昭和27(あ)1570 昭和二五年政令第三二五号違反

裁判年月日・裁判所
昭和29年12月1日 最高裁判所大法廷 判決 その他 福岡高等裁判所
ファイル
hanrei-pdf-56802.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      原判決及び第一審判決を破棄する。      被告人を免訴する。          理    由  弁護人安本従一の上告趣意は末尾添附のとおりである。  職権により調査するに、第

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文2,288 文字)

主文 原判決及び第一審判決を破棄する。 被告人を免訴する。 理由 弁護人安本従一の上告趣意は末尾添附のとおりである。 職権により調査するに、第一審判決の確定したところは、被告人は連合国最高司令官の承認を受けないで昭和二六年五月二五日頃a港を出帆し不法に本邦から出国したものであるというのであるから、その行為当時においては、昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」により禁止され昭和二五年政令第三二五号違反として処罰されていたのである。そして同覚書はその後昭和二六年六月二日附同司令官の「旅券発行の権限に関する覚書」により廃止されたが同時に右新覚書は同一事項を指定指令したので被告人の行為は依然として前記政令違反として処罰されていたのである。しかし、その後昭和二六年一一月二六日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行」と題する覚書(SCAPIN二一八五号)により、同年一二月一日以降は、日本人が海外に旅行するにあたつては、連合国最高司令官の承認乃至許可を受けることを要しないこととされ、前記「旅券発行の権限に関する覚書」は廃止されたので、昭和二五年政令第三二五号第一条違反ということはあり得ないこととなり、従つて処罰されることもなくなつたのである。されば本件被告人の行為に対しては、昭和二六年一二月一日より刑の廃止があつたものと解さなければならない。よつて弁護人の上告趣意に対し判断するまでもなく、本件は犯罪後の法令により刑が廃止された場合にあたるので、刑訴四一一条五号により原判決及び第一審判決を破棄し、同四一三条但書三三七条二号により主文のとおり判決する。 この裁判は裁判官田中耕太郎、同斎藤悠輔及び同本村善太郎を除くその余の裁判- 1 -官の一致 一一条五号により原判決及び第一審判決を破棄し、同四一三条但書三三七条二号により主文のとおり判決する。 この裁判は裁判官田中耕太郎、同斎藤悠輔及び同本村善太郎を除くその余の裁判- 1 -官の一致した意見によるものである。 裁判官田中耕太郎、同斎藤悠輔及び同本村善太郎の反対意見は次のとおりである。 多数説は、要するに、昭和二六年一一月二六日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行」と題する覚書により、本件覚書と同一事項を指定指令した同年六月二日附連合国最高司令官の「旅券発行の権限に関する覚書」は同年一二月一日以降廃止されたので、昭和二五年政令三二五号一条違反ということはあり得ないことゝなり、従つて、処罰されることもなくなつたから、昭和二六年一二月一日より刑の廃止があつたものと解さなければならないというのである。 しかし、連合国最高司令官は、昭和二五年一月五日附「日本人の海外旅行に関する申請に関する覚書」により日本人で海外に渡航しようとする者は、日本政府、外務大臣を経由して最高司令官の許可を受ける方針を執り、次で、前記昭和二六年一一月二六目附の覚書により、連合国最高司令官が従前保持していた日本人の海外渡航に関する許可権を日本側に返還することとしたのである。そこでわが国は、右覚書に基き、一方において、同年同月二八日法律二六七号旅券法を制定し、その附則二項、三項において旅券に関する政令 (昭和二五年政令一一号、昭和二六年政令二八五号) を廃止すると共に、この法律施行前にした旅券に関する行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による旨の規定を設け、他方において、同二六年一〇月四日政令三一九号によりポツダム命令たる「出入国管理令」が制定され同年一一月一日より一部の法条を除き施行され、同令七一条、六〇条において、本邦外の地域におもむく意図 け、他方において、同二六年一〇月四日政令三一九号によりポツダム命令たる「出入国管理令」が制定され同年一一月一日より一部の法条を除き施行され、同令七一条、六〇条において、本邦外の地域におもむく意図を以つて出国する日本人(乗員を除く)にして旅券を所持しその旅券に出国の証印を受けないで出国し、又は出国することを企てた者を処罰することを規定し、その後この規定を含む同令は、昭和二七年四月二八日法律一二六号により日本国との平和条約の最初の効力発生の日から法律として施行されているのである。これらの点から見れば、本件覚書に違反し昭和二五年政令三二五- 2 -号に該当する犯罪は、多数説の説くがごとく昭和二六年一二月一日から新らたに、成立することはなくなつたけれども、その以前既に成立した同罪の刑罰を廃止する国家意思でないこと明白である。そして、このことは、その翌昭和二七年四月二八日政令一一七号大赦令一条二三号二において、本件の昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官覚書「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する件」を特に大赦から除外している点から見ても一点の疑を容れない。されば、多数説は、昭和二六年一二月一日以後における新らたな昭和二五年政令三二五号違反の犯罪の成立と同日以前既に成立した刑罰の廃止とを混同するもので、賛同するを得ない。 裁判官霜山精一は退官のため、評議に関与しない。 検察官佐藤藤佐、同安平政吉、同福原忠男出席昭和二九年一二月一日最高裁判所大法廷裁判長裁判官田中耕太郎裁判官井上登裁判官栗山茂裁判官真野毅 裁判官井上登裁判官栗山茂裁判官真野毅裁判官小谷勝重裁判官島保裁判官斎藤悠輔裁判官藤田八郎裁判官岩松三郎裁判官河村又介裁判官谷村唯一郎裁判官小林俊三- 3 -裁判官本村善太郎- 4 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る