昭和31(オ)413 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和35年12月16日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人橋本勝井の上告理由第一点について。  原判決引用の第一審判決理由によ

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判決文本文2,059 文字)

主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人橋本勝井の上告理由第一点について。 原判決引用の第一審判決理由によれば、原審は、上告人が被上告人に対しDレーヨン株式会社株式の買受権を右買受代金払込期間最終日である昭和二五年九月一五日までに右代金領収証を現実に引渡すことにより決済を遂げる約定のもとに売付を委託した事実を認定したものであることが明白であつて、この認定により、上告人の所論主張については、おのずから判断がなされたものと解すべきある。 そして、右売付委託にあたり上告人から証拠金および証拠金代用証券の差入れがあつた事実並びに当時前示会社株式につき株券はもちろん株金払込領収証も未だ発行されていなかつた事実は、いずれも前記認定の妨げとなるものではない。また、仮りに当時上告人において右株式の買受権ないし引受権を有しなかつたとしても、これらの事実だけから、本件売付委託契約を所論のように差金の授受を唯一の目的とする賭博行為と断定する理由とは少しもなるものではない。 論旨は、結局、原審が適法にした事実の認定を争い且つ原審の判断に対し独自の主張をなすものであつて、採用し得ない。 同第二点について。 本件売付委託契約当時施行されていた証券取引法一三三条は、何人も「証券取引委員会規則」(現行法一三三条では、「政令」と改められた)で定めるところに違反して、有価証券を有しないでその売付をしてはならない旨規定しており、当時施行の昭和二三年七月二四日証券取引委員会規則第一六号「有価証券の空売に関する規則」(この規則は、昭和二七年七月三一日法律第二七〇号附則第二項により現行- 1 -証券取引法一三三条にいう政令としての効力を有する)は、証券取引所の会員が当該取引所の開設す 証券の空売に関する規則」(この規則は、昭和二七年七月三一日法律第二七〇号附則第二項により現行- 1 -証券取引法一三三条にいう政令としての効力を有する)は、証券取引所の会員が当該取引所の開設する有価証券市場において有価証券を有しないで売付をする場合すなわち空売につき一定の制限を設けている。 しかし、本件のように、証券取引所の会員でない者が、会員に対し、いわゆる場外取引である店頭取引として有価証券の売付を委託する場合に関して、有価証券を有しないでする売付委託につき、所論のような制限を設けた証券取引委員会規則ないし政令は存しないから、たとえ上告人が本件株式買受権ないし引受権を有しなかつたとしても、その売付委託が証券取引法一三三条に違反するものとはいい難い。 論旨は、いわゆる場外取引においても、前示「有価証券の空売に関する規則」所定の制限に従うべきであるという独自の見解に立脚するものであつて、採用できない。 同第三点について。 原判決の確定するところによると、所論Dレーヨン株式会社は特別経理株式会社であるE繊維株式会社の特別管理人によつて定められ且つ主務大臣の認可を得た決定整備計画に基き設立された企業再建整備法にいわゆる第二会社であつて、右決定整備計画によりE繊維株式会社の株主に対し同会社株式一株につき原判示の割合で割当てられた第二会社株式の買受権が、本件売付委託の目的であつたというのである。 ところで、このような第二会社株式の買受権を、買受代金払込期間最終日までに右代金領収証を引渡して決済する約定で売付を委託することは、何ら違法ではなく、右第二会社設立以前であるからといつてこれを無効と解すべきいわれはない。もつとも、本件売付委託契約当時施行中の企業再建整備法(昭和二六年法律第四四号による改正前のもの)二九条の四は、特別経理株式会 右第二会社設立以前であるからといつてこれを無効と解すべきいわれはない。もつとも、本件売付委託契約当時施行中の企業再建整備法(昭和二六年法律第四四号による改正前のもの)二九条の四は、特別経理株式会社の資本増加にあたつて、決定整備計画の定めるところにより、株主は新株引受権を他に譲渡することができる旨- 2 -規定するだけで、昭和二九年法律第一八三号による改正以後の企業再建整備法二九条の四の如く第二会社株式の引受権も同様に譲渡できる旨定めてはいない。しかし、同条は、かかる引受権の譲渡が商法一九〇条および二〇四条の規定に拘らず会社に対しても有効なることを明らかにする趣旨にいでたもの、換言すれば、対会社関係の効力に関する規定にすぎないと解すべきであるから、本件売付委託当時の同条が第二会社株式引受権の譲渡に触れていないからといつて、本件株式買受権譲渡の当事者間における効力を否定し、ひいて本件売付委託契約の効力を否定する論拠とすることはできない。されば、論旨は理由がない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一- 3 -

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