令和3年2月9日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成30年(ワ)第3789号不正競争行為差止等請求事件口頭弁論終結日令和2年11月17日判決 原告株式会社北の達人コーポレーション 同訴訟代理人弁護士鮫島正洋高橋正憲 被告株式会社はぐくみプラス 同訴訟代理人弁護士杉田昌平同訴訟代理人弁理士佐藤英昭主文 1 被告は,原告に対し,1835万7803円並びにうち1610万2738円に対する平成30年3月23日から,うち36万7662円に対する同年3月31日から,うち29万5566円に対する同年4月30日から,うち25万8290円に対する同年5月31日から,うち25万6320円に対する同年6月30日から,うち23万54 87円に対する同年7月31日から,うち23万3293円に対する同年8月31日から,うち17万1965円に対する同年9月30日から,うち23万2127円に対する同年10月31日から及びうち20万4355円に対する同年11月30日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用はこれを100分し,その99を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求等 1 被告は,別紙物件目録記載の商品(以下「被告商品」という。)の広告又は取引に用いる書類若しくは通信及び被告若しくは被告の取引先の営業に係るウェブサイトその他の宣伝広 由第1 請求等 1 被告は,別紙物件目録記載の商品(以下「被告商品」という。)の広告又は取引に用いる書類若しくは通信及び被告若しくは被告の取引先の営業に係るウェブサイトその他の宣伝広告物に,別紙誤認表示目録記載の表示(以下「本件表示」という。)をしてはならない。 2 被告は,被告商品の広告又は取引に用いる書類若しくは通信及び被告若しく は被告の取引先の営業に係るウェブサイトその他の宣伝広告物における本件表示を抹消せよ。 3 被告は,被告の取引先その他の第三者に対し,被告商品について,別紙信用棄損行為目録記載の虚偽事実(以下「本件虚偽事実」という。)を告知又は流布してはならない。 4 被告は,既に配布した別紙文書目録記載の各文書(以下,番号に応じて「本件文書1」,「本件文書2」といい,併せて「本件各文書」という。)のうち本件表示部分及び本件虚偽事実部分を回収せよ。 5 被告は,原告に対し,11億1844万3444円及びこれに対する平成30年3月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 仮執行宣言第2 事案の概要本件は,原告が,被告に対し,①被告は,被告商品の品質について誤認させるような表示をして(不正競争防止法2条1項20号),原告の営業上の利益を侵害した等と主張して,侵害行為停止・予防請求権(同法3条1項)に基づ き,被告商品の広告,取引に用いる書類及び通信等に本件表示をする行為の差 止めを求めるとともに,侵害行為組成物廃棄等請求権(同条2項)に基づき,被告商品の広告,取引に用いる書類及び通信等における本件表示の抹消,並びに,被告が既に配布した本件各文書のうち本件表示部分の回収を求め,②また,被告は,競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の 被告商品の広告,取引に用いる書類及び通信等における本件表示の抹消,並びに,被告が既に配布した本件各文書のうち本件表示部分の回収を求め,②また,被告は,競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するなどして(同法2条1項21号),原告の営業上の利益を侵害した等と主張して, 侵害行為停止・予防請求権(同法3条1項)に基づき,本件虚偽事実の告知し又は流布する行為の差止めを求めるとともに,侵害行為組成物廃棄等請求権(同条2項)に基づき,被告が既に配布した本件各文書のうち本件虚偽事実部分の回収を求め,③被告による上記の品質誤認表示行為及び信用棄損行為について,不法行為による損害賠償請求権(同法4条,民法709条)に基づき, 11億1844万3444円及びこれに対する平成30年3月23日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(当事者間に争いのない事実及び証拠上容易に認められる事実。証拠は文末に括弧で付記した。なお,書証は特記しない限り枝番を全て含む。以 下同じ。)⑴ 当事者等原告は,加工食品,健康食品,健康補助食品等の販売,製造事業等を目的とする株式会社である。原告は,遅くとも平成24年頃には,「カイテキオリゴ」という名称のオリゴ糖含有食品(以下「原告商品」という。)の販売 を開始した。(甲6,弁論の全趣旨)被告は,健康食品等の企画,開発,製造,販売等を目的とする株式会社である。 (本項につき,争いのない事実のほか,弁論の全趣旨)⑵ 被告の行為等 アオリゴ糖類食品である被告商品は平成25年頃に販売が開始され,被告 は,平成26年7月 る。 (本項につき,争いのない事実のほか,弁論の全趣旨)⑵ 被告の行為等 アオリゴ糖類食品である被告商品は平成25年頃に販売が開始され,被告 は,平成26年7月に設立後,被告商品を販売するようになった。 被告商品のパッケージには,その原材料が,乳糖果糖オリゴ糖,ガラクトオリゴ糖粉末,フラクトオリゴ糖,キシロオリゴ糖及びラフィノースであると記載されている。 (本項につき,甲10,29,乙8,23,弁論の全趣旨) イ被告は,インターネットウェブサイト上に開設したブログに,従業員をして,被告商品について,平成28年5月,「≪オリゴ糖100%≫なので妊娠中・産後はもちろん,赤ちゃんにも安心してお使いいただけます」などと,同年6月,「オリゴ糖なら何でもよいわけではありません。 選ぶときには“純度”に是非着目して頂きたいです!純度が低く,添加 物,不純物が加えられていると効果が得られません。」,被告商品の「強みはなんといっても【純粋100%オリゴ糖】」などと,また,平成29年6月,被告商品の「こだわりは【純度100%】であること。 …5種類のオリゴ糖をブレンドしている中で一切,添加物を使用しておりません。」などと記載した(以下「本件行為1」という。)。(争い がない事実のほか,甲11,12,14)ウ被告は,グーグルインクが運営する検索サイトに,「100%オリゴ糖」,「高純度,超濃密な5種のオリゴ糖を厳選」,「完全なオリゴ糖100%で砂糖は一切入っておりません。」などと記載した被告商品のリスティング広告を掲載した(以下「本件行為2」という。)。 なお,リスティング広告とは,検索サイトにおいて,閲覧者が当該商品に関して設定された単語を用いて検索をした際に,検索結果ページ のリスティング広告を掲載した(以下「本件行為2」という。)。 なお,リスティング広告とは,検索サイトにおいて,閲覧者が当該商品に関して設定された単語を用いて検索をした際に,検索結果ページに表示されるように設定されたものをいう。 (本項につき,争いがない事実のほか,甲15,乙45)エ被告は,平成29年11月,顧客から被告商品が固まる理由について問 合せを受けたのに対し,「添加物が一切入っていないオリゴ糖100% のため,どうしても湿気に弱く,固まりやすい性質となっております。」などと回答した(以下「本件行為3」という。)。(甲17)オ被告は,株式会社ファンコミュニケーションズ(以下「ファンコミュニケーションズ」という。)が運営する「A8.net」と称するアフィリエートプログラム代行サービスを利用するに当たり,アフィリエータ ー向けのサイトに,被告商品について「濃密な5種のオリゴ糖を独自ブレンドした自然由来100%のはぐくみオリゴ」である旨記載し,また,アフィリエーターらに対し,「オリゴ糖100%なので,妊婦や赤ちゃんも安心して飲める様です。」と記載したバナー(アフィリエーターが閲覧者を被告のウェブサイトに誘引するために用いる。)を提供した (以下「本件行為4」という。)。 なお,アフィリエートとは,広告主と契約した個人等(アフィリエーター)が,インターネット上にそれぞれ開設したブログ等において広告主の商品等を紹介し,ブログ等を通じて閲覧者を上記商品等の購入に誘引した場合に収益を得,他方,広告主は上記ブログ等を通じて商品等の広 告,販売促進を図る仕組みである。 (本項につき,争いがない事実のほか,甲18,19,弁論の全趣旨)カ被告は,平成28年10月8日,ファンコミ 告主は上記ブログ等を通じて商品等の広 告,販売促進を図る仕組みである。 (本項につき,争いがない事実のほか,甲18,19,弁論の全趣旨)カ被告は,平成28年10月8日,ファンコミュニケーションズ開催に係る会員(アフィリエーター)及び広告主向けA8フェスティバルに参加した。(甲21) 原告は,同年11月2日,被告に対し,「被告が,A8フェスティバルにおいて『原告商品はオリゴ糖100%じゃない,被告商品はその点良品で100%』などと原告商品に関し虚偽の事実を述べたという情報に接している」,「誠意ある対応がない場合には,…法的手続を」とる旨を記載した書面を送付した。これに対し,被告は,弁護士に委任して,同月16 日,原告に対し,「一部の従業員において原告指摘のような発言があった ようだ」,「被告商品がオリゴ糖100%であるというのは正確ではなく,この前提での比較は不適切であった」旨記載した書面(以下「本件回答書面」という。)を送付した。(甲3,4)キ被告は,平成29年2月25日に福岡市で開催されたA8フェスティバルにおいて,被告商品について「オリゴ糖100%」であると記載した札 を設置し,同年6月3日に東京都渋谷区で開催されたA8フェスティバルにおいて,被告商品について「オリゴ100%」であると記載した札を設置し,アフィリエーターらに対し被告商品について本件文書1を配布し,同年9月23日に大阪市で開催されたA8フェスティバルにおいて,アフィリエーターらに対し被告商品について本件文書2を配布した(以下「本 件行為5」という。)。 被告は,本件各文書において,アフィリエーターらに対し,閲覧者が被告のウェブサイトに誘引され取引の申込みをする確率(conversionrate;CVR) 下「本 件行為5」という。)。 被告は,本件各文書において,アフィリエーターらに対し,閲覧者が被告のウェブサイトに誘引され取引の申込みをする確率(conversionrate;CVR)が高い単語として「オリゴ糖 100 パーセント」,「オリゴ糖 100」等を記載して紹介した。 (本項につき,甲20,21~25,弁論の全趣旨)ク平成25年3月頃以降,ファンコミュニケーションズの会員であるアフィリエーターらの中には,各ブログに,「『オリゴ糖100%』と明記されていない商品は,必ず砂糖が添加されている」,「オリゴ糖100%は被告商品だけ!」,「被告商品の純度は文句なしの100%,原告商品も ほぼ100%なので,やや被告商品の方が勝っていますが,そこまで大きな違いはありません。」,「必要なモノだけを使っているから無香料で無着色のオリゴ糖100%です」などと記載した者がいた(以下,同各記載行為を「本件行為6」という。)。(甲26~29)ケ被告本店所在地に本店を置く株式会社フロムココロ(以下「フロムココ ロ」という。)は,電子商取引(EC)サイトにおいて,「超高純度のオ リゴ糖」,「オリゴ糖100%」,「他の素材は一切使わず100%オリゴ糖で作った」等と記載して被告商品を販売した(以下「本件行為7」という。)。(甲10,30,31,38)⑶ 損害の発生原告は,被告の行為により損害を受けた。(争いがない) 2 争点及び争点に関する当事者の主張本件の争点は,①被告が品質誤認表示行為(不正競争防止法2条1項20号)を行ったか。 ②被告が信用毀損行為(同項21号)を行ったか。 ③原告の主張が信義則違反か。 ④損害の発生及び額⑤表示の抹消等の必要性で 不正競争防止法2条1項20号)を行ったか。 ②被告が信用毀損行為(同項21号)を行ったか。 ③原告の主張が信義則違反か。 ④損害の発生及び額⑤表示の抹消等の必要性である。 ⑴ 争点①(被告が品質誤認表示行為を行ったか。)(原告の主張) 被告は,被告商品の品質について「オリゴ糖100%」などと誤認させるような表示(以下,本件表示のうち被告が現に行った表示を「被告表示」という。)を行った。 すなわち,現在,純度100%のオリゴ糖は存在していない。実際,被告商品のオリゴ糖純度は53.29%であり,しかも,そこに含まれるオリゴ 糖のうち,乳糖果糖オリゴ糖,ガラクトオリゴ糖及びフラクトオリゴ糖は単糖を含む。なお,2糖類であるショ糖は,小腸で消化吸収され,被告がオリゴ糖の特徴であると表示している大腸において善玉菌を活性化し便通を改善するという性質を有しないことから,業界においてはショ糖とオリゴ糖を区別して表示するのが常識である。それにもかかわらず,被告は,少なくとも 平成26年7月から令和元年9月までの間,需要者に対し,本件行為1から 3のとおり直接的に,又は,本件行為4から6のとおりアフィリエーター若しくは本件行為7のとおりフロムココロを通じて間接的に,広告又は取引に用いる書類若しくは通信に被告商品についてオリゴ糖100%の食品である旨の虚偽の,かつ,需要者に便通改善効果に資する成分が100%であるとの誤認を与える表示をした。なお,これらの表示は,現在でも一部のアフィ リエーターやフロムココロによって継続されている。 また,被告は,将来,現にしている表示のほか「100%高純度のオリゴ糖」,「100%高純度」という表示をする蓋然性がある。 (被告の主張)被告商 やフロムココロによって継続されている。 また,被告は,将来,現にしている表示のほか「100%高純度のオリゴ糖」,「100%高純度」という表示をする蓋然性がある。 (被告の主張)被告商品に関するオリゴ糖100%等の表示は品質を誤認させるような表 示ではない。 すなわち,まず,「オリゴ糖」には明確な定義はなく,一般的に2糖類から10糖類程度の糖類を含む概念であると解され,各オリゴ糖を生成する際には各オリゴ糖に2糖類であり砂糖の主成分であるショ糖が数%含まれ得るが,オリゴ糖にどの程度の糖類までが含まれるかについての見解の違いによ って「オリゴ糖100%」等の表示の性質は異なり得る。また,食品の生成過程において何らかの副産物が含まれることは一般的に許容されている。被告は,被告商品の原材料である各オリゴ糖を独自の製法により原料から生成しており,被告商品の原材料であるオリゴ糖は,オリゴ糖を生成するための原料のみを使用し,その他の添加物を一切加えずに生成しているのであるか ら,上記の「オリゴ糖」の一般的な概念に照らせば,本件表示のうち,被告商品のオリゴ糖の濃度に関する「オリゴ糖100%」,「100%オリゴ糖」,「純粋100%オリゴ糖」,「純度100%」,「100%高純度のオリゴ糖」,「オリゴ糖 100 パーセント」,「オリゴ糖 100」,「100%高純度」との各表示は事実に反するものではない。 また,被告商品の原材料である各オリゴ糖の原料は全て天然又は自然由来 といえるものであるから,本件表示のうち,被告商品のオリゴ糖の原材料に関する「天然由来100%オリゴ糖」,「濃密な5種のオリゴ糖を独自ブレンドした自然由来100%のはぐくみオリゴ」との各表示も事実に反するものではない。 なお,被告は,平成 商品のオリゴ糖の原材料に関する「天然由来100%オリゴ糖」,「濃密な5種のオリゴ糖を独自ブレンドした自然由来100%のはぐくみオリゴ」との各表示も事実に反するものではない。 なお,被告は,平成30年2月14日,アフィリエーターらに,同月末ま でに,被告商品について「オリゴ糖100%使用」,「オリゴ糖のみ使用」という表示をすることを止めるよう通知したから,同年3月1日以降,被告商品について本件表示をしたとはいえない。また,被告は,同年11月20日,被告商品の仕様を,高純度のオリゴ糖であることを謳ったものからオリゴ糖と乳酸菌を配合したことを独自性の中心に据えたものに変更しており, 同年12月1日以降,本件表示をして被告商品を譲渡したとはいえない。 ⑵ 争点②(被告が信用毀損行為を行ったか。)について(原告の主張)被告は,アフィリエーターらを通じて,原告商品より被告商品の方が優れている趣旨の原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布した。 すなわち,被告は,平成28年10月8日に開催されたA8フェスティバルにおいて,従業員をして,アフィリエーターらに対し,「原告商品はオリゴ糖100%ではないが,被告商品はオリゴ糖100%であり良品である。」,「原告商品は糖度が低いので,被告商品の方が良質である。」旨説明した。実際,原告の従業員は,上記説明の存在を見聞したことから被告の 従業員に原告商品と被告商品の違いを尋ねたところ,同従業員は「原告商品は100%ではない。」,「客層の幅が広い分,効果はどうなんでしょうね。」旨述べた。このことは,その後に被告が原告に送付した本件回答書面の内容からも明らかである。 また,被告は,本件行為5のとおり,平成29年6月3日及び同年9月2 3日開催のA ょうね。」旨述べた。このことは,その後に被告が原告に送付した本件回答書面の内容からも明らかである。 また,被告は,本件行為5のとおり,平成29年6月3日及び同年9月2 3日開催のA8フェスティバルにおいて,アフィリエーターらに対し,原告 商品はオリゴ糖100%ではなく,オリゴ糖純度の点で被告商品に劣るとの虚偽の事実を指摘するに等しい内容の本件各文書を配布した。 (被告の主張)被告の従業員が平成28年10月8日に開催されたA8フェスティバルにおいて原告主張に係る発言をした事実は存在しない。なお,本件回答書面は, 当時の被告代理人弁護士が,紛争を回避するために原告の主張を争わずに謝罪するという方針の下で作成したものであり,事実を記載したものではない。 また,被告は,本件行為5において,「他社」という言葉を用いたものの,必ずしも原告を意味するものではなく,原告の信用を害する虚偽の事実を告知していない。 加えて,原告商品の原材料には難消化性デキストリンが使用されているのに対し,被告商品の原材料は全てオリゴ糖であるから,原告主張に係る本件虚偽事実は虚偽ではない。 ⑶ 争点③(原告の主張が信義則違反か。)について(被告の主張) 原告は,過去に,前記⑴(原告の主張)の主張に係る被告の行為と同様の行為を行っていたから,原告がこれを不正競争として主張するのは信義則に反し許されない。 すなわち,原告は,少なくとも平成23年3月頃から平成24年2月頃まで,原告商品について,「純度ほぼ100%の高品質なオリゴ糖」,「高品 質・高純度のほぼ100%のナチュラルオリゴ糖」等の表示を行っていたところ,これらの表示は,需要者に与える意味において,被告商品に関する本件 ,「純度ほぼ100%の高品質なオリゴ糖」,「高品 質・高純度のほぼ100%のナチュラルオリゴ糖」等の表示を行っていたところ,これらの表示は,需要者に与える意味において,被告商品に関する本件表示と差異はない。したがって,仮に被告の本件表示行為が不正競争であると評価される場合には,原告の行為も不正競争となる。 (原告の主張) 原告の請求が信義則により許されなくなることはない。 原告の行為と被告の行為は無関係である。また,原告は,平成28年7月まで販売していた原告商品のオリゴ糖の濃度が約97.5%であったため,当時「純度ほぼ100%」等の表示を行っていたが,その後,原告商品のオリゴ糖の濃度を変更し,その後は,上記の表示をしていない。 ⑷ 争点④(損害の発生及び額)について (原告の主張)ア損害の発生について被告は,各不正競争により,平成26年7月から令和元年9月までの間,原告商品の購入者又は潜在的購入者の一部をして被告商品を購入せしめたことから,原告商品の売上げは被告商品の売上げに相当する分減少し たものであり,原告は営業上の利益を侵害されたものであり,また,侵害されるおそれがある。 原告は被告による上記侵害により損害を受けた(前記第2の1⑷)から,次のとおり,被告が受けた利益の額である11億1844万3444円が,原告が受けた損害の額と推定される(不正競争防止法5条2項)。 なお,被告による品質誤認表示は現在も継続している。 イ被告が受けた利益について平成26年7月から令和元年9月までの被告商品の売上高は12億9924万6851円であり,商品原価は1億8080万3407円であるから,被告が受けた利益の額は,11億1844万3 について平成26年7月から令和元年9月までの被告商品の売上高は12億9924万6851円であり,商品原価は1億8080万3407円であるから,被告が受けた利益の額は,11億1844万3444円である。 被告商品の売上高には,消費税及び未収金を含むというべきである。 経費のうち,特に外注費及びシステム利用料は,同種事業を営む原告においてはほとんど必要としておらず,控除すべきとはいえない。 本件表示が被告商品の売上げに寄与した程度は考慮すべきではないし,同程度に係る被告の主張に根拠はない。 ウ推定覆滅事由について 本件において,原告が受けた損害の額の推定が覆滅される事由はない。 原告商品及び被告商品の競合品の存在や,原告商品の市場占有率は不明であり,被告主張に係る被告の営業努力は通常の範囲を超えるものではない。 (被告の主張)ア損害の発生について 被告の品質誤認表示行為が認められる場合に原告に損害が発生したことは認めるが,被告は,平成30年3月1日以降本件表示をしたとはいえないし,同年12月1日以降本件表示をした被告商品を譲渡しておらず,同年3月1日以降又は同年12月1日以降,原告に損害は発生していない。 また,売上高について,消費税は最終的に納税されるものであり,税抜金 額を基準とすべきである。 イ被告が受けた利益,推定覆滅事由について被告が受けた利益は限界利益をいうところ,被告商品の売上高(消費税抜)から,未入金,商品原価のほか,商品の販売に直接関連して追加的に必要になった経費として,送料,支払手数料,広告費,コールセンターの 外注費,システム利用料を控除すべきである。 このうち,支払手数料は,商品代金の支払に の販売に直接関連して追加的に必要になった経費として,送料,支払手数料,広告費,コールセンターの 外注費,システム利用料を控除すべきである。 このうち,支払手数料は,商品代金の支払においてコンビニエンスストア決済及びクレジットカード決済が選択された際に要するものである。 広告費のうち,アフィリエート(A8.net及びフェルマ)については,被告商品の販売ごとに広告費用が発生する。ヤフージャパン,グーグ ルインク及びロジカドの運営するウェブサイトに掲載したリスティング広告並びに携帯電話向けアプリケーションソフト(ラルーン)に掲載した広告については,一定回数広告が表示され,また,顧客が被告のウェブサイトに誘引されると,被告商品の販売につながる関係にある。 また,外注費は,コールセンターを通じた販売の委託に関し,顧客から 受信した電話の応対時間に応じて発生するものである。 さらに,システム利用料は,自社の電子商取引サイトにおける販売の際の商品代金決済に係るシステムに関し,販売件数に応じて発生するものである。 このほか,被告商品の需要者のうち被告商品の特徴を認知している割合は25%程度であり,被告商品には,本件表示に係るもののほか,5種 類のオリゴ糖を配合していること,妊婦や乳幼児も摂取できることなどの特徴があることなどから,上記の半分である12.5%の需要者が本件表示に係る特徴を認知して被告商品を購入したというべきであり,したがって,本件表示が被告商品の売上げに寄与した割合は12.5%であり,原告が受けた損害の額を推定するに当たっては,被告商品の売上 高から上記経費を控除した限界利益に同割合を乗じた額を前提とすべきである。 さらに,原告商品及び被告商品には多数の競合品が存在し ,原告が受けた損害の額を推定するに当たっては,被告商品の売上 高から上記経費を控除した限界利益に同割合を乗じた額を前提とすべきである。 さらに,原告商品及び被告商品には多数の競合品が存在しており,オリゴ糖類食品市場における原告商品の占有率は23.9%程度であって,被告の行為がなかったとしても,被告が受けた利益の額のうち上記の割 合を超える76.1%は,原告に帰属したとはいえず,原告が受けた損害の額であるとは推定されない。 加えて,被告は,被告商品の価値の構築や管理を相当程度の資金を投下して特に強化して行っており,被告商品の売上げはこのような被告の営業努力によって獲得されたものである。また,原告は,平成30年11月ま で原告商品について「純度ほぼ100%」という表示をしていたから,被告の行為がなかったとしても,被告が受けた利益が原告に帰属したとはいえない。さらに,被告は,同年2月に広報手段を変更しており,同年3月1日以降は,被告が本件表示をしたとはいえず,被告による品質誤認表示はほとんど消滅している。これらの各事情から,被告の行為がなかったと しても,被告が受けた利益の額のうち更に10%は,原告に帰属したとは いえず,原告が受けた損害の額であるとは推定されないというべきである。 ⑸ 争点⑤(表示の抹消等の必要性)について(原告の主張)原告の営業上の利益の侵害を予防するためには,本件各文書のうち本件表示部分及び本件虚偽事実部分の回収が必要である。 (被告の主張)否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実,証拠(各項末尾に掲記)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実 が認められる。 ⑴ オリゴ糖に係る一般的知見等 ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実,証拠(各項末尾に掲記)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実 が認められる。 ⑴ オリゴ糖に係る一般的知見等アオリゴ糖(oligosaccharide)とは,単糖類がグリコシド結合によって結合した糖化合物で,少糖類とも呼ばれる。その範囲については,分子量300から3000程度のものを指し,2糖類である砂糖(ショ糖) や乳糖も含まれるが,3糖類以上のものから単糖が20個程度結合したものまでをオリゴ糖と称することが多いとする文献,一般に鎖長10糖以下のものをオリゴ糖というとする文献,元来は2から6糖の大きさのものを総称する単語であったが,複合糖質研究の発展に伴い10糖以上のものにも使われ始め,多糖との境界が不鮮明になりつつあるとする文 献等がある。 オリゴ糖には,多数の種類があり,それぞれに様々な作用を持つとされており,動植物から多数発見されているほか,合成されることもある。 (本項につき,乙1~4)イ健康食品市場においては,オリゴ糖は,大腸において有用菌の栄養源と なってその増殖を促進し,整腸作用を補助するほか,熱量が低く虫歯を予 防する効果,血糖値上昇を抑制する効果などが確認されており,砂糖に代わる甘味料として多くの飲料や菓子類に採用されているとされている。 (乙59)例えば,オリゴ糖のうち,フラクトオリゴ糖は,腸内細菌を介して健康,栄養に寄与する働きがあるとされ,ラフィノースは,ビート(砂糖大根, 甜菜)から分離精製される天然のオリゴ糖であり,ユーカリの樹液や大豆などにも含まれ,腸の動きを促進して便秘を防ぎ,免疫力を高めるなどとされている。なお,2糖類であるショ糖は,小腸で消化吸収され血中に 菜)から分離精製される天然のオリゴ糖であり,ユーカリの樹液や大豆などにも含まれ,腸の動きを促進して便秘を防ぎ,免疫力を高めるなどとされている。なお,2糖類であるショ糖は,小腸で消化吸収され血中に取り込まれるとされており,便通改善効果等は報告されていない。 (甲39,乙1,2) ⑵ 被告商品の販売等についてア被告商品は平成25年頃に販売が開始され,被告は,平成26年7月に設立後,被告商品を販売するようになった。 被告商品は,白色の粉末をパッケージに入れたものであり,被告のブログでは,それをヨーグルトや飲み物に入れて使うほか,料理に使ったり することが考えられることが記載されている。(甲10,14)被告商品を販売するサイト(前記第2の1⑵ケ)においては,被告商品の写真が掲載されるとともに,その横に「カラダの中の善玉菌を最大活性化させるため,独自のブレンドで5種のオリゴ糖を配合しました。吸収されにくいオリゴ糖を厳選したから,腸までしっかり届きます!しか も!他の素材は一切使わずオリゴ糖のみで作ったはぐくみオリゴ(判決注:被告商品)は,妊娠中はもちろん,赤ちゃんにも安心して使っていただけます。…」という記載がある。また,その説明等の後に,「業界トップクラスのブレンド数!!」として,被告商品は,オリゴ糖の中から5種類のオリゴ糖を厳選したこと,「ガラクトオリゴ糖」「キシロオリ ゴ糖」,「ラフィノース」,「フラクトオリゴ」,「乳果オリゴ」を使 ったことなどが記載され,また,ガラクトオリゴ糖について数多くの菌を強く育てる素材として注目されており,キシロオリゴ糖についてカラダの通りをサポートしてくれる働きが強いことなど,それぞれのオリゴ糖についての効能等の説明がされている。被告が開設 について数多くの菌を強く育てる素材として注目されており,キシロオリゴ糖についてカラダの通りをサポートしてくれる働きが強いことなど,それぞれのオリゴ糖についての効能等の説明がされている。被告が開設したブログには,オリゴ糖の特徴として,腸内環境を整えることや,虫歯の原因になりに くいこと,低カロリーであることが挙げられ,オリゴ糖食品の中には砂糖が含まれているものもあるが,被告商品は砂糖を使用していないことが記載されるなどしていた。(甲10,13)イ被告商品のパッケージには,名称として「オリゴ糖類食品」と記載され,「原材料名」として「乳糖果糖オリゴ糖,ガラクトオリゴ糖粉末,フラ クトオリゴ糖,キシロオリゴ糖,ラフィノース」と記載されていた。原材料名に記載されているのは,いずれもオリゴ糖である。(乙8,弁論の全趣旨)株式会社江東微生物研究所の食品分析センターが分析したところ,被告製品100グラムには,乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)が46. 5グラム,ガラクトオリゴ糖が2.2グラム,フラクトオリゴ糖が4. 59グラム(1-ケストース,ニストース,フラクトフラノシルニストースの合計。日本食品分析センターの分析(乙20)でもこれらをフラクトオリゴ糖としている。)含まれており,キシロオリゴ糖,ラフィノースは,それらの定量下限を0.1グラムとする上記分析では検出され なかった。被告商品における上記のオリゴ糖の合計の重量比の割合は,53.29%となる。(甲53)他方,被告は,被告商品を製造している会社が作成した証明書(乙23)を提出し,その証明書には,同社が被告に納入している被告商品の原材料の割合について,乳糖果糖オリゴ糖84.8%,ガラクトオリゴ糖粉 末10.0%,フラ 造している会社が作成した証明書(乙23)を提出し,その証明書には,同社が被告に納入している被告商品の原材料の割合について,乳糖果糖オリゴ糖84.8%,ガラクトオリゴ糖粉 末10.0%,フラクトオリゴ糖5.0%,キシロオリゴ糖0.1%, ラフィノース0.1%である旨の記載がある。しかし,そこには上記物質名と数値のみが記載され,そこに記載された物質名に関する説明等もなく,分析結果その他の資料も一切付されていない。 ウ原告は,平成28年11月,被告に対し,被告商品の広告内容について抗議した。被告は,原告に本件回答書面を送付した上,自社の電子商取引 サイト等における「オリゴ糖100%」などの表示を削除した。(甲3,4,45)また,被告は,本件訴え提起がされた平成30年2月には,アフィリエーターらに対し,「オリゴ糖100%使用」,「オリゴ糖のみ使用」との表示をしないよう求め,同月中に既にした表示を訂正しない場合には 契約を解除する旨通知した。(乙55,56)エ被告は,平成30年11月20日以降,被告商品の原材料を変更し,オリゴ糖と乳酸菌を配合した食品として販売するようになった(以下,仕様変更後の被告商品を「変更後被告商品」という。)。(乙57,58)令和2年4月の時点において,一部,被告表示が削除されていないアフ ィリエーターのブログが存在するほか,被告の意思によらずに被告表示を用いて被告商品を転売する業者のウェブサイトが存在し,また,被告と契約関係にない個人が被告の意思によらずに被告表示を用いて被告商品を紹介したインスタグラムの投稿が閲覧可能である。(甲61~64,乙64~67) ⑶ 原告商品についてア原告は,遅くとも平成24年頃には,原告商品の販売を開始した。 原告商品は, 紹介したインスタグラムの投稿が閲覧可能である。(甲61~64,乙64~67) ⑶ 原告商品についてア原告は,遅くとも平成24年頃には,原告商品の販売を開始した。 原告商品は,白色の粉末をパッケージに入れたものであり,原告のウェブサイトでは,飲み物やヨーグルトに入れて使用することなどが記載されていた。 原告は,平成25年3月から平成26年2月頃,原告商品を「厳選され た高純度オリゴ糖を配合した純度ほぼ100%の高品質なオリゴ糖食品」,「高品質・高純度のほぼ100%のナチュラルオリゴ糖」である旨表示して販売していた。当時の原告商品のパッケージには,名称として「オリゴ糖含有食品」と記載され,「原材料名」として「ラフィノース,ミルクオリゴ糖,乳糖,セロオリゴ糖,ショ糖」と記載されており, 原告商品に含まれるオリゴ糖の割合は約97.5%であった。(甲5,6,52,乙5,6)イ原告は,平成28年7月29日以降,原告商品の原材料を変更した。変更後の原告商品のパッケージには,名称として「オリゴ糖含有食品」と記載され,原材料名として「ラフィノース,ミルクオリゴ糖,乳糖,フ ラクトオリゴ糖,アカシア食物繊維,イソマルトオリゴ糖,難消化性デキストリン,ショ糖/環状オリゴ糖」と記載されていた。このうち,難消化性デキストリンは,でんぷんの部分分解物である多糖類であり,食物繊維に分類されている。新しい原告商品に含まれるオリゴ糖の割合は約70%であった。(甲52,60,乙20,29) 2 争点①(被告が品質誤認表示行為を行ったか。)について⑴ 本件表示について被告商品は,オリゴ糖を含むことをうたう商品である(前記1⑵ア)。そして,オリゴ糖類食品は,オリゴ糖が健康に有用な効 被告が品質誤認表示行為を行ったか。)について⑴ 本件表示について被告商品は,オリゴ糖を含むことをうたう商品である(前記1⑵ア)。そして,オリゴ糖類食品は,オリゴ糖が健康に有用な効果作用を発揮するとされていることから健康食品市場において需要を獲得しているものであり(同 ⑴イ),被告商品も,被告商品に含まれるというオリゴ糖について,その種類ごとの効能等を述べた上で,オリゴ糖を摂取することによる効能を述べるなどして販売されていた(同⑵ア)。これらからすると,需要者は,被告商品においてはオリゴ糖が商品の効能等を決するものであると理解し,被告商品におけるオリゴ糖の純度,割合が示された場合には,被告商品に含まれる 上記の効能等を有するオリゴ糖の成分の割合が示されて,被告商品の効能に 関係する表示がされていると理解するといえる。これらによれば,被告商品に含まれているオリゴ糖の割合についての表示は,被告商品の品質についての表示といえる。 前記1⑵イによれば,被告商品に含まれるオリゴ糖の成分は,商品のうち53.29%であると認められ,また,被告商品の具体的な原材料は不明と いえる。 本件表示のうち,「純粋100%オリゴ糖」,「純度100%」,「100%高純度のオリゴ糖」,「100%高純度」の表示は,需要者に対し,被告商品に含まれるオリゴ糖の成分の割合が,100%であるか,少なくともそれに近いものであるとの印象を与えるものであって,被告商品の品質につ いて誤認させるような表示であると認められる。また,上記のようなオリゴ糖の健康食品市場における位置付けや被告商品の説明に照らしても,本件表示のうち「オリゴ糖100%」,「100%オリゴ糖」,「オリゴ糖 0 パーセント」,「天然由来100%オリゴ糖」という オリゴ糖の健康食品市場における位置付けや被告商品の説明に照らしても,本件表示のうち「オリゴ糖100%」,「100%オリゴ糖」,「オリゴ糖 0 パーセント」,「天然由来100%オリゴ糖」という表示も,これと同時に用いられているなどする上記の「純度」に係る表示と併せて読まれるな どして,需要者に対し,被告商品の100%又はそれに近い部分が上記の効能を有する成分であるオリゴ糖で構成されているとの印象を与えるものであって,被告商品の品質について誤認させるような表示であるというべきである。 他方,本件表示のうち,「濃密な5種のオリゴ糖を独自ブレンドした自然 由来100%のはぐくみオリゴ」との記載は,「濃密」については幅がある概念であり,被告商品について濃密と表示することが品質の誤認をさせるような表示と認めるに足りないこと,「自然由来100%」についても,被告商品のオリゴ糖が自然由来でないことを認めるに足りる証拠はないことからも,これが品質を誤認させるような表示であるとまではいえない。 ⑵ 被告の行為について 被告は,自ら本件行為1ないし3の広告等を行った(前記第2の1⑵イ~エ)。また,被告商品は,電子商取引サイトでフロムココロにより販売されているところ,被告とフロムココロの本店所在地は同じであることなどから,そのサイトは実質的には被告の自社の電子商取引サイトということができ,そこでの本件行為7は,被告が被告商品を販売するためにフロムココロにさ せたもので,実質的には,被告がした広告等の行為といえる(同ケ)。更に,被告はアフィリエーターに対し,被告商品の説明をサイトで示したり(本件行為4,同オ),文書で配布したりした(本件行為5,同キ)。アフィリエーターは被告との契約に基づき被告の商品を紹介 同ケ)。更に,被告はアフィリエーターに対し,被告商品の説明をサイトで示したり(本件行為4,同オ),文書で配布したりした(本件行為5,同キ)。アフィリエーターは被告との契約に基づき被告の商品を紹介する者であり,少なくとも,被告が本件行為4や本件行為5のように被告商品の特徴を具体的に記載した 文書等をアフィリエーターに渡し,アフィリエーターが被告商品についてそれと同趣旨の記載をウェブサイト等でして被告商品を紹介した場合,アフィリエーターのその記載行為は,被告の不正競争の判断においては,被告がアフィリエーターを通じてした広告等の行為というべきであり,その内容に照らし,本件行為6(同ク)は被告がした広告等の行為ということができる。 アフィリエーターの中には,平成25年3月に,被告商品を「自然由来にこだわった,高純度で濃密な5種を特殊製法でブレンドして作られている」,「無香料で無着色のオリゴ糖100%」等と紹介している者がいること(前記第2の1⑵ク,甲29)から,被告は,平成26年7月の設立時から被告表示を用いて被告商品を販売していたと認められる。他方,平成28年11 月に原告から抗議を受け,自社の電子商取引サイト等における本件表示を削除し,平成30年2月にアフィリエーターらに対し「オリゴ糖100%使用」,「オリゴ糖のみ使用」との表示をしないよう求め,同月中に既にした表示を訂正しない場合には契約を解除する旨通知し(前記1⑵ウ),さらに,被告は,同年11月20日から,変更後被告商品を販売するようになった (同エ)。 これらによれば,被告が積極的にその意思により被告商品の品質について誤認させるような表示(以下,本件表示のうち前記⑴に記載した品質を誤認させるような表示を「本件品質誤認表示」ということがある。)を これらによれば,被告が積極的にその意思により被告商品の品質について誤認させるような表示(以下,本件表示のうち前記⑴に記載した品質を誤認させるような表示を「本件品質誤認表示」ということがある。)をしていたのは平成26年7月から平成30年2月頃までであったといえる。もっとも,被告が積極的に利用していたアフィリエートは,契約に係る個人が商品等を 紹介することにより商品等の広告,販売の促進を図る仕組みであり(前記第2の1⑵オ),被告がアフィリエーターらに対し「オリゴ糖100%使用」等の表示をしないよう求める旨通知したとしても,直ちにこれが広く守られるとまでは認められず,被告が被告商品の販売を継続していた同年11月までは,従前の表示が撤回されたとはいえず,実質的に被告は本件品質誤認表 示をしていたものと認めるのが相当である。 他方,被告が変更後被告商品の販売を開始した後の同年12月以降は,被告がアフィリエーターらに対し上記通知をしてから相当期間が経過しており,一部のウェブサイト等に被告の意思によらずに被告表示が残存してはいたものの,被告商品の仕様も,5種類のオリゴ糖を配合したことをうたうものか ら,オリゴ糖と乳酸菌を配合したことをうたうものに変更された(前記1⑵エ)から,被告が変更後被告商品の販売に当たり被告表示をしていたとは認められない。 なお,被告は,被告商品の販売者としてその品質について認識していたというべきであり,その意思に基づいて被告商品について被告表示をしていた のであるから,故意により上記の行為を行ったものと認められる。 ⑶ 小括以上から,被告は,平成26年7月から平成30年11月まで,故意により,被告商品の品質について誤認させるような本件品質誤認表示をして,被告商品を販売していたと認 められる。 ⑶ 小括以上から,被告は,平成26年7月から平成30年11月まで,故意により,被告商品の品質について誤認させるような本件品質誤認表示をして,被告商品を販売していたと認められる。他方,被告は,平成28年11月に原 告から抗議を受けた後,自社の電子商取引サイト等における本件品質誤認表 示を削除し,平成30年2月にはアフィリエーターらに対しても,本件品質誤認表示をしないように求め,表示を訂正しない場合には契約を解除する旨通知したほか(前記1⑵ウ),平成30年11月には乳酸菌を加えるなどした変更後商品を販売し(同エ),従来の被告商品の販売終了から一定の時間も経過したことなどから,現在,被告が,被告商品の品質について誤認させ るような本件品質誤認表示をして被告商品を販売する蓋然性があるとは認めるに足りない。なお,被告の上記の措置にかかわらずに被告表示をしている者や被告と関係なく被告表示をしている者の行為は,上記状況に照らせば,被告の行為ということはできず,そのような者が被告表示をしていることがあったとしても,そのことは,上記判断を左右しない。 これらによれば,被告に対する差止請求及びそれを前提とする被告表示の抹消等には理由がない。 3 争点②(被告が信用棄損行為を行ったか。)について⑴ 平成28年10月8日の被告従業員の発言についてア原告従業員A(以下「A」という。)は,その陳述書において,平成2 8年10月8日に開催されたA8フェスティバルにアフィリエーターとして参加していたところ,被告従業員が,被告商品の説明をするに当たって被告商品と原告商品を比較する説明をしていることを見聞し,被告従業員に対し,原告商品と被告商品の違いを直接質問したところ,被告従業員は,「向 いたところ,被告従業員が,被告商品の説明をするに当たって被告商品と原告商品を比較する説明をしていることを見聞し,被告従業員に対し,原告商品と被告商品の違いを直接質問したところ,被告従業員は,「向こうは100%じゃないので。」,「こちらは純度が非常に高いで す。」,「オリゴ糖100%なので,特に赤ちゃんや妊婦さんに効果が高いのが売りです。」,「原告商品は売上げ1位と言ってますが,そんなのカテゴリを絞ればいくらでも言えるじゃないですか。」,「向こうは客層の幅が広い分,効果はどうなんでしょうねぇ。」旨の発言をしたなどと陳述する(甲54)。Aは,上記のイベントの数日後に,原告に対し,「他 社レポート」と題し,上記陳述と同内容を,「原告にライバル意識がある らしく,名前を出しただけで顔が変わりました。」,「敵意むき出しでした。」旨報告した(甲57)。 上記報告を受けた原告が同年11月に抗議の書面を送付したところ,被告は,弁護士に委任して,原告に「一部の従業員において原告指摘のような発言があったようだ」旨などを記載した本件回答書面を送付した (前記第2の1⑵カ)。また,被告担当者は,本件訴え提起後,日本流通産業新聞の記者に対し,アフィリエーター向けのイベントにおいて従業員が「オリゴ糖100%」などの発言をしたのは事実である旨述べた(甲45)。このように原告が上記イベントの直後に被告に抗議の書面を送付したことや,被告が,当時,被告商品を「オリゴ糖100%」等 と宣伝していたこと等に照らせば,被告従業員が,上記イベントにおいて,被告商品が「オリゴ糖100%」であることを前提とした発言をしたことがあったと推認される。 もっとも,被告は,本件回答書面に関し,紛争を回避するために原告の主張を争わずに謝罪するという方針の下 て,被告商品が「オリゴ糖100%」であることを前提とした発言をしたことがあったと推認される。 もっとも,被告は,本件回答書面に関し,紛争を回避するために原告の主張を争わずに謝罪するという方針の下で作成したものであり,事実を 記載したものではないと主張し,Bは,被告代表者から弁護士を紹介してほしいと頼まれ,何でもいいから穏便に解決したいという被告代表者の意向を踏まえ,原告の顧問弁理士と知り合いである前記弁護士が適任であると考えて紹介した旨陳述する(乙7)。被告が被告の主張するような対応をすることがあり得ないわけではなく,また,本件回答書面も, 「一部の従業員において原告指摘のような発言があったようだ」,「被告商品がオリゴ糖100%であるというのは正確ではなく,この前提での比較は不適切であった」旨は記載されているものの,被告従業員がAの上記陳述等で述べられた具体的な発言をしたことまで裏付ける内容ではない。また,Aは,原告の従業員であって,他社の動向を視察する目 的でアフィリエーターとして上記のイベントに参加し,被告従業員に原 告商品と被告商品の違いについて説明を求めたものであると認められる(Aが原告に提出した上記「他社レポート」は所定の書式に記入する方式で作成されており,同書式には,他社の商品,販売の詳細に加え,「競合対策」等を記入する欄が設けられている(甲57)。)ところ,Aは被告を原告の競合他社と捉えておりその立場は中立的とはいい難く, 実際,被告従業員に対する評価も「敵意むき出しでした」などと極めて主観的であって,かつ,「他社レポート」にはアフィリエーターに対する発言等は記載されず,上記陳述等の内容の正確性には疑問がある。 したがって,上記Aの陳述等を直ちに信用することはできず,被告従業員がアフィ あって,かつ,「他社レポート」にはアフィリエーターに対する発言等は記載されず,上記陳述等の内容の正確性には疑問がある。 したがって,上記Aの陳述等を直ちに信用することはできず,被告従業員がアフィリエーター等に対して上記陳述等に係る具体的な発言をした ことまでは認めるに足りない。 イ上記のとおり,被告従業員は,前記イベントにおいて,被告商品が「オリゴ糖100%」であることを前提とした発言をしたことがあったといえるものの,被告従業員が,アフィリエーター等に対して上記Aの陳述等に係る具体的な発言をしたことまでは認めるに足りない。したがって, 被告従業員の発言は,被告商品についての発言が純度の表示と併せるなどすれば需要者に品質を誤認させるような表示といえること(前記2⑴)を超えて,原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布したものということはできない。 ⑵ 平成29年6月3日及び同年9月23日の本件各文書の配布(本件行為5) について被告は,平成29年6月3日及び同年9月23日に開催されたA8フェスティバルにおいて,アフィリエーターらに対し,「天然由来100%オリゴ糖にこだわり抜いたものは被告商品だけ」,「オリゴ糖100%で作っているため,他社商品と差別化ができ」る旨などを記載した本件各文書を配布し た(本件行為5。前記第2の1⑵キ)。しかし,被告商品についてオリゴ糖 100%と述べることが他の純度の表示と併せるなどすれば需要者に品質を誤認させるような表示といえるとしても(前記2⑴),本件各文書は基本的には被告商品の特徴を述べたものであって,原告商品の品質が劣っていることを述べるものとはいえず,被告が本件各文書を配布したことをもって,原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を ),本件各文書は基本的には被告商品の特徴を述べたものであって,原告商品の品質が劣っていることを述べるものとはいえず,被告が本件各文書を配布したことをもって,原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布したとは認めるに 足りない。 ⑶ 小括以上のとおり,被告が平成28年10月8日,平成29年6月3日及び同年9月23日に原告に対する信用棄損行為をしたとは認められず,この他,原告に対する信用棄損行為をしたことは認めるに足りない。 4 争点③(原告の主張が信義則違反か。)について被告は,原告が「純度ほぼ100%の高品質なオリゴ糖」等の,本件表示と差異がない表示をしていたことから,原告が被告の行為を不正競争と主張することは信義則に反すると主張する。 しかし,原告が仮に品質を誤認させるような表示をしていたとしても,被告 の行為が不正競争でなくなるものではない。品質を誤認させるような表示を不正競争とした法の趣旨に照らし,原告が品質を誤認させるような行為をしたことによって直ちに原告の請求が信義則によって制限されることになるとは解されず,その他原告の請求が信義則で制限される事情は見当たらず,被告の主張には理由がない。 なお,原告は,オリゴ糖の割合が約97.5%の原告商品を販売していたとき,商品の写真のすぐ近くに「高品質・高純度のほぼ100%のナチュラルオリゴ糖です」などの表示をしていた(乙5,6)。その後,平成28年7月に原告商品に含まれるオリゴ糖の割合を約70%とした後は,そのような位置に上記のような表示をしたことを認めるに足りる証拠はない。もっとも,平成3 0年10月頃及び令和2年8月頃の原告商品に関するお問い合わせのウェブペ ージにおける成分に関する説明には,上記表 上記のような表示をしたことを認めるに足りる証拠はない。もっとも,平成3 0年10月頃及び令和2年8月頃の原告商品に関するお問い合わせのウェブペ ージにおける成分に関する説明には,上記表示と同じ内容が記載されていた(乙21,68)。 5 争点④(損害の発生及び額)について⑴ 損害の発生について被告は平成26年7月から平成30年11月まで故意により本件品質誤認 表示を行った。そして,原告商品と被告商品はいずれもオリゴ糖を含有する粉末の商品であり(前記1⑵ア,同⑶ア),市場における原告商品の占有率が一定程度あるほか(後記⑶イ),品質誤認表示行為がある場合に原告が損害を受けたことは被告も争わず(前記第2の1⑶,第2の2⑷(被告の主張)ア),被告の本件品質誤認表示によって,原告の営業上の利益が侵害さ れたと認められ,不正競争防止法5条2項により,被告が上記の期間において本件品質誤認表示により受けた利益の額が原告が受けた損害の額と推定される。 なお,被告が同月に被告商品の仕様を変更していること(前記1⑵エ)を踏まえると,上記期間より後においても本件品質誤認表示の影響が及んでい たとは認めるに足りない。 ⑵ 被告が受けた利益について不正競争防止法5条2項所定の侵害者が侵害行為により受けた利益の額は,侵害行為を組成した物の販売に係る売上高から,その販売等に直接関連して追加的に必要となった経費を控除した利益の額をいい,その利益の額の全額 が損害と推定されると解される。 ア被告商品の売上高について前記期間の被告商品の売上金額は,11億0573万1572円(消費税相当額抜き)であった(乙34,弁論の全趣旨)。 もっとも,このうち2251万6179円は ア被告商品の売上高について前記期間の被告商品の売上金額は,11億0573万1572円(消費税相当額抜き)であった(乙34,弁論の全趣旨)。 もっとも,このうち2251万6179円は未収であり(乙35),結 局,被告商品が販売されて被告が利益を受けたものとはいえないから, 上記売上金額から控除すべきである。また,被告は被告商品の売上げに係る消費税を納税しなければならないから,税抜金額を売上金額とする。 以上から,前記期間の被告商品の売上高は,別紙損害額の売上高欄記載のとおり,10億8321万5393円であったと認められる。 イ控除すべき経費について 原価について前記期間に販売された被告商品の原価(原材料であるオリゴ糖粉末,包装,同梱スプーン,梱包用段ボール等の取得費用を含む。)1億6670万1728円(乙39,弁論の全趣旨)は,被告商品の売上高から控除すべきである。 送料及び支払手数料について前記期間に販売された被告商品の購入者に対する送料5776万9357円(乙36),コンビニエンスストアにおいて又はクレジットカードによりされた商品代金の支払についてコンビニエンスストア又はカード会社に対し支払った決済手数料4546万2260円(乙37,弁論 の全趣旨)は,被告商品の販売等に直接関連して追加的に必要となった経費であり,被告商品の売上高から控除すべきである。 広告費について被告は,被告商品を販売するに当たり,A8.netと称するアフィリエートプログラム代行サービスを利用していたところ,アフィリエー トにおいては,販売ごとに広告費用が発生するから,被告が前記期間に支払ったアフィリエート広告費用 ,A8.netと称するアフィリエートプログラム代行サービスを利用していたところ,アフィリエー トにおいては,販売ごとに広告費用が発生するから,被告が前記期間に支払ったアフィリエート広告費用(A8.net分)5676万5574円(乙38,47,弁論の全趣旨)は,被告商品の販売等に直接関連して追加的に必要となった経費である。また,被告は,ヤフージャパン,グーグルインク及びロジカドの運営するウェブサイトにリスティング広 告を,携帯電話向けアプリケーションソフト(「ラルーン」と称する女 性向け体調管理に係るもの)に,被告商品の広告を掲載しており,前記期間に,広告費用として合計1億4458万9562円(順に,5919万3293円,6243万1004円,1833万6983円,462万8282円)を支払った(乙38,45,46,48,弁論の全趣旨)ところ,これらも被告商品の販売等に直接関連して追加的に必要と なった経費であるといえる。 他方,被告の広告費用を集計した一覧表(乙38の2)には,その他,ロンバード,リスティング+,フルスピード等の記載が見受けられるが,その実態は不明であり,被告の販売等に直接関連して追加的に必要となった経費とは認めるに足りず,控除すべき経費とは認められない。 したがって,被告商品の売上高から控除すべき前記期間の広告費用の合計額は,2億0135万5136円である。 外注費について被告は,コールセンターを通じた販売を株式会社KIZUNAに委託し,電話応対時間等に応じて業務委託料を支払っている(乙50,弁論 の全趣旨)ものの,コールセンターの業務内容や前記期間に要した費用の額は必ずしも明らかではなく,同業務委託料が被告商品の販売等に直接関連して追加的に必要 務委託料を支払っている(乙50,弁論 の全趣旨)ものの,コールセンターの業務内容や前記期間に要した費用の額は必ずしも明らかではなく,同業務委託料が被告商品の販売等に直接関連して追加的に必要となった経費とは認めるに足りない。 システム利用料について被告は,被告商品を自社の電子商取引サイトにおいて販売するに当た り,商品代金の支払について決済システムを利用し,決済件数に応じてシステム利用料を支払っている(乙49,弁論の全趣旨)が,前記期間に要したシステム利用料の額を認めるに足りる証拠はない。 ウその他の考慮事由について被告は,被告が被告商品の販売により受けた限界利益についてこの他に も考慮事由を主張する(前記第2の2⑷(被告の主張)イ)が,いずれ も,原告の受けた損害の額であるとの推定を覆す事由となり得るかを検討する余地はあるとしても,被告が受けた限界利益の算定に当たり考慮すべき事由とはいえない。 エ被告が受けた利益の額について以上から,被告が前記期間に被告商品の販売により受けた利益の額は, 別紙損害額の限界利益欄記載のとおり,合計6億1192万6912円となる。 ⑶ 推定覆滅事由についてア不正競争防止法5条2項による推定は,侵害者による侵害行為がなかったとしても侵害者が受けた利益を被侵害者が受けたとはいえない事情が 認められる場合には,覆滅されると解される。 イ掲記の証拠によれば,次の各事実が認められる。 被告は,被告商品について,電子商取引サイト等において,本件品質誤認表示によるオリゴ糖の純度に係る特徴のほか,オリゴ糖が1種類ではなく,複数の種類のオリゴ糖を配合していることを強調し,また,被 告 ,被告商品について,電子商取引サイト等において,本件品質誤認表示によるオリゴ糖の純度に係る特徴のほか,オリゴ糖が1種類ではなく,複数の種類のオリゴ糖を配合していることを強調し,また,被 告商品の原材料が全て動植物に由来するものであり添加物がないことなどの特徴をも大きく取り上げ,妊婦や乳幼児等が摂取しても安全,安心であるなどと広告宣伝していた。さらに,「実感力」などの言葉を使って,584人のアンケート結果によれば,「『毎日すっきり!』実感できました!」というモニターが76.1%であるなど,多くの者が何ら かの形で便通の効果を実感しているとして,「満足率97.2%」であるという記載をするなどしていた。(甲10~16)被告は,被告商品の購入者に対して,商品を使用した感想,被告の客対応,他社との違い等を自由に記載する欄を設けたアンケートの葉書を交付していたところ,それらを記載して被告に返送した回答者928人 のうち,被告商品が「オリゴ糖100%」であることについて言及した ものは6人であった。回答者には,多くの者が便通が改善したことを述べていた。(乙41,42) オリゴ糖類食品は,オリゴ糖などを組み合わせ,配合することによって製造されており,主力製造業者及びその販売する商品としては,原告商品及び被告商品のほか,塩水港精糖の「オリゴのおかげ」,加藤美蜂 園本舗の「北海道てんさいオリゴ」,日本オリゴの「日本オリゴのフラクトオリゴ糖」,株式会社明治フードマテリアの「メイオリゴ」,HプラスBライフサイエンスの「オリゴワン」,伊藤忠製糖の「クルルのおいしいオリゴ糖オリゴDEクッキング」,井藤漢方製薬の「乳酸菌オリゴ糖」,梅屋ハネーの「梅屋イソマルトオリゴ糖」,正栄の「スッキリ オリゴ糖」,ユウキ製 オリゴワン」,伊藤忠製糖の「クルルのおいしいオリゴ糖オリゴDEクッキング」,井藤漢方製薬の「乳酸菌オリゴ糖」,梅屋ハネーの「梅屋イソマルトオリゴ糖」,正栄の「スッキリ オリゴ糖」,ユウキ製薬の「活き活きオリゴ糖」,オリヒロの「オリゴ糖シロップ」,ビオネの「ビオネ・ビートオリゴ」,日本甜菜製糖の「ラフィノース100」などがある。これらのオリゴ糖類食品市場における平成25年度から平成28年度及び平成30年度の原告商品の占有率は,22.8%から26.9%であり,平均約24.4%であった。 上記のオリゴ糖類食品には,その内容や形態,販売態様において様々なものがあり,例えば,塩水港精糖の販売する「オリゴのおかげ」は,個包装された顆粒状のもの,シロップ形態のものなどがあり,加藤美蜂園本舗の販売する「北海道てんさいオリゴ」は天然の甘味料であることをうたった商品であるが,同社は他にシロップ形態の商品も販売してお り,株式会社明治フードマテリアの販売する「メイオリゴ」には,液体,粉末,顆粒等の各形態が存在する。もっとも,いずれについても,需要者である一般消費者が,日常の食生活の中で健康に有用な効果作用を発揮するオリゴ糖を簡便に摂取できる点に商品の意義が認められており,需要者は,これらの多数の各商品の中から,各商品の上記の点以外の様 々な特徴を勘案して選択,購入しているといえる。 (本項につき,甲34,41,乙54,59,61(なお,乙59の5によれば,平成29年度の原告商品の市場占有率42.3%であるとされているが,その前後の年度の市場占有率と大きな差があること,平成29年度の市場規模が47億4000万円である一方,同年前後の原告商品の売上高は概ね年9億7000万円から10億9000万円程度で あるこ ,その前後の年度の市場占有率と大きな差があること,平成29年度の市場規模が47億4000万円である一方,同年前後の原告商品の売上高は概ね年9億7000万円から10億9000万円程度で あること等に照らすと,上記の同年度の市場占有率を直ちに信用することはできない。))ウ被告は,被告商品について,本件品質誤認表示によるオリゴ糖の純度に係る特徴のほか,複数の種類のオリゴ糖を配合していること,被告商品の原材料が全て動植物に由来するものであり添加物がないことなどの特徴を も大きく取り上げ,妊婦や乳幼児等が摂取しても安全,安心であるなど,被告商品の魅力を掲げて広告宣伝していた。そして,被告商品の購入者が自由に記載したアンケート結果によっても,オリゴ糖の純度に特に着目して被告商品を購入した需要者が多かったことが直ちに認められるものとまではいえない(前記イ)。また,オリゴ糖類食品には様々な形態のもの が存在し,原告商品と被告商品が似た形態であるのに対し,これらと異なる形態のものが多数あるのであるが,形態にかかわらず,これらの商品は,基本的に需要者である一般消費者が,オリゴ糖を簡便に摂取できる点に商品の意義が認められている。そうすると,需要者は,多数の各商品の中から,各商品の様々な特徴を勘案して選択,購入することもあるといえ原告 商品以外のオリゴ糖類商品も原告商品及び被告商品と市場において競合するといえるものである。このようなオリゴ糖類食品市場における原告商品)。 そして,本件では品質を誤認させるような表示が問題となっていて,被告商品の出所を原告と誤認するおそれが問題となっているわけではない ところ,被告商品を販売するウェブサイトには,被告が強く関与するも の(前記第2の1⑵ケ)に加えて,アマゾン,楽天, 被告商品の出所を原告と誤認するおそれが問題となっているわけではない ところ,被告商品を販売するウェブサイトには,被告が強く関与するも の(前記第2の1⑵ケ)に加えて,アマゾン,楽天,ヤフーなどが運営するサイトもあり,これらにおいて原告商品について触れられているとは認められない(甲10,15,32)。 さらに,被告は,平成28年11月までは自社の電子商取引サイト等も含めて本件品質誤認表示をしていたが,同月以降,自社の電子商取引サイ トからはその表示を削除し,平成30年2月には,アフィリエーターらに対し,「オリゴ糖100%使用」等の表示をしないように求めた(前記1⑵エ)。 これらを考慮すると,被告の本件品質誤認表示による被告商品の販売数量の増加と,他のオリゴ糖類食品の販売数量の低下,さらには,原告商 品の販売数量の低下との間には,それほど強い相関関係が成り立つとはいえず,上記の各事情を総合考慮すれば,被告の本件品質誤認表示がなかったとしても被告が受けた利益を原告が受けたとはいえない事情が相当程度認められ,被告が受けた利益の額の97%について,原告が受けた損害の額であるとの推定が覆滅されるとするのが相当である。 以上から,上記推定覆滅後の額は,別紙損害額の推定覆滅後の金額欄記載のとおり,1835万7803円となる。 エなお,原告は,売上金額について,消費税相当額込みの金額とすべきと主張するが,上記⑵アのとおり,消費税相当額抜きの金額を算定の基礎とすべきである。また,品質誤認表示(不正競争防止法2条1項20号)に ついては事後的にも権利者による権利の設定,利用許諾と類似の状況が生ずることは考えられず,上記ウの損害額に消費税相当額を加えることはしない。 ⑷ 小括以上から,別紙 号)に ついては事後的にも権利者による権利の設定,利用許諾と類似の状況が生ずることは考えられず,上記ウの損害額に消費税相当額を加えることはしない。 ⑷ 小括以上から,別紙損害額の推定覆滅後の金額欄記載のとおり,被告の不正競 争(本件品質誤認表示)により原告が受けた損害の額は,合計1835万7 803円となる。 第4 結論以上のとおり,原告の請求は,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,1835万7803円並びにうち別紙損害額の推定覆滅後の金額欄記載の各額に対する不法行為より後の日又は各不法行為の期間の末日から支払 済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから同限度で認容し,その余の請求はいずれも理由がないから棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官佐伯良子 裁判官佐藤雅浩 別紙物件目録商品名はぐくみオリゴ名称オリゴ糖類食品販売元被告 以上 別紙誤認表示目録「オリゴ糖100%」,「100%オリゴ糖」,「純粋100%オリゴ糖」,「純度100%」,「100%高純度のオリゴ糖」,「オリゴ糖 100 パーセント」,「オリゴ糖 100」,「100%高純度」,「天然由来100%オリゴ 糖」,「濃密な5種のオリゴ糖を独自ブレンドした自然由来100%のはぐくみオリゴ」との品質又は当該品質と同趣旨の品質の表示以上 別紙 純度」,「天然由来100%オリゴ 糖」,「濃密な5種のオリゴ糖を独自ブレンドした自然由来100%のはぐくみオリゴ」との品質又は当該品質と同趣旨の品質の表示以上 別紙信用棄損行為目録 1 「原告の販売するカイテキオリゴはオリゴ糖100%じゃないが,被告の販売するはぐくみオリゴはオリゴ糖100%であり,良品である」,「カイテキオリゴは糖度が低いので,はぐくみオリゴの方が品質が良い」との内容又は当該内容 と同趣旨の内容を告知又は流布する行為 2 「被告の販売するはぐくみオリゴがオリゴ糖100%であり,競合他社商品との差別化ができる」との内容又は当該内容と同趣旨の内容を告知又は流布する行為以上 別紙文書目録 1 被告が平成29年6月3日に渋谷ヒカリエ/HikarieHallで開催されたA8Festival2017in渋谷において配布した「天然由来100%オリゴ糖にこだわり抜いたものは『はぐくみオリゴ』だけ」との記載がされ た文書及び「オリゴ糖100%」,「オリゴ糖100%で作っているため,他社商品と差別化ができ」,「オリゴ糖100%にこだわった商品です。その点で競合他社商品との差別化を伝えることが出来るかが成果をアップさせるポイントです」との記載がされた書面 2 被告が平成29年9月23日に大阪ハービスホールで開催されたA8Fest ival2017in大阪において配布した「天然由来100%オリゴ糖にこだわり抜いたものは『はぐくみオリゴ』だけ」との記載がされた文書及び「オリゴ糖100%」,「オリゴ糖100%で作っているため,他社商品と差別化ができ」,「オリゴ糖100%にこだわった商品です。その点で競合他社商品との差別化を伝えることが出来るかが成果をアップさ び「オリゴ糖100%」,「オリゴ糖100%で作っているため,他社商品と差別化ができ」,「オリゴ糖100%にこだわった商品です。その点で競合他社商品との差別化を伝えることが出来るかが成果をアップさせるポイントです」との記載がさ れた書面以上 (別紙損害額省略)
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