【DRY-RUN】主 文 一 原判決中、上告人の敗訴部分を破棄し、右部分に関する第一審判決 を取り消す。 二 被上告人は、上告人に対し、別紙目録金額欄記載の金員及び同目録 内金欄記載の各金員に
主 文 一 原判決中、上告人の敗訴部分を破棄し、右部分に関する第一審判決 を取り消す。 二 被上告人は、上告人に対し、別紙目録金額欄記載の金員及び同目録 内金欄記載の各金員に対する同目録起算日欄記載の日から各支払済みまで年六分の 割合による金員を支払え。 三 訴訟の総費用は被上告人の負担とする。 理 由 上告代理人佐々木信行の上告理由について 株式会社において、定款又は株主総会の決議(株主総会において取締役報酬の総 額を定め、取締役会において各取締役に対する配分を決議した場合を含む。)によ って取締役の報酬額が具体的に定められた場合には、その報酬額は、会社と取締役 間の契約内容となり、契約当事者である会社と取締役の双方を拘束するから、その 後株主総会が当該取締役の報酬につきこれを無報酬とする旨の決議をしたとしても、 当該取締役は、これに同意しない限り、右報酬の請求権を失うものではないと解す るのが相当である。この理は、取締役の職務内容に著しい変更があり、それを前提 に右株主総会決議がされた場合であっても異ならない。 これを本件についてみるのに、原審の適法に確定した事実関係によると、(一) 被上告会社は、倉庫業を営む株式会社であり、上告人は、昭和四五年一二月から昭 和六〇年六月一四日に任期満了により退任するまで被上告会社の取締役であった、 (二) 被上告会社においては、その定款に取締役の報酬は株主総会の決議をもって 定める旨の規定があり、株主総会の決議によって取締役報酬総額の上限が定められ、 取締役会において各取締役に期間を定めずに毎月定額の報酬を支払う旨の決議がさ れ、その決議に従って上告人に対し毎月末日限り定額の報酬が支払われており、そ - 1 - の額は昭和五八年一二月現在五〇万円であった、(三) 被上 締役に期間を定めずに毎月定額の報酬を支払う旨の決議がさ れ、その決議に従って上告人に対し毎月末日限り定額の報酬が支払われており、そ - 1 - の額は昭和五八年一二月現在五〇万円であった、(三) 被上告会社の株主総会は、 昭和五九年七月一三日、上告人が常勤取締役から非常勤取締役に変更されたことを 前提として上告人の報酬につきこれを無報酬とする旨を決議したが、上告人はこれ に同意していなかった、というのであるから、株主総会において上告人の報酬につ きこれを無報酬とする旨の決議がされたことによって、上告人がその任期中の報酬 の請求権を失うことはないというべきである。 したがって、右株主総会決議によって、上告人は、その翌日である昭和五九年七 月一四日以降の取締役報酬請求権を失ったとして、上告人の本訴請求のうち同日か ら上告人が取締役を退任した昭和六〇年六月一四日までの報酬及び各月分の報酬に ついての翌月一日から支払済みまでの遅延損害金の支払を求める部分を棄却すべき ものとした原審の判断は、株式会社の取締役の報酬についての法令の解釈適用を誤 ったものというべきであり、この違法が原判決の結論に影響することは明らかであ る。論旨は理由があり、原判決中の上告人の敗訴部分は破棄を免れない。そして、 前記事実関係の下においては、上告人の本訴請求は理由があるので、右部分を棄却 した第一審判決を取り消し、昭和五九年七月一四日から昭和六〇年六月一四日まで の間の報酬合計五五二万三六五六円及びこれに対する各月分についての翌月一日以 降支払済みまで商事法定利率年六分の割合による遅延損害金の支払を求める部分に ついても上告人の請求を認容すべきものである。 よって、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、九六条、八九条に従い、裁判官 全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷 分に ついても上告人の請求を認容すべきものである。 よって、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、九六条、八九条に従い、裁判官 全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 大 西 勝 也 裁判官 藤 島 昭 裁判官 中 島 敏 次 郎 - 2 - 裁判官 木 崎 良 平 (別紙) (目録は末尾添付) - 3 -
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