令和5(わ)192 殺人、死体損壊、死体遺棄

裁判年月日・裁判所
令和6年11月5日 静岡地方裁判所 沼津支部
ファイル
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判決文本文1,645 文字)

- 1 - 主文 被告人を懲役5年に処する。 未決勾留日数中290日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実) 第1 被告人は、令和5年5月25日午後11時7分頃から同月26日午前0時32分頃までの間、静岡県沼津市(住所省略)A店の女子トイレ内において、自己が直前に同所で出産した女児に対し、殺意をもって、その顔面等にブランケットを固く巻き付けてその鼻口部を閉塞した上、そのまま同児を黒色バッグの中に入れて放置し、よって、その頃、同店 内において、同児を窒息により死亡させて殺害した。 第2 被告人は、同月27日午前3時51分頃から同日午前4時43分頃までの間、同市(住所省略)の海岸において、同児の死体をたき火の炎の中に入れてその火力により同死体の頭部等を焼損した上、その場から立ち去って同死体を同所に放置し、もって死体を損壊するとともに遺棄 した。 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略 (量刑の理由)本件は、被告人が、インターネットカフェのトイレで子を出産した直後にその顔面等にブランケットを巻き付けて窒息死させた殺人(判示第1)、その死体を海岸で焼損して放置した死体損壊、死体遺棄(判示第2)の事案である。 犯行の動機や経緯についてみると、被告人は、妊娠した子が交際相手の- 2 - 子なのか確信を持てず、交際相手も出産に前向きでなかったところ、令和5年1月頃には中絶が可能な期間を過ぎたと思い、交際相手ともども定職に就かずインターネットカフェ等で生活していて子供を育てる環境にもなかったことなどから、出産後に子を殺害することも考えるようになっていたところ、本件当日、想定していた出産時期が来ていなかったのに陣痛 が始 ターネットカフェ等で生活していて子供を育てる環境にもなかったことなどから、出産後に子を殺害することも考えるようになっていたところ、本件当日、想定していた出産時期が来ていなかったのに陣痛 が始まり、生まれた被害者を見て怖くなり殺害に至ったという。被告人は、妊娠判明後、母親や交際相手に具体的に相談し、生活を改めるなど被害者を養育するために取り得る方策をほとんど取らないまま出産に至り、殺害を決意しており、身勝手かつ短絡的というほかない。他方で、被告人は、境界知能、注意欠如多動症を有し、これらの特性は、他者に援助を求める 能力が低く、後先を考えた判断ができずに孤立していったことや、出産に伴うストレスの中で衝動的に殺害行為に及んだこと等に影響しており、この点は一定程度斟酌できる(弁護人は、心神耗弱に準じて扱うべき事案であると主張するが、上記精神面での問題の内容や犯行時の行動内容、公判での供述状況などからは、そこまでの責任能力の低下はなかったとみられ る。)。 また、被告人は、そうすれば被害者が死ぬと承知の上で、生まれたばかりの被害者の全身にブランケットを固く巻き付けて放置しており、殺意は強固なものであったといえる。被害者の生命が奪われた結果はもとより重大である。さらに、被害者の死体をたき火に入れて燃やし、頭部等を焼損 させて放置した犯行も、軽視できない。 以上の事情や被告人に前科がないことを踏まえ、量刑検索システムから見て取れる量刑傾向(検索条件:動機は嬰児殺)を参照すると、本件は相応の期間の実刑が相当な事案である。加えて、被告人が事実を認め反省の情を述べていること、母親などが更生に助力する旨証言していることなど を考慮し、主文のとおり判決する。 - 3 - (求刑、懲役6年)令和6年11月8 主文 を考慮し、主文のとおり判決する。 理由 被告人が事実を認め反省の情を述べていること、母親などが更生に助力する旨証言していることなど (求刑、懲役6年) 令和6年11月8日 静岡地方裁判所沼津支部刑事部 裁判長裁判官 野澤晃一 裁判官 明日利佳 裁判官 春木直也

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