令和3(わ)192 傷害致死

裁判年月日・裁判所
令和6年7月30日 鹿児島地方裁判所
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判決文本文1,324 文字)

1 令和6年7月30日宣告令和3年(わ)第192号主 文被告人を懲役6年に処する。 未決勾留日数中670日をその刑に算入する。 理 由(罪となるべき事実)被告人は、鹿児島県鹿屋市(住所省略)の当時の被告人方において、妻、養子3名及び実子であるA(以下「被害者」という。)と居住していたものであるが、令和2年2月26日午後6時59分頃から同日午後8時45分頃までの間に、同所において、被害者が泣き止まないことにいら立ち、日頃の生活等に関するうっ憤も相まって、突発的に、被害者(当時生後53日)に対し、その前頭部を拳骨で1回殴打する暴行を加え、よって、被害者に頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫等の傷害を負わせ、同月27日午後6時17分頃、鹿児島市(住所省略)B病院において、被害者を前記頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫等に基づく脳障害により死亡させたものである。 (量刑の理由)被告人は生後2か月にも満たない乳児に暴行を加えたものであり、その態様は、柔らかく骨折が生じにくいという乳児の頭蓋骨に複数の骨折を生じさせたほど強いもので、一度きりの暴行とはいえ、危険性が高い行為であったと評価できる。これにより、尊い人命が失われるという極めて重大な結果が生じているのであって、被害者の母親や祖母が本件事件を深く悲しみ、被告人に対する厳しい処罰を望むのも至極当然である。 本件犯行は、経済的に苦しい生活状況や妻との関係不良、妻が定期的に連れ子らを前夫の両親に会わせていたことなどにストレスを募らせていた被告人が一人で被害者の子守をしていた際に、被害者が泣き止まないこと等に対するいら立ちをきっかけに、突発的、衝動的に行われたものである。被告人がストレスを募らせた背景2 には、妻とのコミュニケーション不足や妻の言動に 守をしていた際に、被害者が泣き止まないこと等に対するいら立ちをきっかけに、突発的、衝動的に行われたものである。被告人がストレスを募らせた背景2 には、妻とのコミュニケーション不足や妻の言動に対する思い込みなど被告人自身の未熟さがあり、このような人格の形成には幼い頃に両親と別れ児童養護施設で十分な人間関係を築くことができなかった成育歴も影響したことがうかがえる。もっとも、被告人がストレスを募らせていたことやその背景等は本件犯行の一因に過ぎず、量刑を判断するに際して大きく酌むことはできない。 被告人は、自身の犯行に対する悔恨の情を示しているものの、犯行直後から逮捕されるまで、被害者の死亡を当時3歳の養子のせいにしており、自身の犯した罪に真摯に向き合っていたとはいいがたい。 そこで、同種事案(傷害致死、単独犯、凶器等なし、処断罪と同一又は同種の罪なし、被告人から見た被害者の立場:子、前科なし、処断罪名と異なる罪なし、減軽事由なし)の量刑傾向に照らし、上記の事情を考慮した結果、主文の刑が相当であると判断した。 (求刑‐懲役8年、弁護人の科刑意見‐懲役4年以下)令和6年7月30日鹿児島地方裁判所刑事部 裁判長裁判官 小 泉 満理子 裁判官 松 野 豊 裁判官 髙 橋 涼 香

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