【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人今泉三郎の上告趣意は、違憲(憲法三一条違反)をいうが、実質は単なる 法令違反の主張に過ぎず、刑訴法四〇五条の上告理
主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人今泉三郎の上告趣意は、違憲(憲法三一条違反)をいうが、実質は単なる 法令違反の主張に過ぎず、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。 論旨に鑑み職権で調査するに、被告人には、第一審判決が認定した被告人の判示 第三の公文書偽造の事実すなわち昭和四二年一月一七日ころ有印公文書である佐賀 県公安委員会作成名義の自動車運転免許証一通を偽造した事実と、同偽造公文書を 行使した事実すなわち昭和四二年三月二日右偽造運転免許証を警察官に呈示行使し た事実との中間に、昭和四二年二月一九日確定の道路交通法違反罪による罰金一〇、 〇〇〇円の確定裁判があるのであるが、第一審判決は、被告人の右公文書偽造の罪 と偽造公文書行使の罪とは牽連犯をなすものとして刑法五四条一項後段を適用処断 したのに対し、原判決は、被告人には右確定裁判があるから第一審判決の右適条は、 判決に影響を及ぼすこと明らかな法令の解釈適用の誤りであるとしてこれを破棄し、 右公文書偽造の罪と、右確定裁判の罪とは同法四五条後段の併合罪にあたるものと して、懲役六月に、右偽造公文書行使罪と第一審判決判示第一、同第二の各道路交 通法違反の罪について懲役八月および罰金五、〇〇〇円(金五〇〇円を一日に換算) に処し、偽造免許証を没収する旨の言渡をしている。 しかし乍ら、牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪との中間に別罪 の確定裁判が介在する場合においても、なお刑法五四条一項後段の適用があること は、当裁判所大法廷判決(昭和四三年(あ)第一六五一号、同四四年六月一八日宣 告)の判示している処であるから、原判決には、判決に影響を及ぼすべき法令適用 の誤りがある。しかし、原判決は、その摘示の各法条適用のうえ、前記の如く第一 審判示第三のうち有印公文書偽造罪 年六月一八日宣 告)の判示している処であるから、原判決には、判決に影響を及ぼすべき法令適用 の誤りがある。しかし、原判決は、その摘示の各法条適用のうえ、前記の如く第一 審判示第三のうち有印公文書偽造罪について懲役六月、判示第三のうち偽造公文書 - 1 - 行使罪およびその余の判示第一、第二の各罪につき懲役八月および罰金五、〇〇〇 円(金五〇〇円を一日に換算)に処し、偽造免許証を没収する旨の言渡をしていて、 第一審判決の懲役一年二月および罰金五、〇〇〇円(金五〇〇円を一日に換算)に 処し、偽造免許証を没収する旨の言渡と実質的には差異のないものであることに鑑 みれば、原判決は、いまだもつてこれを破棄しなければ著しく正義に反するものと は認められない。 よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、主文のとおり判決する。 この判決は、裁判官長部謹吾の牽連犯の成否の点に関する意見があるほか、裁判 官全員一致の意見によるものである。 裁判官長部謹吾の意見は次のとおりである。 私の意見は昭和四三年(あ)第一六五一号同四四年六月一八日大法廷判決におけ る私の意見と同一であるので、それを本件に引用する。そうすると、原判決には何 ら違法はなく、本件上告は棄却すべきものである。 検察官宮下明義 公判出席 昭和四四年七月三一日 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 岩 田 誠 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 長 部 謹 吾 裁判官 松 田 二 郎 裁判官 大 隅 健 一 郎 - 2 - 松 田 二 郎 裁判官 大 隅 健 一 郎 - 2 -
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