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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人花房多喜雄の上告理由第一点について。論旨引用にかかる昭和一三年四月一二日言渡大審院昭和一〇年(オ)第二七六〇号事件の判決は、僣称相続人から相続財産に属する物を譲り受けた者は、正当相続人の相続回復請求権が旧民法(昭和二二年法律第二二二号による改正前)九六六条によつて消滅する以前といえども、民法一六二条の取得時効を援用することができることを前提とし、その場合前主たる僣称相続人の占有を併せて主張してもその占有はいわゆる瑕疵を帯びた占有(民法一八七条二項参照)といいえない旨判示したものであつて、原判決は右判例を誤解したところなく、又原審が僣称相続人から本件不動産の共有持分を譲り受けた第三者たる被上告人Bの援用した取得時効の抗弁を採用してもなんら法令の解釈を誤つた違法があるものではない。論旨は、前記判例を正解せず、独自の見解に立脚して原審の判断を攻撃するものであつて、採用することができない。同第二点について。原判決引用の第一審判決事実摘示によると、被上告人は期間二十年の取得時効援用については、その起算点を昭和六年二月一五日と主張し、期間十年の取得時効援用に当つては、その起算点を本件不動産の移転登記の日たる昭和六年一二月二四日と主張している。したがつて、原審が昭和六年二月一五日を起算点として十年の取得時効完成を認めたことは、被上告人の主張しない事実を認定した違法があるものといわなければならない。しかし、原判決の確定するところによれば、被上告人Bは、昭和六年二月一五日本件土地共有持分を譲り受けてその頃土地の引渡を受け、- 1 -爾来所有の意思をもつて平穏公然これを占有管理し来つたというのであるから、この事実に ところによれば、被上告人Bは、昭和六年二月一五日本件土地共有持分を譲り受けてその頃土地の引渡を受け、- 1 -爾来所有の意思をもつて平穏公然これを占有管理し来つたというのであるから、この事実にもとずけば、被上告人Bが昭和六年一二月二四日(移転登記の日)を起算点として援用する十年の取得時効は、昭和一六年一二月二四日完成したことが明白であるから、被上告人Bの時効取得を認めた原審の判断は結局相当に帰するので、前記違法は原判決に影響するところなく、所論(一)は採用することができない。 頃土地の引渡を受け、- 1 -爾来所有の意思をもつて平穏公然これを占有管理し来つたというのであるから、この事実にもとずけば、被上告人Bが昭和六年一二月二四日(移転登記の日)を起算点として援用する十年の取得時効は、昭和一六年一二月二四日完成したことが明白であるから、被上告人Bの時効取得を認めた原審の判断は結局相当に帰するので、前記違法は原判決に影響するところなく、所論(一)は採用することができない。論旨(二)は、被上告人Bの占有が平穏公然であつたこと並びに占有のはじめ善意無過失であつたことを争うのであるが、結局事実認定の非難に帰し理由がない。なお、取得時効の点は、第一審以来の争点であるから、上告人は当然この点に関する立証を尽すべきであり、原審が仮りにこの点に関し特に釈明をしたり立証を促したりしなかつたからといつて、所論の違法はない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官本村善太郎裁判官垂水克己- 2 -
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