平成8(ワ)21296等 東京セクシャル・ハラスメント

裁判年月日・裁判所
平成12年3月10日 東京地方裁判所
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判決文本文20,151 文字)

- 1 -主文一被告(反訴原告)らは、原告(反訴被告)に対し、連帯して金三〇一万八○○○円及びこれに対する平成九年一一月一八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 二原告(反訴被告)のその余の請求をいずれも棄却する。 三反訴原告(被告)らの請求をいずれも棄却する。 四訴訟費用は、本訴・反訴を通じてこれを六分し、その一を原告(反訴被告)の負担とし、その余を被告(反訴原告)らの負担とする。 五この判決は、一項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第一請求一本訴被告らは、原告に対し、連帯して金四九一万八○○○円及びこれに対する平成九年一一月一八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 二反訴反訴被告は、反訴原告らに対し、各金三〇〇万円及びこれに対する反訴状送達の日の翌日(平成一〇年四月三日)から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 第二事案の概要(以下、原告(反訴被告)を単に「原告」と、被告(反訴原告)Aと、被告(反訴原告)株式会社Yを「被告会社」という。)本件は被告会社の従業員であった原告が同社の代表取締役である被告Aから性的嫌が、、らせや強姦未遂の被害を受けた上、不当に解雇されたとして、被告らに対し、損害の賠償を求め(本訴)、他方、原告の本訴提起等が不法行為であるとして、被告らが、原告に対し、損害の賠償を求めている(反訴)事案である。 第三当事者の主張一本訴 請求原因(一)当事者原告は平成五年一二月一〇日被告会社に入社した被告Aは被告会社の代表取締役で、。 、ある。 (二)被告Aの不法行為(1)入社以来の性的嫌がらせア原告が被告会社に入社して間もないころから被告Aは社内に原告と二人きりになる、、と自分の学生時代の卑猥な話等を延々と始めた ある。 (二)被告Aの不法行為(1)入社以来の性的嫌がらせア原告が被告会社に入社して間もないころから被告Aは社内に原告と二人きりになる、、と自分の学生時代の卑猥な話等を延々と始めた例えば被告Aは当時共同トイレ風、。 、、、呂無しの長屋形式のアパートに住んでいて、隣室がデパートの女性従業員であり、休みの日にうめき声が聞こえてきて、若かったら処理に困ったとか、相手がいつも変わっていたとか、鍵穴が古いタイプで覗けたから、夏の暑い日に覗いてみたら、その女性が一人でやっていたとか原告に申し向けまたそのときの女性の様子を被告Aは悶え声を真似ながら、、、全身で実演して原告に見せた。そして、そのような話をしては、原告の反応をじっと窺ってきた。 イまた、従業員のBと原告に聞こえよがしに猥褻な話を始め「鶯谷の近くに立ちん坊が、- 2 -いっぱい居て国籍もいろいろだ。ブラジル、アルゼンチンもいたけど、相場はいくらだろうかブラジルではいくとき何と叫ぶんだろうねC君知ってるあっちの男は太くて強いんだろうね君、外人の棒って経験あるかい僕も真ん中の棒に自信があるから、フンフン言わせる自信があるんだ「C君、白髪って下の方にも出るの君の下の毛はどんな状態僕見たいな。」、」などと、原告がいくら「仕事をしましょう」と話の腰を折っても再三再四猥褻な話を。 。 繰り返してきた。 ウまた、Bが不在の時、原告がコピーを取っていると、被告Aはやおら椅子から立ち上がり、さりげなく後ろ手で原告の臀部をなでていったりした。このように被告Aは、必ずBが不在の時をねらって原告に対して性的嫌がらせを繰り返してきた。 エまた平成七年の八月上旬ころには被告Aは自分のデスクの引き出しからポルノビ、、、デオテープを取り出し、社内のビデオにセットし 在の時をねらって原告に対して性的嫌がらせを繰り返してきた。 エまた平成七年の八月上旬ころには被告Aは自分のデスクの引き出しからポルノビ、、、デオテープを取り出し、社内のビデオにセットして原告に無理強いして当該ポルノを見せた原告は仕事中だから消してくださいと何度も頼んだが被告Aはポルノの悶え声。 、「。」、をまねた上君もこういう声を出すのもっと激しいのぼかしが入っていて肝心な部分が見、「えない。今度は無修正のものを見つけて来よう。このビデオみたいに三人プレイがしてみたい。君はやったことある今度試してみようよ」などと原告に申し向けた。 。 オまた同じころ、被告会社の他の社員が隣の居酒屋でアルバイトをしていた中国人女性と社内で性交渉していたのを酔って帰社した被告Aが発見しそれ以降その目撃した描、、、写をうめき声を上げながら細部にわたって再現し、原告と二人になると昼、夕となく側に付きまとって全身で再現し続けた。これは平成七年いっぱい続いた。 カまた、平成八年の一月四日の仕事始めの日には、夕刻五時半ころから新橋の居酒屋「αで原告と被告Aとが新年の初心の話などをしていたところ徐々に話をそらせ被告」、、、Aは両方の靴を脱ぎ両足でテーブルの下から向かい側の席の原告の足を包み込みこすっ、、た上「一回だけでいいから浮気をしよう。やらせてくれ。まだ七時前だから間に合う」、。 等と申し向けたので、原告は心底情けなくなって席を立って帰ろうとしたら、追いかけて来て、駅前の交差点でもまだ「やらせてくれ。いいだろう」と。 言いつのり、原告は公衆の面前でそのようなことを言われるので、実に不快で恥ずかしく「やめてください」と叫んで駅の改札に逃げ込んだ。 、。 (2)強姦未遂リフォーム代金の未払いのことと う」と。 言いつのり、原告は公衆の面前でそのようなことを言われるので、実に不快で恥ずかしく「やめてください」と叫んで駅の改札に逃げ込んだ。 、。 (2)強姦未遂リフォーム代金の未払いのこととかで、平成八年六月ころからヤクザらしき者が、被告会社に来るようになりいつも被告Aは逃げてしまい原告のみが社内に残されていつも一、、人で応対させられていた平成八年九月六日この日は男二人のヤクザらしき者(うち一人。 、は訴外D)と女一人(運転手とのことであった)が来て被告Aは二〇一号室にいた原告の。 。 、ところへ封筒を持って来てこの封筒の中に確かに四〇万円入っているか君も数えてく、「、れ。Dらに渡すから」と数えさせた。それらの者が帰った後、被告Aは現場監督の者(E)。 。 と手打ちだといって酒を飲み始めその後Eは帰った午後五時一〇分過ぎころ原告が時、。 、間なので帰宅しようと準備していたところ、隣室に被告Aが入って来た。被告Aは外部へのドアを閉め、部屋の仕切りのドアにも鍵を掛けた。原告が仕切りドアの方へ行こうとしたら、突然後ろから羽交い締めにされた。原告は「やめてください」と言ったが、被告A原。 告の胸部を揉み出し抵抗したところ被告Aは原告の右上顎部を殴打し原告のキュロッ、、、ト・スカート内に手を入れて来たので、原告はしゃがんでくぐり抜け、クーラーのところ- 3 -まで逃げた被告Aはズボンのベルトを緩めジッパーを引き下げながらクーラーのところ。 、まで原告を追って来て、今度は正面から原告を抱きすくめた。原告の両腕は自由にならず「止めて、止めてください」ともがいたところ、被告Aは「面接に来たときから・・、、。 、入った日から・・、一度でいいから一発・・」と言いながら唇を近づけてきた。原告は「いやだ!いや 自由にならず「止めて、止めてください」ともがいたところ、被告Aは「面接に来たときから・・、、。 、入った日から・・、一度でいいから一発・・」と言いながら唇を近づけてきた。原告は「いやだ!いや!!」と顔を必死に振り続け、もがいて体を揺すったので、被告Aの腕が少し緩み原告は流し台のところに逃げた仕切りのドアの方へ逃げたかったが被告Aがドアの、。 、前に立ち塞がるようにしたので、そちらには逃げられなかったのである。またそこで被告Aに抱きすくめられたので逃げようともがいていると夕刻には珍しく突然電話が鳴った、、被告Aの動きが止まり両腕の力が緩んだので原告はとっさに電話に飛びついて受話器。 、、をつかみ、Bの声だったので、原告は「社長、B君から電話!電話!」と叫んで、受話器を被告Aに投げつけ、他の荷物はそのままにして、とりあえず家の鍵だけが入っているハンドバッグをつかみ、仕切りドアの鍵を開けて二〇二号室へ出て、すぐ右側の鉄製の外部へのドアの鍵も開けて外へ飛び出し、新橋駅まで一気に走って逃げることができた。 不当解雇被告Aは原告に対し平成八年九月二六日到達の書面により同年一〇月二五日をもっ、、、て解雇する旨の意思表示をしたが、これは不当な解雇である。 (三)被告会社の責任被告Aの右(二)の各行為は被告会社の業務に従事する過程又はこれに付随する過程で、、行なわれたものである。 (四)損害(1)前記(二)(1)及び同(2)の各不法行為による損害前記(二)(1)及び同(2)の一連の不法行為により原告は多大の精神的苦痛を被った。その慰謝料は三〇〇万円を下らない。 (2)前記(二)(3)の不法行為による損害ア原告は、平成九年七月まで再就職できなかった。 イ原告の賃金は月額一九万五〇〇〇円(毎月二五日払い 苦痛を被った。その慰謝料は三〇〇万円を下らない。 (2)前記(二)(3)の不法行為による損害ア原告は、平成九年七月まで再就職できなかった。 イ原告の賃金は月額一九万五〇〇〇円(毎月二五日払い)であったから、解雇されなければ、平成八年一〇月二六日から平成九年七月二五日までの九か月分の賃金として一七五万五〇〇〇円を取得できたはずである。ここから失業保険として得た八三万七〇〇〇円を控除した九一万八〇〇〇円が原告の損害である。 (3)弁護士費用一○○万円(五)まとめよって原告は被告Aに対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき被告会社に、、、対しては商法二六一条三項、七八条二項、民法四四条一項に基づき、連帯して四九一万八〇〇〇円及びこれに対する被告Aの不法行為の日の後である平成九年一一月一八日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。 請求原因に対する認否(一)請求原因(一)(当事者)の事実は認める。 (二)請求原因(二)(被告Aの不法行為)について- 4 -(1)同(1)(入社以来の性的嫌がらせ)の各事実は否認する。 (2)同(2)(強姦未遂)の事実は否認する。当日原告はいつもより遅くまで居残っていたがBからの電話を取り次いだ後午後五時半ころ社長お先に失礼しますといつも通、、、「、。」りの挨拶をして退社した。 強姦未遂の事実は原告が捏造したものであり、原告が虚偽の事実を捏造した理由は次のとおりである。 ア原告はかねてより被告Aから勤務態度不良について注意されており平成八年初め以、、降は「追い出されるのではないか」と感じるようになった。そこで、原告は、。 、一方で辞めさせられないようにすることを考えながら、他方で転職のシナリオを考えるようになった。 イ 八年初め以、、降は「追い出されるのではないか」と感じるようになった。そこで、原告は、。 、一方で辞めさせられないようにすることを考えながら、他方で転職のシナリオを考えるようになった。 イ平成七年秋ころから、マンション(コーポラスβ)の改修工事を巡って、訴外株式会社Z(以下株式会社Zという)の代表取締役であるFが被告会社に対して不穏な行動を起「」。 こすようになり、現場監督であったEを庇ったとして、平成八年六月ころには、Fの依頼を受けたDが被告会社に出入りするようになった原告は転職の可能性を検討していたこと。 、もあって、DやFと通じ、被告らの情報を提供するようになった。 ウ平成八年九月六日午後、被告Aは、Dの要請に応じて紛争を決着させるべく、被告会社において話し合いを持ちDに金銭を支払って解決したこの件の成り行きを注視していた、。 原告はEが起案した告訴状を盗み見して情報が相手方に筒抜けになっていることについ、、て原告を疑っていた被告Aから何の真似だスパイか首切ってやろうかなどと咎め、「。 。 。」られた。 エ被告Aが原告のことをかなり強く疑いだしたことを悟った原告は解雇に対する対策を、具体化しなければならないと考えた。そこで、考えついたのが、本件「強姦未遂」事件のシナリオである。原告は、その後、被告らに解雇させて賠償金を取ることに方針を切り替えている。 (3)同(3)(不当解雇)のうち被告Aが原告に対し平成八年九月二六日到達の書面によ、、、り、同年一〇月二五日をもって解雇する旨の意思表示をした事実は認め、不当解雇であることは争う。 (三)請求原因(三)(被告会社の責任)の事実は否認する。 (四)請求原因(四)(損害)の各事実は否認する。 抗弁(解雇の正当性。請求原因(二)(3 した事実は認め、不当解雇であることは争う。 (三)請求原因(三)(被告会社の責任)の事実は否認する。 (四)請求原因(四)(損害)の各事実は否認する。 抗弁(解雇の正当性。請求原因(二)(3)に対し)原告の解雇理由は次のとおりであり、解雇は正当なものである。 (一)原告は、コーポラスβ改修工事を巡って、被告会社に対し不当な金銭請求をしていた株式会社ZのFや、同人から仲介を頼まれたとするDに対し、被告らの経理資料や動静について、不法に情報を提供した。 (二)原告は平成八年九月六日に被告Aから強姦未遂の被害を受けたなどと虚偽の事実を、でっちあげそれをネタにして被告らから金銭を喝取しようと企て同月九日被告Aに対、、、し、執拗に右不法行為の言質をとろうと迫り、それを口実にして給与の増額を要求し、さらに同月一二日ヤクザが押し掛けてきましたなどと虚偽の事実をでっちあげた上同、「」、月一三日、被告Aにヤクザが来ると思わせて、自らの要求に応じさせようとした。 - 5 -(三)原告は平成八年九月六日に被告Aから強姦未遂の被害を受けたなどと虚偽の事実を、でっちあげた上、それを理由に同月一三日、無期限の有給休暇を要求した。 抗弁に対する認否(一)抗弁(一)の事実は否認する。 (二)抗弁(二)の事実は否認する。 (三)抗弁(三)のうち、原告が平成八年九月一三日に明確に日数を特定することなく有給休暇を要求した事実は認め、その余は否認する。 二反訴 請求原因(一)原告の不法行為原告は被告Aから性的嫌がらせや強姦未遂の被害を受けたなどと虚偽の事実をでっちあ、げ、次のような不法行為を行った。 (1)被告らから金銭を喝取しようと企て、平成八年九月九日、被告Aに対し、執拗に強姦、、、「未遂の言質をとろうと迫 被害を受けたなどと虚偽の事実をでっちあ、げ、次のような不法行為を行った。 (1)被告らから金銭を喝取しようと企て、平成八年九月九日、被告Aに対し、執拗に強姦、、、「未遂の言質をとろうと迫りそれを口実にして給与の増額を要求しさらに同月一二日ヤクザが押し掛けてきましたなどと虚偽の事実をでっちあげた上同月一三日被告Aに」、、ヤクザが来ると思わせて、自らの要求に応じさせようとした。 (2)平成八年九月九日から品川労政事務所に対し強姦未遂等の事実があったと申告し、、て、被告らの名誉を毀損した。 (3)被告らから金銭を喝取しようと企て、Dに依頼して、同人をして、平成八年九月一八日被告会社を訪れさせ、被告Aに対し「三〇〇万、五〇〇万」という金額を挙げて、被告、らを脅迫させた。 (4)本訴を提起し、被告らの名誉を毀損した。 (5)株式会社ZのFと共謀して、被告らの名誉・信用を毀損して被告らに損害を与えることを企て、平成九年三月一〇日ころから同月一七日ころにかけて、被告らを誹謗中傷する怪文書を被告会社が管理を委託されているマンション等の理事長宛に郵送したり、マンション全戸に配布したりした。 (二)損害被告らは、右(一)の各行為により、著しく名誉・信用を毀損された。その損害は各自三〇〇万円を下らない。 (三)まとめよって、被告らは、原告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、各自三〇〇万円及びこれに対する反訴状送達の日の翌日(平成一〇年四月三日)から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。 請求原因に対する認否(一)請求原因(一)(原告の不法行為)のうち同(2)の平成八年九月九日から品川労政事務、所に対し強姦未遂等の事実があったと申告した事実は認めその余は否認する原告が被告A 請求原因に対する認否(一)請求原因(一)(原告の不法行為)のうち同(2)の平成八年九月九日から品川労政事務、所に対し強姦未遂等の事実があったと申告した事実は認めその余は否認する原告が被告Aから実際に性的嫌がらせや強姦未遂の被害を、。 受けたことは、前記一1(二)のとおりである。 (二)請求原因(二)(損害)の事実は否認する。 第四当裁判所の判断- 6 -一本訴について 請求原因(一)(当事者)の事実は当事者間に争いがないなお証拠(甲一五一八)及び。 、、弁論の全趣旨によれば、被告会社は、マンションの維持・管理等を業とする会社であり、その従業員数は、原告が入社してから解雇されるまでの間、原告を含めても三、四名程度であったと認められる。 請求原因(二)(被告Aの不法行為)について(一)請求原因(二)(1)(入社以来の性的嫌がらせ)についてこれらの事実についての物的証拠はなく供述証拠も直接的なものは原告の陳述(甲一、、五、一八、本人尋問)以外にはない。 しかし、原告の陳述が具体的であること、原告は、平成八年九月六日以降の早い時期に品川労政事務所のH職員にこれらの事実について話しているところ(甲一〇の1 2) 短期間、、の間にこれだけ多数の事実を捏造したとは考え難いこと、原告から相談を受けていたというGの陳述書(甲一六)も原告の主張に沿うものであることそして後記(二)の強姦未遂の、、事実についての検討結果からすると請求原因(二)(1)の各事実も認められるというべきで、ある。 (二)請求原因(二)(2)(強姦未遂)について(1)同事実についての原告の陳述(甲一五一八本人尋問)は具体的詳細かつ明確であ、、、る。 しかし被告Aは同事実の存在を否定し同事実は原告が捏造したものであり原 姦未遂)について(1)同事実についての原告の陳述(甲一五一八本人尋問)は具体的詳細かつ明確であ、、、る。 しかし被告Aは同事実の存在を否定し同事実は原告が捏造したものであり原告に、、、、は捏造する動機があったとの被告らの主張に沿う陳述をしている。 そこで、平成八年九月六日前後の状況、原告の陳述の信用性を失わせる事実の有無、被告らの主張に沿う証拠等について検討することとする。 (2)平成八年九月六日前後の状況ア平成八年九月六日午後五時以前平成八年九月六日午後五時以前(同月五日以前を含む)の状況については証拠(甲一五。 、一八乙二三証人E原告被告A)及び弁論の全趣旨から以下の限度で確実な事実と、、、、、、して認定することができる(株式会社Zとのトラブルの詳細等については、被告Aの陳述等のみから、これを認定することは困難である。)。 (ア)平成八年六月ころ、株式会社Z(F)とトラブルを起こしたE(株式会社Zの元従業員)を被告会社が庇っているとして、Fの依頼を受けたDが被告会社に出入りするようになった(被告会社は電話の取次等の便宜、や仕事をEに提供していた)このDは頭髪がパンチパーマであるなど暴力団組員風の。。 、、風体をしていた。 、、、(イ)平成八年九月六日正午前後ころED及びDの連れの男女が被告会社事務所を訪れ被告Aを交えて、話し合い及び金銭の授受が行われた。そして、Dと連れの男女が帰ると、被告AとEはビール等を飲み始め途中原告にビール等を買いに行かせたその後Eも被告、。 、会社事務所を去り遅くとも午後四時三〇分ころ以降は原告と被告Aの二名だけが被告会、、社事務所にいる状態になった。 イ平成八年九月七日以降以下の事実は証拠(認定事実の末尾に記 も被告、。 、会社事務所を去り遅くとも午後四時三〇分ころ以降は原告と被告Aの二名だけが被告会、、社事務所にいる状態になった。 イ平成八年九月七日以降以下の事実は証拠(認定事実の末尾に記載)及び弁論の全趣旨から確実な事実(ただし、、- 7 -、(ケ)は記録上明らかな事実)として認定することができる。 (ア)九月七日(土曜日)及び八日(日曜日)は原告は休日であった。 (イ)同月九日原告は品川労政事務所に相談の電話をしその助言を受けて被告Aと、、、、の会話をテープに録音した(甲四、一〇の1、2、乙二五。会話の内容は後記ウのとおり。)。原告は、同日中に、D、第二東京弁護士会及び三田労働基準監督署にも電話をした(乙二五)。 (ウ)同月一二日原告はA社長へヤクザが押しかけて来ました部屋に入り(しばら、、「。 。 くいた)が又出直すと言って昼食に出たから身の危険を感じますので早退させて頂、、、、きますとのメモ(乙三)を残して早退したしかしこれは原告の虚言であり当日ヤク。」。 、、ザが押しかけた事実はない。 (エ)同月一三日、原告は、再び被告Aとの会話をテープに録音した(甲四。その内容は後記エのとおり。)。被告Aはこの日、有給休暇の取得を求める原告に対し、解雇を予告する発言をした。 (オ)同月一七日、品川労政事務所のH職員が被告会社を訪問し、被告Aに和解を勧めた。 しかし、被告Aはこれに応じなかった(乙二四)。 (カ)同月二四日、原告は、実弟の知り合いであるK弁護士に相談に行った。 (キ)同月二五日、原告は、医療法人社団緑和会ストレスケア日比谷クリニックを受診し、。 、、心的外傷後ストレス障害と診断された同クリニックのI医師は同月二五日の診察時原告は明らかな、うつ状 キ)同月二五日、原告は、医療法人社団緑和会ストレスケア日比谷クリニックを受診し、。 、、心的外傷後ストレス障害と診断された同クリニックのI医師は同月二五日の診察時原告は明らかな、うつ状態と不安焦燥状態であった、心理テスト上も明らかな精神の不安定と、うつ状態が認められた、ただし、もともとの性格は未熟でなく、。 、ほがらかで明るい性格であることもほぼ確認できたとの所見を示している(以上につき甲一、二、一九)(ク)同年一〇月二日K弁護士が原告の代理人として被告らに対し損害の賠償を求め、、、る内容証明郵便を送付した(乙三六)。 (ケ)同年一〇月三一日、原告が本訴を提起した。 ウ平成八年九月九日の原告と被告Aの会話同日午後に原告と被告Aが交わした会話は次のようなものである。 原告「あのう、社長覚えていますかベルトに手が掛かって、ジッパーっていう、覚えていますか私、本当に、怖かったんですよ、あの」。 A「覚えていない、全然、だからね、うん、途中、Lが来たよね」。 原告「いや、Lさん来た時には、私は、もう走って逃げていました。B君の電話が鳴ったのは社長、覚えているでしょう」A「覚えていない」。 原告いやBさんの電話が鳴ったからあれ五時二五分ですよであれきっとあ「、、、。 、、、の電話、腹立たしかったでしょうね。あの電話で中断された私は、もうちょっとで社長、乗しかかられるところをね・・でB君の電話を私が渡したでしょうそれで私片付け。 、、、もしなきゃいけない―と思いながら、だって、社長がもう普通じゃない状態だから、さすがに怖くなって、そのままにして、だから、火は出ていないだろうか、社長は大丈夫だろうかって」。 - 8 -AだからだからねLが来てねJのその件を話して 長がもう普通じゃない状態だから、さすがに怖くなって、そのままにして、だから、火は出ていないだろうか、社長は大丈夫だろうかって」。 - 8 -AだからだからねLが来てねJのその件を話しててねこうズルズルズルーとこ「、、、、、、こで寝ていたんだよ」。 (中略)原告「とりあえず、Bさんの電話取ったのを社長、覚えていないの」A「覚えていない」。 原告「じゃあ、ベルトに」。 A「ただね」。 原告「ベルトに手を掛けたっていう、あの怖ろしいあれは、本心なんでしょう本当にやる気だったでしょう私本当に怖かった」。 A「本当に、やる気だったんじゃあないの」。 原告「いや、そうでしょう」A「わかんねえんだよ、だから。気がついたらなんか、あのう、ここで寝ててさあ」。 原告「じゃ、ほんとに」。 A「ただ、ベルトが、ベルトが緩んでいて」。 原告「そうでしょう。チャックも開いてたでしょう」A「だから、何でかなあと思って」。 原告「それ、そうよ。で、私が、やめて、やめてーと喚いて、後ろから抱きしめて、羽交い締めにして、ここ、ここをガーンってやって、ここ痛いの。あのう、社長忘れた目じゃなくって良かったけれど・・コンタクト割れちゃうけど」.。 A「で、俺がねえ、ズルズルといって・・ここが・・落っこっちゃって」、。 (中略)原告「じゃあ、私のこと、後ろから羽交い締めにして、クーラーのところに追いつめて、次、向こうの換気扇の回っている、トイレのところに追いつめて、グーッとやって、あの胸揉んだのとか本当に覚えていない股のキュロットはいてたけど下から手が入、、」「、、って、あれは、じゃ、本当に希望していたことが酔った勢いで出ちゃったのね」。 A「出ちゃったんだろうねえ」。 原告「もの凄く怖かった、私。い ュロットはいてたけど下から手が入、、」「、、って、あれは、じゃ、本当に希望していたことが酔った勢いで出ちゃったのね」。 A「出ちゃったんだろうねえ」。 原告「もの凄く怖かった、私。いや、本当に。もう聞いてくれないし、目が据わちゃってるから。いいだろう、いいだろう、一発っていう、ものの連呼だもの。だから、入った時からって言ってたよ。面接の時から一回って言うから、私は仕事をしに来てるって」。 A「んなこと、本当かよー」。 原告「本当に」。 A「全然だよー、んなものー」。 原告「あ、じゃ、それって本心なんだ、きっと」。 A「本心だなー」。 (中略)原告「ベルト緩んで」。 - 9 -A「ベルトが緩んで、だから」。 原告「緩んでチャックが、こう三分の一程開いて」。 A「うん、うん」。 A「Lがいたずらしたんじゃないかーと思ってさ」。 原告「じゃ、私を抱きすくめた、というのは覚えているでしょ」A「覚えていないんだよ」。 原告「ここのところ、こっち側へ後ろから来た時に、ここ、こうやって・・覚えていないほんとうに「じゃ、歯がグラグラ」」。 A「嘘だあ」。 原告「いやあ、私、歯が強いからいいけど、ここ、あの、サロンパス貼るっていうの、だから、本当に怖かった。力はすごいし。だから、潜在意識の中に、いつかは私をっていうのは、本当にあったんだな、と」。 A「ふふん」。 原告「もう、ああいう、ことはないね」。 A「だから、もう、ほんとに、だから、だから、あのう、Eさんが、いつ帰ったのかもわからないからだから書類がJさんの書類がね何でないのかわからなかったんだよだか、、、。 、、、、、、らだからEさんに電話したらしたらフロッピーにいっぱい入っているからあのそれ一枚持って行って、えーっ、いい ね何でないのかわからなかったんだよだか、、、。 、、、、、、らだからEさんに電話したらしたらフロッピーにいっぱい入っているからあのそれ一枚持って行って、えーっ、いいよってね、言ったって言うからさ、まあ、その辺からもう・断片的に、だから・・なんかね」。 原告「鍵、社長掛けたの覚えているでしょうここの鍵と、そこの。いや、ほんと」。 A「覚えてるわけねえだろう、そんなの」。 原告「はい」A「覚えてないってえの、だから」。 原告「よく、そういうことを」。 A「ほんとに覚えて」。 原告「私は、あのポチッというのね、中扉を押す音で、ハッと振り向いたの。何でこんな。 、、。 、。」音すんのかなってそしたら社長仁王様みたいな形相で・・あと本当に怖かっA「だから、頭に血い昇ったのかなあ。ほんじゃあ、だからね」原告「人格、変わったな。 っ、と」。 A「うん、いや、要はね、あのう」。 (中略)原告「うーん、まあ、ここだからいいけど、目のところ、メガネ割ってたら今ごろ、あれでしょう」。 Aそうかもしそうじゃなかったらいや記憶ないんでーなんて言えないんだろうけ「、、、、ど、じゃ、申し訳ない」。 原告「今度やったら、私、殴るからね、灰皿で」。 A「いや、申し訳ない」。 - 10 -エ平成八年九月一三日の原告と被告Aの会話同日午前に原告と被告Aが交わした会話は次のようなものである。 原告「社長がなさった、九月六日になさったことを、当然、加味すれば、あれは法に触れますから」。 A「私は知らないって」。 原告「でも、謝罪されましたよね」。 A「だから、ご迷惑かけたようだったら、ごめんなさいって言うだけです」。 原告「はあ、そうですか「全く、そう罪の意識がないっていうか、誠意 は知らないって」。 原告「でも、謝罪されましたよね」。 A「だから、ご迷惑かけたようだったら、ごめんなさいって言うだけです」。 原告「はあ、そうですか「全く、そう罪の意識がないっていうか、誠意がないわけです。」ね」。 A「誠意よりも、なによりも、意識がないから」。 原告「意識がないって、かわされましたか」。 A「なんにも、それ・・」。 原告「ドアーに鍵を掛けて、あれは明らかに計画的ですよ、社長「二か所、すべてで三。」か所ですけども、鍵を掛けて、はっきり言って、強姦未遂ですよ」。 A「ふーん」。 原告「なんとも思われませんか」A「なーんともないよりも、何よりも・・うーん、記憶がないんだから」。 オ前記ウ及びエの会話の評価前記ウ及びエの会話では被告Aは有効な反論を全くしておらず主として記憶がないと、、述べつつ、ズボンのベルトが緩み、チャックが開いていたことを認めた上、謝罪と見られる発言までしている被告Aはこの点につき原告の背後に誰かいるに違いないと直感し。 、、原告の出方を探るため適当に受け答えをしたと陳述するが甲第四号証中に被告Aの右意、、図に整合すると見られる発言を見出すことはできないのであって、同被告の右陳述は採用し難い。 また前記ウの会話は被告Aが最初にドアに鍵を掛ける部分が後から出てくるなど話、、、が前後しているがそこでの原告の発言を繋ぎ合わせればほぼ請求原因(二)(2)の事実と、、一致し、そこに前後の矛盾等は見られない。このように、話が前後しているにもかかわらず、前後矛盾等が見られないということは、そのような事実が実際にあったか、実際にはなかったとすれば、原告が入念にストー、リーを構成し頭に入れた上で被告Aとの会話に臨んだかのいずれかであると考えられるが証拠上そのような ないということは、そのような事実が実際にあったか、実際にはなかったとすれば、原告が入念にストー、リーを構成し頭に入れた上で被告Aとの会話に臨んだかのいずれかであると考えられるが証拠上そのような事実が存在しないにもかかわらず被告Aが記憶がないというような曖、、昧な回答をする保障があったとは認められず、むしろ原告自身が著しく不利な立場に置かれる危険が大きいのであるから、実際にはそのような事実がないのに、原告が虚偽のストーリーを構成し被告Aとの会話に臨んだとは考え難い。 なお前記ウの会話からは緊張感がさほど伝わらないがH職員から録音を成功させる、、「ためには、加害者に悟られないように、いつものとおりに様子を変えずに接してくださいと指示されていたので普通に振る舞うよう心がけたとの原告の陳述に不自然さはなく。」、、緊張感の欠如から、強姦未遂の事実の存在を疑うことはできない。 (3)原告の陳述の信用性を失わせる事実の有無について- 11 -ア原告は午後二時過ぎにビール等を買いに行かされEは午後三時ころ帰ったと陳述す、、るが、乙第二六号証(領収証)によれば、原告がビール等を買った時刻は午後三時七分であると認められる。そうすると、原告の陳述は時間の点では採用できないことになる。 しかし、これらの時間のずれは、強姦未遂を物理的に不可能ならしめるものではなく、原告の陳述全体の信用性を失わせるものとまではいえない。 イ原告が平成八年九月一二日に「A社長へ。ヤクザが押しかけて来ました。部屋に入り(しばらくいた)が又出直すと言って昼食に出たから身の危険を感じますので早退さ、、、、せて頂きますとのメモを残して早退したがこれは原告の虚言であり当日ヤクザが押。」、、しかけた事実がないことは前記(2)イ(ウ)のと たから身の危険を感じますので早退さ、、、、せて頂きますとのメモを残して早退したがこれは原告の虚言であり当日ヤクザが押。」、、しかけた事実がないことは前記(2)イ(ウ)のとおりでありこのような虚言の存在は通、、、常は陳述全体の信用性を失わせるものである。 しかし原告はこのようなメモを残したのは強姦をしようとした被告Aを困らせてや、、、りたかったからであると陳述しているところ、原告が実際に強姦未遂の被害を受けていたとするならば、原告が述べるような心境になることも理解できないではない。そうすると、本件においては、右の虚言の存在は、原告の陳述全体の信用性を失わせるものとまではいえないというべきである。 ウ乙第二五号証(報告書)によれば平成八年九月六日以前にもまた前記(2)イ(イ)のとおり同月九日、にも、原告からDに電話していることが認められ、この点が、被告らが原告とDとの関係を疑う一つの理由となっている。 しかし、この点について、原告は、Dが被告会社の事務所に来ることがわかると被告Aがいなくなってしまい原告一人が取り残されて怖い思いをしていたため被告Aが不在であ、、ることを知らせてDが被告会社の事務所に来ないようにするために電話をしたと陳述しているところ、原告が他の有効な防衛手段を持たない女性の従業員であることも考えると、原告が右のような行動に出ることが不自然・不合理であるとまではいえない。 そして前記(2)イ(イ)のとおり原告が平成八年九月九日に品川労政事務所第二東京、、、弁護士会及び三田労働基準監督署に電話をし、その後弁護士に相談するなどしていたことからすれば、原告は公的機関、あるいはこれに準ずる機関の救済を求めていたと推認できるのでもって、原告からDに電話をしていた事実から、 田労働基準監督署に電話をし、その後弁護士に相談するなどしていたことからすれば、原告は公的機関、あるいはこれに準ずる機関の救済を求めていたと推認できるのでもって、原告からDに電話をしていた事実から、原告がDらと通じ強姦未遂の事実を捏造したと推認することはできないというべきである。 (4)被告らの主張に沿う証拠等についてアBの陳述書(乙三四)は平成八年九月六日午後五時半ころ被告会社に電話した際に特に、変わった様子はなかったとの内容であるが同人が被告会社在勤中である(被告会社が従業、員三、四名程度の会社であることは前記1のとおりである。)ことからすると、被告らの主張と異なる陳述を期待できる立場にないことが明らかであり、その陳述をたやすく信用することはできない。 イEの陳述書(乙三八)及び証言も平成八年九月六日午後五時半前後に数度にわたって被、告Aに電話したが被告Aは冷静な様子であったというなど、概ね被告らの主張に沿うものであるが被告Aが原告との会話ではEがいつ帰ったのかもわからないと述べていること(前記、(2)ウ)) Eは株式会社Zの元従業員であったが株式会社Zとトラブルを起こし被告Aに庇わ、れ電話の取次等の便宜や仕事も提供されていた者であること(同(2)ア(ア)) 及び証言態、、- 12 -度にも真摯とはいえないものがあったことから、その陳述をたやすく信用することはできない。 ウ被告Aは強姦未遂は原告が捏造したものであるとしてるる陳述するがその陳述は、、、甲第四号証で同被告がしている発言と著しく異なっている点でまず信。 、、、用し難いものがある同Aはこの点につき原告の背後に誰かいるに違いないと直感し原告の出方を探るため適当に受け答えをしたと陳述するが採用し難いことは前記(2)オの、とおりである 。 、、、用し難いものがある同Aはこの点につき原告の背後に誰かいるに違いないと直感し原告の出方を探るため適当に受け答えをしたと陳述するが採用し難いことは前記(2)オの、とおりである。 その他にも、同被告は、原告がFやDと通じていた根拠として、Eと被告Aの他には原告しか知らなかったEの所在をDが知っていたことや平成九年八月二七日にDが情報源は原告で、ある旨告げたことなどを挙げているが(乙二三)、前者については、他に知っていた者がいないと断定する根拠が不明であること、後者については、被告らに対し不当な要求をしている相手が、情報提供者を安易に告げるとは考え難いことや、答弁書には決定的ともいえるこの発言への言及がなく後から言及されるようになったという経緯に照らして、いずれも採用し難い。 そして原告とF及びDの関係についても信用できないEの陳述その存在自体疑わしい、、、Dの陳述等を基に推測を加えたものであり推認の基礎となる事実の存在が認め難く推、、、測の過程(被告Aの本人調書四五五項等)も合理的とはいえず、採用できるものではない(被告らは答弁書において被告Aが平成八年九月一二日に原告宅に電話をし電話口に出た原、、告の母親に「会社のAです」と名乗ったところ、原告の母親が原告に「いつもの人から電。 話よと言って取り次いだことから被告AはDが原告の自宅に度々電話をしていたと推。」、、測したとも主張しているが、娘の勤務先の社長からの電話を、母親が右のように取り次いだというのも不自然であるしそこからDが原告宅に電話をしていたことを推測するという、のも到底合理的なものとはいえない。)。 エなお、被告らは、原告が解雇に対する対策を具体化するために、強姦未遂事件のシナ、、、リオを考えついたと主張する 電話をしていたことを推測するという、のも到底合理的なものとはいえない。)。 エなお、被告らは、原告が解雇に対する対策を具体化するために、強姦未遂事件のシナ、、、リオを考えついたと主張するが甲第四号証中には前記(2)ウで認定したところのほか社長私をこう解雇しようとかいう気持ちはあるんですか俺はね解雇しような「、、、」「、んて今まで思ったことないのよという会話も見られるところであり(11頁) 原告が解雇。」、を避けるために更に強姦未遂の話をする必要があったとは認められない。 (5)以上検討した諸点特に原告の陳述(甲一五一八本人尋問)が具体的詳細かつ明、、、、確であること他方被告Aは数日後の会話において強姦されそうになったと述べる原、、、、告に対し、有効な反論を全くせず、かえって謝罪と見られる発言までしていることからすれば請求原因(二)(2)の事実が実際にあったと認められ、るというべきである。 (三)請求原因(二)(3)(不当解雇)及び抗弁(解雇の正当性)について(1)請求原因(二)(3)のうち被告Aが原告に対し平成八年九月二六日到達の書面によ、、、り、同年一〇月二五日をもって解雇する旨の意思表示をした事実は、当事者間に争いがない。 そこで、以下、解雇の正当性について検討する。 (2)抗弁(一)について、、、、平成八年九月六日以前にもまたその後にも原告からDに電話していることしかし- 13 -被告Aが不在であることを知らせてDが被告会社の事務所に来ないようにするために電話を。 することが不自然・不合理であるとまではいえないことは前記(二)(3)ウのとおりであるまた被告Aが原告がFやDと通じていた根拠として述べるところを採用できないことは前 来ないようにするために電話を。 することが不自然・不合理であるとまではいえないことは前記(二)(3)ウのとおりであるまた被告Aが原告がFやDと通じていた根拠として述べるところを採用できないことは前、、記(二)(4)ウのとおりである。 他に抗弁(一)の事実を認めるに足りる証拠はない。 (3)抗弁(二)について甲第四号証によれば平成八年九月九日の原告と被告Aと会話の中で原告が給料上げ、、「てくださいね」という発言をしたことが認められるが(8頁)、長い会話の中で一言出てい。 るにすぎず、その後この要求が繰り返されているわけではないのであって、金員を喝取しようという意図があったと認めることはできない。 次に原告が同月一二日にヤクザが押しかけて来ましたとのメモを残したこと及、「。」、びこれが虚言であったことは前記(二)(2)イ(ウ)のとおりであるしかしこの点につい、。 、ての原告の陳述及び当裁判所の評価は前記(二)(3)イのとおりであって原告が金銭喝取の、手段として右のような虚言を行ったとは認められない。 そして、強姦未遂の事実が実際にあったと認められることは前記のとおりであり、原告の右のような言動が解雇を正当化する事由になるということはできない。 (4)抗弁(三)について抗弁(三)のうち、原告が平成八年九月一三日に明確に日数を特定することなく有給休暇を要求した事実は、当事者間に争いがない。 しかし、甲第五号証によれば、原告は法定の有給休暇の範囲内での休暇の取得を求めていたものであって、無限定な休暇の取得を要求する趣旨ではなかったと認められる。また、強姦未遂の事実が実際にあったと認められることは前記のとおりである。 (5)以上によれば被告Aが被告会社の代表者としてした解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会 る趣旨ではなかったと認められる。また、強姦未遂の事実が実際にあったと認められることは前記のとおりである。 (5)以上によれば被告Aが被告会社の代表者としてした解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通、、念上相当として是認することができないものであり、権利を濫用する違法な行為として不法行為を構成するというべきである。 請求原因(三)(被告会社の責任)について請求原因(二)(3)(不当解雇)の被告Aの行為が被告会社の代表者としてのものであることは明らかである。 また請求原因(二)(1)(入社以来の性的嫌がらせ)及び同(2)(強姦未遂)の被告Aの各行為、は(1)カを除き勤務中に被告会社事務所で行われたものであり、また、(1)カも、勤務終了後それに引き続いた時間と経過の中で行われたものであり、被告会社の代表者と従業員という関係を利用して行ったと評価すべきものである。 したがって被告Aの各不法行為は被告会社の代表者としての職務を行うにつき行った、、ものであり、被告会社は、商法二六一条三項、七八条二項、民法四四条一項により、原告に対し、損害賠償責任を負うというべきである。 請求原因(四)(損害)について(一)請求原因(二)(1)及び同(2)の各不法行為による損害請求原因(二)(1)の被告Aの一連の不法行為(入社以来の性的嫌がらせ)は、長期間にわたり執拗に行われたものであること請求原因(二)(2)の不法行為(強姦未遂)は被告会社事務、- 14 -所内で行われたもので、原告に不法行偽を誘引するような落ち度といえるものがないこと甲第一九号証原告の陳述及び前記2(二)(2)イ(キ)で認定したI医師の所見によれば原、、、告は、この不法行為により心的外傷後ストレス障害となり、不法行為後三年以上を経過した平成一一年一二月一日時点で 原告の陳述及び前記2(二)(2)イ(キ)で認定したI医師の所見によれば原、、、告は、この不法行為により心的外傷後ストレス障害となり、不法行為後三年以上を経過した平成一一年一二月一日時点でもなお治療を継続中であると認められ、原告の被った精神、、的苦痛が大きいこと(なお被告らの応訴の態様及び反訴の提起等により訴訟が長期化し当時のことを忘れることができない状況にあることも治療の長期化の一因になっていると考えられる。)からすれば、慰謝料は一八○万円が相当である。 (二)請求原因(二)(3)の不法行為による損害証拠(甲一一乙一二二の1原告本人)及び弁論の全趣旨によれば原告に対しては平、、、、成八年八月までは基本給一八万五〇〇〇円に一万円を加えた月額一九万五〇〇〇円の賃金が支払われていたこと(同年九月以降は一万円が支払われていないがこれは解雇問題発生、後のものであるから参考にならないというべきである)原告は昭和二四年八月二九日生まれで解雇当時は四七歳で。、、あったこと、原告は、再就職先がなかなか見つからなかったため平成九年七月まで九か月間再就職できなかったことが認められる。 昨今の雇用情勢からみて、原告のような立場にある者の再就職が容易でないことは明らかであり解雇後九か月間の得べかりし賃金は請求原因(二)(3)の不法行為(不当解雇)と、、相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 したがって、月額一九万五〇〇〇円に九を乗じ、失業保険として得た八三万七〇〇〇円を控除した九一万八○○○円を原告の損害と認めることができる。 (三)弁護士費用事案の難易、原告の請求額、認容額その他の事情を総合勘案すると、弁護士費用三〇万円を被告Aの不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 本訴の結論よっ できる。 (三)弁護士費用事案の難易、原告の請求額、認容額その他の事情を総合勘案すると、弁護士費用三〇万円を被告Aの不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 本訴の結論よって、原告の被告らに対する本訴請求は、連帯して三〇一万八○○○円及びこれに対する被告Aの各不法行為の日の後である平成九年一一月一八日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余はいずれも理由がない。 二反訴について 請求原因(一)(原告の不法行為)について(一)請求原因(一)のうち同(2)の平成八年九月九日から品川労政事務所に対し強姦未遂、等の事実があったと申告した事実は当事者間に争いがなく同(4)の原告が本訴を提起した、事実は当裁判所に顕著である。 しかし原告が被告Aから実際に性的嫌がらせや強姦未遂の被害を受けたことは既に判示、したとおりであるから、原告の右申告等は、不法行為を構成しない。 (二)請求原因(一)(1)について請求原因(一)(1)のうち、原告が平成八年九月九日に「給料上げてくださいね」という。 発言をしたこと同月一二日にヤクザが押しかけて来ましたとのメモを残したが虚言、「。」であったこと、しかし、原告が金銭喝取の手段として、あるいは金銭喝取を意図して右のような言動を行ったと認められないことは、前記一2(二)(2)イ(ウ)、同(二)(3)イ及び同(- 15 -三)(3)で認定・判断したとおりである。したがって、右各言動は、不法行為を構成しない。 (三)請求原因(一)(3)についてこれまで検討してきたところによれば被告らの主張に沿う被告Aの陳述は全体として、、信用性に乏しいといわざるを得ないし、請求原因(一)(3)の事実に関する部分も、Dの態度が途中で急 (3)についてこれまで検討してきたところによれば被告らの主張に沿う被告Aの陳述は全体として、、信用性に乏しいといわざるを得ないし、請求原因(一)(3)の事実に関する部分も、Dの態度が途中で急変するなど、不自然との感を否めない内容であって、採用できるものではない。他に同事実を認めるに足りる証拠はない。 (四)請求原因(一)(5)について乙第一三号証(書簡)にはY(株)に以前長く勤めて居た事務の女性は社長のA氏からセ、「、クハラを受け、大変恥ずかしい目にあったと、連絡があり、現在その件で裁判中との事で社長が自社の社員にセックスを強要したとは全く驚くべき事柄ですとの記載がある、、。」。 しかしこの書面を作成したのが株式会社ZのFであることについての明確な証拠はない、し、仮にそうであるとしても、その記載内容は漠然としており、原告が情報提供者であると認めることもできない。 (五)以上の次第であるから、原告に被告ら主張の不法行為があったと認めることはできない。 反訴の結論よって、その余の点につき検討するまでもなく、被告らの反訴請求は、いずれも理由がない。 三結語よって、原告の本訴請求を主文一項の限度で認容してその余を棄却し、被告らの反訴請求をいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法六一条、六四条本文、六五条一項本文を、仮執行の宣言につき同法二五九条一項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第一一部裁判官飯島健太郎

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