平成31年2月28日判決言渡同日判決原本交付裁判所書記官平成27年(行ウ)第130号愛知県議会議員政務活動費住民訴訟事件口頭弁論終結日平成30年11月14日判決 主文 1 被告は,被告補助参加人に対し,263万9615円を支払うよう請求せよ。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用のうち,補助参加によって生じた費用については,これを 4分し,その1を被告補助参加人の負担とし,その余を原告の負担とし,補助参加によって生じた費用を除く訴訟費用については,これを4分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 被告は,被告補助参加人に対し,968万0890円を支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要 1 本件は,愛知県の住民である原告が,被告補助参加人(以下「補助参加人」という。証人としての補助参加人を指す場合も,同様である。)の支出した①平成23年度から平成24年度までの政務調査費及び②平成25年度から平成 27年度までの政務活動費(以下,これらをまとめて指す場合,「本件政務活動費等」という。)に関し,その支出の一部(合計968万0890円)が違法なものであるため,愛知県は,補助参加人に対する不当利得返還請求権を有するにもかかわらず,愛知県の執行機関である被告がその行使を怠っているとして,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,不当利得と して,前記968万0890円の支払を補助参加人に請求することを求める住 民訴訟である。 2 関係法令等の定め⑴ 関係法令関係法令の定めは,別紙「関係法令の定め」のとおりである。 愛知県議会における政務調査費の交付に関する条例(平成1 とを求める住 民訴訟である。 2 関係法令等の定め⑴ 関係法令関係法令の定めは,別紙「関係法令の定め」のとおりである。 愛知県議会における政務調査費の交付に関する条例(平成13年愛知県条 例第41号。平成25年愛知県条例第1号による改正前のもの。以下「本件旧条例」という。)は,政務調査費が充てられるべき費用について,調査研究費,研修費,会議費その他の8項目の費用を定め,これらの費用の使途基準は,議会の議長が定めるものとしている(本件旧条例8条)。そして,愛知県議会における政務調査費の交付に関する規程(平成13年3月議会告示 第1号。平成25年2月議会告示第1号による改正前のもの。以下「本件規程」という。)は,会派の所属議員に対する政務調査費は,前記の使途基準を定め,「調査研究費」の使途を「議員が行う県の事務及び地方行財政に関する調査研究及び調査委託に要する調査委託費,交通費,宿泊費等の経費」,「研修費」の使途を「議員が行う研修会,講演会等の実施に要する会場・機 材借上費,講師謝金等の経費並びに他団体が開催する研修会,講演会等への議員及びその調査研究を補助する職員の参加に要する会費,交通費,宿泊費等の経費」,「資料作成費」の使途を「議員が行う調査研究に必要な資料の作成に要する印刷・製本代,原稿料等の経費」と定めていた。 また,愛知県議会における政務活動費の交付に関する条例(平成13年愛 知県条例第41号。以下「本件新条例」といい,本件新条例と本件旧条例を併せて「本件条例」といい,本件条例と本件規程を併せて「本件条例等」という。)は,議員が政務活動費を充てることができる経費として,調査研究費,研修費,資料作成費その他の10項目の経費を定め(8条,別表第2),このうち,「調査研究費」の使途は, 併せて「本件条例等」という。)は,議員が政務活動費を充てることができる経費として,調査研究費,研修費,資料作成費その他の10項目の経費を定め(8条,別表第2),このうち,「調査研究費」の使途は,「議員が行う県の事務,地方行財政等 に関する調査研究(視察を含む。)及び調査委託に要する委託費,交通費, 宿泊費等の経費」,「研修費」の使途は,「議員が行う研修会,講演会等の実施(共同開催を含む。)に要する会場及び機材の借上費,講師謝金等の経費」及び「団体等が開催する研修会(視察を含む。),講演会等への議員及び議員の雇用する職員の参加に要する会費,交通費,宿泊費等の経費」,「資料作成費」の使途は,「議員が行う活動に必要な資料を作成するために 要する印刷製本代,原稿料等の経費」と定めている(本件新条例8条,別表第2。以下,これらの政務調査費及び政務活動費を充てることができる費用及び経費に関する本件条例等の定めを「本件使途基準」という。)。 ⑵ 政務活動費マニュアル等(乙3の1~3)愛知県議会において設けられている,平成23年度から平成27年度にか けての政務調査費マニュアル(平成24年度以前)又は政務活動費マニュアル(平成25年度以降。以下,両者をまとめて「マニュアル」という。)の内容は,大要,次のとおりである(これらの内容の合理性について,当事者間に争いはない。)。なお,内容として共通する部分は一括して摘示し,年度によって異なる内容については,その都度注記している。 アマニュアルの位置付け会派及び議員が政務活動費(政務調査費)を運用する際の統一基準として位置付けられている。 イ基本原則 支出内容は,金額,態様,範囲とも社会通念上妥当なものでなければ 会派及び議員が政務活動費(政務調査費)を運用する際の統一基準として位置付けられている。 イ基本原則 支出内容は,金額,態様,範囲とも社会通念上妥当なものでなければ ならない。 領収書その他の書類等(以下「証票類等」という。)の客観的証拠があって活動内容が説明可能なことが必要であり,政務活動(調査研究活動)の内容や執行状況を客観的に説明できるように,会計帳簿や証票類等が調製,整理,保管されていることが必要である。 執行内容の透明性を図るため,収支報告書を作成,提出するに当たっ ては,全ての支出に係る領収書等の写しを添付するとともに,収支報告書と併せて閲覧に供する。 ウ経費項目 以下に示す活動・使途例示は,飽くまでも例示であり,これ以外のものであっても,支出内容が政務活動費(政務調査費)の趣旨に合致して おり,金額,態様なども社会通念上妥当な範囲内のものであり,対外的にもその説明ができるものであれば,支出することは可能である。 調査研究費a 調査研究費に係る活動としては,次の項目が例示されている。 ・県内・県外・海外調査,執行部からの説明及び意見交換会 ・識者等との意見・情報交換・情報収集活動(平成23年4月版では,情報収集及び要望活動)・各種調査委託・県政関係の議員連盟,各種研究会等の活動b 外部への調査委託については,契約書・成果物等による実績確認が できることが必要である。 なお,平成26年3月版においては,海外において調査研究活動を実施した場合は政務活動費海外調査報告書を作成し,その目的,内容,成果等を明ら 果物等による実績確認が できることが必要である。 なお,平成26年3月版においては,海外において調査研究活動を実施した場合は政務活動費海外調査報告書を作成し,その目的,内容,成果等を明らかにすべきである旨の記載も追加されている。 c 調査研究の活動内容が説明できる書類としては,会議等開催通知, 案内状,報告書等が該当し,これらを整理保管しておく必要がある。 不適当な経費具体的な事例として,以下のものが挙げられている。 ・祭祀・祭礼への出席に要する経費(平成25年3月版,平成26年3月版) ・①香典,祝金,寸志等の冠婚葬祭や②祝賀会の出席に要する経費(② につき,平成23年4月版のみ)・私的な観光,レクリエーション,旅行等に要する経費・親睦会又は飲食を主たる目的とした会合,レクリエーション大会等の開催及び参加に要する経費(平成23年4月版)・団体役員や経営者としての資格など個人としての社会的地位により招 待された式典,会合への出席に要する経費・議員個人の私的目的のために使用する経費(趣味,個人としての研さんのための資格獲得等プライベートな活動)(平成25年3月版,平成26年3月版)・公職選挙法等の法令の制限に抵触する経費 ・飲食・会食を主目的とする各種会合に要する経費(平成26年3月版,平成25年3月版)・挨拶,会食やテープカットへの出席(ただし,意見交換等を伴う場合は除く。)に要する経費(平成23年4月版)エ会計処理 領収書等の記載内容だけでは,政務活動(調査研究活動)との関連性が明らかでない場合は,領収書整理票に具体的な 換等を伴う場合は除く。)に要する経費(平成23年4月版)エ会計処理 領収書等の記載内容だけでは,政務活動(調査研究活動)との関連性が明らかでない場合は,領収書整理票に具体的な内容を記入する。 オ按分1つの活動が政務活動費(政務調査費)の対象となる活動とそれ以外の活動の両方の性格を有している場合,政務活動費(政務調査費)の対象と なる活動とそれ以外の活動とで経費を分離することが困難な場合には,活動に要した費用の全額を各活動の実績に応じて按分して充当する。按分した場合には,按分率の積算根拠を明確にするとともに,会計帳簿や証票類等に,按分の割合及び当該按分の割合に基づく政務活動費(政務調査費)の支出額を付記する。 按分方法の一例として,活動時間の割合による按分のほか,活動に要し た面積割合,活動に要した使用実績が挙げられている。 3 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実等。以下,書証番号は,特記しない限り枝番を含む。)⑴ 当事者等 ア原告は,愛知県の住民である。(弁論の全趣旨)イ被告は,愛知県の執行機関である。(弁論の全趣旨)ウ補助参加人は,平成23年4月から平成27年4月まで,愛知県議会議員を務めた。(弁論の全趣旨)⑵ 事実経過 ア補助参加人は,平成23年度から平成27年度まで,それぞれ政務調査費又は政務活動費の交付を受け,次の各日に,政務調査費収支報告書(平成24年度分まで)又は政務活動費収支報告書(平成25年度分以降。以下,まとめて「収支報告書」という。)を,愛知県議会議長宛てに提出した。(乙4) ・平成23年度分平 報告書(平成24年度分まで)又は政務活動費収支報告書(平成25年度分以降。以下,まとめて「収支報告書」という。)を,愛知県議会議長宛てに提出した。(乙4) ・平成23年度分平成24年5月1日・平成24年度分平成25年4月30日・平成25年度分平成26年4月30日・平成26年度分平成27年4月30日・平成27年度分平成27年5月31日 イ前記アの収支報告書に記載された経費の具体的内容は,次の一覧表記載のとおりである(以下,一覧表記載の各支出は,「番号」欄記載の番号に従い,「本件支出1」などという。また,以下,オーストラリア連邦を「オーストラリア」といい,オーストラリアの西オーストラリア州パース市を,単に「パース市」という。なお,各支出に対応する証拠は「証拠」 欄記載のとおりであり,「領収書日付」欄の「H○○.★★.■■」は, 平成○○年★★月■■日を表す。)。 番号内容(領収書又は領収書整理票記載の内容)金額領収書日付支出先使途項目 証拠 将棋と日本文化教育のコラボレーションの可能性について30万円H23.11.22 A研修費乙9の2 東日本大震災現地被害調査,愛知県防災対策への提案150万円H24.3.17B調査研究費乙10の 名古屋市K区地震防災アンケート調査(800部)80万円H25.3.31同上(名義:L)同上乙11の 同上(200部)20万円H25.3.31C同上乙12の 同上(500部)50万円H25.3.31D同上乙13の ヨーロッパ現地 同上(200部)20万円H25.3.31C同上乙12の 同上(500部)50万円H25.3.31D同上乙13の ヨーロッパ現地調査費(ドイツ・オランダ・フランス)73万円H25.12.10 B同上乙14の K区地震防災アンケート集計・分析・報告作成料68万円H25.12.28 同上(名義:L)同上乙15の K区地震防災アンケート調査・回収50万円H25.12.29 E同上乙16の 地域猫保護予備調査(K区3学区)30万円H26.3.31同上同上乙17の 同上30万円H26.3.6F同上乙18の 生活保護受給実態調査6万円H26.4.30H26.5.31同上同上乙19の NPO設立手続問題調査30万円H26.5.7H26.5.30G同上乙20の NPO運営・認定問題調査30万円H26.6.16H26.7.14同上同上乙21の 名古屋市動物愛護団体調査30万円H26.6.25H26.8.7H同上乙22の 名古屋市動物愛護団体活動調査30万円H26.11.1H26.12.1同上同上乙23の 愛知県動物愛護団体調査45万円H26.6.30H26.8.11H26.10.15B同上乙24の 環境省動物愛護政策調査15万円H26.9.4同上同上乙25の 名古屋城内野良猫実態調査 H26.8.11H26.10.15B同上乙24の 環境省動物愛護政策調査15万円H26.9.4同上同上乙25の 名古屋城内野良猫実態調査25万円H26.12.5H26.12.21同上同上乙26の オーストラリア観光政策調査20万円H27.1.19同上同上乙27の パース市観光政策調査20万円H27.2.23同上同上乙28の パース市視察手配作業15万円H27.3.11同上同上乙29の パース市英語資料翻訳作業17万円H27.3.16同上同上乙30の 愛知県将棋文化振興策研究10万円H26.9.6I同上乙31の 愛知県将棋普及活動調査10万円H26.10.9J同上乙32の 名古屋市観光政策調査20万円H27.1.15E同上乙33の 政令指定都市観光政策調査25万円H27.2.12同上同上乙34の パース市視察調査資料整理作業9万円H27.4.15B同上乙35の パース市視察航空券代及び視察調査宿泊代27万7350円H27.4.17旅行会社同上乙36 M・N会長の紫綬褒章受章を祝う会の交通費(名古屋・新神戸間,往復)2万3540円H27.4.19鉄道会社同上乙37の ⑶ 住民監査請求及び本件訴えの提起ア原告は,平成27年8月19日,本件政務活動費等に関し,被告に対して補助参加人 40円H27.4.19鉄道会社同上乙37の ⑶ 住民監査請求及び本件訴えの提起ア原告は,平成27年8月19日,本件政務活動費等に関し,被告に対して補助参加人に対する不当利得返還請求を求める住民監査請求をしたが,愛知県監査委員は,同年10月15日付けで,本件支出1~2,6,12,13,28,29に関しては住民監査請求を棄却し,その余の支出につい ては委託の実績を直ちに確認できないため明確に判断できない旨を決定した。(乙7,弁論の全趣旨)イ原告は,平成27年11月11日,本件訴えを提起した。(顕著な事実) 3 争点及び当事者等の主張の要旨⑴ 争点 ア本件支出1~5が本件使途基準に適合しない支出であるか否か(政務調査費関係)イ本件支出6~29が本件使途基準に適合しない支出であるか否か(政務活動費関係)本件支出1~29(以下「本件各支出」という。)に共通する主張の要 旨は⑵のとおりであり,また,それぞれの支出ごとの主張の要旨は,別表のとおりである(別表中の略語は,本件判決の用例に従っている。)。 ⑵ 本件各支出に共通する主張の要旨ア原告の主張の要旨本件各支出に係る調査研究活動等の結果が,実際に補助参加人の議会活 動にいかされた形跡はない。例えば,補助参加人が何らかの要望を行ったなどというのみでは,議会活動にどのように反映されたかが明らかでないし,本件各支出に係る活動がなければ要望をなし得なかったか否かについても定かでない。 この点のみからも,本件各支出は,違法なものといわざるを得ない。 イ被告の主張の要旨いずれの支出についても,実際に調査研究等がされたことについては,委託書や成果物の真正を確認することを 点のみからも,本件各支出は,違法なものといわざるを得ない。 イ被告の主張の要旨いずれの支出についても,実際に調査研究等がされたことについては,委託書や成果物の真正を確認することを含めて,被告において調査済みである(なお,被告が確認した委託書や成果物について,本訴で提出されたものとの同一性にも疑義はない。)。 そして,実際に調査研究等がされている限り,具体的な議員の活動にいかされなかったからといって支出が違法となるものではない。この点は,補助参加人が議員を退任する直前の支出についても等しく妥当する。 ウ補助参加人の主張の要旨議員が議会で質問などしなくても(質問の機会は限られている。),調 査研究等の結果が行政部門への要望等に役立っている場合もあるし,議案 について判断するための知見を養うことも,議員の活動である。また,政務調査費又は政務活動費(以下,両者をまとめて「政務活動費等」という。)の支出は,あらゆる政治課題との関係で許容される。 第3 当裁判所の判断 1 補助参加人の議会活動全般に関係する認定事実 前記前提事実に,証拠(主要なものを括弧内に掲記した。)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の各事実が認められる。 ⑴ 補助参加人は,社団法人日本愛玩動物協会の会員であり,また,M公認の将棋普及指導員である。(丙2,3)Bは,通訳やフリーライターとして稼働しており,補助参加人とは平成2 2年秋頃に知り合った。(証人B,補助参加人)⑵ 補助参加人は,平成24年2月の定例議会において,東日本大震災に関連して,被災者支援を目的とするNPO法人を念頭に,NPO法人に対する支援の促進について質問した。また,補助参加人は,同年6月の定例議会において,東京電力福島第一原子力発 において,東日本大震災に関連して,被災者支援を目的とするNPO法人を念頭に,NPO法人に対する支援の促進について質問した。また,補助参加人は,同年6月の定例議会において,東京電力福島第一原子力発電所事故に関する損害賠償の迅速化につい ての意見書を発議した。このほか,補助参加人は,平成23年,24年の地域振興環境委員会においては,放射線の問題を取り上げた。(丙7,8,11)⑶ 補助参加人は,平成24年3月の定例議会において,NPO法人全般に関連して,NPO法人へのきめ細かな支援などについて取り上げたほか, 平成26年10月の行財政改革・道州制調査特別委員会において,NPO法人が把握した弱者のニーズや置かれている環境等についてフィードバックを受けて行政の方向性を考えていくことを提案した。(丙11,17)⑷ 補助参加人は,平成24年6月の総務県民委員会において,日本の伝統文化の振興策について質問した。(丙11) ⑸ 補助参加人は,平成26年2月の定例議会において,動物愛護に関連し て,「殺処分0」を目標とするとの観点から,野良猫の繁殖を抑制する方策について質問した。この中で,補助参加人は,特定の動物愛護団体や個人ボランティアの殺処分を減らすための活動の状況を1年間追跡してきたという趣旨を発言した。(丙10)さらに,補助参加人は,平成27年1月18日,県議会議員の肩書で,N PO法人が主宰する「名古屋の殺処分ゼロを目指すシンポジウム」にパネリストとして出席した。(丙14)⑹ 補助参加人は,自身の県議会議員としての活動報告(以下,単に「活動報告」という。)において,防災体制構築,生活弱者の救済,将棋振興など日本文化の振興・保存,「ペット殺処分0」といった目標を明らかにし ていた。(丙 議会議員としての活動報告(以下,単に「活動報告」という。)において,防災体制構築,生活弱者の救済,将棋振興など日本文化の振興・保存,「ペット殺処分0」といった目標を明らかにし ていた。(丙16) 2 政務活動費等の支出の違法性に関する判断の枠組み⑴ 平成24年法律第72号による改正前の地方自治法100条14項及び15項の規定による政務調査費の制度は,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調 査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものであり,地方自治法100条14項及び15項の規定による政務活動費の制度は,前記のほか,議員の調査研究活動以外の対外的な陳情や会派単位での会議の実施などといった活動の基盤の充実をも図ろうとしたものである。もっとも,これらの規定は,「議員の調査研究に資するため必要な経 費の一部として」政務調査費を交付する旨,あるいは「議員の調査研究その他の活動に資するため」政務活動費を交付する旨を定めた上,その交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならないと定め,また,条例の定めるところにより政務活動費等に係る収入及び支出の報告書を議長に提出することを定めていることから,具体的な政務活動費等の交付の対象,額 及び交付の方法等並びにその使途の透明性を確保するための具体的な報告の 程度,内容等については,各地方公共団体がその実情に応じて制定する条例の定めに委ねているものと解される(最高裁平成21年(行フ)第3号同22年4月12日第2小法廷決定・裁判集民事234号1頁参照)。 愛知県においては,本件条例等が政務活動費等を充てることができる経費について本件使途基準を定め,政務 成21年(行フ)第3号同22年4月12日第2小法廷決定・裁判集民事234号1頁参照)。 愛知県においては,本件条例等が政務活動費等を充てることができる経費について本件使途基準を定め,政務活動費等の使途については,愛知県議会 において設けられたマニュアルにおいて,より詳細な基準が定められているのであり,このように,本件条例等によって,一定の基準に従い政務活動費等を使用すべきことが定められ,また,政務活動費等の交付を受けた会派及び議員は,その年度において交付を受けた政務活動費等の総額から,当該会派及び議員がその年度における支出の総額を控除して残余がある場合には, 当該残余の額に相当する額の政務活動費等を返還しなければならないものとされていること(本件旧条例11条,本件新条例10条)からすると,政務活動費等の交付を受けた会派又は議員が本件使途基準に適合しない形で政務活動費等を支出した場合には,当該会派又は議員は,法律上の原因なく愛知県の公金の損失において利得を得ているものとして,愛知県に対し,当該支 出相当額について不当利得返還債務を負うものと解される。 ⑵ そして,前記の政務活動費等の制度趣旨に照らせば,政務活動費等が充てられた経費が,当該経費を要した行為の客観的な目的,性質等に照らし,議員の活動との間に合理的関連性が認められないなどの場合には,当該経費は本件使途基準に適合しないものというべきである。なお,マニュアルの定め は法規範性を有するものではないが,本件使途基準の定めを具体化したものとして特にその合理性にも争いがないから,本件各支出が本件使途基準に適合するか否かの判断に当たって,参考とされるべきものであると解される。 3 各争点について⑴ 本件各支出に共通する原告の主張について も争いがないから,本件各支出が本件使途基準に適合するか否かの判断に当たって,参考とされるべきものであると解される。 3 各争点について⑴ 本件各支出に共通する原告の主張について ア原告は,本件各支出が補助参加人の議員の活動に反映されたか否かが不 明であると主張する。 しかしながら,本件使途基準は,調査研究等「に要する…経費」などと定め,当該行為に経費を支出する必要性を定めるにとどまり,当該支出が個別具体的な成果と対価的な関係があることまでも要求するものとは解されないのであって,当該支出に前記の意味での個別具体的な成果との関係 性がなければ,本件使途基準に適合しないとまで解することはできない。 イ原告は,領収書整理票に貼付されている領収書に特に使途の記載がない状況で,補助参加人が手書きで同票に使途を記載していることをもって,本件各支出が本件使途基準に適合しないことを推認させる事情として主張するものとも解されるが,領収書の使途の記載は,領収書に対応する支出 の使途を推認させる一事情にとどまり,他の資料をもって使途を証明することが妨げられるとは解されず,マニュアルにおいても,領収書自体から政務活動との関連性が明らかでない場合には領収書整理票への記入が求められており,領収書に使途の記載がない場合に,使途を事後的に追記することは当然予定されていると解されるから,使途が領収書に記載されてお らず,手書きで領収書整理票に追記がされていること自体から,当該支出の使途が明らかでなく,本件使途基準に適合しないということはできない。 また,原告は,補助参加人の委託に基づいて作成された報告書の書式・字体が統一されていることをもって,本件各支出が本件使途基準に適合しないことを推認させる事情で 合しないということはできない。 また,原告は,補助参加人の委託に基づいて作成された報告書の書式・字体が統一されていることをもって,本件各支出が本件使途基準に適合しないことを推認させる事情であると主張するものとも解されるが,補助参 加人は委託者として報告書を受領し利用する立場にある以上,報告書の閲読や理解が容易になるよう,書式や字体など,報告書の仕様をあらかじめ指示することが不自然とはいえないから,実際に委託された者が報告書を作成したこと等に疑いを差し挟むに足りるような事情であるとはいえない。 さらに,原告は,領収書の宛名欄の筆跡が補助参加人によるものである ことをもって,支出の事実自体に疑義を呈するものと解されるが,確実に 領収書を得るなどのために補助参加人が自ら領収書の書式を用意して宛名もあらかじめ記入した上で,金員を受領する者に記名等だけを求める処理も不合理な取扱いとはいえないから,前記の点も,支出の事実に疑いを差し挟むに足りるような事情であるとはいえない。 加えて,原告は,各調査に関する委託書や報告書等が住民監査請求の段 階になった後に提出されたことをもって,本件各支出が本件使途基準に適合しないことを推認させる事情として主張するものと解されるところ,弁論の全趣旨によれば,補助参加人は,各調査に関する委託書や報告書等については,補助参加人が収支報告をした際には提出しておらず,住民監査請求の段階になった後に提出したことが認められる。しかしながら,領収 書等の写しについては収支報告書に添付して提出することが求められている一方,調査研究の活動内容を示す資料を提出すべき時期を定めた法令上の規定はなく,マニュアルにおいても,それらの資料については「整理保管」することで足りるものとされているので することが求められている一方,調査研究の活動内容を示す資料を提出すべき時期を定めた法令上の規定はなく,マニュアルにおいても,それらの資料については「整理保管」することで足りるものとされているのであるから,前記各資料が住民監査請求の段階になった後に提出されたからといって,そのことのみによ って本件各支出の本件使途基準適合性が疑われるものではない。 ウ原告は,調査委託の結果提出された成果物の一部について既存の成果物を転記するなどした著作権法違反があることをもって,本件各支出が本件使途基準に適合しないことを基礎付ける事情として主張するものと解されるが,本件使途基準適合性は,当該経費が,前記の政務活動費等の制度趣 旨に合致するものか否かという観点から判断されるものであって,本件使途基準が,著作権を有する者の私法上の権利を保護するような趣旨を含んでいるとは認められないから,成果物に著作権法違反の点がみられることが,政務活動費等の本件使途基準適合性に関する判断を左右するとはいい難い(ただし,このことは,委託を受けて作成された報告書等に既存の成 果物を転記したにとどまる内容が含まれる場合に,その事実が対価の相当 性等を考慮する上での一事情となることまで否定する趣旨ではない。)。 本件各支出の本件使途基準適合性について下記各項において,認定事実は,前記前提事実並びに掲記の各証拠(主要なものを括弧内に示した趣旨である。)及び弁論の全趣旨から認定したものである。 ア本件支出1(将棋と日本文化教育のコラボレーションの可能性) 認定事実平成23年11月23日(祝日)の午前11時から午後0時30分までの間,名古屋市内のホテルの中華料理店において,Aと補助参加人ほか3名(名古屋市議 ラボレーションの可能性) 認定事実平成23年11月23日(祝日)の午前11時から午後0時30分までの間,名古屋市内のホテルの中華料理店において,Aと補助参加人ほか3名(名古屋市議会議員,愛知県一宮市議会議員,衆議院議員の代理 である秘書)とで,会食が行われ,食事代とは別に,Aに30万円が支払われた(本件支出1)。この場を設けたのは補助参加人自身であり,補助参加人から他の議員に声をかけた結果,前記の議員ないし議員秘書が集まったものである。この中で,子どもが将棋を体験することが日本文化の教育に資するとのAの考え方が披露された(特に説明用資料等は なかった。)。(以上につき,乙9の1・2,補助参加人) 判断 a 前記の会合に招かれたAが,日本を代表する棋士であることは公知の事実であるところ,特段の具体的な用件がないのに,あるいは特に旧知の仲であることもうかがわれない議員の私的な趣味や単なる飲食 のために,Aが愛知県を訪れて議員らと90分間にわたって懇談するとは考え難く,補助参加人の主張するように,前記の会合においては,主として将棋と日本文化教育の関係等について,Aからの講話やそれを踏まえての意見交換がされたものと認めるのが相当である(説明用資料等がなく,口頭で講話がされること自体が不自然とはいえないか ら,そうした資料等がないことがこの認定を左右するものではな い。)。 そして,将棋は我が国の重要な伝統文化の1つであり,教育を通じて将棋の意義等の理解を広めることは,伝統文化の継承にもつながるものであって,将棋をどのように教育に取り入れるかは県政における課題となり得るものであり,補助参加人自身も,伝統文化の振興策に つき議会で取り上げるなどしていたところである(前 継承にもつながるものであって,将棋をどのように教育に取り入れるかは県政における課題となり得るものであり,補助参加人自身も,伝統文化の振興策に つき議会で取り上げるなどしていたところである(前記1⑷)。そうすると,将棋と日本文化教育との関係に関し,Aとの間で意見交換等を行うことは,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b また,対価についてみても,著名人であるAが,少人数を相手にし て1時間以上にわたり講話をしたり質問を受けたりすることを考えれば,30万円という対価が不相当に高額であるとは認められない。 c したがって,本件支出1は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出1が本件使途基準に適合しないこと を認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出1が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 イ本件支出2(東日本大震災現地被害調査・愛知県防災対策への提案) 認定事実a⒜ 補助参加人は,平成23年6月頃,当時,国際交流団体での仕事 などをしていたBに対し,被災地域におけるボランティア活動と並行して行う前提で,調査期間を同月から11月までの間における2か月間程度,対価を80~90万円(交通費・宿泊費を含む。)として,宮城県・福島県における東日本大震災の被災状況に関する調査を委託した。補助参加人が自ら現地に赴くことをしなかったのは, 議員の活動の傍らまとまった期間を調査に充てることが難しかった ためである。(乙10の1,補助参加人)調査報告会(ただし,公開のものではなく,委託を受けた者が補助参加人に口頭で説明をす まった期間を調査に充てることが難しかった ためである。(乙10の1,補助参加人)調査報告会(ただし,公開のものではなく,委託を受けた者が補助参加人に口頭で説明をする場である。以下,特記しない限り同様である。)としては,5回程度が想定されていた。(乙10の1,証人B,補助参加人) ⒝ 前記⒜の委託に基づき,平成24年3月に作成された調査報告書(特に公表が予定されたものではなかった。以下,調査報告書については,特記しない限り同様である。)は,東日本大震災の被害の状況及び愛知県の防災対策のための提案を内容とするものである。 前記の報告書は,合計325頁に上り,Bが撮影した写真も相当数 織り交ぜられ,Bが現地で被災者から聞いた,避難生活上の悩み等に関する話なども記載されていた。もっとも,そのうち約300頁は,他の文献やインターネット上の文書の内容を転記したものであった。(甲40~74,乙10の2,証人B,弁論の全趣旨)⒞ Bは,補助参加人の了解も得た上で,追加の調査も行ったため, 調査は,予定より長引き,平成24年2月まで行われた(実際に調査に充てられた日数は77日間であった。)。 このことに加えて,東日本大震災直後の時期に宿泊先を確保することが難しく,Bにおいて宿泊料が高額のホテルに宿泊せざるを得ない場合もあったため,実際に補助参加人からBに支払われた対価 は150万円であった(本件支出2)。(以上につき,乙10の3,証人B,補助参加人)b 補足説明原告は,委託書に記載された委託日付が,委託月までの記載しかなく,しかも領収書に記載された委託日付と一致しておらず,不自然で あって,支出の事実自体に疑義がある旨指摘する。確かに,領収書 明原告は,委託書に記載された委託日付が,委託月までの記載しかなく,しかも領収書に記載された委託日付と一致しておらず,不自然で あって,支出の事実自体に疑義がある旨指摘する。確かに,領収書整 理票(乙10の3)では依頼日が平成23年5月31日となっているのに対し,補助参加人からBに宛てた東日本大震災被災地調査委託書(乙10の1)には「平成23年6月」との記載がされている事実は認められる。しかしながら,調査を口頭などで事実上依頼した後に正式に委託する書面を出すことは十分にあり得ることであるし,本件に おいて,委託された日が何日であるかに何らかの重要な意味があることもうかがわれない。これらのことからすれば,委託書に月までの記載しかなく日の記載がないことをもって不自然であるとまではいえない。したがって,原告の指摘により,支出の事実自体に疑義が差し挟まれるべきこととはならない。 判断 a 東日本大震災の被災状況の調査を行うことは,同様の震災が愛知県において生じた際の留意点を検討する上で有益と考えられる上,補助参加人は,震災対策に関する発言等を議会において行うなどして,震災対策の問題に取り組んでいたところであるから(前記1⑵),本件 支出2の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b また,対価についてみても,①調査日数が,ボランティア活動を行いながらとはいえ,77日間と当初予定された2か月程度を上回ったこと⒜,⒞),②報告書が相当大部なものであること(前 ⒝),③前述のとおり,宿泊費が高額とならざるを得なかった事情が認められることに加えて,④この種の調査委託に関する標準的な料金額がどの程度かについて確たる目安も見られないことからすれ と(前 ⒝),③前述のとおり,宿泊費が高額とならざるを得なかった事情が認められることに加えて,④この種の調査委託に関する標準的な料金額がどの程度かについて確たる目安も見られないことからすれば,調査報告会の回数や具体的内容が判然としない点を踏まえても,150万円という対価の額が不相当に高額であるとは認められない。 この点に関し,原告は,Bが作成した調査報告書の大部分が既存の 文書を転記しただけの内容であるため委託料が高額にすぎるなどと主張する。しかしながら,1つの出典の記載を機械的に転記するというのではなく,実際の現地の状況や被災者の意見等を確認した上で,これらの情報に関する記載と併せて,多数の文献やインターネット上に掲載されている文書(甲40~74,弁論の全趣旨)の内容を一定の 方針の下に1冊の資料に整理集約することには一定の意義があるとみることができるから,原告の主張をもって,前記の判断が左右されるものではない。また,Bが他にも種々の調査の委託を原告から受けているとしても,信頼関係のある同一の委託先に複数の業務を委託することは特段不自然なことではなく,そのことのみでは,対価が不相当 に高額であることが基礎付けられるとはいえない(なお,この点は,Bに対してされた各支出につき,特に断らない限り同様である。)。 c したがって,本件支出2は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出2が本件使途基準に適合しないこと を認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出2が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 ウ本件支出3(名古屋市K区地震防災アンケート調査〔800部〕) を認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出2が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 ウ本件支出3(名古屋市K区地震防災アンケート調査〔800部〕)認定事実a⒜ 補助参加人は,平成25年1月頃,Bに対し,名古屋市K区内に おける地震防災アンケート調査(想定部数800部)を委託した。 委託料金は1部当たり1000円で,原則として個別面談方式によるべきとされ,地域ごとで調査数のばらつきが出ないような留意も必要であるとされた。進捗状況の報告は,口頭で数回にわたってされるものとされた(なお,一部の新聞記事には,実施方式は,個別 面談方式ではなかったことをうかがわせる記載もある〔甲106〕 が,その記載の具体的な根拠は定かではなく,前記認定を左右するに足りない。)。(乙11の2)なお,Bは,名古屋市K区内でアンケートを実施することで,同区から選出されている補助参加人の支援をしていると受け止められることは自己の信条に反するとして,ペンネーム(L)を用いて前 記業務を行った。(乙11の1)⒝ アンケートの頭書部分には,「今回の調査は,地方自治体の実施するものではありませんが,この結果は統計的数値による報告書としてまとめ,本県の防災対策に役立てて参ります」との補助参加人名での文章が記載されていた。 アンケート本体は,16問からなり,いずれも防災問題に対する意識に関わるものであって,うち15問は多肢選択型,うち1問は自由記載型であった。(乙11の3)⒞ Bは,平成25年3月までの間に,800部のアンケートを配布・回収し,これに対応して,補助参加人は,Bに対し,80万円 を支払ったが(本件支出3),アンケート用紙は,現在,保管されてい ⒞ Bは,平成25年3月までの間に,800部のアンケートを配布・回収し,これに対応して,補助参加人は,Bに対し,80万円 を支払ったが(本件支出3),アンケート用紙は,現在,保管されていない。(乙11の4,弁論の全趣旨)⒟ 補助参加人は,平成26年春の活動報告において,平成25年2月から同年12月にかけて地震防災に関する意識調査のアンケートを実施した旨の報告とその結果概要を掲載した。(丙16,後記キ 参照)b 補足説明原告は,領収書の宛名にBのペンネームが用いられていることから本件支出3の存在に疑問がある旨主張するが,Bがペンネームを用いた動機は前記a⒜のとおりであって,その内容は了解可能なものとい えるから,この点が前記認定を左右するものではない(この点は,本 件支出7についても同様である。)。 また,前記a⒞のとおり,本件支出3に係る調査のアンケート用紙は保管されていないと認められるが,平成25年当時から相当な年月が経過していることを考えれば,集計後に実施用紙が廃棄されているとしても不自然とまではいえない(この点は,本件支出4,5及び8 についても同様である。)。 さらに,原告は,同じアンケートについて異なる委託先に委託がされていることが不自然であると主張するところ,本件支出3~5及び8の各支出に係るアンケートは異なる委託先に委託されている(前記)。しかしながら,個別面談で 多数人にアンケートを行うという事務の性質上,対象区域の地域性や住民性に通じた者に委託することは十分合理的であることからすれば,対象区域等によって委託先が異なることが不自然とはいえない(この点は,本件支出4,5及び8についても同様である。)。 判断 性に通じた者に委託することは十分合理的であることからすれば,対象区域等によって委託先が異なることが不自然とはいえない(この点は,本件支出4,5及び8についても同様である。)。 判断 a 東日本大震災から間もない時期において,地元住民の防災に関する意識調査をすることは,防災に向けた取組という県政における課題と関連しているといえるし,補助参加人が平成26年春の活動報告において本件支出3に係る調査を含む調査の結果を報告したことに照らしても,本件支出3の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動 の基礎となるものということができる。 b そして,原則として個別面談方式が採られていたとの前提であれば,1部当たり1000円という委託料金が不相当に高額であるとは認められない。 c そうすると,本件支出3は,その対象となった行為の客観的な目的, 性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないと いうことはできず,他に本件支出3が本件使途基準に適合しないことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出3が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 エ本件支出4(名古屋市K区地震防災アンケート調査〔200部〕) 認定事実 a 補助参加人は,平成25年1月頃,名古屋市K区在住のCに対し,同区内における地震防災アンケート調査(想定部数400部。アンケートの内容は,前記ウ及び後記オ・クのアンケートと同一であるが,対象地域はBに委託されたアンケートに係る対象地域とは別となっている。)を委託した。委託料金は1部当たり1000円で,原則とし て個別面談方式によるべきとされた。また,進捗状況報告は,口頭で数回にわたってされるものとされた。(乙11の3,12 別となっている。)を委託した。委託料金は1部当たり1000円で,原則とし て個別面談方式によるべきとされた。また,進捗状況報告は,口頭で数回にわたってされるものとされた。(乙11の3,12の2)bCは,平成25年3月までの間に,200部のアンケートを配布・回収し,これに対応して,補助参加人は,Cに対し,20万円を支払った(本件支出4)が,アンケート用紙は,現在,保管されていない。 (乙12の3,弁論の全趣旨) 判断 aに説示したところと同様の理由から,本件支出4の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b そして,原則として個別面談方式が採られていたとの前提であれば,1部当たり1000円という委託料金が不相当に高額であるとは認められない(このように,支払われた金員が業務に対する対価として不相当と認められない以上,本件支出4により,補助参加人がCに対して「寄附」を行ったと認めることはできないから,本件支出4につき, 公職選挙法〔以下「公選法」という。〕199条の2による寄附の禁 止に対する違反がある旨の原告の主張は,前提を欠く。)。 c そうすると,本件支出4は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出4が本件使途基準に適合しないことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出4が本件使途基 準に適合しないものであるということはできない。 オ本件支出5(名古屋市K区地震防災アンケート調査〔200部〕) 認定事実a 補助参加人は,平成25年1月頃,Dに対し,名古屋市K区内における地震防災ア きない。 オ本件支出5(名古屋市K区地震防災アンケート調査〔200部〕) 認定事実a 補助参加人は,平成25年1月頃,Dに対し,名古屋市K区内における地震防災アンケート調査(想定部数300部。アンケートの内容 は,前記ウ・エ及び後記クのアンケートと同一であるが,対象地域はB及びCに委託したものに係る対象地域とは別となっている。)を委託した。委託料金は1部1000円で,原則として個別面談方式によるべきとされた。進捗状況報告は,口頭で数回にわたってされるものとされた。(乙13の2) bDは,平成25年3月までの間に,500部のアンケートを配布・回収し,これに対応して,補助参加人は,Dに対し,50万円を支払った(本件支出5)が,アンケート用紙は,現在,保管されていない。 (乙13の3,弁論の全趣旨) 判断 aで説示したところと同様の理由から,本件支出5の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b そして,原則として個別面談方式が採られていたとの前提であれば,1部当たり1000円という委託料金が不相当に高額であるとは認め られない。 c そうすると,本件支出5は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出5が本件使途基準に適合しないことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出5が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 カ本件支出6(ヨーロッパ現地調査費〔ドイツ・オランダ・フランス〕) 認定事実a⒜ 補助参加人は,平成25年8月頃,Bに対し ものであるということはできない。 カ本件支出6(ヨーロッパ現地調査費〔ドイツ・オランダ・フランス〕) 認定事実a⒜ 補助参加人は,平成25年8月頃,Bに対し,Bのヨーロッパにおける別の仕事の合間を利用して,同年11月までの間(調査期間は2週間程度)に,①ドイツ(ベルリン)における動物愛護政策の 実際と動物保護施設の状況,②オランダにおけるIT農業政策の実際とIT農業工場の状況,③フランス(ストラスブール)における都市交通政策の実際と交通システムの状況に関する調査を委託した。 原告が前記③の事項について調査を委託したのは,名古屋市の関係部署とのやり取りから関心を持ったためであった。(乙14の1) 委託料金は,交通費・宿泊費(ただし,日本とフランス〔パリ〕の間の航空運賃を除く。)を含めて60万円程度が想定されていたところ,実際に支払われたのは73万円であった(本件支出6)。 (乙14の1・3,証人B)調査報告会は,5回程度が想定され,報告書として,調査内容が 詳細に理解できるものが提出されることが予定されていた。(乙14の1)⒝ Bは,平成25年11月,「O愛知県県会議員用欧州農業政策・犬猫の殺処分0政策・都市交通政策調査及び愛知県の政策に活かすべき資料」と題する報告書を補助参加人に提出した。同報告書 の82頁のうち,約半分の頁は,既存の文献からの転記であったが, 他の頁には,Bが現地で撮影した写真等が掲載されていた。この他,同報告書には,各インタビュー先における担当者の発言が記録されていたほか,Bによるインタビューの際に,補助参加人からの質問(前もって補助参加人がBに渡していたもの)に対する回答がされた様子も記録されていた。(甲76~88,乙14 おける担当者の発言が記録されていたほか,Bによるインタビューの際に,補助参加人からの質問(前もって補助参加人がBに渡していたもの)に対する回答がされた様子も記録されていた。(甲76~88,乙14の2,補助参加 人)b 補足説明⒜ 原告は,委託書に記載された調査料金の額と実際に支出された金額が一致しないことから調査委託や本件支出6の存在自体に疑問がある旨を主張するが,この不一致は2割程度にとどまっており,そ の程度の不一致は,実際の調査活動の内容等が当初想定されていたものとは異なったことなどから金額の調整がされたことによるものとも考えられるのであり,原告の前記主張によって調査委託や支出の事実自体に疑義が生ずることとはならない。 ⒝ また,原告は,Bのインタビューにおける質疑応答が,実際にさ れたものではなく,公表された講演資料などを基に仮装されたものにすぎない疑いがある旨主張する。 しかしながら,Bのインタビューにおける質疑応答が既存の資料を転記するなどしたものであることを裏付ける客観的な証拠は提出されておらず,他方,本件支出6に係る調査が補助参加人の委託に よるものであることからすると,補助参加人が準備した質問事項をBが現地で質問することも不合理ではなく,そのように考えることがアンケートの質疑応答の内容と齟齬するなどの事情は見当たらない(なお,インタビューの具体的な日程までは詳らかにされていないものの,現時点で日時等が完全に特定できないからといって,直 ちにインタビューの存在自体に疑義が生ずるとまではいえない。)。 これらの点に照らすと,原告の前記主張は採用することができない。 判断 a 動物愛護の問題が社会問題化している都道府県 ューの存在自体に疑義が生ずるとまではいえない。)。 これらの点に照らすと,原告の前記主張は採用することができない。 判断 a 動物愛護の問題が社会問題化している都道府県は少なくなく,動物愛護政策は県政における課題となり得る上,補助参加人は,動物愛護政策に関する質問等を議会において行っており(前記1⑸),動物愛 護の問題についての調査を行うことは,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。IT農業や都市交通の問題は,農業政策や都市計画に関連する事項として,県政における課題となり得るから,これらの調査を併せて行ったことについても,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b また,対価についてみても,①調査日数が2週間程度に及んだこと,②報告書が相当の分量であることに加えて,③この種の調査委託に関する標準的な料金額がどの程度かについて確たる目安も見られないことからすれば,調査報告会の回数や具体的内容が判然としない点を踏まえても,73万円という対価の額 が不相当に高額であるとは認められない。 この点,原告は,報告書の相当部分が既存の文献を転記しただけの内容である旨主張するが,1つの出典の内容を機械的に転記するというのではなく,現地でインタビュー等の調査を行った上で,その結果や現地で撮影した写真と共に,多数の文献やインターネット上の文書 (甲76~88,弁論の全趣旨)の内容を一定の方針の下に1冊の資料に整理集約することには一定の意義があるとみることができるから,原告の主張をもって,前記の判断が左右されるものではない。 c したがって,本件支出6は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないと 原告の主張をもって,前記の判断が左右されるものではない。 c したがって,本件支出6は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないと いうことはできず,他に本件支出6が本件使途基準に適合しないこと を認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出6が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 なお,ある新聞記事には,補助参加人が本件支出6については返還をせざるを得ないとの発言をしたという趣旨の内容が記載されている(甲105)が,この点については,補助参加人の供述によれば,飽 くまでも調査の上で必要があれば返還するという趣旨の発言がされたというのであり,このような供述内容が不合理なものともいえないから,前記新聞記事の存在をもって,結論が左右されるものではない。 キ本件支出7(K区地震防災アンケート集計・分析・報告作成料) 認定事実 a⒜ 補助参加人は,平成25年8月頃,Bに対し,本件支出3~5に係る地震防災アンケート調査結果の集計・分析・報告作成(合計1500部。ただし,最大500部の追加も想定されており,そのアンケートの追加実施〔後記ク参照〕と並行して集計等の作業が進められた。)を委託した。最終報告書は,愛知県や名古屋市の防災関 係部局に提出できるものとする想定がされていた。委託料金は,集計部数が1500部であることを前提として50万円程度とされ,中間報告は,口頭で,あるいは中間集計資料を用いて,3,4回にわたってされるものとされた。(乙15の2,補助参加人)なお,Bは,名古屋市K区内でアンケートを実施することで,同 区から選出されている補助参加人の支援をしていると受け止められるこ 4回にわたってされるものとされた。(乙15の2,補助参加人)なお,Bは,名古屋市K区内でアンケートを実施することで,同 区から選出されている補助参加人の支援をしていると受け止められることは自己の信条に反するとして,ペンネーム(L)を用いて前記アンケート調査を行った。(乙15の1)⒝ Bは,追加で実施された500部を含む合計2000部のアンケート結果について,平成25年12月頃までに,「地震防災に関す る名古屋市K区意識調査アンケート報告書」を作成した。報告書は 92頁にわたるもので,①回答者の属性や回答結果につき,4つの地区ごとあるいは年齢層ごとに回答等の分布を棒グラフの形で整理したもの,②自由回答につき,地域ごとで項目別に列挙し,どの年代・性別の者の何名から出された意見かを括弧内に掲記したものであった。(乙15の2,3,弁論の全趣旨) この報告書に掲載されたグラフや自由記載欄の意見等の一部は,補助参加人の平成26年春の活動報告に掲載された。また,補助参加人は,集計等の結果を愛知県防災局にも情報提供するなどした。 (丙16,補助参加人)⒞ 補助参加人は,前記⒝の報告に関し,Bに対し,68万円を支払 った(本件支出7)。(乙15の4)b 補足説明弁論の全趣旨によれば,補助参加人は,委託書(乙15の2)やアンケート報告書(乙15の3)については,収支報告をした際には提出しておらず,住民監査請求の段階になった後に提出したものと認め られるが,前記各資料の提出が住民監査請求の段階になった後であることによって判断が左右されるものではないことは,前記⑴イにおいて述べたとおりである。なお,報告書については,平成26年の活動報告の基ともなっている 各資料の提出が住民監査請求の段階になった後であることによって判断が左右されるものではないことは,前記⑴イにおいて述べたとおりである。なお,報告書については,平成26年の活動報告の基ともなっていると認められるから(前記a⒝),住民監査請求を受けて作成されたものとはいえないことは明らかである。 判断 a 地震防災アンケート調査結果を集計・分析する作業は,住民の防災意識を調査する上で有益であったほか,補助参加人が活動報告を行う上でも必要であったと認められるから,本件支出7の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものと いうことができる。 b そして,合計2000部にも及ぶアンケート結果につき,地区ごとあるいは年齢層ごとの回答結果の分布をグラフにまとめるなどし,自由回答欄の記載を整理する作業は一定の負担を伴うものといえる上,この種の委託に関する標準的な料金額がどの程度かについて確たる目安も見られないことからすれば,68万円が不相当に高額であるとは 認められない。 c そうすると,本件支出7は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出7が本件使途基準に適合しないことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出7が本件使途基 準に適合しないものであるということはできない。 なお,Bへの委託がされてから報告書が作成されるまでに最大4か月間の期間を要した事実が認められるが(),①委託がされた後に追加実施されたアンケートがあったこと,②合計2000部のアンケートの集計が必要となったこと,③集計・分析の結果をまとめ た報告書も100頁近くに及ぶことに鑑みれば,前記の期間 された後に追加実施されたアンケートがあったこと,②合計2000部のアンケートの集計が必要となったこと,③集計・分析の結果をまとめ た報告書も100頁近くに及ぶことに鑑みれば,前記の期間の長さをもって,支出の本件使途基準適合性に疑義が生ずるとはいえない。また,調査の開始から報告書の完成までに1年近くを要したとはいえ,平成25年に特に大きな地震等が起こったわけでもなく,その間に住 民の意識に有意な変化を生じさせるような事情があったこともうかがわれないから,調査が意義を持たなかったなどとはいい得ない。 ク本件支出8(K区地震防災アンケート調査・回収) 認定事実a 補助参加人は,平成25年8月頃,Eに対し,名古屋市K区内にお ける地震防災アンケート調査(想定部数500部,それまでの本件支 出3~5に係る調査で比較的回答数が少なかった地域や年齢層につき回答数を補充する趣旨のもの)を委託した。委託料金は1部当たり1000円で,原則として個別面談方式によるべきとされた。(乙11の3,16の2)bEは,平成25年12月までの間に,500部のアンケートを配 布・回収し,これに対応して,補助参加人は,Eに対し,50万円を支払ったが,アンケート用紙は,現在,保管されていない。(乙16の3,弁論の全趣旨) 判断 a 東日本大震災から間もない時期において,地元住民の防災に関する 意識について調査することは,県政における課題と関連しているといえるし,補助参加人が平成26年の活動報告において本件支出8に係る調査を含む調査の結果を報告したこと(前記キに照らしても,本件支出8の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということが 助参加人が平成26年の活動報告において本件支出8に係る調査を含む調査の結果を報告したこと(前記キに照らしても,本件支出8の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b そして,原則として個別面談方式が採られていたとの前提であれば,1部当たり1000円という委託料金が不相当に高額であるとは認められない。 c そうすると,本件支出8は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないと いうことはできず,他に本件支出8が本件使途基準に適合しないことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出8が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 ケ本件支出9(地域猫保護予備調査〔K区3学区〕) 認定事実 a 補助参加人は,平成26年1月頃,Eに対し,名古屋市内の公園に おける野良猫の存否や,飼い主のいない猫とのトラブルを防止するための「地域猫活動」に関する調査を委託した。同委託においては,調査報告会を3~4回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出する前提で,委託料金は25万円程度とされた。(乙17の2)前記委託に基づいて行われた調査は,名古屋市K区の3学区にある 3つの公園において,周辺の戸建家屋(合計38軒)の居住者,公園内の散策者(合計42名)に対して聞き取りをし,野良猫の生息状況,その世話をしている者がいるか否か,TNR活動(捕獲して不妊去勢手術を行った上で,元の場所に戻す活動)の実施の状況について確認するというものであった。この調査の報告書は,本文が,3公園分を 合わせて6頁程度のものであった。(乙17の3)b 補助参加人は,平成26年3月3 の場所に戻す活動)の実施の状況について確認するというものであった。この調査の報告書は,本文が,3公園分を 合わせて6頁程度のものであった。(乙17の3)b 補助参加人は,平成26年3月31日,Eに対し,30万円を支払った(本件支出9)。(乙17の4) 判断 a 上,補助参加人は,平成26年2月の定例議会で動物愛護政策について取り上げ(前記1⑸),活動報告においても「ペット殺処分0」といった目標を掲げており(前記1⑹),本件支出9に係る調査の後も,補助参加人が県議会議員として動物愛護関係のシンポジウムに出席するなどしていること(前記1⑸)からすれば,本件支出9の対象とな った調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる(原告は,シンポジウムへの参加が調査研究活動として正当化されるとしても,そのための知識の獲得まで正当化されるものではないなどと主張するが,議員として活動するためには,一定の専門的な知識等を習得することが前提となる場合もある以上,そうした知識 の獲得のために政務活動費を支出し得ないと解したのでは,議員が必 要な知識を習得することに支障を来し,議員の活動の基盤の充実を図るという政務活動費の趣旨に反することになるといわざるを得ない。 したがって,原告の前記主張は採用することができない。)。 b しかしながら,委託に基づいて行われた調査の内容を見ると,①聴取の範囲はせいぜい80名程度にとどまっており(),②調 査項目もそれほど複雑多岐にわたるものではなく(補助参加人自身,調査において猫に関する専門知識が必要となるわけではないことは争っていない。),現に報告書の分量も6頁程度にとどまっている(前)。また,③予定されていた 雑多岐にわたるものではなく(補助参加人自身,調査において猫に関する専門知識が必要となるわけではないことは争っていない。),現に報告書の分量も6頁程度にとどまっている(前)。また,③予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かはともかくとしても,委託の内容として,報告書は「報告会の内容 を要約」したものとされており(),調査報告会において,報告書の内容と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。以上のような調査内容,調査項目,報告書の内容及び分量等に照らすと,本件支出9の対象となった調査研究の対価として30万円は不相当に高額というほかなく,15万円を超える部分については,社会通念上 相当であると認められる範囲を上回っているというべきである(仮に80名程度に対する聴取につき1人当たり1000円,6頁の報告書の作成につき1頁当たり1万円と考えても,15万円以上にはならない。)。 以上のとおり,本件支出9のうち15万円を超える部分は,その対 象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出9は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 コ本件支出10(地域猫保護予備調査〔K区3学区〕) 認定事実 a 補助参加人は,平成26年1月頃,Fに対し,名古屋市内の公園に おける野良猫の存否や「地域猫活動」に関する調査を委託した。同委託においては,調査報告会を3~4回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出する前提で,委託料金は25万円程度とされた。(乙18の2,19の3,弁論の全趣旨)b 前記aの委託に基づいて行われた調査は,名古屋市K区の3学区に ある3つ 会の内容を要約した報告書を提出する前提で,委託料金は25万円程度とされた。(乙18の2,19の3,弁論の全趣旨)b 前記aの委託に基づいて行われた調査は,名古屋市K区の3学区に ある3つの公園(本件支出9に係る調査における3つの公園とは別である。)において,周辺の戸建家屋(合計32軒)の居住者,公園内の散策者(合計33名)に対して聞き取りをし,野良猫の生息状況,その世話をしている者がいるか否か,TNR活動の実施の状況について確認するというものであった。この調査に係る報告書は,本文が, 3公園分を合わせて6頁程度のものであった。(乙18の3)c 補助参加人は,平成26年3月6日,Fに対し,30万円を支払った(本件支出10)。(乙18の4) 判断 a 本件支出10の対象となった調査研究が,補助参加人の議会活動の 基礎となるものといえることは,本件支出9について説示したところと同様である。 b しかしながら,委託に基づいて行われた調査の内容を見ると,①聴取の範囲はせいぜい65名程度にとどまっており(),②調査項目もそれほど複雑多岐にわたるものではなく(補助参加人自身, 調査において猫に関する専門知識が必要となるわけではないことは争っていない。),現に報告書の分量も6頁程度にとどまっている(前)。また,③予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かはともかくとしても,委託の内容として,報告書は,「報告会の内容を要約」したものとされており,調査報告会において,報告書の内 容と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。以上のような 調査内容,調査項目,報告書の内容及び分量等の事情に照らすと,本件支出10の対象となった調査研究の対価として30万円は不相 と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。以上のような 調査内容,調査項目,報告書の内容及び分量等の事情に照らすと,本件支出10の対象となった調査研究の対価として30万円は不相当に高額というほかなく,13万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである(なお,仮に65名程度への聴取につき1人当たり1000円,6頁の報告書 につき1頁当たり1万円と考えても,13万円以上にはならない。)。 以上のとおり,本件支出10のうち13万円を超える部分は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出10は本件使途基準に適合しない違法なものというべきであ る。 なお,仮に本件支出10が公選法199条の2に反してされた寄附に該当する余地があるとしても,それは,委託の対価として不相当と解される13万円を超える部分に限られ,不相当とはいえない13万円については,補助参加人がFに対して「寄附」を行ったと認めるこ とはできないから,同部分につき,公選法199条の2による寄附の禁止に対する違反がある旨の原告の主張は,前提を欠く。 サ本件支出11(生活保護受給実態調査) 認定事実a 補助参加人は,平成26年4月頃,Fに対し,F自身が生活保護受 給者となった経緯や苦労,生活保護制度についての感想などをまとめるように委託した。同委託においては,報告会を1,2回行うものとされ,報告会での資料を要約した調査報告書を提出する前提で,委託料金は5万円程度とされた。(乙19の2)bFは,平成26年5月,前記aの委託に基づき,「生活保護受給実 態 2回行うものとされ,報告会での資料を要約した調査報告書を提出する前提で,委託料金は5万円程度とされた。(乙19の2)bFは,平成26年5月,前記aの委託に基づき,「生活保護受給実 態調査報告書」を作成した。同報告書は,本文4頁にわたるもので, Fが①生活保護を受給するに至った背景,②生活保護に係る申請が認められるまでに住居・資産・多重債務の解消等に関する問題で苦労した点,③生活保護を受給してからの感想(蓄えができず意欲が薄れる,医療扶助を受けられて助かっているなど)を内容とするものであった。 (乙19の3,補助参加人) c 補助参加人は,平成26年4月30日及び同年5月31日,Fに対し,それぞれ3万円(合計6万円)を支払った(本件支出11)。 (乙19の4) 判断 a 生活保護受給者の生活実態の把握は,住民に対する福祉の在り方に 関わる問題として,県政における課題となり得るものであるから,本件支出11の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものであるということができる。 b しかしながら,①Fが作成した報告書の内容は,生活保護の受給者であるFが自身の体験や感想をまとめただけの内容であり,分量も4 頁程度であって,②予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かはともかくとしても,委託の内容として,報告書は,「報告会での資料を要約」したものとされ,調査報告会において,報告書の内容と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。このような報告の内容,分量等に照らすと,本件支出11の 対象となった調査研究に対する相当な対価は,Fに対する謝礼の範囲を超えるものではないというべきであり,対価として6万円という金額は不相当に高額というほかなく,少なくとも2 と,本件支出11の 対象となった調査研究に対する相当な対価は,Fに対する謝礼の範囲を超えるものではないというべきであり,対価として6万円という金額は不相当に高額というほかなく,少なくとも2分の1に相当する3万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 以上のとおり,本件支出11のうち3万円を超える部分は,その対 象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出11は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 なお,仮にFに対する支出が公選法199条の2に反してされた寄附に該当する余地があるとしても,それは,対価として不相当と解さ れる3万円を超える部分に限られ,対価として不相当とはいえない3万円については,補助参加人がFに対して「寄附」を行ったと認めることはできないから,同部分につき,公選法199条の2による寄附の禁止に対する違反がある旨の原告の主張は,前提を欠く。 シ本件支出12・13(NPO設立手続問題調査及びNPO運営・認定問 題調査) 認定事実a 補助参加人は,自身の実兄であり行政書士であるGが経営するP(東京都所在)に対し,①平成26年4月頃,東京においてNPO法人の設立手続に困難が伴う理由と問題の実態・解決策についての調査 を委託し,②同年5月頃,東京におけるNPO法人の運営に関する問題と解決策,NPO法人が認定を得ることの困難さについての調査を委託した。いずれについても,調査報告会を3~4回行うものとされ,報告会での資料を要約した報告書を提出する前提で,委託料金は各30万円程度(東京・名古屋間の交通費を 得ることの困難さについての調査を委託した。いずれについても,調査報告会を3~4回行うものとされ,報告会での資料を要約した報告書を提出する前提で,委託料金は各30万円程度(東京・名古屋間の交通費を含む。)とされた。(乙20 の1,21の1)bPは,前記a①の委託に基づき,平成26年5月,「NPO設立手続問題調査報告書」を作成した。同報告書は,本文12頁強にわたるもので,特定非営利活動促進法の目的,NPO法人設立の利点,設立時の問題(分野設定,組織等に関する要件)などにつき一般的な記述 があるほか,Gの知人の行政書士に聞いて分かった問題点(設立に時 間が掛かりすぎるなど)を記載し,各項目につき数行程度,解決策の提案を盛り込んでいるものであった。(乙20の2)補助参加人は,同年5月7日及び同月31日,PないしGに対し,それぞれ15万円(合計30万円)を支払った(本件支出12)。 (乙20の3) cPは,前記a②の委託に基づき,平成26年7月,「NPO運営・認定問題調査報告書」を作成した。同報告書は,本文10頁強にわたるもので,NPO法人に関する法規制,運営上の諸問題(活動の制約等)などにつき一般的な記述があるほか,Gの知人の行政書士に聞いて分かった問題点(組織として機敏な動きができないなど)を記載し, 各項目につき数行程度,解決策の提案を盛り込んでいるものであった。 そして,その末尾においては,全国レベルでのNPO法人の活動状況の実態調査結果が半頁程度紹介されていた。(乙21の2)補助参加人は,同年6月16日及び同年7月14日,PないしGに対し,それぞれ15万円(合計30万円)を支払った(本件支出1 3)。(乙21の3) 判断 aNPO法人は, 参加人は,同年6月16日及び同年7月14日,PないしGに対し,それぞれ15万円(合計30万円)を支払った(本件支出1 3)。(乙21の3) 判断 aNPO法人は,保険,医療又は福祉の増進を図る活動,社会教育の推進を図る活動等の活動で,不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的とするものを行う組織であり(特定非営利活動促進法2 条),その設立を円滑化することは,住民の自由な社会貢献活動の発展を促進する重要な手段となり得るため,県政における課題となり得る上,補助参加人自身も,過去にNPO法人の問題を議会等で取り上げたことがあるのであるから(前記1⑵,⑶),本件支出12及び13の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるも のであるということができる。 b しかしながら,前記b,cの報告書の内容をみると,NPO法人の設立に関する一般的な問題状況についての記述がその相当部分を占めており,知人から事情を聞き取った部分や各項目ごとの若干の提案にわたる部分を含めても本文10頁強の分量であり(),行政書士の資格を有するGにおいて,作成するのに多大な労力を要す るものとは認め難い。また,予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かはともかくとしても,委託書の内容として,報告書は,「報告会での資料を要約」したものとされており(),調査報告会において,報告書の内容と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。 以上の点に加えて,旧行政書士報酬額表(甲113)によれば,行政書士の作成する考案を要する文書に関する標準的な報酬が1頁当たり約1500円とされており,特に考案を要する文書であっても1頁当たり約3800円とされていること 書士報酬額表(甲113)によれば,行政書士の作成する考案を要する文書に関する標準的な報酬が1頁当たり約1500円とされており,特に考案を要する文書であっても1頁当たり約3800円とされていることも併せて考慮すれば,前記の報告書作成自体の対価として1頁当たり5000円を超える部分は相当 性を欠くといわざるを得ない。 そうすると,本件支出12及び13の対象となった調査研究については,①本件支出12の対象となった調査研究の報告書作成自体に関しては6万5000円(5000円×13頁)を,本件支出13の対象となった調査研究の報告書作成自体に関しては5万5000円(5 000円×11頁)をそれぞれ超える部分は相当性を欠くというべきであり,②調査報告会数回分のための東京・名古屋間の往復の交通費(前述した報告書の分量も考慮して最大3回と想定した上で,往復の新幹線代を最大限斟酌しても,9万円前後にとどまると考えられる。)を考慮しても,それぞれ30万円という対価は不相当に高額というほ かなく,少なくとも,本件支出12について15万5000円を超え る部分,本件支出13について14万5000円を超える部分に関しては,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 以上のとおり,本件支出12については15万5000円を,本件支出13については14万5000円をそれぞれ超える部分は,その 対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出12及び13は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 ス本件支出14(名古屋市動物愛護団体調査) 認定事実a⒜ 補助参加 おいて,本件支出12及び13は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 ス本件支出14(名古屋市動物愛護団体調査) 認定事実a⒜ 補助参加人は,平成26年5月頃,Hに対し,名古屋市内に本拠を置く動物愛護団体に関する情報をできるだけ詳しく調査することを委託した。同委託においては,調査報告会を3~4回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出する前提で,委託料金 は25万円程度とされた。(乙22の2)⒝ Hは,前記⒜の委託に基づき,平成26年8月,「名古屋市動物愛護団体調査報告書」を作成したところ,同報告書は,本文6頁にわたるもので,8つの団体につき,それぞれの柱となる活動や設立の理念などが記載されているが,その分量は,1つの団体につき, 短いもので数行,長いもので1頁半程度である。 なお,同報告書の冒頭で「個人情報に関する内容も多いので,これに関しては別の機会にまとめて報告する」とされているが,別途文書による報告がされた事実は認められない。(乙22の3,弁論の全趣旨) ⒞ 補助参加人は,平成26年6月25日及び同年8月7日,Hに対 し,それぞれ15万円(合計30万円)を支払った(本件支出14)。(乙22の4)b 補足説明原告は,Hに対して委託料が4回に分けて支払われたことが不自然であり,Hに対する委託の事実や本件支出14が存在しない旨主張す るところ,これは,本件支出14及び15を合わせて4回に分けて支出がされている点を問題とするものと解される。しかしながら,後に説示するとおり,本件支出15は,本件支出14に係る調査の結果を踏まえて追加された別個の調査に関するものであるから,支出 4回に分けて支出がされている点を問題とするものと解される。しかしながら,後に説示するとおり,本件支出15は,本件支出14に係る調査の結果を踏まえて追加された別個の調査に関するものであるから,支出の時期が分かれていることに特段不自然な点があるとまではいえない。 判断 a動物愛護政策は県政における課題となり得る上,補助参加人は,平成26年2月の定例議会で動物愛護政策について取り上げ(前記1⑸),活動報告においても「ペット殺処分0」といった目標を掲げているところでもあるから(前記1⑹),本件支出 14の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものであるということができる。 なお,原告は,補助参加人が,本件支出14の対象となった調査研究の報告書に含まれる情報を,本件支出14に係る調査と関係なくあらかじめ把握していた旨主張するが,これを認めるに足りる証拠はな い(補助参加人は,同月の質疑において,特定の動物愛護団体や個人を1年間追跡してきた旨を発言している〔前記1⑸〕が,その団体・個人の名前や数等は明らかでなく,この発言を踏まえても,本件支出14に関して調査された団体等について補助参加人がこの時点で既に把握していたとまでは認められない。)。 b しかしながら,本件支出14の対象となった調査研究の報告書の内 容は,8つの動物愛護団体の概要につき6頁程度で紹介したものにとどまる()。そして,これ以外に団体の構成員の個人情報に関わるような事項が口頭で報告されたことがうかがわれるものの,①補助参加人が,後述する本件支出15の対象となった調査研究を委託する文書において,「各団体の細かな活動記 録は,どうしても同様な内容となり,まとめる意味が薄いと考えられる。」と れるものの,①補助参加人が,後述する本件支出15の対象となった調査研究を委託する文書において,「各団体の細かな活動記 録は,どうしても同様な内容となり,まとめる意味が薄いと考えられる。」といった指摘をしていること(乙23の2),②Hによる口頭報告の内容が,最終的に報告書に何らかの形で反映されている形跡がないことからすると,Hから口頭で報告された内容が補助参加人の議会活動に有益な情報を含んでいたとは認め難く,その口頭報告の内容 を,委託の対価を考慮する上で重要視することはできない。そうすると,本件支出14の対象となった調査研究の対価については,主として作成された報告書の内容を基礎とすべきであるところ,報告書作成における情報収集自体に要した労力の点を最大限斟酌しても,対価として30万円は不相当に高額というほかなく,少なくとも2分の1に 相当する15万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 以上のとおり,本件支出14のうち15万円を超える部分は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において, 本件支出14は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 なお,仮にHに対する支出が公選法199条の2に反してされた寄附に該当する余地があるとしても,それは,委託の対価として不相当と解される15万円を超える部分に限られ,不相当といえない15万 円については,補助参加人がHに対して「寄附」を行ったと認めるこ とはできないから,同部分につき,公選法199条の2による寄附の禁止に対する違反がある旨の原告の主張は,前提を欠く。 セ本件支出15(名古屋市動物 対して「寄附」を行ったと認めるこ とはできないから,同部分につき,公選法199条の2による寄附の禁止に対する違反がある旨の原告の主張は,前提を欠く。 セ本件支出15(名古屋市動物愛護団体活動調査) 認定事実a 補助参加人は,平成26年9月頃,Hに対し,本件支出14の対象 となった調査研究で取り上げられた各動物愛護団体の個別の活動記録は同様な内容となるためまとめる意味が薄いとして,各団体に共通した活動の内容・特徴などを詳細にまとめることを委託した。同委託においては,調査報告会を3~4回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出する前提で,委託料金は25万円程度とされた。 (乙23の2)bHは,前記aの委託に基づき,平成26年11月,「名古屋市動物愛護団体活動調査報告書」を作成したが,同報告書は,本文4頁にわたるもので,一般的な団体の活動について紹介がされている。(乙23の3) c 補助参加人は,平成26年11月1日及び同年12月1日,Hに対し,それぞれ15万円(合計30万円)を支払った(本件支出15)。 (乙23の4) 判断 a 本件支出15の対象となった調査研究は,本件支出14の対象とな った調査研究を補充する趣旨で行われたものと認められるから,本件支出15の対象となった調査研究についても,本件支出14に関して説示したところと同様の理由により,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b しかしながら,本件支出15の対象となった調査研究は,本件支出 14の対象となった調査研究で取り上げられた8つの動物愛護団体に 共通している活動や特徴についてまとめるものにa),既に収集済みの情報の共通項を括り出せば足りるので ,本件支出 14の対象となった調査研究で取り上げられた8つの動物愛護団体に 共通している活動や特徴についてまとめるものにa),既に収集済みの情報の共通項を括り出せば足りるのであって,新たな情報収集を要するものではないと認められる。また,予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かはともかくとしても,委託書の内容として,報告書は,「報告会での資料を要約」したものとさ れており,調査報告会において,報告書の内容と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。これらを前提とすれば,本件支出15の対象となった調査研究の対価については,作成された報告書の内容を基礎として算定するのが相当であり,既に収集済みの情報の共通事項を抽出して整理するという作業内容に照らすと,その額は,報告書 1頁当たり1万円を大きく上回ることはないというべきである。そうすると,報告書の分量が4頁であることを考慮し,少なくとも5万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 以上のとおり,本件支出15のうち5万円を超える部分は,その対 象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出15は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 なお,仮にHに対する支出が公選法199条の2に反してされた寄附に該当する余地があるとしても,それは,委託の対価として不相当 と解される5万円を超える部分に限られるのであるから,不相当といえない5万円については,補助参加人がHに対して「寄附」を行ったと認めることはできず,同部分につき,公選法199条の2による寄附の禁止に対する違反がある旨の原告の主張は,前 のであるから,不相当といえない5万円については,補助参加人がHに対して「寄附」を行ったと認めることはできず,同部分につき,公選法199条の2による寄附の禁止に対する違反がある旨の原告の主張は,前提を欠く。 ソ本件支出16(愛知県動物愛護団体調査) 認定事実 a 補助参加人は,平成26年5月頃,Bに対し,名古屋市内の動物愛護団体の調査は別に実施するとした上で(前記ス・セ参照),愛知県内(名古屋市以外)に所在する動物愛護団体に関し,現地調査や地方自治体からの情報を基に活動実態を報告するよう委託した(補助参加人は,Hにおいて名古屋市と愛知県の両方について調査することは難 しいとのことであったため,愛知県についてはBに委託することとした。)。同委託においては,調査報告会は3~4回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出するという前提で,委託料金は30万円程度とされた。(乙24の2,補助参加人)bBは,前記aの委託に基づき,平成26年10月,「愛知県動物愛 護団体調査報告書」を作成したが,同報告書は,本文9頁にわたるもので,団体ごとに,既存の説明文や会計報告等(各団体に依頼して入手したものを含む。)の全部又は一部を組み合わせて1頁にまとめるなどしたものであった。(乙24の3,証人B)c 補助参加人は,平成26年6月30日,同年8月11日及び同年1 0月15日,Bに対し,それぞれ25万円,10万円,10万円(合計45万円)を支払った(本件支出16)。(乙24の4) 判断 a 本件支出16の対象となった調査研究は,動物愛護団体の活動実態を調査するものであり,対象範囲は本件支出14及び15に係る調査 と異なっているものの,その趣旨は前記各調査と同 判断 a 本件支出16の対象となった調査研究は,動物愛護団体の活動実態を調査するものであり,対象範囲は本件支出14及び15に係る調査 と異なっているものの,その趣旨は前記各調査と同様に愛知県における動物愛護政策を検討する基礎資料の収集にあると認められるから,本件支出14及び15について述べたのと同様の理由から,本件支出16の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b そして,本件支出16に係る調査の報告書の内容は,団体ごとに, 関連する各種の情報を一定の方針で取捨選択し1頁に集約して一覧できるようにされており,重要な情報のみを迅速に取得することができるなどの点で一定の意義があるものと考えられる上,対象地域で動物愛護の活動をする者は個人単位で活動している者が多く(補助参加人,弁論の全趣旨),種々の情報収集に一定の困難が伴ったものと推認さ れるから,当初予定されていた30万円の委託料が不相当に高額であるとは認められない。 もっとも,追加で支払われた15万円については,本件全証拠によっても,これを支払うべき合理的な理由は見いだせない。この点,Bは,証人尋問において,調査期間が延びたり,作業のやり直しが発生 したりした旨を述べるが,その具体的内容や最終的な調査結果との結び付きは定かでなく,この供述は,前記の判断を覆すに足りるものではない。また,Bが,個人単位で動物愛護の活動をしている者から取得した情報を報告書とは別に補助参加人に報告しているとしても,その報告内容は,報告書に反映されていないものであり,補助参加人が 議員として活動するに当たって有益となり得る性質のものであったとは認め難いから,このような報告があったことを委託の対価の も,その報告内容は,報告書に反映されていないものであり,補助参加人が 議員として活動するに当たって有益となり得る性質のものであったとは認め難いから,このような報告があったことを委託の対価の考慮において重要視することはできない。 以上のことからすれば,本件支出16の対象となった調査研究の対価として,当初予定されていた30万円を超える部分(15万円)に ついては,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。したがって,本件支出16のうち30万円を超える部分は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出16は本件使途基準に適合しない違法なものと いうべきである。 タ本件支出17(環境省動物愛護政策調査) 認定事実a 補助参加人は,平成26年7月頃,Bに対し,環境省の動物愛護政策が変更された点や変更の経緯につき調査を委託した。同委託においては,調査報告会は1~2回行うものとされ,報告会の内容を要約し た報告書を提出するという前提で,委託料金は10万円程度とされた。 (乙25の2)bBは,前記aの委託に基づき,平成26年8月,「環境省動物愛護政策調査報告書」を作成したが,同報告書は,本文6頁にわたるものであり,大要,動物の愛護及び管理に関する法律の改正点,人と動物 が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト,「ペット殺処分0」に向けた取組の特徴などについて報告したものであった。もっとも,報告書のうち4頁程度は,環境省のホームページなど,環境省作成に係る文書(甲89~91)の一部を転記したものであった。(乙25の3,弁論の全趣旨) c 補助参加人 ものであった。もっとも,報告書のうち4頁程度は,環境省のホームページなど,環境省作成に係る文書(甲89~91)の一部を転記したものであった。(乙25の3,弁論の全趣旨) c 補助参加人は,平成26年9月4日,Bに対し,15万円を支払った(本件支出17)。(乙25の4)d 補助参加人は,前記bの報告書が作成された後,動物愛護政策の関係で環境省を訪問した。(補助参加人,弁論の全趣旨) 判断 a 動物愛護の問題が社会問題化している都道府県は少なくなく,動物愛護政策は県政における課題となり得る上,補助参加人は,平成26年2月の定例議会で動物愛護政策について取り上げ(前記1⑸),活動報告においても「ペット殺処分0」といった目標を掲げている(前記1⑹)。また,補助参加人は,本件支出17に係る調査の報告書を 環境省訪問の際の資料と これらの点に照らすと,本件支出17の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b しかしながら,Bが作成した報告書の約3分の2(6頁のうち4頁程度)は,環境省が作成した資料の一部を転記しただけのものであり(),その余の部分についても,動物愛護に関する一般的な 内容の域を出ているものとは認め難く(),Bが独自のノウハウ等を用いて調査等をしなければ記載し得ない内容ということはできない。この点に加えて,報告書の分量が本文6頁にとどまること,既存の資料を1つの文書に整理集約した場合の便宜等を最大限斟酌しても,本件支出17の対象となった調 査研究の対価として,15万円は不相当に高額というほかなく,少なくとも3分の1に相当する5万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 査研究の対価として,15万円は不相当に高額というほかなく,少なくとも3分の1に相当する5万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 以上のことからすれば,本件支出17のうち5万円を超える部分は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活 動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出17は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 なお,補助参加人は,調査報告会において,Bから,Bが環境省訪問に先立ち担当者からヒアリングした結果の報告を受けたが,特に外 部への提出義務のない報告書にはその結果を記載しなかったと主張する。しかしながら,Bに対する委託の内容として,報告書は調査報告会の内容を要約して作成するものとされているのであり,そうであるにもかかわらず,調査報告会において報告された内容が報告書に反映されていないというのは,直ちに首肯し難い。また,前記 のとおり,本件支出17に係る調査の報告書は,補助参加人が環境省 を訪問する際の資料として利用されたものであることが推認されるのであり,このような報告書の利用方法に照らせば,その報告書が外部に提出されることが予定されていないとしても,補助参加人が環境省を訪問するに際して,事前にBが担当者からヒアリングした有意な情報があれば,それを報告書に記載するのが合理的であって,あえてヒ アリングの結果を報告書に記載しないことは不自然である。したがって,補助参加人の前記主張は採用することができない。 チ本件支出18(名古屋城内野良猫実態調査) 認定事実a⒜ 補助参加人は,平成26年10月頃,Bに対し,名古屋城内の野 って,補助参加人の前記主張は採用することができない。 チ本件支出18(名古屋城内野良猫実態調査) 認定事実a⒜ 補助参加人は,平成26年10月頃,Bに対し,名古屋城内の野 良猫の実態に関する調査(餌を求める野良猫の増加が事実であるか否かなどに関するもの)を委託した。同委託においては,調査報告会は2~3回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出するという前提で,委託料金は20万円程度とされた。(乙26の2) ⒝ Bは,前記⒜の委託に基づき,平成26年10月の8日間,朝から夕刻まで調査を行い,同年12月,「名古屋城内野良猫実態調査報告書」を作成した。同報告書は,本文14頁にわたるもので,調査時に撮影された写真(同年10月11日・25日撮影に係るもの)が掲載されていた。当該写真のほかは,名古屋城内で働いている2 1名から野良猫の生活実態について聴取した情報が箇条書き的に紹介され,更に一般社団法人名古屋城振興協会に電話で聴取をした結果が紹介されるなどし,最後にB自身の感想が数行述べられていた。 (乙26の3,証人B)⒞ 補助参加人は,平成26年12月5日及び同月21日,Bに対し, それぞれ15万円,10万円(合計25万円)を支払った(本件支 出18)。(乙26の4)b 補足説明原告は,特定の日に撮影された写真のみが掲載されていることから,実際に8日間にわたってBによる調査がされた事実自体を争う。 しかしながら,前記a⒝に認定した報告書の記載内容からすれば,B が8日間にわたり調査をした旨のBの証言が不自然,不合理なものであるとまではいえず,他方,前記報告書には特定の日に撮影された写真しか掲載されていないものの,それは報告に 記載内容からすれば,B が8日間にわたり調査をした旨のBの証言が不自然,不合理なものであるとまではいえず,他方,前記報告書には特定の日に撮影された写真しか掲載されていないものの,それは報告に当たって有意な写真が取捨選択された結果とみる余地もあるのであって,報告書に特定の日に撮影された写真のみが掲載されていることをもって,直ちに8日間 にわたり調査をした旨のBの証言が信用性に欠けるということはできない。 判断 a 本件支出18の対象となった調査研究は,動物愛護政策に関する基礎調査であると認められるところ(前記a⒜,⒝),本件支出17の 対象となった調査研究について説示したところと同様の理由から,本件支出18の対象となった調査研究についても,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b そして,Bが8日間にわたって,相当時間,名古屋城内の観察や聞き取り等に従事したことからすれば,調査報告会の回数や具体的内容 が判然としない点を踏まえても,本件支出18の対象となった調査研究の対価として,25万円が不相当に高額であるとは認められない。 c したがって,本件支出18は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出18が本件使途基準に適合しな いことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出18が本 件使途基準に適合しないものであるということはできない。 ツ本件支出19(オーストラリア観光政策調査) 認定事実a 補助参加人は,平成26年12月頃,Bに対し,オーストラリアにおける近年の観光政策につき調査を委託した。同委託においては,調 査報告会は2~3 ラリア観光政策調査) 認定事実a 補助参加人は,平成26年12月頃,Bに対し,オーストラリアにおける近年の観光政策につき調査を委託した。同委託においては,調 査報告会は2~3回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出するという前提で,委託料金は15万円程度とされた。(乙27の2)bBは,前記aの委託に基づき,平成27年1月,「オーストラリア観光政策調査報告書」を作成した。同報告書は,本文3頁にわたるも ので,その内容は,オーストラリアにおける観光政策に関する既存の文書(一般財団法人自治体国際化協会「オーストラリアにおける観光政策」)の一部を転記したものである。(甲94,乙27の3,弁論の全趣旨)c 補助参加人は,平成27年1月19日,Bに対し,20万円を支払 った(本件支出19)。(乙27の4) 判断 a 後に説示するとおり,平成27年4月7日におけるパース市役所の観光政策担当部局への訪問(以下「本件パース市役所訪問」という。)は,観光政策に関する調査研究活動として本件使途基準に適合するも のと認められるところ,①本件支出19の対象となった調査研究は,パース市の視察調査の数か月前という,同視察調査と近接した時期に②前記の調査研究活動は,オーストラリアにおける観光政策に関するものであり,本件パース市役所訪問により行われる調査研究活動の予備知識の収集として必要なも のであると考えられ,他方で,補助参加人において他にオーストラリ アの観光政策を調査する必要があったことをうかがわせる事情はないことに照らせば,本件支出19の対象となった調査研究は,前記の調査研究活動の事前準備としての意味を有すると認めるのが相当である。 この点に加えて,観光は,経済 必要があったことをうかがわせる事情はないことに照らせば,本件支出19の対象となった調査研究は,前記の調査研究活動の事前準備としての意味を有すると認めるのが相当である。 この点に加えて,観光は,経済波及効果が大きく,地域の活性化や雇用増大にもつながるものであって,多くの外国人が本邦を訪れている 状況に鑑み,観光政策は県政における課題となり得るものであることも併せて考慮すれば,本件支出19の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 なお,原告は,後述のパース市の視察調査そのものが補助参加人が議員を退任する直前にされたものであり,議会活動に反映しようがな いから,そのための事前準備としての意味を有する本件支出19の対象となった調査研究は本件使途基準に適合しない旨主張する。 しかしながら,議員の任期中は,議員としての資格や責務に変わりがない以上,時期を問わず同じように調査研究活動に従事できるのは当然であるし,パース市の視察調査について報告書が提出され(後記 ),視察調査の結果が県政に還元されているのであるから,単に視察調査が退任直前であるということのみで,視察調査の準備のための本件支出19が直ちに違法となるとはいえない(この点は,本件支出20についても同様である。)。 b しかしながら,本件支出19の対象となった調査研究の報告書の大 部分は,既に公表されている1つの資料の一部を転記したものにとどまり,しかも,この資料は,「オーストラリアにおける観光政策」といった題名が付されていること()等からしても,検索が困難な文書とは考え難い。また,予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かはともかくとしても,委託の内容として,報告書は, 「報告会の内容を要約」したものとされ ()等からしても,検索が困難な文書とは考え難い。また,予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かはともかくとしても,委託の内容として,報告書は, 「報告会の内容を要約」したものとされており,調査報告会において, 報告書の内容と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。これに加えて,報告書の分量が3頁程度であることも勘案すれば,既存の資料が1つの文書に簡潔に整理集約されたものが補助参加人にとって有益であるという点を最大限斟酌しても,本件支出19の対象となった調査研究の相当な対価が,報告書1頁当たり1万円を上回るとは 認められない。したがって,本件支出19の対象となった調査研究の対価として,20万円は不相当に高額というほかなく,少なくとも3万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである(Bは,証人尋問において,インターネット上の資料を転記する場合には,その内容が事実か否かの確 認をしていると証言するが,そうであるとしても,他者の作成した文章の内容を検証する作業は,同内容の文章を自ら作成する作業に比べれば,それほど大きな労力を要するものではないから,Bがインターネット上の資料の真偽を確認したとしても,この点を本件支出19の対象となった調査研究の対価の算定において重視することは相当でな い。この点は,本件支出20についても同様である。)。 以上のとおり,本件支出19のうち3万円を超える部分は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出19は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 テ本件支出20(パース市観光政策調査) 活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出19は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 テ本件支出20(パース市観光政策調査) 認定事実a 補助参加人は,平成27年1月頃,Bに対し,パース市における近年の観光政策につき調査を委託した。同委託においては,調査報告会は1~2回行うものとされ,報告会の内容を要約した報告書を提出す るという前提で,委託料金は15万円程度とされた。(乙28の2) bBは,前記aの委託に基づき,平成27年2月,「パース市観光政策調査報告書」を作成した。同報告書は,本文4頁にわたるもので,その大部分は,パース市に関係したインターネット上の文書の記載の一部を転記したものである。(甲93,94,乙28の3,弁論の全趣旨) c 補助参加人は,平成27年2月23日,Bに対し,20万円を支払った(本件支出20)。(乙28の4) 判断 a 後に説示するとおり,本件パース市役所訪問は本件使途基準に適合する調査研究活動と認められるところ,①本件支出20の対象となっ たパース市における観光政策に関する調査研究活動は,パース市の視察調査の数か月前という,同視察調査と近接した時期に行われたこと②前記の調査研究活動は,パース市における観光政策に関するものであり,本件パース市役所訪問により行われる調査研究活動の予備知識の収集として必要なものであると考えられ, 他方で,補助参加人において他にパース市の観光政策を調査する必要があったことをうかがわせる事情はないことに照らせば,本件支出20の対象となった調査研究は,前記の調査研究活動の事前準備としての意味を有すると認めるのが相当であるaのとおり,観光 策を調査する必要があったことをうかがわせる事情はないことに照らせば,本件支出20の対象となった調査研究は,前記の調査研究活動の事前準備としての意味を有すると認めるのが相当であるaのとおり,観光政策は県政における課題となり得るものであること も併せて考慮すれば,本件支出20の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 b しかしながら,本件支出20の対象となった調査研究の報告書の大部分は,インターネット上の文書の一部を転記したものにとどまり,しかも,その資料がそれほど検索の困難な文書とも認 め難い。また,予定されていた調査報告会が実際に開かれたか否かは ともかくとしても,委託の内容として,報告書は,「報告会の内容を要約」したものとされており,調査報告会において,報告書の内容と別途の情報提供等がされたことはうかがわれない。そうすると,既存の資料が1つの文書に簡潔に整理集約されたものが補助参加人にとって有益であるという点を最大限斟酌しても,本件支出20の対象とな った調査研究の相当な対価が,報告書1頁当たり1万円を上回るとは認められない。したがって,報告書の分量が4頁程度であることを踏まえると,本件支出20の対象となった調査研究の対価として,20万円は不相当に高額というほかなく,少なくとも4万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っている というべきである。 以上のとおり,本件支出20のうち4万円を超える部分は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出20は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 ト本 観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出20は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 ト本件支出21(パース市視察手配作業) 認定事実補助参加人は,平成27年2月頃,Bに対し,後述するパース市の視察調査に向けて,パース市の観光政策等の担当者との面会の予約,通訳の手配,交通機関やコンビニエンスストアなどの滞在中の関連情報の入 手を委託した(なお,同委託については報告書作成は要しないという前提であった。)。Bは,前記の委託された事務を,現地にいる知人を介して遂行したところ,補助参加人は,同年3月11日,Bに対し,この件に関し,15万円を支払った(本件支出21。なお,当初,委託料金の予定額は10万円程度とされていた。)。(乙29の2・3,証人B) なお,Bは,パース市以外の訪問先での面会の予約を行った事実を供 述するが,前記の委託の対象が,パース市の視察調査に関するものに限定されていることは,委託書(乙29の2)の記載内容から明らかであり,Bの供述する内容は,前記の委託とは関連しないというべきである。 判断 a 前記のとおり,観光政策は県政における課題となり得るもの であり,愛知県の観光政策の参考とする目的でパース市役所の観光政策担当部局を訪問することは,補助参加人の議会活動の基礎となる調査研究であるということができるところ,本件支出21の対象となった事務のうち,観光政策等の担当者との面会の予約及び現地での通訳の手配については,本件パース市役所訪問と直接関係すると認められ, これらの事務は,補助参加人の議会活動の基礎となる調査研究の事前準備として行われたものという 者との面会の予約及び現地での通訳の手配については,本件パース市役所訪問と直接関係すると認められ, これらの事務は,補助参加人の議会活動の基礎となる調査研究の事前準備として行われたものというべきであるから,その限度においては,本件支出21の対象となった行為は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 他方,本件支出21の対象となった行為のうち,前記以外のものは, 滞在中の関連情報の入手といった,本件パース市役所訪問と直接関係するとは認められないものであるところ,のとおり,補助参加人のパース市の視察調査が,丸一日に満たない時間で行われた環境政策担当部局への訪問を除いては,ほとんど全面的に補助参加人の議会活動の基礎となる調査研究とは認められないものであることから すれば,本件パース市役所訪問と直接関係するとは認められない行為は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということはできないというべきである。 b そして,本件支出21の対象となった事務のうち観光政策等の担当者との面会の予約や現地での通訳の手配については,通訳を職業とし 英語の語学力が相当高いBに委託することにも合理性はあるものの, 前記の事務について,通訳の手配を含めても,数箇所との連絡が必要となるにとどまると考えられる上,公的な部署との連絡がそれほど困難とは認め難く,実際の作業は現地の知人を介して行われたことも勘案すると,全体としてそれほど長時間の作業を要するものとは認め難い。そうすると,関連する諸経費を考慮しても,前記の事務に対する 対価として15万円は不相当に高額というほかなく,少なくとも1万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 以上のとおり,本件 務に対する 対価として15万円は不相当に高額というほかなく,少なくとも1万円を超える部分については,社会通念上相当であると認められる範囲を上回っているというべきである。 以上のとおり,本件支出21のうち1万円を超える部分は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合 理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出21は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 ナ本件支出22(パース市英語資料翻訳作業) 認定事実a 補助参加人は,平成27年2月頃,Bに対し,パース市の現地観光 用資料で日本語に翻訳されていないものにつき,現地から資料を入手して翻訳することを委託した。同委託においては,委託料金は,15万円程度が想定されていた。(乙30の2,補助参加人)bBは,前記aの委託に基づき,平成27年3月,「パース市英語資料翻訳作業報告書」と題する文書を補助参加人に提出したところ(本 文6頁),その内容は,現地の観光パンフレットの翻訳であり,具体的には,11の主要な観光スポットについての案内文であった。(乙30の3)なお,前記の観光スポットのうち,補助参加人が,後述のパース市の視察調査で実際に訪れたのは,少なくとも6箇所であった(ベルタ ワー,キングスパーク国立公園,パース造幣局,西オーストラリア州 立博物館・同美術館,フリーマントル港観光施設)。(乙28の5,30の3)c 補助参加人は,平成27年3月16日,Bに対し,17万円を支払った(本件支出22)。(乙30の4) 判断 本件支出22の対象となった翻訳は,観光スポットの案内の翻訳であるところ(),後述のとおり,補 月16日,Bに対し,17万円を支払った(本件支出22)。(乙30の4) 判断 本件支出22の対象となった翻訳は,観光スポットの案内の翻訳であるところ(),後述のとおり,補助参加人のパース市の視察調査が,本件パース市役所訪問を除いては,ほとんど全面的に補助参加人の議会活動の基礎となる調査研究とは認められず,私的な観光旅行というほかないものであり,前記観光スポットの案内に示された観光スポッ トの相当数を補助参加人が実際に訪れていることからすれば,その翻訳結果も,主として補助参加人の私的な観光旅行に利用されたものと認めるのが相当である(本件パース市役所訪問のためにこの翻訳結果が必要であったことを認めるに足りる証拠はない。)。 以上によれば,本件支出22の対象となった事務は,その客観的な目 的,性質等に照らして,補助参加人の議員の活動と合理的関連性を有しないものであり,本件支出22は,本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 ニ本件支出23(愛知県将棋文化振興策研究) 認定事実 a 補助参加人は,平成26年7月頃,Iに対し,「愛知県の将棋文化の振興に長年尽力された立場から」,近年の将棋文化への理解の深まりを研究し,愛知県への提案をするように委託した。同委託においては,委託料金は10万円程度とされた。(乙31の2)bIは,前記aの委託に基づき,平成26年9月,「愛知県将棋文化 振興策研究報告書」を作成した。同報告書は,本文が4頁であり,そ の内容は,愛知県の将棋文化振興策について概説したものであって,愛知県における将棋文化発展の背景事情,将棋文化が発展するための基盤・体制に関する状況,将棋文化振興に対する各種支援の状況など の内容は,愛知県の将棋文化振興策について概説したものであって,愛知県における将棋文化発展の背景事情,将棋文化が発展するための基盤・体制に関する状況,将棋文化振興に対する各種支援の状況などに加えて,今後期待される振興策についても言及されていた。(乙31の3) c 補助参加人は,平成26年9月6日,Iに対し,10万円を支払った(本件支出23)。(乙31の4) 判断 a 将棋は,我が国の重要な伝統文化の1つであり,その振興は,伝統文化の継承にもつながるものであって,県政における課題となり得る 上,補助参加人自身も,伝統文化の振興策につき議会で取り上げるなどしていたところであるから(前記1⑷),本件支出23の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。なお,本件全証拠によっても,補助参加人が,本件支出23に係る調査結果の全部を,Iへの委託とは関係なくあらかじめ把握 していたと認めることはできない。 b また,本件支出23の対象となった調査研究の対価についても,①報告書の記載内容が単に既存の資料をそのまま転記したものであるなど,報告書の作成やそのための情報収集に特段の労力を要しないとは認め難いこと,②この種の調査委託に関する標準的な料金額がどの程 度かについて確たる目安も見られないことなどからすれば,報告書の本文が数頁のものであること()を考慮しても,本件支出23の対象となった調査研究の対価として,10万円が不相当に高額であるとは認められない。したがって,本件支出23は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関 連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出23が本 件使途基準に適 て,本件支出23は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関 連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出23が本 件使途基準に適合しないことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出23が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 ヌ本件支出24(愛知県将棋普及活動調査) 認定事実 a 補助参加人は,平成26年8月頃,Jに対し,愛知県の将棋普及活動(特に子どもに対する普及活動の工夫等)について調査報告するように委託した。同委託においては,委託料金は10万円程度とされた。 (乙32の2)bJは,前記aの委託に基づき,平成26年10月,「愛知県将棋 普及活動調査報告書」を提出した。同報告書は,本文が6頁であり,その内容は,Q将棋まつりなど,いくつかの将棋イベントにつき,コンセプトや開催時期・主催者・構成などの情報をまとめたものであった。(乙32の3)c 補助参加人は,平成26年10月9日,Jに対し,10万円を支 払った(本件支出24)。(乙32の4) 判断 a 将棋の振興は,伝統文化の継承にもつながるものであって,県政における課題となり得るものであり(前記ア,ニ参照),補助参加人自身も,伝統文化の振興策につき議会で取り上げるなどしてい たところであるから(前記1⑷),本件支出24の対象となった調査研究は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる。 なお,補助参加人が,本件支出24に係る調査結果の全部を,Jへの委託と関係なくあらかじめ把握していたと認めることはできない。 b また,本件支出24の対象となった調査研究の対価についても,① 報告書の記載内容が単に既 出24に係る調査結果の全部を,Jへの委託と関係なくあらかじめ把握していたと認めることはできない。 b また,本件支出24の対象となった調査研究の対価についても,① 報告書の記載内容が単に既存の資料をそのまま転記したものであるな ど,報告書の作成やそのための情報収集に特段の労力を要しないとは認め難いこと,②この種の調査委託に関する標準的な料金額がどの程度かについて確たる目安も見られないことなどからすれば,報告書の本文が数頁のものであること()を考慮しても,本件支出24の対象となった調査研究の対価として,10万円が不相当に高額で あるとは認められない。したがって,本件支出24は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出24が本件使途基準に適合しないことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出24が本件使途基準に適合しないものであるということ はできない。 ネ本件支出25・26(名古屋市観光政策調査・政令指定都市観光政策調査) 認定事実a 本件支出25 ⒜ 補助参加人は,平成26年11月頃,Eに対し,パース市に類似する都市の観光政策を把握する観点から,名古屋市の観光政策に関する調査を委託した。同委託においては,委託料金は15万円程度とされた。(乙33の2,補助参加人)⒝ Eは,前記⒜の委託に基づき,平成27年1月,名古屋市観光政 策調査報告書(本文4頁)を作成し,補助参加人に提出した。(乙33の3)⒞ 補助参加人は,平成27年1月15日,Eに対し,20万円を支払った(本件支出25)。(乙33の4)b 本件支出26 ⒜ 補助参加人に提出した。(乙33の3)⒞ 補助参加人は,平成27年1月15日,Eに対し,20万円を支払った(本件支出25)。(乙33の4)b 本件支出26 ⒜ 補助参加人は,平成26年12月頃,Eに対し,パース市と類似 する都市の観光政策を把握する観点から,名古屋市以外の政令指定都市が,どのように観光政策を立案し実行しているかにつき,調査を委託した。同委託においては,委託料金は20万円程度とされた。 (乙34の2,補助参加人)⒝ Eは,前記⒜の委託に基づき,平成27年2月,政令指定都市観 光政策調査報告書を作成し,補助参加人に提出した。同報告書は,本文が7頁であり,札幌市・横浜市・京都市を取り上げたものであった。(乙34の3)⒞ 補助参加人は,平成27年2月12日,Eに対し,25万円を支払った(本件支出26)。(乙34の4) 判断 補助参加人は,本件支出25及び26の対象となった調査研究がなければ,パース市において現地の担当者に日本における観光政策を説明することができなかったなどと主張する。 しかしながら,①補助参加人が,パー ス市の視察調査において,名古屋市等の観光政策につき何らかの説明をしたことは認められない上,②補助参加人がパース市役所において質問し,説明を受けた内容は,中国人観光客を誘致する方策,パース市が他の都市と比較して観光政策上工夫している点,オーストラリアにおける物価の高騰が観光客に与える影響など,オーストラリア国内ないしパー ス市内における観光政策上の一般的な課題の域を出るものでなく,これらの質問を行うために,名古屋市や主要な政令指定都市の観光政策について,一般常識に属する内容を超えて,あえて個別の都市に パー ス市内における観光政策上の一般的な課題の域を出るものでなく,これらの質問を行うために,名古屋市や主要な政令指定都市の観光政策について,一般常識に属する内容を超えて,あえて個別の都市につき別途の調査をする必要があったとは認められない(なお,補助参加人が,パース市の視察調査以前に想定していた質問や意見交換等を,実際の質疑の 場では行うことができなかったという事情もうかがわれない。)。 以上によれば,本件支出25・26の対象となった調査研究は,パース市の視察調査のために必要ないし有益であったとは認められず,その客観的な目的,性質等に照らして,補助参加人の議員の活動と合理的関連性を有しないものであり,本件支出25・26は,本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 ノ本件支出27(パース市視察調査資料整理作業) 認定事実aの視察調査に関しては,平成27年6月に補助参加人名義で報告書が作成され,愛知県に提出されたところ,同報告書は,本文50頁にわたるもので,最初にパース市に関する一般的 情報が述べられた上で,行程の順に,視察の内容・感想などが述べられ,当該視察に関する写真が貼付されていた。本件パース市役所訪問時の観光政策担当部局の担当者との質疑については,観光客の誘致等に関する補助参加人の質問と先方の回答が,一問一答のような形で約11頁(間に写真も挿入されている。)にわたりまとめられている。 また,同月9日の散策時の聞き取りについては,1人数行程度で,観光客等が述べたコメントや地元住民のパース市に関する感想などが訪問場所ごとで並べて記載されており,その分量は約5頁(間に写真も挿入されている。)である。(乙28の5)b 補助参加人は,平成27年4 客等が述べたコメントや地元住民のパース市に関する感想などが訪問場所ごとで並べて記載されており,その分量は約5頁(間に写真も挿入されている。)である。(乙28の5)b 補助参加人は,平成27年4月,前記aの報告書の作成に当たって, 現地通訳から受け取った翻訳の確認(パース市担当者との面談,観光客等へのインタビューに係る部分)などをBに委託し,同月15日,前記委託に基づく事務を行ったBに対し,9万円を支払った(本件支出27)。(乙35の2・3) 判断 本件支出27の対象となった事務は,パース市の視察調査に関する報 告書の一部(パース市担当者との面談,観光客等へのインタビューに係る部分)について翻訳確認等を行うものであるところ,観光は,経済波及効果が大きく,地域の活性化や雇用増大にもつながるものであって,多くの外国人が本邦を訪れている状況に鑑みれば,観光政策は県政における課題となり得るものであり,観光客の誘致等に関する パース市の担当者との面談,散策時における観光客等からの聞き取りも,補助参加人の議会活動の基礎となる調査研究ということができる。そうすると,前記の面談等の結果を取りまとめた報告書の翻訳部分を確認する事務についても,補助参加人の議会活動の基礎となる調査研究の一環として行われたものということができる。そして,翻訳確認の対象部分 は,報告書でいえば,16頁程度の分量に相当するため,その対価として9万円が不相当に高額であるとは認められない。 以上によれば,本件支出27は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出27が本件使途基準に適合しないこ とを認めるに足りる証拠はない。そうす なった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出27が本件使途基準に適合しないこ とを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出27が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 ハ本件支出28(パース市視察航空券代及び視察調査宿泊代) 認定事実a 補助参加人は,平成27年4月1日から同月10日まで,観光客の 誘致政策や街づくり政策に関する海外調査の名目でパース市に渡航した。そして,補助参加人は,パース市に滞在中,同月7日にパース市役所を訪問し(本件パース市役所訪問),観光政策担当部局の担当者と面談して質疑応答を行った。その質疑応答は,補助参加人から,①パース市が世界で一番美しく住みやすい都市であると評価されている ことへの所感,②中国人観光客を誘致する方策,③パース市が他の都 市と比較して観光政策上工夫している点,④オーストラリアにおける物価の高騰が観光客に与える影響,⑤パース市の今後の都市計画・開発の戦略などといった事項について簡潔に質問し,これにパース市の担当者が回答するというものであった。(乙5,28の5)一方,本件パース市役所訪問を除いては,補助参加人は,市内及び その周辺の施設を訪れるのみであったところ,具体的な訪問先等(主要なもの)は,次のとおりであった(本項における以下の日付は,いずれも平成27年4月のものを指す。)。(乙5,28の5)2日:市内無料バス,ベルタワー・ウォーターフロント地区開発工事現場,市内フリーアート・中心街 3日:クリフトン湖,キングスパーク国立公園4日:イースターパレード及び記念行事,歩行者天国の屋台・大道芸人5日 ワー・ウォーターフロント地区開発工事現場,市内フリーアート・中心街 3日:クリフトン湖,キングスパーク国立公園4日:イースターパレード及び記念行事,歩行者天国の屋台・大道芸人5日:スワンリバークルーズ,フリーマントル港観光施設6日:セントメアリーズ教会,パース造幣局,西オーストラリア州 立博物館・同美術館7日:モンガー湖,パース市議会8日:西オーストラリア州立海洋博物館・同水族館9日:パース市の推薦レストラン,市内散策(パース市の評価につき通行していた観光客等から,通訳を介して聞き取り) b 補助参加人は,訪問先としてパース市を選定した理由につき,海外からの観光客の誘致が愛知県の課題となっており,新たに観光局も設置される状況の下で,「世界一住みたい街」,「世界一美しい街」のベスト10の常連となっているパース市に注目したと説明している。(乙5,証人B) c 前記視察に係る航空券代は11万3150円,ホテル代は16万 4200円で,その合計は27万7350円であった(本件支出27)。(乙36) 判断 観光は,経済波及効果が大きく,地域の活性化や雇用増大にもつながるものであって,多くの外国人が本邦を訪れている状況に鑑みれば,観 光政策は県政における課題となり得るものであり,前記視察調査中の補助参加人の活動のうち,観光客の誘致政策や街づくりに関するパース市の担当者との面談,散策時における観光客や住民からの聞き取りについては,議会活動の基礎となるものということができる(散策に付随する形であっても,パース市民や観光客に所感を尋ねることが,およそ観光 政策を検討する上で意味がないとまではいえない。)。 しかしながら,補助参加人がパ うことができる(散策に付随する形であっても,パース市民や観光客に所感を尋ねることが,およそ観光 政策を検討する上で意味がないとまではいえない。)。 しかしながら,補助参加人がパース市役所の観光政策担当部局以外で訪問した場所は,現地のいわゆる観光スポットであるところ(乙28の5,30の3),各場所の訪問についての報告書は,現地を見分することで得られた情報やそれに関する感想が記載されているにとどまり,単 なる情報の紹介や感想の域を超えて,観光政策上の具体的な提言等をするに当たり現地を実際に訪問することが必要ないし有益であることをうかがわせる記載は見当たらない(乙28の5)。そうすると,補助参加人が,パース市の視察調査において,パース市役所の観光政策担当部局以外の場所を訪問した行為は,社会通念に照らし,私的な観光旅行の域 を出るものではなく,公費を支出して行うことが正当化されるような活動ということはできない。 以上によれば,補助参加人のパース市の視察調査については,適法な調査研究と認められる部分と私的な観光旅行と同視せざるを得ない部分とが含まれていることとなるが,交通費や宿泊費は,必ずしも具体的な 現地での視察調査そのものに要した費用ではないから,性質上,いずれ の部分に費やされたかを特定することは困難である。 そこで,マニュアルに述べられている按分の考え方をも参照し,適法な部分と違法な部分との按分をすべきところ,マニュアルにおいて按分の基準として挙げられている考え方のうち,活動に要した使用実績や面積割合に基づく按分といった考え方は,明らかに本件になじまない一方, 活動時間の割合を基準とする考え方は,おおむね費やされた時間に応じて費用が必要となるという社会 うち,活動に要した使用実績や面積割合に基づく按分といった考え方は,明らかに本件になじまない一方, 活動時間の割合を基準とする考え方は,おおむね費やされた時間に応じて費用が必要となるという社会通念にも合致した公平な考え方であるといえ,それ以上に適した按分の考え方があるとは認められない(前記第2の2⑵オ参照)。 そうすると,本件においては,活動時間の割合に基づいて按分をすべ きところ,補助参加人はパース市の市役所を訪問した平成27年4月7日にはモンガー湖の観光もしていることからすれば,同月9日の散策中の聞き取りを合わせても,適法な調査研究に充てられた時間は,10日間のうちの1日(1割)を上回ることはないものと認めるのが相当である。 以上によれば,本件支出28のうち9割に相当する24万9615円については,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有しない経費というべきであり,この限度において,本件支出28は本件使途基準に適合しない違法なものというべきである。 なお,交通費については,視察調査の一部に含まれている適法な調査研究だけがされていた場合でも同額を要するのであるから,按分することは相当でないとの考え方も論理的にはあり得るが,交通費は,飽くまで,現実に行われた現地での活動全般のために支出されたものとみるのが自然であって,実際には10日間の滞在がされた状況の下で,適法な 約1日の滞在のためにのみ交通費が充てられたと解するのはかえって不 合理といわざるを得ない。 ヒ本件支出29(M・N会長の紫綬褒章受章を祝う会の交通費〔名古屋・新神戸間,往復〕)認定事実a 補助参加人は,平成27年4月19日(日曜日) 合理といわざるを得ない。 ヒ本件支出29(M・N会長の紫綬褒章受章を祝う会の交通費〔名古屋・新神戸間,往復〕)認定事実a 補助参加人は,平成27年4月19日(日曜日),神戸市内のホテ ルで開催されたM・N会長の紫綬褒章受章を祝う会に,平成25年の名古屋市での名人戦の実行委員長を務めた県議会議員として招待を受け,これに参加したところ,往復の新幹線代として,2万3540円を支払った(本件支出29)。(乙6,37の1・3・4,丙13,17) b 補助参加人は,この機会を使って,次期名人戦の名古屋市開催の件で,N会長,AやMの常務理事と意見交換をした。(乙6,37の2,補助参加人) 判断 補助参加人は,県議会議員の立場で招待を受けた上でN会長の紫綬褒 章受章を祝う会に出席し,その場において,名人戦の名古屋市開催に関して名人や連盟の役員との意見交換を行ったものであるところ,将棋文化の振興は,県政における課題となり得る上(前記ア,ニ,ヌ参照),補助参加人自身も,伝統文化の振興策につき議会で取り上げ(前記1⑷),名人戦の実行委員長を務めるなど,将棋文化の振興に 関わっていたものであるから,前記の意見交換等は,補助参加人の議会活動の基礎となるものということができる(マニュアルにおいても,調査研究活動の一例として,識者等との意見・情報交換が挙げられている。 なお,①典型的には,「祭祀」とは神や祖先をまつることを意味し,「祭礼」も神を祭る儀式を意味している上,②マニュアルにおいては, 祭祀・祭礼とは別に,冠婚葬祭に関する費用についても言及がされてい ることからして,祭祀・祭礼について,広く「祭典」全般を意味するというような広義の用法によっていることは想定し 祭祀・祭礼とは別に,冠婚葬祭に関する費用についても言及がされてい ることからして,祭祀・祭礼について,広く「祭典」全般を意味するというような広義の用法によっていることは想定し難いところであるから,紫綬褒章受章を祝う会が,マニュアルにいう祭祀・祭礼に該当するとは認められない。また,「祝賀会」への出席に関係する費用の支出が認められていなかったのは,平成23年以前のマニ ュアルのみであるから,平成27年度の本件支出29に係る判断を左右するものではない。)。 以上によれば,本件支出29は,その対象となった行為の客観的な目的,性質等に照らして,議員の活動と合理的関連性を有する経費でないということはできず,他に本件支出29が本件使途基準に適合しないこ とを認めるに足りる証拠はない。そうすると,本件支出29が本件使途基準に適合しないものであるということはできない。 4 まとめ以上説示したところによれば,本件各支出のうち,本件使途基準に適合せず,違法と判断される部分は,次のとおりであり,その合計額は263万9615 円となる。 ①本件支出9につき,15万円②本件支出10につき,17万円③本件支出11につき,3万円④本件支出12につき,14万5000円 ⑤本件支出13につき,15万5000円⑥本件支出14につき,15万円⑦本件支出15につき,25万円⑧本件支出16につき,15万円⑨本件支出17につき,10万円 ⑩本件支出19につき,17万円 ⑪本件支出20につき,16万円⑫本件支出21につき,14万円⑬本件支出22につき,17万円⑭本件支出25につき,20万円⑮本件 9につき,17万円 ⑪本件支出20につき,16万円⑫本件支出21につき,14万円⑬本件支出22につき,17万円⑭本件支出25につき,20万円⑮本件支出26につき,25万円 ⑯本件支出28につき,24万9615円第4 結論以上の次第で,原告の請求は,263万9615円の限度で理由があるから,原告の請求をその限度で認容し,その余の請求を棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民訴法64条本文,61条,66条を適 用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部 裁判長裁判官角谷昌毅 裁判官佐藤政達 裁判官後藤隆大 (別紙)指定代理人目録(省略)以上 (別紙)関係法令の定め地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの)100条(調査・出頭証言及び記録の提出請求並びに政務調査費等)14項 普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。この場合において,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない。 15項 前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。 地方自治法100条(調査,出頭 項 前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。 地方自治法100条(調査,出頭証言及び記録の提出請求並びに政務活動費等) 14項普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務活動費を交付することができる。この場合において,当該政務活動費の交付の対象,額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経 費の範囲は,条例で定めなければならない。 15項前項の政務活動費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務活動費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。 愛知県議会における政務調査費の交付に関する条例(平成13年愛知県条例第41 号。平成25年愛知県条例第1号による改正前のもの)1条(趣旨)この条例は,地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百条第十四項及び第十五項の規定に基づき,愛知県議会(以下「議会」という。)における政務調査費の交付に関し必要な事項を定めるものとする。 2条(政務調査費の交付)政務調査費は,議会における会派(その所属議員が一人の場合を含む。以下同じ。)及びその所属議員に対し,交付する。 8条(政務調査費の使途)1項 会派及び議員は,政務調査費を次に掲げる費用に充てなければならない。 一調査研究費二研修費三会議費四資料作成費 五資料購入費六広報費七事務費八人件費2項 前項各号に掲げる費用の使途基準 ければならない。 一調査研究費二研修費三会議費四資料作成費 五資料購入費六広報費七事務費八人件費2項 前項各号に掲げる費用の使途基準は,議会の議長が定める。 9条(収支報告書等の提出)1項会派の代表者及び議員は,当該会派及び議員の前年度における次に掲げる事項を記載した政務調査費に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。) を,毎年四月三十日までに,議会の議長に提出しなければならない。 一政務調査費に係る収入の総額二政務調査費に係る支出の総額並びに前条第一項各号に掲げる費用ごとの支出の額及び主たる支出の内訳三政務調査費に係る収入の総額から政務調査費に係る支出の総額を控除した額4項 前三項の収支報告書を提出するときは,政務調査費による支出に係る領収書その他の支出の事実を証する書類の写し(以下「領収書等の写し」という。)を併せて提出しなければならない。 11条(政務調査費の返還)知事は,会派及び議員が交付を受けた政務調査費に係る収入の総額から当該会派 及び議員が行った政務調査費に係る支出(第八条第一項各号に掲げる費用に充てたものに限る。)の総額を控除して残余があるときは,当該会派及び議員(議員であった者又はその相続人を含む。)に対し,当該残余の額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる。 愛知県議会における政務活動費の交付に関する条例(平成13年愛知県条例第41号)1条(趣旨)この条例は,地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百条第十四項から第十六項までの規定に基づき,愛知県議会(以下「議会」という。)における会派 (その所属議員が一人の場合を含む。以下「会 この条例は,地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百条第十四項から第十六項までの規定に基づき,愛知県議会(以下「議会」という。)における会派 (その所属議員が一人の場合を含む。以下「会派」という。)及び議員に対する政務活動費の交付に関し必要な事項を定めるものとする。 2条(政務活動費の交付対象)政務活動費は,会派及びその所属議員に対し,交付する。 8条(政務活動費を充てることができる経費の範囲) 政務活動費は,会派及び議員が実施する県政の課題及び県民の意思を把握し,そ れらを県政に反映させる活動その他の住民福祉の増進を図るために必要な活動に要する経費であって,会派にあっては別表第一に,議員にあっては別表第二に定めるものに充てることができるものとする。 9条(収支報告書等の提出)1項 会派の代表者及び議員は,当該会派及び議員の前年度における次に掲げる事項を記載した政務活動費に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を,毎年四月三十日までに,議会の議長に提出しなければならない。 一政務活動費に係る収入の総額二政務活動費に係る支出(前条に規定する政務活動費を充てることができる経費 に係る支出をいう。以下同じ。)の総額並びに会派にあっては別表第一に,議員にあっては別表第二に掲げる経費ごとの支出の額及び主たる支出の内訳三政務活動費に係る収入の総額から政務活動費に係る支出の総額を控除した額4項前三項の収支報告書を提出するときは,政務活動費による支出に係る領収書その 他の支出の事実を証する書類の写し(以下「領収書等の写し」という。)を併せて提出しなければならない。 10条(政務活動費の返還)知事は,会派及び議員が交付を受けた政務活動費に係る収 の 他の支出の事実を証する書類の写し(以下「領収書等の写し」という。)を併せて提出しなければならない。 10条(政務活動費の返還)知事は,会派及び議員が交付を受けた政務活動費に係る収入の総額から当該会派及び議員が行った政務活動費に係る支出の総額を控除して残余があるときは,当該 会派及び議員(議員であった者又はその相続人を含む。)に対し,当該残余の額に相当する額の政務活動費の返還を命ずることができる。 別表第2調査研究費議員が行う県の事務,地方行財政等に関する調査研究(視察を含む。)及び調査委 託に要する委託費,交通費,宿泊費等の経費 研修費 1 議員が行う研修会,講演会等の実施(共同開催を含む。)に要する会場及び機材の借上費,講師謝金等の経費 2 団体等が開催する研修会(視察を含む。),講演会等への議員及び議員の雇用する職員の参加に要する会費,交通費,宿泊費等の経費 資料作成費議員が行う活動に必要な資料を作成するために要する印刷製本代,原稿料等の経費 愛知県議会における政務調査費の交付に関する規程(平成13年3月議会告示第1号。平成25年2月議会告示第1号による改正前のもの) 4条(政務調査費の使途基準)条例第八条第二項の愛知県議会(以下「議会」という。)の議長が定める使途基準は,会派に対する政務調査費については別表第一,会派の所属議員に対する政務調査費については別表第二のとおりとする。 別表第2 調査研究費議員が行う県の事務及び地方行財政に関する調査研究及び調査委託に要する調査委託費,交通費,宿泊費等の経費研修費議員が行う研修会,講演会等の実施に要する会場・機材借上費,講師謝金等の経 費並びに他団体が開催する研修会,講演会等へ 査研究及び調査委託に要する調査委託費,交通費,宿泊費等の経費研修費議員が行う研修会,講演会等の実施に要する会場・機材借上費,講師謝金等の経 費並びに他団体が開催する研修会,講演会等への議員及びその調査研究を補助する職員の参加に要する会費,交通費,宿泊費等の経費資料作成費議員が行う調査研究に必要な資料の作成に要する印刷・製本代,原稿料等の経費 公職選挙法 199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は,当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し,いかなる名義をもってするを問わず,寄附をしてはならない。ただし,(以下略)。 別表(省略)
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