- 1 - 主文 本件抗告を棄却する。 理由 本件抗告の趣意は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。 なお,所論に鑑み,職権で判断する。 記録によると,本件証拠開示に関する裁定請求は,弁護人において,刑訴法316条の26第1項に基づき,裁判所に対し,検察官が弁護人に証拠開示することを命じる旨求めた事案であるところ,同証拠開示命令請求を棄却した原々決定の謄本が,被告人本人には平成23年6月25日に,主任弁護人には同月27日にそれぞれ送達され,同決定に対して弁護人から同月30日に即時抗告の申立てがされたことが明らかである。原決定は,本件即時抗告の提起期間は被告人本人に原々決定謄本が送達された日から進行すると解し,同申立ては提起期間経過後のものであって不適法であるとして,これを棄却した。 しかしながら,本件証拠開示に関する裁定請求においては,請求の主体は弁護人であり,裁定請求が認められた場合に証拠開示を受ける相手として予定されているのも弁護人であったものであって,このような請求の形式に加え,公判前整理手続における証拠開示制度の趣旨,内容にも照らすと,弁護人において上記の証拠開示命令請求棄却決定を受けたものと解されるから,同決定に対する即時抗告の提起期間は,弁護人に同決定謄本が送達された日から進行するものと解するのが相当である。したがって,本件即時抗告の申立ては,同法422条に定める即時抗告の提起期間内にされたものであって,適法であり,これを不適法とした原決定には,同法- 2 -358条,422条の解釈適用を誤った違法がある。 もっとも,原決定は,そのなお書において,原々決定の内容を 期間内にされたものであって,適法であり,これを不適法とした原決定には,同法- 2 -358条,422条の解釈適用を誤った違法がある。 もっとも,原決定は,そのなお書において,原々決定の内容を実質的に判断して本件即時抗告は理由がないとも説示しており,その判断に誤りがあるとはいえないから,本件につき,いまだ同法411条を準用すべきものとは認められない。 よって,同法434条,426条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官寺田逸郎裁判官那須弘平裁判官田原睦夫裁判官岡部喜代子裁判官大谷剛彦)
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