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主文 原判決を破棄し本件を東京高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人古屋貞雄、同岩間泉の上告理由第一点について。原判決は、D製材有限会社の成立に至らなかつた経過事実を証拠を挙げて詳細に認定しながら、それに引きつづき直ちに「昭和二二年二月頃から右七名による組合組織で製材事業を始め」と判示し、組合契約成立の経過についても内容についてもなんら証拠を挙げて説示するところがない。原審が結局上告人(被控訴人)の請求を排斥した理由が、組合員特に被上告人が本件物件の所有権が組合に属すると信じていたという事実認定を前提とする以上、組合契約成立に関する判示理由がきわめて不十分であるとのそしりを免れない。のみならず仮りに組合は、共同の目的事業経営のため出資する約束だけで成立するから特に規約内容等を挙げる必要はないという見解に立つとしても、原審は、多くの証拠と詳細な説明とによつて、上告人と組合との間に、本件工場建物並びに機械器具の売買契約が成立したとの事実を認めるに足りないとし、したがつて「たとえ組合清算人Eと控訴人(被上告人)Bとの為に本件工場建物並びに機械器具の売買契約がなされたとしても、これにより控訴人Bがその所有権を取得すべきいわれはない」と認定しているところによれば、組合の事情をよく知つているのを通例とする組合員は、本件物件の所有権が組合に属しないことも知つていると見るのが通例であつて、これと反対の事実を認定しうるためには、これを肯認するに足りる十分な特段な事情の存することを明らかにしなければならない。しかるに原審が、結論として組合員その他の関係者たちが本件物件が「組合の所有に属するものと信じていたことが認められる」とする判示理由は、前段の認定事実と比べてとうてい首肯するに足りないばかりでなく、原審は に原審が、結論として組合員その他の関係者たちが本件物件が「組合の所有に属するものと信じていたことが認められる」とする判示理由は、前段の認定事実と比べてとうてい首肯するに足りないばかりでなく、原審はさらにすすんで被上告人の判示行為について「被控訴人(上告人)の所有権を侵害する故- 1 -意のなかつたことは勿論他に特別の事情のない限り、過失もなかつたものと認めるのを相当とする」とまで断定したのは、独断の非難を免れず理由不備、審理不尽の違法があるといわなければならない。 に属するものと信じていたことが認められる」とする判示理由は、前段の認定事実と比べてとうてい首肯するに足りないばかりでなく、原審はさらにすすんで被上告人の判示行為について「被控訴人(上告人)の所有権を侵害する故- 1 -意のなかつたことは勿論他に特別の事情のない限り、過失もなかつたものと認めるのを相当とする」とまで断定したのは、独断の非難を免れず理由不備、審理不尽の違法があるといわなければならない。上告論旨はこの点において理由があるに帰し、原判決を破棄し原審に差し戻すを相当とする。よつてその余の論旨に対する判断を省略し民訴四〇七条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官小林俊三裁判官島保裁判官河村又介裁判官垂水克己- 2 -
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