記(1)イ。 )しかしながら,単にcと早飲み競争をし,或いはこのような早飲み競争に加わったことがあるということをもって,それらの被控訴人らにおいてcの生命の危険性を予見し,上記義務を負うものとすることはできない。 さらに被控訴人a5に至っては,本件歓迎会の当日,友人から医学部軽音楽部の引退ライブの誘いを受け,チケットを購入していたため,一,,,次会の終了後同級生のd6とd7と共にライブが行われる店に行きライブが終わった午後10時ころ,二次会場に向かい,午後10時20分ないしは午後10時30分ころに同会場に到着したものであり,その時点ではcは既に店外に運び出されていたことが認められる(乙17,28,34,原審における被控訴人a5)のであるから,同被控訴人が上記義務を負ういわれはない。 そうすると,上記②の主張も採用の限りではない。 エ問題は,上記③の主張及び当審における追加主張である。 (ア)二次会におけるcの飲酒状況及び酩酊状況は前提事実(3)ウ及びエのとおりであり,その後,会場から運び出され,a15車に乗せられるまでの状況は同オのとおりである。 (イ)これによればcは二次会 二次会におけるcの飲酒状況及び酩酊状況は前提事実(3)ウ及びエのとおりであり,その後,会場から運び出され,a15車に乗せられるまでの状況は同オのとおりである。 (イ)これによればcは二次会開始早々からかなり早いペースでビー,,,ルや焼酎を飲み続けたため,間もなく顕著に酩酊したものということができる。そこで,被控訴人a18が肩を貸してトイレに連れて行き,中で吐くようにと言ったのに,cはトイレに閉じこもってしまって,なかなか出てこなかったこと,漸くトイレから出て来ても,状態は一向に改善されなかったこと,その後は殆ど飲酒していないにもかかわらず,二次会の宴もたけなわというころには被控訴人a9にもたれるようにして早くも眠り込んでしまい,呼び掛けても返事もしなかったこと,吐いて楽にさせようと,同被控訴人や被控訴人a6が再びトイレに連れて行こうとしても,cは自力で歩行することはなく(この認定に反する乙23号証中の記載及び原審における被控訴人a6の供述部分は採用できない,トイレが空くのを待つ間も廊下で眠り続けたこと,この間,被控。)訴人a4がcの目を開けて見てこれはもう飲めないだろう連れて行,「。 。」,,,「(),った方が良いよと話しさらに被控訴人a6からこいつc。」,「,。」大丈夫ですかねと訊ねられたのに対し俺じゃまだ分からんよなどと答えたという経緯もあったことが認められる。 被控訴人a6及び同a9らは,このような状況及び経緯を踏まえて,cを宿泊予定場所のb2のアパートに送り届けるべく,cを会場から運び出したこと,その間も,また,a15車の到着を待つために路上に寝かされている間も,cは終始いびきをかいて眠ったままであり,自力歩行はもとより自発的な動きを見せることは皆無であったこと, 会場から運び出したこと,その間も,また,a15車の到着を待つために路上に寝かされている間も,cは終始いびきをかいて眠ったままであり,自力歩行はもとより自発的な動きを見せることは皆無であったこと,スポーツ飲料を飲ませようとしても,殆ど口から流れ出る状態で,飲ませることができなかったことも認められる。 そうであれば,cは,かなり短時間のうちに相当多量のアルコールを摂取したものであり,その酩酊の程度も高度なものであったと認めるのが相当である。 (ウ)上記のとおり被控訴人a6及び同a9らはcをb2のアパートに,,送り届けるに如かずと考えたのであるが,cの酩酊状態がかなり短時間のうちに相当多量のアルコールを摂取したことによりもたらされたものであることに照らせば,cの状態は時間の経過とともにさらに悪化ないし深刻化することが考えられるものというべきであり,そうであれば,被控訴人a6らの上記判断は適切でなかったものといわざるを得ない。 すなわち,このような場合には,可及的速やかに然るべき医療機関に搬送して医師の診療を受けるか,さもなくば,最大限の責任を持ってcの観察を続け,有事の際には直ちに医師の診療を受けられる態勢を整えることが肝要である。後者の場合の最適の候補者がcの両親である控訴人らであることは明白であるから,控訴人らのもとに送り届けるか,連絡をして迎えに来てもらうことが考えられる(もっとも,控訴人らの住所はm町という郊外であり,二次会場のgとは相当距離がある。とこ。)ろが,b2のアパートは,酩酊した新入生のほかは誰もいないのであるから,そのような場所に早々に運び込むということは,上記のあるべき態勢からかけ離れること甚だしく,かえってcを危険な状態におくものといわなければならない。 なお,本件歓迎会の出席者らの多くは医学 るから,そのような場所に早々に運び込むということは,上記のあるべき態勢からかけ離れること甚だしく,かえってcを危険な状態におくものといわなければならない。 なお,本件歓迎会の出席者らの多くは医学生であり,特に,上級生らは急性アルコール中毒についても既に講義を受けるなど,一般人に比較すればその関係の専門知識を有していたものということができるけれども,何分にも学生にすぎないから,専門家としての判断を期待するのは。 ,,,,無理というべきであるまた被控訴人a1をはじめ同a2同a3同a4ら医師ただし被控訴人a3及び同a4は研修医であるであ(,。) るOBも出席してはいたが,同被控訴人らも相当飲酒し,かなり酩酊していたことが窺えるのであるから,医師としての適切な診断を期待することはできなかったものと思われる。しかし,それにしても,早々にcをb2のアパートに搬送するよりは,二次会の閉会時まで医師である被控訴人a1らのいる会場で寝かせておいた方がまだしも良かったものといわなければならない。 (エ)ところでこの点に関しては上記の被控訴人a4の言動及び同被控,,訴人と同a6とのやりとりについて,その意味するところを見ておかなければならない(もっとも,当の被控訴人a4及び同a6がともにこの関係については「記憶がない」としているため,検討にも自ずから限界があることは承知しておかなければならない。 。)まず被控訴人a4が連れて行った方が良いよと言った際の連,「。」,れて行く先はどこなのかということが問題となる。具体的には,医療機関なのか,それとも宿泊予定場所なのかということになろうが,仮に前者であるとすればその後の被控訴人a6のこいつc大丈夫です,「(),かねという問いは極 となる。具体的には,医療機関なのか,それとも宿泊予定場所なのかということになろうが,仮に前者であるとすればその後の被控訴人a6のこいつc大丈夫です,「(),かねという問いは極めて緊迫感を帯びたものになってくる医療機。」,。 関に運ばれることを前提にしても,そのような心配があるということになり,それ程までにcの状態は深刻であったということになるからであるしかしながら被控訴人a4の上記発言にはこれはもう飲めない。 ,,「だろう」という前置きがあるのであって,これは上記のような緊迫感とはいささかそぐわないし,何よりも,同被控訴人は,この時,自身もかなり酩酊していた上,医師免許を取得して間もない時期であったため,意識的にcの目を見て酩酊度や意識レベル等を確認したわけではないことが窺えるのであるから,上記発言にそれ程重い意味を持たせるのは相当でない。また,被控訴人a6らが,cを宿泊予定場所に送り届けることとして,会場から運び出していることとも符合しない。 そうであれば,被控訴人a4の上記発言もそのような趣旨のものであったと解するのが相当であり,したがって,被控訴人a6の上記発問も必ずしも緊迫感のあるものとは受け取れないものというべきである。 (オ)もっとも被控訴人a9はcをa15車に乗せてからh医療セン,,,ターに向かわせることを考慮し,同センターの場所を知っている被控訴人a13をも同乗させもしあれだったらh医療センターに連れて行,「,くように」と伝えたのであり(前提事実(3)オ(キ) ,これはそれなりに。 )思いを巡らせた指示であったものと評価できるただその際にもし。 ,,「あれだったら」との条件を付したため,同センターに連れて行くか否かについて被控訴人a13らの判 これはそれなりに。 )思いを巡らせた指示であったものと評価できるただその際にもし。 ,,「あれだったら」との条件を付したため,同センターに連れて行くか否かについて被控訴人a13らの判断に委ねる余地を残したという意味において,不徹底さないし曖昧さを残すものであったことが惜しまれる。 そのため,現に,a15車は同センターに向かうことなく,当初の予定どおり,cをb2のアパートに連れて行ってしまったものである。この点については,被控訴人a13が,同a9の上記指示を受けた後,靴に履き替えるなどするために二次会場に取って返したという時間的間隔があり,それが同被控訴人と被控訴人a15との意思疎通を妨げたということが窺える前提事実(3)オ(ク) のであってこの点はまことに不幸(),,,な成行であったといわざるを得ないのであるがそれももとはといえば被控訴人a9の折角の指示が上記のような不徹底さを含んでいたからにほかならない。 (カ)また被控訴人a13は同a15及び同a19がさらに新入生を搬,,送するため二次会場に引き返した後も,cの様子を見守るためにb2方に居残ったものであり,その後,b2及びb3を送り届けてきた上記被控訴人両名及び被控訴人a17とともに,6日午前零時前ころまで同所にとどまったことが認められる(前提事実(4)イ及びウ。さらに,被控)訴人a13は,迎えに来てくれた母親(看護師)の発言を機に,cが体 位を変えたりしたならば,吐物を誤嚥するということもあるのではないかとの一抹の不安を覚え,一旦自宅に帰った後,被控訴人a14を誘って,2人でb2方を訪れ,cの様子を観察し,その後もさらに2回にわたって同様の観察をしているのである上記(ウ)のような観点からすると。 き,被控訴人a13が進んでb2方に居残って 控訴人a14を誘って,2人でb2方を訪れ,cの様子を観察し,その後もさらに2回にわたって同様の観察をしているのである上記(ウ)のような観点からすると。 き,被控訴人a13が進んでb2方に居残ってcの様子を観察し,さらには,その後3回にわたって被控訴人a14とともに見回りをしているということは大いに評価されて然るべきである。 ただ,惜しむらくは,同被控訴人の関心が,専ら,眠っているcが体位を変えることにより,吐物を誤嚥するということがあり得るのではないかという点に向けられていたということである。むしろ,いくら酔っぱらって熟睡しているように見えるとはいえ,呼び掛け等にも一切反応せず,長時間にわたっていびきをかいて眠り続け,その間全く体位を変えることもないという方が余程不自然で,不気味なことといわなければならない。現に,cの左上腕部と左頬部には,長時間にわたって左上腕部に顔左顔面を乗せていたためにうっ血が生じていた程である甲(),(2の2・3,乙80の2。 ),(,しかもcは失禁までしていたことが認められるのであるもっともそれがいつのことであるのは定かでないが,そのような事態があるとすれば,被控訴人a13らが見回りをした際に気が付いて然るべきであるから,同被控訴人らの3回目の見回りの後に生じたと見るのが相当であるからもしも継続してcを観察していたならば死の転帰を迎え。),,,る前に,同人が只ならない状態にあることを察知することができたものと考えられる。 (キ)以上によれば二次会のかなり早い段階で高度に酩酊してしまい上,,記(イ)のような状態にあるcについて被控訴人a6及び同a9らがc,,を宿泊場所に搬送するべく二次会場から運び出して以後の関係者の判断 及び措置については,cの 酊してしまい上,,記(イ)のような状態にあるcについて被控訴人a6及び同a9らがc,,を宿泊場所に搬送するべく二次会場から運び出して以後の関係者の判断 及び措置については,cの生命身体に対する安全の確保という観点からするときは,問題があったものといわざるを得ない。もっとも,これらの者は,被控訴人a6,同a9のように,たまたまcの近くに居合わせた上級生(被控訴人a6は最上級生であり,かつ,新入生部員の指導に当たっていた者(乙23,同a9は前年のキャプテン(乙18)であ))ったり,同a13は同a9からa15車への同乗を指示された者,同a14は同a13からb2方の見回りへの同行を依頼された者,同a19は2年生で新入生の世話係の役目を担っており,cを宿泊場所に搬送するのを手伝った者,同a15は3年生であるにもかかわらず,自動車を保有していたために,酩酊した新入生の搬送役を割り当てられた者であ,。 ,っていずれも偶然に酩酊したcとの関わりを持ったにすぎない特に被控訴人a6及び同a9においては,上級生としての責任感ないしは酩酊してしまったcに対する配慮の故に関わりを持ったものであるし,同a13及び同a14の見回りについても同様のことがいえるのである。 しかし,いやしくも一旦そのような関係が形成された以上,cに対する安全配慮義務(保護義務)を負うものであり,同義務を全うしなければならない立場にあるものというべきである。 なお,cを二次会場から運び出し,b2方に搬送する際に被控訴人a18がこれに関与したことを認めるに足りる証拠はない。また,被控訴人a17は,a15車がb2らを同人方に搬送した際に同車に同乗して来てそのままb2方にしばらくとどまっていたことは前提事実(4)ウ,,のとおりであるが,それだけでcに対する い。また,被控訴人a17は,a15車がb2らを同人方に搬送した際に同車に同乗して来てそのままb2方にしばらくとどまっていたことは前提事実(4)ウ,,のとおりであるが,それだけでcに対する保護義務が発生することにはならない。 (ク)ところで被控訴人a1は漕艇部の部長として本件歓迎会につい,,,ても最高かつ最終の責任を負うべき立場にあるものであり,被控訴人a10は,同部のキャプテンとして,学生側の最高責任者としての責任を 負うものである。 そして,同被控訴人らにおいて,早飲み競争をさせるなどして新入生を酩酊させるというような意図があったとは認められないことは,既に見たとおりであるが,二次会において現に早飲み競争が行われるなど,いささか羽目を外した飲酒の仕方がまかり通っていたことも事実である。それ故に,被控訴人a10及び同a9らのように,そのような二次会における飲酒の在り方に危惧を抱いていた上級生もいたし,被控訴人a1においても同様の危惧を抱いていたものである。そこで,被控訴人a10は,本件歓迎会当日に行われた練習後ミーティングの際に,新入生に対して注意を喚起し,同様に,被控訴人a1は一次会の終了時にわざわざ二次会における飲酒の在り方について注意を与えたのである(上記(1)ウ。しかしながら,被控訴人a10の注意は専ら新入生に向けら)れたものであるし,被控訴人a1のそれも主としては新入生に対するものであって,その意味において,これらの注意は不徹底なものであったといわなければならない。真に上記のような危惧を払拭したいということであれば,むしろ新入生に酒を勧める側の上級生らにこそ注意を促すべきであるし,より根本的には早飲み競争とそれに伴う一気飲みそのものを禁止すべきだったのである。然るに,被控訴人a10及び同a1 うことであれば,むしろ新入生に酒を勧める側の上級生らにこそ注意を促すべきであるし,より根本的には早飲み競争とそれに伴う一気飲みそのものを禁止すべきだったのである。然るに,被控訴人a10及び同a1の折角の注意も上記のような不徹底なものにとどまったため,二次会においては,従前どおり,早飲み競争が当然の如くに行われ,それについて制止や格別の注意が与えられることもなかったのである。もちろん,新,,,入生らはこのような場を通じて自己の酒量の限界を身をもって知り節度ある飲酒の仕方などを身に付けて行くという側面もあることが考えられるから,羽目を外した飲み方をすべからく否定したり,禁止すべきであるとも言い難いのであるが,そのような乱暴な態様の飲酒を伴う場を提供した者としては,それによってもたらされる新入生らに生じるこ とのあるべき危険性に十二分に思いを巡らせ,およそ飲酒による事件事故が発生することのないよう万全の注意をもって臨まなければならないものというべきである。上記のとおり,本件歓迎会に最終的かつ最高の責任を負うべき被控訴人a1及び同a10には上記のような意味における注意義務があるものといわなければならない。それ故にこそ,同被控訴人らは,二次会の終了時まで同会場に残り,cの件を含めて,二次会の顛末についておおよその報告を受けていることが認められるのである(前提事実(3)イ(オ),同オ(ケ) 。 )また,前年,d4が救急車でh医療センターに搬送された際に,被控訴人a1及びキャプテンであった被控訴人a9らがd4に付き添って同センターに赴き,被控訴人a9に至っては朝までd4に付き添ったという事実と対比しても,被控訴人a1及び同a10は,cの死について責任の一半を免れないものといわなければならない。 ,,,,,,(ケ)以上 被控訴人a9に至っては朝までd4に付き添ったという事実と対比しても,被控訴人a1及び同a10は,cの死について責任の一半を免れないものといわなければならない。 ,,,,,,(ケ)以上の次第で被控訴人a1同a10同a6同a9同a13同a15,同a19,同a14については,cの死という結果に対し安全配慮義務違反があったものとして,責任を負うべきこととなる。 争点(3)についてこの点に関する事実認定及び判断については,原判決140頁14行目から143頁15行目までのとおりであるから,これを引用する。 争点(4)について(1)cの損害についてア逸失利益については,cが当時20歳でe大学医学部1年に在学し,将来医師免許を取得するであろうことから,その基礎年収としては,控訴人らの主張の男性医師の平均賃金である年収1207万5700円(平成10年度賃金センサス,企業規模計,年齢計)を採用し,その稼働開始時期を卒業する6年後からとし,67歳までの約41年間(77歳までの稼働 を前提とする控訴人らの主張は採用できないの年5分による中間利息の。)(. . ),控除をライプニッツ係数 9810-50756を用いて行い生活費控除を50パーセントすると,7792万円(千円未満切り捨て)となる。 イ葬儀費用については,cの年齢,社会的地位などを考慮し,150万円の範囲で認めるのが相当である。 ウ慰謝料については,諸般の事情を考慮し,2000万円とするのが相当である。 エ以上の合計は,9942万円となる。 (2)既に見たとおりcの死亡という結果は本件歓迎会における無謀な飲酒,,が招いたという側面があることは否めないし,本件歓迎会(特に,二次会)の雰囲気に問題があったことも確かであるが,それ (2)既に見たとおりcの死亡という結果は本件歓迎会における無謀な飲酒,,が招いたという側面があることは否めないし,本件歓迎会(特に,二次会)の雰囲気に問題があったことも確かであるが,それにしても,cは,本件歓迎会当時,20歳になったばかりの新入生であったとはいえ,いやしくも成人であって,それなりの分別が期待できたことからすると,飲酒についても相応の自己責任ないしは自己管理責任を負って然るべきである。ところが,cの飲酒の仕方は,積極的に早飲み競争を仕掛けるなど,自ら度を超した飲,。 酒をしているのであってc自身にも重大な過失があることは明らかであるしかも,保護義務違反を問われる被控訴人らが,いずれも上記2(2)エ(キ)及び(ク)の理由で有責であるとされた者であることと対比するならば,この際,過失相殺としてcの損害の9割を減じるのが相当である。 そうであれば,cの損害額は,994万2000円となる。 (3)控訴人らはcの上記損害を2分の1ずつ相続したのであるから各自の,,取得額は497万1000円となる。 また,控訴人らの固有の慰謝料としては各100万円が相当である。 控訴人らが,これらの請求をするのに要した弁護士費用としては,各60万円の限度で認めるのが相当である。 結論 以上の次第であるから,控訴人らの本訴請求は,被控訴人a1,同a6,同a9,同a10,同a13,同a14,同a15,同a19に対し,連帯して各657万1000円及びこれに対するcの死亡した平成11年6月6日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由があるが,その余は失当として棄却を免れない。 ,,そうするとこれと結論を異にする原判決は上記のとおり変更すべきであり本件控訴はその限りで理由がある。 よって, 延損害金の支払いを求める限度で理由があるが,その余は失当として棄却を免れない。 ,,そうするとこれと結論を異にする原判決は上記のとおり変更すべきであり本件控訴はその限りで理由がある。 よって,主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所第3民事部裁判長裁判官西理裁判官有吉一郎裁判官吉岡茂之

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