昭和51(ネ)353 釧路交通賃金請求

裁判年月日・裁判所
昭和53年7月31日 札幌高等裁判所
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判決文本文11,024 文字)

主文 本件各控訴を棄却する。控訴費用は、控訴人の負担とする。事実 第一当事者双方の求めた裁判一控訴人は、「一原判決を取消す。二被控訴人らの請求を棄却する。三訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求めた。二被控訴人らは、主文同旨の判決を求めた。第二当事者双方の主張控訴人が左記一のとおり述べ、被控訴人が左記二のとおり述べたほかは、原判決事実摘示のとおり(但し、原判決書二枚目表一〇行目の「就労日数」を「出勤日数」に改め、原判決書三枚目表七行目の「基本給」を「基本給(月額)」に改め、原判決書別表(同上、五七八頁)の「就労日数」を「出勤日数」に改める。)であるからこれを引用する。一控訴人は、次のとおり述べた。(一) 仮りに、労働基準法(以下「労基法」という)第三九条一項にいう「全労働日」の中にストライキのため就労しなかつた日が算入されるべきでないとしても、それはストライキが正当なものである場合に限るものというべきである。しかるに被控訴人らが組合員として所属する訴外釧路交通労働組合(以下、単に「釧労」という)の行なつた本件ストライキは、次に述べるとおり違法なものであつたから、本件ストライキによる被控訴人らの不就労日数は、「全労働日」の中に算入されるべきである。控訴人は、昭和五〇年三月当時、従業員一四四名、車両五三台でハイヤー、タクシー業を営む小規模の会社であつたが、右同月末日決算においては、当期損失金が約八六〇万円、繰越損失金が約一億二〇〇〇万円に達して、その経営は破綻し、その程度は、昭和五〇年四月三〇日に前経営者がその持株全部を譲渡して退陣した程に深刻であつた。そこで、控訴人の経営を立て直すためには、釧労の協力ないし節度が必要不可決であつた。ところが、釧労は、昭和五 の程度は、昭和五〇年四月三〇日に前経営者がその持株全部を譲渡して退陣した程に深刻であつた。そこで、控訴人の経営を立て直すためには、釧労の協力ないし節度が必要不可決であつた。 に達して、その経営は破綻し、その程度は、昭和五〇年四月三〇日に前経営者がその持株全部を譲渡して退陣した程に深刻であつた。そこで、控訴人の経営を立て直すためには、釧労の協力ないし節度が必要不可決であつた。ところが、釧労は、昭和五 の程度は、昭和五〇年四月三〇日に前経営者がその持株全部を譲渡して退陣した程に深刻であつた。そこで、控訴人の経営を立て直すためには、釧労の協力ないし節度が必要不可決であつた。ところが、釧労は、昭和五〇年三月末頃から春闘として、控訴人に対し基本給四万円アップ等の過大な要求をした。それで、控訴人としても会社案を用意し、これを釧労に提案した。ところが、釧労は、右提案を一顧だにせず、右の過大要求に固執し、遂にはこれを実現させるためと称して、その所属組合員に昭和五〇年六月八日から同年一〇月二五日までの長期に亘る本件ストライキを指令し、実施させた。ところが、本件ストライキは、結局その目的を実現することができず、昭和五〇年一一月一一日に控訴人と釧労との間で、控訴人が先になした提案と全く同一の条件で協定が締結された。右の経過からも明らかなように、本件ストライキは、その目的が不当なばかりでなく、その手段、態様等が常軌を逸し違法なものというべきである。(二) 被控訴人らの後記(二)の主張について右主張前段は争う。右主張後段のうち、本件ストライキの期間が昭和五〇年六月八日から同年一〇月二五日までであること、その間控訴人が昭和五〇年七月二日から同年一〇月二四日までロツクアウトをしたこと、被控訴人らのいう純然たるストライキ期間中に被控訴人らが本来就労すべき日に本件ストライキのため就労しなかつた日数はいずれも一〇日であつたことは認めるが、その余は争う。二被控訴人らは、次のとおり述べた。(一) 控訴人の前記(一)の主張について 1 本件ストライキが違法であつた旨の控訴人の主張は、控訴人が本件訴訟を遅延させるために、故意に時機に遅れて当審においてはじめて提出した攻撃防禦方法であつて、これにより本件訴訟の完結が遅延することは必至であるから、その却下を申し立て 控訴人の主張は、控訴人が本件訴訟を遅延させるために、故意に時機に遅れて当審においてはじめて提出した攻撃防禦方法であつて、これにより本件訴訟の完結が遅延することは必至であるから、その却下を申し立てる。2 控訴人は原審において本件ストライキが正当な争議行為であることについて明らかに争つていなかつたものであり、控訴人の右主張は自白の撤回に当たるが、被控訴人らは右自白の撤回に異議がある。 の却下を申し立て 控訴人の主張は、控訴人が本件訴訟を遅延させるために、故意に時機に遅れて当審においてはじめて提出した攻撃防禦方法であつて、これにより本件訴訟の完結が遅延することは必至であるから、その却下を申し立てる。2 控訴人は原審において本件ストライキが正当な争議行為であることについて明らかに争つていなかつたものであり、控訴人の右主張は自白の撤回に当たるが、被控訴人らは右自白の撤回に異議がある。3 控訴人の右主張の事実は争う。釧労がその所属組合員に本件ストライキを実施させたのは、賃上げその他組合員の労働条件を改善するためであつて、その目的においてなんら違法なところはなく、本件ストライキを昭和五〇年六月八日から同年一〇月二五日まで継続しただけでこれが違法なものとなるいわれはない。本件ストライキが右のように継続したのは、主として、釧労と控訴人との交渉の過程において、控訴人が賃上げの附帯条件として、釧労としては到底承認できないような、勤務時間延長等の労働条件の切下げを逆提案したことによるのであつて、ひとり釧労側だけの事由によるものではない。(二) 仮りに労基法第三九条一項にいう「全労働日」の中にストライキのため就労しなかつた日も算入されるべきであるとしても、少くとも労働者が使用者のロツクアウトによつて就労しなかつた日はこれに算入されるべきではない。本件ストライキの期間は、昭和五〇年六月八日から同年一〇月二五日までであるが、この間昭和五〇年七月二日から同年一〇月二四日までは控訴人がロツクアウトをした期間でもあり、この期間は、本来就労すべき日であつても「全労働日」に算入されるべきでなく、従つて本件ストライキ期間中、本来就労すべき日であつて「全労働日」に算入されるべき日は、昭和五〇年六月八日から同年七月一日までの間及び同年一〇月二五日(以下、これを「 働日」に算入されるべきでなく、従つて本件ストライキ期間中、本来就労すべき日であつて「全労働日」に算入されるべき日は、昭和五〇年六月八日から同年七月一日までの間及び同年一〇月二五日(以下、これを「純然たるストライキ期間」という)の中に含まれるもののみである。而して被控訴人らが、右純然たるストライキ期間における本来の労働日のうちストライキのため就労しなかつた日数はいずれも一〇日である。それでこの場合も被控訴人らはいずれもその全労働日の八割以上を出勤したことになる。 労すべき日であつて「全労働日」に算入されるべき日は、昭和五〇年六月八日から同年七月一日までの間及び同年一〇月二五日(以下、これを「純然たるストライキ期間」という)の中に含まれるもののみである。而して被控訴人らが、右純然たるストライキ期間における本来の労働日のうちストライキのため就労しなかつた日数はいずれも一〇日である。それでこの場合も被控訴人らはいずれもその全労働日の八割以上を出勤したことになる。第三証拠関係(省略) 理由 一控訴人がハイヤー、タクシー業を営む会社であり、被控訴人Aは昭和四九年九月二一日から、被控訴人Bは同年九月一九日から、被控訴人Cは昭和五〇年二月二日から、それぞれ控訴人に従業員として雇傭されたものであること、被控訴人らは、それぞれ控訴人に雇傭された日の翌日から一箇年間に別表出勤日数欄記載の日数は出勤し、右別表私病欠勤日数欄記載の日数は欠勤し(但しこれは被控訴人Cについてのみ)、別表スト不就労日数欄記載の日数はストライキにより就労しなかつたこと、被控訴人らがそれぞれ、右の雇傭された日の翌日から一年を経過した後の日であつて、労働日であつた右別表休暇年月日欄記載の日である二日間を労基法第三九条一項に基くものとして、事前に年次有給休暇として指定し(以下、これを「本件各年休指定」という)、それぞれ指定どおりに勤務を離れたことは、いずれも当事者間に争いがない。二そこで、被控訴人らが、本件各年休指定をしたときに、労基法第三九条一項に基いて年次有給休暇を指定することができたものであつたか否かについて検討する。(一) 先ず、前記一に判示したところによれば、被控訴人らが本件各年休指定をしたときに、いずれも労基法第三九条一項にいう「一年間継続 給休暇を指定することができたものであつたか否かについて検討する。(一) 先ず、前記一に判示したところによれば、被控訴人らが本件各年休指定をしたときに、いずれも労基法第三九条一項にいう「一年間継続勤務した……労働者」に該当したことは明らかである。(二) 次に、被控訴人らが本件各年休指定をしたときに、前一箇年間に労基法第三九条一項にいう「全労働日の八割以上出勤した」労働者に該当したか否かについて検討する。1 被控訴人らは、正当なストライキによる不就労日数は労基法第三九条一項にいう「全労働日」に算入すべきではない、と主張し、控訴人はこれを争う。 きに、いずれも労基法第三九条一項にいう「一年間継続勤務した……労働者」に該当したことは明らかである。(二) 次に、被控訴人らが本件各年休指定をしたときに、前一箇年間に労基法第三九条一項にいう「全労働日の八割以上出勤した」労働者に該当したか否かについて検討する。1 被控訴人らは、正当なストライキによる不就労日数は労基法第三九条一項にいう「全労働日」に算入すべきではない、と主張し、控訴人はこれを争う。よつて案ずるに、労基法第三九条所定のいわゆる年次有給休暇は、わが国においても古くから恩恵的なものとして広く行われていた慰労休暇を、終戦後、同法を制定するに当たり、労働者の権利として制度化したものであつて、休日のほかに毎年一定日数の休暇を有給で与えることによつて労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持、培養を図ることを目的とするものであることはいうまでもないが、同法同条が、労働者が単に、前一箇年間継続勤務したということだけではなく、前一箇年間に「全労働日の八割以上出勤した」ことをも要件として年次有給休暇が与えられるべきものとしていることに鑑みると、同法同条による年次有給休暇には、一定期間継続勤務した労働者の勤勉な労働に対する報償という趣旨も含まれていることは否定し得ないところであり、労働者が前一箇年間に「全労働日の八割以上出勤した」か否かは、その勤怠評価の基準としての意味をもつものといわざるを得ない。ところで一般に、労働日とは、労働契約上、労働者が出勤して労働すべきものと定められている日をいい、具体的には就業規則、労働協約等で労働日として定められた日のことであり、前一箇年間の全労働日とは前 ところで一般に、労働日とは、労働契約上、労働者が出勤して労働すべきものと定められている日をいい、具体的には就業規則、労働協約等で労働日として定められた日のことであり、前一箇年間の全労働日とは前一箇年間の総暦日のうち所定の休日を除いた日の全部をいうものである。労働基準法第三九条一項にいう「全労働日」も、本来は、これをいうものであることは明らかである(以下、かかるものとしての全労働日を、「本来の全労働日」ということにする)。そこで労基法第三九条の適用上、労働者が前一箇年間に、「全労働日の八割以上出勤」したか否かを見るに当つて、その労働者が正当なストライキによつて就労しなかつた日を右「全労働日」に含めるべきか否かについて考察するに、労働者が団体行動をする権利は憲法の保障するところであり(憲法第二八条)、労働組合法上も使用者は、労働者が争議行為としての正当なストライキを行なつたとしても、その労働者に対して民事責任を追及し得ない(同法第八条)のみならず、そのことの故をもつて不利益な取扱をしてはならないこととされている(同法第七条一号)のであるから、その労働者に対する勤怠評価においてもそのことの故をもつて勤務を怠つたと評価してはならないものといわなければならない。 保障するところであり(憲法第二八条)、労働組合法上も使用者は、労働者が争議行為としての正当なストライキを行なつたとしても、その労働者に対して民事責任を追及し得ない(同法第八条)のみならず、そのことの故をもつて不利益な取扱をしてはならないこととされている(同法第七条一号)のであるから、その労働者に対する勤怠評価においてもそのことの故をもつて勤務を怠つたと評価してはならないものといわなければならない。しかるところ、労基法第三九条の適用上、労働者が前一箇年間に「全労働日の八割以上出勤」したか否かを見るに当つて、その労働者が正当なストライキによつて就労しなかつた日を「全労働日」の中に含めることにすると、労働者は正当なストライキを行なつたがために勤務を怠つたと評価されるのと同様の結果を招来することになる。これは憲法ないし労働組合法の前示各法条の趣旨と調和しない。しかしながら他方、労働者が正当なストライキのために就労しなかつた日は「全労働日」に含まれないとの前提のもとに、労働者が実際 ることになる。これは憲法ないし労働組合法の前示各法条の趣旨と調和しない。しかしながら他方、労働者が正当なストライキのために就労しなかつた日は「全労働日」に含まれないとの前提のもとに、労働者が実際に出勤した日数が「本来の全労働日」の八割をわる場合にも、労基法第三九条所定の要件が充足される限り、使用者はその労働者に対して所定の日数の有給休暇を与えなければならないものとすることは、前叙のとおり、同法同条所定の有給休暇には、一定期間継続勤務した労働者の勤勉な労働に対する報償という趣旨も含まれているものであることを無視してしまうものであつて、その無視の程度は、労働者が実際に出勤した日数が少なければ少ない程それだけ高まるものといわざるを得ない。それで、労基法第三九条の前叙の如き立法趣旨及びこれと憲法や労働組合法における前示関係規定との調和を考慮して、労基法第三九条一項にいう「全労働日」の中には、労働者が正当なストイライキのため就労しなかつた日数は含まれないものと解すると共に、労働者が同法同条同項によつて六労働日の有給休暇請求権を有する場合であつても、その出勤日数が「本来の全労働日」の八割をわる場合は、「本来の全労働日」の八割の六分の一に当たる出勤日数につき有給休暇一日の割合によつて、その全出勤日数についての有給休暇日数を算出し、これを超える日数の有給休暇請求権を行使することは、信義則に反し権利の濫用として許されないものと解するのが相当である。 れないものと解すると共に、労働者が同法同条同項によつて六労働日の有給休暇請求権を有する場合であつても、その出勤日数が「本来の全労働日」の八割をわる場合は、「本来の全労働日」の八割の六分の一に当たる出勤日数につき有給休暇一日の割合によつて、その全出勤日数についての有給休暇日数を算出し、これを超える日数の有給休暇請求権を行使することは、信義則に反し権利の濫用として許されないものと解するのが相当である。以下、右の見地に立つて判断することにする。2 被控訴人らがそれぞれ控訴人から雇傭されて一年間に、別表スト不就労日数欄記載の日数をストライキにより就労しなかつたことは、前記一に判示したとおりであり弁論の全趣旨によれば、右ストライキは、被控訴人らを含む、控訴人の従業員で組織する訴外釧路交通労働組合(以下 就労日数欄記載の日数をストライキにより就労しなかつたことは、前記一に判示したとおりであり弁論の全趣旨によれば、右ストライキは、被控訴人らを含む、控訴人の従業員で組織する訴外釧路交通労働組合(以下「釧労」という)が控訴人に対して行つたものであることが認められるが、被控訴人らは右ストライキが正当なものであつたと主張し、控訴人はこれを争つて右ストライキは違法なものであつたと主張する。被控訴人らは、控訴人の右主張は、当審ではじめてなされたものであつて、本件訴訟を遅延させるために故意に時機に遅れて提出された攻撃防禦の方法であるとして、その却下を申し立てるが、控訴人が右主張(これは、右ストライキを正当なものとする被控訴人らの右主張に対する積極否認である。)を故意又は重大な過失に因り時機に遅れて提出したものとは認め難いから、爾余の判断をなすまでもなく被控訴人らの右申立は失当である。よつてこれを却下する。また、被控訴人らは、控訴人は原審において右ストライキが正当な争議行為であることについて明らかに争つていなかつたものであるから、控訴人の右主張は自白の撤回に当たるとし、右自白の撤回には異議があるというが、仮令、控訴人が原審において右ストライキを正当な争議行為とする被控訴人らの主張を明らかに争つていなかつたとしても、控訴人が当審でこれを争うことはなんら妨げられないから、爾余の判断をなすまでもなく右異議は失当である。そこで右ストライキが正当なものであつたか否かについて案ずるに、成立に争いのない甲第一、第二号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一ないし四号証の各記載及び弁論の全趣旨によれば、右ストライキは、要するに、釧労が控訴人に対して、賃上その他組合員の労働条件の改善を要求しこれを実現することを目的として行なつたものであつたと認められ いから、爾余の判断をなすまでもなく右異議は失当である。そこで右ストライキが正当なものであつたか否かについて案ずるに、成立に争いのない甲第一、第二号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一ないし四号証の各記載及び弁論の全趣旨によれば、右ストライキは、要するに、釧労が控訴人に対して、賃上その他組合員の労働条件の改善を要求しこれを実現することを目的として行なつたものであつたと認められ 一ないし四号証の各記載及び弁論の全趣旨によれば、右ストライキは、要するに、釧労が控訴人に対して、賃上その他組合員の労働条件の改善を要求しこれを実現することを目的として行なつたものであつたと認められ、従つて争議行為として正当なものであつたと認められる。右ストライキが、仮令、控訴人主張の如き控訴人の経営状態のもとにおいて行われたとしても、或いは釧労が控訴人主張の如き、控訴人から見て過大と思われる要求を掲げてこれを行なつたものとしても、はたまたそれがその主張の如き経過を辿つて終り、釧労としてはその目的を貫徹することができなかつたものであるとしても、そのことの故に右ストライキが違法であつたと認めることはできず、これが正当であつたという前示判断がかわるものではない。3 右のとおりとすると、被控訴人らのストライキによる前記の不就労日数は、労基法第三九条一項にいう「全労働日」には算入されるべきではないことになるが、そうすると、本件各年休指定をしたときの前一箇年間における被控訴人Aの全労働日は前判示のその出勤日数と同一日数の二一〇日となつて、その出勤率は一〇〇パーセントとなり、被控訴人Bの全労働日は前記出勤日数と同一日数の二一一日となつて、その出勤率は一〇〇パーセントとなり、被控訴人Cの全労働日は前記出勤日数一七五日と私病欠勤日数三日を合計した一七八日となつて、その出勤率は九八パーセント(一パーセント未満切捨)となり、被控訴人らはいずれも前一箇年間に「全労働日の八割以上出勤」したことになる。(三) 以上のとおりであるから、被控訴人らは、本件各年休指定をしたときに、控訴人に対して労基法第三九条一項による年次有給休暇請求権を有したものと認められる。(四) なお、被控訴人らが本件各年休指定をしたときの前一箇年間における「本来の全労働日」日数が三〇〇日 ときに、控訴人に対して労基法第三九条一項による年次有給休暇請求権を有したものと認められる。 箇年間に「全労働日の八割以上出勤」したことになる。(三) 以上のとおりであるから、被控訴人らは、本件各年休指定をしたときに、控訴人に対して労基法第三九条一項による年次有給休暇請求権を有したものと認められる。(四) なお、被控訴人らが本件各年休指定をしたときの前一箇年間における「本来の全労働日」日数が三〇〇日 ときに、控訴人に対して労基法第三九条一項による年次有給休暇請求権を有したものと認められる。(四) なお、被控訴人らが本件各年休指定をしたときの前一箇年間における「本来の全労働日」日数が三〇〇日であつたことは弁論の全趣旨によつて明らかであるが、右三〇〇日の八割(二四〇日)の六分の一(四〇日)の出勤日数につき有給休暇一日の割合によつて、被控訴人ら各自の前一箇年間における前示の全出勤日数についての有給休暇日数を算出すると、それがいずれも少なくとも二日を超えることになることは計数上明らかであるから、被控訴人らの本件各年休指定によるその年次有給休暇請求権行使は、控訴人に対し信義則に反するものでもなければ、権利の濫用と目されるべきものでもない。三以上のとおりであるから、被控訴人らのした本件各年休指定により、被控訴人らの年次有給休暇はその指定のとおりに成立したものであり、従つて控訴人は被控訴人ら各自に対して右年次有給休暇の期間につき所定の賃金を支払うべき義務がある。四そこで、被控訴人らの本件各年次有給休暇期間の賃金額、その支払期について案ずるに、釧労と控訴人との間には、年次有給休暇期間の賃金(年休手当ともいう)の計算方法について、これを基本給部分と仮想歩合給補償部分の合算額とし、基本給部分は一日八時間、二五日間稼働を基準として基本給月額から時間給を算出して年次有給休暇期間(時間)に相当する賃金額を計算し、仮想歩合給補償部分は、仮想稼働高二万円の三三パーセントとする旨の協定が締結されていたこと、被控訴人らが本件各年次有給休暇をとつた時の基本給月額がいずれも金七万九〇〇〇円であつたことはいずれも当事者間に争いがなく、右事実によれば、被控訴人らの本件各年次有給休暇期間の賃金額は、次の計算式によりいずれも金一万二九二〇円となる。計算式(7 額がいずれも金七万九〇〇〇円であつたことはいずれも当事者間に争いがなく、右事実によれば、被控訴人らの本件各年次有給休暇期間の賃金額は、次の計算式によりいずれも金一万二九二〇円となる。 休暇をとつた時の基本給月額がいずれも金七万九〇〇〇円であつたことはいずれも当事者間に争いがなく、右事実によれば、被控訴人らの本件各年次有給休暇期間の賃金額は、次の計算式によりいずれも金一万二九二〇円となる。計算式(7 額がいずれも金七万九〇〇〇円であつたことはいずれも当事者間に争いがなく、右事実によれば、被控訴人らの本件各年次有給休暇期間の賃金額は、次の計算式によりいずれも金一万二九二〇円となる。計算式(79,000円÷25×8×16)+(20,000円×0.33)=6,320円+6,600円=12,920円ところで、控訴人がその従業員に対し、毎月二七日にその月分の賃金(各種手当を含む)を支払うことになつていたことは当事者間に争いがないから、控訴人は釧労の組合員である被控訴人ら各自に対し、本件年次有給休暇期間の賃金一万二九二〇円を、本件各年次有給休暇の直後の賃金支払日である別表賃金支払日欄記載の日に支払う義務を負つたことになる。五次に、釧労と控訴人との間には、釧労の組合員の精勤給に関し、控訴人は一箇月間無事故精勤者に対し金四〇〇〇円、一箇月間に一勤務(暦日で二日間に相当する。)のみ欠勤した者に対し金二〇〇〇円の各精勤手当を支払う旨の協定が締結されていたこと、被控訴人らがいずれも本件各年次有給休暇の二日間を除き当月一箇月間欠勤せず無事故であつたことは当事者間に争いがなく、弁論の全趣旨によれば、右協定において、適法な年次有給休暇の期間は、右精勤手当の計算上、欠勤しなかつたものとして処理されることになつたものと推認される。而して、被控訴人らの本件各年休指定による二日間の年次有給休暇が適法なものであつたことは前判示のとおりであるから、被控訴人らが本件各年次有給休暇をとつた日の属する一箇月間の精勤手当の計算上は、被控訴人らはすべて精勤したことになる。よつて、控訴人は被控訴人ら各自に対し右精勤手当金四〇〇〇円を前判示の賃金支払日に支払う義務を負つたことになる。而して控訴人が被控訴人ら各自に対し右精勤手当として金二〇〇〇円宛支払つたことは当事者間に争 て、控訴人は被控訴人ら各自に対し右精勤手当金四〇〇〇円を前判示の賃金支払日に支払う義務を負つたことになる。而して控訴人が被控訴人ら各自に対し右精勤手当として金二〇〇〇円宛支払つたことは当事者間に争いがないが、弁論の全趣旨によれば、被控訴人らが本訴で請求している精勤手当はその残額であることが明らかである。 る。而して控訴人が被控訴人ら各自に対し右精勤手当として金二〇〇〇円宛支払つたことは当事者間に争 て、控訴人は被控訴人ら各自に対し右精勤手当金四〇〇〇円を前判示の賃金支払日に支払う義務を負つたことになる。而して控訴人が被控訴人ら各自に対し右精勤手当として金二〇〇〇円宛支払つたことは当事者間に争いがないが、弁論の全趣旨によれば、被控訴人らが本訴で請求している精勤手当はその残額であることが明らかである。六以上のとおりとすると、控訴人は被控訴人ら各自に対して、前記四記載の本件各年次有給休暇期間の賃金一万二九二〇円及び前記五記載の精勤手当の残金二〇〇〇円の合計金一万四九二〇円及びこれに対する各その弁済期である別表賃金支払日欄記載の日の翌日から右支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払をなすべき義務を負うものであるから、控訴人に対して右義務の履行を求める被控訴人らの本訴請求はいずれも理由があり、これを正当として認容すべきである。七よつて、右と同旨の原判決は相当であつて、本件各控訴は理由がないから、民事訴訟法第三八四条一項に則つてこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき同法第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官宮崎富哉塩崎勤村田達生)(別表)<19588-001>

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