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主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 別紙記載の抗告代理人の抗告の趣旨及び理由に対する当裁判所の判断は次のとおりである。抗告理由第一点について。任意競売事件において競売期日の公告に載せられた競落期日と異る日時を競落期日として新たに指定する場合には、新競落期日につき更に公告するの外利害関係人に通知するを要するところ、原審執行裁判所が本件任意競売事件において競売期日の公告に載せられていない昭和三一年九月三日午前一〇時の新競落期日を債務者兼物件所有者である抗告人本人に通知せずに大阪市a区b町cビル内の武並覚郎弁護士に通知したことは、記録上明かである。そこで同弁護士が抗告人の代理人として右期日の通知を受ける権限を有していたか否を検討するのに、本件競売事件において第五回目の競売期日並に競落期日の公告後、抗告人より同弁護士に対し昭和三一年三月二日付で「不動産競売開始決定に対する異議」事件として、次いで同月五日付で「競落許可に対する異議」事件として、更に同月一三日付で「賃貸借調再調査、評価の再鑑定の申立」事件として夫々右各事件の訴訟行為(並に抗告及びその取下、復代理人の選任)を委任する旨の各委任状が提出されていることが記録上明かである。 <要旨>ところで任意競売手続は対立する利害関係人の間に抵当権等の実体上の権利の終局的実現を目指して発展す</要旨>る手続構造である点において強制競売手続に酷似し訴訟的性格を帯びるものであるから、任意競売手続にもその性質に反しない限り民事訴訟法が準用されるものと解するのが相当であつて、任意競売手続において利害関係人の代理人として選任される弁護士の執行上の代理権の範囲についても執行手続の円滑なる進行の必要性並に弁護士としての職業的性 訴訟法が準用されるものと解するのが相当であつて、任意競売手続において利害関係人の代理人として選任される弁護士の執行上の代理権の範囲についても執行手続の円滑なる進行の必要性並に弁護士としての職業的性格に鑑み民事訴訟法第八一条の準用があるものと解すべきである。 売手続において利害関係人の代理人として選任される弁護士の執行上の代理権の範囲についても執行手続の円滑なる進行の必要性並に弁護士としての職業的性 訴訟法が準用されるものと解するのが相当であつて、任意競売手続において利害関係人の代理人として選任される弁護士の執行上の代理権の範囲についても執行手続の円滑なる進行の必要性並に弁護士としての職業的性格に鑑み民事訴訟法第八一条の準用があるものと解すべきである。従つて、弁護士は委任者の代理人として競売手続に関する一般通常の事項に関しては包括的代理権を有し、委任者は執行裁判所の専管する競売手続及びこれに派生随伴する異議手続に関してこれを組成する個々の執行法上の行為に制限して代理権を付与することは許されず、たとい委任者がかかる制限を附しても、その制限は執行法上効力を有しないといわなければならない。本件競売事件において前記各委任状の事件名の記載が抗告人において武並弁護士の代理権を制限する趣旨に出たものであるとしても、かかる制限は上記の理由により無効であつて、同弁護士は右委任状のいずれによつても債務者兼所有者である抗告人の代理人として競売手続に関する一般通常の事項については包括的代理権を有し、従つて競落期日の通知を受ける代理権も当然有するものといわなければならない。してみれば、原審執行裁判所が前記委任状の提出に基いて同弁護士を本件競売事件における右抗告人の代理人として遇し、前記新競落期日を同弁護士に通知したことは、洵に適法であつて、右期日不通知の違法は何等存しない。抗告理由第二、第三点について。本件競売の基本たる抵当権及び債権に関しては、当初の債権者である株式会社太道相互銀行において債務者である抗告人との間の根抵当権設定契約に基く取引を解約し極度額の範囲内の債権額を確定した上本件競売を申立て、事件係属中の昭和三〇年四月二七日銀行より利害関係人Aに対し右抵当権及び確定債権を譲渡し、同銀行より翌二八日到達の書面で抗告人に譲渡通知をなし、右譲受人 の範囲内の債権額を確定した上本件競売を申立て、事件係属中の昭和三〇年四月二七日銀行より利害関係人Aに対し右抵当権及び確定債権を譲渡し、同銀行より翌二八日到達の書面で抗告人に譲渡通知をなし、右譲受人において本件競売手続を受継したことが記録上明かであつて、右債権譲渡並に抵当権の行使に関する抗告人の主張については、いずれもこれを理由づける何等の資料もない。 日到達の書面で抗告人に譲渡通知をなし、右譲受人 の範囲内の債権額を確定した上本件競売を申立て、事件係属中の昭和三〇年四月二七日銀行より利害関係人Aに対し右抵当権及び確定債権を譲渡し、同銀行より翌二八日到達の書面で抗告人に譲渡通知をなし、右譲受人において本件競売手続を受継したことが記録上明かであつて、右債権譲渡並に抵当権の行使に関する抗告人の主張については、いずれもこれを理由づける何等の資料もない。抗告理由第四点について。本件記録を精査しても抗告代理人主張の如き賃貸借取調の粗漏、不当は認められない。尤も抗告代理人主張の如く本件競売物件である土地自体について賃貸借がないとしても、その土地は現況宅地であつて北寄りに三筆の浴場建物(d温泉)が存し南側に幾分の空地を残しているにせよ、右浴場建物の賃借人であるBがこれらの空地部分を含めて本件土地を一体のものとしてその敷地に利用していることが本件記録に徴し認められるのであつて(抗告人において右空地部分につき建物賃借権の及ばないことを裏付ける資料を提出しない)、かかる場合地上建物の賃借人がその賃借権の内包として敷地の利用権能をも有することは理の当然に属するから、鑑定人が本件土地を評価するに当り、この点を考察し、かかる利用権能のない更地の場合に比し低く評価したとしても、違法不当ということはできない。従つて、本件最低競売価格の決定に何等違法不当の瑕疵はない。その他本件競落許可決定を違法とすべき事由は存しないのみならず、本件競売申立を却下すべき事由についての主張立証もない。以上の次第で本件抗告は理由がないから棄却し、抗告費用につき民事訴訟法第八九条を準用して主文のとおり決定する。(裁判長判事神戸敬太郎判事木下忠良判事鈴木敏夫) 主文 準用して主文のとおり決定する。(裁判長判事神戸敬太郎判事木下忠良判事鈴木敏夫)
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