裁判所
昭和43年3月27日 東京高等裁判所
1,799 文字
主文 本件各控訴を棄却する。当審における訴訟費用は、全部被告人Aの負担とする。理由 本件各控訴の趣意は、被告人両名の弁護人大久保純一郎および同小林優共同提出の控訴趣意書記載のとおりであり、これに対する答弁は、東京高等検察庁検察官検事神崎量平提出の答弁書記載のとおりであるから、いずれもこれを引用し、これらに対し次のとおり判断する。控訴趣意第一点ないし第四点(いずれも法令適用の誤りの主張)について。所論は、要するに、原判決は、被告人Aに対し原判示第一の一および第二の一の、また同Bに対し同第二の一および第二の三の各神奈川県公安委員会の付した交通秩序の維持に関する事項に関する許可条件に違反して行なわれた集団示威運動を指導した事実(以下、被告人らの本件各所為という。)を認定したらえ、それぞれ昭和二五年一一月一日神奈川県条例第六九号、集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(以下、本件条例という。)第五条、第三条を適用処断したが、原判決には、憲法、地方自治法ないしは違法性阻却に関する法の解釈適用を誤つた違法があり、この誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決はこれを破棄すべきである、というに帰するので、以下順次検討することとする。(二) 次に所論(第二点)は、原判決は、憲法第九四条により各地方公共団体に認められた条例制定権に基づき制定される条例は、地域差を生ずることがあつても、憲法の容認するところであつて、法の下の平等の原則に反するものというを得ないから、集団示威運動を規制するため条例の形式をもつてした本件条例に地域差を生ずるものがあつても違憲でない旨判示したが、集団示威運動に対する規制は、全国画一的な立法形式によるべきものであつて、地域差を必要とする合理的な理由な るため条例の形式をもつてした本件条例に地域差を生ずるものがあつても違憲でない旨判示したが、集団示威運動に対する規制は、全国画一的な立法形式によるべきものであつて、地域差を必要とする合理的な理由なくして条例の形式によつた本件条例は、集団示威運動を規制する条例を有しない地方公共団体のあることとも相まつて、法の下の平等の原則に反する違憲のものというべく、これを合憲と判断した原判決には、憲法第一四条の解釈を誤まつた違法がある、と主張する。 例に地域差を生ずるものがあつても違憲でない旨判示したが、集団示威運動に対する規制は、全国画一的な立法形式によるべきものであつて、地域差を必要とする合理的な理由なくして条例の形式によつた本件条例は、集団示威運動を規制する条例を有しない地方公共団体のあることとも相まつて、法の下の平等の原則に反する違憲のものというべく、これを合憲と判断した原判決には、憲法第一四条の解釈を誤まつた違法がある、と主張する。<要旨>しかし、集団示威運動の規制については、いまだ全国的に統一した法律は制定されていないので、本件条例</要旨>が憲法第九四条および地方自治法に基づき集団示威運動の規制につき規定したことは、それ自体なんら憲法第一四条に違反するものではないばかりでなく、本件条例が規定の体裁内容において他の地方公共団体の同種の条例と必ずしも同一のものではなく、またかかる条例を有しない地方公共団体もあつて、全国的には他の地域との間に集団示威運動の規制についての取扱いに差異を生ずる結果となつていることは認めなければならないにしても、憲法が地方自治の原則に基づき、各地方公共団体に条例制定権を付与している以上、各地域それぞれの特殊な事情に適合する必要から、地域により条例の内容に差別を生ずることのあるべきことはその当然予想するところであり、かかる差別は憲法みずからの容認するところといらべきであるから、本件条例が前記地域差のため憲法第一四条に違反するものとはいうことができず(最高裁判所昭和二九年(あ)第二六七号、同三三年一〇月一五日大法廷判決、刑集一二巻一四号三三〇五頁参照)、所論は、到底採用することができない。論旨は理由がない。(その余の判決理由は省略する。)(裁判長判事石井文治判事山田鷹之助判事山崎茂) 、刑集一二巻一四号三三〇五頁参照)、所論は、到底採用することができない。論旨は理由がない。(その余の判決理由は省略する。)(裁判長判事石井文治判事山田鷹之助判事山崎茂)
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