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昭和41(ネ)2778 約束手形金請求事件

裁判所

昭和43年5月30日 東京高等裁判所

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4,527 文字

主文 本件控訴をいずれも棄却する。控訴費用は、控訴人の負担とする。事実 控訴代理人は、「原判決を取消す。被控訴人らの請求を棄却する。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は、主文第一項同旨の判決を求めた。当事者双方の事実上の主張および証拠の関係は、控訴代理人において、「一本件手形の振出に用いられているAなる氏名は、控訴人の別名でなく、架空の人名である。右名義で本件手形を振出した者は、訴外有限会社入沢商店であつて控訴人ではない。ただし、現実に本件手形にAの押印をした者が控訴人であることは認める。二手形法第八条により代理人に責任を負わせるためには代理関係が手形面上に表示されていることが要件であると解すべきところ、本件においては手形面に代理関係の表示がなく、いわゆる記名捺印の代行の形式をとつており、これを代理と解するとしてもかかる方式による代理の場合にまで手形法第八条による責任を認めるべきではない。三のみならず、被控訴人は、訴外有限会社入沢商店の経理内容や資金関係を熟知し、かつ本件手形振出人の記載が手形による右訴外会社の信用力を増すために架空人の表示をもつてされたものであることを知つて本件手形を取得したものであるから、控訴人の犠牲において被控訴人が保護されるべき筋合はない。」と述べ、証拠として、乙第一号証を提出し、被控訴代理人において、一右第二項の主張は争う、同第三項は否認する。二かりに訴外有限会社入沢商店が振出人だとすれば、本件各手形の受取人も同訴外会社であるから、本件は自己宛約束手形になるが、自己宛約束手形を振うすことはできないものであるから、控訴人の主張は違法のものである。」と述べ、乙第一号証の成立は認めると述べたほか、原 受取人も同訴外会社であるから、本件は自己宛約束手形になるが、自己宛約束手形を振うすことはできないものであるから、控訴人の主張は違法のものである。 二かりに訴外有限会社入沢商店が振出人だとすれば、本件各手形の受取人も同訴外会社であるから、本件は自己宛約束手形になるが、自己宛約束手形を振うすことはできないものであるから、控訴人の主張は違法のものである。」と述べ、乙第一号証の成立は認めると述べたほか、原 受取人も同訴外会社であるから、本件は自己宛約束手形になるが、自己宛約束手形を振うすことはできないものであるから、控訴人の主張は違法のものである。」と述べ、乙第一号証の成立は認めると述べたほか、原判決の事実摘示と同一であるからここにこれを引用する(但し、原判決三枚目裏八行目「原告鈴木商店は」を「原告Bは」に訂正する。)。理由 一被控訴人らが本件において手形金を請求している約束手形であることの明かに認めることができる甲第一号証ないし第三号証の各一および九号証によれば手形の要件(振出人の記載を含む)および裏書の記載として被控訴人ら各主張のとおりの記載があることを認めることができる。被控訴会社代表者Cおよび被控訴人Bの原審における各本人尋問の結果および文書の方式と趣旨とを綜合してすべて真正に成立したものと認めることができる甲第一ないし第三号証の各一および同第九号証の記載を併せ考えれば、被控訴会社は、甲第一号証の一、第二号証の一、第三号証の一の各手形の所持人であり、甲第九号証の手形は一旦被控訴人Bから訴外Dに白地式裏書により譲渡したが、後これを取戻し、現に同被控訴人がその所持人であることを認めることがてき、被控訴人らはそれぞれ適法にその手形を所持するものと推定されるところ、これを覆すに足る格別の証拠は全く存在しない。二前段認定によれば、本件各手形の振出人の名称としては「A製作所代表A」なる記載がなされているのであるが、各手形の実際についてみるに、振出人としての記載は「A製作所代表A」なる記名と「A」なる押印によつてされているのである。被控訴人らは、A製作所代表Aなる名称が控訴人の別名であつて同人を表示するものである旨主張しているが、被控訴会社代表者本人尋問の結果によつて真正に成立したものと認められる甲 されているのである。被控訴人らは、A製作所代表Aなる名称が控訴人の別名であつて同人を表示するものである旨主張しているが、被控訴会社代表者本人尋問の結果によつて真正に成立したものと認められる甲第六号証の一ないし四によつても、右名称が控訴人を表示するものとは認め難いし、外にこれを認めることができる証拠はない。 ある旨主張しているが、被控訴会社代表者本人尋問の結果によつて真正に成立したものと認められる甲 されているのである。被控訴人らは、A製作所代表Aなる名称が控訴人の別名であつて同人を表示するものである旨主張しているが、被控訴会社代表者本人尋問の結果によつて真正に成立したものと認められる甲第六号証の一ないし四によつても、右名称が控訴人を表示するものとは認め難いし、外にこれを認めることができる証拠はない。しかしながら、前記甲第六号証の一ないし四、原審証人Eの証言により真正に成立したものと認める甲第七号証、同証言および控訴人の本人尋問の結果を綜合するに、本件各手形の振出人の前記記名および押印はすべて控訴人がしたものであり、「A製作所代表A」なる名称は、本件手形の受取人として記載してある訴外有限会社入沢商店の銀行取引の便宜のために同会社の別名として用いたものであること、および右のような別名使用は、受取人として記載された有限会社入沢商店が被控訴人らに裏書する際、第三者振出の廻り手形(いわゆる商業手形)の外観を呈し、信用を昂めることができることをもねらつたものであることを認めることができる。被控訴会社代表者、被控訴人Bおよび控訴人の原審における各本人尋問の結果によれば、本件各手形は、受取人たる訴外有限会社入沢商店から被控訴会社に対する商品取引代金の支払のためにまたは右訴外会社が被控訴人らから手形割引をうけるために控訴人らに各裏書したものであるが、控訴人はその際右訴外会社が振出人から商取引の代金決済のために取得したものである旨説明して被控訴人らに交付したものであること、およびにもかかわらず振出人として記載された「A」なる者は、実在しない架空人であつて、前記訴外会社が銀行取引に使用したにすぎないものであることを認めることができる。また被控訴会社代表者本人尋問の結果によれば、被控訴人らは、本件手形を取得するにあたり、前記振出人の名称が受取 であつて、前記訴外会社が銀行取引に使用したにすぎないものであることを認めることができる。また被控訴会社代表者本人尋問の結果によれば、被控訴人らは、本件手形を取得するにあたり、前記振出人の名称が受取人と記載されている有限会社入沢商店と異る別人であると考えていたことが認められる。そして右各認定に反する証拠はない。<要旨>右認定の事実からすれば、控訴人Fは、訴外有限会社入沢商店の経済目的を達するために本件手形の</要旨>振出人として「A製作所代表A」なる記名押印を作出し、受取人として「有限会社入沢商店」なる記載をし、その代表者として自ら記名押印による裏書をし、これを被控訴会社鈴木商店または被控訴人Bに交付してその目的を達成したものであるが、被控訴人らに裏書交付するに際して「A製作所代表A」なる者と「有限会社入沢商店」とが同一人であることを被控訴人らに告知したことを認めるべき証拠がないから、被控訴人らは、控訴人の意図にかかわらず、本件各手形の振出人と受取人とは別人であるとの考えのもとにこれを取得したものというべきである。 として自ら記名押印による裏書をし、これを被控訴会社鈴木商店または被控訴人Bに交付してその目的を達成したものであるが、被控訴人らに裏書交付するに際して「A製作所代表A」なる者と「有限会社入沢商店」とが同一人であることを被控訴人らに告知したことを認めるべき証拠がないから、被控訴人らは、控訴人の意図にかかわらず、本件各手形の振出人と受取人とは別人であるとの考えのもとにこれを取得したものというべきである。そして、この場合経済上は「A製作所代表A」名義の振出と「有限会入沢商店」の名義の裏書が合体して有限会社入沢商店のためにその目的を達成していることになるわけであるけれども、法律的には架空人「A製作所代表A」なる名義をもつて控訴人がした振出と控訴人が代表してした有限会社八沢商店の裏書に分つことができる。このような方法でした約束手形の振出には実際に記名押印をした者の名称が表示されていないからその者の署名があるということができないけれども、その者は、実際に振出人の記名押印を作出し、形式上有効な手形の外観を備えてこれを流通に置いたのであるから、手形法八条の規定の趣旨を類推して手形上の責任を負うべきものと解するのが相当である。したがつ 、その者は、実際に振出人の記名押印を作出し、形式上有効な手形の外観を備えてこれを流通に置いたのであるから、手形法八条の規定の趣旨を類推して手形上の責任を負うべきものと解するのが相当である。したがつて、控訴人は本件各手形につき振出人の責任を免れることができないのである。三甲第一号証の一の手形が満期の翌日である昭和四〇年二月一日に、甲第二号証の一、同第三号証の一および同第九号証の各手形がそれぞれその満期日たる同年二月二日、同年三月一日、同年四月一日に支払場所に呈示されたが、いずれも支払を拒絶されたことは、文書の方式と趣旨とを綜合して真正に成立したむのと認める甲第一号ないし第三号証の各二および第九号証の記載によつてこれを認めることができ、反対の証拠はない。四そうすると、その余の判断をまつまでもなく、控訴人が、被控訴人株式会社鈴木商店に対し、本件(一)ないし(三)の手形金合計金七二万二、〇〇〇円およびこれに対する満期後である昭和四〇年三月二日から支払ずみに至るまで法定の年六分の割合による遅延利息金を、被控訴人Bに対し、本件(四)の手形金三〇万円およびこれに対する満期後である同年四月二日から支払ずみに至るまで右同様遅延利息金を支払う義務があることが明らかであるから、被控訴人らの請求を認容した原判決は結局相当であつて、本件控訴ほいずれも理由がない。 ないし(三)の手形金合計金七二万二、〇〇〇円およびこれに対する満期後である昭和四〇年三月二日から支払ずみに至るまで法定の年六分の割合による遅延利息金を、被控訴人Bに対し、本件(四)の手形金三〇万円およびこれに対する満期後である同年四月二日から支払ずみに至るまで右同様遅延利息金を支払う義務があることが明らかであるから、被控訴人らの請求を認容した原判決は結局相当であつて、本件控訴ほいずれも理由がない。よつて、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官小川善吉裁判官萩原直三裁判官川口冨男)

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