裁判所
昭和43年9月6日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 高松高等裁判所 昭和40(行コ)7
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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人田中義明、同田中達也の上告理由第一、二点について。一、二審判決および一件記録によると、参加人C排水施設組合(以下単に参加人組合という)は、本件池沼に対する昭和二二年二月二日付被上告人県知事発行の売渡通知書を同年七月二日交付され、爾来本件池沼を占有していることについて、当事者間に争いのないことは明らかであり、したがつて、参加人組合について、民法一八六条の規定により同組合が所有の意思をもつて、善意、平穏かつ公然とこれを占有していたものと推定される旨を判示した原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)の判断は、正当である。原判決には、所論のような違法はなく、所論は採用しがたい。同第三点について。所論は、独自の見解に立つて原判決を非難するか、または、原審で主張されない事実を前提として原判決を非難するものであり、採用しがたい。同第四点ないし第八点について。買収農地の売渡しを受けてこれを耕作している者は、当該売渡処分が当然無効である場合においても、特段の事情のない限り、その占有の始め、善意、無過失であつたと認めるのが相当であるとするのは当裁判所の判例とするところであり(当小法廷判決昭和四〇年(オ)第一四五二号、同四一年九月三〇日民集二〇巻七号一五三二頁、同小法廷判決昭和四〇年(行ツ)第一一一号、第一一二号、同四二年三月三一日民集二一巻二号五一六頁各参照)、この理は、単に耕作しているときのみならず、農業用施設として占有しているときにも異なることはないというべきである。- 1 -そして、原判決の確定した事実関係のもと、とくに本件買収処分の手続については所轄官庁の係官の指示にもとづいてした事実に徴 施設として占有しているときにも異なることはないというべきである。- 1 -そして、原判決の確定した事実関係のもと、とくに本件買収処分の手続については所轄官庁の係官の指示にもとづいてした事実に徴すれば、本件でも特段の事情は認められないというべく、したがつて、参加人組合に時効による所有権の取得を認めた原判決の判断は正当である。 に本件買収処分の手続については所轄官庁の係官の指示にもとづいてした事実に徴 施設として占有しているときにも異なることはないというべきである。- 1 -そして、原判決の確定した事実関係のもと、とくに本件買収処分の手続については所轄官庁の係官の指示にもとづいてした事実に徴すれば、本件でも特段の事情は認められないというべく、したがつて、参加人組合に時効による所有権の取得を認めた原判決の判断は正当である。原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、採用しがたい。同第九点について。原判決は、論旨指摘のとおり、参加人組合員の大半は、いわゆる解放農地について自作農たるべき者であるが、それ以外にも一般農地耕作者もかなり多数加入している旨を判示しているが、これをもつて、所論のように参加人組合を、所論の行政官庁の示唆されたものと異なるものと解することはできない。原判決には、所論のような違法はない。同第一〇点について。民法一六二条の規定が適用されるためには、所論のように他人の所有に属することが要件とされるものではない(当小法廷判決昭和四〇年(オ)第一二六五号、同四二年七月二一日民集二一巻六号一六四三頁参照)。所論は、採用しがたい。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 2 -裁判官色川幸太郎- 3 - 主文 理由 事実 争点 判断
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