【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を仙台高等裁判所に差し戻す。 理 由 上告代理人勅使河原安夫の上告理由第四点について。 原判決は、上告人らの訴訟被
主文 原判決を破棄する。 本件を仙台高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人勅使河原安夫の上告理由第四点について。 原判決は、上告人らの訴訟被承継人たるDの本件係争宅地についての占有権原として、同人の父(亡)Eとの使用貸借契約の成立を認定しているが、その返還時期ないし使用目的の約定については、「Dは大正七年中、兄Fと相前後して結婚し、しばらくは父母のEら夫婦及び兄Fら夫婦と現在の被上告人らの住居において生活を一つにしていたが、大正一〇年頃原判示のようなEやFとの感情的対立から、本件宅地で右住居のすぐ裏手に従前Dが家業である畳職の仕事場として建築使用していた本件建物に家族と共に移り、爾来同所を住居として今日に至つているもので、従つて本件宅地の右使用貸借関係は、EとDとの親子の情誼からおのずと成立し来つたものである」と認定した上で、「その間に期間や使用の目的を定めたことがなかつたことが窺える」と判示し、よつて、貸主としてはいつでも右使用貸借を解約して本件宅地の返還を請求し得るものというべく、Eから順次相続によつて貸主たるの地位を承継した被上告人らの原判示解約の意思表示によつて使用貸借契約は終了し、Dは本件宅地の明渡義務を負うものであると判断した。 しかしながら、前示の如き原審認定の事情の下では、右使用貸借は、「親子間の情誼に基づき、親が子の建築したその一家の住居として使用せられる建物の敷地として宅地を貸与する契約であつて、特段の反対事情の認められない限り、少くとも黙示的に使用の目的を当該建物所有のためと定めたものと認定するのが経験法則に合するものといわねばならない。 果してしからば、本件は、右認定の事実関係の下において、更に民法五九七条二- 1 -項の適用につき判断すべき事案という 有のためと定めたものと認定するのが経験法則に合するものといわねばならない。 果してしからば、本件は、右認定の事実関係の下において、更に民法五九七条二- 1 -項の適用につき判断すべき事案というべきところ、原審はこの点の審理判断を尽していないのであり、引いて原判決は理由不備の違法あるを免れない。この違法は、明らかに判決に影響あるものというべく、この点を指摘する論旨は理由がある。 よつて、その余の上告論旨について判断するまでもなく、民訴法四〇七条一項に従い、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻すこととし、裁判官全員の一致を以て、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官石坂修一裁判官河村又介裁判官垂水克己裁判官五鬼上堅磐裁判官横田正俊- 2 -
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