【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を仙台高等裁判所に差戻す。 理 由 上告理由について。 原判決は、上告人は本件(イ)の田地の自創法三条による買収計
主文 原判決を破棄する。 本件を仙台高等裁判所に差戻す。 理由 上告理由について。 原判決は、上告人は本件(イ)の田地の自創法三条による買収計画については法定の期間内に町農地委員会に異議の申立をしないで、買収計画の公告後五ケ月以上を経てから、いきなり県農地委員会に訴願をした事実を認定し、右訴願は(一)適法な異議を経ていない、(二)法定期間経過後であるから不適法である。従つてたとえ、県農地委員会において右訴願についてこれを不適法として却下しないで、その内容を審査し実体上の裁決をしたとしても、右裁決は、行政事件訴訟特例法五条四項にいわゆる「処分につき訴願の裁決を経た場合」にあたらないから、本件買収計画の取消変更を求める本訴は不適法であるとして、本訴を却下したのである。 しかしながら(一)自創法七条のごとく、買収計画に対し異議の申立を許し、さらに右異議に対する市町村農地委員会の決定に対し訴願を許す場合において、適法な異議の申立をしないで、いきなり都道府県農地委員会に訴願をしたとしても、訴願庁においてその訴願を受理し、これを不適法として却下することなく、その実体について裁決を与えたときは、その上級行政官庁たる訴願庁の裁決を以て行政特例法五条四項にいわゆる「訴願の裁決」にあたるものと解すべきである。けだし、異議、訴願は、いずれも行政部内の救済手続であつて、訴願は異議の決定を不可欠の前提とするものと解すべきではないのみならず右の両者を経由した後でなければ出訴を許さないとする法意は、主として、行政部内における上級庁である訴願庁の意思決定を経るのでなければ出訴を許さないとするにあるものと解すべきであるから、すでに上級庁である訴願庁において、訴願を受理して裁決をした以上、行政特例法- 1 -二条 おける上級庁である訴願庁の意思決定を経るのでなければ出訴を許さないとするにあるものと解すべきであるから、すでに上級庁である訴願庁において、訴願を受理して裁決をした以上、行政特例法- 1 -二条の関係においては、異議を経なかつたという瑕疵は、すでに治癒されたものと解するのが相当である。(二)訴願が法定の期間経過後に提起せられた場合でも訴願を受けた行政庁において宥恕すべき事由ありと認めたときは、これを受理することを得ることは、訴願法八条三項の規定するところであつて、本件期間后の訴願についても訴願庁たる県農地委員会は、これを受理して、実体につき裁決している以上、同委員会において、宥恕すべき事情ありとみとめたものと解するのが相当であり、本件訴願は買収計画公告の日から約五ヶ月后になされているのであるが、右宥恕を不相当と認むべき特段の事情のみとめられない本件においては、右期間経過后の申立であることは適法に宥恕せられたものとみとめるのが相当である。とすれば、本件訴願裁決を以て、前示、(一)(二)の事由によつて不適法とした原判決は如上の点において、法令の解釈を誤つたものといわなければならない。従つて原判決が右訴願裁決の不適法なことを前提として、本訴を却下したことも、また、違法であつて、この点において論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。 よつて民訴四〇七条により全裁判官一致の意見を以て主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎裁判長裁判官霜山精一は退官につき署名押印することがで 勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎裁判長裁判官霜山精一は退官につき署名押印することができない。 裁判官栗山茂- 2 -
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