昭和37(オ)1365 山林等所有権確認等請求

裁判年月日・裁判所
昭和42年3月17日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所 昭和35(ネ)137
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人八島喜久夫、同勅使河原安夫の上告理由第一、二点について。  原判決

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判決文本文1,812 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由 上告代理人八島喜久夫、同勅使河原安夫の上告理由第一、二点について。 原判決は、a村が他の村と合併してb村となり、明治二一年町村制が施行されたのに伴い、同法一一四条により、旧a村の特有財産管理のため、b村にa区会が設置されたのであるから、従来a村に属していた本件土地の所有権はa区に帰属したと判断しているのであつて、右判断は是認できる。これに理論的根拠が明示されてないとの論旨、ならびに右判断が町村制一一四条に違反するとの論旨はともに理由がない。また、原判決は、本件土地所有権がa区に帰属したことによつて、旧a村民の本件土地に入り会う権利そのものは消滅したものではないと判断していること明らかであるから、前記判断が論旨引用の大審院判例および内務省訓令に反するところもない。 論旨はすべて採用できない。 同第三点について。 原判決の確定した事実によれば、a区会は、明治三九年奥山の一部を同区所有として郡長の許可をうけて旧b村の郷社であるD神社に贈与し、明治四一年、大正六年、昭和二六年ないし二八年に郡長又は県知事の許可をうけて本件山林の一部の立木を伐採売却していること、大正年間にいたり本件土地から自由に柴、薪を採取することが禁ぜられ、a区の住民は旧戸・新戸の区別なく入山料と称する一定の金員をa区に納めてその指定する地域の柴、薪を採取し、また、貸地料をa区に納めて本件土地のうちから三反歩をかぎり植林または耕作の用に供するため土地を借り受けたり、また入会の対象たる土地の一部を個人所有に分割したりなどして土地の使- 1 -用収益の方法は一変し、昭和二八、九年頃旧戸に属する者の一部が本件土地の回復をはかり、その帰属につき争をみるにいた たり、また入会の対象たる土地の一部を個人所有に分割したりなどして土地の使- 1 -用収益の方法は一変し、昭和二八、九年頃旧戸に属する者の一部が本件土地の回復をはかり、その帰属につき争をみるにいたるまでの間本件土地の使用方法につきa部落民に異議のあつた形跡のないこと、「春寄合」はa区会に意見を具申するために行われたにすぎないというのである(以上の各事実認定は、挙示の証拠によつて是認しえられ、論旨引用の乙号各証はいずれもこれが反証たる価値のないものと認められるから、原判決が右乙号証につき特に説示しなかつたことを目して理由不備とはいえない。)。 すなわち、明治二一年町村制の施行から昭和二八年にいたる六五年間に、本件入会地に対する入会団体(a部落)の統制が次第にa区会の統制に移行し、a区が従前の入会地の一部を処分し、全入会地を管理して使用収益方法を定め、この方法に従つて区民が本件土地の使用収益をするにいたり、以上の本件土地についての区会の処分・管理につき従前の入会権者からの異議もなく、また従前部落の入会権行使の統制機関であつた「春寄合」も区会に対する意見具申の機関に変化したというのである。 徳川時代において農村経済の必要上広汎に認められていた入会権が、明治大正昭和と経過するにつれて、貨幣経済の発展と農耕技術の進歩との結果漸次変質、解体、消滅の過程をたどつてきたことは顕著な現象である。もともと、入会権は慣習によつて発生し事実の上に成立している権利であるから、慣習の変化により入会地毛上の使用収益が入会集団の統制の下にあることをやめるにいたると、ここに入会権は解体消滅に帰したものというべく、a部落民が本件土地につき有していた地役の性質を有する入会権は、前記事実に照らし、昭和二八年頃までの間漸次解体消滅したと認めるのが相当である。原判決が、右事 入会権は解体消滅に帰したものというべく、a部落民が本件土地につき有していた地役の性質を有する入会権は、前記事実に照らし、昭和二八年頃までの間漸次解体消滅したと認めるのが相当である。原判決が、右事実を目してa部落民がその入会権を放棄したものと判示したのは措辞必ずしも適切でないが、入会権が消滅したとの結論においては正当であるから、論旨は結局採用できない。 - 2 -よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 3 -

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