昭和46(ワ)210 秋田相互銀行女子賃金差別

裁判年月日・裁判所
昭和50年4月10日 秋田地方裁判所
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【DRY-RUN】主   文 被告は、原告aに対し金三一三、三七二円、同bに対し金二六二、一七四円、同c に対し金二六二、一七四円、同dに対し金九三、二五八円、同eに対し金五四、〇 六八円、同eに対し金五四、〇六八円、

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判決文本文6,798 文字)

主文 被告は、原告aに対し金三一三、三七二円、同bに対し金二六二、一七四円、同cに対し金二六二、一七四円、同dに対し金九三、二五八円、同eに対し金五四、〇六八円、同eに対し金五四、〇六八円、同fに対し金五、二八〇円および右各金員に対する昭和四六年七月一六日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。 原告fを除く原告らのその余の請求はいずれもこれを棄却する。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 (請求の趣旨)「被告は、原告aに対し金四九万二、八六一円、同bに対し金四四万一、〇四六円、同cに対し金四四万一、〇四六円、同dに対し金一二万〇、七四八円、同eに対し金六万七、三九二円、同eに対し金六万七、三九二円、同fに対し金五、二八〇円および右各金員に対する昭和四六年七月一六日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決ならびに仮執行の宣言。 (請求の趣旨に対する答弁)「原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。」との判決。 (請求の原因)一、原告らは、被告に雇われていた女子行員である。被告に雇われている行員の給与は、昭和四二年四月一日から昭和四六年三月三一日までの間に施行されていた就業規則によれば、「職員の俸給はその能力と勤務に応じて支給される。給与は職務の量及び質並びに勤務責任の程度によつて調整される。」(三二条)、「職員(嘱託を除く)の俸給は基本給及び諸手当としその決定計算及び支払方法、締切及び支払の時期並びに昇給等に関する事項は別に定める。」(三三条)と定められ、職員の給与に関する基準及び手続を定めることを目的とする給与規程によれば、「給与は職員の生活を保障し、且つ職務の遂行能力、勤務実績に応じて支給するために調整生計費及び資格職能分類基準書、人事考課 、職員の給与に関する基準及び手続を定めることを目的とする給与規程によれば、「給与は職員の生活を保障し、且つ職務の遂行能力、勤務実績に応じて支給するために調整生計費及び資格職能分類基準書、人事考課に基づき公正な運用を図るものとする。」(第二条)、「基本給は本人給、職能給より構成する。」(九条)、「本人給は職員の生活保障給的性格を目的とし、調整生計費及び職員の年令を考慮した本人給表(1)(2)により支給する。」(一〇条)、「職能給は職員の能力の保有度発揮度を別に定める人事考課要領で査定し、資格職能分類基準書に基づく職能給表別表(3)により支給する。特別職(タイピスト、電話交換手、パンチヤー、自動車運転手、用務員)については職能給表別表(4)により支給する。」(一一条)、「昇給は毎年4月期に次の通り行う。本人給は4月1日現在の満年令を算定基礎として一号を昇給せしめる。職能給は人事考課要領により査定した過去一ケ年間の人事考課結果に基づいて成績良好なる者のみを昇給せしめる。」(一三条)と定められている。 二、被告と原告らが加入している秋田相互銀行労働組合との間にとり交わされた覚書によれば、各年度の本人給表は別表一、二、三、四に掲げるとおりである。 三、被告は、男子については、いずれも、右別表の(1)表またはA表に該当するものとして、本人給を支給し、女子については、いずれも、右別表の(2)表またはB表に該当するものとして、本人給を支給した。 四、すなわち、原告らが支給された本人給(一か月)は次のとおりである。(四月一日から翌年の三月三一日までを一年度とする)。 <18765-001>(いずれも、四月一日においての年令に対応する金額)五、原告らが、第二項の別表の(1)表またはA表に該当するものとした場合には、本人給(一か月)は、次のとおりである。 )。 <18765-001>(いずれも、四月一日においての年令に対応する金額)五、原告らが、第二項の別表の(1)表またはA表に該当するものとした場合には、本人給(一か月)は、次のとおりである。 <18765-002>六、各年度の基本給および臨時給与の計算は次のとおりである。 基本給(本人給+職能給)×12(月数)+基本給×臨給支給率(別表五)原告らが支給された賃金と、原告らとそれぞれ同一年令の男子行員が支給された賃金との差額(本人給と本人給に臨給支給率を乗じた額について計算)は次のとおりである。 <18765-003><18765-004>七、これは、被告が、原告らが女子であることを理由として、賃金について男子行員と差別的取扱をしたものである。 (一) このような原告らに対する給与の支払は、憲法一四条、労働基準法四条、民法九〇条に違反してなされたものとみられ、無効である。 原告らに対しては、男子に対する賃金と同一の賃金を支払わなければならない。 (二) 被告が、原告らが女子であることを理由として賃金について、男子と差別的取扱をした部分は、無効である。この無効となつた原告らに対する給与に関する部分は、労働基準法一三条(「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。」)の規定により被告が男子行員について支給した基準に基いて給与が決定されなければならない。 (三) 労働組合法一七条は「一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。」と規定する。本件本人給表は原告らの加入してい 以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。」と規定する。本件本人給表は原告らの加入している秋田相互銀行労働組合と被告との間の労働協約に定められている労働条件である。被告に常時雇われている男女行員の四分の三以上の数の男子行員は、別表本人給表の(1)表またはA表の適用を受けている。原告らに適用された本人給表の(2)表またはB表は無効である。よつて、被告に雇われている女子行員に関しても、右の男子行員に適用された当該本人給表が適用されなければならない。 よつて、原告らは、被告に対し、右各差額金およびこれに対する本件訴状が被告に送達された日の翌日である昭和四六年七月一六日から右支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。 八、仮に右の主張が認められないとしても、原告らは女子であることを理由として、被告の男女行員に対する差別的取扱によつて右の差額に相当する損害を受けた。 よつて、原告らは被告に対し、右の差額金およびこれに対する昭和四六年七月一六日から右支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。 九、仮に右の主張が認められないとしても、被告は、右の差額金を不当に利得し、原告らは同額の損失を受けたわけであるから、原告らは、被告に対し、右各不当利得金およびこれに対する昭和四六年七月一六日から右支払ずみまで民法所定年五分の割合による法定利息金の支払を求める。 一〇、原告らの主張の詳細は、別紙原告らの最終準備書面写記載のとおりである。 (請求の原因に対する答弁)一、第一、第二、第四、第五、第六項の事実は認める。(但し、別表四に掲げる註の「同条第3項(4)」とあるのは「同条第3項(2)」の誤である。右の(2)は のとおりである。 (請求の原因に対する答弁)一、第一、第二、第四、第五、第六項の事実は認める。(但し、別表四に掲げる註の「同条第3項(4)」とあるのは「同条第3項(2)」の誤である。右の(2)は「満六〇才以上の直系尊属」で、(4)は「高等学校以上に在学中の直系卑属及び弟妹」である。)二、第三項の事実は否認する。本人給の支払について、(1)表と(2)表ならびにA表とB表があるのは、標準生計費的な扶養家族があるときは(1)表またはA表を、これがないときは(2)表またはB表を適用するためである。 なお、昭和四五年度から現に扶養家族がある者については(1)表が適用され、昭和四四年度においてA表の適用を受けていた者で、昭和四五年度から(2)表が適用される現に扶養家族がない者については、(1)表との差額に相当する額を調整給として支給した。原告らは、標準生計費的な扶養家族がない者であるとともに、現に扶養家族がない者である。原告らに対する本人給の支払については、性別による差別はない。 三、第七、第八、第九項の事実は否認する。 (抗弁)一、原告らの本訴提起は昭和四六年七月六日である。 原告らの賃金請求権は、その請求をすることができることとなつた日から二年間行なわないときは、時効によつて消滅する。 原告らの請求する本人給については、その支給日は毎月二一日であるから、そのうち、昭和四四年六月までのもの、臨時給与については、そのうち、昭和四四年六月末日支給された同年八月までのものは既に二年以上の期間が経過している。 右時効によつて消滅している賃金請求権を除いて計算すると、次のとおりである。 <18765-005>被告は右消滅時効を援用する。 二、被告の主張(答弁および抗弁)の詳細は、別紙被告最終準備書面写(但し、第六を除く)記載のとおりである。 (証 算すると、次のとおりである。 <18765-005>被告は右消滅時効を援用する。 二、被告の主張(答弁および抗弁)の詳細は、別紙被告最終準備書面写(但し、第六を除く)記載のとおりである。 (証拠) (省略) 理由 一、請求の原因第一項、第二項は当事者間に争いがない二、証人g(第一回)、同h、同iの各証言および証人iの証言によつて成立を認めることができる乙第五号証の一、二、によれば、原告らと同一年度に入行した者全員について支払われた本人給をみてみた場合に、昭和四二年度(年度はその年四月一日から翌年三月三一日までとする。)から昭和四四年度までの間については、扶養家族の有無にかかわらず、男子行員には全部当該年度の(1)表またはA表に掲げる金額が年令に応じ(基準日は四月一日である。以下同じ。)支払われ、女子行員には全部当該年度の(2)表またはB表に掲げる金額が年令に応じ支払われたこと、昭和四五年度には、女子行員には全部同年度の(2)表に掲げる金額が年令に応じ支払われ、扶養家族を有する男子行員には同年度の(1)表に掲げる金額が年令に応じ支払われ、扶養家族がない男子行員には同(2)表に掲げる金額が年令に応じ支払われるものとしたうえ、調整給が支払われ、結局同(1)表に掲げる金額が年令に応じ支払われた場合と同額の金額が本人給として支払われたこと、被告がこのような調整給の支払をしたのは、扶養家族がない男子行員に対して(2)表に掲げる金額を支払つただけでは、前年度まで支払つてきた本人給を減額することとなることを避けるためであつたこと、このことは他の行員についても同様であつたことが認められる。(証人hは、昭和四五年度にはjのほか二、三の女子が(2)表から(1)表に区分が変わつている旨供述をしているけれども、それだけでは直ちに採用する とは他の行員についても同様であつたことが認められる。(証人hは、昭和四五年度にはjのほか二、三の女子が(2)表から(1)表に区分が変わつている旨供述をしているけれども、それだけでは直ちに採用することができない。他にこのことを認めるに足りる証拠はない。)三、請求の原因第四項、第五項、第六項は全部被告の認めるところである。 四、以上のような事実を総合すれば、他に特段の事情の認められない限りは、被告において、原告らが女子であることを理由として、賃金(本人給および臨時給与)について、男子と差別的取扱をしたものであると推認することができ、被告において、このことは、性別と関係なしに定められたものであるとして、右の推認を動揺させるに足りる立証をしない限り、被告の不利益に事実を仮定することになる。 証人hの証言によれば、被告は、標準生計費的な扶養家族があるかどうかによつて、(1)表と(2)表(またはA表とB表)の区分を設け、原告らが加入している労働組合との間の団体交渉において、標準生計費的な扶養家族があるかどうかとは、現在または将来において生計の主たる所得を得る立場にある者かどうかをいうものとし、一般に社会通念として男子は生計の主たる所得を得る立場にある者とみられる旨の説明をしたこと、ところが、昭和四五年度には、労働基準監督署の指導によつて、現に扶養家族があるかどうかによつて(1)表と(2)表が区分されるにいたつたことが認められる。 しかし、このようにいつてみても右推認を疑わせるに足りるものとみることはできない。右推認に反する証人h、同iの各証言は採用できないし、他に右推認をくつがえすに足りる証拠はない。 結局、被告の反証は不十分とみられ、被告が本人給を決定する場合において、女子行員に対し、年令に応じ当該年度の(2)表またはB表に掲げる金額の支払 ないし、他に右推認をくつがえすに足りる証拠はない。 結局、被告の反証は不十分とみられ、被告が本人給を決定する場合において、女子行員に対し、年令に応じ当該年度の(2)表またはB表に掲げる金額の支払をしたことは、女子について男子と差別的取扱をしたものであるといわなければならない。 五、このように、労働契約において、使用者が、労働者が女子であることを理由として、賃金について、男子と差別的取扱いをした場合には、労働契約の右の部分は、労働基準法四条に違反して無効であるから、女子は男子に支払われた金額との差額を請求することができるものと解するのを相当とする。けだし、労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とされ、この無効となつた部分は、労働基準法で定める基準による旨の労働基準法一三条の趣旨は、同法四条違反のような重大な違反がある契約については、より一層この無効となつた空白の部分を補充するためのものとして援用することができるものとみなければならないからである。 原告らの賃金差額を求める請求は理由がある。 六、しかし、被告主張の消滅時効の抗弁事実を原告らは明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。原告らの本訴提起の日が昭和四六年七月六日であることは記録上明らかである。 被告の右抗弁は理由がある。 七、よつて、原告らの本訴請求のうち、原告aに対し金三一三、三七二円、同bに対し金二六二、一七四円、同cに対し金二六二、一七四円、同dに対し金九三、二五八円、同eに対し金五四、〇六八円、同eに対し金五四、〇六八円、同fに対し金五、二八〇円およびこれに対する、被告が遅滞におちいつた後である昭和四六年七月一六日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める部分は、正当としてこれを認容し、原 fに対し金五、二八〇円およびこれに対する、被告が遅滞におちいつた後である昭和四六年七月一六日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める部分は、正当としてこれを認容し、原告fを除く原告らのその余の請求は失当であるから、これを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条を適用して、主文のとおり判決する。仮執行の宣言の申立は、相当でないから、これを却下する。 (裁判官武田平次郎赤木明夫丸山昌一)別表(1)42年度別表1本人給表 (単位円)<18765-006>別表2本人給表 (単位円)<18765-007>(註) 別表1,2の※印は給与ピツチの変更年令を示す。 別表(2)43年度別表1本人給表<18765-008>別表2本人給表<18765-009>別表(3)44年度A表本人給表<18765-010>B表本人給表<18765-011>別表(4)45年度別表1本人給表(扶養家族を有するものに適用)<18765-012>別表2本人給表(扶養家族を有しないものに適用)<18765-013>(註)「扶養家族」とは給与規程第22条に定めるものをいう。 但し同条第3項(4)に該当するものを除く。 別表(5)臨給(一時金)支給率一覧表(毎年4月1日現在年令)(単位 %)<18765-014>別紙最終準備書面(省略)

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