平成30年(行コ)第98号損害賠償請求控訴事件(住民訴訟)(原審大阪地方裁判所平成29年(行ウ)第130号) 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用(補助参加により生じた費用を含む。)は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 本件を大阪地方裁判所に差し戻す。 第2 事案の概要 1 控訴に至る経緯本件は,A市の住民である控訴人が,同市が平成22年に実施したB小学校C号館(以下「本件校舎」という。)の耐震補強工事(以下「本件工事」という。)は十分な補強をすることができないことがあらかじめ判明していたにもかかわらず行われたものであり,本件工事に係る公金の支出(設計等業務委託料354 万9000円,請負代金3007万2000円の合計3362万1000円)は違法であるなどと主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,本件工事の当時A市長であった補助参加人Dに対し3362万1000円,教育長であり請負契約を締結した補助参加人Eに対し3007万2000円及びこれらに対する訴状送達の日の翌日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合によ る遅延損害金の支払請求をすることを被控訴人に対して求める住民訴訟である。 原審は,本件訴え前の監査請求は,上記各公金支出から1年を経過した後にされたものであるところ,客観的にみて上記監査請求をするに足りる程度にその内容を知ることができた時から相当な期間内に監査請求をしたとはいえないから,本件訴えは適法な監査請求の前置を欠く不適法な訴えであるとして,これを却下 した。そこで,控訴人がこれを不服として,本件控訴を提起した。 2 前提事実当事者間に争いのない事実のほか 件訴えは適法な監査請求の前置を欠く不適法な訴えであるとして,これを却下 した。そこで,控訴人がこれを不服として,本件控訴を提起した。 2 前提事実当事者間に争いのない事実のほか,証拠(引用に係る原判決掲記の証拠)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実は,原判決2頁20行目から5頁3行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 3 争点 原判決5頁5行目から8行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 4 争点に関する当事者の主張原判決5頁10行目から9頁17行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決6頁20行目の「合理的であ」の次に「り,本件委員会の検証等の結果が報告された平成29年3月13日までの期間は相当な期間 の経過を判断するに当たって考慮すべきではないのであって,平成29年5月1日にした本件監査請求は相当な期間内にしたものと評価すべきであ」を付加する。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(控訴人が監査請求期間を徒過したことにつき正当な理由があるか)について 当裁判所も,控訴人が監査請求期間を徒過したことにつき正当な理由があるということはできないと判断するが,その理由は,原判決9頁21行目から15頁12行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり補正する。 (1) 原判決9頁23行目の「当該行為」を「財務会計上の行為」と改める。 (2) 原判決10頁6行目の「アからオまで」を削る。 (3) 原判決11頁11行目の「平成28年」を「同年」と改める。 (4) 原判決11頁20行目の「された」の次に「が,上記要綱には,本件委員会が,本件校舎は,「コンクリート強度が低いため公的基準を満たす耐震補強はで 11行目の「平成28年」を「同年」と改める。 (4) 原判決11頁20行目の「された」の次に「が,上記要綱には,本件委員会が,本件校舎は,「コンクリート強度が低いため公的基準を満たす耐震補強はできない施設である」と認識した上で耐震補強を実施した理由,耐震補強後の 本件校舎について,公的基準を満たしていないことを公表せず,耐震補強が完 成したとした理由について,適正であったか,また,職員及び元職員の責任と懲戒,賠償請求権等の可否,本件校舎の耐震補強設計を受諾した業者の責任と当該業者への賠償請求権等の可否などについて,調査,検証,考察を行い,その結果を教育委員会へ報告することなどの記載がある」を付加する。 (5) 原判決13頁6行目の「行なわれたことを」を「行なわれたことについて, 漫然と無駄な本件工事を行い,公金を違法に支出したとして」を付加する。 (6) 原判決14頁5行目の「7日には」の次に「本件事情や関係者の責任及び賠償請求権等の可否などが記載された」を付加し,「施行されて」の次に「条例に基づき掲示場に掲示する方法により」を付加する。 (7) 原判決14頁21行目の「というのであるから,」の次に「遅くとも上記設 置要綱が公表された頃には,本件事情につき調査する契機はあり,かつ,」を付加する。 (8) 原判決15頁4行目の「合理的である」の次に「,本件委員会の検証等の結果が報告された平成29年3月13日までの期間は相当な期間の経過を判断するに当たって考慮すべきではない」を付加し,6行目の「仮に」から9行目 の「いわざるを得ず,」までを「本件委員会の検証等の結果が報告されるまでの間,監査請求を妨げる法的事情があったとはいえないから,上記期間につき相当な期間の経過を判断するに当たって考慮 9行目 の「いわざるを得ず,」までを「本件委員会の検証等の結果が報告されるまでの間,監査請求を妨げる法的事情があったとはいえないから,上記期間につき相当な期間の経過を判断するに当たって考慮すべきではないということはできず,控訴人の上記主張は」と改める。 2 結論 以上によれば,本件訴えは,不適法な訴えであるから,これを却下した原判決は相当である。よって,本件控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第6民事部 裁判長裁判官中本敏嗣 裁判官橋詰均 裁判官三島恭子
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