昭和45(う)397 兇器準備集合、建造物侵入、公務執行妨害被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和48年3月26日 東京高等裁判所
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判決文本文9,823 文字)

主文 原判決中の被告人両名に関する部分を破棄する。被告人Aを懲役一年六月に、被告人Bを懲役一年八月に処する。原審における未決勾留日数中、被告人Aにつき二四〇日、被告人Bにつき二〇〇日を右の各本刑に算入する。被告人両名に対し、いずれも本裁判確定の日から三年間右各刑の執行を猶予する。原審における訴訟費用のうち、証人Cに支給した分の全部およびその余の証人(但し、証人D、同E、同F、同G、同H、同I、同J、同K、同Lを除く)に支給した分の九分の一ならびに当審における訴訟費用のうち、証人Cに支給した分の全部および証人M、同N(但し、昭和四六年四月二日支給の分を除く)に支給した分の二分の一を被告人Aの負担とし、原審における訴訟費用のうち、証人Fに支給した分の全部およびその余の証人(但し、証人D、同E、同C、同G、同H、同I、同J、同K、同Lを除く)に支給した分の九分の一ならびに当審における訴訟費用のうち、証人Fに支給した分の全部および証人M、同N(但し、昭和四六年四月二日支給の分を除く)に支給した分の二分の一を被告人Bの負担とする。理由 本件各控訴の理由は、被告人A本人および同人の弁護人藤本時義ならびに被告人Bの弁護人庄司宏外一八名連名作成名義の各控訴趣意書に記載されたとおりであり、これに対する答弁は東京高等検察庁検察官検事松本卓矣作成名義の答弁書中被告人両名関係部分に記載されたとおりであるから、これらをここに引用し、これに対して、当裁判所は、次のとおり判明する。被告人A関係弁護人藤本時義の控訴趣意第一点について。所論は、(一)原裁判所は被告人弁護人欠席のまま審理判決したもので、憲法三一条三二条三七条に違反する、(二)原裁判所 次のとおり判明する。被告人A関係弁護人藤本時義の控訴趣意第一点について。所論は、(一)原裁判所は被告人弁護人欠席のまま審理判決したもので、憲法三一条三二条三七条に違反する、(二)原裁判所は被告人の出頭拒否に対して刑事訴訟法二八六条の二を適用して審理したが、(イ)右規定は憲法三一条三二条三七条に違反する、(ロ)仮に右の規定が合憲であるとしても、原審の右規定の適用は憲法三一条三二条三七条に違反するから、原判決は破棄を免れないと主張する。 人藤本時義の控訴趣意第一点について。所論は、(一)原裁判所は被告人弁護人欠席のまま審理判決したもので、憲法三一条三二条三七条に違反する、(二)原裁判所は被告人の出頭拒否に対して刑事訴訟法二八六条の二を適用して審理したが、(イ)右規定は憲法三一条三二条三七条に違反する、(ロ)仮に右の規定が合憲であるとしても、原審の右規定の適用は憲法三一条三二条三七条に違反するから、原判決は破棄を免れないと主張する。<要旨>審法は、司法の作用として、裁判所の裁判により国民に対し刑罰を科することを容認するとともに、国民の</要旨>基本的人権として、その裁判が法律の定める手続に従い適正かつ迅速に行われることを保障している。特に刑事訴追を受けた被告人は防禦の機会を与えられ、自ら弁護する権利がある。刑事訴訟法は、これを具体的に実現するため、裁判所は公判期日を被告人に通知して召喚し(二七三条二七四条)、被告人は、軽微な事件など特定の場合を除いては、公判期日に出頭しなければならず(二八四条二八五条)、被告人が出頭しないときは開廷することができないし(二八六条)、出頭した被告人は在廷しなければならない(二八八条)と規定し、また、被告人の利益を擁護するために、一定の条件のもとに弁護人の選任(二七二条三〇条三六条三七条二九〇条)や公判期日に弁護人の出頭を必要としている(二八九条)。してみれば公判に出頭することは、被告人の権利であるが、同時に特定の場合を除き義務でもあるといわなければならない。したがつて、勾留中の被告人は、公判期日を通知され召喚されれば、出頭する義務があり、これにそむいて、被告人が出頭しなければ開廷することができない場合に正当な理由がなく出頭を拒否し監獄官吏による引致を著しく困難にしたときでも、公判を開くことが 知され召喚されれば、出頭する義務があり、これにそむいて、被告人が出頭しなければ開廷することができない場合に正当な理由がなく出頭を拒否し監獄官吏による引致を著しく困難にしたときでも、公判を開くことができず裁判の遅延や阻止をもたらす結果を認めなければならないというが如きことはいかにも不条理である。したがつて、このような事態を防止するために、刑事訴訟法二八六条の二は、被告人の出頭がなくても開廷し公判手続を行うことができるものと定めたのである。同条にいう「正当な理由」とは病気等の障害を意味し、訴訟手続に関し裁判所がとつた措置に不服であるなどということは、出頭拒否の正当な理由にあたらないことは明らかである。 判の遅延や阻止をもたらす結果を認めなければならないというが如きことはいかにも不条理である。したがつて、このような事態を防止するために、刑事訴訟法二八六条の二は、被告人の出頭がなくても開廷し公判手続を行うことができるものと定めたのである。同条にいう「正当な理由」とは病気等の障害を意味し、訴訟手続に関し裁判所がとつた措置に不服であるなどということは、出頭拒否の正当な理由にあたらないことは明らかである。されば、この規定が適用された結果、被告人自身弁護し防禦する機会を失うこととなつても、それは自らが招いたところであつて、被告人は憲法が保障する被告人の権利を自分で放棄したことに外ならないというべきである。憲法三七条一項にいう公平な裁判所の裁判とは、組織と構成において不公平のおそれのない裁判所の裁判を意味し、裁判所が被告人側の併合請求をいれないで審判したとしても、憲法の右条項に反するものでないことは、最高裁判所昭和二三年五月五日大法廷判決、刑集二巻五号四四七頁等屡次の判例の趣旨とするところであり、また憲法三一条三七条三項は、すべての事件に弁護人の関与を要求するものではなく、いかなる被告事件を必要的弁護事件とするかは専ら刑事訴訟法により決められるものであることは、最高裁判所昭和二五年二月一日大法廷判決、刑集四巻二号一〇〇頁等の判例であるから、必要的弁護事件に当らない事件で、被告人が弁護人を選任しており、その弁護人において裁判長の訴訟指揮に従わないで退廷を命ぜられたり、公判に出頭しないために弁護人不出頭のまま審理されたからといつて、憲法の右各条 事件に当らない事件で、被告人が弁護人を選任しており、その弁護人において裁判長の訴訟指揮に従わないで退廷を命ぜられたり、公判に出頭しないために弁護人不出頭のまま審理されたからといつて、憲法の右各条項に反するものではない。以上述べたことから、刑事訴訟法二八六条の二の規定が憲法三一条三二条三七条に反しないことは自ら明らかであり、したがつてまた、原審が被告人弁護人の出頭しない公判において審理判決した手続ももとより憲法の右規定に違反するものではない。更に、記録によれば、被告人は勾留中の原審第一回ないし第七回の各公判期日に、いわゆる統一公判を要求していずれも出頭を拒否し監獄官吏による引致を著しく困難にさせたために、原審は刑事訴訟法二八六条の二に従い開廷審理し、また、被告人は保釈釈放後の原審第八回公判期日に出頭せず、不出頭を許可されて審理され、結局原裁判所は全公判を通じて検察官のみ出席して被告人弁護人不出頭のまま審理を終つているけれども、これをもつて原審の措置に違法不当の点があるといえないことはすでに述べたところがら明らかである。 公判を要求していずれも出頭を拒否し監獄官吏による引致を著しく困難にさせたために、原審は刑事訴訟法二八六条の二に従い開廷審理し、また、被告人は保釈釈放後の原審第八回公判期日に出頭せず、不出頭を許可されて審理され、結局原裁判所は全公判を通じて検察官のみ出席して被告人弁護人不出頭のまま審理を終つているけれども、これをもつて原審の措置に違法不当の点があるといえないことはすでに述べたところがら明らかである。なお、被告人は、原審第一回公判直前に昭和四四年六月二六日付の出廷拒否理由書を提出して自己の意思を表明しており、原審は、被告人に対し同年七月四日付書面で第一回公判の審理経過を知らせて検察官の甲号証拠目録等記載の証拠調請求に関し意見を徴し、更に同年一〇月一日付書面で第五回公判において検察官請求の乙号証拠目録記載の証拠調がなされたことを知らせ、同年一一月一日付通知書をもつて同月五日の第八回公判で審理を終了する予定であるから最終陳述の機会として出頭して意見を述べるように告げてまでしているのである。されば、このような措置の要否は別としても、所論が原審は刑事訴訟法二八六条の二の適用を誤つていると主張する論旨は、すでにその前 陳述の機会として出頭して意見を述べるように告げてまでしているのである。されば、このような措置の要否は別としても、所論が原審は刑事訴訟法二八六条の二の適用を誤つていると主張する論旨は、すでにその前提において採用できない。論旨はいずれも理由がない。同第二点について。所論は、要するに、被告人はいわゆる統一公判を要求して公判期日に出頭することを拒否したもので、統一公判であれば出頭する筈であつて、原審が分離公判を強行したのは不当であるから、原審が被告人は正当の理由がなく公判期日に出頭しなかつたとして刑事訴訟法二八六条の二を適用したのは、同条の解釈適用を誤つたものであり、また、原審は刑事訴訟法三一三条一項の解釈適用をも誤つていると主張する。しかし、どの程度に事件を併合して審理裁判するかは、法律の定める要件に従い、かつ人的物的な要素をも勘案して、受訴裁判所が合理的に判断して決定すべきものである。訴訟関係人はたとい自己の併合請求がいれられず不服があるとしても、裁判所の措置に従つて防禦を尽すのが当然であつて、自己の要求する形態以外の審理裁判には絶対に応じないというが如きことは、結局は裁判の拒否に外ならず、司法制度を否定し、これを破壊するものであつて、このようなことが、公判期日に出頭することを拒否する正当な理由とならないことは、既に述べたとおりである。 所が合理的に判断して決定すべきものである。訴訟関係人はたとい自己の併合請求がいれられず不服があるとしても、裁判所の措置に従つて防禦を尽すのが当然であつて、自己の要求する形態以外の審理裁判には絶対に応じないというが如きことは、結局は裁判の拒否に外ならず、司法制度を否定し、これを破壊するものであつて、このようなことが、公判期日に出頭することを拒否する正当な理由とならないことは、既に述べたとおりである。そして、本件につき記録を調査し当審における事実取調の結果を加えて検討しても、被告人らの併合請求に関して原審がとつた措置が合理性を欠き健全な裁量の範囲を逸脱したものと認めるに足る資料は何ら存在せず、所論が主張するような統一公判を相当とする特別の事情を認めることはできない。それ故に原審の訴訟手続に所論のような法令違反はなく、論旨はいずれも理由がない。同第三点について。所論は、(一)原判決は が主張するような統一公判を相当とする特別の事情を認めることはできない。それ故に原審の訴訟手続に所論のような法令違反はなく、論旨はいずれも理由がない。同第三点について。所論は、(一)原判決は判示第二として不退去罪を認定しているが、被告人らOに対するP代行の退去命令は不当であるから、被告人の行為は違法性を欠く、(二)被告人の不退去罪が成立しない以上、機動隊の排除行為は違法であつて、これに抵抗した被告人の行為は公務執行妨害罪を構成しない、(三)被告人の原判示各所為は、その動機目的の正当性、手段方法の相当性および法益の均衡からして超法規的に違法性を阻却し犯罪を構成しないから、原判決が被告人の本件行為を有罪と認めたのは事実を誤認したものであると主張する。しかし、原判決挙示の関係証拠を総合すれば、同判示の各事実を認定することができ、記録を調査し、当審における事実取調の結果を参酌して検討しても、所論指摘の諸点につき原判決の認定に誤りがあることを発見できない。論旨は理由がない。被告人本人の控訴趣意一ないし三について。所論は、原判決の事実認定および審理手続を非難するものであつて、いうところは、要するに、弁護人の控訴趣意第一点ないし第三点と同趣旨に帰着すると解せられる。したがつて、その採用し難いことは既に述べたところから明らかである。なお、記録を調査し当審における事実取調の結果を加えて検討しても、原審の訴訟手続に予断排除の原則に反し、起訴状一本主義に違背する疑いがあるとまで認めるに足る資料は存在しない。 について。所論は、原判決の事実認定および審理手続を非難するものであつて、いうところは、要するに、弁護人の控訴趣意第一点ないし第三点と同趣旨に帰着すると解せられる。したがつて、その採用し難いことは既に述べたところから明らかである。なお、記録を調査し当審における事実取調の結果を加えて検討しても、原審の訴訟手続に予断排除の原則に反し、起訴状一本主義に違背する疑いがあるとまで認めるに足る資料は存在しない。論旨は理由がない。弁護人の控訴趣意第四点および被告人の控訴趣意四について。所論は、いずれも量刑不当の主張である。そこで、記録を調査し当審における事実取調の結果を参酌して検討するに、本件の事実関係はすべて原判決が認定判示するとおり 四点および被告人の控訴趣意四について。所論は、いずれも量刑不当の主張である。そこで、記録を調査し当審における事実取調の結果を参酌して検討するに、本件の事実関係はすべて原判決が認定判示するとおりであると認められ、被告人は昭和四四年一月一七日頃から同月一九日午後三時過までの間、多数の学生らとともにQ大学講堂(通称R講堂)を占拠して、これを排除しようとする警察官らに対し右の多数人と共同して投石したり殴打する等の暴行を加える目的をもつて、石、コンクリート塊、鉄パイプ、角材、火炎瓶等を準備して集合し、同講堂管理者の退去要求に応ぜず、被告人らの排除検挙に従事中の警察官に対して多数の石、コンクリート塊、火炎瓶等を投げる等の暴行を加えて、その職務の執行を妨害したものであり、原判決が量刑事情として説示するところは、当裁判所も概ねこれを支持することができる。本件は組織的集団的な暴力手段によつて国の枢要な教育施設に莫大な損害を与え、学園の荒廃を招いて社会人心に著しい衝撃を及ぼしたのであり、事柄は重大である。被告人は、当時S大学T学部に在学し、反U系のV派に所属して要請に応じて本件犯行に加担したもので、第一審においては、あくまでも統一公判を要求し出廷拒否する等して裁判長の訴訟指揮に従わず闘争的態度を維持していて、犯罪後の情況にも遺憾な点がみられ、このような本件各犯罪の性質、態様、犯罪後の情状等に徴すれば、被告人の責任が極めて重いことは当然であつて、原判決が被告人に対し懲役一年八月の実刑を科したことをもつて、量刑が一概に重いということはできない。しかしながら、当審に至り、被告人は従来の態度を改め、平静かつ誠実に審理を受け、十分反省もして自己の犯行につき責任を負うべきことを自覚するに至つていると認められ、殊に被告人はこれまで何らの前歴もなく、年令も若く大学卒 罪の性質、態様、犯罪後の情状等に徴すれば、被告人の責任が極めて重いことは当然であつて、原判決が被告人に対し懲役一年八月の実刑を科したことをもつて、量刑が一概に重いということはできない。しかしながら、当審に至り、被告人は従来の態度を改め、平静かつ誠実に審理を受け、十分反省もして自己の犯行につき責任を負うべきことを自覚するに至つていると認められ、殊に被告人はこれまで何らの前歴もなく、年令も若く大学卒 至り、被告人は従来の態度を改め、平静かつ誠実に審理を受け、十分反省もして自己の犯行につき責任を負うべきことを自覚するに至つていると認められ、殊に被告人はこれまで何らの前歴もなく、年令も若く大学卒業を希望して勉学に励んでおり、今後は穏健な市民生活を営み再度本件のような法秩序を無視した行動に出ることはないものと考えられる。被告人に対しては、この際はむしろ刑の執行を猶予して自戒にまつのが相当である。原判決の量刑は結局重きに失し、論旨は理由がある。原判決はこの点において破棄を免れない。被告人三栖ことB関係弁護人庄司宏らの控訴趣意一および二について。所論は、原判決が被告人に関する証拠として掲げる証拠からは被告人の犯罪事実を認定することができないから、原判決には判決に理由を付さない違法があり、また事実を誤認していると主張する。しかし、原判決挙示の関係証拠を総合すれば、同判示事実はすべてこれを認定することができ、記録を調査してもこれに疑問を差し挾むべき証拠は何ら存在せず、また当審における事実取調の結果を加えて検討しても、原判決のこの認定を覆すに足りる証拠はない。したがつて、原判決には何ら所論のような誤りはなく、論旨はいずれも理由がない。同三について所論(一)は、(1)刑事訴訟法二八六条の二は憲法三一条三二条三七条に違反する無効の規定である、(2)仮に違憲でないとしても、原裁判所が刑事訴訟法二八六条の二、三四一条を適用して行つた裁判は憲法三一条三七条各項に違反するから、原審の手続は審法の右各規定に違反すると主張し、所論(二)は、原審の公判手続は(1)刑事訴訟規則一八七条の三、同条の四(所論中に一八三条の三、一七八条の三および四とあるのは誤記と認められる。)に違反し、(2)被告人側の統一公判要求を予断をもつてしりぞけたのは、正当な 手続は(1)刑事訴訟規則一八七条の三、同条の四(所論中に一八三条の三、一七八条の三および四とあるのは誤記と認められる。 に違反するから、原審の手続は審法の右各規定に違反すると主張し、所論(二)は、原審の公判手続は(1)刑事訴訟規則一八七条の三、同条の四(所論中に一八三条の三、一七八条の三および四とあるのは誤記と認められる。)に違反し、(2)被告人側の統一公判要求を予断をもつてしりぞけたのは、正当な 手続は(1)刑事訴訟規則一八七条の三、同条の四(所論中に一八三条の三、一七八条の三および四とあるのは誤記と認められる。)に違反し、(2)被告人側の統一公判要求を予断をもつてしりぞけたのは、正当な理由の存否に関する判断を欠いているから、刑事訴訟法二八六条の二に違反すると主張する。しかし、所論(一)の理由がないことは、既に前記被告人Aの弁護人の控訴趣意第一点において述べたとおりである。次に、所論(二)について考えると、記録によれば、被告人は勾留中の原審第一回、第二回および第四回の各公判期日にいずれも統一公判を要求して出頭を拒否したのであるが、原審は右の各公判廷において、東京拘置所長作成名義の報告書等を取り調べ、被告人が正当な理由がなく出頭を拒否し監獄官吏による引致を著しく困難にしたものと認めて、刑事訴訟法二八六条の二を適用して公判手続を行う旨告知していることが明らかである。出頭を拒否したり、裁判長の訴訟指揮に従わないで秩序維持のため退廷を命ぜられた弁護人や被告人が、現実には右決定を知ることができず、これに対し異議を申し立てる機会がなかつたからといつて、もとよりその決定が違法となるものではない。所論(1)は理由がなく、所論(2)の採用し難いことも前記被告人Aの弁護人の論旨第二点において述べたとおりである。論旨はいずれも理由がない。同四以下について。所論は量刑不当の主張である。そこで、記録を調査し当審における事実取調の結果を参酌して検討するに、本件の事実関係は原判決が認定判示するとおりであると認められ、原判決が量刑事情として説示するところは当裁判所も概ねこれを是認することができる。本件各犯罪の性質、態様および原審における被告人の態度等に関しては前記共同被告人について述べたことが被告人にもそのまま妥当する。なお、被告人は当時W大学X 当裁判所も概ねこれを是認することができる。本件各犯罪の性質、態様および原審における被告人の態度等に関しては前記共同被告人について述べたことが被告人にもそのまま妥当する。 判決が量刑事情として説示するところは当裁判所も概ねこれを是認することができる。本件各犯罪の性質、態様および原審における被告人の態度等に関しては前記共同被告人について述べたことが被告人にもそのまま妥当する。なお、被告人は当時W大学X 当裁判所も概ねこれを是認することができる。本件各犯罪の性質、態様および原審における被告人の態度等に関しては前記共同被告人について述べたことが被告人にもそのまま妥当する。なお、被告人は当時W大学X学部に在学し(現在は除籍されている。)本件前に二回不起訴処分を受けたことがあり、更に原判決後の昭和四五年一一月に同大学の紛争に関連して検挙され、昭和四七年三月二五日東京地方裁判所において暴力行為等処罰に関する法律違反の罪により懲役一年執行猶予三年に処せられたこと(被告人控訴中)を併せ考えれば、被告人の責任はまことに重いといわなければならず、原判決が被告人に対し懲役一年八月の実刑を科したことをもつて、量刑が必ずしも重いということはできない。しかしながら、当審において、被告人は従来の態度を改め、平静かつ真摯に審理を受け、十分反省もして自己の行為が犯罪として責任を問われるべきものであることを自覚するに至つており、そのうえ未だ年令も若く、結婚もしており、今後は穏健で平和な市民生活を営み、再度本件のような法秩序を無視した過激な行動に出ることはまずないものと考えられるので、被告人に対しては、いま直ちに実刑をもつて臨むより、この際はむしろ刑の執行を猶予するのが相当というべく、原判決の量刑は結局重きに失し、論旨は理由があることに帰する。原判決はこの点において破棄を免れない。それで、刑事訴訟法三九七条三八一条により原判決中の被告人両名に関する部分を破棄したうえ、同法四〇〇条但書に従い、更に自ら次のように判決をする。原判決が確定した事実に対する法令の適用は、原判決摘示のとおりである(罰金等臨時措置法については刑法六条一〇条により昭和四七年法律第六一号による改正前の法律による。)から、これを引用し、その処断刑期の範囲内において、被告人Aを懲役一年六月に、同B 示のとおりである(罰金等臨時措置法については刑法六条一〇条により昭和四七年法律第六一号による改正前の法律による。)から、これを引用し、その処断刑期の範囲内において、被告人Aを懲役一年六月に、同Bを懲役一年八月に処し、刑法二一条により原審における未決勾留日数中、被告人Aにつき二四〇日、同Bにつき二〇〇日を夫々の本刑に算入し、既に述べた理由により刑法二五条一項一号を適用して被告人両名に対しいずれも本裁判確定の日から三年間右各刑の執行を猶予することとし、訴訟費用については、刑事訴訟法一八一条一項本文により、主文第五項記載のとおり被告人両名に負担させることとする。 、被告人Aを懲役一年六月に、同Bを懲役一年八月に処し、刑法二一条により原審における未決勾留日数中、被告人Aにつき二四〇日、同Bにつき二〇〇日を夫々の本刑に算入し、既に述べた理由により刑法二五条一項一号を適用して被告人両名に対しいずれも本裁判確定の日から三年間右各刑の執行を猶予することとし、訴訟費用については、刑事訴訟法一八一条一項本文により、主文第五項記載のとおり被告人両名に負担させることとする。よつて、主文のとおり判決する。(裁判長判事江碕太郎判事龍岡資久判事桑田連平)

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