平成19(ワ)4520 損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年8月7日 名古屋地方裁判所
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判決文本文55,447 文字)

平成19年(ワ)第4520号損害賠償等請求事件判決主文 被告は,原告に対し,19億9920万円及びこれに対する平成14年7月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,5分の4を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。 この判決は第1項に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1請求被告は,原告に対し,24億5980万円及びこれに対する平成14年7月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告が発注したごみ焼却施設(弥富工場)の建設工事(別紙1・番号84。以下「本件工事」という)の指名競争入札(以下「本件入札」とい。 う)に際し,被告,B1株式会社(平成15年4月1日付けでB2株式会社。 と商号変更した。以下「B1」という,B3株式会社(以下「B3」とい。)う,株式会社B4(以下「B4」という,B5株式会社(以下「B5」。)。)といい,以上の5社を「本件5社」という)が事前に被告を受注予定者とす。 ることを合意し,株式会社B6(以下「B6」という,株式会社B7(平。)成6年10月にB8株式会社を吸収合併した。以下「B7」といい,これら2社を「本件アウトサイダー2社」という)が協力した結果,被告が249億。 9000万円(税込み(以下「本件落札価格」という)で落札し,原告が)。 (「」被告との間で本件落札価格で本件工事に関する請負契約以下本件請負契約という)を締結し,本件落札価格を請負代金として支払ったが,本件落札価。 格は,正常な想定落札価格と比較して不当に高い価格であり,被告は原告に損害を与えたとして,原告が,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,少なくとも,本件落札 て支払ったが,本件落札価。 格は,正常な想定落札価格と比較して不当に高い価格であり,被告は原告に損害を与えたとして,原告が,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,少なくとも,本件落札価格と想定落札価格との差額相当額分である予定(()),(. )価格251億円税込みに本件工事の落札率 56パーセント(. )と本件5社以外の者が落札した別の工事の平均落札率 76パーセントとの差である9.8パーセントを乗じた金額の損害を被ったとして,24億5980万円及びこれに対する上記請負代金の支払が完了した日である平成14年7月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 また,原告は,これと選択的に,本件5社及び本件アウトサイダー2社(以下併せて「本件7社」という)の上記談合行為により,本件入札は,指名競。 争入札の形式はとっているものの,指名競争入札の実質を全く有しない点で地方自治法234条に違反するものであり,本件入札に基づき締結された本件請負契約は無効であり,被告は,原告の損失において本件落札価格と想定落札価,,,格との差額相当額分の利得を得ているとして被告に対し不当利得に基づき24億5980万円及びこれに対する上記請負代金の支払が完了した日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めている。 前提事実(当事者間に争いがないか,括弧内に掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)( ) 当事者等 ア原告は,津島市ほか7市町村で組織された地方自治法284条1項に基づき設立されたごみ処理施設等の設置及び管理運営等を共同処理事務とする一部事務組合である(甲1。原告は「津島市ほか十一町村衛生組合」),という ほか7市町村で組織された地方自治法284条1項に基づき設立されたごみ処理施設等の設置及び管理運営等を共同処理事務とする一部事務組合である(甲1。原告は「津島市ほか十一町村衛生組合」),という名称であったが(甲2,平成12年4月1日,その名称を「海部)津島環境事務組合」に変更し(甲3,平成18年4月1日,さらに現在)の名称である「海部地区環境事務組合」に変更した。 イ本件5社はそれぞれストーカ式燃焼装置を採用するごみ焼却施設以,,(下「ストーカ炉」という)で,24時間連続稼働する全連続燃焼式(以。 下「全連」という)のもの(以下「全連ストーカ炉」という)及び1。 。 日当たり16時間稼働する准連続燃焼式(以下「准連」という)のもの。 (以下「准連ストーカ炉」という)を構成する機械及び装置(当該ごみ。 焼却施設と一体として発注されるその他のごみ処理施設を含む。以下「全連及び准連ストーカ炉」という)の製造業並びに建設業法の規定に基づ。 き建設大臣の許可を受けた清掃施設工事業を営む者である(甲4,甲サ1ないし10。 )ごみ焼却施設は,焼却処理設備,電気・計装設備,建築物及び建築設備並びに外構施設から構成されるが,本件7社は,全連及び准連ストーカ炉を構成する機械及び装置を製造し,これらを有機的に機能させるための据付工事を行うほか,設備機器を収容する工場棟の建設その他の土木建築工事などごみ焼却施設及びその関連施設の建設を行っており,プラントメーカーともいわれている。 ( ) 本件工事における受注者決定の経緯 ア入札までの経緯(ア) 発注手続実施前,,()。 原告は平成8年3月ころごみ処理基本計画書を作成した甲34原告は,平成8年6月に見積仕様書徴収業者として本件7社を決定し(,)。 ,た甲5 (ア) 発注手続実施前,,()。 原告は平成8年3月ころごみ処理基本計画書を作成した甲34原告は,平成8年6月に見積仕様書徴収業者として本件7社を決定し(,)。 ,た甲5 その選定条件として①ストーカ方式の炉であること②同規模以上の実績を有すること(発電含む,③東京都の指名実績が)あること(技術的判断力有り)が挙げられた。 ,,,原告は平成8年7月15日見積仕様書徴収用発注仕様書を決定し同月19日,本件7社に対し見積仕様書徴収に係る現場説明会を行い,同年8月30日,本件7社から見積仕様書の提出を受けた(甲34。 )原告は,平成9年9月26日,ごみ処理施設整備計画書を作成し,国に提出した(甲34。 )(イ) 発注手続の実施原告は,本件工事について,平成10年5月26日,次の内容のごみ焼却施設の建設工事(本件工事)を指名競争入札の方法により発注することとした(甲5,32,34。 )工事名(仮称)弥富工場建設工事工事場所海部郡C1町大字C2字C3地内工事概要1日当たり330トン(110トン/日×3基)の処理能力を持つ全連続燃焼式ストーカ炉を採用するごみ焼却施設等の新設工事原告は,平成10年5月28日,本件7社を入札参加者として選定した(甲5,34。その際,①ストーカ方式の炉であること,②同規模)以上の実績を有することに関して,発電設備を有する100t/日以上のストーカ式焼却炉の稼働実績2年以上であること,③東京都の指名実績があることが選定条件とされた。 原告は,平成10年5月29日,本件7社に対し,入札執行の日を同年6月10日と指定して,指名競争入札の方法により発注した(甲6の1ないし7,34。 )(ウ) 本件入札の実施原告は,平成10年6月10日,原告の事務所会議室において,本件入 ,入札執行の日を同年6月10日と指定して,指名競争入札の方法により発注した(甲6の1ないし7,34。 )(ウ) 本件入札の実施原告は,平成10年6月10日,原告の事務所会議室において,本件入札を行い,本件7社が参加した。 原告は,本件工事の予定価格を239億0476万1904円(消費税込価格251億円)としていた(甲7。 )1回目の入札の結果は,別紙2(甲9。なお別紙2の入札価格は,いずれも消費税抜きである)の「第1回入札」欄記載のとおりであり,。 予定価格内の金額ではなかったものの,被告が本件7社の入札金額の中で最低金額となる244億8000万円(消費税抜)で入札した。 原告は,1回目の入札における最低入札金額が,244億8000万円(消費税抜)であった旨を本件7社に明らかにした上で,続けて2回目の入札を行った。2回目の入札の結果は,別紙2の「第2回入札」欄記載のとおりであり,再び,被告が本件7社の中で最低の入札金額である241億円(消費税抜)で入札したが,同入札金額も,予定価格内の金額ではなかった。 原告は,引き続き,2回目の最低入札金額が241億円(消費税抜)であったことを本件7社に明らかにした上で,3回目の入札を行った。 ,「」,3回目の入札の結果は別紙2の第3回入札欄記載のとおりであり被告は,予定価格内の金額である238億円(消費税込みで249億9000万円)で入札し,同入札金額が本件7社中で最低入札金額であったことから,被告が本件工事を落札した(甲8,9。被告以外の本件),,,7社の入札価格はいずれも予定価格を上回っており被告の落札率は99.56パーセントであった。 イ本件請負契約の締結等原告は,上記入札結果に基づいて被告を受注者と決定し,平成10年7月30日,下記の工事請負契約(本件請負 定価格を上回っており被告の落札率は99.56パーセントであった。 イ本件請負契約の締結等原告は,上記入札結果に基づいて被告を受注者と決定し,平成10年7月30日,下記の工事請負契約(本件請負契約)を締結した(甲10。 )記工事名弥富工場(仮称)建設工事(本件工事)契約金額金249億9000万円(本件落札価格と同額)うち取引に係る消費税及び地方消費税額11億9000万円工事場所海部郡C1町大字C2字C3地内工事期間着手平成10年7月31日完了平成14年3月15日被告は,平成14年5月31日に本件工事を完了し,原告は,同年6月11日にその完了検査を実施した上で,被告からその引渡しを受けた。 原告は,被告に対し,本件請負契約に基づき,下記のとおり請負代金を支払った(甲11の1ないし7。 )記支払日支払額平成11年4月30日40億1003万6000円(甲11の1・2)平成12年3月31日71億2693万9000円(甲11の3)平成12年4月28日31億6826万8000円(甲11の4)平成13年4月25日68億5320万1000円(甲11の5)平成14年4月30日29億1575万4000円(甲11の6)平成14年7月15日9億1580万2000円(甲11の7)合計249億9000万円( ) 公正取引委員会による排除措置命令等 ア公正取引委員会は,平成10年9月17日,プラントメーカーに対する立入検査等を行い,平成11年8月13日,本件5社に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成17年法律第35号による改正前のもの。以下「独禁法」という)3条違反であるとして,独禁法4。 8条2項により,その排除を内容とする勧告を行った(公正取引委員会平成11年(勧)第21号。 律(平成17年法律第35号による改正前のもの。以下「独禁法」という)3条違反であるとして,独禁法4。 8条2項により,その排除を内容とする勧告を行った(公正取引委員会平成11年(勧)第21号。 )本件5社は,いずれも勧告を応諾しなかったため,公正取引委員会は,平成11年9月8日,本件5社を被審人とする審判開始決定をした(公正取引委員会平成11年(判)第4号。以下,これにより開始された事件を「別件審判事件」という。 。)公正取引委員会は,平成18年6月27日,別件審判事件について,本件5社に対し,本件5社が全連及び准連ストーカ炉の新設,更新及び増設工事(以下「ストーカ炉の建設工事」という)について受注予定者を決。 定し受注予定者が受注できるようにしていた行為を平成10年9月17日以降行っていないことを確認すること,並びにそのために講じた措置等の地方公共団体への通知及び自社の従業員への周知徹底等の排除措置を命ずる審判(以下「別件審決」という)を行った(甲12。 。 )別件審決は,本件5社が,遅くとも平成6年4月以降平成10年9月17日までの間(以下「本件対象期間」という,共同して,市町村並び。)に地方自治法に定める地方公共団体の組合である一部事務組合及び広域連合(以下「地方公共団体」という)が指名競争入札,一般競争入札又は。 指名見積り合わせ(以下「指名競争入札等」という)の方法により発注。 するストーカ炉の建設工事の取引分野において,受注機会の均等化を図るため,予め受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事の取引分野における競争を実質的に制限しており,かつ,将来同様の違反行為が再び行われるおそれがあると認めることができることを根拠としてい 共の利益に反して,地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事の取引分野における競争を実質的に制限しており,かつ,将来同様の違反行為が再び行われるおそれがあると認めることができることを根拠としている。 別件審判事件において問題とされた地方公共団体発注に係る全連及び准連ストーカ炉の建設工事は,別紙1記載のとおり合計87件であるが,別件審決は,本件工事を含む合計30件の工事については,具体的な証拠か,。 ら本件5社が受注予定者を決定したと推認される工事であるとしている本件5社は,別件審決を不服とし,東京高等裁判所にその取消しを求める取消訴訟を提起したが,同裁判所は,平成20年9月26日,本件5社の請求をいずれも棄却する判決をした(乙10。本件5社は,これを不)服として,最高裁判所に対し,上告及び上告受理申立てをした。 イ公正取引委員会は,平成19年3月23日,本件5社に対し,ストーカ炉の建設工事について受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより競争を実質的に制限していたとして,課徴金納付命令を。 ,行った被告が納付を命ぜられた課徴金の額は64億9613万円であり上記課徴金額算定の対象となった「当該商品又は役務」は8件の契約であるが,この中には本件請負契約が含まれている。本件5社は,上記課徴金納付命令に対し,審判開始請求をし,審判手続が開始された(甲30の1ないし3) 争点 ( ) 本件工事に関する談合(以下「本件談合」という)の存在 。 ( ) 原告の損害及び損害額 当事者の主張( ) 争点( )(本件談合の存在)について (原告の主張)ア基本合意の存在本件5社は,遅くとも平成6年4月以降,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の建設工事について,受注機会の均等化 合の存在)について (原告の主張)ア基本合意の存在本件5社は,遅くとも平成6年4月以降,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の建設工事について,受注機会の均等化を図るため,以下の内容の合意(以下「本件基本合意」という)をし。 ていた。 (ア) 地方公共団体が建設を計画していることが判明した工事について,各社が受注希望の表明を行い,受注希望者が1名の工事についてはその者を当該工事の受注予定者とし,受注希望者が複数の工事については,受注希望者間で話し合い,受注予定者を決定する。 (イ) 本件5社の間で受注予定者を決定した工事については,本件5社以外のプラントメーカー(以下これらを総称して「アウトサイダー」という)が指名競争入札等に参加した場合には,受注予定者は,自社が受。 注することができるようにアウトサイダーに協力を求める。 (ウ) 受注予定者は,受注しようとする価格を決め,受注予定者以外の者は,受注予定者が決めた価格で受注することができるように協力する。 イ本件5社は,本件基本合意のもと,次の方法(以下「本件実施方法」という)で受注予定者を決定し,受注予定者が決めた価格で受注できるよ。 うにしてきた。 (ア) 本件5社は,平成6年4月以降,随時,本件5社の営業責任者クラスの者が集まる会合で,地方公共団体が建設を計画しているストーカ炉の建設工事について各社が把握している情報を,その1日当たりの処理能力の規模別等に区分してリストを作成した上,その情報を交換し,その情報を共通化する(リストアップする)。本件5社は,この情報交換により得られた情報を基に,受注希望表明の対象となる工事を確定する。 (イ) この情報交換の際の工事の処理能力の規模別等区分は,平成8年ころは「大型」(全連400トン/日以上) 「中型( この情報交換により得られた情報を基に,受注希望表明の対象となる工事を確定する。 (イ) この情報交換の際の工事の処理能力の規模別等区分は,平成8年ころは「大型」(全連400トン/日以上) 「中型(全連400トン/日,,」未満)及び「准連」に区分され,平成9年ころからは「大型」(全連400トン/日以上) 「中型」(全連400トン/日未満200トン/日以上),及び小型(全連200トン/日未満)の3つに区分されこのうち小「」,「型」についてはさらに「全連200トン未満60トン超」(全連200トン/日未満60トン/日超)と「60トン以下」(60トン/日以下)に小分類されていた。 (ウ) 本件5社は,随時,本件5社の営業責任者の会合で,上記の処理能力の規模別等により3つに区分された工事ごとに,各社が受注を希望する工事を表明し,希望者が重複しなかった工事はその希望者を受注予定者とし,希望者が重複した工事は希望者間で話し合い,受注予定者を決定する。 (エ) 受注予定者は,各社の受注の均等を念頭に置いて決定する。この受注の均衡は,各社が受注する工事のトン数を目安とする。 (オ) アウトサイダーが入札に参加した場合,受注予定者は,自社が受注することができるようアウトサイダーに協力を求め,その協力を得るようにする。 (カ) 受注予定者は,自社の受注価格を決め,他社が入札する価格をも決めて各社に連絡する。受注予定者以外の者は,受注予定者から連絡を受けた価格で入札し,受注予定者が上記決めた価格で受注することができるように協力する。 ウ本件談合について本件工事について,本件基本合意のもと,遅くとも平成6年4月1日以降,本件入札の期日までの間に,①被告は,本件5社が会場を持ち回りで毎月1回程度開催していた受注調整の会議において,本 合について本件工事について,本件基本合意のもと,遅くとも平成6年4月1日以降,本件入札の期日までの間に,①被告は,本件5社が会場を持ち回りで毎月1回程度開催していた受注調整の会議において,本件工事につき,受注表明を行って自社を受注予定者と決定させるとともに,受注価格を,被告において決め,他の4社に被告が決めた価格で受注できるよう協力してもらい,②被告は,本件アウトサイダー2社に対しては,被告が受注することができるよう協力を求め,その協力を得ることによって,本件入札に関する談合(本件談合)を行い,本件工事を予定どおり落札して,本件工事を受注した。 (被告の主張)ア本件基本合意について本件5社において,本件基本合意がなされたとの原告の主張は,否認する。 本件基本合意の存在を認める関係者の供述には信用性がないし,その他の証拠によっても,本件基本合意の存在は認められない。 イ本件談合について本件7社において本件談合が行われたとの原告の主張は,否認する。 (ア) 原告の主張は,本件談合の具体的内容(日時・主体・場所・内容)を特定しておらず,不法行為に基づく損害賠償請求の要件事実の主張として不十分である。 (イ) 仮に本件基本合意が存在するとしても「受注機会の均等化を図る」,というのみで,その具体的な受注予定者決定のルールが明らかにされておらず,本件5社の間で話合いがつかない場合に誰が受注予定者になるかを自動的に決定するメカニズムが欠けている。このような合意では,話合いがつかない場合に本件5社を拘束するものがないため,本件5社の間で常に個別工事に関する談合が成立するものではないので,仮に本件基本合意が存在したとしても,本件談合の存在を推認することはできない。 (ウ) 本件入札には,本件アウトサイダー2社が参加しており,本件アウ 個別工事に関する談合が成立するものではないので,仮に本件基本合意が存在したとしても,本件談合の存在を推認することはできない。 (ウ) 本件入札には,本件アウトサイダー2社が参加しており,本件アウトサイダー2社の協力なくして受注はできないから,被告から本件アウトサイダー2社に対して本件工事を落札受注できるように協力要請し,,,本件アウトサイダー2社がこれに応じたことが必要であるが本件では本件アウトサイダー2社への協力要請等を裏付ける証拠はない。かえって,これを否定する証拠として,本件アウトサイダー2社が弁護士法23条の2第1項に基づく照会に対して本件5社からの協力要請等を否定した回答書(乙7の1・2,乙8の1・2)がある。 ,,(エ) 本件入札の落札率が高いことなどは談合の存在とは無関係であり落札率から本件談合の存在を推認することはできない。 ( ) 争点( )(原告の損害及び損害額)について (原告の主張)ア原告は,本件5社が談合行為が行われず競争入札制度の趣旨に従い,適正な落札率において受注された場合に形成されたであろう落札価格(想定落札価格)と本件落札価格との差額相当額の損害を負った。 イ本件では,本件対象期間内におけるアウトサイダーが受注した他の類似工事の平均落札率は,談合の影響のない入札に基づくものということができるから,これを基に損害額を推定すべきである。 そうすると,本件においては,予定価格(251億円)に対する本件工事の落札率(99.56パーセント)とアウトサイダーが受注した工事の平均落札率(89.76パーセント)との差である9.8パーセントの割合の金額である24億5980万円が原告の被った損害である。 ウ仮に,想定落札価格が具体的に特定できない場合には,民事訴訟法(以下「民訴法」という)248条の ント)との差である9.8パーセントの割合の金額である24億5980万円が原告の被った損害である。 ウ仮に,想定落札価格が具体的に特定できない場合には,民事訴訟法(以下「民訴法」という)248条の「損害の性質上その額を立証すること。 が極めて困難であるとき」に該当するので,原告の損害額として相当な損害額が認定されるべきである。 そして,アウトサイダーが受注した工事の平均落札率,平成17年の独禁法改正による課徴金の引き上げに際し,公正取引委員会が過去の違反事例における不当利得額を算定した結果(甲35,違約金条項,日本弁護)士連合会の平成13年2月付け「入札制度改革に関する提言と入札実態調査報告(甲36,日本弁護士連合会の平成15年7月付け「入札制度」)改革に関する調査報告書(甲37)等からすれば,本件入札において入」札参加者間の公正な競争が確保されたならば,現実の落札価格と比べて控えめにみても10パーセント以上低い水準で落札する業者が出現していたはずであり,原告は,本件談合によって,現実の本件請負契約の契約金額の少なくとも10パーセントに相当する24億9900万円の損害を被ったものというべきであり,原告の請求はこの範囲内である。 (被告の主張)原告の主張は,否認ないし争う。 ア本件は,不法行為に基づく損害賠償請求であるから,損害の発生については,本件工事の具体的事情に鑑みて想定落札価格が本件落札金額を下回ること,自由競争であれば,その想定落札価格で落札されたことが具体的に主張・立証される必要がある。そして,本件工事に関して被告が落札することができたのは,本件工事に関して多くのコストアップ要因があったにもかかわらず,被告がコストダウンを実現できた結果であって,その落札価格は適正なものであるから,仮に本件談合が行われたとしても, ることができたのは,本件工事に関して多くのコストアップ要因があったにもかかわらず,被告がコストダウンを実現できた結果であって,その落札価格は適正なものであるから,仮に本件談合が行われたとしても,原告に損害はない。 イアウトサイダーが受注した他の類似工事の平均落札率は,多種多様な要因が複雑に絡み合って形成された結果にすぎず,他の工事における結果をそのまま本件工事にあてはめることは不可能であるから,上記原告主張の平均落札率によって,本件工事についての談合による損害額を根拠付けることはできない。 第3当裁判所の判断 前記前提事実のほか,括弧内に掲記の証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実を認めることができる。 ( ) ごみ焼却施設の概要及び種類 アごみ焼却施設の概要ごみは,家庭生活の営みに伴って排出される一般廃棄物と,事業者の事業活動に伴って排出される産業廃棄物とに区分され,廃棄物の処理及び清掃に関する法律により,一般廃棄物は原則として市町村が処理することになっている。このため,市町村は,その区域内で排出される一般廃棄物を処理するために,単独で又は他の市町村とともに一部事務組合又は広域連合(地方公共団体)を結成してごみ処理施設を整備しており,国は,地方公共団体が一般廃棄物を円滑かつ適正に処理するために行うごみ処理施設の整備事業について,補助金を交付している。 地方公共団体が整備するごみ処理施設は,ごみ処理方法により,①ごみ焼却施設,②ごみ燃料化施設,③粗大ごみ処理施設,④廃棄物再生利用施設及び⑤高速堆肥化施設に区分される。 このうち,①のごみ焼却施設は,燃焼装置である焼却炉を中心に,ごみ供給装置,灰出し装置,排ガス処理装置等の焼却処理設備を配置し,ごみの焼却処理を行う施設であり,その施設には灰溶融設備や余熱利用設備が のうち,①のごみ焼却施設は,燃焼装置である焼却炉を中心に,ごみ供給装置,灰出し装置,排ガス処理装置等の焼却処理設備を配置し,ごみの焼却処理を行う施設であり,その施設には灰溶融設備や余熱利用設備が付帯している場合がある。また,地方公共団体は,①のごみ焼却施設を建設するに当たって,③の粗大ごみ処理施設及び④の廃棄物再生利用施設を併設することもあり,その場合には,これらの施設を,ごみ焼却施設と一体のものとして発注することがある。 イごみ焼却施設の種類ごみ焼却施設は,1日当たりの稼働時間により,24時間連続稼働する全連続燃焼式(全連,16時間稼働する准連続燃焼式(准連)及び8時)間稼働するバッチ燃焼式に区分される。 また,ごみ焼却施設は,採用される燃焼装置の燃焼方式により,ストーカ式燃焼装置(ごみをストーカ(火格子)の上で乾燥させて焔燃焼させ,次におき燃焼させて灰にする装置)を採用する焼却施設(ストーカ炉,)流動床式燃焼装置(けい砂等の不活性粒子層の下部から,加圧した空気を分散供給して,不活性粒子を流動させ,その中でごみを燃焼させ,灰にする装置)を採用する焼却施設(以下「流動床炉」という)及びガス化溶。 融式焼却施設(以下「ガス化溶融炉」という)があり,ストーカ炉及び。 流動床炉が主要機種であるが,ガス化溶融炉も導入されるようになってきている。 ウごみ焼却施設建設工事の種類,,,,地方公共団体が発注するストーカ炉の建設工事には新設更新増設改造及び補修工事がある。 「新設工事」とは,ごみ焼却施設を新たに建設することであり「更新,工事」とは,老朽化したごみ焼却施設の建替えや老朽化した焼却炉等の入替えを行うことであり「増設工事」とは,既設のごみ焼却施設の処理能,力を増加させるため,当該施設の一部として焼却炉等を新たに増 ,工事」とは,老朽化したごみ焼却施設の建替えや老朽化した焼却炉等の入替えを行うことであり「増設工事」とは,既設のごみ焼却施設の処理能,力を増加させるため,当該施設の一部として焼却炉等を新たに増設することであって,新設,更新及び増設工事については,いずれも,ごみの焼却処理に必要な施設又は設備を新たに建設又は整備することになる。 ( ) ごみ焼却施設の発注方法等 ア発注までの概略地方公共団体はごみ処理施設を建設する実行年度の前々年度以前にご,「み処理基本計画」を策定する。ごみ処理基本計画において,地方公共団体は,将来の人口の増減予測に基づいてごみの種別ごとの排出量を推計し,リサイクルできるごみの量や地域内で処理が必要なごみの量等を把握した上,その処理のために設置すべき施設の整備計画の概要を取りまとめている。 地方公共団体は,その後,ごみ処理施設の建設用地の選定,環境アセスメント,都市計画決定等の手続を経た上で,実行年度の前年度に「ごみ処理施設整備計画書」を作成し,これを都道府県を経由して国に提出する。 その際,工事費用を把握するため,将来の入札に参加させられる施工業者を選定し,工事の仕様を提示して「参考見積金額」を徴する。そして,国が国庫補助事業として予算計上した地方公共団体のごみ処理施設整備事業については,予算計上後に内示が行われ,当該地方公共団体は,この内示を受けた後に,一般競争入札,指名競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約のいずれかの方法により,発注している。 ,,,地方公共団体は整備すべきごみ処理施設が焼却施設である場合通常「ごみ処理施設整備計画書」の作成時点までに,予め当該施設の燃焼方式をいずれとするかを定めるが,燃焼方式を一つに定めずに発注手続を実施する場合もある。 イ発注方法地方公共団体は, ある場合通常「ごみ処理施設整備計画書」の作成時点までに,予め当該施設の燃焼方式をいずれとするかを定めるが,燃焼方式を一つに定めずに発注手続を実施する場合もある。 イ発注方法地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事を,指名競争入札,一般競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約のいずれかの方法により発注しているが,ほとんどの場合は指名競争入札等(指名競争入札,一般競争入札又は指名見積り合わせ)の方法によっている。 また,地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事の発注に当たり,ほとんどの場合,ごみ焼却施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事並びに土木建築工事を一括して,プラントメーカー又はプラントメーカーと土木建築業者による共同企業体(JV)に発注しているが,ごみ焼却施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事と土木建築工事とを分離して,前者を本件5社等プラントメーカーに,後者を土木建築業者に,それぞれ発注する場合もある。 地方公共団体は,指名競争入札又は指名見積り合わせの方法で発注するに当たっては,入札参加資格申請をした者のうち,地方公共団体が競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者の中から指名競争入札又は指名見積り合わせの参加者を指名している。 また,一般競争入札に当たっても,資格要件を定め,一般競争入札に参加しようとする者の申請を受けて,その者が当該資格要件を満たすか否かを審査し,資格を有する者だけを一般競争入札の参加者としているため,プラントメーカーであるというだけで容易に参加できるわけではない(甲サ12,14,17,29。 )ウ発注件数及び金額平成6年度から平成10年度までの間に,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事の契約件数は87件,発注トン数(1日当たりのごみ処理能力ト 9。 )ウ発注件数及び金額平成6年度から平成10年度までの間に,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事の契約件数は87件,発注トン数(1日当たりのごみ処理能力トン数。以下同じ)は合計2万35。 29トンであり,発注金額(受注業者の落札金額による。以下同じ)は。 合計約1兆1031億円である。このうち本件5社が受注した件数は,87件中66件であり,その割合は受注トン数で約87.3パーセント(2万0534トン,受注金額(落札金額による。以下同じ)で約87. )。 0パーセント(約9601億円)である(甲サ29。 )プラントメーカーは,ごみ焼却施設等の環境関連製品は,政府(当時の厚生省)の予算に左右され,政府主導の発注形態が形成されているため,「厚生省の『国庫補助金』を基本に『起債『府県補助金,そして各自』』治体の一般財源で構成される財源を『いかに多額に組ませて』獲得することである」などとしていた(甲サ14。 。 )( ) ストーカ炉の建設工事市場における本件5社の地位 アプラントメーカー平成6年度から平成10年度までの間に,本件5社の他に,ストーカ炉のプラントメーカーとしては本件アウトサイダー2社B9株式会社以,,(下「B9」という,B株式会社(現商号は株式会社Bである。以。) 下「B」という,B株式会社(以下「B」という,株式会社 。)。)B,B株式会社等のアウトサイダーが存在していた(甲サ20,2 9,31,33,45。 )イ本件5社は「大手5社」と称される存在であること,,,本件5社はストーカ炉の建設工事の施工実績の多さ施工経歴の長さ施工技術の高さからストーカ炉の建設工事について,プラントメーカーの )イ本件5社は「大手5社」と称される存在であること,,,本件5社はストーカ炉の建設工事の施工実績の多さ施工経歴の長さ施工技術の高さからストーカ炉の建設工事について,プラントメーカーの中にあって「大手5社」と称されていた(甲サ14,18,20,28,31,33。 )(ア) 本件5社の事業能力本件5社は,平成10年9月17日までの間,ストーカ炉の建設工事について,製造能力,情報収集能力等において,以下のとおりアウトサイダーと比べて優位にあった。 a本件5社の製造能力本件5社は,ストーカ炉を製造する技術能力が高く,特に1炉につき1日当たりのごみ処理能力トン数が200トン以上の焼却炉を製造する能力については他のプラントメーカーと比べて優位性を有していた(甲サ29,34,45。 )b本件5社の情報収集能力本件5社は,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画や保有するごみ焼却施設の稼働状況等の情報が掲載された業界紙等を基に,各地方公共団体ごとのごみ焼却施設の建設計画の有無及びその既存施設の耐用年数による概ねの更新時期を把握していた。 また,本件5社は,これらの情報を基に,本社及び支店等の営業担当者が,直接あるいは関連会社や代理店を介して,地方公共団体のごみ処理施設の建設に関係する部署の担当者,地方公共団体がごみ処理基本計画などの作成を委託しているコンサルタント会社,建設計画に影響力のある政治家や地元の有力者等から,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画について情報収集をしていた。 さらに,本件5社は,地方公共団体がごみ焼却施設整備計画書を作成するに当たり,その地方公共団体から当該計画に係る参考見積書又は見積設計図書の作成依頼を受けることにより,ごみ焼却施設の建設計画についてより詳細な情報を収集していた。 このようにして,本件 書を作成するに当たり,その地方公共団体から当該計画に係る参考見積書又は見積設計図書の作成依頼を受けることにより,ごみ焼却施設の建設計画についてより詳細な情報を収集していた。 このようにして,本件5社は,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画について,建設計画が判明した初期の段階から具体化されていく過程において,ごみ焼却施設の機種(ストーカ炉か流動床炉かなど,)処理能力,建設予定時期等様々な情報を収集し,把握していた(甲。 ,,,,,,,,サ13 50ないし53 156ないし159)(イ) 本件5社の指名実績a地方公共団体は,ごみ焼却施設に係る「整備計画書」を厚生省(本件当時)に提出するに当たり,その資料の一つとして見積設計図書を作成する必要がある。 プラントメーカーは,見積設計図書の作成依頼を受けることで,施設の規模(1日当たりのごみ処理能力トン数,選定機種(ストー力)炉,流動床炉,ガス化溶融炉等,稼働時間(全連・准連等)等が把)握でき,発注仕様書に自社が製造するストーカ炉の仕様を反映できる可能性がある上,当該ごみ焼却施設に係る指名競争入札等が実施される場合に入札参加業者として指名を受ける確率が高まることから,非常に重要なものとして,見積設計図書の作成依頼を受けられるようにすることをまず目標として営業活動を行っていた。 実際,本件5社は,ごみ焼却施設の建設を計画する地方公共団体から,見積設計図書の作成依頼を受けることが多かった(甲サ18,20,23,24,34,乙25。 )b本件5社は,地方公共団体が実施するストーカ炉の建設工事の指名競争入札等において指名を受ける機会が多く,指名競争入札等に数多。 ,,く参加していた一方アウトサイダーは指名を受ける機会が少な 本件5社は,地方公共団体が実施するストーカ炉の建設工事の指名競争入札等において指名を受ける機会が多く,指名競争入札等に数多。 ,,く参加していた一方アウトサイダーは指名を受ける機会が少なく本件5社とアウトサイダーとの間には格差があった。 もっとも,平成3年度から平成6年度までは,本件5社は70パーセント台ないし90パーセント台の物件に指名され,本件アウトサイダー2社は20パーセント台ないし30パーセント台の指名率にとどまっていたが,平成7年度から平成9年度は,本件5社が依然として高い指名率を維持する一方,本件アウトサイダー2社の指名率も50パーセント台ないし70パーセント台と上昇し,平成9年度においてはB5の指名率はB6の指名率を下回りB7と同率であった甲,,,(サ29,149。 )本件5社は地方公共団体に対する営業活動について本社から大,,「手5社に絞り込め」等という指示を出し,地方公共団体に対し,理。 由を書き並べた上「以上のような理由から,技術力(特にダイオキ,シン対策)に優れ実績が豊富で,過去に事件性の無い健全企業の中から5社程度に絞り込むことが重要である」と記載した文書を渡すなどして,できる限り指名される業者を少なくし,さらには本件5社のみを指名させるよう働きかけていた(甲サ108,121,122。 )(ウ) 本件5社の受注実績a本件5社は,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の建設工事を数多く受注していた。 平成6年度ないし平成10年度の地方公共団体の前記ストーカ炉の契約における本件5社の受注トン数及び受注金額に占める割合は前記( )ウのとおりであり,アウトサイダーがストーカ炉の建設工事を受注 することは少なく,本件5社とアウトサイダーとの間には格差が 炉の契約における本件5社の受注トン数及び受注金額に占める割合は前記( )ウのとおりであり,アウトサイダーがストーカ炉の建設工事を受注 することは少なく,本件5社とアウトサイダーとの間には格差があった(甲サ29,160)。 bごみ焼却施設の規模(1日当たりのごみ処理能力トン数)は,当該施設を設置する地方公共団体の区域内の住民からのごみ排出量等に基づいて算出されることから,当該地方公共団体の人口に比例して大型化する。 東京都や政令指定都市などが発注する規模の大きなストーカ炉の建設工事は,平成6年度から平成10年9月17日までの間,これを受注したのは本件5社だけであった。 そして,東京都や政令指定都市以外の地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事を発注するに当たって,東京都や政令指定都市の発注動向をみて発注内容を検討する傾向にあることから,本件5社だけが東京都や政令指定都市の発注するストーカ炉の建設工事を受注していたことは,本件5社にとり,ごみ焼却施設の建設を計画するその他の地方公共団体に対する営業活動を行う上で有利であった(甲サ11,2。 9,34,118)(エ) アウトサイダーの地位アウトサイダーも,本件5社と同様,地方公共団体発注のストーカ炉の建設工事の入札に参加すべく営業活動を行っており,前記(イ)bのとおり,平成7年度以降,指名率は上昇したが,受注実績には結びついておらず,平成8年ないし平成10年ころ,本件5社と協調した行動をとることによりストーカ炉の受注実績を得ることを検討していたプラントメーカーもあった(甲サ39,48,110ないし112,114ないし118。 ) 争点( )(本件談合の存在)について ( ) 本件5社担当者による会合 前記認定事実のほか,証拠(甲サ28,33,46,104,105,1) 0ないし112,114ないし118。 ) 争点( )(本件談合の存在)について ( ) 本件5社担当者による会合 前記認定事実のほか,証拠(甲サ28,33,46,104,105,1),,, 及び弁論の全趣旨によると本件5社は遅くとも平成6年4月以降各社のごみ焼却施設に関する営業担当者が出席する会合を,開催場所各社持ち回りで月1回程度開催していたこと,この会合には,被告からは本社機械(「」。)事業本部環境装置第一部環境装置一課長であるA1以下A1という(平成8年4月就任,B3からは環境・プラント事業本部環境東京営業部)長であるA2(以下「A2」という,B1からは環境第一営業部第一営。)業室長であるA3(以下「A3」という,B4からは環境プラント統轄。)本部東京環境プラント部第二課長であるA4,B5からは平成8年4月から本社機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部環境装置第一営業部長であるA5(以下「A5」という(平成8年4月以前はA6)がそれ。)ぞれ出席していたこと,平成6年4月以降における上記会合に出席する営業担当者について,上記A6からA5への交代以外には,メンバーの変更はなく,これらの者は,本件5社の各本社のごみ焼却施設の営業担当部署の部長若しくは課長又はこれらとほぼ同等待遇の者であることが認められる。 ( ) 本件5社の担当者の供述等 以下に上記会合の出席者であるA1及び,会合出席者以外の本件5社の担当者の供述等を検討する。 ア被告・A1(甲サ28,46)(ア) A1は,昭和61年10月から被告本社環境装置一課に所属し,平成8年4月からは同課課長であった(甲サ28。 )公正取引委員会審査官は,同委員会がプラントメーカーに対し立入検査を実施した当日(平成10年9月 昭和61年10月から被告本社環境装置一課に所属し,平成8年4月からは同課課長であった(甲サ28。 )公正取引委員会審査官は,同委員会がプラントメーカーに対し立入検査を実施した当日(平成10年9月17日,A1から事情聴取し,同)人が供述した内容を録取し,A1に内容を読み聞かせて誤りがないこと,,(,を確認した上で署名指印させ供述調書として完成させた甲サ28。 ,「」 以下これらの供述調書によるA1の供述のみをA1当初供述という。 。)A1当初供述の概要は,次のとおりである。 ①本件5社は,ごみ処理施設の発注が予定される物件の受注調整を行うため,毎月1回程度,各社の営業責任者クラスの者が集まり,出席各社の持ち回りで各社の会議室で会合を開催している。 ②A1は,平成6年4月以降,前任者A7(以下「A7」という)。 に代わってその会合に出席するようになった。A1は,ごみ処理施設の官公需部門の営業に関する実質的な責任者として,受注物件,販売価格等を決定する立場にあり,各支社のごみ処理プラント部門を統括して受注計画を策定したりするため,各支社の担当者からヒアリング,。 などを行いその中で各支社の営業活動について指示したりしている③会合の出席者は,発注が予定される物件については,大分前から情報をつかんでおり,どのような物件があるかは全員が共通の認識を持っている。 ④会合では,ごみ処理施設の発注が予定されている物件について,各出席者がそれぞれ受注を希望するか否かを表明し,受注希望者が1社の場合には,当該社が受注予定者(チャンピオン)となり,受注希望,。 者が2社以上の場合は希望者同士が話し合って受注予定者を決める⑤受注予定者を決める基本は各社が平等に受注することであり,ごみ処理プラントの場合は,1日 定者(チャンピオン)となり,受注希望,。 者が2社以上の場合は希望者同士が話し合って受注予定者を決める⑤受注予定者を決める基本は各社が平等に受注することであり,ごみ処理プラントの場合は,1日のごみ処理能力で計算しており,各社が受注するごみ処理施設の処理能力の合計が平等になるように受注予定者を決めるという方法で行っている。 ⑥受注希望者が2社以上になり,話合いによっても決められない場合には,最終的にはどちらが多く受注しているかで判断することになるが,A1が会合に出席するようになってからは,受注希望がかちあっても希望者同士の話合いですべて受注予定者が決まっている。 ⑦会合での話合いによりごみ処理施設の発注予定物件の受注予定者を決めるに当たっては,ごみ処理プラントの処理能力によって,1日の処理能力が400トン以上の「大,200トン以上の「中,20」」0トン未満の「小」の3つに分けており「大「中「小」それぞ,」,」,れに分けて,受注希望物件を確認して受注予定者を決めている。 ⑧会合で決めた受注予定者は,物件が発注された段階で会合のメンバーである本件5社以外の者(アウトサイダー)が一緒に指名された場合には,相指名業者と個別に会って,自社が受注できるように協力を求め,相指名業者に物件を受注させる必要が生じたときは,受注予定者が会合で了承を受けた後,相指名業者に受注させていた。 ⑨受注予定者は,指名を受けた物件について積算し,会合のメンバー(本件5社)の各相指名業者に入札の際に書き入れる相手方の金額を,()電話等で連絡して協力を求め会合のメンバー以外アウトサイダーの相指名業者についても,だいたい顔を知っているので,各社の営業責任者クラスの者に連絡し,受注予定者が受注できるよう協力してもらっている。 ⑩A1が会 力を求め会合のメンバー以外アウトサイダーの相指名業者についても,だいたい顔を知っているので,各社の営業責任者クラスの者に連絡し,受注予定者が受注できるよう協力してもらっている。 ⑩A1が会合に出席するようになってからは,被告が受注予定者となった物件のほとんど全ては予定どおり被告が受注している。 (イ) 被告においては,課長級のものは1億円を超える案件は最終的な決裁権限を有していたわけではなかったが,上記したところによれば,上記会合の出席者は各社において相応の地位を有する者であり,A1を含め上記会合出席者は事前に各社内で検討したところに基づいて受注に関する希望を述べ,交渉することは委ねられていたと推認することができる。 (ウ)aA1は,被告において,ごみ処理プラントの官公需部門の営業に直接従事していた者であるところ,A1当初供述は,そのような立場において自らが直接体験した事柄を,公正取引委員会の立入検査が実施された当日にありのまま述べたものと考えられるし,その供述も前記のとおり具体的なものであって,その内容にも不自然,不合理な点はみられない。 そして,後記のとおり,本件においては,本件5社が将来発注が予定されるストーカ炉の建設工事について,情報交換によって共通認識を有していたことや,これを踏まえ,受注調整が行われたことを推認させるリストが存在すること(後記( ) ,本件5社が,受注希望表 3 )明の対象となる工事を確定し,ストーカ炉の建設工事の受注予定者を決めるための会合を開催したことや,この会合において,発注予定のストーカ炉の建設工事を規模別に分類して受注希望表明を行い,具体的に受注予定者を決定したことを推認させるA1自身のノート(甲サ67)等が存在すること(後記( ) ,本件5社の会合で決定された 4 )受注予定者の受 工事を規模別に分類して受注希望表明を行い,具体的に受注予定者を決定したことを推認させるA1自身のノート(甲サ67)等が存在すること(後記( ) ,本件5社の会合で決定された 4 )受注予定者の受注を実現するため,入札の実施前において,本件5社の間で,入札価格等の連絡が行われたことを示す証拠があること(後記( ) ,本件5社の営業担当者の中には,本件5社のストーカ炉の)建設工事に関し,ストーカ炉の処理能力を基にした数値を加算するなどして継続的に各社の受注状況を把握していた者がいたこと(後記( ))等のA1当初供述を裏付ける客観的事情が認められるところ, A1当初供述は,これらの事実等と符合するのであって,これらを全体的に考察すると,一連の事態の推移に関する説明として合理的なものと評価することができる。 bさらに,公正取引委員会審査官が取調べに当たりA1を威迫したなどのA1当初供述の任意性や信用性を左右する事実を認めるに足りる証拠もない。A1は,審査官が作成した供述調書につき,内容がよく分からないまま署名してしまったという趣旨の供述もしているが(例えば,甲サ182ないし186,その供述はそれ自体にわかに首肯),,し難いものである上B1のA3がA1から審査官の取調状況を聞きその内容を書き記したメモ(甲サ36,80)の内容が,A1当初供述の内容と概ね合致することからしても,A1は調書の内容を把握して署名したことがうかがわれるのであって,上記供述は採用し難い。 また,A1は,A1当初供述の後,受注調整のため本件5社の担当者が集まった会合は存在しない等と供述を変遷させ,自らがしたA1当初供述の内容を否定するに至っているが(特に,甲サ176,183ないし189,後の供述の内容は,例えば,自らがノートに記し)た受注調整のための 会合は存在しない等と供述を変遷させ,自らがしたA1当初供述の内容を否定するに至っているが(特に,甲サ176,183ないし189,後の供述の内容は,例えば,自らがノートに記し)た受注調整のための会合と疑われる記載の意味すら説明しないなど,不自然極まりないものであって,上司等に取調べの様子を報告し,その指示を受けて供述内容を変遷させた疑いが濃いもので,およそ信用できないものといわざるを得ず,A1当初供述の信用性を揺るがすものではない。 イB1・A8(甲サ35,44)(ア) A8(以下「A8」という)は,昭和49年4月にB1に入社し,。 平成8年7月から,大阪支社機械プラント部環境プラント営業室長として,近畿一円の官公庁が発注するごみ処理プラントの受注業務等に関する責任者であった(ただし,指名競争入札等の見積価格や入札価格については,B1本社環境プラント第2営業部第1営業室から指示された価格で対応することとされていた。 。)A8は,平成8年の秋から冬にかけて,上司である本社環境プラント営業部のA9第2営業部長,A第1営業室長等から,ストーカ炉の 建設工事に関する本件5社の受注調整について聞いた内容を取りまと,(「」めごみ処理関係について部下を指導するためにメモ以下A8メモ。),,()。 というを作成し後日内密にその内容を部下に伝えた甲サ44A8メモ(甲サ35)には,ストーカ炉は,大手5社(本件5社)が中核メンバーで,本件アウトサイダー2社が準メンバーであり,B9,B等は話合いの余地はあるとされ,大手5社のルールとして,本件 5社は,対象工事を,1日のごみ処理能力が400トン以上の「大,」399トン以下の「その他全連「准連」の3つに分けて,1年に1」,回,張り付け会議を行う,張り付 5社のルールとして,本件 5社は,対象工事を,1日のごみ処理能力が400トン以上の「大,」399トン以下の「その他全連「准連」の3つに分けて,1年に1」,回,張り付け会議を行う,張り付け会議では,その時点で明確となっている物件をほぼ各社1個ずつ指定し,その後は,その会社が受注する権利を有するとともに本件5社指名を守る義務があり,その物件の入札が何年後であるかは関係がない,本件5社のシェアは平等の20%とし,20%のシェアを維持する方法は,受注トン数を指名件数で除したもの(受注トン数/指名件数)であり,そのためには指名に数多く入った方がよい,その物件に,アウトサイダーが入ったときは,たたき合いとなるが,補填等はされない旨が記載されている。 (イ) 被告は,A8のメモ及び供述(以下「A8メモ等」という)は自。 ら体験した事項を供述したものではないから,その信用性には疑問があるなどと主張する。 しかし,A8メモ等は,後記(ウ)のとおりA1当初供述の内容と概ね符合している上,A8は,B1大阪支社機械プラント部環境プラント営業室長であり,ストーカ炉の営業担当者であった者で,その職務の性質,,,上ストーカ炉の受注に関し相当の関心がありかつ知識を有しており本社の指示に従って実際に営業活動を行う立場にあって,そのような関心と知識の下に,職務の必要上,上司から聞き取った内容をそのまま記載したメモ及びこれに関する供述であるし,後記( )以降に認定判断す る本件5社の受注調整を巡る客観的な事実関係と良く符合するものと評価することができるから,その信用性は十分に認められるものである。 (ウ) もっとも対象物件の区分という点のほか受注予定者の決め方受,,(注に係るストーカ炉の処理能力トン数の合計か,受注したストーカ炉の処理 ら,その信用性は十分に認められるものである。 (ウ) もっとも対象物件の区分という点のほか受注予定者の決め方受,,(注に係るストーカ炉の処理能力トン数の合計か,受注したストーカ炉の処理能力トン数を指名件数で除したものか,アウトサイダーとの関係)(協力を求めるか否か)という点において,A8メモ等とA1当初供述とは必ずしも符合しない点があるとみえないではない。 しかし,A1が本件5社の会合の出席者として自ら体験した事実に基づいて供述しているのに対し,A8メモ等はA8自らが体験した事実で,,,はないから前者に比べその正確性には自ずから限界があることまたA8が本件5社の受注調整のためのルールを上司から聞き,A8メモを作成したのが,平成8年であるから,時期の違いを考慮する必要があること,A1当初供述とA8メモ等とは,本件5社が会合を開いて張り付け会議を行い受注予定者を決定し,本件5社間で受注機会が均等になるようにしていた,対象物件につきトン数等による区分を設けて受注調整を行っていたとの重要な部分については一致しており,また,アウトサイダーとの関係についても,A1当初供述は,アウトサイダーとの調整が失敗した場合の対応について言及していないのに対して,A8メモ等は,上記の記載内容等からすると,アウトサイダーとの間で調整のための努力をすることは当然の前提として,それが失敗した場合について触れたもので,そのため表面上の差異が生じたにすぎないとの理解が可能であり,そうであれば,A1当初供述とA8メモ等とが実質的に矛盾しているということはできない。両者の一致点はストーカ炉の建設工事の営業の重要な要素となる部分であり,この一致点からみれば,その他の食い違いがあることは,両証拠の信用性を否定する根拠となるものではない。 ウ被告・A できない。両者の一致点はストーカ炉の建設工事の営業の重要な要素となる部分であり,この一致点からみれば,その他の食い違いがあることは,両証拠の信用性を否定する根拠となるものではない。 ウ被告・A(甲サ42,43,49,102) A(以下「A」という)は,平成8年3月,被告中国支社機械一 。 課に配属された後,同年4月1日付けで同課課長となり,官公庁向けのごみ焼却施設等の営業を担当している。 Aは,平成8年3月,前任者のAから被告中国支社機械一課の業 務内容の引継を受けた際,聞き取った内容をメモにした。このメモ(以下「Aメモ」という。甲サ40)には,官庁業務のうちごみ処理につい ては,本件5社が,全連及び准連のストーカ炉について受注機会の均等を図るため仲良く話合いをする旨の記載がある。 Aは,本件5社は,受注機会の均等を図るため,受注予定者(チャ ンピオン)を決めて,受注予定者が受注できるようにしており,実際の入札での受注予定者を決める話合いは本件5社の本社レベルで行われていると認識している旨述べている。 エ被告・A(甲サ47,103,108) A(以下「A」という)は,平成元年4月,被告中国支社化学環 。 境装置課(後に,機械一課と名称が変更された)に配属となり,官公庁。 向けのごみ焼却施設等の営業を担当しているが,同課に配属となった際,前任者のAから「業界(機種別)の概況について」との書き出しの文 書(甲サ37)を引き継いだ。 この文書には,ごみ焼却炉について,全連のストーカ炉の大手5社には受注調整のための協定があり,それにより,受注機会を均等化(山積み)しており,極力5社のメンバーセットが必要である(他社介入のときには条件交渉を伴う)こと,必注案件は強力な ストーカ炉の大手5社には受注調整のための協定があり,それにより,受注機会を均等化(山積み)しており,極力5社のメンバーセットが必要である(他社介入のときには条件交渉を伴う)こと,必注案件は強力な営業事情をベースに本社において主張させるべきバックグラウンド作りが肝要であること,他社案件でも指名入りで分母の積み上げを図る必要があること等が記載されている。 Aは,自分が営業担当となってからも,本社レベルで受注調整行為 が行われていると認識している旨供述している。 オB4・A(甲サ45) Aは,平成10年6月からB4の環境プラント本部長を務め,西日 本におけるごみ焼却炉の営業の責任者であるが,同社環境プラント本部営業部長から,同社が受注を獲得するための営業方針について,1番目はコストである,2番目は同社の焼却炉の技術が発注者に認められる,3番目は発注者に認められたことをメーカー各社に認められれば協力を得られるチャンスがあるということを聞いたことがある,3番目の営業方針は,具体的には,同社がどうしても受注したい物件については,他社との間で話合いを行い,他社の協力を得て,同社の入札価格よりも高い価格で他社が入札することに応じてもらうことである,一方,他社が発注者から認められているような物件でどうしても受注したい物件については自社が協力することになる旨述べている。 カ小括以上のとおり,本件5社間における談合に関して,少なくとも,被告,B1及びB4の3社の関係者から,これを肯定する供述が得られており,その中でも,A1当初供述及びA8メモ等は具体性をもったものであり,他の関係者の供述もこの両名の供述に概ね合致している。 このような関係者の供述の存在は,談合の存在を推認させる有力な根拠となるものである。 被告は,これらの供述等の メモ等は具体性をもったものであり,他の関係者の供述もこの両名の供述に概ね合致している。 このような関係者の供述の存在は,談合の存在を推認させる有力な根拠となるものである。 被告は,これらの供述等の信用性に関して以上でふれた他にも諸々の主張をするが,いずれも採用することができず,他に上記認定を左右するに足りる証拠はない。 ( ) 本件5社が受注予定者を記載したことがうかがわれるリスト 証拠(各掲記のもの)及び弁論の全趣旨によれば,以下のとおり,本件5社が受注予定者を記載したことがうかがわれるリストを作成していたことが認められ,後記のように,前記( )のA1当初供述等の内容を裏付けるもの と評価することができる。 アB5・Aのメモ(甲サ89) (ア) 記載内容B5の機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部のA以16(下「A」という)は「年度別受注予想H07.09.28」と 。 ,題する印刷文字で記載された表とこれを作成するための原稿とみられる手書きの表等からなる書面(以下これらを併せて「Aリスト」とい う)を所持していた(甲サ89,140。 。 ) Aリストの内容は,別紙3(甲サ89)のとおりであるが,Aリストは,平成7年9月28日ころ,平成8年度から平成11年度まで及び平成12年度以降に発注が見込まれるストーカ炉の建設工事(同表の各「S」欄)を記載したものと推認される。 これらの工事は,各年度(年度」欄)及び本件5社(K「M,「「」,」「H「N」及び「T」とあるのは,それぞれ,B5,被告,B3,」,B1及びB4を指すと認められる)ごとに,ストーカ炉の建設工事の。 発注者である地方公共団体及びそのトン数が分類されて記載されている。 そして,Aリストに記載されたストーカ炉 ,被告,B3,」,B1及びB4を指すと認められる)ごとに,ストーカ炉の建設工事の。 発注者である地方公共団体及びそのトン数が分類されて記載されている。 そして,Aリストに記載されたストーカ炉の建設工事と,平成8 年度から平成10年度までのストーカ炉の発注状況(甲サ29)とを比較すると,次のとおり,Aリストに記載された工事については,作 成後約3年間にわたり,うち22件が実際に発注された工事と合致し,しかも,そのうち18件の工事がAリストの分類どおりに本件5社 によって受注されている。 すなわち,平成8年度に発注された工事(全15件)のうちAリ ストには12件が記載されており(Aリスト中の発注予想年度は平 成8年度ないし平成11年度に分布する。以下同じ,B6が落札し。)た2件(日南地区衛生センター管理組合(別紙1・番号46)及び「」「久居地区広域衛生施設組合(別紙1・番号52)の各工事)を除く」10件について,Aリストに記載された本件5社がそれぞれAリ ストの記載どおりに落札している。 また,平成9年度に発注された工事(全21件)のうちAリスト には9件が記載されており,このうちB6が落札した1件(函南町」「()。 ,「」工事別紙1・番号71Aリストでは同工事にB1を示すN が付されている)及びB3が落札した1件(東京都(中央地区清掃。 「工場」工事(別紙1・番号80。Aリストでは,同工事にB4を)) 示す「T」が付されている)の2件を除く7件について,Aリスト。 に記載された本件5社がそれぞれAリストの記載どおりに落札して いる。 さらに,平成10年度に発注された工事(全7件)のうちAリス (「」「」(「( ついて,Aリスト。 に記載された本件5社がそれぞれAリストの記載どおりに落札して いる。 さらに,平成10年度に発注された工事(全7件)のうちAリス (「」「」(「()」トには1件M欄にある名古屋五条名古屋市五条川工場工事(別紙1・番号85)が記載されており,同工事については,被)告が,Aリストの記載どおりに落札している(なお,Aリストに 記載されたその余の工事名の工事については,平成10年度までには発注されていない。甲サ29,194。 )なお,Aリストに記載された工事のトン数をみると,本件5社に おいて,完全にトン数が均衡となるように分類されているとは認められないものの,前年度の欄に記載されたストーカ炉の建設工事のトン数の合計が多い企業については,他の企業と比較して,次年度におけるスト,,ーカ炉の建設工事のトン数が少なくなっていることがうかがわれ逆に前年度のストーカ炉の建設工事のトン数合計が少なかった企業については,次年度のストーカ炉の建設工事のトン数が増加していることがうかがわれるなど,全体として,トン数の均衡に配慮している様子がうかがわれる。 (イ) 評価被告は,Aリストは,そのタイトルが「年度別受注予想」とある ように,あくまでもB5が平成7年の時点において将来的なストーカ炉の建設工事の受注を予想したものにすぎない旨主張する。 しかし,前記のとおり,Aリストに記載されたストーカ炉の建設 工事については,作成後約3年間にわたり,うち22件が実際に発注された工事と合致し,しかも,そのうち18件の工事がAリストの分 類どおりに本件5社によって受注される結果となっているのである。そ,,,して被告はAリストは単なる受注予測にすぎないと れた工事と合致し,しかも,そのうち18件の工事がAリストの分 類どおりに本件5社によって受注される結果となっているのである。そ,,,して被告はAリストは単なる受注予測にすぎないと主張するが 上記工事の受注者の決定は,将来的なことを含む様々な事情に基づき競争原理に左右される性質の事柄であるから,本件5社がストーカ炉の建設工事の市場において大手5社としての地位を占めており,かつ,B5が大手プラントメーカーとして高度な情報収集能力を有していたと認められることを考慮に入れたとしても,本件5社ごとに,しかも,約3年も先の受注結果を概ね正確に予想することはおよそ不可能というべきである。 また,仮にAリストが,被告の受注予測を記載したものにすぎな いとすれば,本件アウトサイダー2社など本件5社に次ぐ受注実績を有するアウトサイダーについて一切の記載がないというのも不自然である。 そうすると,上記結果については,本件5社において,Aリスト に記載されたストーカ炉の建設工事の受注者を本件5社のうち誰にするかについて予め合意した,つまり受注予定者の決定がされたと理解することが自然というべきであるから,上記被告の主張は理由がない。 イ本件5社のその他のリスト及びその解釈上記アで説示した事情に,証拠(各掲記のもの)及び弁論の全趣旨を総,,,,合すると下記(ア)のとおりAリスト以外にも本件5社において 未発注のストーカ炉を取りまとめ,これに受注予定者を記載したとみられるリストが存在しているところ,Aリストを含め,これらのリストに 記載されたストーカ炉の建設工事は相当程度一致していることが認められ,しかも,下記(イ)のとおり,本件5社のいずれかが受注する予定である旨の記載がなされた工事については,作 ,これらのリストに 記載されたストーカ炉の建設工事は相当程度一致していることが認められ,しかも,下記(イ)のとおり,本件5社のいずれかが受注する予定である旨の記載がなされた工事については,作成等された時点では未だ入札が行われていないにもかかわらず,その後のリストからは除外されていることが認められる。これを具体的に述べると,次のとおりである。 (ア) 本件5社においては,Aリスト以外にも,将来発注が予想される ストーカ炉の建設工事を規模別に分類し,具体的に記載したリストが作成され,Aリストを含め,これらのリストに記載されたストーカ炉 の建設工事は相当程度一致していることが認められる。 すなわち,①B5の平成9年9月ころのリスト(甲サ155「全連。 400T以上「全連200-400T未満「全連60-200T」,」,未満「全連60T未満」の4つに分類している)には,このうち小」,。 型物件(全連60-200T未満)のリストの左端欄に手書きで,「」14工事について本件5社の略称が記載されているところ,当該リスト(甲サ155)に記載されたごみ処理施設は,B1の平成9年9月11日付けのリスト(甲サ62,63「全連400t以上「全連200。 」,t以上400t未満「全連200t未満」のほか「60t以下の物」,,件は超小型の為,別枠とする」との記載がある)との間で「千葉八。 。 ,千代市」工事ほか4工事を除きほぼ一致する,②B1の環境第一営業部のスタッフが所持していた平成9年12月17日付けのストーカ炉のリ()(。 ,スト甲サ58及び同日付けのリスト甲サ59いずれのリストも「全連400t以上「全連200t以上400t未満「全連20」,」,」,。)0t未満のほか60トン以下 (。 ,スト甲サ58及び同日付けのリスト甲サ59いずれのリストも「全連400t以上「全連200t以上400t未満「全連20」,」,」,。)0t未満のほか60トン以下の工事については別枠とされているに記載された物件と,B3の環境事業本部東京営業部から平成10年1月27日にファクシミリ送信されたストーカ炉のリスト甲サ55大(。「型「中型「小型」の3つに分類し,それぞれ,400トン以上,」,」,400トン未満200トン以上,200トン未満の工事を記載している)に記載された物件のうち,中型物件については「川口」工事等。 ,数件を除きほぼ一致する,③B3の平成10年3月24日付けストーカ炉のリスト(甲サ56「大型「中型「小型」の3つに分類し,そ。 」,」,れぞれ,400トン以上,400トン未満200トン以上,200トン未満の工事を記載している)のうち,5工事について本件5社の略称。 が付されており,この5工事は,被告の環境装置一課主務であるA(以下「A」という)が所持していたメモ帳(甲サ77,78)に 。 本件5社の略称名と工事が記載された工事とほぼ一致することなどが認められる。 (イ) Aリスト及び上記(ア)の各リスト以下これらを併せてA(,「リスト等」という)の各記載を照らし合わせると,以下に例示すると。 おり,Aリスト等において,工事ごとに本件5社のいずれかに分類 されるなど将来本件5社のいずれかが受注する旨をうかがわせる記載がされた工事については,上記各リストが作成等された時点では未だ入札が行われていないにもかかわらず,その後作成等されたリストには掲載されないという特徴があることを認めることができる。 すなわち,平成7年9月28日ころ ては,上記各リストが作成等された時点では未だ入札が行われていないにもかかわらず,その後作成等されたリストには掲載されないという特徴があることを認めることができる。 すなわち,平成7年9月28日ころ,平成8年度以降ストーカ炉の建設工事として発注が見込まれる工事として,各工事を本件5社に振り分けて記載したAリスト(甲サ89)に記載された工事は,その後作 成された本件5社のリスト(B3について甲サ54ないし56,B1について甲サ58,59,61ないし63,B5について甲サ65,153,155,被告について甲サ66,67)には記載されていない。 ,,,同様にB5が平成9年9月当時のごみ処理施設の計画を大型物件中型物件及び小型物件に分け,このうちの小型物件リストの左端欄に手書きで,14工事名について本件5社の略称を記載したリスト(甲サ155(前記(ア)①)に記載された14工事は,その後作成された本件)5社のリスト(B1について甲サ58,59及び61,B3について甲サ54ないし56)には記載されていない。 (ウ) 被告は,Aリスト等が,本件5社それぞれにおいて当該企業自身 の希望物件に関する内部的な検討結果を記載したにすぎず,Aリス ト等は受注予定者を決定したことを示すものではないなどと主張する。 しかし,被告が主張するとおり,Aリスト等が,本件5社それぞ れにおいて当該企業自身の希望物件に関する内部的な検討結果を記載したにすぎないのであれば,当該希望物件に関する記載がその後別の会社で作成されたリストから除外されるという経過は通常あり得ないことである。 むしろ,以上に認定したとおり,Aリスト等において受注予定物 件として記載された工事が他のリストから除外されていたという特異な経過(上記(イ))に加えて,A 経過は通常あり得ないことである。 むしろ,以上に認定したとおり,Aリスト等において受注予定物 件として記載された工事が他のリストから除外されていたという特異な経過(上記(イ))に加えて,Aリストにおいて本件5社ごとに分類 されて記載された工事の多くが,その後当該記載どおりに本件5社に落札されたという特徴的な事情(上記ア)を併せ考慮すると,Aリス ト等において本件5社の受注予定物件として記載された工事については,本件5社間において当該企業が受注する旨の合意が形成されていたために,その後のリストから除外されて対象外とされ,その余の工事が更なる希望表明ないし調整の対象とされたと理解することが自然である。 (エ) 被告は,A16リスト等に記載された工事については,①B5の平成10年8月31日付け「全国規模別主要案件表(甲サ24の添付資料」5,6枚目,②B1の平成10年5月8日付け「年度別物件一覧表」)(甲サ50,③B4の平成10年8月31日付け「平成11年度以降)計画予想物件調査依頼の件(甲サ51,④B1の「H10・11年」)度重点及び準重点物件について(甲サ123,⑤被告の「受注計」)画工事調査表(秘(甲サ179の添付資料,及び,⑥B5の「ごみ)」)処理施設受注状況表(甲サ18の添付資料3枚目)のリスト中に記載」があり,後に作成されたリストにも記載があると主張する。 しかし,上記①ないし③,⑤,⑥の各リストは,B5,B1,B4及び被告がそれぞれ全社的にごみ処理施設の建設計画等を取りまとめた営業用の表向きの資料であり(甲サ18,24,53,179,上記④)のリストも,同様の社内における営業活動のためのリストであると認められ(乙25,会社内の複数の者が閲覧する可能性のある表向きの営),,業 の資料であり(甲サ18,24,53,179,上記④)のリストも,同様の社内における営業活動のためのリストであると認められ(乙25,会社内の複数の者が閲覧する可能性のある表向きの営),,業用の文書には裏のやりとりで受注予定者が決定した工事であってもむしろこれを除外しないで記載するのが通常と考えられるところであり,したがって,Aリスト等で上記の本件5社の略称を付した工事 が,その後の表向きの営業用の各社のリストに記載されているからといって,上記推認を妨げるものということはできず,むしろ裏の取引を推認させるものである。 ウ小括したがって,本件5社が,Aリスト等を作成し,これに受注予定者 とみられる者を記載していたことは,本件5社において,地方公共団体が将来発注を予定するストーカ炉の建設工事に関し相当程度認識が一致しており,Aリスト等に記載された工事について,予め,本件5社のうち いずれが工事を受注するかについて合意が形成されていたこと,すなわち受注予定者の決定がされたことをうかがわせるものというべきであり,前記( )のA1当初供述等の内容を客観的に裏付けるものと評価することが できる。 ( ) 受注希望を表明し,又は受注予定者を決定した会合に関係するメモ等 本件5社の関係者の資料には,以下のとおり,本件5社が,受注希望表明の対象となる工事を確定し,ストーカ炉の受注予定者を決めるための会合を複数回開催して,発注予定のストーカ炉の建設工事を規模別に受注希望表明を行っていたこと,あるいは,このような受注希望表明に基づき,当該会合において具体的に受注予定者を決定したことを推認させる記載があり,前記( )のA1当初供述等の内容を裏付けるものと評価することができる。 ア平成8年12月9日開催の会合に係るメモ被 ,当該会合において具体的に受注予定者を決定したことを推認させる記載があり,前記( )のA1当初供述等の内容を裏付けるものと評価することができる。 ア平成8年12月9日開催の会合に係るメモ被告のA1が所持していたノート(甲サ67)には,400トン未満のごみ処理施設を列挙したとみられるリストのわきに「1順目は自由,2,順目は自由,3順目は200T/日未満,12/9「バッティングし」,たら12/18までに結着」と記載されているところ,上記手帳の「12/9」は,手帳の前からの記載によれば平成8年12月9日を指すと推認される(甲サ179。なお「結着」は「決着」の誤記と認められる。 ,。)また,B1の環境第二営業部のA(以下「A」という)が所持し 。 ていた平成8年の手帳(甲サ76)には,400トン未満のごみ処理施設を列挙したとみられるリスト(合計9件の工事が記載されている)の下。 ,「」,「」,「,,に①200t/日以上②200t/日未満12/92件①②双方から「さらに1件②から「合計3件「最初2件で選択され」,」」,ず残った場合は最後の1件(②区分)で選択可」と記載されている。 A1の上記ノートの記載とAの上記手帳の記載は,相互に良く符合 するものであって,このことに,前記( )ア(ア)認定のとおり,A1が, 本件5社が,ストーカ炉の建設工事を,1日の処理能力が400トン以上の大型工事,200トン以上の中型工事,200トン未満の小型工事の3つに分けて,受注希望物件を確認し,受注予定者を決めている旨A1当初,,,供述をしていることを併せ考慮すると上記各記載によれば本件5社は平成8年12月9日に,中型工事及び小型工事について会合を開催し,その中で,自社が受注を希望する を決めている旨A1当初,,,供述をしていることを併せ考慮すると上記各記載によれば本件5社は平成8年12月9日に,中型工事及び小型工事について会合を開催し,その中で,自社が受注を希望する物件を,最初,規模の区分にかかわらず1件ずつ2巡にわたって自由に選択し,さらに,3巡目については200トン未満の小型工事から1件を選択するという方法で受注調整を行ったことを推認することができる。 イ平成9年9月29日,同年10月16日及び同月29日各開催の会合に係るメモ,,,(ア) B1はストーカ炉の建設工事を全連400トン以上の大型工事全連200トン以上400トン未満の中型工事,全連200トン未満の小型工事に区分して作成したリストを所持していた(甲サ57ないし63,69,140)ところ,このうち,B1のAが所持していた平 成9年9月1日付けのストーカ炉に関するリスト(甲サ60)の上部余白には「全連小型(200T未満)9/292~3件,大型 ,/161件,中型10/292件? 「9/11大・中・小」,対象物件確定」との記載があるほか「一緒になった場合規模,管理,者,建設用地(企業城下町)これらの指標をみて話し合い「救済措」,置あり同規模追加できる「増えた会社次回調整」との記載がある。 」,また同月11日付けのリスト甲サ62 の各表紙には全,(,),「連200t未満3件9/29(月,〃200t以上~400t)未満2件10/29(水,〃400t以上1件10/16)(木」と記載されている。 )そして,上記記載内容にA1当初供述の内容を総合すると,上記記載の意味は,本件5社は,平成9年9月11日ころまでに,ストーカ炉の建設工事を大型工事,中型工事及び小型工事 (木」と記載されている。 )そして,上記記載内容にA1当初供述の内容を総合すると,上記記載の意味は,本件5社は,平成9年9月11日ころまでに,ストーカ炉の建設工事を大型工事,中型工事及び小型工事に区分して受注調整を伴う予定物件を業者間で確定した上,同月29日には小型工事3件に関する受注調整を,同年10月29日には中型工事2件に関する受注調整を,同月16日には大型工事1件に関する受注調整を行うための会合を開催したことが推認できる。 (イ) そして,このことに,①B5の平成9年9月ころの大型物件,中型物件及び小型物件のリスト(甲サ155)には,このうち小型物件リストの左端欄に手書きで,14工事について本件5社の略称が記載されているところ,当該リスト(甲サ155)に記載されたごみ処理施設は,B1の平成9年9月11日付けのリスト(甲サ62,63)との間で,「千葉八千代市」工事ほか4工事を除きほぼ一致すること(前記( )イ (ア)①,②上記14工事は,その後に作成されたB1の環境第一営業)部のスタッフが所持していた平成9年12月17日付けのストーカ炉のリスト(甲サ58)及びB3の環境事業本部東京営業部から平成10年1月27日にファクシミリ送信されたストーカ炉のリスト(甲サ55)には,いずれも記載がないか又は記載が抹消されていること(前記( ) ),(),(「」イ(イ)③B5の上記リスト甲サ155には本件5社の記載Tなど)のほか,物件の個数又は1巡目ないし3巡目であることを示唆する記載(1」ないし「3)が存することを併せ考慮すると,本件5「」社は,上記(ア)の平成9年9月29日の小型工事3件に関する受注調整を行うための会合において,受注希望表明を行い,それぞれ受注予定者を確定したことが推認できる。 ウ平成10 すると,本件5「」社は,上記(ア)の平成9年9月29日の小型工事3件に関する受注調整を行うための会合において,受注希望表明を行い,それぞれ受注予定者を確定したことが推認できる。 ウ平成10年1月30日開催の会合に係るメモ①B1の環境第一営業部第二営業室統括スタッフであるAが所持し ていた平成9年12月17日付けのリスト(甲サ58)のうち「全連20」,「」,0T以上400T未満のリストの欄には1/20対象物件見直し「1/30張付け」との記載があり,②B3の環境事業本部東京営業部から平成10年1月27日にファクシミリ送信されたストーカ炉の建設工(),「」,事のリスト甲サ55の送信文書には中型の対象物件送付します「1/30ハリツケする予定です」との記載がある。 上記①及び②の各記載は,中型(全連200トン以上400トン未満)のストーカ炉の建設工事について,平成10年1月30日に張り付け会議を行う点において共通するのであって(なお,上記①のリストと②のリストにそれぞれ記載された中型工事が,概ね一致すると認められることは,前記( )イ(ア)②のとおりである,このことに,A1当初供述の内容等 。)を総合すると,本件5社は,平成10年1月30日,ストーカ炉の建設工事のうち,中型工事について「張り付け会議」と呼ばれる受注調整のた,めの会議を開催したことが推認できる。 エ平成10年3月26日開催の会合に係るメモ等①B1の環境第一営業部長のA(以下「A」という)が所持して 。 いた平成10年の手帳(甲サ73)には,同年3月26日の欄に「○<,業中小型物件はりつけ>」との記載があり,②被告の環境装置第一部次長のA7が所持していた1998年版手帳(甲サ79)のうち,平成10年3月26日 帳(甲サ73)には,同年3月26日の欄に「○<,業中小型物件はりつけ>」との記載があり,②被告の環境装置第一部次長のA7が所持していた1998年版手帳(甲サ79)のうち,平成10年3月26日の欄には「最終決定」との記載がある。 ,また,これに関連して,被告中国支社のAが平成10年3月26日 秘にA1からの連絡内容を記載したメモ甲サ96A1K:3/26日○(。 「. 会合で中国五県の話は出なかったとの記載がある及びAの供述甲」。)( サ102)を併せ考慮すると,本件5社は,平成10年3月26日に,ストーカ炉の建設工事のうち,中型工事及び小型工事について「張り付け,会議」と呼ばれる受注調整のための会合を開催したことが推認できる。 ( ) 入札実施前に入札価格等の連絡を行ったことを推認させる資料 アB1・A9のメモ(甲サ124)B1の環境エンジニアリング本部環境第二営業部長であるA9以下A(「」。)「」 というが所持していた物件調査および希望物件のリストアップと題する文書等在中の袋内にあるメモには,以下の記載がある(甲サ124,140。 )「①②③④62.5億(61億)(60億)M 最低より7000万円引き同左辞退K 〃4000万円引き〃辞H 〃3000万円引き〃辞T 〃5000万円引き〃辞69.5」上記のアルファベットはそれぞれ本件5社を指すと推認されるところ(なお,最上段にはアルファベットの記載がないが,B1を意味すると解される,上記のメモが入札価格等に関し記載したものであることは,。)その記載内容に照らし明らかというべきである。 他方,証拠(甲サ29)及び弁論の全趣旨によれば,平成10年8月3() ると解される,上記のメモが入札価格等に関し記載したものであることは,。)その記載内容に照らし明らかというべきである。 他方,証拠(甲サ29)及び弁論の全趣旨によれば,平成10年8月3(),1日に指名競争入札が行われた賀茂広域行政組合工事別紙1・87は予定価格が63億5679万円であったこと,第1回の入札金額はB1が62億円,被告が65億円,B5が67億円,B3が69億円,B4が69億5000万円であり,B1が第1回の入札で上記金額で落札したことが認められる(このような金額及び経過で入札に至った物件は,他に存しない(甲サ29。この入札の経過と上記メモの記載とを比較検討する)。)と,B1の第1回入札額は若干異なるものの,その他の入札額や第1回でB1が落札したという経過については完全に一致しているから,上記メモは,賀茂広域行政組合工事の入札に関し記載されたものであることが推認できる。 そして,上記メモの記載によれば,B1が第3回目の入札に至っても落札できない場合には,第4回目の入札において,B1以外の入札者がいずれも辞退することによって受注できる旨の記載があるところ,事前の話合いがなければ,A9らB1の担当者において,真実このような経過で入札できることを予想したとは到底考え難いし,他社の第1回目の入札価格が完全に一致したという経過(しかも,B4の入札価格は,訂正された金額が一致している)も通常想定し難いものといわざるを得ない。そうする。 と,上記メモの記載の理解としては,本件5社の間において,賀茂広域行政組合工事についてB1が入札予定者となることはもとより,入札金額や入札の経過についても事前に共通の認識が形成されていたために,B1の担当者において上記のような記載が可能になったと推認することができる。 イB5・Aの 入札予定者となることはもとより,入札金額や入札の経過についても事前に共通の認識が形成されていたために,B1の担当者において上記のような記載が可能になったと推認することができる。 イB5・Aのメモ(甲サ125) B5の機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部東部営業部参事であるA(以下「A」という)は「95-5-2」の日付のあ 。 ,るメモ(甲サ125)を所持していた(甲サ125,140。このメモ)には,焼却炉工事の見積原価額が積算過程とともに示されており「出し,値」として,第1回目から第3回目までの入札価格が記載され「不調の,場合の予定価格と最低入札額の想定」をした上「入札結果に至る過程」,として2つの案が検討された上で最終案が示されており,以下のとおり,この最終案に沿った金額が,本件5社の第1回目から第3回目までの入札金額として記載されている。 6 150 000 000 K①②③,,,,,,,,, 6 190 000 000 H①②③,,,,,,,,, 6 195 000 000 T①②③,,,,,,,,, 6 200 000 000 M①②③,,,,,,,,, 6 215 000 000 N①②③,,,,,,,,,そして,B5は,平成7年5月9日に指名競争入札が行われた佐渡広域市町村圏組合工事(別表1・番号26 000 000 N①②③,,,,,,,,,そして,B5は,平成7年5月9日に指名競争入札が行われた佐渡広域市町村圏組合工事(別表1・番号26)において,第3回目の入札において,60億5000万円で入札しているところ,上記入札における第1回目ないし第3回目の入札金額は,上記メモに記載された上記金額と完全に一致するから(甲サ29,125,上記メモは,佐渡広域市町村圏組合)工事の入札に関し作成されたものと推認できる。 ,,,そうするとアで説示したのと同様にこのような結果の理解としては佐渡広域市町村圏組合工事についてB5が入札予定者となることはもとより,入札金額や入札の経過についても事前に共通の認識が形成されていたために,B5の担当者において,上記のような検討及びその結果の記載が可能になったと推認することができる。 ウB3・A2のファックス(甲サ129)B3のA2は,平成10年9月16日,B5のA5にあてて「西海岸,の件」と題する送信票とともに,サンプルとして自社の見積金額をファクシミリ送信している(甲サ129)ところ,この事実は,B3が「西海,岸」工事について,入札価格の算定の基礎となる見積金額を連絡することにより,B5に対しB3が受注できるよう協力を求めていたことを推認させるものである。 ( ) ストーカ炉の建設工事の受注等に基づく計算式又は数値 ア被告・A供述(甲サ108) 被告中国支社のAが引き継いだ「業界(機種別)の概況について」 との書き出しの文書(甲サ37)には,ごみ焼却炉について,全連のストーカ炉の大手5社には受注調整のための協定があり,それにより,受注機会を均等化山積しており極力5社のメンバーセットが必要である他(), (甲サ37)には,ごみ焼却炉について,全連のストーカ炉の大手5社には受注調整のための協定があり,それにより,受注機会を均等化山積しており極力5社のメンバーセットが必要である他(),(社介入のときには条件交渉を伴う)こと「他社案件でも指名入りで分母,積み上げを図る要あり」等の記載がされている。そして,Aは,自分 が営業担当となってからも,本社レベルで受注調整行為が行われていると認識している旨供述していることは前記( )エに認定のとおりである。 ,「」Aは上記の他社案件でも指名入りで分母積み上げを図る要あり との記載の意味について,本件5社の間では,指名を得た件数又は処理トン数を分母とした一定の計算式があり,分子となるべき数値は受注した件数又は処理トン数であって,このような計算式により割り出した一定の数値が均等になるように本件5社の間で調整しているのではないかと考えている旨述べている(甲サ108。 )イAが所持していたノート(甲サ106・2枚目。以下「Aノート ①」という)の記載。 Aノート①には左側に本件5社を示すアルファベットの略称例 ,,(えば「M」は被告を指すと推認される)の右隣に,それぞれの会社に,。 対応した分数値(例えば,被告については「14800/74456),」の記載がある。 Aノート①の右側には,左側に記載された分数値よりも分母及び分 子ともに増加した分数値が記載されており(被告の欄に記載された分数値は「15174/76743」であって,分母が2287,分子が374それぞれ増加している,その列の右側に各社の分数値を小数値にした。)ものが示されており,その小数値が小さいものから順位を示す番号が付されている。 そして,Aノー ,分母が2287,分子が374それぞれ増加している,その列の右側に各社の分数値を小数値にした。)ものが示されており,その小数値が小さいものから順位を示す番号が付されている。 そして,Aノート①の上部及び下部には,日付と地方公共団体によ る発注物件名とみられる記載(12/24新城「1/26中央「5/「」」」「」「」「」「」1千葉5/11富山5/24賀茂6/2米子6/5春日井「7/2名古屋「高知)及び数値の記載があり(なお「高知」には日」」,付と数値の記載はない,その数値は,一部の物件については,基本と。)なる数値に0.7が乗じられ(このような処理は,JV工事や土建分離工事について行われたと推測される。甲サ95,また,減算値だけが記載)されたもの(なお,減算されているものは,以前に加算処理がされていたものを,その後の事情変更等により調整したものと推認できる)もある。 が,冒頭の「12/24」の「新城」から最後の「7/2」の「名古屋」までの数値を合計すると2287となり,表中の加算すべき分母の数値と一致し,また,各社の分子の増加数値を合計したものと一致する(なお,「新城」の前に「秋」として「410」の数値が記載されているが,これには日付の記載がなく,また,その後に記載された「新城」との間は縦線で区切られていることからすると,加算前のものを記載したものとみられる。 。)この物件名等を,実際の発注状況(甲サ29,194)と対比すると,「新城「中央「米子」の各工事については,同メモに記載された日」,」,付が入札日と同一であるが,その他の「千葉「富山「賀茂「春日」,」,」,井「名古屋」及び「高知」の各工事について,Aノート①に記載さ」, れた日付は入札日よりも前の日 ,」,付が入札日と同一であるが,その他の「千葉「富山「賀茂「春日」,」,」,井「名古屋」及び「高知」の各工事について,Aノート①に記載さ」, れた日付は入札日よりも前の日付が記載されていること,Aノート① ,「」「」の各工事名に記載された数値はマイナスを付された新城及び米子を除き実際の工事の発注トン数と一致することからすると,Aノート ①は,平成10年6月2日から,公正取引委員会に留置された同年9月17日までの間に作成されたものであり,その作成時期において,平成9年12月24日に発注されていた「新城広域事務組合」工事(別紙1・番号79)以降,既に発注されていた工事及び発注が予定されていた工事について,本件5社の数値の分母にその工事の合計トン数を加算し,本件5社の数値の分子に各工事のトン数を予め加算したものであると認められる(例えば,被告についてみると,新城広域事務組合工事を平成9年12月24日に「名古屋(名古屋市(五条川工場)工事。別紙1・番号85),」を平成10年7月30日にそれぞれ落札して受注しているところ,これら2つの工事についてAノート①に記載されたトン数に従い計算すると (なお「新城」については,△の表記があるので減算する)374で,。 あって,被告の分子の増加分に合致する。 。)また,Aノート①が,上記分数値を小数値で示して,小数値の小さ いものから順に番号を付していることからすれば,その当時における本件5社の受注及び受注予定の全体的な状況を把握するために作成されたものと推認することができる。 さらに,Aが所持していたノートの別のページに記載された手書き のメモ(甲サ95)には,略称による5社の数値として,Aメモ①の 左端の各社の数 に作成されたものと推認することができる。 さらに,Aが所持していたノートの別のページに記載された手書き のメモ(甲サ95)には,略称による5社の数値として,Aメモ①の 左端の各社の数値と同一の分数値(ただし,B4の分子は,Aメモ① 「」,「」。)には14262とあるが甲サ95号証には14252とあるが記載され,この分数値を小数値に改めて記載した上で,その小数値の少ないものから順番に番号を付してあることからすると,Aは,このよ うな各社の受注及び受注予定の全体的な状況の把握をある程度継続的に行っていたことが推認できる。 ウAが所持していたノート(甲サ106・3枚目。以下「Aノート ②」という)の記載。 また,Aノート②には,上記イに類似する計算結果が示されている が,このページには,本件5社のほか,本件アウトサイダー2社を示すアルファベットの略称が加えられ,本件7社について分数値及び順位を示す番号が記載されている。 Aノート②には「西村山(西村山広域行政事務組合工場工事(別 ,」紙1・番号81。平成10年5月25日,B3が落札「米子(米子)),」市工場工事別紙1・番号83平成10年6月2日B1が落札津()。 ,),「島(本件工事)の3工事のトン数が記載されている(なお,これら3工」事の処理能力の合計は700トンであり,各社の分数値の分母に加えられた数値と合致する。上記の各工事の落札者について,当該工事の分子。)の数値をトン数分加えている点も,同様である(甲サ29)。 そして,これら3工事は,いずれも本件7社が指名されている(なお,米子市工場工事は,本件7社に加え,B及びB9の合計9社)ことか らすると,Aノート②は,A も,同様である(甲サ29)。 そして,これら3工事は,いずれも本件7社が指名されている(なお,米子市工場工事は,本件7社に加え,B及びB9の合計9社)ことか らすると,Aノート②は,Aが,これらの工事について,本件7社 が指名された工事につき,その処理能力トン数を分母に加え,落札者の分子にのみ処理能力トン数を加算することにより,本件7社の入札の状況を数値化して把握していたものと推認することができる。 エB5・Aの書類(甲サ107) B5のAの所持していた「H07.11.30現在(H8/2調整 済」と題する2枚の表(甲サ107)には,本件7社ごとに小数値が記)載されている。この表には,前回と現状との数値の変更内容は,平成7年11月30日に行われた東金市外三町清掃組合工事(別紙1・番号44)の入札に参加した会社の「A」欄に,同工事の処理能力トン数に他の物件による修正等をした数値を加算するなどし「B」欄には,これを落札し,たB4につき,受注した処理能力トン数である210を加算するなどし,その結果,算出された平成7年11月30日時点の各社の「Q」の数値の少ないものから順番に「①」から「⑦」の番号を付して比較したことを示すものと推認される。 そして,同表には,東金市外三町清掃組合工事を含め,合計19件の工事が記載されているが,これらは,いずれも,本件5社のうちいずれかの者並びに本件アウトサイダー2社の双方又はいずれかの者が指名され,受注した工事である(甲サ29)ところ,東金市外三町清掃組合工事と同様に,入札参加者の「A」欄の数値に各工事の処理能力トン数を基にした数値を加え,落札者の「B」欄の数値に当該工事の処理能力トン数を基にした数値を加えて,本件7社の受注状況を把握しようとしたものであると推認するこ 者の「A」欄の数値に各工事の処理能力トン数を基にした数値を加え,落札者の「B」欄の数値に当該工事の処理能力トン数を基にした数値を加えて,本件7社の受注状況を把握しようとしたものであると推認することができる。 オ小括以上のとおり,被告及びB5は,いずれも,本件5社ないしは本件7社の受注状況及び受注予定を継続的に数値によって把握していたと認められる。そして,このことに,本件5社においては,各社の受注の均衡を考慮 して受注調整を行っていた旨のA1当初供述等の内容前記( )やA(),の上記供述(前記ア)の内容を併せ考慮すると,本件5社は,受注調整に当たり,上記数値によって表される各社の受注状況及び受注予定を考慮していたことがうかがわれる。 そして,本件5社の営業担当者の中に本件5社の受注及び受注予定の全体的な状況を数値化して積み上げる作業をするほか,本件7社の受注状況を数値化して積み上げている者が存在することは,前記( )ア(ア)の⑧会 合で決めた受注予定者は,物件が発注された段階で会合のメンバーである本件5社以外の者(アウトサイダー)が一緒に指名された場合には,相指名業者と個別に会って,自社が受注できるように協力を求め,相指名業者に物件を受注させる必要が生じたときは,受注予定者が会合で了承を受けた後,相指名業者に受注させていた,⑨受注予定者は,指名を受けた物件について積算し,会合のメンバー(本件5社)の各相指名業者に入札の際に書き入れる相手方の金額を電話等で連絡して協力を求め,会合のメンバー以外(アウトサイダー)の相指名業者についても,だいたい顔を知っているので,各社の営業責任者クラスの者に連絡し,受注予定者が受注できるよう協力してもらっている旨のA1当初供述を裏付けるものと評価することができる。 ( ) アウ 業者についても,だいたい顔を知っているので,各社の営業責任者クラスの者に連絡し,受注予定者が受注できるよう協力してもらっている旨のA1当初供述を裏付けるものと評価することができる。 ( ) アウトサイダーに協力を依頼していたことをうかがわせる具体的な資料 アBのエンジニアリング事業本部のAが所持していた平成9年7 月1日付けの社内検討メモ(甲サ109,140)には「河内長野の,件」の検討内容が記載されているが,この工事は,平成9年8月8日入札の「南河内清掃施設組合(第2清掃工場」工事(別紙1・番号75))で,B3が指名競争入札から随意契約に変更された上で受注したものである(甲サ29)と推認される。 そして,同メモの記載内容によれば,この工事について,Bが,平 成9年7月7日の発注者への見積書の提出に関して他社と協調するかフリーで入札するかを検討して,今回,最終的に他社の意向に従ったとしても,次回は,B3に対して他物件の要請をしやすくなるとの検討がされたことが推認される。このことから,Bは「南河内清掃施設組合 ,(第2清掃工場」工事について,受注予定者であるB3から受注の協)力要請を受けていたものと推認することができる。 イ平成10年1月26日入札の「東京都(中央地区清掃工場」工事(別)),,,紙1・番号80は本件7社B9及びBが指名競争入札に参加し B3(JV)が落札したものである(甲サ29。同工事については,)Aリスト(甲サ89)に記載のとおり,平成7年9月28日以前にお いてB4が受注予定者とされていたものと推認されるところ,平成10年1月中旬の時期においても,アウトサイダーであるBが,その建設 予定地が同社の豊洲工場の目と鼻の先にあることなどを理由に受 いてB4が受注予定者とされていたものと推認されるところ,平成10年1月中旬の時期においても,アウトサイダーであるBが,その建設 予定地が同社の豊洲工場の目と鼻の先にあることなどを理由に受注を希望し,B4とBの双方の営業担当部長の間で,電話による話合いなど が行われたが,話合いがつかないことから,B3とBとの間で話合い が行われ,同月21日にB,被告,B5,B4,B7,B6及びB9 の間で,同月23日午前に,B,B1,B3及びB4との間でそれぞ れ話合いが行われ,その結果,Bが「東京都(中央地区清掃工場」 ,)工事についてB3が受注予定者とされていた「東京都(足立工場」工)事とのバーターに乗ることで「東京都(中央地区清掃工場」工事につ)いての受注の希望を取り下げるなどすることとされ,同日午後に行われた上記9社の会議で,Bが「東京都(足立工場」工事の受注予定者 )となり「東京都(中央地区清掃工場」工事についてはB3が受注予定,)者となり,他社はこれに協力することが確認されたものと認められる。 (甲サ29,111,112,114ないし118)ウ以上によれば,本件5社はストーカ炉の建設工事における従来からの優位な立場に基づき,実際にアウトサイダーに対しても協力を依頼していたことが明らかである。 ( ) 落札率等 ア本件対象期間平成6年4月から平成10年9月17日までの間(本件対象期間)に,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事は87件(本件5社のいずれかが落札した工事が66件,アウトサイダーが落札した工事は21件)あり,そのうち予定価格が判明している84件(本件5社のいずれかが落札した工事のうち3件については,予定価格が不明である)について落 かが落札した工事が66件,アウトサイダーが落札した工事は21件)あり,そのうち予定価格が判明している84件(本件5社のいずれかが落札した工事のうち3件については,予定価格が不明である)について落札率(予定価格に対する落札価格の比率)を。 みると,アウトサイダーが受注した工事の平均落札率は89.76パーセントであるのに対し,本件5社のうちのいずれかが受注した物件(予定価。),. 。 格が不明なものを除くの平均落札率は 6パーセントであった(甲サ29,146)イ本件対象期間以降本件対象期間以降に地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事48件の平均落札率は91.9パーセント,そのうち本件5社が受注した工事31件の平均落札率は90.1パーセント,アウトサイダーが受注した17件の平均落札率は95.2パーセントで後者が上回っている。 ウ本件入札本件入札においては,3回実施された入札のいずれにおいても被告が最低入札金額で入札したうえ,落札率が99.56パーセントであり,被告以外の入札参加者の入札価格は,いずれも本件工事の予定価格(239億0476万1904円(税込価格金251億円)を上回っていた。 )また,本件入札の経過は別紙2のとおりであるが,被告以外の本件7社の2回目及び3回目の入札価格については,被告が入札した直前回の最低入札価格と比較すると以下のとおりである(なお,いずれも消費税抜きの価格である。 )1回目2回目3回目被告①億万円②億円③億円 8000 B3①より万円引き②より万円引き20001000B5①より万円引き②より万円引き50005000B7①より万円引き②より万円引き80008000B1①より1 B3①より万円引き②より万円引き20001000B5①より万円引き②より万円引き50005000B7①より万円引き②より万円引き80008000B1①より1億円引き②より億円引き B4①より万円引き②より万円引き60004000B6①より万円引き②より万円引き30003000( ) 本件談合の存在 ア前記( )アの被告のA1当初供述及び同イないしオのB1のA8,被告 のA,A,B4のAの各供述に加え,それぞれ異なった証拠等か ら認定することのできる前記( )ないし( )の各事実の存在は,本件基本合 意の存在なしには到底起こり得ないことであり,以上によれば,本件5社は,ストーカ炉の建設工事における従来からの優位な立場を背景として,少なくとも平成6年4月以降平成10年9月17日までの間(本件対象期間,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の)建設工事について,受注機会の均等化を図るため,本件基本合意をし,本件基本合意のもと,本件実施方法によって,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしてきたものと認められる。 そして,⑩A1が会合に出席するようになってからは,被告が受注予定者となった物件のほとんど全ては予定どおり被告が受注している旨のA1当初供述(前記( )ア(ア))及び本件対象期間におけるストーカ炉の建設 工事の市場の状況(前記( )ア)を考慮すれば,本件基本合意は,本件5 社において相当程度拘束力を有するものであったと認められる。 そこで,本件工事について,本件基本合意に基づく本件談合が行われたと認められるか否かを検討する。 イ本件5社による受注予定者の決定等(ア) 本件5社が,本件対象期間に るものであったと認められる。 そこで,本件工事について,本件基本合意に基づく本件談合が行われたと認められるか否かを検討する。 イ本件5社による受注予定者の決定等(ア) 本件5社が,本件対象期間に本件基本合意を行っていたと認められることは前記アのとおりであって,本件入札も本件対象期間内である平成10年6月10日に実施されたものであるところ,本件5社が本件工事に関して被告を受注予定者と決定していたことは以下の証拠などから明らかである。 (。 「」aB1のAが所持していたノート甲サ85以下Aノート という)に,本件5社が本件工事について被告を受注予定者と決め。 ていたことをうかがわせる記載がある。 すなわち,Aが平成10年1月に前任のA(以下「A」と いう)からの引継内容を記載したAノートには「津島」につい。 , て「元々Mのはりつけ物件」と記載され「M」とは被告のことだ,,とされている(甲サ145。 )なおAははりつけの意味は分からない旨供述している甲,,「」( サ145)が,Aは,1998年版手帳の平成10年3月26日 欄(甲サ73)に「○<中小型物件はりつけ>」と記載しており,ほ業かにB3が作成したものに「ハリツケする予定です(甲サ55,」)B1が作成したものに「張付け(甲サ58,被告が作成したもの」)に「張付け数(甲サ68)との記載があることからすれば,本件5」社の間において「はりつけ」とは,受注予定者を決定することを意味することは明らかであり,Aの上記供述部分は採用できない。 そうすると,Aノートの当該記載は,B1のAの前任者であ るAが,本件工事について,被告が既に受注予定者と決定されて いること かであり,Aの上記供述部分は採用できない。 そうすると,Aノートの当該記載は,B1のAの前任者であ るAが,本件工事について,被告が既に受注予定者と決定されて いることをAに伝え,Aがこれをメモしたものと推認すること ができる。 bB1のAが所持していた1998年版手帳のうち「H10年度 案件」との表題の付された物件リスト(甲サ90。以下「Aリス ト」という)には,平成10年度の発注に係るストーカ炉等の焼却。 炉,リサイクル施設等が記載されており,Aリスト上,ストーカ ,「()」炉については平成10年1月26日に入札がされた中央東京(東京都「中央清掃工場」工事(別紙1・番号80)にのみ「○」)済が付されていることやその他の記載内容からすると,本件入札前に作成されたものと推認することができる。 そして,Aリストには「津島(愛知」に「M」という被告の略 )称に丸印を付して記載されているところ,Aノートの記載内容な どをふまえると,Aリストの記載は,Aが,被告が本件工事の 受注予定者であることを認識していたことを示すものである。 (イ) そして,以上に説示したところによると,本件5社は,本件基本合意に基づいて,本件工事について受注予定者である被告に受注できるよう協力していたものと推認することができ,これを覆すに足りる証拠はない。 ウ本件アウトサイダー2社に対する協力要請等(ア) 本件工事については,本件5社のほか,本件アウトサイダー2社が指名業者として本件入札に参加しているが,前記認定のとおり,本件基本合意は,アウトサイダーが入札に参加した場合,受注予定者は,自社が受注できるようアウトサイダーにも協力を求め,その協力を得るようにす 名業者として本件入札に参加しているが,前記認定のとおり,本件基本合意は,アウトサイダーが入札に参加した場合,受注予定者は,自社が受注できるようアウトサイダーにも協力を求め,その協力を得るようにするという内容を含むものであった。 (イ) そして,本件5社が,本件基本合意に基づき,本件アウトサイダー2社から協力を得ていたことは,以下の証拠等から明らかである。 a被告のA1は,⑧会合で決めた受注予定者は,物件が発注された段階で会合のメンバーである本件5社以外の者(アウトサイダー)が一緒に指名された場合には,相指名業者と個別に会って,自社が受注できるように協力を求め,相指名業者に物件を受注させる必要が生じたときは,受注予定者が会合で了承を受けた後,相指名業者に受注させていた,⑩A1が会合に出席するようになってからは,被告が受注予定者となった物件のほとんど全ては予定どおり被告が受注している旨供述している(甲サ28,46(前記( )ア(ア) 。 )) bB1のA8は,本件5社のほかに,本件アウトサイダー2社,B9又はBが参加して指名競争入札が行われ,B1が受注予定者とな ,()っている場合にはその4社とも話合いを行う旨供述する甲サ44とともに,A8メモ(甲サ35)には,本件5社が中核メンバー,本件アウトサイダー2社が準メンバーである旨の記載がある(前記( ) イ(ア) 。 )A8メモには,本件5社が受注予定者を決定した物件に,アウトサイダーが入ったときは,たたき合いとなるが,補填等はされない旨が記載されているが,これは,上記のA8メモ等の記載を考慮すると,アウトサイダーとの間で調整のための努力をすることを当然の前提とするものと解される(前記( )イ(ウ) 。 )c被告のAやB5のAが,本件7社の入札状況を のA8メモ等の記載を考慮すると,アウトサイダーとの間で調整のための努力をすることを当然の前提とするものと解される(前記( )イ(ウ) 。 )c被告のAやB5のAが,本件7社の入札状況を数値化して, その受注及び受注予定の全体的な状況を把握しており,本件5社が,受注調整に当たり,上記数値によって表される各社の受注状況及び受注予定を考慮していたことがうかがわれる(甲サ106・3枚目(Aノート②,107(前記( )オ。 )))d本件7社,B及びB9の合計9社が指名業者として入札に参加 した南河内清掃施設組合(第2清掃工場)工事において,Bが本 件7社,B9と受注調整を行っていたことをうかがわせる文書が存在し(甲サ109(前記( )ア,本件7社,B9及びBの合計9社)) (),が指名業者として参加した東京都中央地区清掃工場工事においてBが本件7社及びB9と受注調整を行っていたことをうかがわせ る文書等が存在する(甲サ111,112,114ないし118。甲サ117号証には「機械炉業界のルールの調査。新ざん者のひあい,があるか」などと記載されている(前記( )イ。 。)) (ウ) また,本件対象期間に発注された工事87件のうち66件を本件5社のいずれかのものが受注しており(66件のうちアウトサイダーが入札に加わった工事は57件であった(甲サ29,アウトサイダーが)。)落札した工事の平均落札率に比べて,本件5社のいずれかが落札した工事の平均落札率の方が高いことからすると,本件5社は,以上に説示した従来からのストーカ炉の建設工事における優位性から,アウトサイダーへの協力依頼により相当程度アウトサイダーをコントロールし,その協力を得ることが可能であったとい らすると,本件5社は,以上に説示した従来からのストーカ炉の建設工事における優位性から,アウトサイダーへの協力依頼により相当程度アウトサイダーをコントロールし,その協力を得ることが可能であったということができる。 (エ) 以上のとおり,本件5社は,本件基本合意に基づき,本件5社の間で,受注予定者を決定した工事について,アウトサイダーが入札に参加した場合,受注予定者は,自社が受注できるよう協力を求め,その協力を得るようにしていたのであり,本件5社は,アウトサイダーへの協力依頼により相当程度アウトサイダーをコントロールして,その協力を得ることが可能であった。したがって,本件5社において被告を受注予定者として決定していた本件工事についても,本件アウトサイダー2社の協力が得られずにたたき合いになったことをうかがわせる特段の事情がない限り,受注予定者とされた被告が,本件アウトサイダー2社に対して協力を求め,その協力を得たと推認することができる。 これに加え,前記( )ウ記載のとおり,本件入札において,3回実施 された入札のいずれにおいても被告が最低入札金額で入札したうえ,本件アウトサイダー2社を含め被告以外の本件7社の入札価格はいずれも予定価格を上回っていたものであり,唯一予定価格の範囲内であった被. ,告の落札率は9956パーセントという著しく高い割合であったこと被告以外の本件7社の2回目及び3回目の入札価格について,被告が入札した直前回の最低入札価格と比較すると何らかの共通理解が介在したことを疑わせる落札経過となっているなどの事情は,本件アウトサイダー2社の協力を得たことを推認させるものであり,本件入札において本件アウトサイダー2社の協力が得られずにたたき合いになったことをうかがわせる事情はないから,被告は,本件アウトサイダー2社に対 サイダー2社の協力を得たことを推認させるものであり,本件入札において本件アウトサイダー2社の協力が得られずにたたき合いになったことをうかがわせる事情はないから,被告は,本件アウトサイダー2社に対して協力を求め,その協力を得たと認めるのが相当である。 エ被告の主張について(ア) 被告は,原告の主張は,本件談合の具体的内容(日時・主体・場所・内容)を特定しておらず,不法行為に基づく損害賠償請求の要件事実の主張として不十分である旨主張する。 しかし,まず,本件訴えの対象とされた原告の被告に対する不法行為による損害賠償請求権は,談合の対象となった工事及び当該工事の受注予定者が入札参加者間の合意により事前に決定されたこと等が主張されており,他の談合行為に関する事実と識別することが可能であるから,請求の特定に欠けるところはなく,これらの事実を主張すれば,競争原理が働かない状況下で本件工事を不正に落札したものであるということができ,請求を基礎付ける事実の主張としても十分である。 そして,被告の主張のように,請求原因事実として,原告が,個別の工事に関する談合の日時・場所等を明確に主張することが可能な事案であれば,原告はより具体的な主張をすることができ,被告も原告の主張に対応して,防御の対象や方法がより明確になり,裁判所にとっても審理の対象がより明確になり望ましいものであるが,談合行為は入札参加者間で秘密裡に行われる性質のものであることなどに照らせば,原告が個別談合の日時・場所あるいは連絡方法を具体的に特定して主張することは極めて困難であるし,仮に上記特定がなかったとしても,被告は,個別の工事に関する諸々の状況を把握し,資料も保有しているのであって,被告において,個別の工事に関する談合がなかったことを示す間接事実などを具体的に主張立証すること 特定がなかったとしても,被告は,個別の工事に関する諸々の状況を把握し,資料も保有しているのであって,被告において,個別の工事に関する談合がなかったことを示す間接事実などを具体的に主張立証することによって防御することが可能であるから,被告に不相当な不利益を強いるものではなく,被告の上記主張は理由がない。 (イ) また,被告は,本件基本合意を前提とした場合には,本件5社の間で話合いがつかない場合に次に誰が受注予定者になるかが自動的に決まってくるメカニズム(受注機会の均等化を図るとしても,何を基準に均等にするかの受注予定者決定基準)が欠けているから,このような合意では,話合いがつかない場合に本件5社を拘束するものがないため,本件5社の間で常に個別工事に関する談合が成立するものではないので,仮に本件基本合意が存在したとしても,本件談合の存在を推認することはできないと主張する。 しかし,前記のとおり,本件基本合意は本件5社において相当程度拘束力を有していたと認められ,本件工事について,本件5社の間で話合いがつかなかったと認めるに足りる証拠はないし,本件工事について,本件5社が受注予定者を決定していたことは,Aノート等の ,。 記載からして明らかに認められるから被告の上記主張は理由がない(ウ) 被告は,本件入札の落札率が高いことなどは,談合の存在とは無関係であり,落札率から本件談合の存在を推認することはできないと主張する。 確かに,落札率が高いからといってそのことのみで当該入札案件において談合の存在を推認することはできないが,逆に,当該案件について談合が行われていれば,落札率が高くなるということができるので,落札率が高いことは談合の存在を推認する一つの事情ということができるし,前記説示から明らかなように,本件基本合意が存在すると について談合が行われていれば,落札率が高くなるということができるので,落札率が高いことは談合の存在を推認する一つの事情ということができるし,前記説示から明らかなように,本件基本合意が存在するという前提の下で,本件入札の落札率のほかに,諸々の事情から本件談合の存在が推認できるのであって,被告の上記主張は理由がない。 (エ) 被告は,本件入札には,本件アウトサイダー2社が参加しており,本件アウトサイダー2社の協力なくして受注はできないから,被告から本件アウトサイダー2社に対して本件工事を落札受注できるように協力要請し,本件アウトサイダー2社がこれに応じたことが必要であるが,本件では,本件アウトサイダー2社への協力要請等を裏付ける証拠はなく,かえって,これを否定する証拠として,本件アウトサイダー2社が弁護士法23条の2第1項に基づく照会に対して本件5社からの協力要請等を否定した回答書(乙7の1・2,乙8の1・2)があると主張する。 しかし,前記説示から明らかなように,本件入札においては,被告は,本件アウトサイダー2社に対して協力を求め,その協力を得たと認めるのが相当であり,また,談合に加わっていたとしても,これを会社として任意に認めるものということは,直ちにいえるものではなく(被告自身,以上のとおり談合の存在が明らかに認められる状況の下でも,本件のように談合の存在を争っているのである,上記回答。)書はいずれも措信し難く,前記認定を左右するに足りないというべきである。 (オ) 被告は,上記の他,本件基本合意あるいは本件談合が認められないとして諸々の主張をしているが,以上に説示したメモ等の客観的証拠は本件基本合意及び本件談合の存在を強く基礎付けるものであり,これらを核とした以上の認定を覆すに足りる証拠はない。 () 結論 て諸々の主張をしているが,以上に説示したメモ等の客観的証拠は本件基本合意及び本件談合の存在を強く基礎付けるものであり,これらを核とした以上の認定を覆すに足りる証拠はない。 () 結論 以上のとおり本件工事については本件基本合意に基づき遅くともA,,,ノートの作成された平成10年1月ころまでには,被告を含む本件5社の間で,被告を受注予定者とする決定をし,本件実施方法により,被告以外の本件5社において受注予定者である被告が受注できるよう協力し,被告において本件アウトサイダー2社に協力を求め,その協力を得ることにより,競争原理が働かない状況下で本件工事を不正に落札したものであり,このような被告の行為は,原告に対する不法行為を構成するものである。 争点( )(原告の損害及び損害額)について ( ) 損害の発生 ア以上の認定事実によれば,本件入札において,被告は,本件談合によって,本来他の指名業者との健全な競争関係を前提として決定すべき入札価格を,競争関係を意識することを全く必要とせずに,自社の利益を最大限にしながら他社との関係で最低金額となるように設定し,被告において,最低価額で入札し,原告との間で本件請負契約を締結したことが認められる。現に,本件工事における被告の落札率は,99.56パーセントという著しく高い割合になっている。 したがって,被告は,本件談合によって談合行為がなく他の指名業者との健全な競争関係を前提とした場合と比べてつり上げられた本件落札価格を前提として,原告と本件請負契約を締結したものと認められ,原告は,被告の前記不法行為により,公正な競争を前提とする想定落札価格と原告が本件請負契約に基づき支払った価格(本件落札価格)との差額相当分の損害を被ったというべきである。 イ被告は,本件工事に関して ,被告の前記不法行為により,公正な競争を前提とする想定落札価格と原告が本件請負契約に基づき支払った価格(本件落札価格)との差額相当分の損害を被ったというべきである。 イ被告は,本件工事に関して被告が落札することができたのは,本件工事に関して多くのコストアップ要因があったにもかかわらず,被告がコスト,,ダウンを実現できた結果であってその落札価格は適正なものであるから仮に本件談合が行われたとしても,原告に損害はないと主張する。 しかし,被告が主張する事実を裏付けるに足りる的確な証拠はなく,被告のコストダウンが可能な優れた技術力,資材の発注や下請けの手配について蓄積したノウハウ等によっても本件落札価格が限界であったと認められる証拠はなく,被告以外の入札参加者すべてがこれらの点で被告より劣っていたと認められる証拠もないし,その他本件入札において公正な競争が行われた場合に,被告を含む入札参加者が,本件落札価格を下回る価格で入札をする可能性がなかったことをうかがわせる事情も認められないのであるから,被告の上記主張は理由がない。 ( ) 損害額 ア本件入札において,談合が行われなかった場合に形成されたであろう公正な競争を前提とする価格(想定落札価格)は,本件入札と同一の条件の下で公正な競争を前提として入札をしないことには明らかにならないものであるところ,健全な競争入札が行われた場合における落札価格は,入札に係る具体的な工事の種類・規模・場所・内容,入札当時の経済情勢及び各社の財務状況,当該工事以外の工事の数・請負金額,当該工事に係る入札の参加者数,地域性等の多種多様な要因が複雑に絡み合って形成されるものであるから,実在しない想定落札価格を立証することは性質上極めて困難であり,談合が立証された場合の損害賠償額の予定を予め請負契約で合意 者数,地域性等の多種多様な要因が複雑に絡み合って形成されるものであるから,実在しない想定落札価格を立証することは性質上極めて困難であり,談合が立証された場合の損害賠償額の予定を予め請負契約で合意しておくことが望まれるが,本件ではこのような合意はない。 イ原告は,本件対象期間内におけるアウトサイダーが受注した他の類似工,,事の平均落札率を基に想定落札価格を認定すべきであり本件においては予定価格(251億円)に対する本件工事の落札率(99.56パーセント)とアウトサイダーが受注した工事の平均落札率(89.76パーセント)との差である9.8パーセントの割合の金額である24億5980万円が原告の被った損害であると主張する。 しかし,前記のように健全な競争入札が行われた場合における落札価格は,多種多様な要因が複雑に絡み合って形成されるものであるから,アウトサイダーが受注した他の類似工事の平均落札率を基準として,直ちに別の工事におけるあるべき落札価格を推認することはできず,本件工事に関する個別的な事情を考慮に入れることなく想定落札価格を認定することはできない。 ,,(,現に別紙1のうちアウトサイダーが受注した工事別紙1の番号78,12,16,23,25,30,37,42,46,48,52,63ないし65,68ないし72,78)の落札率をみると,大村市(別紙1・番号12)の52.32パーセントから比謝川行政事務組合(別紙1・番号23)の100パーセントまで相当幅のある数値となっているのであるから,これらの工事に関する個別的事情を何ら考慮することなく,単純にこれらの平均値を基に本件工事の想定落札価格を推認することはできず,原告の上記主張は理由がない。 ウ本件においては,原告に損害が生じたことは認められるものの,仮定的事実である することなく,単純にこれらの平均値を基に本件工事の想定落札価格を推認することはできず,原告の上記主張は理由がない。 ウ本件においては,原告に損害が生じたことは認められるものの,仮定的事実である想定落札価格の証明は,上記のとおり極めて困難であるから,損害の性質上その額を立証することが極めて困難である場合に該当するものと認められ,民訴法248条を適用して,弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき,相当な損害額を認定すべきである。 上記のとおり,健全な競争入札が行われた場合における落札価格は,多種多様な要因が複雑に絡み合って形成される上,実際に工事に要した費用など損害額の立証に役立つ証拠も被告ないし談合を行った側に偏在しているから,談合が価格形成に及ぼした影響を明らかにすることは容易なものではない。したがって,このような損害の額について高度の蓋然性を要求することは民訴法248条の趣旨を没却することになりかねない上,そもそも不法行為に基づく損害賠償請求権が,社会に生起した損害の公平な分担という見地から認められていること民訴法248条は自由心証主義民,(訴法247条)のもとにおける証明度の低減を図ったものであると解されること等に鑑みると,民訴法248条による損害額の認定に当たっては確実に発生したであろうと考えられる範囲に抑えた額に限定するのは相当でなく,訴訟上提出された資料等から合理的に考えられる中で,実際に生じた損害額に最も近いと推測できる額を認定すべきである。 平成17年法律第35号による改正後の独禁法による課徴金の引き上げに関し,公正取引委員会が,過去の違反事例について実証的に不当利得を推計した結果によると,過去の入札談合事件における,公正取引委員会の審査開始後の落札価格の下落率を算出(公正取引委員会が立入検査を行った月に実施され 員会が,過去の違反事例について実証的に不当利得を推計した結果によると,過去の入札談合事件における,公正取引委員会の審査開始後の落札価格の下落率を算出(公正取引委員会が立入検査を行った月に実施された入札を除いて落札価格の下落率を算出)した入札談合事件による不当利得の推計値が19パーセントであること,過去のカルテル事件を含めた場合の不当利得の推計値が売上額の16.5パーセントであり,過去の入札談合・カルテル事件の約9割の事件において不当利得の推計値が売上額の8パーセント以上であること,この推計の基となったデータは公正取引委員会の違反事件審査において発注官庁等から提供された資料等を基に作成されたものであること,それには多種多様な事件が含まれていること(甲35)が認められ,前記のように不確定要素の多い中,損害額を算定するに当たっては,公正取引委員会のかかる推計結果は重要な判断資料として斟酌すべきである。 これに加えて,本件においては,上記のとおり,被告は,本件談合により,競争関係を意識することを全く必要とせずに,自社の利益を最大限にしながら他社との関係で最低金額となるように設定し,また,高い情報収,,,集能力等を駆使して落札率を高め被告の利益を極大化させていたこと実際に,被告の落札率は99.56パーセントという著しく高い割合であったこと(上記2( )ウ,本件対象期間内におけるアウトサイダーが受 )注した他の類似工事の平均落札率が89.76パーセントであること(上記2( )ア,本件対象期間以降に地方公共団体が指名競争入札等の方法 )により発注したストーカ炉の建設工事48件の平均落札率は91.9パーセントであり,そのうち本件5社が受注した工事31件の平均落札率は9. ,. 1パーセントアウトサイダーが受注した17件の により発注したストーカ炉の建設工事48件の平均落札率は91.9パーセントであり,そのうち本件5社が受注した工事31件の平均落札率は9. ,. 1パーセントアウトサイダーが受注した17件の平均落札率は952パーセントであること(上記2( )イ,被告は,被告が本件工事の受 )注により得た利益を原価を明らかにするなどして具体的に主張立証していないこと,その他本件に現れた一切の諸事情を考慮すれば,本件において実際に生じた損害額に最も近いと推測できる額は,契約金額の8パーセントに相当する額というべきである。 ( ) そうすると,本件談合により原告に生じた損害は,本件請負契約の契約金 額である249億9000万円の8パーセントに相当する19億9920万円をもって相当と認められる。 したがって,被告は,不法行為に基づく損害賠償として,原告に対し,19億9920万円及びこれに対する請負代金の支払が完了した日である平成14年7月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。 不当利得に基づく請求について原告は,本件談合により,本件入札は,指名競争入札の形式はとっているものの,指名競争入札の実質を全く有しない点で地方自治法234条に違反するものであり,本件入札に基づき締結された本件請負契約は無効であると主張して,不当利得に基づく請求を選択的に主張しているので,上記不法行為に基づく損害賠償請求により認められる損害額を超える部分について検討するに,不当利得返還請求権の場合には利得及び損失について民訴法248条の適用ができず,また,利得及び損失の範囲が上記損害額を超えることを認めるに足りる証拠もないから,上記損害額を超える部分について,その余の点について判断するまでもなく,原告の不当利得の主張は理由がない 用ができず,また,利得及び損失の範囲が上記損害額を超えることを認めるに足りる証拠もないから,上記損害額を超える部分について,その余の点について判断するまでもなく,原告の不当利得の主張は理由がない。 結論 よって,原告の請求は,被告に対し,19億9920万円及びこれに対する請負代金の支払が完了した日である平成14年7月15日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,これを認容することとし,上記金額を超える額の支払を求める部分は,理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第8部裁判長裁判官長谷川恭弘裁判官濱本章子裁判官鈴木喬(別紙及び別表添付省略)

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