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昭和39(オ)1118 貸金請求

裁判所

昭和40年10月5日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 高松高等裁判所 昭和39(ネ)137

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2,488 文字

主文 原判決を破棄する。本件を高松高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人伊藤一郎の上告理由は別紙上告理由書記載のとおりである。しかし、職権をもつて調査するに、原判決の確定したところによれば、被上告人は昭和三三年三月一五日上告人に対して四〇万円を弁済期日同年五月末日、利息および損害金月四分の約で貸与し、上告人はその弁済として昭和三四年七月二五日および昭和三五年五月二七日の二回にわたり合計一七万八〇〇〇円を支払つたが、右金額はその他の支払い分とともに昭和三三年七月から同年一二月までの損害金不足分八万六〇〇〇円および昭和三四年一月から同年七月までの損害金一一万二〇〇〇円の弁済に充当されたというのである。しかしながら、利息制限法によれば、右貸金に対する損害金の最高利率は年三割六分であるところ、前記弁済充当金額は同法所定の制限をこえるものであることが計数上明白である。そして、このように利息制限法所定の制限をこえる損害金が支払われた場合、その超過部分は元本の支払に充当されるものと解すべきことは、当裁判所大法廷判決(昭和三五年(オ)第一一五一号同三九年一一月一八日判決・民集一八巻九号一八六八頁参照)の示すところである。従つて、上告人の前記支払金額のうちの一部は元本の支払に充当されることが明らかであるのみならず、当事者双方の主張に照らすと、被上告人は右のほかに利息制限法所定の制限をこえる損害金の支払を受けた旨主張し、上告人はこれを認めるものである趣旨が窺われないでもない。然りとすれば、原審としては、上告人の右支払金額の充当関係につき右の点を考慮して審理し、もつて上告人の残存債務額を確定すべきであつたのに、これをなすことなく、上告人に対していまだ元本全額および原判示損害金債務が残存するものとし 告人の右支払金額の充当関係につき右の点を考慮して審理し、もつて上告人の残存債務額を確定すべきであつたのに、これをなすことなく、上告人に対していまだ元本全額および原判示損害金債務が残存するものとしてその支払を命じたのは、利息制- 1 -限法一条二項、二条、四条二項および弁済充当に関する民法四九一条の解釈適用を誤つた違法があるものといわざるを得ず、原判決は、爾余の判断を俟つまでもなく、破棄を免れない。 告人の右支払金額の充当関係につき右の点を考慮して審理し、もつて上告人の残存債務額を確定すべきであつたのに、これをなすことなく、上告人に対していまだ元本全額および原判示損害金債務が残存するものとしてその支払を命じたのは、利息制- 1 -限法一条二項、二条、四条二項および弁済充当に関する民法四九一条の解釈適用を誤つた違法があるものといわざるを得ず、原判決は、爾余の判断を俟つまでもなく、破棄を免れない。しかして、本件は、叙上の点につきなお審理を尽くす必要があるものと認められるから、これを原審に差し戻すのが相当である。よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官横田正俊の反対意見があるほか、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。裁判官横田正俊の反対意見は、次のとおりである。私は、利息制限法超過部分の支払の効力に関する多数意見には、同調することができない。原審の確定したところによれば、被上告人が上告人より必受領した原判示の二口の金額は、元本に対して弁済されたものとは認められず、被上告人の主張するとおり損害金に充当されたというのであるから、上告人のした利息制限法超過部分の支払は任意になされたものと解される。このような場合には、弁済者において超過部分の返還を請求しえないばかりでなく、その超過部分は元本に法定充当されるものでもないと解するのが相当である。その理由については、前掲大法廷判決における私の反対意見を引用する。しこうして、上告代理人伊藤一郎の本件上告理由は、次に示すとおりその理由がないから、本件上告は、これを棄却すべきものと思料する。上告理由第一点について。記録によれば、上告人は、原審において適式な呼出を受けながら、原審の最初になすべき口頭弁論期日に出頭しなかつたため、原審裁判所は、民訴法一三八条の規定により、不出頭 。上告理由第一点について。記録によれば、上告人は、原審において適式な呼出を受けながら、原審の最初になすべき口頭弁論期日に出頭しなかつたため、原審裁判所は、民訴法一三八条の規定により、不出頭の上告人においてその提出にかかる控訴状記載の事項を陳述したものと看做し、出頭した被上告人に弁論を命じたことが明らかであるから、原判決に上告人の弁論なくして判決した違法があるとはいえない。また、訴訟が裁判をな- 2 -すに熟したものと認めて口頭弁論を終結すると否と、さらには、終結した口頭弁論を再開すると否とは、訴訟の審理にあたつた裁判所の専権に属するところであるから、この点の違法を云為する論旨は理由がない。 においてその提出にかかる控訴状記載の事項を陳述したものと看做し、出頭した被上告人に弁論を命じたことが明らかであるから、原判決に上告人の弁論なくして判決した違法があるとはいえない。また、訴訟が裁判をな- 2 -すに熟したものと認めて口頭弁論を終結すると否と、さらには、終結した口頭弁論を再開すると否とは、訴訟の審理にあたつた裁判所の専権に属するところであるから、この点の違法を云為する論旨は理由がない。さらに、原判決に憲法違反がある旨の論旨も、実質的には、右の違法をいうに帰する。従つて、論旨はすべて採用するに足りない。同第二点について。記録によれば、被上告人は、原審第一回口頭弁論期日において、一審判決事実摘示のとおり一審の口頭弁論の結果を陳述した際、右事実摘示の被上告人の答弁中に利息とあるのを遅延損害金と訂正していることが明らかである。従つて、原判決には所論のような民訴法一八六条に違反する点を認め得ないから、論旨は採用するに足りない。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官田中二郎裁判官五鬼上堅磐裁判官横田正俊裁判官柏原語六- 3 -

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