昭和42(オ)326 借地権確認等請求

裁判年月日・裁判所
昭和43年3月1日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 名古屋高等裁判所 昭和38(ネ)320
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。          理    由  職権をもつて調査するに、原判決の確定するところによれば、本件の従前の土地 で

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判決文本文2,060 文字)

主文原判決を破棄する。 本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。 理由職権をもつて調査するに、原判決の確定するところによれば、本件の従前の土地である四日市市大字ab番宅地九八坪七は上告人の所有で、これにつき三重県知事を施行者とする特別都市計画法による土地区画整理が施行され、右従前の土地に対する換地予定地として、c区dブロツク(ロ)六〇坪二が指定されたが、従前の土地の賃借権者である被上告人は、施行者から、右換地予定地(仮換地)につき換地予定地を指定した旨の通知(仮に賃借権の目的となるべき宅地の指定)を受けていない、というのである。そして、土地区画整理法が施行された昭和三〇年四月一日以降、前記の土地区画整理が、同法三条四項により施行される土地区画整理事業となつたことは、同法施行法五条一項によつて明らかであるが、従前の土地について賃借権を有するにすぎない者は、施行者から仮換地について使用収益部分の指定を受けることによつてはじめて、当該部分について現実に使用収益をなしうるに至るのであつて、その指定を受けない段階においては、仮換地につき現実に使用収益をなしえないものというべきであるから、仮換地の指定により従前の土地上の賃借人所有の建物がそのまま仮換地上に存することとなつた場合であつても、右賃借人としては、特段の事情もないのに、施行者に対して権利申告の手続をせず、したがつて施行者による使用収益部分の指定もないまま右建物を所有して、その敷地たる仮換地の使用収益を継続することは許されないと解すべきこと(昭和三四年(オ)第八四二号、同四〇年三月一〇日大法廷判決、民集一九巻二号三九七頁)、そしてこの理は、従前の土地の賃借人が、たまたま一筆の土地の一部に賃借権を有するにすぎないときであると、一筆の土地の全 四年(オ)第八四二号、同四〇年三月一〇日大法廷判決、民集一九巻二号三九七頁)、そしてこの理は、従前の土地の賃借人が、たまたま一筆の土地の一部に賃借権を有するにすぎないときであると、一筆の土地の全部に賃借権を有するときであるとで、異なる- 1 -ことはないというべきであること(昭和三七年(オ)第三八二号、第三八三号、同四〇年七月二三日第二小法廷判決、民集一九巻五号一二九二頁)は、当裁判所の判例とするところである。 しかるに本件においては、前述のとおり、被上告人は従前の土地大字ab番宅地九八坪七の賃借人であるが、その換地予定地(仮換地)につき、施行者から換地予定地を指定した旨の通知(仮に賃借権の目的となるべき宅地の指定)を受けていないというのであるから、被上告人は、本件換地予定地を現実に使用収益することができないものといわなければならない。原判決は、被上告人は一筆の土地全部の賃借人として、特別都市計画法施行令四五条に基づき、その所定期間内に従前の土地につき有する賃借権の届出をしたが、施行者において、かかる場合には賃借人に対し前記の通知(指定)をする要なきものとしたため、被上告人に対しても格別の通知(指定)をしなかつたものである等の事実を認定するが、かかる事情はいまだ前記の結論を左右するに足りない。 したがつて、原判決が、被上告人に対して特別都市計画法一三条二項による通知または土地区画整理法九八条による指定がないとしながら、被上告人が本件換地予定地(仮換地)につき賃借権と同一の使用収益権を有することの確認および本件換地予定地の引渡しを求めた被上告人の本訴請求を認容したのは、特別都市計画法一三条、一四条、土地区画整理法九八条、九九条の解釈適用を誤つたものといわなければならない。また記録によれば、被上告人は原審において、本件換地予定地につ 上告人の本訴請求を認容したのは、特別都市計画法一三条、一四条、土地区画整理法九八条、九九条の解釈適用を誤つたものといわなければならない。また記録によれば、被上告人は原審において、本件換地予定地につき賃借権と同一の使用収益権を有することの確認およびその引渡しの請求が容れられなかつた場合に備えて、予備的に、被上告人が従前の土地について賃借権を有することの確認および「上告人は、被上告人が三重県知事より本件換地予定地につき仮に賃借権の目的となるべき宅地の指定を受けたときは、被上告人に対して本件換地予定地を引き渡せ」とする請求をしたことが明らかであるから、原審としては進- 2 -んでこれらの点につき審理すべきであるにかかわらず、前記法条の解釈を誤り、ひいて審理不尽の違法に陥つたものというべく、右の違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決はこの点において破棄を免れない。 よつて、上告理由に対する判断を省略し、民訴法四〇七条一項に従い、原判決を破棄し、本件を原裁判所に差し戻すべきものとし、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外裁判官色川幸太郎- 3 -

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