⚖️ 判例マッチング
ホーム判例一覧裁判所裁判官解析 / 仮想裁判
🏠ホーム📋判例一覧📄解析⚖️仮想裁判
ホーム›裁判情報一覧›昭和35(オ)706 登記抹消等請求

昭和35(オ)706 登記抹消等請求

裁判所

昭和37年2月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

👤裁判官プロフィール機能は近日公開予定
全文PDFダウンロード

3,445 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。理由 上告人A1及びA2名義の上告理由第一点、第二点について。上告人A1はその所有にかかる本件建物の所有権を訴外Dに移転したが、右建物の登記名義がA1の先代Eの所有名義になつていたので、昭和二〇年一〇月一五日EからDに所有権を移転した旨の登記を経由したこと。Dは税金滞納のため昭和二五年一〇月二五日国から右建物に対し差押をされ、同年一一月一五日その旨の登記を経由されたこと。然るにDは同年同月一九日右建物を訴外Fに売り渡し同月二〇日その旨の登記を了したこと。次に、上告人A1は右Fを相手方として右登記の抹消登記手続請求の訴を提起し、同訴訟において昭和二九年三月一日Fとの間に裁判上の和解契約を締結し、FはA1に対し、Dの所有権取得の無効なること、及びDから自らが取得した所有権移転の無効なることを各々認め、Fは右所有権移転登記の抹消登記手続を約束したこと。上告人A1は右和解調書の正本に基き昭和二九年六月二一日抹消登記の申請をなしたところFの所有権取得登記とDの所有権取得登記とがともに抹消されたこと。しかして、上告人A1はその後昭和三〇年七月四日本件建物につき相続に因る所有権取得登記を経由した上同日上告人A3、同A4、同A5三名の被相続人であるA2に対し本件建物の所有権移転を約し、その旨の登記を了したこと。以上は原判決の確定した事実である。しかして、上告人A1とF間の前示裁判上の和解契約は前示差押の効力に抵触するが故に、且つまた前示Dを当事者として加入させていないが故に、Dにその効力を及ぼすべき筈がないから、前示和解調書正本に基いてなされたDの所有権取得登記の抹消登記は違法に帰し(従つて本件建物の所有権は依然としてDの所有に属し 当事者として加入させていないが故に、Dにその効力を及ぼすべき筈がないから、前示和解調書正本に基いてなされたDの所有権取得登記の抹消登記は違法に帰し(従つて本件建物の所有権は依然としてDの所有に属し- 1 -ていたものと解さなければならない)、Dは右抹消した登記の回復登記を求める権利を有することは当然であり、右抹消登記は前記滞納処分による差押の後になされたものであること前示の如くである以上、国がDの所有権を代位し上告人A1に対し右抹消した登記の回復登記手続を請求する権利あることもまた当然の次第と言わなければならない。 登記の抹消登記は違法に帰し(従つて本件建物の所有権は依然としてDの所有に属し- 1 -ていたものと解さなければならない)、Dは右抹消した登記の回復登記を求める権利を有することは当然であり、右抹消登記は前記滞納処分による差押の後になされたものであること前示の如くである以上、国がDの所有権を代位し上告人A1に対し右抹消した登記の回復登記手続を請求する権利あることもまた当然の次第と言わなければならない。そして、前示和解契約がDを当事者として参加させないでなされているものなること前示の如くである以上、Fから上告人A1に所有権移転の約定がなされ且つその旨の所有権移転登記手続がなされたとて、右は実体関係に吻合しないものであり、且つまた、前示差押の効力にも抵触するものであるから、それぞれその効力を生ずるに由なきものであり、また上告人A1が自ら相続に因る所有権取得登記を経由した上、上告人A3、同A4、同A5の被相続人であるA2に対し所有権移転の約定をなし且つその旨の登記を経由したとて、右と同じ理由によりその効力を生ずべき筋合があるべき筈のものではないから、前示差押債権者たる国はDの所有権を代位し右各所有権移転登記及び相続に因る所有権取得登記の抹消登記手続を請求する権利を有するものと言わなければならない。さすれば理論の建前はともあれ以上と同一轍の結論に出た原判決の判断は正に正当とすべきである。所論はDが上告人に対し被上告人の訴と同趣旨の訴を被上告人と相呼応して提起したから、被上告人はもはや代位権を行使し得べき限りではないと主張する。しかし原判決によればDは被上告人の本件訴の後に上告人に訴を提起したものであることが窺われるのであり を被上告人と相呼応して提起したから、被上告人はもはや代位権を行使し得べき限りではないと主張する。しかし原判決によればDは被上告人の本件訴の後に上告人に訴を提起したものであることが窺われるのであり、このように代位権者が訴を提起して代位権を行使した後は債務者は代位の目的となつた権利について訴を提起することを得ないものと解すべきであるから、所論はその理由がないものと言わなければならない(昭和一四年五月一六日大審院判決民集第一八巻五六二頁参照)。なお、所論はDは東京地方裁判所昭和三〇年(ワ)第七六六二号家屋明渡請求事件において上告人に対し本件代位権行使の目的たる権利を行使していたと主張するが、右事実は本上告論旨において- 2 -初めて主張された事実であるからここに審究の限りではない(記録を精査するに、右事件は前示A2から訴外D某外二名に対して提起された事件で、本件代位請求事件とは内容上関係を有しないものの如くに認められる)。 六二頁参照)。なお、所論はDは東京地方裁判所昭和三〇年(ワ)第七六六二号家屋明渡請求事件において上告人に対し本件代位権行使の目的たる権利を行使していたと主張するが、右事実は本上告論旨において- 2 -初めて主張された事実であるからここに審究の限りではない(記録を精査するに、右事件は前示A2から訴外D某外二名に対して提起された事件で、本件代位請求事件とは内容上関係を有しないものの如くに認められる)。次に原判決がDを登記義務者と判示していることは所論のとおりである。しかし、右は原判文を熟読すれば判明するように、上告人A1とF間の前示和解契約の効力がDに及ばないことの理論構成上の説明として判示されたものに外ならないのであるから、その説明の当否を攻撃しても原判決窮極の判断(当審の判断と一致する判断)に対し毫末も影響するところはないのである。従つてこの点の所論は採用に値しないものと認める。次にまた本訴はDとFとを共同被告として提起されている訴でもないのである。この点の所論も原判決を正解しないものであつて採るに足りない。同第三点について。冒頭説示の原判決確定の事実によつても明らかなとおり、国は徴税権確保のため納税義務者であるDの所有不動産に対し差押をなしたものであり、この差押の及ぶ限度において前示各登記は無効に帰すべ について。冒頭説示の原判決確定の事実によつても明らかなとおり、国は徴税権確保のため納税義務者であるDの所有不動産に対し差押をなしたものであり、この差押の及ぶ限度において前示各登記は無効に帰すべく、これら無効の登記は税徴收実行のため妨害となり、国としてはこれらの妨害を排除する必要のあることは当然であるから、この場合国に最終的には競売申立権が留保されているからといつて、国において、Dの所有権を代位行使することを否定すべき何らの理由なきものと言わなければならない。右に反する所論は独自の見解に外ならず、採用の限りではない。同第四点について。所論中前段の点を除きその他の点はすでに上来叙説したところによりその理由なきことを説示されているものと考えられるから、ここに重ねて説明を加えない。そして前段の点は冒頭説示の原判決確定の事実に抵触する事実を主張するものであつて、結局原審の裁量に属する事実認定を非難する以外のものではない。以上の次第で、所論もすべて理由がなく、採用できない。- 3 -よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 上来叙説したところによりその理由なきことを説示されているものと考えられるから、ここに重ねて説明を加えない。そして前段の点は冒頭説示の原判決確定の事実に抵触する事実を主張するものであつて、結局原審の裁量に属する事実認定を非難する以外のものではない。以上の次第で、所論もすべて理由がなく、採用できない。- 3 -よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官下飯坂潤夫裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎裁判官高木常七- 4 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る