平成21(行ウ)472 法人税更正処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成29年4月11日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文174,350 文字)

平成29年4月11日判決言渡平成21年(行ウ)第472号法人税更正処分取消等請求事件主文 1 新宿税務署長が平成(省略)付けで原告に対してした原告の平成9年9月1日から平成10年8月31日までの事業年度の法人税の更正(平成(省略)付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち,所得金額(省略)円及び納付すべき税額(省略)円を超える部分(還付すべき金額が(省略)円を下回る部分)並びに過少申告加算税賦課決定(同日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 2 新宿税務署長が平成(省略)付けで原告に対してした原告の平成10年9月1日から平成11年8月31日までの事業年度の法人税の更正(平成(省略)付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち,所得金額(省略)円及び納付すべき税額(省略)円を超える部分(還付すべき金額が(省略)円を下回る部分)並びに過少申告加算税賦課決定(同日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 3 新宿税務署長が平成(省略)付けで原告に対してした原告の平成11年9月1日から平成12年8月31日までの事業年度の法人税の更正(平成(省略)付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち,所得金額(省略)円及び納付すべき税額(省略)円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(同日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 4 新宿税務署長が平成(省略)付けで原告に対してした原告の平成12年9月1日から平成13年8月31日までの事業年度の法人税の更正(平成(省略)付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち,所得金額(省略)円及び納付すべき税額(省略)円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(同日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 5 新宿税務署長が 取り消された後のもの)のうち,所得金額(省略)円及び納付すべき税額(省略)円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(同日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 5 新宿税務署長が平成(省略)付けで原告に対してした原告の平成13年9月 1日から平成14年8月31日までの事業年度の法人税の更正(平成(省略)付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち,所得金額(省略)円及び納付すべき税額円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(同日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 6 新宿税務署長が平成(省略)付けで原告に対してした原告の平成14年9月1日から平成15年8月31日までの事業年度の法人税の更正(平成(省略)付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち,所得金額(省略)円及び納付すべき税額(省略)円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定(同日付け裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 7 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求主文同旨第2 事案の概要本件は,(省略)に本店を置く兄弟会社(原告と親会社を同じくする会社)から幼児向け英語教材を輸入して我が国の国内で販売する内国法人である原告が,平成9年9月1日から平成10年8月31日までの事業年度(以下「平成10年8月期」といい,原告の他の事業年度についても同様の表現をする。),平成11年8月期,平成12年8月期,平成13年8月期,平成14年8月期及び平成15年8月期(以下,これらを併せて「本件各事業年度」という。)の法人税の申告をしたところ,新宿税務署長(以下「原処分行政庁」という。)から,上記の幼児向け英語教材を輸入する取引について,租税特別措置法(平成10年8月期から平成13年8月期まで 度」という。)の法人税の申告をしたところ,新宿税務署長(以下「原処分行政庁」という。)から,上記の幼児向け英語教材を輸入する取引について,租税特別措置法(平成10年8月期から平成13年8月期までについては平成13年法律第7号による改正前のもの,平成14年8月期については平成14年法律第79号による改正前のもの,平成15年8月期については平成16年法律第14号による改正前のもの。以下,これらの改正前のものを包括して「措置法」という。)66条の4第1項の規定 により,同条2項の規定する独立企業間価格で行われたものとみなされて,平成16年11月24日付けで原告の本件各事業年度の法人税の更正(以下「本件各更正処分」という。また,本件各更正処分のうち,平成10年8月期の法人税に係る更正を「平成10年8月期更正処分」といい,他の更正についても同様の表現をする。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件各賦課決定処分」といい,本件各更正処分と併せて「本件各更正処分等」という。)を受けたことから,本件各更正処分において同項1号ロの規定する再販売価格基準法によりされた独立企業間価格の算定に誤りがあるなどとして,本件各更正処分(平成(省略)付け裁決(以下「本件裁決」という。)により一部取り消された後のもの)のうち申告額(平成13年8月期については平成(省略)付けの更正により変更された納付すべき税額)を超える部分(還付すべき金額については申告額を下回る部分)及び本件各賦課決定処分(本件裁決により一部取り消された後のもの)の取消しを求める事案である。 なお,本判決で使用する略語等の主なものは,別紙2「略語等一覧表」のとおりである。 1 関係法令等の定めと移転価格税制の仕組み(1) 関係法令等の定め本件の主な関係法令等の定めは,別紙3「 本判決で使用する略語等の主なものは,別紙2「略語等一覧表」のとおりである。 1 関係法令等の定めと移転価格税制の仕組み(1) 関係法令等の定め本件の主な関係法令等の定めは,別紙3「関係法令等の定め」記載のとおりである(本件で適用される条項につき数次の改正がされているが,本件との関係において実質的な差異が生じないものについては,最も新しいもののみ記載した。)。なお,以下,租税特別措置法施行令(平成10年8月期から平成13年8月期までについては平成13年政令第141号による改正前のもの,平成14年8月期及び平成15年8月期については平成16年政令第105号による改正前のもの)を,これらの改正前のものを包括して「措置法施行令」と,租税特別措置法関係通達(法人税編)(平成10年8月期から平成13年8月期までについては平成14年2月15日付課法2-1通達 による改正前のもの,平成14年8月期については平成15年2月28日付課法2-7通達による改正前のもの,平成15年8月期については平成16年12月20日付課法2-14通達による改正前のもの)を,これら改正前のものを包括して「旧措置法通達」と,租税特別措置法関係通達(法人税編)(平成23年10月27日課法2-13による改正後のもの)を「新措置法通達」と,国税庁長官制定の平成13年6月1日付け「移転価格事務運営要領」(平成17年4月28日査調7-3ほかによる改正前のもの)を「旧事務運営指針」と,同じく,国税庁長官制定の平成13年6月1日付け「移転価格事務運営要領」(平成19年6月25日査調7-21ほかによる改正後のもの)を「新事務運営指針」と,それぞれいう。 (2) 我が国における移転価格税制の仕組み(乙1,乙118)ア移転価格税制の基本的な仕組み我が国における移転価 査調7-21ほかによる改正後のもの)を「新事務運営指針」と,それぞれいう。 (2) 我が国における移転価格税制の仕組み(乙1,乙118)ア移転価格税制の基本的な仕組み我が国における移転価格税制は,我が国の法人が「特殊の関係」にある外国法人(国外関連者)との間で取引(国外関連取引)を行った場合に,その法人がその国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格に満たないとき,又はその法人がその国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超えるときは,その法人の所得の計算において,その取引が独立企業間価格で行われたものとみなすというものである(措置法66条の4第1項)。 この場合における国外関連取引者に支払う対価の額と当該国外関連取引に係る独立企業間価格との差額は,法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されず(同条4項),その結果,国外関連取引の実際の取引価額のいかんにかかわらず,例えば,国外関連者に対する資産の販売の場合には,独立企業間価格に満たない部分に相当する金額が益金に算入され,国外関連者からの資産の購入の場合には,独立企業間価格に相当する金額が原価とされることになる。 イ移転価格税制に関する概念等 (ア) 国外関連者とは,外国法人で,当該法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式の総数又は出資の総額の100分の50以上の株式の数又は出資の金額を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める特殊の関係のあるものをいう(措置法66条の4第1項)。 なお,上記のような特殊の関係にないものを,非関連者という。 (イ) 国外関連取引とは,法人が,昭和61年4月1日以後に開始する事業年度において,当該法人に係る国外関連者との間で行った資産の販売,資産の購入,役務の提供その他の取引をいう(措置法 者という。 (イ) 国外関連取引とは,法人が,昭和61年4月1日以後に開始する事業年度において,当該法人に係る国外関連者との間で行った資産の販売,資産の購入,役務の提供その他の取引をいう(措置法66条の4第1項)。 (ウ) 独立企業間価格とは,国外関連取引が措置法66条の4第2項各号に掲げる取引のいずれに該当するかに応じて,当該各号に定める方法により算定した金額をいう(措置法66条の4第2項)。 (エ) 移転価格税制の適用対象となる法人は,原則として,我が国において当該法人の当該事業年度の所得に対する法人税及び解散による清算所得に対する法人税について納税義務のある法人である(措置法66条の4第1項)。 ウ独立企業間価格の算定(ア) 独立企業間価格について定めた措置法66条の4第2項は,同項1号において,国外関連取引の典型的な取引形態として「棚卸資産の販売又は購入」を取り上げ,同取引形態に係る取引に関する独立企業間価格の算定方法を定め,同項2号において,それ以外の取引形態についても同様の方法により独立企業間価格を算定する旨規定している。 (イ) 措置法66条の4第2項1号は,棚卸資産の販売又は購入に係る取引に関する独立企業間価格の算定方法として,次のようなものを規定している。 a 独立価格比準法(措置法66条の4第2項1号イ)特殊の関係にない売手と買手が,国外関連取引に係る棚卸資産と同 種の資産を当該国外関連取引と取引段階,取引数量その他が同様の状況の下で売買した取引の対価の額に相当する金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法b 再販売価格基準法(措置法66条の4第2項1号ロ)国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(以下「再販売価格」という。)から 額とする方法b 再販売価格基準法(措置法66条の4第2項1号ロ)国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(以下「再販売価格」という。)から,通常の利潤の額を控除して計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法c 原価基準法(措置法66条の4第2項1号ハ)国外関連取引に係る棚卸資産の売手の購入,製造その他の行為による取得の原価の額に通常の利潤の額を加算して計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法daからcまでに掲げる方法(以下「基本三法」という。)に準ずる方法その他政令で定める方法ただし,dの方法は,基本三法を用いることができない場合に限り用いることができる。 エ再販売価格基準法(ア) 再販売価格基準法(措置法66条の4第2項1号ロ)とは,国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(再販売価格)から通常の利潤の額(当該再販売価格に通常の利益率を乗じて計算した金額をいう。以下同じ。)を控除して計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。 (イ) 上記の「通常の利益率」とは,国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を,特殊の関係にない者(非関連者)から購入した者(再販売者)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売 した取引(以下「比較対象取引」という。)に係る当該再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該収入金額の合計額に対する割合(以下,原告が行う取引に係る同様の割合も含めて「売上総利益率」という。)をいう(措置法 ら当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該収入金額の合計額に対する割合(以下,原告が行う取引に係る同様の割合も含めて「売上総利益率」という。)をいう(措置法施行令39条の12第6項本文)。ただし,比較対象取引と当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には,その差異により生ずる割合の差につき必要な調整(以下,この差異により生ずる割合の差についての調整を「差異調整」という。)を加えた後の割合とする(同項ただし書)。 (ウ) 以上を算式で表すと次のとおりとなる。 ① 再販売価格(国外関連取引における買手が非関連者に販売した価格)-通常の利潤の額=独立企業間価格② 通常の利潤の額=①の再販売価格×通常の利益率(比較対象取引に係る売上総利益率に必要な差異の調整を加えたもの)オ小括以上のとおり,法人が,国外関連者から棚卸資産の購入に係る取引をした場合,その対価の額が独立企業間価格を超える場合には,その法人の所得の計算において,その取引は独立企業間価格で行われたものとみなされる。 そして,独立企業間価格の算定方法については,基本三法とこれに準じる方法があるところ,そのうちの再販売価格基準法によって独立企業間価格の算定を行う場合,国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を,特殊の関係にない者(非関連者)から購入した者(再販売者)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(比較対象取 引)に係る当該再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該収入金額の合計額 )に係る当該再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該収入金額の合計額に対する割合(売上総利益率)につき,比較対象取引と当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には,その差異により生ずる割合の差につき必要な調整(差異調整)を加えた後の割合(通常の利益率)を,国外関連取引に係る棚卸資産の再販売価格に乗じて通常の利潤の額を算定し,この通常の利潤の額を当該再販売価格から控除して計算した金額(独立企業間価格)をもって当該国外関連取引に係る対価の額とすることとなる。 2 前提事実(証拠等の掲記のないものは当事者間に争いがない。)(1) 当事者等ア(ア) 原告は,図書,雑誌,教科書その他印刷物,映画,スライド,レコード,録音済みテープ,シート,英語学習用機器(英語の教授,学習,訓練に使用される機械器具)の開発,輸入,買付け,販売,割賦販売及び貸付け等を目的とする昭和52年3月30日に設立された内国法人である株式会社である(弁論の全趣旨)。 (イ) (省略)は,(省略)に本店を置く外国法人であり,原告に対して幼児向け英語教材を販売している。 なお,(省略)は,(省略)の税制により,法人税が免除されている(乙8ないし10)。 (ウ) (省略)は,(省略)に本店を置く外国法人であり,原告及び(省略)の発行済み株式の全てを保有している。 (エ) 原告と(省略)は,いずれも(省略)が100%出資する兄弟会社の関係にあり,本件各事業年度において,措置法施行令39条の12第 1項2号の規定する「二の法人が同一の者(略)によつてそれぞ (エ) 原告と(省略)は,いずれも(省略)が100%出資する兄弟会社の関係にあり,本件各事業年度において,措置法施行令39条の12第 1項2号の規定する「二の法人が同一の者(略)によつてそれぞれその発行済株式等の百分の五十以上の数又は金額の株式又は出資を直接又は間接に保有される場合における当該二の法人の関係」に該当することから,(省略)は,措置法66条の4第1項の規定する原告に係る国外関連者に当たる。 イ処分行政庁は,平成21年10月13日にされた原告の本店所在地の異動に伴い,本件各更正処分等がされた時点の原告の納税地を管轄する税務署長であった原処分行政庁から,その事務を承継したものである(弁論の全趣旨)。 (2) 原告の事業ア 「Q1」に関する事業(ア) 原告は,本件各事業年度において,国外関連者である(省略)から,Z1が著作権を有するQ2やQ3の映像,楽曲等(以下「Q2等」という。)を使用して開発及び製造された幼児向け英語学習教材である「Q1」を輸入し(以下,原告が本件各事業年度に行った(省略)からQ1を輸入する取引を「本件国外関連取引」という。),国内において訪問販売の方法により再販売するという事業(以下,この事業に関する取引,すなわち,Q1を輸入して国内において再販売する取引を「Q1取引」という。)を行った(甲139,甲140,乙15,乙16,弁論の全趣旨)。 なお,本件国外関連取引は,原告が,昭和61年4月1日以後に開始する各事業年度において,原告に係る国外関連者である(省略)との間で資産の購入を行った取引であり,措置法66条の4第1項の規定する国外関連取引に当たる。 (イ) Q1は,絵本,CD,DVD及び発音カードとその専用読取機等で構成される英語学習教材であり,教材の構成内容の違いにより「Q4」 り,措置法66条の4第1項の規定する国外関連取引に当たる。 (イ) Q1は,絵本,CD,DVD及び発音カードとその専用読取機等で構成される英語学習教材であり,教材の構成内容の違いにより「Q4」 (たくさんの日常会話がお話になったQ3と同じ声で語りかけてくるCDと絵本,アクティビティーのセット。テキストは全ての教材と連動している。),「Q5」(英単語の意味をイラストと音で教えてくれる言葉のカード。510枚の発音カードと専用機のセット。Q1の基礎作りや復習,また,辞書としても使うことができる。声の録音もできる。),「Q6」(短いフレーズのやさしいお話の絵本及びCDとアクティビティーのセット。Q4の中のテーマを短いセンテンスのやさしいお話にしたもの),「DVDセット」(Q4のストーリーに沿って,Q3の名場面や,アメリカの子供たちの生活をちりばめたプログラム。)及び「Q7」(日常会話が歌になったCDと絵本。何度も繰り返し聞いて一緒に歌うことで英語を身につける130曲の歌やカラオケ付きDVDを含む「Q8」と,英語の語感やリズムに親しむための「Q9」40曲のセット。)の5種類のセットに区分される(甲52の1ないし3,甲53,乙3)。 なお,Q1のセットの一つであるQ5は,発音カードであるQ10(磁気カード)とその読取機であるQ11(磁気読取機)のセットであるが,原告は,平成10年8月期から平成14年8月期までの間,Q5を構成する商品の一部であるQ11について,国外関連者である(省略)からではなく,国内の非関連者である(省略)(現在は(省略)に吸収合併。)から仕入れて,これを(省略)から仕入れた他の商品と併せて販売していた(甲12,乙3,乙6の8ないし13,乙14,弁論の全趣旨)。 (ウ) 原告は,Q1の仕入代金とは別に,(省略)( に吸収合併。)から仕入れて,これを(省略)から仕入れた他の商品と併せて販売していた(甲12,乙3,乙6の8ないし13,乙14,弁論の全趣旨)。 (ウ) 原告は,Q1の仕入代金とは別に,(省略)(平成12年4月に(省略)に合併された。以下,合併の前後を問わず,(省略)という。)との間で締結したライセンス契約に基づき,Q1取引へのQ2等の使用に係るロイヤリティを(省略)に対して直接支払っており,このロイヤリティの支払について,販売費,一般管理費に計上していた(甲20の1 及び2,甲127,甲130,甲133,乙6の1ないし13,乙51)。 イ 「Q12」に関する事業(ア) 原告は,Q1を購入した顧客によって構成される「Q12」という会員制クラブによる有償のサポートサービスを提供するという事業(以下,この事業に係る取引を「Q12取引」という。)を行っている。 (イ) Q12では,電話レッスンのほか,通年日本各地で開催する各種ショー,Q13等で行われる夏の宿泊イベント,米国におけるキャンプ等,様々なイベントを中心とした英語教育に関連した役務が会員に対して提供される(甲14,甲28,甲31の1及び2,甲32,甲53,甲136,乙3)。 (ウ) Q12に入会する場合,入会金のほか,月々会費を支払う必要があるが,Q1の購入と同時に入会を申し込む場合には,入会金の支払が免除される(乙23,弁論の全趣旨)。 ウ原告が行うその他の事業原告は,Q1取引とは別に,平成11年から,我が国において,(省略)との間のライセンス契約に基づき,Z2が著作権を有するQ2等を使用した子供向け英語学習教材である「Q14」を(省略)に委託して製造し,これを,郵便,電話,ファクシミリ,Eメールにより購入の申込みを受けて販売するという事業(以下,この事業に 権を有するQ2等を使用した子供向け英語学習教材である「Q14」を(省略)に委託して製造し,これを,郵便,電話,ファクシミリ,Eメールにより購入の申込みを受けて販売するという事業(以下,この事業に係る取引を「Q14取引」という。)を行っている。 (3) 原告の確定申告及び更正処分等の経緯ア原告は,納税地を管轄する税務署長(平成10年8月期及び平成11年8月期は豊島税務署長,平成12年8月期から平成15年8月期までは原処分行政庁)に対し,本件各事業年度の法人税について,それぞれ別紙4「本件各更正処分等の経緯」の各「確定申告」欄のとおり,確定申告書を提出した。 イ原処分行政庁は,平成(省略),原告に対し,原告の平成13年8月期の法人税について,別紙4「本件各更正処分等の経緯」の「平成13年8月期」の「更正処分1」欄記載の内容の更正及び過少申告加算税賦課決定をした。 ウ東京国税局の職員は,原告の本件各事業年度の法人税に関し,平成14年4月頃から平成16年11月頃までの間,本件国外関連取引についての移転価格調査(以下「本件調査」といい,本件調査を担当した東京国税局の職員を「本件調査担当者」と,本件調査担当者であるZ3と,同じくZ4と,同じくZ5と,それぞれいう。)を実施した。 エ原処分行政庁は,平成(省略),原告に対し,原告の本件各事業年度の法人税について,措置法66条の4第1項の規定を適用して,原告が本件国外関連取引において(省略)からQ1を輸入した対価として支払った額(以下「本件支払対価の額」という。)が同条2項1号ロの規定する再販売価格基準法で算定した独立企業間価格を超えているとして,別紙4「本件各更正処分等の経緯」の各「更正処分」欄(平成13年8月期については「更正処分2」欄)記載の内容による各更正(本件各 規定する再販売価格基準法で算定した独立企業間価格を超えているとして,別紙4「本件各更正処分等の経緯」の各「更正処分」欄(平成13年8月期については「更正処分2」欄)記載の内容による各更正(本件各更正処分)及び各過少申告加算税賦課決定(本件各賦課決定処分)をし,同日付けの各「通知書」(以下「本件各通知書」という。)により,これを通知した。 オ原告は,平成17年1月20日,東京国税局長に対し,別紙4「本件各更正処分等の経緯」の各「異議申立て」欄記載の内容により,本件各更正処分等についての異議申立てをした。 カ東京国税局長は,平成(省略),上記オの異議申立てを棄却する旨の決定をした。 キ原告は,平成19年7月23日,国税不服審判所長に対し,本件各更正処分等についての審査請求をした。 ク国税不服審判所長は,平成(省略),原告の本件各事業年度の法人税に ついて,別紙4「本件各更正処分等の経緯」の各「裁決」欄のとおり,本件各更正処分等の一部を取り消す旨の裁決(本件裁決)をした。 (4) 本件訴えの提起原告は,平成21年9月25日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。 第3 本件各更正処分等の根拠と適法性についての被告の主張被告の主張する本件各事業年度の原告の所得金額,納付すべき税額及び過少申告加算税の額等並びに本件各更正処分等の適法性は,別紙5「被告の主張する本件各更正処分等の根拠と適法性」記載のとおりである。 第4 本件国外関連取引に係る独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定についての被告の主張被告の主張する本件国外関連取引に係る独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定は,別紙6「被告の主張する独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定」記載のとおりであり,その要旨は次のとおり 張する本件国外関連取引に係る独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定は,別紙6「被告の主張する独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定」記載のとおりであり,その要旨は次のとおりである(別紙6の中で定義した略称等は,以下の本文においても同様に用いるものとする。)。 1 本件国外関連取引本件各事業年度に行われた本件国外関連取引は,措置法66条の4第1項の規定する「国外関連取引」であり,同条2項1号に規定する「棚卸資産の販売又は購入」取引に該当する。 したがって,原告が,本件国外関連取引において,(省略)からQ1を輸入した対価として支払った額(本件支払対価の額)が独立企業間価格を超えている場合には,本件国外関連取引が独立企業間価格によりされたものとみなされて,原告の本件各事業年度における法人税の課税所得金額が計算されることとなる(措置法66条の4第1項)。 2 本件各更正処分で行われた本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法 本件国外関連取引に係る独立企業間価格は,措置法66条の4第2項1号ロの規定する再販売価格基準法によって算定した。 3 本件国外関連取引に係る棚卸資産(Q1)の再販売価格の算定(Q11に係る売上げの除外)(1) Q11に係る売上げに相当する部分の除外の必要性原告は,本件各事業年度において,平成14年8月期の途中まで,Q1のうちのQ5を構成する商品の一部であるQ11(磁気カード読取機)について,国内の非関連者から仕入れ,これを(省略)から仕入れた他のQ1を構成する商品と併せて販売していたことから,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算出するためには,Q1取引に係る売上金額からQ11の売上金額に相当する部分を除外する必要がある。 (2) Q11の売上げに していたことから,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算出するためには,Q1取引に係る売上金額からQ11の売上金額に相当する部分を除外する必要がある。 (2) Q11の売上げに相当する部分の除外方法原告は,Q5を各顧客に販売する際に,Q11の価格と,それ以外の部分の価格を区別していなかったため,別表3のとおり,(a)Q5・1組の販売価格に,Q5・1組の仕入価格のうちQ11・1個の仕入価格の占める割合(別表3の⑤欄)を乗じて,Q5・1組の販売価格に占めるQ11・1台当たりの販売価格相当額を算出した上で(別表3の⑥),(b)Q11の仕入代金の総額をQ11の仕入単価で除してQ11の仕入個数,すなわちQ11販売数量を算定し,(a)に(b)を乗じることによって,Q11の売上金額に相当する額を算出し(別表3の⑦欄),(c)Q1取引に係る売上金額からQ11売上金額に相当する額を除外した(別表2の①ないし③)。 4 比較対象取引の選定本件国外関連取引に係る比較対象取引の選定は,Q1取引の一般消費者に対する訪問販売という機能に着目し,次のような方法(本件選定方法)で行われた。 (1) 母集団の選定①「訪販業界便覧 2003年版」(宏文出版株式会社発行)に掲載されていた全746社(原告を除く),②「消費者相談窓口一覧平成14年10月」(社団法人日本訪問販売協会編集発行)の訪販協会員一覧に掲載されていた全310社(原告を除く),③「ネットワークビジネス企業売上高ランキング上位50社」(週刊エコノミスト平成15年8月26日号掲載,出所・2003年1月1日付け日本流通産業新聞),④インターネットを用いて検索エンジンの登録サイトにおいて「幼児教育」かつ「教材」で検索して得られた18社(同検索結果に掲載された22社の 日号掲載,出所・2003年1月1日付け日本流通産業新聞),④インターネットを用いて検索エンジンの登録サイトにおいて「幼児教育」かつ「教材」で検索して得られた18社(同検索結果に掲載された22社のうち,1社が4回,他の1社が2回重複して掲載されている。)から,上記①ないし③に掲載されていた会社及び法人としての申告実績がないものを除いた11社の合計1117社を,本件国外関連取引に係る比較対象取引の選定の基礎となる法人の母集団として選定した。 (2) 第1次絞り込み上記(1)の母集団1117社について,一般に入手可能な公開情報に基づき,比較可能性(国外関連取引と非関連者間取引との類似性の程度。以下同じ。)が低いと考えられる次の①ないし⑧に該当する合計1014社を除外し,103社に絞り込んだ。 ① 関連者間取引を行っている法人② 製造又はサービスを主たる事業としている法人③ 健康食品又は化粧品等の消耗品を主に取り扱っている法人④ 教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人以外の法人のうち,売上高が10億円未満の法人⑤ 店舗販売を行っている法人⑥ 調査対象期間(本件各事業年度)の損益データを収集できない法人⑦ 主に百貨店,通信販売会社及び訪問販売会社に販売している法人 ⑧ 主として通信販売を行っている法人(3) 第2次絞り込み上記(2)の第1次絞り込みによって残った103社について,原処分行政庁の部内資料及び措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使による情報収集によって得られた資料等に基づき,比較可能性が低いと考えられる上記(2)の①ないし⑧に該当する合計87社を除外し,16社に絞り込んだ。 (4) 第3次絞り込み上記(3)の第2次絞り込みによって残った16社について,比較可能性が低い補正下着, と考えられる上記(2)の①ないし⑧に該当する合計87社を除外し,16社に絞り込んだ。 (4) 第3次絞り込み上記(3)の第2次絞り込みによって残った16社について,比較可能性が低い補正下着,呉服,宝飾品及び一般書籍等を販売する法人13社を除外し,3社に絞り込んだ。 (5) 本件各比較対象法人の選定上記(1)ないし(4)の選定プロセスを経た結果,原告が販売するQ1と同種又は類似の子供向け教材を訪問販売する非関連者3社(本件各比較対象法人)を選定した。 5 本件各比較対象取引に係る収入金額等の抽出本件各比較対象法人は,いずれも教材の販売に付随して,会費を徴収してアフターフォローサービスを提供していたことから,本件各比較対象取引に係る売上総利益率の算定のため,本件各比較対象法人の損益から,上記サービスに係る収益を除外したり,顧客が信販会社と信販契約を締結して分割払を行った場合に信販会社から支払われる手数料を除外したりするなどして,本件各比較対象取引(教材の訪問販売)に係る収入金額と棚卸資産の原価を抽出したほか,差異調整に必要となる外交員報酬,広告宣伝費,販売促進費(販売経費)を抽出するなど,本件各比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額,棚卸資産の原価,販売経費の抽出(収入金額等の抽出)をした。 なお,上記の本件各比較対象取引に係る収入金額等の抽出の結果に基づいて計算すると,本件各比較対象取引に係る売上総利益率(売上金額に対する売上 金額から売上原価を控除した金額の割合)は,それぞれ,別紙10「売上総利益率一覧表(本件各比較対象取引)」のとおりとなり,後記の差異調整において問題となる原告及び本件各比較対象取引に係る販売経費率は,それぞれ,別紙11「販売経費率一覧表(本件各比較対象取引)」のとおりとなる。 6 本 比較対象取引)」のとおりとなり,後記の差異調整において問題となる原告及び本件各比較対象取引に係る販売経費率は,それぞれ,別紙11「販売経費率一覧表(本件各比較対象取引)」のとおりとなる。 6 本件各比較対象取引に係る売上総利益率の算出(加重平均したもの)Q1取引の比較対象取引として選定された本件各比較対象取引は,いずれもQ1取引との関係で比較対象性(比較対象取引となる資格。以下同じ。)があるものと認められたため,原処分行政庁は,本件各比較対象取引に係る売上総利益の額の合計額を当該取引に係る売上金額の合計額で除するという加重平均の方法によって,本件各比較対象取引に係る売上総利益率を算出した。本件各比較対象取引に係る売上総利益率(加重平均したもの)は別表6の①欄のとおりである。 7 差異調整Q1取引と本件各比較対象取引との間には,①使用する無形資産における差異,②売上金額に対する販売経費の割合(販売経費率)における差異,③決済条件における差異があり,これらは「売手の果たす機能その他に差異がある場合」に該当し,本件各比較対象取引の通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが明らかであったため,上記6のとおり算出した本件各比較対象取引に係る売上総利益率(加重平均したもの)について,次のような差異調整を行った。 (1) 使用する無形資産に関する差異調整Q1と本件各比較対象取引に係る棚卸資産である教材では,使用する無形資産に差異があり,また,当該無形資産の使用に係るロイヤリティの計上方法にも差異があったことから,本件各比較対象取引に係る売上総利益率(加重平均したもの)に,原告がQ1の販売によって(省略)に対して支払うロイヤリティ(国内非関連者から仕入れたQ11に配賦したロイヤリティに係る部分を除く。)のQ1の売上金額に対する割合(ロイヤリ (加重平均したもの)に,原告がQ1の販売によって(省略)に対して支払うロイヤリティ(国内非関連者から仕入れたQ11に配賦したロイヤリティに係る部分を除く。)のQ1の売上金額に対する割合(ロイヤリティ割合。別表 7の⑤欄)を加算するという方法で差異調整をした(別表10の⑤欄)。 なお,Q12取引にはロイヤリティを発生させるようなQ2等の使用がされていなかったため,Q12取引へのロイヤリティの配賦は行っていない。 (2) 販売経費率に関する差異調整Q1取引に係る販売経費率は,本件各比較対象取引の販売経費率(加重平均したもの)に比べて低く,この販売経費率の差は,Q1取引と本件各比較対象取引との間で売手の果たす機能に若干の差異が存在していることをうかがわせるものであったことから,本件各比較対象取引の本件各事業年度における販売経費率(別表6の②欄。加重平均したもの)と原告のQ1取引の販売経費率(別表9の㉞欄)の差を,本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算するという方法で差異調整をした(別表10の⑥ないし⑧欄)。 なお,原告の本件各事業年度の売上金額には,Q1の訪問販売(Q1取引)による売上げに係る部分のほかに,Q12の会費収入及びQ14の通信販売(Q14取引)による売上げに係る部分等が含まれており,販売経費も,それぞれの上記の各売上げに対応していることから,販売経費の配賦を行った。 また,本件各比較対象取引に関しても,別途,有償のアフターフォローサービスが行われていたことから,販売経費の配賦を行っている。 (3) 決済条件に関する差異調整買掛金の支払猶予期間が2年間である本件国外関連取引と支払猶予期間が1か月程度の本件各比較対象取引に係る棚卸資産である教材の仕入取引を比べると,金利相当分の負担の関係で,本件各比較対象取引に 調整買掛金の支払猶予期間が2年間である本件国外関連取引と支払猶予期間が1か月程度の本件各比較対象取引に係る棚卸資産である教材の仕入取引を比べると,金利相当分の負担の関係で,本件各比較対象取引に係る売上総利益率の方がQ1取引に係る売上総利益率に比して相対的に高くなることから,本件各比較対象取引に係る棚卸資産の仕入金額に原告の各年度の資金調達金利を適用して,複利計算で2年後の支払額を求め,当該支払額と本件各比較対象取引の仕入金額との差額を本件各比較対象法人の売上金額で除した割合を本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算して調整した。 8 独立企業間価格等の算定(1) 通常の利益率の算定本件各事業年度における本件各比較対象取引の通常の利益率は,別表10の④ないし⑪欄のとおり,前記6記載の本件各事業年度の本件各比較対象取引に係る売上総利益率(加重平均したもの)に,前記7(1)の使用する無形資産に関する差異の調整率(Q1取引に係るロイヤリティ割合)を加算し,前記7(2)の販売経費率に関する差異の調整率及び前記7(3)記載の決済条件に関する差異の調整率を減算した割合となる。 (2) 独立企業間価格の算定本件各事業年度における本件国外関連取引の独立企業間価格は,Q1取引に係る売上金額(Q11の売上げに相当する部分を除外したもの。別表10の③欄)から,Q1取引に係る売上金額に上記(1)記載の通常の利益率(別表10の⑪欄)を乗じて算出した通常の利潤の額(別表10の⑫欄)を控除した金額(別表10の⑬欄)となる。 (3) 国外関連者への所得移転額本件各事業年度における本件国外関連取引に係る国外移転所得の金額は,本件支払対価の額から上記(2)の独立企業間価格を差し引いた金額であり,別表11の⑤欄のとおり,平成10年8月期は( の所得移転額本件各事業年度における本件国外関連取引に係る国外移転所得の金額は,本件支払対価の額から上記(2)の独立企業間価格を差し引いた金額であり,別表11の⑤欄のとおり,平成10年8月期は(省略)円,平成11年8月期は(省略)円,平成12年8月期は(省略)円,平成13年8月期は(省略)円,平成14年8月期は(省略)円及び平成15年8月期は(省略)円となる。 第5 争点及び争点に関する当事者の主張の要旨 1 争点本件の争点は,本件各更正処分等の適法性であり,具体的には,次の各点が争われている。 (1) 措置法66条の4第2項に基づく課税処分の適法性(本件国外関連取引に 係る独立企業間価格の算定及び国外移転所得の額の算定の適否)ア本件国外関連取引に係る棚卸資産(Q1)の再販売価格の算定の適否(ア) Q1取引とQ12取引(役務提供取引)とを一の取引とみないことの適否(イ) Q11の売上げに相当する部分の除外の適否イ通常の利潤の額(通常の利益率)の算定の適否(ア) 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いた課税処分の可否a 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて同条2項の規定する独立企業間価格を算定して課税処分をすることの可否b 措置法66条の4第9項の適用要件の充足の有無(イ) 選定された3つの取引(本件各比較対象取引)の比較対象性の有無a 本件各比較対象取引の比較対象性の有無(a) 選定方法の合理性(b) 選定された本件各比較対象取引の比較対象性(旧措置法通達66の4(2)-3の規定する12の要素(以下「12の要素」という。)の類似性に基づく判断(以下「12のテスト」という。))b 原告の選定したQ14取引(内部比較対象取引)の比較対 (旧措置法通達66の4(2)-3の規定する12の要素(以下「12の要素」という。)の類似性に基づく判断(以下「12のテスト」という。))b 原告の選定したQ14取引(内部比較対象取引)の比較対象性の有無(Q14取引を比較対象取引としなかったことの適否)(ウ) 本件各比較対象取引に係る売上総利益率及び販売経費率の算出の適否(収入金額等の抽出の適否)(エ) 差異調整の適否a 使用する無形資産に関する差異調整の適否(a) Q1取引に係るロイヤリティ割合を本件各比較対象取引に係る売上総利益率に加算するという調整方法の合理性の有無 (b) Q1取引に係るロイヤリティ割合の算定の適否(ロイヤリティをQ12取引に配賦しないことの適否,Q11に関するロイヤリティ配賦の適否)b 販売経費率に関する差異調整の適否c 本件各比較対象取引との差異を理由とするその他の差異調整の要否ウ措置法66条の4第1項の適用要件の充足の有無と国外移転所得の算定の適否(加重平均値の採用の適否,幅の概念の採否)(2) 手続上の瑕疵による本件各更正処分の違法ア理由付記の適否イ適正手続違反の有無(3) 本件各賦課決定処分の適法性(過少申告となったことについての国税通則法(平成28年法律第15号による改正前のもの。以下同じ)65条4項の規定する「正当な理由」の有無) 2 争点に関する当事者の主張の要旨争点に関する原告の主張の概要は別紙7「原告の主張の概要」記載のとおり,同じく被告の主張の概要は別紙8「被告の主張の概要」記載のとおりであり,争点に関する当事者の主張の要旨は以下のとおりである。 (1) 措置法66条の4第2項に基づく課税処分の適法性(本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定及び国外移転所得の額の算定の適否)ア り,争点に関する当事者の主張の要旨は以下のとおりである。 (1) 措置法66条の4第2項に基づく課税処分の適法性(本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定及び国外移転所得の額の算定の適否)ア本件国外関連取引に係る棚卸資産(Q1)の再販売価格の算定の適否(ア) Q1取引とQ12取引(役務提供取引)とを一の取引とみないことの適否(原告)Q1とQ12は「Q15」として不可分一体の関係にあり,Q1の正規購入者のみがQ12の会員となる資格を得ることができるとされていて,現にQ1の購入者の80%がQ12の会員となっている。原 告はQ1取引とQ12取引を一のQ15として提供しており,(省略)とのライセンス契約においても,関連物品の調達においても,会計処理の方法においても,Q1とQ12は一体のものとなっていている。 したがって,本件国外関連取引に係る独立企業間価格は,Q1取引とQ12取引を一の取引として算定すべきである。 (被告)本件国外関連取引について,Q12取引等のその他の取引を考慮した価格設定が行われているなどという例外的な事情は見当たらない。 また,再販売取引における価格設定の観点から見ても,Q1取引において,Q12に係る役務提供取引を考慮した価格設定が行われたという事情は見当たらない。さらに,原告の顧客は,Q1のみを購入するか,Q1を購入するとともにQ12に入会するかを任意に選択できるのであって,Q12への入会は顧客の意思に委ねられている。 したがって,Q1取引とQ12取引とを一の取引と見て評価する方が合理的であるとする理由はないから,独立企業間価格の算定における再販売取引の単位は,原則どおり,Q1取引のみとすべきである。 (イ) Q11の売上げに相当する部分の除外の適否(原告)原処分行政庁は,Q5に含 る理由はないから,独立企業間価格の算定における再販売取引の単位は,原則どおり,Q1取引のみとすべきである。 (イ) Q11の売上げに相当する部分の除外の適否(原告)原処分行政庁は,Q5に含まれる上記のQ11の利益率とQ10の利益率が同じであることを前提として,平成10年8月期から平成14年8月期までのQ1取引に係る売上金額から,Q11の売上げに相当する部分を除外しているが,Q2等が使用されたQ10とこれが使用されていないQ11の利益率が同一であるとの前提とする計算は明らかに誤っている。 (被告)本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算定す るためには,平成10年8月期から平成14年8月期までにおけるQ1取引に係る売上金額からQ11の売上げに相当する部分を除外する必要があるところ,上記各営業年度におけるQ11のみの売上金額を直接示す証拠がなかったことから,Q1の仕入価格に占めるQ11の仕入価格の割合により,除外すべきQ11の売上げに相当する部分が合理的に算出されている。 なお,仮に,Q10とQ11の間にキャラクターの使用に伴う価値の違いがあるとしても,それが両者の利益率に差異をもたらすものであることは,何ら証拠により客観的に明らかにされていないし,仮に利益率の差異をもたらすものであったとしても,それを合理的に算出する方法がない。 イ通常の利潤の額(通常の利益率)の算定の適否(ア) 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いた課税処分の可否a 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて同条2項の規定する独立企業間価格を算定して課税処分をすることの可否(原告)措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果得られた資料を用いた同条2項の規 検査権の行使の結果を用いて同条2項の規定する独立企業間価格を算定して課税処分をすることの可否(原告)措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果得られた資料を用いた同条2項の規定する課税を許容する特段の法律の定めは存在しない。同条9項の規定する質問検査権の行使の結果得られた資料(納税者に入手できない資料)は,同条7項の推定課税の場合にしか用いることはできないから,同条9項の規定する適用要件の充足の有無にかかわらず,同項の規定する質問検査権の行使の結果得られた資料に基づく同条2項による課税処分は違法である。 (被告) 措置法66条の4第9項の文理上,同条2項の規定する独立企業間価格を算定するために同条9項の規定する質問検査権を行使することができることは明らかである。 b 措置法66条の4第9項の適用要件の充足の有無(原告)原告は,本件国外関連取引の独立企業間価格を算定するため,同一の重要な無形資産を使用する極めて類似性の高い内部取引であるQ14取引を比較対象取引として提出しているから,措置法66条の4第9項の規定する「独立企業間価格の算定に必要である場合」に該当しない。また,原告は本件調査担当者の要求する膨大な資料を迅速に提出しており,「国外関連取引にかかる独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類として財務省令で定めるもの又はその写しを調査対象法人が遅滞なく提示し,又は提出しなかった場合」にも該当しないから,同項の規定する要件を充足しない。 そして,同項の規定する要件を充足しないにもかかわらず,同項の規定する質問検査権を行使し,その結果に基づいて課税処分を行った場合,その課税処分は違法となるから,本件各更正処分は違法である。 (被告)原告は,本件調査担当者に対し,措置法66条の4 同項の規定する質問検査権を行使し,その結果に基づいて課税処分を行った場合,その課税処分は違法となるから,本件各更正処分は違法である。 (被告)原告は,本件調査担当者に対し,措置法66条の4第7項に規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示し又は提出しなかった。 また,本件国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するためには,Q1取引と同種の事業を営む者に質問し,当該事業に関する帳簿書類を検査し,又は当該帳簿書類(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求める必要があったから,同条9項の規定する質問検査権の行使の要件を充足する。 仮に本件各更正処分に関して結果的に同項の規定する要件を充足していなかったとしても,同項は,移転価格税制の執行に不可欠である税務職員による比較対象法人に対する質問検査権限を創設した規定であり,当該質問検査の行使に係る要件が課税処分の要件になるわけではない。また,調査の手続が刑罰法規に触れ,公序良俗に反し又は社会通念上相当の限度を超えて濫用にわたる等重大な違法を帯び,何らの調査なしに更正処分をしたに等しいものとの評価を受ける場合にも当たらないから,仮に同項の規定する質問検査権の行使の要件を充足しないとしても,そのことのみをもって直ちに本件各更正処分が違法となることはない。 (イ) 選定された3つの取引(本件各比較対象取引)の比較対象性の有無a 本件各比較対象取引の比較対象性の有無(旧措置法通達66の4(2)-3の規定する「12のテスト」)(a) 選定方法の合理性(原告)そもそも,Q1は,Q15によりQ12と一体のものとして提供されており,このような商品とサービスの一体機能の全くない訪問販売だけを行う企業を母集団としても,比較対象性を有する取引を探し出すことは不可能である。また,本件選 によりQ12と一体のものとして提供されており,このような商品とサービスの一体機能の全くない訪問販売だけを行う企業を母集団としても,比較対象性を有する取引を探し出すことは不可能である。また,本件選定方法において選定したという母集団の中には,Q1取引とは比較対象性を有しないマルチ商法又は実質的にマルチ商法であるネットワークビジネスを行っている会社が含まれていること,インターネット上の検索エンジンにおいて「幼児教育」かつ「教材」という検索条件で比較対象性を有する取引を適切に探し出すことは不可能であることなどからすると,母集団の選定は明らかに合理性を欠いている。また,絞り込みにおいても,最も重視すべき使用する無形 資産の内容を全く検討していないこと,教育,教材及び図書の訪問販売を行う法人について,原告とは売上規模が著しく異なる売上高10億円未満の法人が除外されていないことなどからすると,原処分行政庁が行ったという本件選定方法には明らかに合理性がない。 (被告)本件調査担当者は,Q1取引との関係で比較対象性を有する取引を選定するため,Q1取引の一般消費者に対する訪問販売という機能に着目し,本件選定方法により,合計1117社を母集団として選定した上,第1次絞り込みから第3次絞り込みまでの各過程において,比較対象性を欠く取引を行う会社や比較可能性が低い取引を行う会社を選定対象から適切に除外し,本件国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産の訪問売買を行う本件各比較対象法人を選定した。 なお,原処分行政庁は,第1次絞り込み及び第2次絞り込みにおいて,Q1取引の売上高に比して極端に売上高が少ないために比較可能性の低い売上高が10億円未満の法人を除外しているが,教育・教材,図書の訪問販売を行っている法人については,当該訪 2次絞り込みにおいて,Q1取引の売上高に比して極端に売上高が少ないために比較可能性の低い売上高が10億円未満の法人を除外しているが,教育・教材,図書の訪問販売を行っている法人については,当該訪問販売がQ1取引と類似性が高いことから,実質的な比較可能性の判断を個別に行うために,この段階では除外しなかったものである。 (b) 選定された本件各比較対象取引の比較対象性(措置法通達66の4(2)-3の規定する「12のテスト」)(原告)提出されている証拠を前提として,本件各比較対象取引とQ1取引について,再販売価格基準法における比較対象性に関する旧 措置法通達66の4(2)-3において例示された12の要素(①棚卸資産の種類,役務の内容等,②取引段階,③取引数量,④契約条件,⑤取引時期,⑥売手又は買手の果たす機能,⑦売手又は買手の負担するリスク,⑧売手又は買手の使用する無形資産,⑨売手又は買手の事業戦略,⑩売手又は買手の市場参入時期,⑪政府の規制,⑫市場の状況)により比較対象性の検討(12のテスト)を行うと,両者の間には棚卸資産の種類等,取引段階,取引数量,契約条件,機能,負担するリスク,使用する無形資産,事業戦略,政府による規制,市場において明らかに差異があるから,本件各比較対象取引はQ1取引との比較対象性を認めることができない。すなわち,①Q1は,Q12と一体として提供されるべき製品であり,かつ,極めて価値の高いQ2等のZ2が保有する無形資産のコンテンツが組み込まれ,高額のロイヤリティの支払がされている高品質かつ高額な商品であるのに対し,本件各比較対象取引に係る棚卸資産については,その販売価格のみならず,キャラクターの使用自体が不明であり,そもそも,学習教材なのかも明らかでなく,棚卸資産の種類等が類似しているとはい あるのに対し,本件各比較対象取引に係る棚卸資産については,その販売価格のみならず,キャラクターの使用自体が不明であり,そもそも,学習教材なのかも明らかでなく,棚卸資産の種類等が類似しているとはいえない。②Q1取引が小売であるのに対し,本件各比較対象取引は,マルチ商法であるか,そうでないとしても,実質的にマルチ商法であり,マルチ商法では,外交員は,時には自ら商品を費消する消費者であり,同時に次の外交員を勧誘して商品を購入させる者でもあるから,本件各比較対象取引は小売でもあるが,卸売でもあるということになり,取引段階に差異がある。③Q1取引の売上高は,(省略)円から(省略)円近くであるのに対し,本件各比較対象取引の売上高は3社の取引の合計で(省略)円以上という程度であり,売上規模(取引数量)に大きな差異がある。④Q 1取引と本件各比較対象取引の間には,商品の保証期間,返品条件,危険負担,瑕疵担保条項,解除条項,守秘義務規定,アフターサービス,準拠法,法定地,さらに,Q1取引の棚卸資産の仕入れである本件国外関連取引は輸入取引であるため,運賃,保険料,通関手数料その他の費用が原価に含まれているという取引条件における差異がある。⑤Q1取引と本件各比較対象取引は,取引時期が同じであるのか不明である。⑥Q1取引が通常の小売取引であるのに対し,本件各比較対象取引はマルチ商法であるか,そうでないとしても,実質的にマルチ商法であり,商品の販売方法や商品開発等の売手の果たす機能において差異がある。⑦Q1取引は,保有在庫が極めて限定的であり,多額の販売経費を支出する必要もなく,顧客から不良品として商品の返品があった場合,原告が(省略)から商品受領後1年間は全品(省略)に返品可能であり,Q1に関して何らかの法的責任が発生しても,同期間は契約 売経費を支出する必要もなく,顧客から不良品として商品の返品があった場合,原告が(省略)から商品受領後1年間は全品(省略)に返品可能であり,Q1に関して何らかの法的責任が発生しても,同期間は契約上その責任は全て(省略)に追及することが可能であるのに対し,本件各比較対象取引では,一定の量の商品を仕入在庫として抱えており,製品保証等は全く不明であり,Q1取引と本件各比較対象取引では,売手の負担するリスクにおいて差異がある。 ⑧Q1には無形資産として世界的に著名なブランドであるQ2等が使用されているのに対し,本件各比較対象取引に係る棚卸資産には,仮にキャラクターが使用されているとしても,ロイヤリティの支払も明らかでないようなものであり,印刷物についてのみ登場する価値の低いものである可能性が高いものと推測されるから,原告と本件各比較対象法人では,使用する無形資産に大きな差異があり,この差異は,単に本件各比較対象法人に係る売上総利益率にQ1取引に係るロイヤリティ割合を加算するという方法 では調整することができない。⑨Q1取引の顧客は,Q1とQ12が組み合わされたQ15を理解し,高額な支出を行う裕福かつ教育熱心な家庭に限定されるのであり,原告はこのような特殊な市場において商品を販売するため,他に類を見ないキャラクターや高度なマニュアル及び熟練した外交員等を用いているのに対し,本件各比較対象取引はマルチ商法であるか,実質的にマルチ商法であり,原告と本件各比較対象法人では,事業戦略に差異がある。 ⑩原告は,昭和52年に日本において事業展開を開始したが,本件各比較対象法人の参入時期等は不明であるから,原告と本件各比較対象法人では,市場参入時期に差異がないかは明らかでない。 ⑪Q1取引とは異なり,本件各比較対象取引は,マルチ商法であるか,そう が,本件各比較対象法人の参入時期等は不明であるから,原告と本件各比較対象法人では,市場参入時期に差異がないかは明らかでない。 ⑪Q1取引とは異なり,本件各比較対象取引は,マルチ商法であるか,そうでないとしても,実質的にマルチ商法であり,特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)33条の規定する連鎖販売取引の規制を受けるから,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,政府の規制に差異がある。⑫Q1取引は,極めて高額な商品を,相当な規模で,日本全国という市場で販売する取引であるのに対し,本件各比較対象取引は,マルチ商法であるか,そうでないとしても,実質的にマルチ商法であり,3社の合計で(省略)円以上という小規模なものであるから,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,市場の状況に差異がある。 (被告)本件各比較対象取引は,次のとおり,旧措置法通達66の4(2)-3において例示された再販売価格基準法における比較対象取引の比較対象性に関する12の要素において,Q1取引に類似しており,かつ,Q1取引と本件各比較対象取引との間の再販売者の果たす機能その他における差異については,その差異により生ず る割合につき必要な調整ができるから,Q1取引との関係で比較対象性を有している。すなわち,①Q1取引及び本件各比較対象取引で販売される棚卸資産は,学習目的や対象年代によって,その構成内容に若干の相違はあるものの,いずれも子供向けの教材であり,その商品構成も類似している。②Q1取引及び本件各比較対象取引における棚卸資産の販売形態は,いずれも一般消費者に対する訪問販売(小売)である。③本件各比較対象取引の売上規模(取引数量)は,Q1取引に係る売上規模(取引数量)と比較すると違いがあるものの,Q1取引や本件各比較対象取引ような非消耗性商品の訪問 に対する訪問販売(小売)である。③本件各比較対象取引の売上規模(取引数量)は,Q1取引に係る売上規模(取引数量)と比較すると違いがあるものの,Q1取引や本件各比較対象取引ような非消耗性商品の訪問販売業の利益構造や固定費が小さいという性格からすると,必ずしも売上規模の増大に伴って売上総利益率が減少するという相関関係があるとはいえないから,売上規模(取引数量)における差異は通常の利益率の算定に影響を及ぼすようなものではない。④Q1取引と本件各比較対象取引との間には,棚卸資産の仕入代金の支払猶予期間に差異があり,これにより仕入代金の資金調達に係る金利相当額の負担に差が生じているところ,この差異により生ずる売上総利益率の差は合理的に調整することができる。 ⑤Q1取引と本件各比較対象取引との間には,取引時期に関して通常の利益率の算定に影響を及ぼすような差異はない。⑥原告及び本件各比較対象法人は,いずれも製造機能を有しておらず,この点において両者の間に売手の果たす機能に関して通常の利益率の算定に影響を及ぼすような差異はないものの,一方で,訪問販売の販売形態においては,外交員報酬,広告宣伝に係る費用及び販売促進に係る費用が顧客獲得のために必要な費用となり,その支出における差異は通常の利益率の算定に影響を及ぼすものと認められるところ,この差異により生ずる売上総利 益率の差は販売経費率の差によって合理的に調整することができる。⑦原告と本件各比較対象法人は,いずれも商品を仕入れて販売しているため,同じように在庫リスクを負担しており,また,Q1取引は輸入取引であるものの,その輸入代金は円建てで決済されており,為替リスクを負担していないから,両者の間に売手の負担するリスクにおける差異はない。⑧原告と本件各比較対象法人が使用する無形資産には差 は輸入取引であるものの,その輸入代金は円建てで決済されており,為替リスクを負担していないから,両者の間に売手の負担するリスクにおける差異はない。⑧原告と本件各比較対象法人が使用する無形資産には差異があるものの,Q1取引に使用するキャラクターにおける差異によって生ずる売上総利益率の差はQ1取引に係るロイヤリティ割合の差により,顧客リストにおける差異によって生ずる売上総利益率の差は広告宣伝費(マーケティング費)の割合の差により,いずれも合理的に調整することができる。⑨原告と本件各比較対象法人との間には,その事業戦略に関して通常の利益率の算定に影響を及ぼすような差異はなく,市場開拓に関連する広告宣伝及びマーケティングの費用における差異については,この差異により生ずる売上総利益率の差を販売経費率によって調整することができる。⑩Q1取引と本件各比較対象取引との間には,市場参入時期において通常の利益率の算定に影響を及ぼすような差異はない。⑪Q1取引と本件各比較対象取引との間には,政府の規制において売上総利益率に差を生ずるような差異はない。⑫原告と本件各比較対象法人との間には,市場の状況において通常の利益率の算定に影響を及ぼすような差異はない。 b 原告の選定したQ14取引(内部比較対象取引)の比較対象性の有無(Q14取引を比較対象取引としなかったことの適否)(原告)原告の行っているQ14取引は,販売する棚卸商品が子供向け英 語教材であるという点において,Q1と共通しており,消費者に対する販売(小売)であるという点において,Q1取引と取引段階が同一である。また,原告は,Q14について,(省略)に製造を委託しているものの,実質的には,Z2が開発した英語教材をZ2が管理する(省略)から購入して販売しているにすぎないから,売手の 取引段階が同一である。また,原告は,Q14について,(省略)に製造を委託しているものの,実質的には,Z2が開発した英語教材をZ2が管理する(省略)から購入して販売しているにすぎないから,売手の果たす機能において差異はない。さらに,Q14取引は,Q1の販売に係る訪問において取得した顧客情報(リード)に基づき,Q1取引と同じ顧客を対象に,同じQ2等及び同じ販売チャンネルを用いて英語教材の販売を行うというものであり,通常の通信販売のような広告媒体を使っての販売は行っておらず,販売方法が異なることによる差異については,原告の内部情報に基づいて,外交員報酬,広告宣伝に係る費用及び販売促進にかかる費用によって調整が可能である。加えて,使用する無形資産は通常の利益率の算定に影響を及ぼす最も重要な要素であるところ,Q14取引は,Q1取引と使用する無形資産(Q2等)が共通している。Q14取引の在庫等のリスクは限定的であり,第三者に対する権利侵害に係るリスクを負うことは実質的にないから,負担するリスクにおいてもQ1取引と差異がない。そして,一般的に内部比較対象取引は比較対象取引として信頼性が高いことからすると,本件国外関連取引の独立企業間価格の算定は,内部取引であるQ14取引を比較対象取引として行うべきであり,外部取引である本件各比較対象取引を比較対象取引として行うことはできない。 (被告)通信販売であるQ14取引と訪問販売であるQ1取引とでは,原告の再販売者として果たす機能が異なっており,費用構造における差異が顕著であること,原告は,Q14取引において,商品を購入 して販売しているのではなく,製造委託契約により商品を製造して販売していること,Q1取引とQ16取引では市場参入時期が異なること,現にQ1取引とQ14取引は販売費及び一般 おいて,商品を購入 して販売しているのではなく,製造委託契約により商品を製造して販売していること,Q1取引とQ16取引では市場参入時期が異なること,現にQ1取引とQ14取引は販売費及び一般管理費の売上金額に対する比率(以下「販売・管理費比率」という。)が大きく異なることなどからすると,Q14取引は,差異調整を論じるまでもなく,Q1取引との比較対象性がない。 (ウ) 本件各比較対象取引に係る売上総利益率及び販売経費率の算出の適否(収入金額等の抽出の適否)(原告)被告によれば,本件各比較対象法人は教材販売に関連する役務提供として教材の購入者に対して有償のアフターフォローサービスを提供しているとのことであるが,その内容や棚卸資産である教材との一体性等が一切不明であり,共通経費の配賦が必要なのか,それが具体的にどのように行われたのか,適切に行われたのかが全く不明である。 また,被告の主張を前提としても,B社比較対象取引に係る収入金額等の抽出において,イベント費用を棚卸資産の原価から控除している結果,その売上総利益率はB社の「イベント商法」を反映しない不当なものとなっていること,B社比較対象取引への広告宣伝費の配賦割合についても,単にB社の専務取締役が言ったものを採用しているにすぎないこと,C社比較対象取引の損益の計算において,原告が外交員報酬の額から控除していない「信販会社に支払っている取扱手数料」を控除していることなどからすると,収入金額等の抽出が適切に行われたとはいえない。 (被告)本件調査担当者は,本件各比較対象法人3社(A社,B社及びC社)が行う本件各比較対象取引に係る収入金額等の抽出について,別紙6 「被告の主張する独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定」の5項記載のとおり,本件各比較対象 (A社,B社及びC社)が行う本件各比較対象取引に係る収入金額等の抽出について,別紙6 「被告の主張する独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定」の5項記載のとおり,本件各比較対象取引それぞれの棚卸資産の販売による収入金額,棚卸資産の原価及び販売経費の具体的な内容及び会計処理の方法を的確に把握した上で,本件各比較対象取引のそれぞれの実情に即して,教材の訪問販売に係る収入金額等の抽出を適切に行っている。 (エ) 差異調整の適否a 使用する無形資産に関する差異調整の適否(a) 本件国外関連取引に係るロイヤリティ割合を本件各比較対象取引に係る売上総利益率に加算するという調整方法の合理性(原告)そもそも,Q1と本件各比較対象取引に係る棚卸資産について,使用されている無形資産にどのような差異があるのか明らかではなく,本件各比較対象取引に係る棚卸資産に使用するキャラクターのロイヤリティ割合も不明であるから,使用する無形資産における差異に関するQ1取引との間の差異調整をすることはできない。また,本件各比較対象取引に係る棚卸資産には,少なくとも,Q1取引ほど有名なキャラクターは使用されておらず,ロイヤリティ割合に差があることが明らかである上,使用する無形資産における差異により,ロイヤリティ割合だけではなく,売上金額や売上原価,販売経費に差を生ずることは明らかであるから,単に本件各比較対象取引に係る売上総利益率にQ1取引に係るロイヤリティ割合を加算するという差異調整の方法は明らかに不合理である。 (被告)Q1取引と本件各比較対象取引の間には,使用するキャラクタ ーの知名度や顧客に対する訴求力に違いがあることから,この差異を調整するために,Q1取引に係るロイヤリティ割合(Yとする。)と本件各比較対象取引に 各比較対象取引の間には,使用するキャラクタ ーの知名度や顧客に対する訴求力に違いがあることから,この差異を調整するために,Q1取引に係るロイヤリティ割合(Yとする。)と本件各比較対象取引に係るロイヤリティ割合(Xとする。)の差(Y-X)を,本件各比較対象取引に係る売上総利益率(Aとする。)に加算する必要がある(A+[Y-X])。 また,Q1取引では販管費としてロイヤリティが支払われており,棚卸資産の原価にロイヤリティが含まれていない分,売上総利益率が高いのに対し,本件各比較対象取引では販管費としてロイヤリティが支払われておらず,ロイヤリティ相当額が原価(仕入価格)に含まれており,その分売上総利益率がその分低いという会計処理の方法の違いによる差が生ずることから,これを調整するために,本件各比較対象取引に係るロイヤリティ割合(X)を,本件各比較対象取引に係る売上総利益率(A)に加算する必要がある(A+[Y-X]+X)。 そうすると,本件各比較対象取引に係る売上総利益率(A)に,Q1取引に係るロイヤリティ割合(Y)を加算すれば(A+[Y-X]+X=A+Y),Q1取引のあるべき売上総利益率が求められることになる。 一方で,Q1取引では,著名なキャラクターを使用することで販売促進が図られるため,販売経費の支出が抑えられるという効果があることは否定できず,実際,本件各比較対象取引の販売経費率よりもQ1取引の販売経費率の方が低くなっていることから,上記の販売費経費率に関する差異調整をするため,Q1取引の販売経費率と本件各比較対象取引の販売経費率の差を本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算した。 このように,Q1取引と本件各比較対象取引に係る使用する無 形資産における差異により生ずる売上総利益率の差については,適切に 経費率の差を本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算した。 このように,Q1取引と本件各比較対象取引に係る使用する無 形資産における差異により生ずる売上総利益率の差については,適切に差異調整がされている。 (b) Q1取引に係るロイヤリティ割合の算定の適否(ロイヤリティをQ12に配賦しないことの適否,Q11に関するロイヤリティ配賦の適否)(原告)Q1取引とQ12取引は一体のものであるから,Q1の販売を基準に支払うべきことになるロイヤリティは,Q12取引にも配賦されるべきである。その一方,Q5の一部を構成するQ11については,Q2等が使用されていないので,ロイヤリティは配賦されるべきではない。 (被告)Q1取引へのQ2等の使用に係るロイヤリティは,Q1の販売数量に応じて支払われており,原告が日本国内で行うQ1の販売及びマーケティングの許諾に対する対価であると認められるから,Q12に配賦する必要はない。 また,Q1取引へのQ2等の使用に係るロイヤリティには,国内の非関連者から仕入れられたQ11に係る部分が含まれていることから,Q1取引に係る売上金額全体に占めるQ11の売上金額の割合により,差異調整に用いるQ1取引に係るロイヤリティ割合を計算した。 b 販売経費率に関する差異調整の適否(原告)原処分行政庁の行ったという販売経費率の調整は,調査官の恣意によって選定された特定の費用の売上金額に対する割合の差の調整にすぎず,Q1取引と特商法33条に規定する連鎖販売取引の規制 を受けるマルチ商法の取引との「機能その他の差異」に由来する特定利益の違いにより生ずる差異の調整を含む「必要な調整」がされているとはいえない。 (被告)本件各事業年度における本件各比較対象取引の販売経費率(加重平均値)は, 能その他の差異」に由来する特定利益の違いにより生ずる差異の調整を含む「必要な調整」がされているとはいえない。 (被告)本件各事業年度における本件各比較対象取引の販売経費率(加重平均値)は,Q1取引の販売経費率に比べ高く,そのため,本件各比較対象取引に係る売上総利益率はQ1取引に係る売上総利益率に比べて高くなっているものと認められることから,その販売経費率の差異により生ずる売上総利益率の差について,販売経費率の差を本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算することにより調整した。 c 本件各比較対象取引との差異を理由とするその他の差異調整の要否(原告)被告は本件各比較対象取引の具体的な内容や金額等を開示しておらず,Q1取引との差異を検証することができないので,本件国外関連取引に係る通常の利益率の算定において,必要な差異調整が行われているという証明ができていない。また,輸入取引である原告のQ1取引については国際運送料及び保険料が問題となるところ,旧事務運営指針の参考事例集の事例9ではCIF(運賃,保険料込み渡し)であるかFOB(本船渡し)であるかという差異に関し,差異調整が必要であるとされているのに,その調整がされていない。 さらに,Q1取引と本件各比較対象取引では,返品条件,危険負担,瑕疵担保条項,解除条項,守秘義務規定,アフターサービス,準拠法,法定地の違いがあるはずなのに,その調整がされていない。その他,本件各比較対象取引の販売経費率について,営業社員や営業 拠点に関する差異によって生ずる販売経費の差が調整されておらず,マルチ商法又は実質的にマルチ商法である本件各比較対象取引の売上利益率に含まれる会員への配当部分(特定利益)や開発費に関する差異も適切に調整されていない。 (被告)本件国外関連取引の おらず,マルチ商法又は実質的にマルチ商法である本件各比較対象取引の売上利益率に含まれる会員への配当部分(特定利益)や開発費に関する差異も適切に調整されていない。 (被告)本件国外関連取引の取引価格が,運賃,保険料及び通関手数料等を考慮して設定されているとは認められない。また,仮に,原告が主張するような運賃等や営業社員や営業拠点等に係る費用に差が存在したとしても,それが売上総利益率に及ぼす影響は極めて限定的であるといえるし,その影響の度合いも客観的に明らかでないことから,通常の利益率の算定に影響を生ずることが客観的に明らかではなく,差異調整すべきものとは認められないウ措置法66条の4第1項の適用要件の充足の有無と国外移転所得の算定の適否(加重平均値の採用の適否,幅の概念の採否)(原告)そもそも原処分行政庁の選定した本件各比較対象取引はQ1取引との関係で比較対象性がないから,本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定において,本件各比較対象取引に係る売上総利益率の平均値を用いることはできない。また,仮に平均値を用いるとしても,それは「いずれの取引も同等に高い類似性を有する場合」に限定されるのであり,各売上総利益率は同等に扱われるべきであるから,その単純平均値を採用すべきであり,加重平均値を採用すべきではない。さらに,仮に本件各比較対象取引がいずれも合理的な比較対象であるとすると,それぞれが合理的な独立企業間価格の基準になるということになり,独立企業間価格について一定の範囲(価格帯)が形成,認識できることになるから,売上総利益率を平均する必要はなく,原告が本件国外関連取引において 支払った対価の額が独立企業間価格を超えているかどうかは,結局,当該独立企業間価格の幅内にある最も高いものを基準として判断すべきであ 益率を平均する必要はなく,原告が本件国外関連取引において 支払った対価の額が独立企業間価格を超えているかどうかは,結局,当該独立企業間価格の幅内にある最も高いものを基準として判断すべきであるところ,本件支払対価の額は,上記の独立企業間価格を超えていない。 (被告)比較対象性を有する比較対象取引が複数存在する場合には,それら複数の比較対象取引の平均値を用いる方が,比較対象取引毎の差異が相殺されて利益率が平準化されるため,より客観性のある独立企業間価格を算定することができる。また,措置法及び措置法施行令の条文も,比較対象取引を一つに限定すると規定しているとは解されない。さらに,比較対象取引が複数存在する場合には,その複数の比較対象取引に係る収入金額の合計額に対する複数の比較対象取引に係る売上総利益の額の合計額に対する割合をもって「通常の利益率」の算定の基礎とするものと解するのが,措置法施行令の文言に照らして自然である。 したがって,本件において原処分行政庁が本件各比較対象取引に係る売上総利益率について加重平均値(本件各比較対象取引の売上高に応じた平均値)を採用し,本件各比較対象取引に係る売上金額の合計額と売上原価の合計額から売上総利益率を算出したことは適法である。 なお,Q1取引に係る売上総利益率は,本件各比較対象法人のそれぞれの差異を調整した後の売上総利益率に満たないものであるから,本件では,そもそも原告が独立企業間価格で取引を行っていたことにはならず,幅の問題を議論する前提が欠けている。 (2) 手続上の瑕疵による本件各更正処分の違法ア理由付記の適否(原告)本件各更正処分に係る本件各通知書では,本件各比較対象取引に係る 売上総利益率の計算において「役務提供サービスに係る損益を除外」する計算内容が一 処分の違法ア理由付記の適否(原告)本件各更正処分に係る本件各通知書では,本件各比較対象取引に係る 売上総利益率の計算において「役務提供サービスに係る損益を除外」する計算内容が一切明らかにされていない。比較対象取引として選定した取引の内容及び当該取引と国外関連取引の差異についても,極めて簡略な説明がされているにとどまり,どのような調整を加えたかも一切明らかにされておらず,独立企業間価格が単純平均値なのか,加重平均値なのかについても記載されていない。しかも,原処分行政庁は,Q1取引との関係で比較対象性があると主張する本件各比較対象取引に関し,比較対象性の12のテストの実施の有無,実施した場合のその結果等に関し,当該取引にかかる守秘義務を理由として原告に情報を開示することを拒否し,比較対象取引の内容,使用する無形資産などを具体的に明らかにしておらず,その選定が合理的であるかどうかを検討することができないため,行政処分の恣意性を防止する理由付記の制度趣旨が全く担保できない。 そして,本件各更正処分は,Q1取引とQ12取引を一体のものとした原告の帳簿記載を否認し,両者を分割した上,原告の全く知り得ない第三者の行う取引の所得計算上の売上総利益率を課税の根拠としているものであるから,その根拠を信憑力のある資料で示す必要があり,また,本件各更正処分では,原告の採用する内部取引であるQ14取引を否認し,本件各比較対象取引という無形資産も規模もビジネス態様も異なる取引を用いて原告の所得を計算するのであるから,より一層の信憑力のある資料を摘示する必要があるのは当然である。にもかかわらず,本件各通知書の記載からは,Q1取引に係る収入金額等の抽出をどのように行ったのか,本件各比較対象取引がなぜQ14取引よりも比較可能性が高いのか,本 摘示する必要があるのは当然である。にもかかわらず,本件各通知書の記載からは,Q1取引に係る収入金額等の抽出をどのように行ったのか,本件各比較対象取引がなぜQ14取引よりも比較可能性が高いのか,本件各比較対象取引について,商品販売とアフターフォローサービスに係る損益をどのように計算したのか,必要な差異調整を行ったのかなどについて,信憑力のある資料は一切示されていない。 このように,本件各更正処分に係る理由付記は不十分であるから,本件各更正処分は違法である。 (被告)原告は,自己の判断で取引価格を算定し,措置法66条の4第1項に定める独立企業間価格に該当するとして本件各事業年度の法人税の申告をしているはずであるところ,本件各更正処分は,原告がその判断により算定した取引価格が独立企業間価格には該当しないと判断して行われたのであるから,「帳簿書類の記載自体を否認することなしに更正をする場合」に該当する。そうすると,本件各更正処分の理由付記は,帳簿記載書類の法的評価を覆すに足りるだけの信憑力のある資料を摘示する必要がなく,理由付記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的に明示すれば足りる。 そして,本件各更正処分に係る本件各通知書の「更正の理由」欄には,本件各更正処分をするに至った判断過程について,本件各更正処分の原因となる事実,法の適用及びその結果がそれぞれ具体的に明示されており,納税者において,当該記載自体から原処分行政庁の判断過程を十分に検証することができるものである。 したがって,本件各通知書には,法の要求する原処分行政庁の恣意抑制及び不服申立ての便宜という理由付記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的な記載がされているといえるから,この理由付記は適切である。 イ適正手続違反の有無(原告)本件各更正処分等に係る 抑制及び不服申立ての便宜という理由付記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的な記載がされているといえるから,この理由付記は適切である。 イ適正手続違反の有無(原告)本件各更正処分等に係る本件調査の過程では,本件調査担当者による大声,暴言,精神的威迫行為など,公務員職権濫用罪に該当する違法行為があった。また,原処分行政庁(本件調査担当者)及び被告は,本件各更正処分の理由に関し,原告からの度重なる書面提出の要求を拒否し, かつ,本件調査担当者も証言を拒絶しており,にもかかわらず,本件各更正処分の適法性が認められるのならば,原告は,司法的救済を受けることができず,憲法の定める裁判を受ける権利が侵害される。その他,原告が信頼する監査法人の(省略)の立会いを拒否して,原告の調査対応を妨害した。 このように,本件各更正処分には適正手続違反があることから,本件各更正処分は違法である。 (被告)措置法66条の6第9項の規定する質問検査権行使により収集した情報に基づいて行った本件各更正処分は適正手続に違反するものではない。 (3) 本件各賦課決定処分の適法性(過少申告となったことについての国税通則法65条4項の規定する「正当な理由」の有無)(原告)仮に本件各比較対象取引に係る売上総利益率を前提とした通常の利益率に基づいて算定した本件国外関連取引に係る独立企業間価格が合理的なものであり,原告から(省略)への所得の移転が認められるとしても,原告は第三者が行った本件各比較対象取引に係る売上総利益率等を知ることはできないのであるから,過少申告となったことについて,国税通則法65条4項の規定する「正当な理由」がある。 (被告)本件各事業年度における原告の法人税の過少申告は,申告の前提となった本件国外関連取引に係る取引価格が独 少申告となったことについて,国税通則法65条4項の規定する「正当な理由」がある。 (被告)本件各事業年度における原告の法人税の過少申告は,申告の前提となった本件国外関連取引に係る取引価格が独立企業間価格に該当するという原告の認識,判断が誤っていたことに基づいて発生したものといえるから,「納税者の責めに帰することのできない客観的な事情」があるとはいえず,「過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合」には当たらない。 第6 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる(各末尾括弧内記載の証拠等は,認定に主として用いたものである。)。 (1) 原告の日本における事業展開の開始原告は,昭和52年に(省略)によって設立され,日本において事業展開を開始した(乙84,弁論の全趣旨)。 (2) Q1,Q1の購入取引(本件国外関連取引等)及びQ1取引ア Q1の内容(ア) 本件国外関連取引における棚卸資産であるQ1は,(省略)の開発及び製造に係る幼児向けの英語学習教材であり,Q2等が使用されていて,教材の構成内容の違いにより,Q4,Q5,Q6,DVDセット及びQ7の5種類のセットがあり,各セットは,それぞれ絵本,CD,本,DVD,カード,発音カードとその専用読取機及びカセットを組み合わせたもので構成されている(前提事実(2)ア(ア),(イ))。 (イ) 原告は,日本において,昭和52年頃から,日本全国を地区ごとに担当するアドバイザーと称する外交員により,子供のいる家庭を戸別に訪問し,通年でQ1を販売している(甲14,乙16,乙22,弁論の全趣旨)。 イ Q1の輸入取引(本件国外関連取引)(ア) 原告は,(省略)との間で,次のような内容を含む平成7年9月 庭を戸別に訪問し,通年でQ1を販売している(甲14,乙16,乙22,弁論の全趣旨)。 イ Q1の輸入取引(本件国外関連取引)(ア) 原告は,(省略)との間で,次のような内容を含む平成7年9月1日付けQ1購入契約書により,Q1取引の棚卸資産であるQ1を購入する旨の契約(以下「Q1購入契約」という。)を締結し,Q1を輸入していた(前提事実(2)ア(ア),甲131,甲133,甲137,乙15)。 なお,Q1購入契約書には,販売やマーケティングの方法を(省略)が原告に提供する旨の条項は存在しなかった(甲131,甲133,乙1 5,弁論の全趣旨)。 a 販売された商品の所有権,占有及び危険負担は,日本国の東京/横浜CIF条件による引渡しと同時に原告に移るものとする。(第Ⅱ条「注文及び引渡し」,「2.03 所有権の移動」)b 原告が(省略)に対して提出する発注書には,当該発注書に含まれる商品数の総購入価格が明示されているものとする。当該総購入価格は,本書(Q1購入契約書)に添付の付属書Aに明記された価格表に基づいて計算されたものとする。(第Ⅲ条「購入価格及び支払い」,「3.01 購入価格」)c 原告と(省略)との商品(Q1)の仕入れに係る仕入代金の決済条件について,原告は,各船積荷の日本の通関日から2年以内に,船積荷の総購入額を(省略)に送金するものとする。(第Ⅲ条「購入価格及び支払い」,「3.02 支払い条件」)d (省略)は,原告の商品の受領日から1年間に限り,(省略)が良質の商品を指定の仕様に基づいて製造すること,(省略)から原告に引き渡された全ての商品が契約日以前に(省略)から原告に提供した商品の見本の品質を下回らないものとすることを保証する。(「第Ⅴ条保証」「5.01 品質の保証」)(イ) Q1購入契約に ら原告に引き渡された全ての商品が契約日以前に(省略)から原告に提供した商品の見本の品質を下回らないものとすることを保証する。(「第Ⅴ条保証」「5.01 品質の保証」)(イ) Q1購入契約におけるQ1の購入価格(仕入価格)を定めたQ1購入契約書の付属書Aは,(省略)付け(甲132,甲137),(省略)付けで(甲133,甲137),それぞれ改訂されていた。なお,同日付けの改訂では,Q1の価格が(省略)程度値上げされている。 (ウ) Q1の購入価格(仕入価格)は,「Q17」(原告が販売する商品の小売価格及び仕入価格を示す一覧表であり,このうちの「PACKAGENAME」欄の記載は,Q4,Q5,Q18,Q19,Q7,Q6を意味しており,Q20セットは,Q4,Q5,ビデオセット,Q7 が一体となったセットを意味している。また「RETAILPRICE」は小売価格,「CIFPRICE」は輸入貨物の価格に仕向け港までの運賃と保険料を加算した価格,「Q21」はQ11の仕入価格,「TOTALCOST」は「CIFPRICE」に「Q21」の価格を加えた価格(売上原価)を,それぞれ意味している。)のとおりであり,本件各事業年度におけるQ1取引に係る原価(棚卸資産であるQ1の仕入価格)は,別表2の④欄のとおりであった(乙6の1ないし13,乙19,弁論の全趣旨)。 (エ) Q1購入契約に基づいて行われた本件国外関連取引は,輸入取引であったが,その代金は円建てで決済されている(乙19,弁論の全趣旨)。 (オ) 原告の経理上,Q1の開発費はQ1取引の売上原価として計上されていなかった(甲18)。 ウ Q11の仕入れ(ア) Q1のセットの一つであるQ5(Q10・510枚,Q11・1台,Q22・1個,外付けマイク1個)を構成するQ11とQ の売上原価として計上されていなかった(甲18)。 ウ Q11の仕入れ(ア) Q1のセットの一つであるQ5(Q10・510枚,Q11・1台,Q22・1個,外付けマイク1個)を構成するQ11とQ10は,いずれも(省略)が開発したものであり,Q11は,磁気により録音された音声の読取・再生機で,Q10は,裏に磁気テープを貼ったカラフルな大型の語彙カードである。Q5は,Q10をQ11に通すと絵と対応した言葉が再生され,Q10の磁気テープの別のトラックに答えを録音することができるというものであり,録音されたモデルの声と自分の声を比べながら聴くことができる。Q11は,飽くまでQ5を構成する磁気カード読取機であり,単独で存在する商品ではなく,それのみでは使用することができないし,単独での販売もされていない。Q5のうち,Q10にはQ2等が使用されているが,Q11にはQ2等は使用されていない。(甲52の1ないし3,甲53,甲138,乙3,弁論の全趣旨)。 (イ) 原告は,平成14年8月期の途中までの間,Q11を日本国内の非 関連者である(省略)から仕入れていたところ,平成10年8月期から平成14年8月期における原告のQ11の仕入金額(販売に係る原価)は,別表2の⑤欄のとおりであった(前提事実(2)ア(イ),甲12,甲28,乙6の8ないし13,乙14,乙113,弁論の全趣旨)。 (ウ) 原告は,平成10年8月期から平成14年8月期までにおいて,(省略)から仕入れたQ11(磁気カード読取機)を,(省略)から輸入した(仕入れた)商品と併せてQ1(Q5)として販売していたが,その際,Q11の価格とそれ以外の部分の価格を区別していなかった(前提事実(2)ア(イ),乙6の8ないし13,乙14,弁論の全趣旨)。 エ Q1取引へのQ2等の使用に係るロイ として販売していたが,その際,Q11の価格とそれ以外の部分の価格を区別していなかった(前提事実(2)ア(イ),乙6の8ないし13,乙14,弁論の全趣旨)。 エ Q1取引へのQ2等の使用に係るロイヤリティの取扱い(ア) (省略)が開発及び製造して原告が日本で販売するQ1には,Z2が著作権を有するQ2等が使用されているところ,このQ2等の使用に関し,(省略)と(省略)は,(省略)付けで,次のような内容を含むライセンス契約(以下「Q1原ライセンス契約」という。)を締結した(前提事実(2)ア(ア),甲130,乙51)。 a (省略),子供向けの英語学習商品であるQ1を開発し,小売消費者市場でQ1の商品性を高めるために,Z2の許可を得て,Q3の映画やキャラクターをQ1に組み込み,Q3の名前の入った商品名をつけた。Q1原ライセンス契約は,(省略)が進めているQ1の開発及び強化,並びに,日本でのQ1の販売の条件を規定している。(事実の説明,及び背景情報)b (省略)は,Q1を創造,開発,発行,製作し,テリトリー(領域)で販売する権利を授与されている。(省略)は,(省略)がQ1に組み入れたZ2に所有権があるコンテントを使うために,Z2から権利を授与してもらう必要がある。(第1条権利の授与)c 契約期間は,(省略)とする。(第2条期間) dQ1が輸出され,販売されるテリトリー(地域)は日本であるが,(省略)は日本で業務を行っていないため,原告(Z6)において,Q1を販売することができる。(第3条テリトリー)eZ2へのロイヤリティの支払が発生するQ1の販売を行っているのは原告である。Z2は,ライセンスを与えた出版物の小売価格に基づいてロイヤリティを課してきた長年の慣習があることから,日本で販売されたQ1の小売価格にロ ティの支払が発生するQ1の販売を行っているのは原告である。Z2は,ライセンスを与えた出版物の小売価格に基づいてロイヤリティを課してきた長年の慣習があることから,日本で販売されたQ1の小売価格にロイヤリティを課すこととする。したがって,原告が小売価格に基づくロイヤリティを支払うことは論理的かつ適切である。ロイヤリティ率とする。直前の年度に支払ったロイヤリティの(省略)を年間に最低支払う。ロイヤリティの支払は円で行われる。また,別の契約で,原告は,本契約の条件に拘束されることに合意した。(第4条対価)fQ1は,(省略)よって販売する。できない。(第9条販売)(イ) 原告と(省略)は,上記(ア)eの「別の契約」として,Q1取引におけるQ2等の使用について,(省略),次のような内容を含む「LICENSEAGREEMENT」(以下「Q1旧ライセンス契約」という。)を締結した(前提事実(2)ア(ウ),甲20の2,甲127)。 a (省略)は,アメリカ合衆国デラウェア州の法の下で設立されたZ2との契約に基づき,日本において,本契約に規定するQ2を含む若しくは使った出版物又は他の商品を発行又は販売する許可(ライセンス)を与える権利を与えられている。(序文)b (省略)は,Q1をテリトリー(地域)に輸入し,テリトリー(地域)内でマーケティング,販売する非独占的権利を原告に与える。(省略)のみの判断で行われる(省略)の文書による事前の承認を条件として,原告は,本契約の条件に従って,Q1の最新版又は改良版Q7のような新商品又は増補品をテリトリー(地域)に輸入し,テリトリ ー(地域)内でマーケティング,販売する非独占的権利を有する。(1. 権利の供与(a))c 本契約の期間は,(省略)までとする。(2.契約期間)d 本契約の ー(地域)に輸入し,テリトリ ー(地域)内でマーケティング,販売する非独占的権利を有する。(1. 権利の供与(a))c 本契約の期間は,(省略)までとする。(2.契約期間)d 本契約のライセンスが適用されるテリトリー(地域)は日本とする。 (3.テリトリー)e 本契約で与えられるライセンスの対価として,原告は,卸売販売,訪問販売又はメールオーダーで販売する各セットに関して,(省略)(ロイヤリティ率)によるロイヤリティを支払うものとする。「正味小売販売額」とは,販売セット数に,当該セットの正味小売販売価格を乗じて算出されたものとする。(4.対価(a)。なお,Q1原ライセンス契約と同じロイヤリティ率である。)なお,正味小売販売価格とは,顧客への請求が項目別に分けられている場合には,顧客へ請求するセットの総販売価格から消費税,運送費,輸送郵送費,取扱費用,及び,又は利子を引いたものと定義する。 (4.対価(b))f 原告は,契約期間中の各暦年において,前年度に支払ったロイヤリティの(省略)最低年間ロイヤリティを(省略)に支払う義務を負う。 (4.対価(d))g 原告は,Q1を,(省略)に同意する。さらに,Q1は,(省略)によって使用されないものとする。(省略)は,原告が,Q23として知られるアフターサービス・プログラム(Q12)をQ1の販売に関連して販売することを認め,同意する。(8.販売(b))(ウ) 原告と(省略)は,(省略)付けで,Q1旧ライセンス契約を更新し,期間,対価(ロイヤリティ)等について次のように変更された内容を含む「LICENSEAGREEMENT」(以下「Q1新ライセンス契約」という。)を締結した(前提事実(2)ア(ウ),甲20の1,弁 論の全趣旨)。 a 本契約の最初の期間は,( た内容を含む「LICENSEAGREEMENT」(以下「Q1新ライセンス契約」という。)を締結した(前提事実(2)ア(ウ),甲20の1,弁 論の全趣旨)。 a 本契約の最初の期間は,(省略)まで,あるいは,それより前に本契約が終結するまでの期間とする。(2.期間(a))b 本契約で与えられるライセンスの対価として,原告が,卸売販売,直接訪問販売又はメールオーダーで販売する各セットに関し,正味小売販売額の割合に基づくロイヤリティを(省略)に支払うものとする(ロイヤリティ率は,(省略)で定められており,年齢拡大構成品の契約年に応じて,(省略)で定められている。)。中心構成品のロイヤリティ率を決定するための中心構成品の販売ユニット数は,中心構成品の円建て正味小売販売額を(省略)で除して算出する。正味小売販売額は,販売セット数に正味小売販売価格を乗じて算出したものとする。(4.対価(a))なお,正味小売販売価格とは,顧客への請求が項目別に分けられている場合には,顧客へ請求するセットの総販売価格から消費税,運送費,輸送郵送費,取扱費用,及び,又は利子を引いたものと定義する(4.対価(b))。 c 原告は,契約期間中の各契約年分の最低年間ロイヤリティを,毎年(省略)に対して支払う義務がある。最低年間ロイヤリティは,原告が(省略)か,(省略)とする。(4.対価(d))(エ) このように,原告が(省略)から輸入して販売するQ1にはZ2が著作権を有するQ2等が使用されているところ,Q1原ライセンス契約,Q1旧ライセンス契約及びQ1新ライセンス契約では,上記のQ2等の使用に対するロイヤリティは,原告がQ1の正味小売販売額に応じて(省略)に支払うものとされており,原告が(省略)に対して支払うQ1の購入代金(仕入代金,原価)に 新ライセンス契約では,上記のQ2等の使用に対するロイヤリティは,原告がQ1の正味小売販売額に応じて(省略)に支払うものとされており,原告が(省略)に対して支払うQ1の購入代金(仕入代金,原価)には含まれていなかった(前提事実(2)ア(ウ),甲20の1及び2,乙51)。 なお,原告が本件各事業年度において(省略)に対して支払ったロイヤリティの金額は,別表7の①欄のとおりであり,原告は,これを販売費及び一般管理費であるロイヤリティ勘定で処理していた(甲12,乙6の1ないし13)。 オ Q1取引におけるQ1の売上金額(ア) Q1の販売価格(小売価格)は,「Q24」のとおりであり,本件各事業年度におけるQ1取引におけるQ1の売上金額(Q11の売上げに相当する部分を含む。)は,別表2の①欄のとおりであった(甲12,甲17,甲105,乙8の1ないし13,乙20,弁論の全趣旨)。 なお,原告では,平成11年4月1日にQ1の20周年記念バージョンを販売した際,Q1の販売価格を(省略)から(省略)円に上げたところ,売上げが激減したことから,マネージャーの報酬を減らし,アドバイザーの報酬を増やしたところ,マネージャーによるアドバイザーのリクルートが上手くいかずに外交員の数が激減して更に売上げが減少したということがあったため,原告は,平成11年7月から9月にかけて,Q1の販売価格を(省略)円から(省略)円に下げ,その補填のため,1人のQ12会員が会員である期間は平均して40箇月であることを前提として,Q12の会費を月額(省略)円から(省略)円に上げるなどしたことがあったが,上記のQ1の販売価格が下げられた時点で,(省略)からの仕入価格が円に上がることが既に決まっていた(乙40,乙98,乙106)。 (イ) 上記(ア)のとおり,Q1の販 げるなどしたことがあったが,上記のQ1の販売価格が下げられた時点で,(省略)からの仕入価格が円に上がることが既に決まっていた(乙40,乙98,乙106)。 (イ) 上記(ア)のとおり,Q1の販売価格は,セットの内容により,(省略)円であったところ,原告においては,基本的には値引きした販売は行っていなかったものの,キャンペーンにおいて定価よりもDVDを値引きして販売したこともあった(甲10,甲92,乙25の1ないし3,弁論の全趣旨)。 (3) Q12及びQ12取引ア Q12の内容(ア) Q12では,Q1の利用者がQ1の利用を卒業するまでサポートすることを目的として,全国各地でQ1の内容を取り入れた英語イベントを行なうとともに,Q1の自宅学習を効果的に進めていけるよう様々な学習サポートサービスを提供している(前提事実(2)イ(ア),(イ),甲14,甲28,甲31の1及び2,甲32,証人Z7・17頁,弁論の全趣旨)。 (イ) Q12における主たる学習サポート・サービスは,毎週,いわゆるネイティブ・スピーカーと電話を通じて歌や会話のレッスンができるQ25であるが(無料),その他の英語イベントとして,日米子供サミット,Q26,Q27等があり,その内容は,歌やダンスが中心で毎週末に行われるショースタイルのものから,英語だけでネイティブ・スピーカーと触れ合うことのできる夏や春のキャンプ,発表会形式のもの,Q28訪問を取り入れた国内や海外でのイベント等,多岐にわたる(前提事実(2)イ(イ),甲28,甲31の1及び2,甲32,甲53,甲120,甲136,乙3,乙115,弁論の全趣旨)。 (ウ) 原告にはいわゆるネイティブ・スピーカーの専任講師が勤務し,勤続10年以上のベテラン講師も含め,在籍者の人数は,本件各事業年度において 120,甲136,乙3,乙115,弁論の全趣旨)。 (ウ) 原告にはいわゆるネイティブ・スピーカーの専任講師が勤務し,勤続10年以上のベテラン講師も含め,在籍者の人数は,本件各事業年度において約60人であった(甲31の1及び2,甲32,弁論の全趣旨)。 (エ) 原告の会社案内には,Q1の優れたプログラムをQ12の楽しいイベントやサービスと併せて利用し体験していくことにより,クオリティの高い工夫に富んだプログラムと,Q12の多彩なイベントとの相乗効果で自然に英語が身に付くと記載されている(甲10)。 (オ) Q1の特別保証制度として,Q12会員は,会員である限り保証期間が制限されることなく,破れたり壊れたりしたQ1の無償交換を受け ることができる(甲138,乙97)。 イ Q12で使用されるキャラクター(ア) Q12では,Q2等とは別のキャラクター(Q29等)が使用されており,基本的にQ2等は使用されておらず,Q1の案内においても,Q12はQ1を購入した顧客をサポートするシステムであり,Q12では,Q2等を使用していませんと記載されている(甲10,甲12,乙3,証人Z7・18頁,弁論の全趣旨)。 (イ) その一方で,Q12では,Q25(電話を通じてのサービス)や英語のイベントにおいてQ1の教材を使用したり,Q3の楽曲を使用したりすることもあり,また,Q12のプログラムの一つの卒業証書には,(省略)による個別の承認の下,Q30のキャラクターが使用されているが,これらについては,Q1旧ライセンス契約やQ1新ライセンス契約等で定められたロイヤリティとは別にロイヤリティの支払はされていない(甲12,甲28,甲32,甲138,証人Z7・3頁,弁論の全趣旨)。 (ウ) Q12で使われるガイドブックや,入会プレゼントであるQ31, れたロイヤリティとは別にロイヤリティの支払はされていない(甲12,甲28,甲32,甲138,証人Z7・3頁,弁論の全趣旨)。 (ウ) Q12で使われるガイドブックや,入会プレゼントであるQ31,子供の日プレゼント等Q12関連物品は,Q1と同様,原告の国外関連者である(省略)との間のPurchaseAgreement(購入契約書)に従って,(省略)から購入されている(甲121,甲131,甲132,乙15,乙44の1及び2,乙45,乙46)。 ウ Q12の入会者数,会費(ア) 本件各事業期間におけるQ12の入会者数は,別表4の③欄のとおり,年間(省略)であり,その会員数は(省略)に及んでおり,会員の平均存続期間(月)は,別表4の④欄のとおり,(省略)であった(甲12,甲28,乙24,弁論の全趣旨)。 なお,本件各事業年度においてQ1製品を購入した顧客のうち,約(省 略)はQ12に加入しているものの,残りの約(省略)はQ12に加入していないところ,原告では,Q1製品を購入した顧客がQ12に加入しなかった理由については,特に分析はされていない(甲28,乙23,乙24,証人Z7・3頁,19頁以下)。 (イ) 顧客がQ12に入会する場合には,入会金2万5000円を支払う必要があるほか,月々の会費として月額約3000円(平成11年7月から9月頃までは約2500円)を支払う必要があるが,Q1の購入と同時にQ12への入会を申し込む場合には,入会金の支払が免除される(前提事実(2)イ(ウ),乙23,乙98,乙106,証人Z7・16頁)。 (ウ) Q12では,Q25以外のイベントに参加する場合,入会金及び毎月の会費の他に,参加費用が必要となる(甲12)。 (4) Q14及びQ14取引ア Q14の内容(ア) Q14は,ヨーロッパに ) Q12では,Q25以外のイベントに参加する場合,入会金及び毎月の会費の他に,参加費用が必要となる(甲12)。 (4) Q14及びQ14取引ア Q14の内容(ア) Q14は,ヨーロッパにあるZ2の関連会社(Z8)が開発した英語に親しむためのプログラムであり,子供に人気のQ2等が登場する96のストーリーをメインに,テーマ別に英語のポイントが盛り込まれている。日本版には,聞き取りの楽しさと発音のための「エクササイズCD」,「会話コーナー」,イラストでイメージと言葉を結びつける「ボキャブラリー・カード」,アルファベットを読むことに不慣れな小さな子供にも対応するために日本語も書かれた「アクティビティー・ブック」など,日本の子供が一人でも英語を学べるように編集されている。Q14は,4ステージ,全24巻で構成されており,Q1の購入者向けのQ14の商品カタログ(緑色)には,「Q1で学んだ英語を・・・どんどん使おう!」などと記載されている(甲64,甲65,甲109)。 (イ) 原告は,本件各事業年度の途中である平成11年からQ14の販売を開始し,以後,通年でQ14を販売している(乙14のⅢ.3.*3, 弁論の全趣旨)。 イ Q14の製造委託(ア) 原告は,(省略)にQ14の製造を委託している(甲137,乙14,乙35)。 (イ) 原告と(省略)は,Q14の製造について,次のような内容を含むQ14の製造委託基本契約(以下「Q14製造委託契約」という。)を締結していた(乙35)。 a 原告は,(省略)に対し,原告が販売する録音物及び録画済みテープ,コンパクトディスク並びに関連商品の複製を委託し,(省略)はこれを引き受けた。(1条)bQ14製造委託契約に基づく個々の取引契約は,原告が注文内容を記載した発注書を(省略)に交付 済みテープ,コンパクトディスク並びに関連商品の複製を委託し,(省略)はこれを引き受けた。(1条)bQ14製造委託契約に基づく個々の取引契約は,原告が注文内容を記載した発注書を(省略)に交付し,(省略)がこれに対する受書を原告に交付することにより成立し,商品の最低発注数量については,別途原告と(省略)との間で協議する。(3条2項。なお,最低発注数量が別途協議して具体的に定められていたと認めるに足りる証拠はない。)c (省略)は,毎月末日までに納品した商品製作代金及びその他付帯作業代金について,毎月5日までに請求書を発行し,原告は,その代金を翌月末日(末日が銀行休日の場合は,その前営業日)までに(省略)の指定する銀行口座に振り込むものとする。(7条2項)d 製品の所有権は,引渡しの有無にかかわらず,製造料の支払が完了したときに(省略)から原告に移転する。(8条)eQ14製品が第三者の所有する著作権,工業所有権,その他一切の権利を侵害するものとして当該第三者から請求,訴訟等がされた場合,原告の責任においてその解決に当たる。(15条)(ウ) (省略)と(省略)は,(省略)が原告から委託を受けてQ14を 製造することについて,平成10年12月1日,再下請けの禁止や会計帳簿の検査,法令の遵守,採用及び雇用における差別の禁止,守秘義務,(省略)による検査等の約定を含む「SUPPLIER’SAGREEMENT」を締結した(甲35)。 また,(省略)と(省略)は,上記契約に付属するものとして,品質管理義務や,(省略)の定める工法,工程管理を行う義務,品質保証,秘密保持義務等が定められた協定書を作成している(甲36)。 (エ) 本件各事業年度におけるQ14の製造委託費は,平成10年8月期は(省略)平成11年8月期が(省 法,工程管理を行う義務,品質保証,秘密保持義務等が定められた協定書を作成している(甲36)。 (エ) 本件各事業年度におけるQ14の製造委託費は,平成10年8月期は(省略)平成11年8月期が(省略)円,平成12年8月期が(省略)円,平成13年8月期が(省略)円,平成14年8月期が(省略)円,平成15年8月期が(省略)円であった(甲18)。 (オ) 原告は,Q14取引に関し,支出した原盤作成などの費用を開発費(DevelopmentCost)として原価に計上しているところ,本件各事業年度におけるQ14取引に係る開発費は,平成10年8月期は(省略)平成11年8月期が(省略)円,平成12年8月期が(省略)円,平成13年8月期が(省略)円,平成14年8月期が(省略)円,平成15年8月期が(省略)円であった(甲18,乙75)。 ウ Q14取引におけるQ2等の使用に係るロイヤリティ(ア) 原告と(省略)は,Q14へのQ2等の使用に関し,平成(省略)付けで,次のような内容を含む「LICENSEAGREEMENTFORPUBLISHEDMATERIAL」(出版物のためのライセンス契約)(以下「Q14ライセンス契約」という。)を締結した(甲62,甲97の1)。 a (省略)は,原告に対し,Q14について,①必要がある場合に(省略)すること,②(省略)こと,③(省略)の書面による事前承認を条件として,ブックレットを(省略)すること等の非排他的権利を付 与する。(2条(a))b 原告は,Q14を,(省略)対して販売することができる。(省略)される。(2条(c))。 c 原告は,(省略)することは禁止される。(8条(b)(i))d 原告は,(省略)に対し,ロイヤリティを円で支払う。(1条(i))e 原告は,(省略)に対し, 略)される。(2条(c))。 c 原告は,(省略)することは禁止される。(8条(b)(i))d 原告は,(省略)に対し,ロイヤリティを円で支払う。(1条(i))e 原告は,(省略)に対し,累計発刊数の販売額に応じて,(省略)のロイヤリティを支払う。また,累計発巻数に応じて,(省略)のミニマムロイヤリティを支払う。(スケジュール)(イ) 原告と(省略)は,Q14ライセンス契約の期間を延長した上(甲80),平成(省略)付けで,同様の契約を改めて締結した(以下,特に断りのない限り,改めて締結された契約を含めて,単にQ14ライセンス契約という。甲77)。 なお,改めて締結されたQ14ライセンス契約では,ロイヤリティ率について,平成(省略)から平成(省略)までは(省略),平成(省略)から平成(省略)までは(省略),平成(省略)から平成(省略)までは(省略)とされた(甲97の2)。 (ウ) 原告は,平成14年3月,(省略)から,新たに,Q14の24巻フルセットの販売やQ1商品とのセット販売について承認を受けた(甲113)。 (エ) 原告は,本件各事業年度において,Q14取引に係るQ14の累計発行巻数が少なかったため,(省略)に対し,Q14ライセンス契約で定められた最低ロイヤリティを支払っているところ,本件各事業年度におけるQ14取引に係るロイヤリティの支払金額は,平成10年8月期は(省略)平成11年8月期が(省略)円,平成12年8月期が(省略)円,平成13年8月期が(省略)円,平成14年8月期が(省略)円,平成15年8月期が(省略)円であった(甲18,甲107,甲120, 甲137,乙71,弁論の全趣旨)。 エ Q14取引の売上金額等(ア) 原告は,Q14について,平成11年及び平成12年には卸売は行っていなかったが あった(甲18,甲107,甲120, 甲137,乙71,弁論の全趣旨)。 エ Q14取引の売上金額等(ア) 原告は,Q14について,平成11年及び平成12年には卸売は行っていなかったが,平成13年から卸売を行うようになり,その割合はユニット数ベースで売上全体の(省略)であった(甲102,甲107)。 また,原告は,平成14年2月から10月までの間,Q14の訪問販売を行っていた(甲17(省略),甲112,甲113)。 (イ) Q14の販売価格は,本件各事業年度において,単巻で(省略)円ないし(省略)円程度,24巻セットで(省略)円であり,Q12会員に対する値引き等がされていたほか,卸売の際には(省略)程度の値引きがされていた(甲17,甲64,甲65,甲101の1及び2,弁論の全趣旨)。 (ウ) 本件各事業年度におけるQ14取引の売上金額は,平成10年8月期はQ14取引の開始前であったために計上がなく,平成11年8月期が(省略)円,平成12年8月期が(省略)円,平成13年8月期が(省略)円,平成14年8月期が(省略)円,平成15年8月期が(省略)円であった(甲18)。 (5) 原告によるQ1等の販売方法等ア原告の行っている外交員によるQ1の訪問販売(ア) 原告は,販売業務委任契約(アドバイザー契約)を締結した日本全国を地区ごとに担当するアドバイザーと称する外交員により,子供のいる家庭を戸別に訪問し,通年でQ1の販売を行っているところ,Q1取引の教材の販売等は特商法2条の規定する訪問販売に該当するため,特商法の規定による規制を受けている(乙16,乙22,弁論の全趣旨)。 そして,原告がアドバイザーとの間で締結するアドバイザー契約では,業務委任の範囲は,①(省略)②(省略)③(省略)とされており(省 略)とされ 制を受けている(乙16,乙22,弁論の全趣旨)。 そして,原告がアドバイザーとの間で締結するアドバイザー契約では,業務委任の範囲は,①(省略)②(省略)③(省略)とされており(省 略)とされていた(乙22)。 なお,原告は,本件各事業年度において,平成10年8月期及び平成11年8月期には東京都豊島区にある事務所の賃料としてそれぞれ約(省略)円及び約(省略)円を計上していたところ(乙124の1及び2),平成12年8月期には事務所を豊島区から新宿区に移転したほか(乙124の3),平成13年8月期以降は,大阪市,横浜市,仙台市,名古屋市,神戸市等に事務所を増設しており,これらに伴って,事務所賃料の額は年々増加し,平成15年8月期には約(省略)円(うち本店所在地の賃料が約(省略)円)となっていた(乙124の4ないし6)。 (イ) 原告は,広告チラシ,雑誌,インターネット,テレビなどの媒体による広告及び各種イベント等における宣伝に基づいてされた顧客からの資料請求(商品サンプル請求)データなどから収集した「リード」と称する販売見込客の氏名,住所及び電話番号の情報をリストとして作成し,これをアドバイザーに有償で提供することにより,Q1の訪問販売を行っている(甲17,甲28,甲85,乙14,乙16,乙41)。 リードには,(省略)と(省略)の2種類があり,(省略)は,メディア広告その他の原告のマーケティング努力によって獲得したリードであり,(省略)は,アドバイザー等が自身の努力によって獲得したリードである(乙16)。 (省略)は,アドバイザーに対して(省略)別のアドバイザーに対して(省略),それぞれ有償で提供され,(省略)にQ1の購入の申込みのなかったリードはダイレクトメール用のデータベースに登録される(甲17,甲28,乙16,弁論の全 して(省略)別のアドバイザーに対して(省略),それぞれ有償で提供され,(省略)にQ1の購入の申込みのなかったリードはダイレクトメール用のデータベースに登録される(甲17,甲28,乙16,弁論の全趣旨)。 (ウ) 原告が作成名義人となっているアドバイザーの販売マニュアルである「マーケティング&セールスマニュアル」(原告セールスマニュアル)には,次のような記載がされており,その1章がQ12の説明に割 かれている(乙16)。 a 英語教育システム「Q15」は,「Q32」のクオリティの高い工夫に富んだプログラムを,「Q12」の楽しいイベントやサービスと併せて利用し体験していくことで,自然に英語を吸収していくことができるという他に類を見ない英語環境づくりを可能にしている。(1頁)bZ9の言語教育専門家チームによって作られた家庭学習用教材「Q32」は,おなじみのQ2が子供に楽しくわかりやすく,英語を英語で(母国語を覚えるように)教える。Q12は,英語を楽しみながら身に付けられるよう,遊び感覚の英語学習体験を提供する。この英語体験は,飽きずに英語の勉強を続けられるように工夫されており,ネイティブ・スピーカー(英語を母国語として話す外国人)とのふれあいの場がたくさん用意されている。Q29のキャラクターは,Q12のマスコットである。会員は,いろいろな「Q33」の商品を受け取る特典がある。「Q32」と「Q12」とが一体となって,子供にとって理想的な英語学習環境を作り出している。(1頁)c アドバイザーは,Q1の販売業務委任を許諾された原告の一員であり,主たる業務はQ1の販売活動である。アドバイザーは,原告の定める(省略)が与えられる。(1頁,5頁)d アドバイザーは,(省略)に基づき,(省略)と(省略)を得る。 (省略)は,週単 一員であり,主たる業務はQ1の販売活動である。アドバイザーは,原告の定める(省略)が与えられる。(1頁,5頁)d アドバイザーは,(省略)に基づき,(省略)と(省略)を得る。 (省略)は,週単位で支払われ,(省略)は,その種類によるが,(省略)は月単位で計算されて支払われる。(2頁,9頁)(a) (省略)e 「マーケティング」とは,販売見込客を見つけ,当該見込み客の名前,住所,電話番号を集めることを意味する。(7頁)f 「リード」とは,販売見込客の名前,住所,電話番号である。(省 略)とは,(省略)のことであり,(省略)とは,(省略)である。 (7頁)g 「プレミアム」とは,顧客がQ1を購入する際に,顧客への特典として原告が提供するプレゼントである。そのうち「オプション・プレミアム」は,アドバイザーの判断で顧客に提供するものであり,その代金はアドバイザーが負担する。(9頁)(エ) 原告セールスマニュアルに記載されたアドバイザーの報酬は,Q1の売上単価が(省略)円から(省略)円に引き上げられたことに伴う平成11年9月の報酬制度の改定後のものであり,改定前のアドバイザーの報酬は,次のとおりとされていた(乙40ないし43)。 a アドバイザーは,(省略)に基づき,(省略)と(省略)という2種類の収入を得る。(省略)で,(省略)あるいは,(省略)で計算されて支払われる。 b (省略)は,アドバイザーの(省略)で支払われる。コミッション率は,(省略)である。 c ボーナスのうちの(省略)は,当月に販売したユニット数(紹介オーダーを含む。)に基づき,取得資格を得る。 d ボーナスのうちの(省略)であり(省略)が得られる。ただし,(省略)であり,さらに,ネット・オーダーが(省略)をそれぞれ達成するごとに特別賞が与えら ーダーを含む。)に基づき,取得資格を得る。 d ボーナスのうちの(省略)であり(省略)が得られる。ただし,(省略)であり,さらに,ネット・オーダーが(省略)をそれぞれ達成するごとに特別賞が与えられる。 e ボーナスのうちの(省略)があり,それぞれ6月と12月に支払われる。 f (省略)を受け取ることができるというものである。 g (省略)に支払われる特別ボーナスである。 h (省略)場合,販売商品の金額によって,アドバイザーの負担する経費として一定額が報酬から控除される。 (オ) 原告が作成名義人となっている「業務マニュアル」(乙39)には,次のような記載がされている。 a マージン(販売報酬)は,(省略)される。 b (省略)に支払われる。 c (省略)。(乙42)d (省略)(カ) 原告が本件各事業年度に支出した外交員報酬の金額は,別紙9「外交員報酬一覧表」記載のとおりであった(甲12の別表15,乙6の1ないし7,乙21,乙66の1ないし6)。 イアドバイザーによる顧客に対するQ12への入会の勧誘等(ア) 原告とアドバイザー契約を締結したアドバイザーは,Q1の訪問販売をする際,顧客に対し,Q14とQ12の両方に関する記載がされた説明冊子「Q32」(Q12の記載割合は約35%である。)を使用するなどして,Q12の内容やQ1とQ12が一体のメソッドであることを説明した上,Q12への入会を勧誘している(前記認定事実(5)ア(ウ),甲53,甲138,乙3,乙22)。 (イ) Q12に入会するためにはQ1を購入することが条件となっており,顧客は,Q1の購入と同時にQ12に入会する場合には,Q1の購入に係る「お申し込みの内容兼Q34会員申込書」(乙23)の必要箇所にその旨記入することにより,Q12に入会するこ とが条件となっており,顧客は,Q1の購入と同時にQ12に入会する場合には,Q1の購入に係る「お申し込みの内容兼Q34会員申込書」(乙23)の必要箇所にその旨記入することにより,Q12に入会することができる(乙23,弁論の全趣旨)。 (ウ) Q12に入会する場合,入会金のほか,月々会費を支払う必要があるが,Q1の購入と同時に入会を申し込む場合には,入会金の支払が免除される(前提事実(2)イ(ウ))。 (エ) Q1を購入した顧客は,Q12に入会した場合,購入したQ1の価格に応じて,25万円以上のQ1を購入した場合は「ガイド類」(赤ガ イドセット)と「Q31」,9万5000円以上25万円未満のQ1を購入した場合は「ガイド類」(赤ガイドセット)と「Q35」といったプレゼント(プレミアム)を受け取ることができる(乙44の1及び2,乙45,乙46,弁論の全趣旨)。 ウ Q14の販売方法Q14は,リードに記載されてQ1の購入の勧誘を受けたもののこれを購入しなかったために原告のダイレクトメール用のデータベースに登録された者や,既にQ1を購入してQ12の会員となっている顧客等に対し,ダイレクトメールを送付し,郵便,電話,ファクシミリ,Eメールにより購入の申込みを受けて販売されており,Q14の販売自体にはアドバイザー等の外交員は関与しておらず,Q14取引の売上げについて,外交員報酬は発生しない。Q14については,雑誌等の媒体を使用した広告も行われていない(甲17の脚注5,甲28,甲92,甲93,甲125,乙14,弁論の全趣旨)。 エ原告の販売経費(外交員報酬を除く。)(ア) 原告は,当時の通商産業省から,英語学習製品の販売と会員サービスプログラムとでは必要とされる契約の解約条項が異なるため,契約を分離しなければならないという指導 売経費(外交員報酬を除く。)(ア) 原告は,当時の通商産業省から,英語学習製品の販売と会員サービスプログラムとでは必要とされる契約の解約条項が異なるため,契約を分離しなければならないという指導を受けたため,Q1の販売に係る契約書とQ12の入会に係る契約書とを区分していたが,法人税の確定申告の前提となる会計帳簿の記載に当たっては,Q1取引の損益とQ12取引の損益とを特に区分していなかった(甲28,甲138,弁論の全趣旨)。 (イ) 原告が本件各事業年度に支出したマーケティング費用のうち,原処分行政庁に提出された原告作成の合計残高試算表(以下「本件合計残高試算表」という。乙6の1ないし6)において「カンパニー・リード」の勘定科目で処理されている費用は,カンパニー・リードを取得するた めの費用であり,雑誌等の媒体への広告掲載料,通販カタログと同封用のパンフレットの制作費,インターネット広告費で構成されており,本件各事業年度における金額は,別表9の⑥欄のとおりである(甲12,弁論の全趣旨)。 なお,原告が国税不服審判所に提出した「月刊赤ちゃんとママ(平成▲年▲月号)」に掲載された広告には,Q1とQ12の両方(広告面積比はおおむね1:1)が掲載され,同じく,通販カタログ同封用パンフレット「Q32」(甲53)にも,Q1とQ12の両方(広告面積比はおおむね1:1)が紹介されており,同じくインターネット広告「DEメール 2007年12月掲載」にも,Q1とQ12の両方(広告面積比はおおむね7:3)が掲載されていた(甲12,弁論の全趣旨)。 (ウ) 原告が本件各事業年度に支出したマーケティング費用のうち,本件合計残高試算表において(省略)の勘定科目で処理されている費用は,であり,具体的には,(省略)で構成されており,本件各事業年度にお ウ) 原告が本件各事業年度に支出したマーケティング費用のうち,本件合計残高試算表において(省略)の勘定科目で処理されている費用は,であり,具体的には,(省略)で構成されており,本件各事業年度における金額は,別表9の⑦欄のとおりである(甲12,弁論の全趣旨)。 なお,上記の紹介イベントは,来場した顧客にQ1及びQ12の紹介を行うとともに,無料サンプル等の請求はがきが付いたパンフレットを配布し,はがきに氏名,住所,電話番号等を記載させて郵送させることにより,見込み顧客の情報を獲得するためのマーケティング活動であり,原告が国税不服審判所に提出した紹介イベントの際に配賦するパンフレットでは,Q1とQ12の両方(広告面積比はおおむね6:4)が紹介されていた(甲12)。 (エ) 原告が本件各事業年度に支出したマーケティング費用のうち,本件合計残高試算表において(省略)の勘定科目で処理されている費用は,具体的には,(省略)されており,本件各事業年度における金額は,別表9の⑧欄のとおりである(甲12,弁論の全趣旨)。 (オ) (省略)ものであるところ,原告が本件各事業年度に支出した販売促進費のうち,本件合計残高試算表において,「国産プレミアム」,「国産見本品費」,「輸入プレミアム」,「輸入販売促進費」(うち,Q1のQ7とビデオセットのDVDバージョンが新たに発売されたことに伴って,その普及を目的として平成13年8月期以降に行われたQ1のビデオセットを購入した顧客に対してビデオセットとDVDセットの交換を行うというキャンペーンにおいて,無償交付したDVDセットに係る費用(以下「DVDキャンペーン費用」という。)の部分),「輸入見本品費」の勘定科目で処理されている費用については,全てQ1のみに関する説明であるか,あるいは,Q1の販売とだけ たDVDセットに係る費用(以下「DVDキャンペーン費用」という。)の部分),「輸入見本品費」の勘定科目で処理されている費用については,全てQ1のみに関する説明であるか,あるいは,Q1の販売とだけ関連するものであり,本件各事業年度における金額は,「国産プレミアム」は別表9の⑫欄,「国産見本品費」は別表9の⑬欄,「輸入プレミアム」は別表9の⑭欄,「輸入見本品費」は別表9の⑰欄,「国産販売促進費」のうちのDVDキャンペーン費用は別表9の⑮欄(甲12の別表17の⑮欄。なお,甲12の別表8の⑭欄と別表14の⑯欄及び別表17の⑮欄の差額。また,別表9の⑯欄のとおり,(省略)甲12の別表8の⑮欄,別表14の㉓欄,別表17の⑯欄,弁論の全趣旨)のとおりである(甲12)。 (カ) 原告が本件各事業年度に支出した販売促進費のうち,本件合計残高試算表において「国産販売促進費」の勘定科目で処理されている費用は,具体的には,国内で調達した新聞の折込み,配送,封入等に係る費用で構成されており,本件各事業年度における金額は,別表9の⑲欄のとおりである(甲12,弁論の全趣旨)。 (キ) 原告が販売促進のために見込み顧客に提供するIパッケージとは,「無料のサンプル,広告用の冊子やパンフレット等」を袋詰めしたものであり,その中には,①「Q32」と題する小冊子(Q1とQ12の両方が紹介されている。),②お試しDVD(前半部分はQ1の紹介で後 半部分はQ12の紹介がされている。),③Q37,④Q32CD-ROMとオーディオCDハイブリッド版,⑤「お父さま,お母さまへ」と題する書面,⑥Q37の歌詞を掲載した歌の絵本,⑦Q10,⑧スプリング・プロモーションのチラシ,⑨サンプル・ビデオ「ワンダー・パック」プレゼントのチラシ,⑩「つぎつぎに誕生するスーパーキッズたちの 題する書面,⑥Q37の歌詞を掲載した歌の絵本,⑦Q10,⑧スプリング・プロモーションのチラシ,⑨サンプル・ビデオ「ワンダー・パック」プレゼントのチラシ,⑩「つぎつぎに誕生するスーパーキッズたちの秘密に迫る!」と題する書面が入っている(甲12)。 原告が本件各事業年度に支出した販売促進費のうち,本件合計残高試算表において「国産配布用チラシ」の勘定科目で処理されている費用は,Iパッケージに封入される国内で調達したチラシの制作費であり(甲12),本件各事業年度における金額は,別表9の⑳欄のとおりである(甲12の別表8の⑫欄,別表14の⑱欄,別表17の㉑欄,弁論の全趣旨)。 また,本件合計残高試算表において「輸入販売促進費」の勘定科目で処理されている費用(DVDキャンペーン費用以外のもの)は,Iパッケージに封入される「おためしビデオ」及び「おためしDVD」の購入費用であり,本件各事業年度における金額は,別表9の㉑欄のとおりである(甲12,弁論の全趣旨)。本件合計残高試算表において「輸入配布用サンプル」の勘定科目で処理されている費用は,Iパッケージに封入されるサンプルを(省略)から輸入した費用であり,本件各事業年度における金額は,別表9の㉒欄のとおりである(甲12,弁論の全趣旨)。 本件合計残高試算表において「無償サンプル」の勘定科目で処理されている費用は,Iパッケージを見込み顧客に郵送する郵便代であり(甲12),本件各事業年度における金額は,別表9の㉓欄のとおりである(甲12の別表8の⑱欄,別表14の⑲欄,別表17の㉔欄,弁論の全趣旨)。 (ク) 原告が販売促進のためにQ12入会者に対して購入したQ1の価格に応じて入会時プレミアムとして交付するQ36は,Q1の一部ではなく,原告のオリジナルの教材であり,Q31(DVD版),Q31(ビ 原告が販売促進のためにQ12入会者に対して購入したQ1の価格に応じて入会時プレミアムとして交付するQ36は,Q1の一部ではなく,原告のオリジナルの教材であり,Q31(DVD版),Q31(ビ デオ版),Q38,Q35,カーニバル・ビデオで構成されており,また,Q36とは別にQ12入会者に交付される赤ガイドセットは,インデックス,赤ガイドブック,オリエンテーションDVD,アットアグランス,クイック・ガイドの5種類から構成されており,その内容にはQ1に関するものを含んでいる(認定事実(5)イ(エ),甲12,乙25の1ないし3,乙44の1ないし乙46,弁論の全趣旨)。 原告が本件各事業年度に支出した販売促進費のうちの本件合計残高試算表において「Q36」の勘定科目で処理されている費用は,Q36に係る費用であり,その金額及びそのうちの上記の赤ガイドセットに係る部分の金額は,次の表とおりである(平成10年8月期のQ36と赤ガイドセットの各金額は,他の各期におけるQ36と赤ガイドセットの割合の平均値((省略))に本件合計残高試算表の(省略)円を乗じて計算したものであり,平成11年8月期の赤ガイドセットの金額は,原告が国税不服審判所に対してプレミアムの金額として提示した(省略)円を全額Q36の費用として,これを本件合計残高試算表の残高(省略)円から控除した残額である。甲12,弁論の全趣旨)。 本件各事業年度におけるQ36等の費用(単位:円) H10 年8 月期H11 年8 月期H12 年8 月期H13 年8 月期H14 年8 月期H15 年8 月期Q3 (省略)(省略)(省略)(省略)(省略)(省略)赤ガイドセット(省略)(省略)(省略)(省略)(省略 年8 月期H15 年8 月期Q3 (省略)(省略)(省略)(省略)(省略)(省略)赤ガイドセット(省略)(省略)(省略)(省略)(省略)(省略)(6) 原処分行政庁が原告に対する税務調査を行うこととした理由原処分行政庁が原告に対する税務調査を行うこととした理由は,以下のと おりである(弁論の全趣旨)。 ア (省略)は原告に対し,Q1及びその販売促進のための付随品を販売しているところ,平成10年8月期から平成14年8月期までにおいて,(省略)の原告に対する売上高は,(省略)における売上高の(省略)ないし(省略)を占めていた(乙4)。 そして,原告のQ1取引と(省略)の本件国外関連取引を営業利益率(売上高に対する営業利益の割合)の点から比較すると,(省略)の本件国外関連取引の平成10年8月期から平成15年8月期までにおける営業利益率は,Z10が作成した(省略)の財務諸表(乙5)によると,(省略)%ないし(省略)%と高率であり,それに伴い繰越利益額も毎年度増加し,2003年8月末日現在においては,(省略)円(2003年8月末のTTMレート(三菱東京UFJ銀行の対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値)である117.15円/USドルによって換算した金額)もの繰越利益金額が(省略)の内部に留保されている。 これに対し,原告のQ1取引に係る営業利益率は,原告が原処分行政庁に提出した本件各事業年度における本件合計残高試算表に基づいて原処分行政庁が売上金額や経費の配賦を行って計算したところ,本件各事業年度の全ての事業年度において,(省略)と認められた(乙6の1ないし13)。 このように,(省略)と原告が,それぞれQ1の販売によって利益を上げているにもかかわらず 行って計算したところ,本件各事業年度の全ての事業年度において,(省略)と認められた(乙6の1ないし13)。 このように,(省略)と原告が,それぞれQ1の販売によって利益を上げているにもかかわらず,営業利益で比較すると,(省略)が高い営業利益を上げている一方,原告には営業損失が生じていた(弁論の全趣旨)。 イ本件調査担当者は,原告との比較対象性が明らかにないと思料される業者を除いた訪問販売業者のうち,Z11が日本の上場・未上場企業の有する財務情報・経済・格付け・マーケティング情報,さらにはM&A関連情報を,CD-ROM,インターネット等にパッケージ化したもの。乙7の3ないし11)の公開データ上に存在した業者8社のデータを抽出したと ころ,上記8社の平成10年から平成14年までの売上総利益率の平均値は67.8%であり,営業利益率の平均値は6.1%であるのに対して,原処分行政庁において算出した平成10年8月期から平成14年8月期までの原告のQ1取引に係る売上総利益率の平均値は,(省略)であり,営業利益率の平均値は(省略)であった(乙7の1ないし11)。 ウ (省略)及び(省略)は,それぞれ(省略)に本店を置く法人であるところ,同国の税制では,一定の要件を満たした外国法人については,法人税を課税しないとする国際事業会社の制度が存在し,(省略)はこの国際事業会社として登記されていたところ,原告と(省略)は,それぞれ(省略)が100%出資する会社であり,(省略)がQ1を開発・製造し,その商品を原告が輸入して日本国内で販売する一連の取引形態において,Q1の製造卸売及び小売販売に係るグループ全体の利益について,小売業者である原告に留保して日本の法人税を課税されるよりも,法人税が全く課されない製造卸業の(省略)に留保することで,(省略)グ いて,Q1の製造卸売及び小売販売に係るグループ全体の利益について,小売業者である原告に留保して日本の法人税を課税されるよりも,法人税が全く課されない製造卸業の(省略)に留保することで,(省略)グループ全体の租税負担を極小化することが可能となるという関係にあることから,この点で,同グループとしては,原告において,(省略)から独立企業間価格を上回る金額でQ1を輸入させることに大きなメリットがあるという関係にあるものと考えられた(乙8ないし10,弁論の全趣旨)。 エ本件調査担当者は,上記ウのような原告と(省略)との関係に加え,前記ア及びイのような事情から,原告から(省略)へ所得が移転している蓋然性があり,(省略)グループはグループ全体の税額を軽減するため,原告の(省略)からの本件国外関連取引において,非関連者間で設けられる価格とは異なる価格を設定しているものと考えた(弁論の全趣旨)。 (7) 原処分行政庁による措置法66条の4第9項の規定に基づく調査開始までの経過の概要ア本件調査担当者は,本件国外関連取引において原告が(省略)に対して 支払う対価の額が独立企業間価格として適正であるか確認を行うため,原告に対し,平成15年4月1日付けで「質問事項」と題する書面(乙12)を送付した。 上記の「質問事項」と題する書面(乙12)の項目2では,「租税特別措置法第66条の4に定める独立企業間価格との検討内容について:貴社が国外関連者と行う取引について,その価格設定の具体的な方法,及び,当該方法が我国租税特別措置法第66条の4のどの方法に該当するのか,更に,関連取引価格を決定するに際して,同法同条が定める独立企業間価格との比較検討をどのように行って決定しているのかについて,国外関連者との交渉資料,価格検討資料等をもとに説明してくださ するのか,更に,関連取引価格を決定するに際して,同法同条が定める独立企業間価格との比較検討をどのように行って決定しているのかについて,国外関連者との交渉資料,価格検討資料等をもとに説明してください。」として,原告に対し,独立企業間価格を算定するための必要な書類の提示が求められていた(甲10,甲28,乙48,乙114)。 イ本件調査担当者は,平成15年4月9日,上記アの「質問事項」と題する書面(乙12)に関し,原告から,提出資料の説明を受けた(甲128)。 ウ本件調査担当者は,平成15年4月11日付けの「質問事項等」と題する書面により,原告に対し,Q2の使用許諾,(省略)の組織概要等,原告と販売担当者との関係,Q12の内容,本件国外関連取引の取引金額等について説明や資料の提出を求めた(乙100)。 エ本件調査担当者は,平成15年4月16日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,宣誓供述書(甲133の一部),原告と(省略)との間の製造委託基本契約書(乙35),(省略)の財務諸表(乙11),(省略)の資本金,設立時期,正式名称,住所,役員氏名を記載した「国外関連者の組織概要等」と題する書面,Q1に係る販売業務委託契約書(乙22),Q1新ライセンス契約に係る契約書(甲20の2),Q1の購入申込書(乙23)等の提出を受けるとともに,Q14取引において,Q1の訪問販売のために作成した潜在的顧客のリストを使用していること,Q1 4の対象がQ1よりも少し上の年齢層であり,Q1で英語を学んだ子供のための次のレベルの英語教材がQ14であることなどの説明を受けたが,上記各書類には,Q1の輸入価格(購入価格)に係る価格交渉や価格設定方法に関する記載はされていなかった(甲28,甲120,甲137,乙90,乙114)。 オ本件調査担当者 などの説明を受けたが,上記各書類には,Q1の輸入価格(購入価格)に係る価格交渉や価格設定方法に関する記載はされていなかった(甲28,甲120,甲137,乙90,乙114)。 オ本件調査担当者は,平成15年4月21日付けの「質問事項等」と題する書面により,原告に対し,Q1及び(省略)についての説明や資料の提出を求めた(乙101)。 カ本件調査担当者は,平成15年4月24日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,「質問事項2」と題する書面(乙13),(省略)への支払を記載した「Q39」と題する書面等の提出を受けた。 上記の「質問事項2」と題する書面(乙13)には,その項目Ⅲにおいて「Ⅲ.価格設定 A.小売価格の設定 Q40は,英語教材の市場状況に応じ,小売価格を設定している。B.関連者価格の設定 Q40と(省略)は,20年前に税関当局に申請された関税評価法に基づく製品価格をもとに,ほぼ2年毎に製品価格の見直しを行っている。価格見直しの際に,主に次の事項が考慮される。①市場状況(例:製品需要や製品競争等),②予想販売価格,③予想販売数量,④製品の機能及び特性,⑤製品のアップグレード,等。Q40の移転価格設定方法は租税特別措置法第66条の4第2項1号ニに定める再販売価格基準法に準ずる方法と考えられる。」と記載されていたものの,再販売価格基準法に準ずる方法はどのような方法であるのか,その比較対象とした取引はどのようなものであるのか,価格設定の方法等の具体的な内容についての記載はされていなかったことから,本件調査担当者は,原告に対し,(省略)から購入するQ1の価格について,どのように決めているかの説明を求めた(甲63,乙13,乙84,乙114)。 キ本件調査担当者は,平成15年4月25日,原告に対し,「3 国外関連取引 )から購入するQ1の価格について,どのように決めているかの説明を求めた(甲63,乙13,乙84,乙114)。 キ本件調査担当者は,平成15年4月25日,原告に対し,「3 国外関連取引に係る独立企業間価格の算定について:貴社が,国外関連取引に係る独立企業間価格を算定して,それに基づいて国外関連取引を決定している場合又は検証している場合には,当該作成資料を提出して説明をして下さい。」と記載した「質問事項等」と題する書面(乙68)を送付した(甲10,乙68,乙114)。 ク本件調査担当者は,平成15年4月26日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,Q14取引に係るロイヤリティ率は,(省略)となっているが,ミニマムロイヤリティの支払があるため,契約期間における販売数量にかかわらず,(省略)円を支払わなければならないなどの説明を受けた(甲137)。 ケ本件調査担当者は,平成15年5月9日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,内部取引であるQ14取引を比較対象取引として独立企業間価格を算定した「Z6 価格設定に関する説明資料」と題する書面(乙14),Q14に係るライセンス契約書(甲77)の写し,Q14製造委託契約に係る契約書(乙35)の写し,(省略)と(省略)との間の協定書及び技術標準契約書(甲35,甲36),合計残高試算表(乙6の1ないし6),その他の資料(甲67,甲77ないし80等)の提出を受けるとともに,Q14取引がQ1取引の比較対象取引となるとの説明を受けた(甲28,甲66,甲137,乙114)。 上記の「Z6 価格設定に関する説明資料」と題する書面(乙14)には,Q1の価格設定について,従前提出された「質問事項2」と題する書面(乙13)と同様の記載がされていたほか,原告が非関連者との間で行っているQ14 格設定に関する説明資料」と題する書面(乙14)には,Q1の価格設定について,従前提出された「質問事項2」と題する書面(乙13)と同様の記載がされていたほか,原告が非関連者との間で行っているQ14取引がQ1取引の比較対象取引になるとして,Q1取引とQ14取引の機能とリスクのほか,Q1取引とQ14取引の売上総利益率の平均値が,平成11年から平成13年までの間は(省略)であり,平成 12年から平成14年までの間は(省略)となることなどが記載されていた(乙14)。また,上記の書面(乙14)には,Q1の購入価格は,2年ごとに市場の状況などを勘案しながら更新しており,再販売価格基準法に準ずる方法により決められていること,Q14取引は,Q1取引の比較対象取引として類似性があるところ,Q1取引の売上総利益率は,Q14取引の売上総利益率をいずれも上回るため,Q1の購入価格(本件国外関連取引の価格)は,移転価格税制上の問題がないこと,Q14に係るロイヤリティは実際にはミニマムロイヤリティの支払がされていたこと(甲137,乙14)などが記載されていたものの,Q1取引とQ14取引のライセンス契約,販売規模,販売方法,販売価格及びアフターフォローサービスなどの相違点については触れられておらず,Q1の購入価格を決定する際に具体的にどのような事情を勘案したのか,また,再販売価格基準法に準じる方法とは,具体的にどのようなものなのか,それぞれの売上総利益率がどのように算出されたのかなど記載はされておらず,これらの点について,他の書類の提示又は提出もされなかった(乙114)。さらに,上記書面(乙14)では,Q1取引に係る売上金額からQ11の売上げに相当する部分は特に除外されておらず,Q12取引をQ1取引と一体のものとして売上総利益率の計算が行われていた(甲1 14)。さらに,上記書面(乙14)では,Q1取引に係る売上金額からQ11の売上げに相当する部分は特に除外されておらず,Q12取引をQ1取引と一体のものとして売上総利益率の計算が行われていた(甲137,乙14)。 コ本件調査担当者は,平成15年5月14日以降,原告に対する次のような調査を実施した。 (ア) 本件調査担当者は,平成15年5月14日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,同月9日に提出された「価格設定に関する説明資料」と題する書面(乙14)に係る「「関連者間取引と非関連者間取引の売上総利益率比較」に使用したセグメントデータ」と題する書面(甲16)の提出を受けるとともに,その説明を受けた(甲28,甲137,甲138,乙114)。 上記の「「関連者間取引と非関連者間取引の売上総利益率比較」に使用したセグメントデータ」と題する書面(甲16)には,措置法66条の4第2項によると,棚卸資産についての独立企業間価格は,「独立価格比準法」「再販売価格基準法」「原価基準法」「これらに準ずる方法」「その他政令で定める方法」によって計算されるところ,再販売価格基準法に準じる方法としたのは,原告において再販売価格のための比較対象取引が入手できなかったため,入手可能なQ14取引を基準としたからであること,Q1取引とQ14取引との機能的な差異に係る必要な調整として,Q1取引とQ14取引の販管費の違いについての調整を行ったことのほか,Q1取引とQ14取引の売上高,売上原価,ロイヤリティ,売上総利益などの各年度の金額が記載されていたものの,各項目に計上されている収入及び費用の内訳は明らかにされていなかった(甲16)。 (イ) 本件調査担当者は,平成15年5月22日,原告に対し,「国外関連取引に係る独立企業間価格の検証資料に関して, 項目に計上されている収入及び費用の内訳は明らかにされていなかった(甲16)。 (イ) 本件調査担当者は,平成15年5月22日,原告に対し,「国外関連取引に係る独立企業間価格の検証資料に関して,具体的詳細な内容の説明をお願いしておりますので,関係者の手配をお願いします。」として,原告が締結したQ1に関する(省略)との契約や(省略)等が締結したとするロイヤリティに関する契約,Q1の著作権,Q10の仕様変更,(省略)原告の主張する独立企業間価格,顧客への販売価格,(省略)の関係等について資料の提出や説明等を求める「質問事項等」と題する書面(乙69)を送付した(甲10,乙114)。 (ウ) 本件調査担当者は,平成15年5月29日,原告に対する臨場調査を実施し,Q1の価格表(乙19),継続証明書(乙8)等の提出を受けるとともに,Q1の価格等について説明を受けた(甲129,乙97)。 (エ) 本件調査担当者は,平成15年6月9日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,(省略)とのQ1の価格交渉に関する平成9年6月 24日付け及び同年8月25日付けのレター(乙72,乙73),Q41と題する書面(甲76,乙93),その他の資料(甲71ないし75等)の提出を受けた(甲69,甲137,乙74,乙92,乙114)。 上記の(省略)とのQ1の価格交渉に関する平成9年6月24日付け及び同年8月25日付けのレター(乙72,乙73)には,(省略)が原告に対して既存の価格が前提としていた為替レートに比べて円が安くなったことを理由として,Q1の価格を(省略)するための価格交渉を行うことを提案していたところ,(省略)と原告との間でQ1の価格を15%値上げするという合意がされたことが記載されていた(乙72,乙73)。 本件調査担当者は,上記のレターでは るための価格交渉を行うことを提案していたところ,(省略)と原告との間でQ1の価格を15%値上げするという合意がされたことが記載されていた(乙72,乙73)。 本件調査担当者は,上記のレターでは交渉内容が明らかでなかったことから,当時の原告の経理部長に対し,上記のレター以外の価格設定に関する書類がないか等を質問したものの,存在しないとのことであった(乙74)。 (オ) 本件調査担当者は,平成15年6月18日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から, Q42と題する書面(乙104),「SEGMENTACCOUNTOF ♯505,♯508,♯510(DirectMailSales)FORFY2002」と題する書面(乙105),原告と(省略)との間のQ1購入契約に係る平成7年9月1日付けの契約書(Q1購入契約書。甲131),Q1購入契約書の付属書Aを平成9年9月1日付けで改訂したもの(甲132),Q43と題する書面(甲76,乙91),原告の経理部長が東京国税局に宛てた2002年(平成14年)6月6日付けの英文の文書(乙102),(省略)と(省略)との間のライセンス契約を提出できない旨の(省略)の原告の社長宛ての文書(乙103),その他の資料(乙104,乙105等)の提出を受けた(甲70,甲137,乙103)。 (カ) 本件調査担当者は,平成15年7月16日,原告に対する臨場調査を実施し,原告に対し,「1 既質問事項のうち平成15年6月30日現在,未回答となっている事項。」として,「1-1 租税特別措置法66条の4に定める独立企業間価格との検討について[平成15年4月1日質問事項]に関して提出された検証資料に係る具体的な説明」等と記載された同年6月30日付けの「質問事項の整理」と題する書面(乙70)を交付した(甲8 立企業間価格との検討について[平成15年4月1日質問事項]に関して提出された検証資料に係る具体的な説明」等と記載された同年6月30日付けの「質問事項の整理」と題する書面(乙70)を交付した(甲81,乙74,乙114)。 (キ) 本件調査担当者は,平成15年7月30日及び平成15年8月1日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,「PLONDM」と題する書面(乙116),平成12年11月1日付けのQ1の価格を改定した付属書Aを含む平成13年10月5日付けの「輸入貨物の評価(包括)申告書Ⅰ」と題する書面(甲133),合計23回分の取締役会(又は役員会等)の議事録,改訂版の製品価格リスト,「質問事項の整理」と題する書面(乙70)で提出を求められた資料の一部の提出を受けるとともに,原告に対し,「資料提出依頼書」と題する書面(甲60)を交付した(甲83,甲137,乙74,乙89,乙114,乙115)。 上記の合計23回分の取締役会(又は役員会等)の議事録には,Q1の価格に関する記載がなく,平成13年10月5日付け輸入貨物の評価申告書1にも,価格表,取引価格に関するレターはあるものの,取引価格の設定方法,算定根拠,価格交渉の有無については記載されていなかった(甲10,乙74,乙89,乙114)。 (ク) 本件調査担当者は,平成15年8月25日,原告に対する臨場調査を実施し,①原告の本件国外関連取引に係るセグメント別損益(Q1取引に係る損益),②(省略)の財務諸表に関し,売上げについての国別,取引先別,取扱製品ごとの資料及び売上原価についての売上原価明細,国別,取引内容ごとの取引先及び支払金額等を記載した資料,③(省略) の財務諸表,④Q1及びQ14の内容や相違点等の説明等を依頼する旨の「資料提出依頼書」と題する書面(甲61,乙9 原価明細,国別,取引内容ごとの取引先及び支払金額等を記載した資料,③(省略) の財務諸表,④Q1及びQ14の内容や相違点等の説明等を依頼する旨の「資料提出依頼書」と題する書面(甲61,乙94)を交付するとともに,その際に原告から提出を受けた「1996年7月26日付のZ12と(省略)のライセンス契約の要約」と題する書面(乙51)について,その原本を提出するように求めた(甲130,甲137,乙107,乙114)。 (ケ) 本件調査担当者は,平成15年8月27日,原告から,Q44と題する書面,Q45と題する書面,Q46と題する書面,Q47と題する書面等の資料の送付を受けた(甲137,乙75,乙114)。 (コ) 本件調査担当者は,平成15年8月29日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,「Q1の商品開発の経緯と将来」と題する書面,原告が(省略)に提出している月次報告書の写し(甲95の1ないし6),その他の資料提出と説明を受けたが,原告に対し,原告が独立企業間価格による取引であると主張する本件国外関連取引に係るQ1の取引と,その比較対象取引であるとするQ14の取引では,仕入形態や販売方法等において大きく機能が異なっており,原告の主張する独立企業間価格が適当であるか判断できないため,措置法66条の4第9項の規定に基づく同業他社からの情報収集を行うことを検討している旨を伝達した(乙95,乙114)。 サ本件調査担当者は,平成15年9月5日,原告に対する臨場調査を実施し,原告から,同年5月9日に提出されたものとほぼ同内容の「Z6 価格設定に関する説明資料」と題する書面(乙71),Q1とQ14の契約の相違点を記載した文書(甲97の1及び2,甲137),その他の資料(甲96)の提出と,これらについての説明を受けたものの,措置法66 設定に関する説明資料」と題する書面(乙71),Q1とQ14の契約の相違点を記載した文書(甲97の1及び2,甲137),その他の資料(甲96)の提出と,これらについての説明を受けたものの,措置法66条の4第9項の規定に基づいて,非公開情報を収集する旨告知するとともに,追加して資料の提出や説明をするように求めた(甲28,甲92,甲 137,乙54,乙85,乙114,証人Z7・2頁。なお,原告は否定するものの(原告準備書面(15),甲28,甲137),上記の平成15年9月5日の臨場調査の際,本件調査担当者において,原告の担当者に対し,措置法66条の4第9項の規定に基づいて同業者の情報を収集して利益率を調べることや,非公開情報を収集する旨の発言はあったものと認めることができる。)。 (8) 原処分行政庁による措置法66条の4第9項の規定に基づく調査の概要(証人Z3・8頁以下,証人Z4・3頁以下)ア東京国税局の本件調査担当者の一人であるZ3調査官は,平成15年9月16日,ホームページからC社の事業概要,販売する商品の内容及びアフターフォローサービスの内容等の情報を収集した(乙48)。 イ Z3調査官は,平成15年9月19日,ホームページからA社の事業概要,販売する商品の内容及びアフターフォローサービスの内容等の情報を収集した(乙48)。 ウ Z3調査官は,平成15年11月10日,A社の所管税務署から,本件各事業年度に近接するA社の6事業年度(A社各年度)分の法人税確定申告書,貸借対照表,損益計算書,勘定科目内訳明細書及び事業概要,取引概要,資本関係等を確認できる書類の非公開の部内資料の写しを入手した(乙48)。 エ東京国税局の職員は,平成15年11月20日,ホームページからB社の事業概要,販売する商品の内容及びアフターフォ 概要,資本関係等を確認できる書類の非公開の部内資料の写しを入手した(乙48)。 エ東京国税局の職員は,平成15年11月20日,ホームページからB社の事業概要,販売する商品の内容及びアフターフォローサービスの内容等の情報を収集した(乙49)。 オ東京国税局の職員は,平成15年11月28日,B社の所管税務署から,本件各事業年度に近接するB社の6事業年度(B社各年度)分の法人税確定申告書,貸借対照表,損益計算書,勘定科目内訳明細書及び事業概要,取引概要,資本関係等を確認できる書類の非公開の部内資料の写しを入手 した(乙49)。 カ Z3調査官は,平成15年12月5日,Z5専門官と共に,A社の本店事務所に臨場し,A社の代表取締役,経理担当者及び関与税理士と面接するなどして,A社の代表取締役からの説明や提示された資料等により,①取扱商品,②教材ごとの売上高,仕入高及び外交員報酬の金額,③仕入先とA社との関係(資本関係,役員関係等の有無),④教材を購入した顧客が希望により加入する会員制アフターフォローサービス(A社アフターサービス)の概要,⑤外交員報酬の報酬体系,支払方法,⑥販売促進方法の概要等を中心に情報収集を行った(乙48)。 キ Z3調査官は,平成15年12月8日,C社の所管税務署から,本件各事業年度に近接するC社の6事業年度(C社各年度)分の法人税確定申告書,貸借対照表,損益計算書及び勘定科目内訳明細書,事業概要,取引概要,資本関係等を確認できる書類等の非公開の部内資料の写しを入手した(乙48)。 ク原処分行政庁は,平成16年1月21日,B社に対し,照会書を送付し,①教材の仕入れに関して,パンフレット及び価格表等の送付,商品別の仕入先及び仕入割合等の記載,仕入先との資本関係,役員の兼務,その他特殊の関係の有無の記載 年1月21日,B社に対し,照会書を送付し,①教材の仕入れに関して,パンフレット及び価格表等の送付,商品別の仕入先及び仕入割合等の記載,仕入先との資本関係,役員の兼務,その他特殊の関係の有無の記載,主たる商品の仕入価格及び販売価格の記載,②外交員への報酬の支払に関して販売手数料規程の写しの送付,B社の損益計算書に表記された外交員報酬に係る勘定科目以外の支払の有無とその内容及び金額等の記載,外交員の訪問先の把握方法の記載,③訪問販売に係る広告宣伝及び販売促進に関して,具体的内容及び外交員が負担する費用の有無とその金額及び基準等の記載,④訪問販売に係る財務データのB社各年度分の作成を依頼した(乙49)。 ケ Z3調査官は,平成16年1月30日,Z5専門官と共に,C社の本店事務所に臨場し,C社の代表取締役,取締役経理部長及び経理課長と面接 するなどして,C社の代表取締役からの説明や提示された資料等により,①取扱商品,②教材ごとの売上高,仕入高及び外交員報酬の金額,③仕入先とC社との関係(資本関係,役員関係等の有無),④教材を購入した顧客が希望により加入する会員制アフターフォローサービス(C社アフターサービス)の概要,⑤外交員報酬の報酬体系,支払方法,⑥販売促進方法の概要等を中心に1回目の情報収集を行った(乙48)。 コ原処分行政庁は,平成16年2月9日,B社から,同年1月21日に送付した前記クの照会に対する回答を受領した(乙49)。 サ Z3調査官は,平成16年3月4日,Z5専門官と共に,C社の本店事務所に臨場して,2回目の情報収集を行った(乙48)。 シ Z3調査官は,平成16年3月5日,Z5専門官と共に,C社の本店事務所に臨場して,3回目の情報収集を行った(乙48)。 ス平成16年7月から本件調査への関与を開始したZ4・ った(乙48)。 シ Z3調査官は,平成16年3月5日,Z5専門官と共に,C社の本店事務所に臨場して,3回目の情報収集を行った(乙48)。 ス平成16年7月から本件調査への関与を開始したZ4・専門官は,平成16年9月17日,Z12専門官と共に,B社の本店事務所に臨場し,B社の専務取締役及び関与税理士と面接するなどして,情報収集を行った(乙49,証人Z4・3頁)。 (9) 本件各更正処分等ア原処分行政庁は,平成16年11月24日,原告に対し,本件各更正処分等をした(前提事実(3)エ)。 イ本件各更正処分に係る本件各通知書(甲3ないし8)には,更正の理由として,①(省略)が措置法施行令39条の12第1項2号に規定する原告の国外関連者に当たること,②本件各更正処分の対象とした国外関連取引は,原告が(省略)との間で行った訪問販売に用いる子供向け英語教材の輸入取引であること,③独立企業間価格の算定方法について,措置法66条の4第2項1号ロに規定する再販売価格基準法を採用したこと,④措置法施行令39条の12第6項に規定する比較対象取引として,原告と類 似の子供向け教材を非関連者から購入して原告と同様に非関連者である個人消費者に訪問販売している同業者3社の取引を選定したこと,⑤措置法66条の4第2項1号ロに規定する通常の利益率は,上記④の比較対象取引の売上総利益率に,原告と当該比較対象取引とが売手の果たす機能その他において差異があるので,その差異について必要な調整(○a原告と比較対象取引とは,訪問販売に関連する外交員報酬,広告宣伝費及び販売促進費の支出状況に差異があり,それらの差異は売上総利益に影響を及ぼすものと認められるので,原告と比較対象取引との間でそれらの費用の合計額が売上高に占める割合の差を,比較対象取引の売上総利 及び販売促進費の支出状況に差異があり,それらの差異は売上総利益に影響を及ぼすものと認められるので,原告と比較対象取引との間でそれらの費用の合計額が売上高に占める割合の差を,比較対象取引の売上総利益率から控除した。 ○b原告と比較対象取引とは,訪問販売に関連するロイヤリティの支払状況に差異があり,それらの差異は売上総利益に影響を及ぼすものと認められるので,原告と比較対象取引との間でそれらの費用の合計額が売上高に占める割合の差を,比較対象取引の売上総利益率に加えた。○c原告と比較対象取引とは,仕入代金の支払猶予期間に差異があり,それらの差異は売上総利益に影響を及ぼすものと認められるので,比較対象取引の支払猶予期間が原告と同じであると仮定した場合の支払代金の増減見積額が比較対象取引の売上高に占める割合を,比較対象取引の売上総利益率から控除した。)を加えた後の割合としたこと,⑥原告の国外関連取引に係る資産の再販売価格(具体的な金額)から,同金額に通常の利益率を乗じて算出した通常の利潤の額(具体的な金額)を控除して独立企業間価格(具体的な金額)を算定したこと(国外関連取引に係る資産の再販売価格,比較対象取引の売上総利益率,前記○aの差異調整,前記○bの差異調整,前記○cの差異調整,通常の利益率,通常の利潤額,独立企業間取引の具体的な金額や割合),そして,⑦当該事業年度における原告の(省略)との間の国外関連取引について原告が支払う対価の額が措置法66条の4第1項に規定する独立企業間価格を超えていることから,当該国外関連取引が独立企業 間価格で行われたものとみなして原告の所得金額を再計算した結果,原告が売上原価に計上した上記国外関連者への対価の額(具体的な金額)と上記⑥で算定した独立企業間価格(具体的な金額)との差額(具体的な金 間価格で行われたものとみなして原告の所得金額を再計算した結果,原告が売上原価に計上した上記国外関連者への対価の額(具体的な金額)と上記⑥で算定した独立企業間価格(具体的な金額)との差額(具体的な金額)を国外関連者への所得移転額として当期の所得金額に加算したこと,その他,これに伴う繰越欠損金の増減や事業税の損金算入等が記載されていた(甲3ないし8)。 2 移転価格税制の概要内国法人の各事業年度の所得の金額は,当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額であるとされるところ(法人税法22条1項),法人が,昭和61年4月1日以後に開始する各事業年度において,当該法人に係る国外関連者(外国法人で,当該法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式の総数の100分の50以上を直接又は間接に保有する関係など特殊の関係のあるもの)との間で資産の販売,資産の購入,役務の提供その他の取引を行った場合に,当該取引(国外関連取引)につき,当該法人が当該国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格(当該取引が特殊の関係にない者(非関連者)の間で同様の状況の下で行われた場合に成立するであろう合意に係る価格)に満たないとき,又は当該法人が当該国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超えるときは,当該法人の当該事業年度の所得に係る法人税法その他法人税に関する法令の規定の適用については,当該国外関連取引は,独立企業間価格で行われたものとみなされる(措置法66条の4第1項)。この場合における国外関連取引の対価の額と当該国外関連取引に係る独立企業間価格との差額は,法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されない(同条4項)。 なお,措置法66条の4第1項の移転価格税制の規定は,移転価格の問題を放置することには適正 係る独立企業間価格との差額は,法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されない(同条4項)。 なお,措置法66条の4第1項の移転価格税制の規定は,移転価格の問題を放置することには適正かつ公平な課税の見地から問題があること,及び,諸外国においては既に移転価格税制が整備されていることに鑑みて,我が国におい ても,諸外国と共通の基盤に立って,特殊の関係のある企業の間の取引を通じた所得の海外移転に対処し,各国家の課税権の適切な調整を図り,もって適正な国際課税を実現するために規定されたものである。そうすると,我が国の移転価格税制の規定の解釈適用に当たっては,我が国の移転価格税制が独立企業原則という諸外国の移転価格税制と共通の基礎に立脚するものであることに配慮しなければならないのであって,具体的には,我が国の移転価格税制と諸外国の移転価格税制との間の整合性を確保するため,独立企業原則の見地から独立企業間価格の算定に当たり考慮すべき事項及び採り得る手段について記載している経済協力開発機構租税委員会の「移転価格と多国籍企業」と題する報告書(1979年(昭和54年)5月16日)及び同報告書の各章を1995年(平成7年)以降順次改訂したものである「多国籍企業と税務当局のための移転価格の算定に関する指針」(以下「OECDガイドライン」という。)の記載を踏まえてしなければならないというべきである(旧事務運営指針1-2(3)参照)。 また,移転価格の問題は多国籍企業による租税回避の問題であることも少なくはないが,独立企業原則は,移転価格税制が租税回避の防止に用いられることはあるものの,特定の額の対価を支払うという当事者間の契約上の義務や租税の負担を軽減しようという当事者の意図の有無にかかわらず,現実の対価の額を独立企業間価格に修正するも 回避の防止に用いられることはあるものの,特定の額の対価を支払うという当事者間の契約上の義務や租税の負担を軽減しようという当事者の意図の有無にかかわらず,現実の対価の額を独立企業間価格に修正するものであるから,法人が租税回避の目的をもって移転価格を設定したことは移転価格税制の適用要件とはならない。 その他,措置法66条の4第1項は,法人が国外関連者との間で独立企業間価格と異なる対価で取引(国外関連取引)をした場合には,その取引は独立企業間価格で行われたものとみなして法人税関係法令を適用するものと定めているが,この規定によれば,法人は,その国外関連取引の対価が独立企業間価格と異なる場合には,独立企業間価格で申告しなければならないことになるのであり,このことからすれば,我が国の移転価格税制は申告調整型の制度である ということができる(乙119)。 3 措置法66条の4第2項に基づく課税処分の適法性(本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定及び国外移転所得の額の算定の適否)(1) 本件国外関連取引に係る棚卸資産(Q1)の再販売価格の算定の適否原処分行政庁は,措置法66条の4第2項1号ロの規定する再販売価格基準法に基づいて本件国外関連取引の独立企業間価格を算定し,この額を本件国外関連取引における対価の額(本件支払対価の額)が超えているとして,本件各更正処分を行っているところ,再販売価格基準法は,国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(再販売価格)から通常の利潤の額(当該再販売価格に通常の利益率を乗じて計算した金額をいう。)を控除して計算した金額をもって独立企業間価格(当該国外関連取引の対価の額)とするものであるから,本件国外関連取引の独立企業間価格を算定するためには, その前 の利益率を乗じて計算した金額をいう。)を控除して計算した金額をもって独立企業間価格(当該国外関連取引の対価の額)とするものであるから,本件国外関連取引の独立企業間価格を算定するためには, その前提として,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1を国内の非関連者に販売した対価の額(Q1の再販売価格)を明らかにする必要がある。 この点,原処分行政庁が,本件各事業年度においてQ1を販売した対価について,Q1取引とQ12取引とを一の取引とはみず,また,原告の帳簿に記載されたQ1取引に係る売上金額から,国内非関連者から仕入れたQ11の売上げに相当する部分を除外して,Q1の再販売価格を算定したのに対し,原告は,Q1取引とQ12取引とを一の取引とみて再販売価格を認定すべきであり,また,原処分行政庁の行ったQ11の売上げに相当する部分の除外方法が合理的でないと主張している。 ア Q1取引とQ12取引(役務提供取引)とを一の取引とみないことの適否(ア) 原処分行政庁がQ1取引とQ12取引とを一の取引とみずに本件国外関連取引の独立企業間価格の算定を行っているのに対し,原告は, 主として,Q12のサービスは,Q1の使用を通じた英語習得のために必要なサポート業務であること,原告が顧客に提供しているのは,Q15というインプットとアウトプットが一体となって初めて成果が上がる継続的な英語学習方法であること,Q1とQ12は,その機能が「Q15」として不可分の関係にあり,マーケティングも販売も同時に行われていること,原告の経理上も,Q1取引とQ12取引が区別されていないことなどを理由として,本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定はQ1取引とQ12取引とを一の取引とみた上で行うべきであると主張する。 (イ) 独立企業間価格の算定は,原則として,取 れていないことなどを理由として,本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定はQ1取引とQ12取引とを一の取引とみた上で行うべきであると主張する。 (イ) 独立企業間価格の算定は,原則として,取引単位で行われるべきであり,納税者による取引の方法を尊重する必要はあるものの,納税者が複数の取引を一体のものとして取り扱っている場合でも,それが独立企業間価格の算定方法に適合しない場合には,これを区分して一部の取引について独立企業間価格を算定すべきであり,一方で,個々の取引が密接に結びついているか又は継続的に行われているため,別々には適正に評価することができない場合には,これら個々の取引を一の取引とした上で,独立企業間価格を算定すべきであると解するのが相当である。 そして,上記の個々の取引が密接に結びついているか又は継続的に行われているため,別々には適正に評価することができない場合に当たるかどうかの判断は,単に,事実として個々の取引が密接に結びついているかや,継続的に行われているかという点から行うべきではなく,これが国外関連取引に係る独立企業間価格の算定に関するものである以上,国外関連取引に係る棚卸資産の価格設定に影響を与えているか否かを重要な要素として判断するのが相当である(旧措置法通達66の4(3)-1,OECDガイドライン(パラグラフ1.36,1.42,1.43,1. 64参照)。 (ウ) 前記認定事実によれば,①原告が,Q1とQ12が一体となってQ15という幼児向け英語学習のメソッドを構成していることを前提として(認定事実(3)ア(エ),イ(イ),(5)ア(ウ)a,b,イ(ア)),Q2等が使用されたQ1の販売について許諾を与えている(省略)から,Q1とQ12を同時に販売することの許諾を受けた上(認定事実(2)エ(ア)f, (エ),イ(イ),(5)ア(ウ)a,b,イ(ア)),Q2等が使用されたQ1の販売について許諾を与えている(省略)から,Q1とQ12を同時に販売することの許諾を受けた上(認定事実(2)エ(ア)f,(イ)e),アドバイザーにより,Q1とQ12が共に記載されたQ15を説明する顧客パンフレットやポスターを使用し,Q1とQ12がQ15として一体のものであるとして,Q1の販売とQ12への入会の勧誘を同時に行っていること(認定事実(3)ア(ア),(エ),イ(イ),(5)ア(ウ)a,b,イ(ア),エ(イ),(ウ),弁論の全趣旨),②顧客は,Q1を購入しなければQ12に入会することはできないところ,Q1を購入する者が同時にQ12に入会する場合,Q1の購入に係る申込書の必要箇所にその旨を記載してQ12の入会申込みをすることができ,この場合にはQ12の入会金の支払が免除されるほか,Q1の特別保証制度として,Q12の会員は,会員である限り,損傷したQ1の無償交換を受ることができるとされており,本件各事業年度においては,Q1を購入した顧客の(省略)がQ12に入会していること(認定事実(3)ア(オ),ウ(ア),(イ),(5)イ(イ),(ウ)),③原告は,当時の通商産業省から英語学習製品の販売と会員サービスプログラムとでは,必要とされる契約の解約条項が異なるため,これらを分離しなければならないという判断がされたため,一体の製品ではなく,Q1とQ12との契約を分けて販売等をしていたという経過があったこと(認定事実(5)エ(ア)),④Q12のイベント等において,Q1やQ3の楽曲が使用されているほか(認定事実(3)イ(イ)),Q12のプログラムの一つの卒業証書には,Q2等の一つであるQ30が使用されていること(認定事実(3)イ(イ)),⑤Q12で使われるガイドブッ の楽曲が使用されているほか(認定事実(3)イ(イ)),Q12のプログラムの一つの卒業証書には,Q2等の一つであるQ30が使用されていること(認定事実(3)イ(イ)),⑤Q12で使われるガイドブックや,入会プレゼントであるQ31,子供の 日プレゼント等のQ12関連商品が,Q1と同様に(省略)から購入されたものであること(認定事実(3)イ(ウ)),⑥Q1の販売価格の値下げに伴って,それを補填するために,Q12の会費の値上げが行われたことがあったこと(認定事実(2)オ(ア)),⑦原告の会計上,原告は全ての直接費用と間接費用がQ1取引とQ12取引で区分されていないこと(認定事実(5)エ(ア))などからすると,Q1取引とQ12取引は,その英語習得に係る商品内容や販売方法等において,強い関連性,連動性を有することは確かである。 (エ) しかしながら,前記(イ)で説示したとおり,独立企業間価格の算定において複数の取引を一の取引として取り扱うかどうかについては,国外関連取引の価格設定への影響の有無を重要な考慮要素として判断するのが相当であるところ,原告が特に強調するQ1とQ12の英語教育の方法としての強い関連性や連動性は,結局のところ,英語習得という観点から見てQ1による英語学習にはQ12のサポートがあった方が適当であるというものであって,Q1の取引価格の設定に関してそれぞれの取引が考慮されている関係にあることを示すものとはいえない。 また,前記認定のとおり,原告が,Q1とQ12が一体のものであるとして,Q1の購入とQ12への入会の勧誘を同時に行っており,Q12への入会はQ14取引の正規購入が条件とされていて,Q1の購入に加え,又は,同時にQ12に入会した場合,顧客に一定の利点があることのほか,当時の通商産業省からQ1とQ12とを一体と っており,Q12への入会はQ14取引の正規購入が条件とされていて,Q1の購入に加え,又は,同時にQ12に入会した場合,顧客に一定の利点があることのほか,当時の通商産業省からQ1とQ12とを一体として契約を締結することが許されなかったという経過があることは確かであるが,一方で,Q1の購入者は,必ずQ12に入会しなければならないわけではなく,入会の意思表示は別途行われるものとなっており,原則として入会金の支払が必要になり(認定事実(3)ウ(ア),(5)イ(イ),(ウ),エ(ア)),現に,本件各事業年度においても,Q1を購入した顧客の約25%がQ 12に加入していないなど(認定事実(3)ウ(ア)),Q1の購入が直ちにQ12への入会に結びついているわけではないことからすると,結局,上記のような事情は,Q1の販売戦略やQ12の事業戦略の問題にすぎず,本件国外関連取引の対象となる棚卸資産であるQ1の価格がQ12取引を考慮して設定されていることの根拠となるものとは認められない。 さらに,前記認定のとおり,Q12のイベント等においてQ1やQ3の楽曲が使用されていることについては,特にZ2や(省略)との間の契約に基づくものではなく,事実上のものであると認められ,Q12のプログラムの一つの卒業証書にQ30のキャラクターが使用されているという点についても,ロイヤリティの対象とはされておらず(認定事実(3)イ(イ)),そもそも,Q12では,基本的に,Q1に使用されたQ2等とは異なるQ29等のキャラクターが使用されている(認定事実(3)イ(ア))。しかも,上記のようなQ12におけるQ2等の使用は,結局は,教育方法の関連性や連動性に係る事実というべきであり,前記のとおり,教育方法として関連性や連動性は,独立企業間価格の算定において複数の取引を一の取 上記のようなQ12におけるQ2等の使用は,結局は,教育方法の関連性や連動性に係る事実というべきであり,前記のとおり,教育方法として関連性や連動性は,独立企業間価格の算定において複数の取引を一の取引として取り扱うか否かという判断においては,それほど重要な要素とは解されない。 加えて,前記認定のとおり,Q1の販売価格の値下げに伴って,それを補填するために,Q12の会費の値上げが行われたことがあったとしても,それは,Q1の再販売価格の問題であって,本件国外関連取引の対象となる棚卸資産であるQ1の購入価格について,原告が一の取引であるとするQ12取引を考慮して価格設定が行われていることを示す事実であるとは認められない。Q12自体やQ12取引において(省略)から購入された商品が使用されているという点についても,これが本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の価格設定に影響を与えているのかは明らかではない。 その他,Q1に係る経費とQ12に係る経費を特に区別しないという原告の会計上の処理についても,これは原告の内部的な処理の問題であり,上記の原告の会計上の処理をもって直ちに本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定においてQ1取引とQ12取引とを一の取引とみるべきであるとまではいえない。 (オ) そして,前記認定のとおり,Q1は,絵本,CD,DVDを中心にその他カードやシール等を組み合わせてセットと呼ばれる単位で原告が販売する英語教材の総称であるのに対し(認定事実(2)ア(ア)),Q12は,電話レッスンのほか,通年日本各地で開催する各種のショー,Q13等で行われる夏の宿泊イベント,及びアメリカでのキャンプ等,約10種類にも及ぶ様々なイベントを中心とした英語教育に関連した役務提供であり(認定事実(3)ア),これらに係る取引内容は明 ショー,Q13等で行われる夏の宿泊イベント,及びアメリカでのキャンプ等,約10種類にも及ぶ様々なイベントを中心とした英語教育に関連した役務提供であり(認定事実(3)ア),これらに係る取引内容は明らかに異なっていること,価格設定の観点から見ても,Q12への加入が顧客の意思に委ねられる以上,Q1の販売だけで利益が確保できるよう販売価格(再販売価格)を設定していると考えるのが自然であること,Q1取引へのQ2等の使用に対する(省略)へのロイヤリティの支払も,Q1の売上高を基準に決められていること(認定事実(2)エ(ア)e,(イ)e,(ウ)b),アドバイザーに対しても,Q1を購入した顧客がQ12に入会した場合,格別の報酬(Q12ボーナス)が支払われることになっていること(認定事実(5)ア(ウ)d,(エ)e,(オ)c)なども併せ考えると,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の価格設定にQ12取引が影響を与えているとまでは認められず,Q1の仕入代金がQ12取引の原価であるという関係も認めることはできないから,Q1取引とQ12取引について,独立企業間価格の算定において,個別の取引で評価するよりも一の取引とみて評価する方が合理的である場合には当たらないものと認めるのが相当である。 (カ) 以上によれば,Q1取引とQ12取引を一の取引とみることはできず,これらを別々の取引として,本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定を行うのが合理的である。 なお,上記のとおり,本件国外関連取引の独立企業間価格の算定は,Q1取引とQ12取引を一の取引とはみずに行われるべきであることからすると,後記の本件比較対象取引の比較対象性の有無の判断においても,同様に,Q1取引とQ12取引が一の取引ではなく,別々の取引であることを前提として行うべきことになる ずに行われるべきであることからすると,後記の本件比較対象取引の比較対象性の有無の判断においても,同様に,Q1取引とQ12取引が一の取引ではなく,別々の取引であることを前提として行うべきことになる。 イ Q11の売上げに相当する部分の除外の適否(ア) 原告は,本件各事業年度において,平成14年8月期まではQ1のセットの一つであるQ5を構成する一部であるQ11を日本国内の非関連者である(省略)から仕入れ,(省略)から輸入した(仕入れた)商品と併せてQ1(Q5)として販売していたことから(前提事実(2)ア(イ),認定事実(2)ウ(イ)),Q1取引に係る売上金額には国内の非関連者から購入されたQ11の売上げに相当する部分が含まれていることになる。 したがって,国外関連者からの輸入取引である本件国外関連取引の独立企業間価格を算定する前提として,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を明らかにするためには,平成10年8月期から平成14年8月期までのQ1取引に係る売上金額の全体の金額からQ11の売上げに相当する部分を除外する必要がある。しかるに,原告は,その帳簿上,Q5のうちのQ11の売上金額と,その余の部分の売上金額を区別しておらず,これを直接認めるに足りる証拠もないことから,このQ11の売上げに相当する部分を合理的な方法により算定して除外する必要がある。 (イ) この点,証拠(甲2ないし10,甲12)及び弁論の全趣旨によれば,原処分行政庁は,本件各更正処分において,次のとおり,原告の帳 簿上のQ1取引に係る売上金額からQ11の売上金額に相当する部分を除外することにより,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算出したものと認めることができる。 すなわち,まず,(a)Q5・1組の販売価格に,Q5・1組の の売上金額に相当する部分を除外することにより,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算出したものと認めることができる。 すなわち,まず,(a)Q5・1組の販売価格に,Q5・1組の仕入価格のうちQ11・1個の仕入価格の占める割合(別表3の⑤欄)を乗じて,Q5・1組のうちに占めるQ11・1台当たりの販売価格相当額を算出した(別表3の⑥欄)。次に,(b)Q11の仕入代金の総額をQ11の仕入単価で除してQ11の仕入個数,すなわちQ11販売数量を算定した上で,これに上記(a)を乗じることによって,Q11の売上金額に相当する部分を算出した(別表3の⑦欄)。さらに,(c)上記(b)のQ11の売上金額に相当する部分を,原告の帳簿上のQ1取引に係る売上金額から除外して,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格(Q1取引に係る売上金額)を算出した(別表2の①欄ないし③欄)。なお,原処分行政庁は,Q1取引に係る棚卸資産であるQ1の原価についても,Q1取引に係る全体の売上原価の金額から,Q11の仕入金額を差し引くことにより算出している(別表2の⑥欄)。 (ウ) 上記のとおり,原処分行政庁は,Q5の仕入価格に占めるQ11の仕入価格の比率に基づいて,Q5の販売価格に占めるQ11の販売価格を算出し,これにQ11の販売数量を乗じて,Q11の売上げに相当する部分の金額を算出し,これを原告の帳簿上のQ1取引の売上金額から差し引くことにより,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算出しているところ,上記の計算方法は,原告の帳簿上のQ1の売上金額からQ11の売上げに相当する部分を除外する方法として,十分な合理性を有するものと認めることができる。 (エ) これに対し,原告は,上記の方法では,Q5に含まれるQ11の利益率とQ Q1の売上金額からQ11の売上げに相当する部分を除外する方法として,十分な合理性を有するものと認めることができる。 (エ) これに対し,原告は,上記の方法では,Q5に含まれるQ11の利益率とQ5のその余の部分の利益率が同じであることが前提となるとこ ろ,Q11は,Q2等が使用されていない単なる磁気カード読取機であり,これと,Q2等が使用されたQ10等のQ5のその余の部分との利益率が同一であることを前提とする計算は不合理であると主張する。 しかしながら,前記認定のとおり,Q11は,単独で存在する商品ではなく,Q5を構成するカード読取機であり,それのみでは使用することができず,単体での販売もしていないというものであり(認定事実(2)ウ(ア)),単独ではその機能(価値)が発揮されず,「Q5」として販売されて初めてその価値が客観的に明らかになるものであるから,Q11単体としての客観的価値はこれを明らかにすることができない。また,それ故に,原告の主張するようなQ2等の使用の有無による利益率の差を具体的に明らかにすることは不可能であることからすると,Q5の仕入価格に占めるQ11の仕入価格の割合に基づいてQ11の売上金額を算定することも,相応の合理性を有するものと考えられる。 (2) 通常の利潤の額(通常の利益率)の算定の適否ア措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いた課税処分の可否について(ア) 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて同条2項の規定する独立企業間価格を算定して課税処分をすることの可否a 租税特別措置法66条の4第9項は,国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は,法人が同条7項に規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示し,又は提 との可否a 租税特別措置法66条の4第9項は,国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は,法人が同条7項に規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示し,又は提出しなかった場合において,当該法人の各事業年度における国外関連取引に係る同条1項に規定する独立企業間価格を算定するために必要があるときは,その必要と認められる範囲内において,当該法人の当該国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む者に質問し,又は当該事業に 関する帳簿書類を検査することができる旨規定しているところ,原処分行政庁は,本件調査において,同項の規定する質問検査権を行使し,その結果を用いて本件国外関連取引に係る通常の利潤の額(通常の利益率)を算定し,本件各更正処分を行っている。 b この点,原告は,措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて同条2項の規定する独立企業間価格を算定して課税を行うことを許容する特段の法律の定めは存在せず,同項の規定する質問検査権の行使の結果を用いた課税を行うことができるのは,同条7項の規定する推定課税を行う場合に限られており,また,我が国では納税者の申告を前提として移転価格税制が組み立てられている以上,同条2項による課税は申告の際に納税者が用いることができる情報に基づくものでなければならないなどとして,同条9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて同条2項の規定する方法によって独立企業間価格を算定して課税処分をすることはできないと主張する。 c しかしながら,措置法66条の4第9項の「第7項に規定する」という文言は「帳簿書類又はその写し」という文言に係るものであって「場合」という文言に係るものとは解されないから,条文の規定上,同条9項の適用場面が同条7項の場合のみに限定され 「第7項に規定する」という文言は「帳簿書類又はその写し」という文言に係るものであって「場合」という文言に係るものとは解されないから,条文の規定上,同条9項の適用場面が同条7項の場合のみに限定されていると読むことはできない。そして,その他に同条2項の規定する方法により同条1項の独立企業間価格を算定する場合を除外するような文言はないことからすると,同条9項の「第1項に規定する独立企業間価格を算定するために」は,同条7項で規定されているいわゆる推定課税の場合のみを念頭に置いたものではなく,同条2項の規定する方法により独立企業間価格を算定する場合をも念頭に置いたものであると解するのが相当である。 また,そもそも,同条9項が設けられた趣旨は,移転価格税制が大 量かつ頻繁に行われている関係会社間の取引価格が正常な価格であるかを問題とする税制であり,その取引価格が正常な価格であるかを判断するためには,類似の事業を営む者から第三者との取引価格や利益率に関する情報を収集することが必要となるところ,通常の質問検査権に関する規定の下では,法人税の調査対象法人とその取引先を調査する権限しか認められておらず,取引関係のない者に対する調査権限までは認められないことから,移転価格税制の執行に不可欠である比較対象となり得る同業他社の法人等(当該国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む法人等)からの情報収集に法的根拠を与えたものであると解するのが相当である。そして,このような趣旨に鑑みると,税務職員が比較対象となり得る同業他社の法人等から収集した情報に基づいて同条2項の規定する方法によって独立企業間価格を算定することも認められているものと解するのが相当であり,同条9項の規定する質問検査権の行使の結果は同条7項の推定課税の場合にしか用いることができない 同条2項の規定する方法によって独立企業間価格を算定することも認められているものと解するのが相当であり,同条9項の規定する質問検査権の行使の結果は同条7項の推定課税の場合にしか用いることができないと解する理由はないというべきである。 d そうすると,原処分行政庁が措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて通常の利潤の額(通常の利益率)を算定したことをもって,本件各更正処分が違法であるということはできないというべきである。 (イ) 措置法66条の4第9項の適用要件の充足の有無a 次に,原告は,措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて同条2項の規定する方法によって独立企業間価格を算定して課税処分をすることができるとしても,憲法の定める適正手続の保障(憲法31条)や租税法律主義(憲法84条)からすると,課税処分において法の定める適正な手続が保障されるのは当然であり,法の定める要件に違反した課税処分は違法なものとして取消しを免れ 得ないところ,同条9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いてされた本件各更正処分は,同項の規定する要件を充足しない以上,当然に違法であると主張する。 b しかしながら,前記(ア)の判断において説示したとおり,措置法66条の4第9項は,移転価格税制の執行に不可欠である税務職員による比較対象法人に対する質問検査権を創設した規定であって,措置法66条の4の文言やその構造からしても,同条9項の規定する要件が同条2項の課税処分の要件であると解することはできない。 また,更正処分の取消訴訟においては,客観的な課税標準の有無が争われ,これについて完全な審査がされるのであるから,調査手続の単なる瑕疵は更正処分に影響を及ぼさないものと解すべきであり,調査の手続が刑罰法規に触 分の取消訴訟においては,客観的な課税標準の有無が争われ,これについて完全な審査がされるのであるから,調査手続の単なる瑕疵は更正処分に影響を及ぼさないものと解すべきであり,調査の手続が刑罰法規に触れ,公序良俗に反し又は社会通念上相当の限度を超えて濫用にわたる等重大な違法を帯び,何らの調査なしに更正処分をしたに等しいものとの評価を受ける場合に限り,その処分に取消原因があるものと解するのが相当であるから,措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の要件を充足しなかったとしても,直ちに,当該質問検査権の行使の結果を用いた更正が違法になるわけではない。 c そうすると,原処分行政庁が行った本件各更正処分の前提としてされた本件調査担当者による措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使について,同項の規定する要件を充足しないことを理由として本件各更正処分が違法であるとする原告の主張を採用することはできない。 なお,原告は,本件各更正処分の前提となった本件調査において,本件調査担当者の要求する膨大な資料を迅速に提出し,大量の質問に対して速やかに回答しており,措置法66条の4第9項の規定する質 問検査権の行使の要件である「国外関連取引にかかる独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類として財務省令で定めるもの又はその写しを調査対象法人が遅滞なく提示し,又は提出しなかった場合」には該当しないから,本件調査において行われた措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使は違法であると主張している。 しかしながら,前記認定のとおり,原告は,長期間にわたる本件調査において,本件調査担当者からの要望に可能な範囲で応えるように努力して資料を提出していたことは確かであるが(認定事実(7)),原告が原処分行政庁に提出したレターや り,原告は,長期間にわたる本件調査において,本件調査担当者からの要望に可能な範囲で応えるように努力して資料を提出していたことは確かであるが(認定事実(7)),原告が原処分行政庁に提出したレターや取締役会議事録等においても,本件国外関連取引におけるQ1の具体的な価格設定の方法は明らかでなく(認定事実(7)コ(エ),(キ)),これを示す直接的な資料は提出されなかったといわざるを得ない。また,前記認定のとおり,原告はQ14取引を内部比較対象取引として再販売価格基準法に準ずる(基本三法に準ずる)方法により独立企業間価格を算定し,本件国外関連取引における本件支払対価の額が上記の独立企業間価格を超えていなかったと主張して,その資料を提出していたところ(認定事実(7)ケ,コ(ア),サ),Q14取引はQ1取引との関係で比較対象性を有しないものと認めるのが相当であるから,上記の資料の提出によって,原告から同条7項に規定する帳簿類の提示等はされたということはできないし,これらの提出を期待することができる状況にもなかったということができる。その他,同条7項の規定する帳簿類は,納税者が現に所持するものに限られないものと解されるし,同条9項の規定は,納税者が努力義務を懈怠したことを理由として不利益を課するという規定ではないものと解されるから,納税者が努力義務を果たしたとしても,現に提出された資料によって独立企業間価格の算定を行うことができないのであれば,同項の規定する要件の充足は否定されないものと解するのが相当であるから, 本件各更正処分に関しては,措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の要件を充足する状況にあったものと認めるのが相当である。 しかも,仮に,本件各更正処分で前提となった税務調査(本件調査)において,措置法66の4第9項 66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の要件を充足する状況にあったものと認めるのが相当である。 しかも,仮に,本件各更正処分で前提となった税務調査(本件調査)において,措置法66の4第9項の規定する要件が充足されていなかったとしても,本件調査による同項の規定する質問検査権の行使が,刑罰法規に触れ,公序良俗に反し又は社会通念上相当の限度を超えて濫用にわたる等重大な違法を帯び,何らの調査なしに更正処分をしたに等しいものとの評価を受ける場合に当たるとは認められないから,同項の規定する質問検査権の行使の結果により本件各更正処分を行ったとしても,そのことを理由として本件各更正処分を違法とすることはできないというべきである。 イ選定された3つの取引(本件各比較対象取引)の比較対象性の有無及び差異調整の適否について(ア) 再販売価格基準法原処分行政庁は,本件国外関連取引について,措置法66条の4第2項1号ロの規定する再販売価格基準法によって独立企業間価格を算定し,これを本件国外関連取引における対価の額(本件支払対価の額)が超えているとして,本件各更正処分を行っているところ,再販売価格基準法は,国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を非関連者から購入した者(再販売者)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引に係る売上総利益率(当該再販売者の売上総利益の額,すなわち,当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額の当該収入金額の合計額に対する割合)を通常の利益率として(措置法施行令39条の12第6項),この売上総利益に係る利益 率に基づいて算定された価格,すなわち,国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者 額に対する割合)を通常の利益率として(措置法施行令39条の12第6項),この売上総利益に係る利益 率に基づいて算定された価格,すなわち,国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(再販売価格)から通常の利潤の額(当該再販売価格に上記通常の利益率を乗じて計算した金額)を控除して計算した金額をもって独立企業間価格とする算定方法であり(措置法66条の4第2項1号ロ),比較対象取引と,当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが,再販売者(売手)の果たす機能その他において差異がないことが必要とされる(措置法施行令39条の12第6項ただし書)。 したがって,独立企業間価格の算定において,ある非関連者間取引を比較対象取引とするためには,①当該非関連者間取引が,国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を非関連者から購入した者(再販売者)が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引であり,②当該非関連者間取引と,当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが,再販売者(売手)の果たす機能その他において差異がないことが必要となる。 そして,再販売価格基準法は,独立価格比準法のように比較対象取引の価格をそのまま独立企業間価格とはせず,一定期間にわたる類似取引における通常の利益率(具体的には売上総利益率に必要な差異調整を加えた割合)から独立企業間価格を算定するものであり,再販売取引に係る通常の利益率が,当該取引に係る棚卸資産等の種類そのものよりも,むしろ再販売者(売手)の果たす機能(及び負担するリスク)と密接に関係することに着目し,主として再販売者(売手)の果たす機能の類似性に基づいて独立企業 当該取引に係る棚卸資産等の種類そのものよりも,むしろ再販売者(売手)の果たす機能(及び負担するリスク)と密接に関係することに着目し,主として再販売者(売手)の果たす機能の類似性に基づいて独立企業間価格の算定をするものであるため,再販売価格基準法については,条文上も,独立価格比準法のように棚卸資産が「同種」(措置法66条の4第2項1号イ)のものに限定されておらず,「類 似」(措置法施行令39条の12第6項本文)のものでも足りるとされている一方,比較対象取引と国外関連取引に係る棚卸資産の買手がした再販売取引とが再販売者(売手)の果たす機能や負担するリスク等において差異がないことが重要となる。 また,比較対象取引と検証対象取引に係る棚卸資産の買手がした再販売取引とが再販売者(売手)の果たす機能その他において差異がある場合においても,その差異により生ずる売上総利益率の差につき適切な調整(差異調整)を行うことができるときには,必要な差異調整を加えた後の割合をもって通常の利益率とすることができるが(措置法施行令39条の12第6項ただし書),上記のような差異調整を行うことができない場合には,当該比較対象取引の売上総利益率に基づいて独立企業間価格を算定することはできないこととなる。 (イ) 原処分行政庁の行った比較対象取引の選定方法(本件選定方法)の合理性a 証拠(乙48,乙65,証人Z3・6頁)及び弁論の全趣旨によれば,原処分行政庁は,別紙6「被告の主張する独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定」の4項記載のとおりの方法(以下「本件選定方法」という。)により,Q1取引の比較対象取引として本件各比較対象取引を選定したものと認めることができる。 b この点,移転価格税制により比較対象取引を用いた課税処分がされ 方法(以下「本件選定方法」という。)により,Q1取引の比較対象取引として本件各比較対象取引を選定したものと認めることができる。 b この点,移転価格税制により比較対象取引を用いた課税処分がされた場合,当該比較対象取引の比較対象性の有無は,結局のところ,選定された当該比較対象取引が比較対象性を有しているか否かという問題に帰着し,選定方法が合理性を欠くことを理由として選定された比較対象取引の比較対象性が否定されることがあり得るとしても,それは,当該選定方法では比較対象性を有する取引を選定することがおよそ不可能な場合に限られるというべきである。したがって,例えば, ある選定方法によった場合,比較対象性を有する取引に加えて,これを有しない取引が比較対象取引として選定される可能性があるという場合であっても,最終的に比較対象性を有する取引が選定される可能性があるのであれば,上記のような選定方法によるものであったことをもって,直ちに選定された比較対象取引の比較対象性が否定されることにはならないというべきである。 c 上記の点を踏まえ,本件選定方法における母集団の選定に関して検討するに,そもそも,再販売価格基準法は,取引当事者の果たす機能や負担するリスクが重要視される算定方法であることから,比較可能性の判断においても,この機能やリスクを中心に検討することが有益である。そうすると,再販売価格基準法における比較対象取引の選定は,売手の果たす機能,リスクという点の類似性から比較対象取引を絞り込んでいくのが相当であり,具体的には,売手が行う事業活動の内容の類似性をまず問題とすべきであるところ,その観点から見た場合,原告は訪問販売という事業活動を営んでいるのであるから,これと同じ事業活動を行っているか否かという観点から母集団の選定を行った本件 内容の類似性をまず問題とすべきであるところ,その観点から見た場合,原告は訪問販売という事業活動を営んでいるのであるから,これと同じ事業活動を行っているか否かという観点から母集団の選定を行った本件選定方法は,相応の合理性を有しているというべきである。 この点,原告は,まず,①Q1取引は,Q15によりQ12と一体として提供されるべきものであり,このような商品とサービスの一体機能の全くない訪問販売だけを行う企業において,類似した取引を探し出すことは不可能であると主張するが,本件国外関連取引の独立企業間価格の算定において,Q1取引とQ12取引を一の取引とみるべきものではないことは,前記(1)アで説示したとおりであり,原告の上記主張は,その前提において,採用することができないものである。 また,②母集団に「「ネットワークビジネス企業売上高ランキング上位50社」(週刊エコノミスト平成15年8月26日号掲載,出所・ 2003年1月1日付け日本流通産業新聞)」が含まれていることについても,上記の50社が全て特商法33条の規定する連鎖販売取引(商品価値とは基本的に無関係に,商品の購入者である会員がピラミッド状の組織を構成し,会員は商品を購入して販売し,新規会員を増やすことで地位が上昇して上級会員となり,高額の利益配分を受け取るよう仕組まれているもの。甲39,甲58。)であると認めることはできないし(乙29,証人Z3・6頁以下),母集団に上記のような法人が含まれていることをもって,直ちに,本件選定方法によって適切な比較対象取引を選定することができないということはできず,本件選定方法によって選定された本件各比較対象取引がQ1取引との関係で比較対象性を欠くということはできない。その他,③インターネット上の検索エンジンで「幼児教育」かつ「教材」で ということはできず,本件選定方法によって選定された本件各比較対象取引がQ1取引との関係で比較対象性を欠くということはできない。その他,③インターネット上の検索エンジンで「幼児教育」かつ「教材」で検索して得られた法人を母集団に加えたこと自体,特に不合理なものということはできないし,被告が検索の結果抽出された法人が18社とされていることについて,原告が指摘するように通常想定されるよりも少ないものであったとしても,この事実から直ちに,本件選定方法が恣意的なものであるとか,あるいは,本件選定方法によって適切な比較対象取引を選定することができないとはいえず,本件選定方法によって選定された本件各比較対象取引がQ1取引との関係で比較対象性を欠くということはできないというべきである。 d 次に,本件選定方法においては,第1次絞り込み(一般に入手可能な公開情報に基づくもの)及び第2次絞り込み(原処分行政庁の部内資料及び措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使による情報収集によって得られた資料等に基づくもの)により,①関連者間取引を行っている法人,②製造又はサービスを主たる事業としている法人,③健康食品又は化粧品等の消耗品を主に取り扱っている法人, ④原則として,売上高が(省略)円未満の法人,⑤店舗販売を行っている法人,⑥調査対象期間(本件各事業年度)の損益データを収集できない法人,⑦主に百貨店,通信販売会社及び訪問販売会社に販売している法人,⑧主として通信販売を行っている法人を除外しているところ,上記①については,そもそも関連者間取引は,比較対象取引として不適格であること,上記②については,棚卸資産の製造やそれ自体ではサービスの提供を行っていないQ1取引とは大きく異なる機能を有していること,上記③については,健康食品又は化粧品 ,比較対象取引として不適格であること,上記②については,棚卸資産の製造やそれ自体ではサービスの提供を行っていないQ1取引とは大きく異なる機能を有していること,上記③については,健康食品又は化粧品等の単価の低い「消耗品」は,Q1のような単価の高い「耐久消費財」と比べて,その棚卸資産としての性格が明らかに異なること,上記④については,Q1取引の売上規模に比して売上高が相当少ないこと,上記⑤については,訪問販売であるQ1取引における原告とは,取引において果たす機能が大きく異なること,上記⑥については,本件各事業年度における売上総利益率等の算定ができないこと,上記⑦については,一般消費者に対する小売であるQ1取引とは取引段階が異なること,上記⑧については,訪問販売であるQ1取引とは売手の果たす機能が異なることからすると,上記①ないし⑧を除外する旨の第1次絞り込み及び第2次絞り込みの基準も,相応の合理性を有するものと認めるのが相当である。 この点,原告は,Q1取引においては,幼児教育の教材という商品の特殊性により,使用するキャラクター(無形資産)によって売上総利益率が大きく異なることからすると,同じ又はできるだけ類似したキャラクター(無形資産)を使用する取引を比較対象取引とする必要があるのに,本件選定方法では,使用するキャラクター(無形資産)の内容を全く検討していないとするが,前記のような再販売価格基準法の特性からすると,最も重視すべきなのは,取引段階や売手の果た す機能と解するのが相当であり,後記のとおり,使用する無形資産の同一性ないし類似性の有無については,選定された比較対象取引の比較対象性の検討において考慮されることになるし,一般的にいって,およそ差異調整が不可能なものであるとまで解することもできないから,本件選定方法 いし類似性の有無については,選定された比較対象取引の比較対象性の検討において考慮されることになるし,一般的にいって,およそ差異調整が不可能なものであるとまで解することもできないから,本件選定方法において,使用する無形資産の内容を比較対象法人の選定要素又は除外要素としなかったことをもって,直ちに,本件選定方法によって適切な比較対象取引を選定することができないとか,本件選定方法によって選定された本件各比較対象取引がQ1取引との関係で比較対象性を欠くということはできないというべきである。 また,原告は,本件選定方法の第1次絞り込み及び第2次絞り込みにおいて,一般的には売上規模(取引数量)は売上総利益率に影響を及ぼすと考えられ,売上高が原告と著しく異なる法人については比較対象法人として望ましくないとして,原則として売上高が(省略)円未満の法人を排除する一方で(証人Z3・7頁),教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人については売上高(省略)円未満のものを排除していないのは不合理であると主張する。これに対し,被告は,「教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人」は,英語教材の訪問販売であるQ1取引と最も「同種又は類似」である取引が含まれている可能性が高いから,これらの取引については,単純に売上高のみを理由として比較対象取引から除外することは適当ではなく,業務内容や損益に関する資料等を精査して比較対象性の有無を検討する必要があると判断したと主張している。被告の主張する内容自体は相応の合理性があるというべきであり,いずれにしても,本件選定方法によって選定された比較対象取引が比較対象性を有するか否かについては,別途検討(検証)されることからすると,結果的に選定された比較対象取引が売上規模(取引数量)の点からQ1取引との比較対象性を否定され された比較対象取引が比較対象性を有するか否かについては,別途検討(検証)されることからすると,結果的に選定された比較対象取引が売上規模(取引数量)の点からQ1取引との比較対象性を否定され る可能性があるとしても,比較対象取引を行う法人の選定の段階において,教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人については売上高(省略)円未満のものも排除していないことをもって,直ちに,本件選定方法によって適切な比較対象取引を選定することができないとか,本件選定方法によって選定された本件各比較対象取引がQ1取引との比較対象性を欠くということはできないというべきである。 e さらに,本件選定方法においては,上記の第2次絞り込みによって残った16社から,比較可能性が低い補正下着,呉服,宝飾品及び一般書籍等を販売する法人13社を除外するという第3次絞り込みがされているところ,上記列挙の各物品は,いずれも本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1とは明らかに種類が異なるものであって,類似するものともいえず,再販売者が得るマージン率がそもそも類似していない可能性が高いものと推認されることからすると,上記の第3次絞り込みも合理的なものと認めることができる。 f 以上によれば,本件選定方法が合理性を欠くものと認めることはできず,本件選定方法によって適切な比較対象取引を選定することができないとか,本件選定方法によって選定されたことをもって,本件各比較対象取引がQ1取引との比較対象性を欠くということはできないというべきである。 (ウ) 選定された本件各比較対象取引の比較対象性の判断方法(旧措置法通達66の4(2)-3の規定する「12のテスト」)a 再販売価格基準法は,比較対象取引の利益率を基礎として独立企業間価格を算定する方法であるから,そこで使用される比 較対象性の判断方法(旧措置法通達66の4(2)-3の規定する「12のテスト」)a 再販売価格基準法は,比較対象取引の利益率を基礎として独立企業間価格を算定する方法であるから,そこで使用される比較対象取引の比較対象性の有無の判断においては,利益率に差を生ずるような差異があるか,差異がある場合にはそれによって生ずる利益率の差について必要な調整をすることができるかを検討する必要がある(甲26, 甲29,甲119,乙1,乙17,乙47,乙110)。 b この点,措置法施行令39条の12第6項ただし書は,比較対象取引と当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引において,売手の果たす機能その他における差異がある場合には,通常の利益率とされる比較対象取引に係る再販売者の売上総利益の額の収入金額の合計額に対する割合は,その差異により生ずる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合とすると定めている。そして,「その差異」について調整を加えるというのではなく,「その差異により生ずる割合の差」について調整を加えると規定していることからすると,およそ全ての差異について差異調整を行う必要はなく,差異調整は,その差異が通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかである場合に行うべきことになり,これが明らかでない場合には,当該差異について調整を行う必要はないというべきである。その一方,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異が存在するという場合には,当該差異により生ずる売上総利益率の差について調整を行わなければならず,その差が明らかでないことなどにより差異調整ができないのであれば,当該比較対象取引に基づいて独立企業間価格を算定することはできないということになる(甲13,甲25,甲34 調整を行わなければならず,その差が明らかでないことなどにより差異調整ができないのであれば,当該比較対象取引に基づいて独立企業間価格を算定することはできないということになる(甲13,甲25,甲34,乙28,旧措置法通達66の4(2)-1(2))。 c このように,再販売価格基準法における比較対象取引の比較対象性の判断においては,国外関連取引に係る再販売取引と比較対象取引との間で,再販売業者が商品を再販売する取引における通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異があるか,差異がある場合にはそれにより生ずる売上総利益率の差について必要な調整をすることができるかが検討の対象となるところ,この検討に際しては, ①棚卸資産の種類,役務の内容等,②取引段階(小売又は卸売,一次問屋又は二次問屋等の別をいう。),③取引数量,④契約条件,⑤取引時期,⑥売手又は買手の果たす機能,⑦売手又は買手の負担するリスク,⑧売手又は買手の使用する無形資産(著作権,基本通達20-1-21に定める工業所有権等のほか,顧客リスト,販売網等の重要な価値のあるものをいう。以下同じ。),⑨売手又は買手の事業戦略,⑩売手又は買手の市場参入時期,⑪政府の規制,⑫市場の状況という12の要素を考慮要素とするのが相当である(旧措置法通達66の4(2)-3,乙47。なお,新措置法通達66の4(3)-3では,5つの要素が挙げられているが,これは12の要素を5つに整理したものと理解することができる。)。 そして,特に,再販売価格基準法が第三者間取引における再販売者の利益率を基礎として独立企業間価格を算定する方法であることからすると,比較対象取引の棚卸資産については,厳密に同種のものでなくても,性状,構造,機能等において類似するものであれば足りる一方,利益率に影 率を基礎として独立企業間価格を算定する方法であることからすると,比較対象取引の棚卸資産については,厳密に同種のものでなくても,性状,構造,機能等において類似するものであれば足りる一方,利益率に影響を及ぼし得る取引段階,再販売者が果たす機能(アフターサービス,包装,配達等を同じように行っているか。),再販売者が使用した商標等の価格への影響,取引市場という要素の識別及びその差異の調整の可否が重要となるものと解される(甲24,甲119,乙1,乙17,乙47)。 (エ) 選定された本件各比較対象取引の比較対象性(旧措置法通達66の4(2)-3の規定する「12のテスト」)と差異調整の適否a 被告の主張被告は,12のテストによりQ1取引と本件各比較対象取引とを比較すると,棚卸資産の種類,役務の内容等,取引段階,取引数量,取引時期,売手又は買手の負担するリスク,売手又は買手の事業戦略, 売手又は買手の市場参入時期,政府の規制,市場の状況においては,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異は認められず,契約条件,売手又は買手の果たす機能,売手又は買手の使用する無形資産においては,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異が認められるものの,これらにより生ずる売上総利益率の差は合理的に調整をすることができるから,再販売価格基準法による本件国外関連取引の独立企業間価格の算定において,本件各比較対象取引は,Q1取引との比較対象性を有するし,差異調整も適切に行われていると主張している。 以下,本件比較対象取引の比較対象性の有無に関し,Q1取引と本件比較対象取引の間に通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異が認められるか,これが認められるとして,それにより生ずる売上総利益率の差を合理的 比較対象性の有無に関し,Q1取引と本件比較対象取引の間に通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異が認められるか,これが認められるとして,それにより生ずる売上総利益率の差を合理的に調整(差異調整)することができるかについて検討するとともに,かかる差異調整の可否と関連する実際に行われた差異調整の適否についても検討する。 b 売手又は買手の果たす機能における差異の有無並びに差異調整の可否及び適否(a) 前記認定のとおり,原告は,幼児向け英語教材であるQ1について,日本国内で子供のいる家庭を対象として,原告と販売委任契約を締結したアドバイザーと称する外交員により,訪問販売を行っており,また,原告は,(省略)が開発及び製造したQ1の完成品を輸入(本件国外関連取引)しているが,その輸入した完成品を加工等せずに販売しており,製造機能を有していない(前提事実(2)ア(ア),認定事実(2)ア(イ),(5)ア)。 (b) 一方,被告の主張及び本件調査担当者の陳述等によれば,本件各比較対象法人は,本件各比較対象取引において,次のように棚卸資 産の販売を行っている。 ① A社は,子供を対象とした学習教材について,日本全国に支社,営業所,支店あるいは支所と称する外交員の拠点を置き,子供のいる家庭を対象とした外交員による戸別の訪問販売を行っている(乙48の4頁以下,証人Z3・9頁)。A社は,A社が情報誌や新聞に掲載した宣伝広告やA社のホームページを見て資料請求あるいはフリーダイヤルへの問合せをした購入見込客に対し,A社から商品パンフレット等の資料を送付するとともに,A社と代理店契約を締結した個人の外交員(A社外交員)が,見込客を個別に訪問して商品の購入の勧誘及び販売を行っているが,商品の売買契約は,A社と顧客との間で締結 フレット等の資料を送付するとともに,A社と代理店契約を締結した個人の外交員(A社外交員)が,見込客を個別に訪問して商品の購入の勧誘及び販売を行っているが,商品の売買契約は,A社と顧客との間で締結される(乙48)。売買契約を取り付けた外交員に対しては,代理店契約に基づく手数料が支払われており,当該手数料は,A社の「販売手数料一覧表」によると,商品の販売価格に商品別に区分して定められたマージン率を乗じて計算される(乙48)。A社の販売する棚卸資産は,絵本,テキスト,CD,ビデオ,絵が印刷されたカード,その他から構成される教材であるところ,当該教材は,日本国内の非関連者である仕入先が商品を開発及び製造するものであり,A社は,日本国内の非関連者である仕入先から仕入れた当該教材を加工等せずに販売しており,製造機能を有していない(乙48,証人Z3・9頁,11頁,37頁)。 ② B社は,子供を対象とした学習教材について,日本全国に支社,営業所,支店あるいは支所と称する外交員の拠点を置き,子供のいる家庭を対象とした外交員による戸別の訪問販売を行っている(乙49)。B社における教材の訪問販売は,B社の営業担当社員(B社社員外交員)及びB社と販売委託契約を締結した外交員 (B社個人外交員)によって行われているが,商品の売買契約は,B社と顧客との間で締結される(乙49,証人Z4・7頁)。売買契約を締結させた外交員等には,販売手数料規程に基づき,商品の販売実績に応じた販売手数料が支払われており,B社の販売手数料規程では,B社の外交員報酬(販売手数料)は,一定額の保証された金額と商品の販売実績に応じて逓増する歩合による金額の合計額となっており(乙49),B社社員外交員とB社個人外交員の違いはB社の社会保険等の制度への加入の有無である(乙4 )は,一定額の保証された金額と商品の販売実績に応じて逓増する歩合による金額の合計額となっており(乙49),B社社員外交員とB社個人外交員の違いはB社の社会保険等の制度への加入の有無である(乙49,証人Z4・7頁)。B社の販売する棚卸資産は,テキスト,発音カードとその専用読取機,CD,その他から構成される教材であるところ,当該教材は,日本国内の非関連者である仕入先が開発及び製造するものであり,B社は,日本国内の非関連者である仕入先から仕入れた当該教材を加工等せずに販売しており,製造機能を有していない(乙49,証人Z4・7頁)。 ③ C社は,子供を対象とした学習教材について,日本全国に支社,営業所,支店あるいは支所と称する外交員の拠点を置き,子供のいる家庭を対象とした外交員による戸別の訪問販売を行っている(乙48)。C社は,名簿収集会社から購入した名簿,同業者との提携により提供を受けた顧客リスト(C社同業者リスト)からアポイントメントを取り付けた見込客及びC社が新聞,雑誌,テレビに掲載した宣伝広告やC社のホームページを見て資料請求をした購入見込客を,C社と販売委託契約を締結した個人の外交員(C社個人外交員),C社と代理店契約を締結した法人に所属する外交員(C社代理店外交員)及び営業担当社員(C社社員外交員)が個別に訪問して商品の購入の勧誘及び販売を行っているが,商品の売買契約は,全てC社と顧客との間で締結される(乙48)。 商品の売買契約を締結させた外交員に対しては,個人であるC社個人外交員に対しては販売委託契約に基づき商品の販売価格に一定のマージン率を乗じた手数料が支払われ,C社代理店外交員に対しては,代理店契約に基づき,C社代理店外交員が販売した商品の販売価格に一定のマージン率を乗じた手数料がC社代理店外交員の所 売価格に一定のマージン率を乗じた手数料が支払われ,C社代理店外交員に対しては,代理店契約に基づき,C社代理店外交員が販売した商品の販売価格に一定のマージン率を乗じた手数料がC社代理店外交員の所属する法人に対して支払われ,C社社員外交員に対しては,給与規程に基づき,固定給と商品の販売価格に一定のマージン率を乗じた歩合給の合計額が支払われる(乙48)。C社の販売する棚卸商品は,絵本,CD,ビデオ,発音カードとその専用読取機,その他から構成される教材であるところ,当該教材は,日本国内の非関連者である仕入先が開発及び製造したものであり,C社は,日本国内の非関連者である仕入先から仕入れた当該教材を加工等せずに販売しており,製造機能を有していない(乙48,証人Z3・9頁)。 (c) 上記(a)及び(b)によれば,Q1取引におけるQ1の販売方法と本件各比較対象取引における教材の販売方法は,いずれも外交員による戸別の訪問販売であること,Q1と本件各比較対象取引の棚卸資産である教材は,いずれも仕入先が開発し製造したものであり,原告及び比較対象法人はいずれも製造機能を有していないことからすると,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,売手の果たす機能において,本質的な差異があるとは認められないというべきである。 これに対し,原告は,まず,被告の主張及び本件調査担当者の陳述等を前提としても,①本件比較対象法人のうち,A社とC社については,売上原価に外交員報酬が含まれていること(甲21,甲22),②B社については,売上原価に外交員報酬は含まれていないが,イベントに係る原価が含まれており(乙52),B社の顧客リ ストは,B社が管理せず,外交員が独自に開拓し,作成していること(乙49),③C社については,外交員報酬から信販手数料が控除されている ントに係る原価が含まれており(乙52),B社の顧客リ ストは,B社が管理せず,外交員が独自に開拓し,作成していること(乙49),③C社については,外交員報酬から信販手数料が控除されていること(乙52),④A社についても,顧客が信販会社を利用した分割払を選択した場合には,信販会社から一定の金員が支払われていること(乙52),⑤Q1取引では,Q1を購入した顧客の(省略)は一括払としているのに対し,本件各比較対象取引では,A社においては顧客の約80%,B社においては顧客の約97%から98%,C社においては顧客の97から98%と,教材を購入したほとんど全ての顧客が信販契約による分割払としていること(乙52)などを理由として,本件各比較対象取引について,マルチ商法(甲39,甲58)であるとか,そうでないとしても,実質的にマルチ商法であるとした上,そうすると,本件各比較対象取引は,小売であるとともに,卸売でもあるとして,Q1取引とは取引段階において差異があると主張する。この点,確かに,一般にマルチ商法として知られるビジネスモデルの場合,商品販売に係る売上総利益率の部分には,ピラミッド状の会員組織における上部の会員に対する利益分配に充当される利益が含まれてしまうため,Q1取引とは売手の果たす機能に関して通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異があるというべきであるが,本件調査担当者の陳述等によれば,本件各比較対象法人が上記のようなマルチ商法による販売を行っていないことを,その業務委託契約書や販売手数料規定,B社の給与規定等により確認しているとされており(乙48,乙49,乙114,証人Z3・9頁,証人Z4・7頁),本件調査担当者は,B社が顧客リストを管理していないなどとは陳述しているわけでもないことからすると(乙4 により確認しているとされており(乙48,乙49,乙114,証人Z3・9頁,証人Z4・7頁),本件調査担当者は,B社が顧客リストを管理していないなどとは陳述しているわけでもないことからすると(乙49),原告の主張する会計処理の方法や顧客リストの把握の有無等をもって,本 件各比較対象取引が,原告の主張するようなマルチ商法であるとまでは認められず,本件各比較対象取引が連鎖販売取引に当たるとか,実質的に連鎖販売取引に当たる(商品販売に係る売上総利益率に,ピラミッド状の会員組織の上部の会員に対する利益分配に充当される利益に係る部分が含まれる)とまでは認められない。 次に,原告は,本件各比較対象法人が棚卸資産の製造機能を有していないという点について疑問を呈し,本件各比較対象取引がマルチ商法であることや,商品に付されたキャラクターや仕入先が開発したという学習メソッド等を含む無形資産が関係する取引であるにもかかわらず,いずれについてもロイヤリティの支払やライセンス契約の締結がされていないこと,本件各比較対象法人が製造業に適用がある原価計算基準を採用していることなどから,商品の購入元とする法人とは一般の製品受託製造の委託者と受託者の関係にあるとしているが,本件各比較対象取引が連鎖販売取引に当たるとか,実質的に連鎖販売取引に当たる(商品販売に係る売上総利益率には,ピラミッド状の会員組織の上部の会員に対する利益分配に充当される利益に係る部分が含まれる)とは認められないことは,前記説示のとおりであり,その余の原告の指摘する点を踏まえても,本件各比較対象法人が本件各比較対象取引に係る棚卸資産を製造委託していたとまでは認められず,原告の主張はにわかに採用することはできない。 さらに,原告は,原告のアドバイザーによるQ1の販売マニュアルである 対象法人が本件各比較対象取引に係る棚卸資産を製造委託していたとまでは認められず,原告の主張はにわかに採用することはできない。 さらに,原告は,原告のアドバイザーによるQ1の販売マニュアルである原告セールスマニュアルには(省略)など,アメリカのマニュアルを移植したものであることをうかがわせる記載があることや,外交員に関する複雑な報酬体系等から,Q1の販売方法は原告が開発したものではなく,(省略)が開発したものであるとして, 売手の果たす機能の違いが顕著であるとも主張するが,Q1購入契約においては,Q1の販売方法を(省略)が原告に提供する旨の条項がないこと(認定事実(2)イ(ア)),原告セールスマニュアルが原告名で作成されていること(認定事実(5)ア(ウ)),その他,本件調査や本件各更正処分等に対する不服申立ての手続においても,原告が本件調査担当者に対してQ1の販売方法を(省略)等が開発したものであるとの説明をしたと認めるべき証拠もないことからすると,そもそも,Q1の販売方法を(省略)等が開発したということ自体が明らかでない。仮に昭和52年から本邦で行っているQ1の販売方法(認定事実(1),(2)ア(イ))が原告において開発したものではなかったとしても,それから本件各事業年度までに20年以上が経過していることからすると,この事実をもって,売手の果たす機能において,Q1取引と本件各比較対象取引との間に,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異があると認めることはできない。 (d) 前記のとおり,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,売手の果たす機能において,本質的な差異があるとは認められないものの,Q1取引と本件各比較対象取引の間には,売主又は買手の果たす機能に関する差異として,広告宣伝の方法及び内容や外 較対象取引とでは,売手の果たす機能において,本質的な差異があるとは認められないものの,Q1取引と本件各比較対象取引の間には,売主又は買手の果たす機能に関する差異として,広告宣伝の方法及び内容や外交員の構成及び報酬制度の差異があり,この差異はそれぞれの取引の売上総利益率に影響を及ぼすことが客観的に明らかなものというべきであるから(乙59,証人Z3・12頁,21頁),Q1取引と本件各比較対象取引との間には,売手の果たす機能において,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異があるものと認められる。 (e) 上記のとおり,Q1取引と本件各比較対象取引の間には,売手の 果たす機能において,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異が認められるから,本件各比較対象取引がQ1取引との関係で比較対象性を有するといえるためには,上記の差異により生ずる売上総利益率の差について調整が可能であることが必要となるところ,被告は,このQ1取引と本件各比較対象取引との間の売手の果たす機能の差異により生ずる売上総利益率の差について,広告宣伝費と外交員報酬という販売経費の売上金額に対する割合の差により調整することができるとしている(被告は,販売経費率の差による調整について,専ら使用する無形資産の差異により生ずる売上総利益率の差の調整のために行ったものであるかのように主張しているが(被告準備書面(5),被告準備書面(11),被告準備書面(13)),当初の被告の主張(被告準備書面(1),被告準備書面(2),被告準備書面(4))及び本件調査担当者の供述(証人Z3・11頁以下)の内容に加え,訪問販売業の特徴を販売経費率の調整の根拠としていること(被告準備書面(6))などからすると,売手の果たす機能の差異により生ずる売上総利 び本件調査担当者の供述(証人Z3・11頁以下)の内容に加え,訪問販売業の特徴を販売経費率の調整の根拠としていること(被告準備書面(6))などからすると,売手の果たす機能の差異により生ずる売上総利益率の差の調整のためにも行ったものであると認められる。)。 (f) そこで検討するに,まず,比較対象取引との間に機能又はリスクに係る差異があり,その機能又はリスクの程度を国外関連取引及び比較対象取引の当事者が当該機能又はリスクに関し支払った費用の額により測定できると認められる場合でも,当該費用の額が当該国外関連取引及び比較対象取引に係る売上又は売上原価に占める割合を用いて調整することは可能であるとされている一方(新事務運営指針3-1(4)参照),比較可能性に関して論理的にあるいは実証的に多くの矛盾をはらんだ取引であっても,何らかの財務比率の数字さえ調整すれば,そもそも比較可能性に関して不十分であったもの が,十分になるという見解が誤りであることが指摘されているところ(乙110),結局,原処分行政庁は,訪問販売については店頭販売等の他の販売形態と比して多額の販売経費の支出を要する販売形態であること(乙59,乙60),また,Q1取引に係る販売経費率と本件各比較対象取引に係る販売経費率(加重平均したもの)を比較したところ,Q1取引に係る売上総利益率の方が低く,この販売経費率の差はQ1取引と本件各比較対象取引との間で売手の果たす機能に若干の差異が存在していることをうかがわせるものであったことから,本件各比較対象取引の本件各事業年度における販売経費率(加重平均したもの)とQ1取引に係る販売経費率の差を,本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算するという方法で差異調整をしたとしているが(証人Z3・11頁以下),これでは,単に販売経費 経費率(加重平均したもの)とQ1取引に係る販売経費率の差を,本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算するという方法で差異調整をしたとしているが(証人Z3・11頁以下),これでは,単に販売経費率に対する影響の大きいと考えられる経費について,実際に数値に差があったから調整した(置き換えた)というにすぎず,このような数値の差についてその差をもって調整するという差異調整が直ちに合理性を有するものとは認め難い。 (g) また,被告の主張及び本件調査担当者の供述等を前提としても,Q1取引を行っていた原告は,平成10年8月期から平成12年8月期までには地方に固定的な営業拠点を有しておらず,平成13年以降に一部地方に営業拠点を置くようになったにすぎないのに対し(認定事実(5)ア(ア)),本件各比較対象取引を行っていた本件各比較対象法人は,全国に支社,営業所,支店あるいは支所と称する外交員の拠点を置いていたというのであり,このような本件各事業年度における営業拠点の有無や数,あるいは,規模の差異は,営業拠点に係る賃料負担や減価償却等(の売上に対する割合)に差を生じさせるものと認められ,そうすると,この営業拠点の差異は,売上 総利益率に差を生じさせるものであって,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかなものであると認められる。したがって,本件各比較対象取引の比較対象性が認められるためには,上記のような営業拠点の差異によって生ずる売上総利益率の差についての調整が可能であることが必要となり,本件各比較対象取引の売上総利益率に基づいて本件国外関連取引に係る通常の利益率を算定するためには,その差異を適切に調整することが必要となる。 この点,被告は,訪問販売業者は,典型的な変動費型企業(固定費が小さい企業)であることからすると,訪 件国外関連取引に係る通常の利益率を算定するためには,その差異を適切に調整することが必要となる。 この点,被告は,訪問販売業者は,典型的な変動費型企業(固定費が小さい企業)であることからすると,訪問販売に係る営業拠点の差異が通常の利益率の算定に及ぼす影響は結果的に限定されるなどと主張するが,通常の利益率の算定に影響を及ぼさないのであれば格別,その影響が限定されるからといって,調整が不要であると解することはできない。 また,被告は,営業拠点の差異が通常の利益率の算定に影響を及ぼすかどうかは,これが存在することによる利点や,売上高や仕入高の増加との相関関係によって定まるものであり,現に,前記認定のとおり,原告についても,本件各事業年度において,平成10年8月期及び平成11年8月期には(省略)円及び(省略)円であった事務所の賃料が,事務所の移転や造設に伴って年々増加し,平成15年8月期には約(省略)円と(省略)に増加しているにもかかわらず(認定事実(5)ア(ア)),売上総利益率(別表1)への特段の影響は認められないとして,Q1取引と本件各比較対象取引との間に営業拠点の差異があったとしても,これが通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかであるとまでは認め難いと主張するが,問題となるのは,平成13年8月期以降に地方に数カ所の支店を有するようになったにすぎない原告が営むQ1取引と全国に 支社,支店,営業所等の営業拠点を全国に有するという本件各比較対象法人が営む本件各比較対象取引との間の営業拠点の差異が通常の利益率の算定に影響を及ぼすかどうかであり,原告における支払賃料割合と売上総利益率との関係から,直ちに上記の影響がないとはいえない。 もとより,営業拠点を設けるか,営業拠点の数を多くするか,あるいは,外交員の数を増 及ぼすかどうかであり,原告における支払賃料割合と売上総利益率との関係から,直ちに上記の影響がないとはいえない。 もとより,営業拠点を設けるか,営業拠点の数を多くするか,あるいは,外交員の数を増やしたり,外交員報酬を高く設定したりするのかは,経営戦略の選択の問題にすぎず,売上総利益率に影響を及ぼさないとして,差異調整は不要であるとという考えもあり得るところではあるが,本件においては,一方で,外交員報酬等の割合の差について具体的な調整を行っていることからすると,それらとの比較において,この営業拠点の差異により生ずる売上総利益率の差を調整する必要がないと解することはできない。 そして,営業拠点の差異により生ずる売上総利益率の差については,その調整が不可能なものであるとは認められないものの,証拠及び弁論の全趣旨によっても,現にそのような調整がされたとは認められないことからすると(証人Z3・43頁,証人Z7・6頁),本件各比較対象取引の売上総利益率については,適切な差異調整が行われていないということになり,また,証拠及び弁論の全趣旨によっても,上記の調整を行う前提となる事実関係や経理上の数値を認めることができない。 c 売手又は買手の使用する無形資産における差異の有無並びに差異調整の可否及び適否(a) 前記認定のとおり,原告が(省略)から輸入して販売するQ1には,Z2が著作権を有するQ2等という無形資産が使用されているところ(前提事実(2)ア(ア),(イ),認定事実(2)ア(ア),エ),こ の使用に係るロイヤリティは,原告が(省略)に対して支払うQ1の購入価格(仕入価格)には含まれておらず,原告が,Q1旧ライセンス契約及びQ1新ライセンス契約に基づき,本件国外関連取引に関係しない第三者である(省略)に対して別途支払ってお )に対して支払うQ1の購入価格(仕入価格)には含まれておらず,原告が,Q1旧ライセンス契約及びQ1新ライセンス契約に基づき,本件国外関連取引に関係しない第三者である(省略)に対して別途支払っており(前提事実(2)ア(ウ),認定事実(2)エ),その金額は,別表7の①欄のとおり,本件各事業年度において,(省略)円から(省略)円程度であった(認定事実(2)エ(エ)。なお,比較対象性の有無の判断においては,Q1取引に係るロイヤリティの額からQ11に相当する部分を除外する必要はないものと解される。)。 (b) 一方,被告の主張及び本件調査担当者の陳述等(乙48,乙49,証人Z3・10頁以下,証人Z4・6頁以下)によれば,本件各比較対象取引において使用される無形資産は,次のとおりである。 ① A社の販売する子供を対象とした学習教材は,仕入先が開発及び製造を行っているものであり,教材を構成する絵本やテキストなどには,キャラクターが使用されている(証人Z3・10頁以下)。A社は,キャラクターが使用された教材を非関連者から仕入れているところ,キャラクターの使用に対する対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれているものと認められるが,仕入価格に含まれているキャラクター使用に係る対価の額は不明である(乙48の5頁,証人Z3・10頁以下)。 ② B社の販売する子供を対象とした学習教材は,仕入先が開発及び製造を行っているものであり,教材を構成するテキストやCDなどには,仕入先が開発した独自のキャラクターが使用されている(証人Z4・6頁以下)。B社は,キャラクターが使用された教材を非関連者から仕入れているところ,キャラクターの使用に 対する対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれて 4・6頁以下)。B社は,キャラクターが使用された教材を非関連者から仕入れているところ,キャラクターの使用に 対する対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれているものと認められるが,仕入価格に含まれているキャラクター使用に係る対価の額は不明である(乙49の4頁,証人Z4・7頁)。 ③ C社の販売する子供を対象とした学習教材は,仕入先が開発及び製造を行っているものであり,教材を構成する絵本,テキスト及びビデオなどにはキャラクターが使用されている(証人Z3・10頁以下)。C社は,キャラクターが使用された教材を非関連者から仕入れているところ,キャラクターの使用に対する対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれているものと認められるが,仕入価格に含まれているキャラクター使用に係る対価の額は不明である(乙48,証人Z3・10頁以下)。 (c) まず,上記(a)及び(b)によれば,Q1取引の棚卸資産であるQ1と本件各比較対象取引の棚卸資産である学習教材に使用する無形資産について,無形資産の種類はいずれもキャラクターに係る著作権であり,これが教材に使用されていて,原告及び本件各比較対象法人が当該著作権を保有していなかったという点では,違いは認められない(証人Z3・10頁以下,証人Z4・5頁以下)。 その一方で,①Q1取引に使用する無形資産は,世界的に著名なQ2等であり,我が国においても,知名度が非常に高く,顧客(顧客の購買意欲に影響を与える顧客の子を含む。以下同じ。)に対して強い訴求力があることは,当裁判所にも顕著であるのに対し,本件各比較対象取引において使用するキャラクターは,詳細は明らかでないものの,被告の主張及び本件調査担当者の供述等によっても,本来的に,ライセンス 求力があることは,当裁判所にも顕著であるのに対し,本件各比較対象取引において使用するキャラクターは,詳細は明らかでないものの,被告の主張及び本件調査担当者の供述等によっても,本来的に,ライセンスの問題が生じたり,ロイヤリティが発生した りするのかも明らかではないというのであり,Q1取引と本件各比較対象取引との間には,使用するキャラクター(無形資産)の知名度や顧客に対する訴求力において,極めて大きな差異があるものと推認される。そして,一般に企業が高額なロイヤリティを支払って著名なキャラクターを使用する場合,企業は,売上原価に加えて当該ロイヤリティの金額等の必要な費用を加算した金額をベースにして売価を決定するのが通常であるし,必要となる広告宣伝費等の販売経費の割合にも差が生ずるものと考えられるから,このキャラクター(無形資産)の知名度や顧客に対する訴求力の差異は,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかなものと認めることができる。また,②Q1取引では,Q1の仕入代金とは別に,原告と(省略)との間の旧ライセンス契約及び新ライセンス契約に基づいて(省略)に対してQ2等の使用に係るロイヤリティが支払われているのに対し,本件各比較対象取引では,キャラクターの使用に係るロイヤリティの格別の支払がなく,その金額は,教材の仕入価格に含まれているということになるから,この使用するキャラクター(無形資産)に係る会計処理の方法の差異も,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかなものと認めることができる。 (d) このように,Q1取引と本件各比較対象取引の間には,使用するキャラクター(無形資産)において,①知名度や顧客に対する訴求力の差異と②会計処理の方法の差異があり,これらが通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客 Q1取引と本件各比較対象取引の間には,使用するキャラクター(無形資産)において,①知名度や顧客に対する訴求力の差異と②会計処理の方法の差異があり,これらが通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかであるから,本件各比較対象取引がQ1取引との関係で比較対象性を有するといえるためには,上記の差異により生ずる売上総利益率の差について調整が可能であることが必要となる。 この点,被告は,販売する棚卸資産に使用するキャラクター(無形資産)における①知名度や顧客に対する訴求力の差異と②会計処理の方法の差異により生ずる売上総利益率の差は合理的に調整することができるとし,具体的には,まず,①知名度や顧客に対する訴求力の差異により生ずる売上総利益率の差に関し,Q1取引と本件各比較対象取引で使用する無形資産は,いずれも教材において使用されるキャラクターの著作権であるところ,このようなキャラクターは,教材に対する顧客の購買意欲を刺激し,販売を促進する働きをするという点では本質的な相違はなく,使用されているキャラクターの人気や知名度に差異が見られるとしても,より著名なキャラクターを使用する場合には,その分だけ多額のロイヤリティを支払う必要が生ずるから,使用するキャラクター(無形資産)の人気や知名度の差異は,ロイヤリティの支払金額に反映されるとして,Q1取引と本件各比較対象取引に使用するキャラクター(無形資産)に係る知名度や顧客に対する訴求力の差異により生ずる売上総利益率の差は,棚卸資産の販売に係る他の経費と同じように,そのキャラクターの使用に対するロイヤリティの支払額の売上金額に対する割合(ロイヤリティ割合)の差によって調整することができるし,広告宣伝費等の販売経費に与える影響についても,販売経費率の差によって直接調整すること 使用に対するロイヤリティの支払額の売上金額に対する割合(ロイヤリティ割合)の差によって調整することができるし,広告宣伝費等の販売経費に与える影響についても,販売経費率の差によって直接調整することが可能であるとする。また,②会計処理の方法の差異により生ずる売上総利益率の差についても,上記①の使用するキャラクターに係る知名度や顧客に対する訴求力の差異による売上総利益率の差の調整と併せて調整することにより,比較対象取引に係るロイヤリティやロイヤリティ割合を具体的に把握しなくても調整することが可能であるとしている。 (e) そこで検討するに,まず,OECDガイドラインでは,例えば, 特殊な無形資産を伴う取引の場合には,製品の類似性は一層重要であり,比較が有効性を確保するため,類似性に対し特別の注意が払われるべきであるとされ(甲27,乙34),新事務運営指針3-2(本件各更正処分等(平成16年11月24日付け)が行われた後の平成19年6月25日付けで改正されたものであるが,解釈上の参考になるものと解される。)でも,無形資産の使用を伴う国外関連取引に係る比較対象取引の選定に当たって無形資産の種類,対象範囲,利用態様等の類似性について検討することの必要性が指摘されており(乙27,乙28),この新事務運営指針に併せて改められた新事務運営指針の参考事例集でも,同様に,再販売価格基準法において,法人又は国外関連者が無形資産の使用を伴う国外関連取引を行っている場合には,新措置法通達66の4(3)-3の(注)1の売手又は買手の使用する無形資産に特に着目して比較可能性の検討を行う必要があり,この場合において,比較対象取引の選定に当たり,無形資産の種類,対象範囲,利用態様等の類似性に係る検討を行うように留意するものとされている(甲119)。この 目して比較可能性の検討を行う必要があり,この場合において,比較対象取引の選定に当たり,無形資産の種類,対象範囲,利用態様等の類似性に係る検討を行うように留意するものとされている(甲119)。このように,比較対象性の有無の判断において,使用する無形資産における差異に留意すべきであるとされていたり,その他,差異の調整が難しいという指摘がされていたりするのは,取引に無形資産が使用されている場合,それが,棚卸資産の販売価格,売上高,広告宣伝費,販売費用,売手との交渉力,ロイヤリティ等の様々な要素に影響を与えるため,使用する無形資産により生ずる売上総利益率の差を的確に把握することが難しく,その調整が困難であることによるものと解される(甲24,甲37,甲38,乙1)。そうすると,取引に使用するキャラクター(無形資産)の人気や知名度の差異は,ロイヤリティの支払金額に反映されるとして,その知名度や顧客に対 する訴求力の差異によって生ずる売上総利益率の差を基本的にロイヤリティ割合の差として把握することが可能であるという被告の主張については,併せて販売経費率の差によっても調整するという点を考慮しても,にわかに採用し難いというべきである。 また,上記のとおり,一般に,使用する無形資産の差によって生じる売上総利益率の差を把握することは難しいと解されるところ,Q1取引と本件各比較対象取引に使用するキャラクター(無形資産)については,前記(c)で説示したとおり,その知名度や顧客に対する訴求力に極めて大きな差異があると推認され,このような大きな差異は,販売価格,売上高,広告宣伝費,販売費用,売手との交渉力,ロイヤリティ等にも大きな影響を与えるものと解されるから,それによって生ずる売上総利益率の差を適切に把握し,これを調整することは,より困難であ 売価格,売上高,広告宣伝費,販売費用,売手との交渉力,ロイヤリティ等にも大きな影響を与えるものと解されるから,それによって生ずる売上総利益率の差を適切に把握し,これを調整することは,より困難であると考えられる。そうすると,このような使用するキャラクター(無形資産)の知名度及び顧客に対する訴求力の極めて大きな差異は,その使用するキャラクター(無形資産)の差異によってQ1取引と本件比較対象取引とが比較対象性を有しないことを端的に示すものであるということもできる(甲57)。 さらに,一般的に,再販売者としての機能又はリスクに係る差異があり,その機能又はリスクの程度を国外関連取引及び比較対象取引の当事者が当該機能又はリスクに関し支払った費用の額により測定できると認められる場合でも,当該費用の額が当該国外関連取引及び比較対象取引に係る売上又は売上原価に占める割合を用いて調整することは可能であるとされており(新事務運営指針3-1(4)参照),国外関連取引と比較対象取引との差異について調整を行う場合には,例えば,国外関連取引と比較対象取引の機能に差異があり,その機能の程度を国外関連取引及び比較対象取引の当事者が当 該機能に関し支払った費用の額により測定することができると認められる場合には,当該費用の額が当該国外関連取引及び比較対象取引にかかる売上げ又は売上原価に占める割合を用いて調整する方法により行うことができることに留意するとされているものの(旧事務運営指針3-1(4)),本件各比較対象取引については,棚卸資産に使用されるキャラクターについて,その使用に伴って格別のロイヤリティの支払がされているわけではなく,また,ロイヤリティに相当する部分が棚卸資産の仕入価格に含まれているとしても,その具体的な金額又は割合が把握できないため,本 いて,その使用に伴って格別のロイヤリティの支払がされているわけではなく,また,ロイヤリティに相当する部分が棚卸資産の仕入価格に含まれているとしても,その具体的な金額又は割合が把握できないため,本件各比較対象取引に係るロイヤリティ及びロイヤリティ割合を把握することができない。 被告が主張するように,使用するキャラクター(無形資産)に係るロイヤリティの会計処理上の差異により生ずる売上総利益率の差が結果的に本件各比較対象取引に係るロイヤリティ及びロイヤリティ割合を具体的に把握しないまま調整することができたとしても,販売する棚卸資産に使用するキャラクター(無形資産)に係る知名度や顧客に対する訴求力の差異により生ずる売上総利益率の差について,本件各比較対象取引に使用するキャラクター(無形資産)に係るロイヤリティやロイヤリティ割合を全く把握しないまま,調整が可能であるとは認め難いというべきである。しかも,本件各比較対象取引は3つの取引であり,それぞれ使用するキャラクター(無形資産)に係るロイヤリティ(に相当する部分)やロイヤリティ割合は違うはずなのに,その違いも明らかではなく,この点においても,使用するキャラクター(無形資産)の差異により生ずる売上総利益率の差を適切に調整することができるか疑問がある。これに加えて,前記のとおり,国外関連取引に無形資産が使用されている場合には,比較対象取引の選定に当たり,無形資産の種類,対象範囲,利用態 様等の類似性に係る検討を行うように留意するとされており,具体的には,①無形資産の種類については,移転価格税制上の無形資産のどれに該当するのか,法的保護を受ける権利か等,②無形資産の対象範囲については,どのような用途(基礎的技術又は応用的技術か,製造技術上又は営業上のものか等)に用いられるか,ライセン 制上の無形資産のどれに該当するのか,法的保護を受ける権利か等,②無形資産の対象範囲については,どのような用途(基礎的技術又は応用的技術か,製造技術上又は営業上のものか等)に用いられるか,ライセンスの及ぶテリトリーはどこまでか等,③無形資産の利用態様については,自己所有の無形資産か又はライセンスされた無形資産か,契約条件(排他的なものか,契約期間はどうか,技術支援を伴うものか,サブライセンスが認められているのか,クロスライセンスされているものか等)の類似性があるかどうか等,④その他,無形資産の対価の支払方法(ランニングロイヤリティ,一括払又は両者併用か等),無形資産の開発時期・形成過程等が挙げられているにもかかわらず(乙28),前記のとおり,本件各比較対象取引に使用される無形資産に係るロイヤリティやロイヤリティ割合が把握されていないのみならず,被告の主張及び本件調査担当者の供述等によっても,本件各比較対象取引の棚卸資産である子供を対象とする学習教材に使用するキャラクターが明らかではないため,Q1取引に使用するキャラクターと本件各比較対象取引の棚卸資産に使用するキャラクターとの間の知名度や顧客に対する訴求力等の違いが明らかではなく,また,被告の主張及び本件調査担当者の供述等によっても,本件各比較対象取引に使用するキャラクター(無形資産)については,その棚卸資産に絵や模様が描かれているということを確認した程度にとどまるようであり,守秘義務の点から本件各比較対象取引に使用するキャラクターを具体的に明らかにすることができないという点を考慮したとしても,上記のような点について,十分な検討(本件各比較対象取引の個別の検討)やQ1取引に使用するQ 2等との具体的な比較がされたとは認められない(乙48,乙49,証人Z3・10頁以下) としても,上記のような点について,十分な検討(本件各比較対象取引の個別の検討)やQ1取引に使用するQ 2等との具体的な比較がされたとは認められない(乙48,乙49,証人Z3・10頁以下)。そして,比較可能性に関して論理的にあるいは実証的に多くの矛盾をはらんだ取引であっても,何らかの財務比率の数字さえ調整すれば,そもそも比較可能性に関して不十分であったものが,十分になるという見解が誤りであることが指摘されていることも考慮すると(乙110),Q1取引と本件各比較対象取引で使用するキャラクター(無形資産)の知名度や顧客に対する訴求力の差異によって生じる売上総利益率の差が,ロイヤリティ割合の差と販売経費率の差によって把握,調整することができるとは認め難い。 (f) 以上によれば,結局,Q1取引と本件各比較対象取引との間には,使用するキャラクター(無形資産)の知名度や顧客に対する訴求力の差異があり,この差異は通常の利益率の算定に影響を及ぼすのことが客観的に明らかであるところ,これによって生ずる売上総利益率の差について,ロイヤリティ割合の差と販売経費率の差によって調整することができるという被告の主張は採用することができないというべきである。 d 市場の状況における差異の有無並びに再調査の可否及び適否(a) Q1取引は,アドバイザーが日本全国を地区毎に担当し,子供のいる家庭を対象として訪問販売を行うものである(前提事実(2)ア(ア),認定事実(2)ア(イ),(5)ア(ア))。 (b) 一方,被告の主張及び本件調査担当者の陳述等によれば,本件各比較対象取引も,それぞれ全国に支社や営業所等と称する外交員の拠点を配置し,子供のいる家庭を対象として訪問販売を行うというものである(乙48,乙49)。 (c) 上記(a)及び(b)によ ,本件各比較対象取引も,それぞれ全国に支社や営業所等と称する外交員の拠点を配置し,子供のいる家庭を対象として訪問販売を行うというものである(乙48,乙49)。 (c) 上記(a)及び(b)によれば,Q1取引と本件各比較対象法人との間 において,市場の状況について,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異を認めることはできない。 しかしながら,Q1取引では,Q1を購入した顧客の約70%が一括払としているのに対し,本件各比較対象取引では,A社においては顧客の約80%,B社においては顧客の約97%から98%,C社においては顧客の97から98%と,教材を購入したほとんど全ての顧客が信販契約による分割払としているという差異があり(甲28,乙52),このような顧客の信販利用率の差異は負担する信販手数料に影響を与えるものであって,市場における差異として,あるいは,売手の果たす機能の差異として,通常の利益率の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかな差異と認めるのが相当である。 この点,上記のような顧客の信販契約の利用率の差異によって生ずる売上総利益率の差は,実際に負担する信販手数料を把握することによって調整することが可能なものと解されるから,上記の差異は本件比較対象取引のQ1取引との比較対象性を直ちに否定するものとはいえないものの,証拠及び弁論の全趣旨によっても,現にそのような調整がされたとは認められないことからすると(証人Z3・43頁,証人Z7・6頁),本件各比較対象取引の売上総利益率については,適切な差異調整が行われていないということになり,また,証拠及び弁論の全趣旨によっても,上記の調整を行う前提となるQ1取引及び本件各比較対象取引において負担された信販手数料等の数値等を認定することもできない。 ていないということになり,また,証拠及び弁論の全趣旨によっても,上記の調整を行う前提となるQ1取引及び本件各比較対象取引において負担された信販手数料等の数値等を認定することもできない。 (オ) 本件比較対象取引の比較対象性の有無及び差異調整の適否についての小括以上のとおり,12のテストにより,Q1取引と本件各比較対象取引 とを比較すると,本件各比較対象取引は,使用する無形資産について,具体的には,使用するキャラクター(無形資産)の知名度や顧客に対する訴求力の差異により生ずる売上総利益率の差を適切に調整することができないため,Q1取引との比較対象性を有するものとは認められない。 また,売手又は買手の果たす機能について,具体的には,販売拠点の採用により生じる売上総利益率の差について適切な差異調整がされておらず,市場の状況について,具体的には,顧客の信販利用率の差によって生ずる売上総利益率の差について適切な差異調整がされていないものと認められる。 ウ通常の利潤の額(通常の利益率)の算定の適否についての小括以上のとおり,本件各比較対象取引は,Q1取引との比較対象性を有しないか,差異によって生じる売上総利益率の差について適切な調整がされていないため,本件各比較対象取引の売上総利益率を基礎として本件国外関連取引に係る通常の利益率の算定をすることができないということになる。 したがって,Q14取引の比較対象性の有無,本件各比較対象取引に係る売上総利益率及び販売経費率の算定の適否,その他の差異調整の適否,措置法66条の4第1項の適用要件の充足の有無と国外移転所得の算定の適否について判断するまでもなく,本件各事業年度において,本件国外関連取引が独立企業間価格でされたものとみなすことはできず,所得金額に加算すべき国 第1項の適用要件の充足の有無と国外移転所得の算定の適否について判断するまでもなく,本件各事業年度において,本件国外関連取引が独立企業間価格でされたものとみなすことはできず,所得金額に加算すべき国外関連者への所得移転金額を認めることはできないということになる。 4 原告の本件各事業年度の所得金額及び納付すべき税額並びに本件各更正処分(本件裁決により一部取り消された後のもの)の適法性(1) 原告の本件各事業年度の所得金額及び納付すべき税額以上の判断を前提とすると,証拠(甲1ないし12)及び弁論の全趣旨に よれば,原告の本件各事業年度の所得金額及び納付すべき税額は,別紙12「法人税額計算書」のとおりと認めることができる。 (2) 本件各更正処分(本件裁決により一部取り消された後のもの)の適法性ア原告の本件各事業年度における課税所得金額及び差引納付すべき法人税額は,前記(1)のとおりであり,各金額は次のとおりである。 平成10年8月期課税所得金額 (省略)円還付されるべき法人税額 (省略)円平成11年8月期課税所得金額 (省略)円還付されるべき法人税額 (省略)円平成12年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成13年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成14年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成15年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円イ 課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成15年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円イこれに対し,本件各更正処分(本件裁決により一部取り消された後のもの)における課税所得金額及び納付すべき税額は,それぞれ,以下のとおりである(別紙4「本件各更正処分等の経緯」の「審査裁決」欄)。 平成10年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成11年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成12年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成13年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成14年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成15年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円ウ上記イの金額が前記アの本件各事業年度における課税所得金額及び納付すべき税額を超える場合には,その限度において,本件各更正処分は違法となるところ,本件各更正処分(本件裁決により一部取り消された後のもの)については,いずれも納付すべき税額が前記アの金額を超えるから,前記アの金額を超える部分については,その余の手続上の瑕疵の有無(理由付記の適否,適正手続違反の有無)等について判断するまでもなく,違法なものとして取り消されるべきことになる。 5 原告の本件各事業年度の過少申告加算税の額と本件各賦課決定処分(本件裁 疵の有無(理由付記の適否,適正手続違反の有無)等について判断するまでもなく,違法なものとして取り消されるべきことになる。 5 原告の本件各事業年度の過少申告加算税の額と本件各賦課決定処分(本件裁 決により一部取り消された後のもの)の適法性前記4によれば,原告の本件各事業年度における課税所得金額及び納付すべき税額は,同(2)のとおりである。 一方,原告の本件各事業年度の確定申告(平成13年8月期については原処分行政庁が平成(省略)付けで原告に対してした平成13年8月期の法人税に係る更正(以下「平成13年8月期第一次更正処分」という。))における課税所得金額及び納付すべき税額は,次のとおりである(別紙4「本件各更正処分等の経緯」の「確定申告」欄。ただし,平成13年8月期は「更正処分1」欄)。 平成10年8月期課税所得金額 (省略)円還付されるべき法人税額 (省略)円平成11年8月期課税所得金額 (省略)円還付されるべき法人税額 (省略)円平成12年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成13年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成14年8月期課税所得金額 (省略)円納付すべき税額 (省略)円平成15年8月期課税所得金額 (省略)円 納付すべき税額 (省略)円以上によれば,原告の本件各事業年度における課税所得金額及び納付すべき税額は,原告の本件各事業年度の確定申告(平成13年8月期 (省略)円 納付すべき税額 (省略)円以上によれば,原告の本件各事業年度における課税所得金額及び納付すべき税額は,原告の本件各事業年度の確定申告(平成13年8月期については平成13年8月期第一次更正処分)における課税所得金額及び納付すべき税額と一致しており,原告は,本件各事業年度において,新たに法人税を納付すべきことにはならないから,国税通則法65条4項に規定する「正当な理由」の有無について判断するまでもなく,本件各賦課決定処分は,違法なものとして取り消すべきことになる。 6 結論以上によれば,原告の請求は,いずれも理由があるから,これらを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官林俊之 裁判官池田好英 裁判官齊藤充洋は,転官のため,署名押印することができない。 裁判長裁判官林俊之(別紙1省略) (別紙2省略)(別紙4省略)(別紙5省略)(別紙6省略)(別紙9省略)(別紙10省略)(別紙11省略)(別紙12省略)(別紙A省略)(別紙B省略)(別紙C省略)(別紙D省略)(別紙E省略)(別紙F省略)(別表1省略)(別表2省略)(別表3省略)(別表4省略)(別表5省略)(別表6省略)(別表7省略)(別表8省略)(別表9省略)(別表10省略)(別表11省略) (別紙7)原告の主張の概要第1 措置法66条の4第2項に基づく課税処分が違法であること原処分行政庁は,本件国外関連取引に係る独立企業間価格及び国外移転所得の額の算定に ) (別紙7)原告の主張の概要第1 措置法66条の4第2項に基づく課税処分が違法であること原処分行政庁は,本件国外関連取引に係る独立企業間価格及び国外移転所得の額の算定において,一体取引の一部であるQ1取引の売上金額の計算を誤り,また,使用するキャラクターや販売経費率の全く異なる比較対象取引から架空の売上総利益率を計算し,さらに,差異調整において合理的根拠なく本件各比較対象取引に係る売上総利益率にQ1取引に係るロイヤリティ割合を加算するなどの重大な誤りを犯していることから,本件各更正処分は違法なものとして取り消されるべきである。 1 本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格(Q1取引の売上金額)の算定が誤っていること(1) Q1取引とQ12取引とは一の取引であることQ1とQ12は「Q15」として不可分の関係にあり,これらが一体かつ完全に統合された製品とサービスであることにより,それぞれの学習上の長所が生み出される。 また,Q12のサービスは,Q1の使用を通じた英語習得のために必要なサポート業務であり,Q1の販売とQ12への入会の勧誘は同時に行われており,原告と(省略)との間で締結されたQ2の使用に係るライセンス契約においてもQ12の入会勧誘行為をQ1の販売と合わせて行うことが認められていて,Q1商品の正規購入者のみがQ12入会資格を得ることができるものとされており,現にQ1商品の購入者の80%の方がQ12に参加している。Q1とQ12の顧客との契約が形式的に別個のものとされているのは,通商産業省(当時)の指導によるものにすぎない。 さらに,Q12で使われるガイドブックや,入会プレゼントであるQ31,子供の日プレゼント等のQ12関連物品は,Q1と同様に国外関連者である(省略)から 当時)の指導によるものにすぎない。 さらに,Q12で使われるガイドブックや,入会プレゼントであるQ31,子供の日プレゼント等のQ12関連物品は,Q1と同様に国外関連者である(省略)から購入されている。 加えて,青色申告の承認を得た上で,原告はQ1取引とQ12取引を一体とした会計処理を行っており,これをあえてQ1取引とQ12取引に分断することは困難であり,共通経費の配分に関する恣意的な処理による間違いが生じやすい。 そして,「多国籍企業と税務当局のための移転価格の算定に関する指針」(OECDガイドライン)も合法的な商取引を再構成してはならないとされていることからしても,本件国外関連取引に係る独立企業間価格は,Q1取引とQ12取引を一の取引単位として算定するのが合理的であり,旧措置法通達66の4(3)-1の規定する複数の取引を一の取引として独立企業間価格を算定することができる場合に該当する。 (2) Q1取引に係る売上金額から除外すべきQ11の売上げに相当する部分の算定が誤っていること原処分行政庁は,Q1取引に係る売上金額からQ11の売上げに相当する部分を除外するに際し,Q5に含まれるQ11の販売単価を,Q11の利益率とQ10の利益率が同じであることを前提として計算している。 しかしながら,Q11そのものは,価値のある英語の教育メソッドや著名なQ2が使用されたものではなく,単にソフトウェアの再生のための道具にすぎないから,Q2が使用されたQ10とこれが使用されていないQ11の利益率が同じであることを前提とする計算は明らかに誤っている。 2 通常の利潤の額(通常の利益率)の算定が違法であること(1) 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いた課税処分の可否 ア措置法66条の4第9項の ている。 2 通常の利潤の額(通常の利益率)の算定が違法であること(1) 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いた課税処分の可否 ア措置法66条の4第9項の規定する質問検査権行使の結果を用いて同条2項に基づく課税処分をすることができないこと措置法66条の4第9項は,国外関連取引にかかる独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類として財務省令で定めるもの又はその写しを調査対象法人が遅滞なく提示し,又は提出しなかった場合に,独立企業間価格を算定するために必要な場合は,調査対象法人の国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む者に対して質問検査権を行使することを認めるものであって,納税者が資料提出を拒んだ場合の救済手段として,課税庁が課税上必要な情報の収集を行うことを認めた規定である。 そして,同項の規定する質問検査権の行使の結果,納税者による所得の計算が不合理であると判断される場合は,同項の規定する質問検査権の行使によって得られた第三者のデータにより,納税者の所得を合理的に推測することにより,同条7項により推定課税を行うべきである。仮に同条9項の規定する質問検査権の行使の結果を用いて実額課税が可能であるのであれば,推定課税を行う必要はなくなるのであるから,同条7項は不要ということになってしまう。 また,同条9項の規定する質問検査権の行使の結果得られた資料を用いた同条2項の課税要件を許容する特段の法律の定めは存在しないことからすると,そもそも同条9項の規定する質問検査権の行使の結果得られた資料(納税者に入手できない資料)に基づく課税は,同条7項の規定する推定課税の場合にしか用いることはできないというべきであり,そうすると,同条9項の規定する要件の充足の有無にかかわらず,同条9項の規定する 税者に入手できない資料)に基づく課税は,同条7項の規定する推定課税の場合にしか用いることはできないというべきであり,そうすると,同条9項の規定する要件の充足の有無にかかわらず,同条9項の規定する質問検査権の行使の結果得られた資料に基づく同条2項の規定による課税は違法である。 イ措置法66条の4第9項の規定する適用要件を充足しないこと 本件各更正処分等においては,措置法66条の4第9項の規定する質問検査権の行使要件は充足されていない。 すなわち,まず,同項の規定する質問検査権を行使することができるのは「独立企業間価格の算定に必要である場合」に限られているところ,納税者が既に比較対象取引を提示している場合には,独立企業間価格の算定において同項の規定する質問検査権の行使は不必要であるから,その行使は認められないことになる。そして,原告は,本件調査において,原処分行政庁に対し,同一の重要な無形資産を使用する極めて類似性の高い内部取引であるQ14取引を比較対象取引として提示していたのであるから,同項の規定する第三者への質問検査権の行使はその適用要件を充足しないことが明らかである。 また,原告は,本件調査担当者から,平成15年4月1日付「質問事項」を受け取って以降,本件調査担当者の要求する膨大な資料を迅速に提出し,大量の質問に対して速やかに回答していたのであるから,同項の規定する適用要件である「国外関連取引にかかる独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類として財務省令で定めるもの又はその写しを調査対象法人が遅滞なく提示し,又は提出しなかった場合」にも該当しない。 この点,被告は,原告の提出した資料がQ1取引のみの収入金額等の抽出をしたものではなかったこと,Q14取引が通信販売であったことを理由として資料の提出はなか は提出しなかった場合」にも該当しない。 この点,被告は,原告の提出した資料がQ1取引のみの収入金額等の抽出をしたものではなかったこと,Q14取引が通信販売であったことを理由として資料の提出はなかったと主張するようである。しかし,原告は,そもそもQ1取引とQ12取引を一体取引として扱っており,Q1商品単独の資料は存在しない。また,Q1商品とQ12取引が一体であることから,その経費の配分は極めて困難であり,あえてQ1商品単独のデータという架空の資料を作成しようとしても正確性を欠くことになるし,納税者としてはそのような不正確な架空の資料を作成し提出することは期待さ れていない。したがって,原告は本件調査担当者が要求する資料は可能な限り全て提出していたといえる。 ウ措置法66条の4第9項の規定する適用要件を充足しない場合には同条2項に基づく課税処分は違法となること納税者が国外関連取引にかかる独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類等を遅滞なく提示又は提出したにもかかわらず課税庁が措置法66条の4第9項の規定する質問検査権を行使して課税処分を行った場合,その効果は課税処分の取消以外に考えられない。なぜなら,憲法の定める適正手続きの保証(憲法第31条)及び租税法律主義(憲法84条)の基本的な要請として,課税処分において法の定める適正な手続が保障されるのは当然だからであり,法の定める要件に違反して課税を強行することは明らかに憲法違反であって,違法な処分として取消しを免れない。また,措置法66条の4第9項はシークレット・コンパラブルを用いた同条2項による課税を認めた「特段の規定」であるという解釈が認められたとしても,それは単なる手続要件ではなく,課税の要件を定めた規定(効力要件)であるということになり,納税者が国外関連取 ルを用いた同条2項による課税を認めた「特段の規定」であるという解釈が認められたとしても,それは単なる手続要件ではなく,課税の要件を定めた規定(効力要件)であるということになり,納税者が国外関連取引にかかる独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類等を遅滞なく提示又は提出しなかったという要件を充足しない場合は,同条2項の規定による課税は違法になるものと解すべきである。 (2) 選定された3つの取引(本件各比較対象取引)が比較対象性を有しないことア本件各比較対象取引が比較対象性を有しないこと(ア) 本件各比較対象取引の選定方法(本件選定方法)が合理性を有しないことa 母集団の選定について,Q1は,Q15によりQ12と一体として提供されるべきものであり,このような商品とサービスの一体機能の 全くない訪問販売だけを行う法人を母集団としても,類似した取引を探し出すことは不可能である。 また,同じ訪問販売といっても,マルチ商法は,商品の価値による販売ではなく,利益の配分構造であるねずみ講を商品販売の形態で行っているにすぎず,通常の訪問販売とは売上総利益率に大きな差異があるから,比較対象取引の選定に際しては,マルチ商法又は実質的にマルチ商法であるネットワークビジネスを除外しなければならないのに,本件各比較対象取引を選定した母集団には,50社ものネットワークビジネス企業が含まれていた。 さらに,原処分行政庁が行ったというようにインターネット上の検索エンジンにおいて「幼児教育」かつ「教材」という検索条件による検索を行うと,原告の行う取引活動とは全く異なる取引活動を行う企業がめじろ押し(平成22年4月18日にGoogle で検索したところ約68万4000件,Yahoo!Japanで検索したところ約266万件)となり 原告の行う取引活動とは全く異なる取引活動を行う企業がめじろ押し(平成22年4月18日にGoogle で検索したところ約68万4000件,Yahoo!Japanで検索したところ約266万件)となり,比較対象性を有する取引を行う法人を適切に選定することは不可能である。 このように,比較対象取引を行う法人を絞り込む前提としての母集団の選定自体が,合理性を欠くものである。 b 次に,ある取引に類似した比較対象取引を選定するのであれば,当該取引において最も売上総利益率に影響のある要素に着目して絞り込んでいく方法が合理的であるところ,Q1取引については,幼児教育の教材という商品(棚卸資産)の特殊性から,使用する無形資産が売上総利益率に大きな影響を与えていることからすると,使用する無形資産を最も重視して絞り込みを行うべきであるのに,本件選定方法では,使用される無形資産の内容が全く検討されていない。 また,教育・教材及び図書の訪問販売を行う売上高(省略)円未満の法人については,原告のような著名ブランドを使用した教材の訪問販売を全国展開する場合とは異なり,家内生産的な売上げに高いマージンを乗せて訪問販売を行うことになるため,売上総利益率が高くなることからすると,売上高(省略)円未満の法人が除外されないのは明らかに不合理である。極端に言えば,売上高が(省略)円の法人も比較対象取引候補として含まれるということであって,原告の売上高と比べて極端に小規模で,類似性のない企業をあえて比較対象取引候補の母集団に残したのは,原処分行政庁が選定した母集団の中に,売上高(省略)円以上の比較対象性を有する「教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人」が含まれていなかったからであると合理的に推測できる。 (イ) 本件各比較対象取引が比較対象性を有することに に,売上高(省略)円以上の比較対象性を有する「教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人」が含まれていなかったからであると合理的に推測できる。 (イ) 本件各比較対象取引が比較対象性を有することについての証明がされていないこと被告は,原処分行政庁の選んだ本件各比較対象取引の詳細に関し,平成26年3月10日付けの「文書提出命令申立てに対する意見書」において,「本件各文書が本案事件において提出されることになると,調査担当者が比較対象法人としてどの法人を選定したかということが明らかとなるか,推測されることになる。」(8頁4行目)と主張して選定の過程を秘匿しており,納税者である原告には一切開示していない。 したがって,本件各比較対象取引が比較対象性を有することの証明がされていない。 (ウ) 提出されている証拠を前提としても本件各比較対象取引は比較対象性を有しないこと被告から提出されている証拠等を前提として,本件各比較対象取引とQ1取引について,再販売価格基準法における比較対象性に関する旧措 置法通達66の4(2)-3において例示された12の要素(①棚卸資産の種類,役務の内容等,②取引段階,③取引数量,④契約条件,⑤取引時期,⑥売手又は買手の果たす機能,⑦売手又は買手の負担するリスク,⑧売手又は買手の使用する無形資産,⑨売手又は買手の事業戦略,⑩売手又は買手の市場参入時期,⑪政府の規制,⑫市場の状況)により比較対象性の検討(12のテスト)を行うと,以下のとおり,両者の間には棚卸資産の種類等,取引段階,売上規模,契約条件,機能,負担するリスク,使用する無形資産,事業戦略,政府による規制,市場において明らかに差異があるから,本件各比較対象取引はQ1取引と比較対象性を有するとは認められない。 ① 棚卸資産の種類等が類似していな るリスク,使用する無形資産,事業戦略,政府による規制,市場において明らかに差異があるから,本件各比較対象取引はQ1取引と比較対象性を有するとは認められない。 ① 棚卸資産の種類等が類似していないことQ1は,Q12と一体として提供されることにより学習上の長所が生み出されるという特徴があり,これらを一の取引とみて本件各比較対象取引との類似性等を検討すべきである。 また,Q1には,世界的に著名で特に幼児及び児童等に認知度が高く,絶大な訴求力を有するQ2及びQ48や有名な映画コンテンツ等が使用されている。しかも,原告の使用するQ2は,Q1のレッスン本やカード等に絵として描かれているだけでなく,Q1を構成するDVDには,当該キャラクターその他の高い価値を持つQ3の無形資産が登場するQ48や有名な映画コンテンツ等が活用され,ライセンサーが保有する膨大な映像ライブラリの中から,言語学者等の開発者らが,原告のQ15に具現化されてQ1で採用されている言語習得原理の適用をサポートするために最適なシーンを選び出し,これらが有効的に使用されているなど,Q1は,極めて価値の高いQ2その他のQ3の無形資産のコンテンツが組み込まれて,企画,開発,製造されている。 さらに,原告は,当該キャラクター及びコンテンツ等のライセンサーである(省略)との間でライセンス契約を締結し,当該契約に基づき,Q1製品の正味小売り販売額に応じた(省略)%のロイヤリティを支払っており,その総額は,本件各事業年度において(省略)万円から(省略)円(最低ロイヤリティは,本件各事業年度において(省略)円程度)という極めて高額なものとなっており,Q1は,極めて高額なロイヤリティを反映した高品質かつ高額な商品となっている。 これに対し,本件各比較対象取引に係る棚卸資産につい 業年度において(省略)円程度)という極めて高額なものとなっており,Q1は,極めて高額なロイヤリティを反映した高品質かつ高額な商品となっている。 これに対し,本件各比較対象取引に係る棚卸資産については,その販売価格のみならず,キャラクターの使用自体が不明であり,そもそも,学習教材なのかも明らかでない。 したがって,Q1取引と本件各比較対象取引は,棚卸資産の種類等が類似しているとはいえない。 ② 取引段階(小売り又は卸売り,一次問屋又は二次問屋等の別)にも差異があることQ1取引は,取引段階としては小売りである。 これに対し,本件各比較対象法人のうち,A社とC社については,売上原価に外交員報酬が含まれており,このような会計処理は,特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)33条の規定する連鎖販売取引の規制を受けるマルチ商法の会社に固有の会計処理であり,しかも,A社については,顧客が分割払を選択した場合に信販会社から一定の金員が支払われ,C社についても,外交員報酬に信販手数料の一部が含まれていることからすると,A社とC社はマルチ商法を行う会社であることが明らかである。B社については,売上原価に外交員報酬は含まれていないが,イベントにかかる原価が含まれており,しかも,B社の顧客リストは,B社が管理せず,外交員が独自に開拓し,作成,管理していることからすると,B社もマルチ商法を行う会 社であると考えられる。加えて,本件各比較対象取引の信販利用率が高いことからしても,本件各比較対象法人が行っている本件各比較対象取引は,いずれもマルチ商法であると考えられる。そして,マルチ商法では,外交員は,時には自ら商品を費消する消費者であり,同時に次の外交員を勧誘して商品を購入させる者であるから,本件各比較対象取引は卸売りでもあるとい ルチ商法であると考えられる。そして,マルチ商法では,外交員は,時には自ら商品を費消する消費者であり,同時に次の外交員を勧誘して商品を購入させる者であるから,本件各比較対象取引は卸売りでもあるということになる。 したがって,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,取引段階に差異がある。 ③ 売上規模(取引数量)に大きな差異があって売上総利益率に影響を及ぼしていること原処分行政庁が本件国外関連取引に係る資産の再販売価格としたQ1取引の売上高は,(省略)である。 これに対し,本件各比較対象取引の売上高は,3社の取引の合計で(省略)円以上の売上高というのであり,そのうちの1社又は2社の取引は(省略)円に満たないものと考えられる。 このように,Q1取引と本件各比較対象取引の間には,売上規模(取引数量)に大きな差異があるところ,売上規模が大きくなるほど販売経費率が減少することは社会通念上明らかであって,Q1取引の売上げが本件各比較対象法人に対して圧倒的に大きいこと(固定費の売上げに占める割合が小さいこと)により,本件各比較対象取引と比較してQ1取引に係る販売経費率が低くなっており,売上規模(取引数量)の差異により,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,調整をすることができない売上総利益率の差異がある。 この点,被告は,非消耗性商品の販売の場合,売上規模(取引数量)が売上総利益率に影響しないとするが,法人の営業費用には固定費(売上高の増減に関係なく,一定額において発生する人件費,家賃,水道 光熱費等)が含まれるところ,売上規模が小さければ,固定費を回収するために,売上総利益は売上金額に比して大きくせざるを得ず,必然的に売上総利益率は高くなり,反対に,売上規模が大きければ,固定費を回収するための売上総利益は売上金額に比して小さくな ,固定費を回収するために,売上総利益は売上金額に比して大きくせざるを得ず,必然的に売上総利益率は高くなり,反対に,売上規模が大きければ,固定費を回収するための売上総利益は売上金額に比して小さくなり,売上総利益率が低くなることは明らかである。また,原告は国外関連者が開発して販売する価値の高い英語学習メソッドとそれに係る教材をQ2と一体化して日本で販売していることから,原告が他から同じ商品を仕入れることはあり得ず,それゆえ,売上げが増えたからといって仕入単価が下がる必然性はなく,売上げの増大によって売上総利益率が増加することはない。店舗販売であれ,訪問販売であり,規模の利益があることは同じであり,訪問販売の固定比率が特に低いというわけでもない。Q1取引に係る売上総利益率が売上げの増加に応じて変わっていないのは,結果的に,売上げの増加にかかわらずおおむね一定の売上総利益率を確保することができたというにすぎない。 ④ 契約条件に差異があることQ1取引と本件各比較対象取引とでは,棚卸資産の保証期間,返品条件,危険負担,瑕疵担保条項,解除条項,守秘義務規定,アフターフォローサービス,準拠法,法定地の違いがあるはずである。また,Q1取引は,輸入取引であるため,運賃,保険料,通関手数料その他の費用が原価に含まれており,この点でも,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,契約条件に差異がある。 ⑤ 取引時期に差異がないかも明らかでないことQ1取引と本件各比較対象取引の間に,取引時期における差異があるかは不明である。 ⑥ 売手又は買手の果たす機能に差異があること まず,原告は,Q1取引に関し,極めて知名度の高いキャラクター及びその他のコンテンツ(アニメフィルムや有名な映画コンテンツ等)が使用された(省略)がQ15として開発した商 差異があること まず,原告は,Q1取引に関し,極めて知名度の高いキャラクター及びその他のコンテンツ(アニメフィルムや有名な映画コンテンツ等)が使用された(省略)がQ15として開発した商品を輸入し,(省略)が開発したセールス・マニュアルに従って,完全歩合の外交員により,顧客に対する勧誘等に要する費用も外交員の負担により,コミッション・ベースで商品の販売を行っており,極めて限定的なリスクしか負担しない輸入販売機能を果たしているだけである。これに対し,前記のとおり,本件各比較対象取引は,特商法33条の定める連鎖販売取引の規制を受けるマルチ商法であるか,そうでないとしても,実質的にマルチ商法であるところ,マルチ商法においては,ボーナススキーム等を通じて,商品の連鎖販売の各段階における会員に対してバックマージンやリベートを支払う必要があり,ピラミッド状の会員組織の上部の各会員に対する利益配分に充当される利益(特定商取引上の特定利益)を確保する必要がある。また,A社は個人の外交員による戸別訪問販売のみであるものの,B社は営業担当社員による戸別訪問販売が,C社では営業担当社員及びC社と代理店契約を締結した法人の外交員による戸別訪問販売が,それぞれ行われているなど,Q1取引とは売手の果たす機能に差異がある。 次に,Q1の教育メソッドは(省略)によって開発されており,原告はQ1の開発の費用を負担していない。これに対し,本件各比較対象取引を行っている本件各比較対象法人では,ピラミッド状の会員組織の上部の各会員に対する利益配分に充当される利益の確保,極大化のため,自社のオリジナル商品を低コストで製造する第三者に対して委託製造させた上で全量買い取りして販売していることが合理的に推測される。また,本件各比較対象取引の商品には,キャラクターや 保,極大化のため,自社のオリジナル商品を低コストで製造する第三者に対して委託製造させた上で全量買い取りして販売していることが合理的に推測される。また,本件各比較対象取引の商品には,キャラクターや仕入先が開発したという学習メソッド等が含まれるとされているものの, いずれもライセンス契約やロイヤリティの支払が存在せず,製造委託先でどのような開発が行われていたのか,製造委託先でキャラクターが開発されたのはいつ誰によるのか,そのキャラクターはQ2のように保護されライセンスされるものであるのかも明らかでないことなどからも,本件各比較対象法人と製品の仕入先は,一般の製品受託製造の委託者と受託者の関係にあることがうかがわれ,開発費用が本件各比較対象法人によって負担されているのであれば,Q1取引とは売手の果たす機能に差異があるということになる。 このように,マルチ商法でないQ1取引を行っている原告とマルチ商法である本件各比較対象取引を行っている本件各比較対象法人とでは,売手の果たす機能に看過し難い差異が認められ,この差異について必要な調整を加えることができない。 現に本件各更正処分では,販売経費に係る差異調整を販売経費率(販売費及び一般管理費の対売上高に占める割合)に基づいて行っているところ,Q1取引と本件各比較対象取引との間には(省略)%という著しい販売経費率の差異が存在しており,経費率の差異は販売会社としての機能差異を示すものとされていることからすると,上記のような著しい販売経費率の差異は,原告と本件各比較対象法人とでは,販売会社としての機能が著しく異なっており,到底比較可能性を有しないことを示している。 ⑦ 売手又は買手の負担するリスクには差異があること原告は,Q1の輸入取引について,小ロットの発注を繰り返していることか の機能が著しく異なっており,到底比較可能性を有しないことを示している。 ⑦ 売手又は買手の負担するリスクには差異があること原告は,Q1の輸入取引について,小ロットの発注を繰り返していることから,保有在庫は極めて限定的であり,在庫リスクはほとんどない。また,Q1取引の外交員(アドバイザー)は全てコミッション制であり,原告は,Q1の販売において,ロイヤリティ,ミニマムロイヤリティ,地代家賃及びわずかな人件費等を販売経費として支出す るだけであり,多額の販売経費を支出する必要がない。さらに,原告は,顧客から不良品としてQ1の返品があった場合でも,(省略)から商品受領後1年間は(省略)に返品することが可能であり,Q1に関して何らかの法的責任が発生した場合も,上記期間は,契約上その責任は全て(省略)に追及することが可能である。 これに対し,本件各比較対象法人は,訪問販売により日々成立する顧客との売買契約に応じて随時に配送センター又は倉庫から商品を発送するようにしているため,あらかじめ一定の量の商品を仕入在庫として抱えており,常に在庫リスクを抱えている。また,本件各比較対象取引における製品保証等は全く不明である。 したがって,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,売手の負担するリスクに差異がある。 ⑧ 売手又は買手の使用する無形資産に調整することができない差異があることQ1には,世界的に著名なブランドであるQ2が使用されている。 これに対し,本件各比較対象取引に係る棚卸資産には,仮にキャラクターが使用されているとしても,ロイヤリティの支払も明らかでないことからすると,印刷物についてのみ登場する価値の低いものである可能性が高い。 したがって,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,売手の使用する無形資産に大きな差異がある。 の支払も明らかでないことからすると,印刷物についてのみ登場する価値の低いものである可能性が高い。 したがって,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,売手の使用する無形資産に大きな差異がある。 そして,一般に,国外関連取引に係る棚卸資産に重要な無形資産が使用されている場合は,外部対象取引を使用して独立企業間価格を算定するのは困難であるとされており,使用する無形資産に係るロイヤリティ割合を加算すれば差異調整が可能であるという被告の主張は独自のものである。Q1と本件各比較対象取引の棚卸資産との間の使用 する無形資産における差異は,例えば,販売価格,売上高,広告宣伝費,販売費用,売手との交渉力,ミニマムロイヤリティ,品質管理及びブランド管理費用などに影響を与えるものであるところ,このような影響を相当程度に正確に調整できることが証明されていない。そして,本件各更正処分においてQ1取引と本件各比較対象取引との間でされた無形資産に関する差異調整の割合(売上総利益率に加算されたQ1取引に係るロイヤリティ割合)が(省略)と極めて大きいことからしても,「国外関連取引と比較対象取引との差異が価格又は利益率等に及ぼす影響が無視できず,かつ,その差異による具体的影響額を算定できない場合には,比較可能性自体に問題がある」(旧事務運営指針の参考事例集の事例9)場合に該当すると考えられる。 その他,原告は,Q1取引において,自ら情報を収集した非常に価値の高い無形資産である顧客リスト((省略))を使用しているのに対し,C社は,同業者との提携により提供を受けたリストを使用しており,この顧客リストに関しても,Q1取引とC社比較対象取引の間に,使用する無形資産に差異がある。 ⑨ 売手又は買手の事業戦略には差異があることQ1は,研究者が開発した特殊なメソ ストを使用しており,この顧客リストに関しても,Q1取引とC社比較対象取引の間に,使用する無形資産に差異がある。 ⑨ 売手又は買手の事業戦略には差異があることQ1は,研究者が開発した特殊なメソッドを用いて外国語を習得する商品であり,かつ,Q12でアウトプットを行う極めて特殊なものであって,顧客は,これらを理解し,高額な支出を行う裕福かつ教育熱心な家庭に限定されており,原告は,このような特殊な市場で商品を販売するために,他に類を見ないキャラクター,高度なマニュアル及び熟練した外交員等を用いている。 これに対し,本件各比較対象取引はマルチ商法又は実質的にマルチ商法である。 したがって,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,事業戦略において差異がある。 ⑩ 売手又は買手の市場参入時期には差異があること原告は,1977年3月30日に日本において事業展開を開始したのに対し,本件各比較対象法人の参入時期等は不明であるから,Q1取引と本件各比較対象取引とは,市場参入時期が類似しているとはいえない。 ⑪ 政府の規制には差異があること本件各比較対象取引は,Q1取引とは異なり,マルチ商法であり,特商法33条の規定する連鎖販売取引の規制を受けるから,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,政府の規制に差異がある。 ⑫ 市場の状況に差異があることQ1取引は,極めて高額な商品を,相当な規模で,日本全国という市場で販売する取引であるのに対し,本件各比較対象取引は,マルチ商法又は実質的マルチ商法であり,3社の合計で30億円以上という程度の小規模なものであるから,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,市場の状況に差異がある。 イ原告の選定したQ14取引(内部比較対象取引)は比較対象性があること(Q14取引を比較対象取引としなかったこと 模なものであるから,Q1取引と本件各比較対象取引とでは,市場の状況に差異がある。 イ原告の選定したQ14取引(内部比較対象取引)は比較対象性があること(Q14取引を比較対象取引としなかったことは不合理であること)Q1取引には,次のとおり,原告の選定したQ14取引という比較対象性を有する内部取引があったのであるから,本件各比較対象取引を比較対象取引として本件国外関連取引の独立企業間価格を算定することは許されなかった。 (ア) Q14取引は,消費者に対する販売であるという点において,取引段階がQ1取引と同一である。 (イ) Q14取引では,商品の製造が(省略)に委託されているが,実際には,原告が,(省略)もらっているにすぎないこと,(省略)ができないことなどからすると,実質的にみれば,原告は,Q14取引において,(省略)が開発した英語教材をZ2が実質的に管理する(省略)から購入して販売しているにすぎない。また,Q1取引では,その原盤作成費用は原告ではなく(省略)が負担しており,「Q1の研究開発に要した費用は,Q1の販売価格に転嫁されその回収が図られている」のに対し,Q14の開発費の償却が販売費及び一般管理費として計上されているという差異があるものの,Q14の開発費をQ14の売上原価に含めることにより差異調整をすることは可能であるから,Q1取引は,売手の果たす機能においてQ14取引と比較対象性を有する。 また,Q14取引は,Q1の販売に係る訪問において取得した顧客情報((省略))を基礎とし,Q1取引と同じ顧客を対象に,同じQ2及び同じ販売チャンネルを用いて英語教材の販売を行っており,通常の通信販売のような広告媒体を使っての販売は行っていない。Q14を購入する顧客は,Q1及びQ12の顧客と原告が獲得したリードに載 Q2及び同じ販売チャンネルを用いて英語教材の販売を行っており,通常の通信販売のような広告媒体を使っての販売は行っていない。Q14を購入する顧客は,Q1及びQ12の顧客と原告が獲得したリードに載せられた顧客であり,原告の教育メソッドやQ1製品に信頼を寄せる客であるため,訪問販売による丁寧な商品説明等が不要であるために通信販売という形式を用いているにすぎない。このように,Q14取引は,独自の広告媒体を使っての通信販売ではないので,販売経費率に差異はなく,差異調整の必要はないし,差異調整をするとしても,訪問販売であるQ1と通信販売であるQ14の販売機能における差異は,Q14が内部比較対象取引であるため,費用構造の差異として定量的に把握できるから,売手の果たす機能等における差異を調整することが可能である。 (ウ) 棚卸資産に使用される無形資産は比較対象性を検討するにあたって利益率に影響を及ぼす最も重要な要素であるところ,Q14には無形資産としてQ2が使用されており,Q1と使用する無形資産に差異はない。 (エ) 負担するリスクについても,Q14については,(省略)との間の製造委託契約(省略)になっており,(省略)の都合で一方的に決まるものではなく,実際のところ,(省略)との間では最低発注数量の合意はされていないし,同条3により,こととされているため,Q14の在庫等のリスクは限定的であり,Q1の在庫保有リスクと著しく相異するものではない。 また,Q14は,行っており,Q14に関する最終的な責任は(省略)原告が第三者に対する権利侵害に係るリスクを負うことは実質的にない。 (オ) 以上に加え,一般的に内部比較対象取引は比較対象取引として信頼性が高いことからすると,本件国外関連取引の独立企業間価格は,Q1取引を比較対象取引として 係るリスクを負うことは実質的にない。 (オ) 以上に加え,一般的に内部比較対象取引は比較対象取引として信頼性が高いことからすると,本件国外関連取引の独立企業間価格は,Q1取引を比較対象取引として算定すべきである。 (3) 本件各比較対象取引に係る売上総利益率及び販売経費率の算出の適否(収入金額等の抽出の適否)アそもそも,原処分行政庁は,2年にわたる調査において,大量の書類を精査し,原告からの聞き取りを行っていたにもかかわらず,本件裁決で指摘されているとおり,Q1取引に係る収入金額等の抽出に多くの誤りを犯しているところ,わずか1日(A社及びB社)ないし3日(C社)の臨場調査により,本件各比較対象取引の取引の実態を調べて収入金額等の抽出を正確に行うことなど到底不可能である。 イ被告によれば,本件各比較対象法人の全てが教材商品販売に関連する役務提供として購入者に対してアフターフォローサービスを提供しているとのことであるが,その頻度,内容が一切不明であり,教材との一体性やサ ービスの内容に関するQ12との違いも明らかでない。本来であれば原告におけるQ1取引の収入金額等の抽出と同じように,無形資産がアフターフォローサービスにおいて使用されているのかどうか,外交員は訪問販売の過程において教材のみならずアフターフォローサービスも一のものとして販売しているか,教材購入者の何割がアフターフォローサービスに加入しているのか,アフターフォローサービスの会費の有無,在籍期間,アフターフォローサービスと教材の売上比率,販売促進グッズは教材の販売ためだけのものか,アフターフォローサービスについても及んでいるのかなどが,厳しく精査されなければならないのに,このようなことが行われたのかも明らかでない。 そして,仮に本件各比較対象取引が単 売ためだけのものか,アフターフォローサービスについても及んでいるのかなどが,厳しく精査されなければならないのに,このようなことが行われたのかも明らかでない。 そして,仮に本件各比較対象取引が単なる教材販売である場合,アフターフォローサービスは一体としての教育メソッドではなく,「単に困ったときのサポート」程度と考えられ,このような重要性の乏しいアフターフォローサービスに原告と同じような共通経費の配賦は必要がないところ,このような点について全く検討がされていない。また,営業関係者の人件費,広告宣伝費及び販売促進費について,商品販売とアフターフォローサービスでどのように振り分けたかのかが何ら証明されていない。本件各比較対象取引に係る売上総利益率については,差異調整すべき費目の網羅性とアフターフォローサービスとの共通経費の配賦計算の妥当性に関して何ら合理的な検証がなされていない。さらに,被告の主張によると,本件各比較対象取引に係る棚卸資産の原価には使用された無形資産に係るロイヤリティが含まれているはずであるが,アフターフォローサービスについてどのようにロイヤリティが配賦されたのかも不明である。おそらく,本件各比較対象法人は,自社がデザインした教材を製造元に製造させて販売している製造委託業者であり,ロイヤリティに相当する無形資産の開発 費全てが販売管理費や人件費に含まれているところ,これをアフターフォローサービスに配賦した形跡もない。 ウ B社比較対象取引はイベントに係る原価を売上原価に入れているマルチ商法であるが,被告の主張によれば,B社比較対象取引の売上総利益率の計算においてイベント原価を売上原価から控除した結果,B社比較対象取引の売上総利益率はB社の「イベント商法」を反映しない不当なものとなっている。また,B社については B社比較対象取引の売上総利益率の計算においてイベント原価を売上原価から控除した結果,B社比較対象取引の売上総利益率はB社の「イベント商法」を反映しない不当なものとなっている。また,B社については,宣伝広告費のうちのその他の事業の雑誌掲載費用を差し引いた金額の100分の65が訪問販売(B社比較対象取引)に係る宣伝広告費とされているところ,本来であれば教材の売上高とアフターフォローサービスによる収入の割合によって配賦すべきであるのに,上記の割合は,B社の専務が経験から言ったものを採用したにすぎず,合理性がない。 エ C社比較対象取引に係る収入金額等の抽出では,Q1取引では外交員報酬の額から控除していない信販会社に対して支払っている取扱手数料が控除されており,これによって販売経費のうちの外交員報酬の割合の差異が縮小され,当該差異の調整のため本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算する必要のある割合が不当に圧縮されている。 (4) 差異調整が適切に行われていないことア使用する無形資産に関する差異調整が適切にされていないこと(ア) Q1取引に係るロイヤリティ割合を本件各比較対象取引に係る売上総利益率に加算するという調整方法が不合理であることa 無形資産の差異が明らかでないこと独立企業間価格の算定においては,使用する無形資産が極めて重要な考慮要素となり,特にQ1のように著名な無形資産(Q2等)を用いた教育メソッド教材のように無形資産の占める割合が非常に高い棚卸資産の取引においては,無形資産を開発したのが誰であるのか,ど のような条件によりライセンスされているのかが詳細に検討される必要がある。本件調査担当者が原告に対して,(省略)の言語学者との契約書,監修報酬の支払を裏付ける書面,Z2や(省略)との間の契約書,契 のような条件によりライセンスされているのかが詳細に検討される必要がある。本件調査担当者が原告に対して,(省略)の言語学者との契約書,監修報酬の支払を裏付ける書面,Z2や(省略)との間の契約書,契約条件の説明,25年前の担当者とのやり取り,(省略)の製造状況,現地の写真,従業員の給料明細まで詳細に資料を要求したのはそのような理由によるとされている。 しかしながら,本件各比較対象取引については,その棚卸資産である教材に絵や模様が描かれているということが確認された程度であり,教育メソッドやキャラクターが誰によって開発され,どのような条件でライセンスが与えられていたのかが全く確認されていない。また,「大学教授によって開発された」ことになっているものの,業務委託契約も存在しないのに開発する大学教授など存在しない。さらに,被告の主張によれば,本件各比較対象取引においてQ1取引の(省略)に相当するのは製造委託先であるが,原処分行政庁は製造委託先について何ら調査を行っておらず,(省略)と同じような研究開発を行っていたのか何ら確認していない。しかも,被告は,本件各比較対象取引に係る棚卸資産に使用されたキャラクターのロイヤリティは原価に含まれていると主張しているところ,これを前提とすると,本件各比較対象法人の製造委託先であるどこかの会社が教育メソッドの研究開発を行い,著名なキャラクターを棚卸資産に使用しており,それが棚卸資産の原価に含まれているということになるが,原処分行政庁は製造委託先でどのような開発が行われていたのか,製造委託先でキャラクターが開発されたのはいつ誰によるのか,そのキャラクターはQ2のように保護されライセンスされるものであるのかを一切検討していない。 このように,本件各比較対象取引の棚卸資産に使用されている無形資産 れたのはいつ誰によるのか,そのキャラクターはQ2のように保護されライセンスされるものであるのかを一切検討していない。 このように,本件各比較対象取引の棚卸資産に使用されている無形資産がどのようなものなのかは不明であるため,Q1取引に使用されている無形資産とどのような差異があるのかが明らかではない。 b 本件各比較対象取引に係る棚卸資産に使用されたキャラクターに係るロイヤリティが不明であること使用する無形資産に関する差異調整は,比較対象取引が支払った費用の額(ロイヤリティの額又はロイヤリティ割合)が確認できる場合に限って可能となるところ,本件各比較対象取引の棚卸資産に使用された無形資産に係るロイヤリティ又はロイヤリティ割合が確認されていないにもかかわらず,単にQ1取引に係るロイヤリティ割合を本件各比較対象取引に係る売上総利益率に加算するという不合理な差異調整が行われている。 c ロイヤリティ割合を加算するという計算方法が不合理であることまず,Q1については,著名なキャラクターが使用され,高額のロイヤリティを払っているのであるから,ロイヤリティ比率が高いのは当然であるところ,実際にはロイヤリティを全く払っていない本件各比較対象取引に係る売上総利益率にQ1取引に係るロイヤリティ割合を加算するのは「架空のロイヤリティ」を設定するものであって,明らかに不合理である。 また,原処分行政庁の行った単に本件各比較対象取引に係る売上総利益率にQ1取引に係るロイヤリティ割合を加算するという計算方法が合理的な調整と言えるためには,両者の無形資産に全く差異が無く,ロイヤリティ比率は同率で,それぞれの会計方法が違う場合だけであり,比較対象取引に係る棚卸資産の原価に含まれるロイヤリティ割合がQ1取引に係るロイヤリティ割合と同じでない以 形資産に全く差異が無く,ロイヤリティ比率は同率で,それぞれの会計方法が違う場合だけであり,比較対象取引に係る棚卸資産の原価に含まれるロイヤリティ割合がQ1取引に係るロイヤリティ割合と同じでない以上,明らかに不合理な計算方法である。 さらに,著名なキャラクターを使用した場合には,使用許諾の条件としての高品質を維持するために,仕入コストを間接的に構成する製造費が上昇するほか,製造費や管理費,販売価格も上昇するのが通常であり,その一方で,販売費の比率は減少するが,単に本件各比較対象取引に係る売上総利益率にQ1取引に係るロイヤリティ割合を加算するという計算方法では,上記のような差異を調整することができない。 (イ) 本件国外関連取引に係るロイヤリティ割合の算定が適切にされていないことa ロイヤリティがQ12取引に配賦されるべきであること原告と(省略)との間のライセンス契約では,(省略)は,原告がQ23として知られるアフターサービスプログラムをセット販売することを認めて同意するとされており,Q1とQ12は同じQ2を使用して販売又は入会の勧誘がされていることが明らかである。 また,Q12は,いわゆるネイティブのパフォーマーによる英語による各種イベントを開催したり,Q1の教材を使って電話を通じてネイティブのパフォーマーによる英会話サービスを提供したりしているところ,そこではQ1の教材が使用されているほか,Q12の卒業証書にはQ2が使用されているなど,Q1の販売に対するQ3ロイヤリティの支払なしにQ12取引の収入は成り立たない。 さらに,Q1商品の販売を基準に計算されるロイヤリティ率は(省略)であり,同じQ3のキャラクターを使用するQ14取引におけるロイヤリティ率(省略)より高い設定になっているところ,このような高い設定 さらに,Q1商品の販売を基準に計算されるロイヤリティ率は(省略)であり,同じQ3のキャラクターを使用するQ14取引におけるロイヤリティ率(省略)より高い設定になっているところ,このような高い設定になっているのは,Q1商品の販売を基準にしながらも,実際には,Q12取引に関するロイヤリティが含まれているからである。 したがって,原告がライセンス契約に基づいて(省略)に対して支払うロイヤリティは,売上高その他の合理的基準によってQ12取引にも配賦されるべきである。 b 国内で仕入れられたQ11へのロイヤリティの配賦が適切にされていないこと原告はQ5の販売についてロイヤリティを支払っているが,その一部を構成するQ11については,Q2が使用されていないので,本来はロイヤリティの支払対象ではない。Q11単体での販売価格は存在しないことから,Q5の販売価格に基づいてロイヤリティの支払をしているにすぎない。 原処分行政庁は,この様な取引実態を無視し,Q1に係るロイヤリティから強引に国内仕入品であるQ11の販売に対応するロイヤリティを控除して国外関連取引に対応するロイヤリティを計算している。 イ販売経費に関する差異調整が適切にされていないことまず,原処分行政庁は,販売経費に関する差異調整において,本件各比較対象取引に係る販売経費率の加重平均を用いているが,このような方法では,本件各比較対象取引のどれがどのようにQ1取引と差異があるのか全く分からず,適切な調整がされているとはいえない。 また,被告は,本件各比較対象取引に係る本件各比較対象法人の会計帳簿に記載された販売費および一般管理費の費目別金額という客観的な事実を開示しておらず,本件各比較対象取引との差異調整として,外交員報酬,広告・販売促進費の売上金額に対する割合を“販 対象法人の会計帳簿に記載された販売費および一般管理費の費目別金額という客観的な事実を開示しておらず,本件各比較対象取引との差異調整として,外交員報酬,広告・販売促進費の売上金額に対する割合を“販売経費率”として開示しているにすぎない。結局,原処分行政庁の行ったという販売経費に関する差異調整は,本件調査担当者の恣意によって選定された特定の費用の売上高に占める割合の差の調整を行ったというものにすぎず,Q1取引と特商法33条に規定する連鎖販売取引の規制を受けるマルチ商法の取引 である本件各比較対象取引との「機能その他の差異」に由来する特定利益を含む「必要な調整」がされているとはいえない。 さらに,販売経費に関する差異調整について,Q1取引においては,販売員は個人事業者である外交員のみであるから,外交員報酬の支払のみが生じているのに対し,本件各比較対象取引においては,営業社員が存在するので,営業社員にかかる費用(給与と法定福利費以外に旅費交通費,通信費,退職金又は退職給与引当金繰入額等の費用)が商品の販売取引に関して生じているにもかかわらず,これらの費用が調整されていない。 なお,差異調整の前提となるQ1取引に係る販売経費率の計算において,赤ガイドセットのうちオリエンテーションDVDの費用がQ12に配賦されるべきことを被告は争っておらず,この点について,本件各更正処分における差異調整の前提となるQ1取引に係る販売経費率の計算が誤っていることは明らかである。 ウ本件各比較対象取引との差異を理由とするその他の調整の要否(ア) 被告は本件各比較対象取引の具体的な内容を開示しておらず,本件調査担当者の陳述書を提出しているだけであり,Q1取引と本件各比較対象取引との差異を検証することができないので,合理的な差異調整を行ったというこ 件各比較対象取引の具体的な内容を開示しておらず,本件調査担当者の陳述書を提出しているだけであり,Q1取引と本件各比較対象取引との差異を検証することができないので,合理的な差異調整を行ったということが証明できていない。原処分行政庁は,措置法66条の4第9項の解釈を誤って,第三者への質問検査権の行使の結果を使って同条1項の実額課税を行おうとしているが,同条7項の推定課税を行っているのではないのであるから,原告の所得金額(実額)を合理的な疑いを容れない程度に立証する必要があるところ,その立証は全く不十分である。 (イ) 上記(ア)の点を措くとしても,輸入取引であるQ1取引については国際運送料及び保険料が問題となり,Q1の購入代金の3%は運賃であるところ,旧事務運営指針の参考事例集の事例9ではCIFであるかF OBであるかの運賃保険料の差異の調整が必要であるとされているのに,この差異の調整が行われていない。 (ウ) また,Q1取引と本件各比較対象取引では,返品条件,危険負担,瑕疵担保条項,解除条項,守秘義務規定,アフターサービス,準拠法,法定地の差異があるはずなのにもかかわらず,この差異の調整がされていない。 (エ) さらに,販売経費率の調整について,原告と本件各比較法人との間には,営業拠点における差異があり,これらに関する係る賃料負担や減価償却等の関係で売上総利益に影響があるはずなのに,この差異の調整がされていない。 (オ) 加えて,Q1取引は通常の訪問販売であるのに対し,本件各比較対象取引はマルチ商法であるか,実質的にマルチ商法であるところ,一般にマルチ商法又は実質的にマルチ商法であるビジネスモデルの商品販売に係る売上総利益には,ピラミッド状(=連鎖取引)の会員組織の上部の各会員に対する利益分配に充当される利益(特商法 であるところ,一般にマルチ商法又は実質的にマルチ商法であるビジネスモデルの商品販売に係る売上総利益には,ピラミッド状(=連鎖取引)の会員組織の上部の各会員に対する利益分配に充当される利益(特商法上の特定利益)を含んでおり,この点でQ1取引と本件各比較対象取引には売上総利益率に顕著な影響を与える機能その他の差異があるにもかかわらず,本件各比較対象取引の売上総利益(率)のうちの会員への配当部分(特定利益)の差異の調整がされていない。 (カ) その他,原告は,Q1の開発を行っておらず,(省略)の開発したQ1を輸入して販売する輸入販売業者であるのに対し,本件各比較対象法人は,自社がデザインした教材を製造元に製造させて販売している製造委託業者であり,ロイヤリティに相当する無形資産の開発費全てが販売管理費や人件費に含まれているという差異があるのに,この差異の調整がされていない。 3 本件国外関連取引における購入価格が独立企業間価格を超えていないこと(措置法66条の4第1項の適用要件を充足していないこと)(1) 平均値の採用が違法であること旧事務運営指針3-3は「措置法通達66の4(2)-3に規定する諸要素に照らしてその類似性の程度が同等に高いと認められる複数の比較対象取引がある場合の独立企業間価格の算定に当たっては,それらの取引に係る価格又は利益率等の平均値を用いることができる」と規定しているものの,そもそも原処分行政庁の選定した本件各比較対象取引はQ1取引と類似性がないから,通常の利益率の算定において,本件各比較対象取引に係る売上総利益率の平均値を用いることはできない。 また,本件各比較対象取引に係る売上総利益率は,62.33ないし76. 19%と大きく異なっており,取引条件,取引規模,販売方法が異なることが容易に推測さ 総利益率の平均値を用いることはできない。 また,本件各比較対象取引に係る売上総利益率は,62.33ないし76. 19%と大きく異なっており,取引条件,取引規模,販売方法が異なることが容易に推測されるから,このようなものを足して3で割ったとしても,合理的な売上総利益率を算出することはできない。 (2) 加重平均値の採用が違法であること本件国外関連取引の独立企業間価格について,仮に本件各比較対象取引に基づいて計算された価格の平均値を用いるとしても,加重平均値ではなく,単純平均値を採用するのが合理的である。すなわち,そもそも独立企業間価格の平均値を使用できるのは「いずれの取引も同等に高い類似性を有する場合」に限定されるのであるから,いずれの比較対象取引も同等に扱われる単純平均値を採用するのが合理的である。 なお,本件調査担当者は,本件調査において,平成16年1月19日付けで原告に交付した「移転価格調査の中間報告について」と題する書面(本件中間報告)で,国外移転所得金額の試算に当たり本件国外関連取引の比較対象取引として抽出した11社の売上総利益率の単純平均値を用いており,また,平成16年5月17日に交付された「比較対象企業3社の調整後売上総 利益率(3社平均)」でも,単純平均値を用いていることからすると,原処分行政庁が加重平均値を採用したのは,売上利益率の高い比較対象取引のウェイトを高めるための利益率操作によるものと推測される。 (3) 本件国外関連取引における購入価格が独立企業間価格を超えていないこと仮に本件各比較対象取引がいずれも比較対象性を有するとすると,それぞれが合理的な独立企業間価格の基準となるものであるから,売上総利益率を平均する必要はない。すなわち,比較可能性が同等に認められる取引が複数存在するため,比較対 れも比較対象性を有するとすると,それぞれが合理的な独立企業間価格の基準となるものであるから,売上総利益率を平均する必要はない。すなわち,比較可能性が同等に認められる取引が複数存在するため,比較対象取引を1つに絞り込むことが困難で,あえて1つに絞り込むことがかえって課税の合理性を損ねると判断されるような場合には,独立企業間価格について一定の範囲(価格帯)が形成,認識できることになる。したがって,本件国外関連取引のように,購入された棚卸資産の対価の額が問題となる場合には,最も低い売上総利益率により,最も高い独立企業間価格を採用すべきであるところ,本件国外関連取引の対価の額は,上記の独立企業間価格を超えていない。 第2 手続上の瑕疵による更正処分の違法 1 本件各更正処分に係る理由付記が不十分であること(1) 本件各更正処分に係る各通知書(本件各通知書)には,本件各更正処分の理由として「再販売価格基準法を適用するには」「貴社と類似の幼児向け教材を非関連者から購入し,貴社と同様非関連者である個人消費者に訪問販売している同業者3社の取引を選定しました」と記載されているだけである。本件各通知書では,本件各比較対象取引に係る売上総利益率の計算において「役務提供サービスに係る損益を除外」する計算内容が一切明らかにされておらず,比較対象取引として選定した取引の内容及び当該取引と国外関連取引の差異の状況について,極めて簡略な説明がされているにとどまり,どのような調整を加えたかについても一切明らかにされておらず,独立企業間価格が 単純平均値なのか,加重平均値なのかについても記載されていない。しかも,原処分行政庁は比較対象取引であると主張する取引に係る12のテストに関する情報については,当該テストの実施の有無,実施した場合のその結果等に関し 加重平均値なのかについても記載されていない。しかも,原処分行政庁は比較対象取引であると主張する取引に係る12のテストに関する情報については,当該テストの実施の有無,実施した場合のその結果等に関し,当該取引に係る守秘義務を理由として原告に情報を開示することを拒否し,比較対象取引の内容,使用する無形資産などを具体的に明らかにしておらず,その選定が合理的であるかどうかを検討することができないため,行政処分の恣意性を防止する理由付記の制度趣旨が全く担保できない。 (2) 最高裁判所は「帳簿書類の記載自体を否認することなしに更正する場合は帳簿記載書類の法的評価を覆すに足りるだけの信憑力のある資料を摘示する必要はない」としているが,本件各更正処分では,Q1取引とQ12取引を一体のものとした原告の帳簿記載を否認し,両者を分割した上,原告の全く知り得ない第三者の行う取引の所得計算上の売上総利益率を課税の根拠としているのであるから,その根拠を信憑力のある資料で示す必要がある。また,原告の採用する内部取引であるQ14取引を否認し,本件各比較対象取引という無形資産も規模もビジネス態様も異なる取引を用いて原告の所得を計算するのであるから,より一層の信憑力のある資料を摘示する必要があるのは当然である。 しかしながら,本件各通知書からは,本件各更正処分の前提として,どのようにして原告のQ1取引の損益をどのように抽出したのか,本件各比較対象取引がなぜQ14取引よりも比較対象性があるのか,本件各比較対象取引に係る損益を商品販売とアフターフォローサービスにどのように配賦したのか,必要な差異調整を行ったのかなどについて,信憑力のある資料は一切摘示されていない。 (3) 以上のとおり,本件各更正処分に係る理由付記は不十分であるから,本件各更正処分は違法である。 たのか,必要な差異調整を行ったのかなどについて,信憑力のある資料は一切摘示されていない。 (3) 以上のとおり,本件各更正処分に係る理由付記は不十分であるから,本件各更正処分は違法である。 2 適正手続違反があること (1) 本件各更正処分等に係る調査の過程では,本件調査担当者による大声,暴言,精神的威迫行為など,公務員職権濫用罪に該当する違法行為があり,原告に提出義務がない資料である(省略)の情報について,「なにもないなら堂々と出せるだろう」「面倒なことになると思ってもらいたい」と凄んで執拗にその開示を迫ったり,「それは前にもZ13が大声で怒鳴ったはずだ。」と調査官が脅迫し,自己に有利な回答の強要を行ったりしたことが証拠上明らかである。 (2) また,被告は,本件各更正処分の理由について,原告からの度重なる書面提出の要求を拒否し,かつ,本件調査担当者も,証言を拒絶しているにもかかわらず,本件各更正処分が適法であると認められるのであれば,原告は,司法的救済を受けることができず,憲法の定める裁判を受ける権利が侵害される。 なお,証言拒絶及び文書の開示拒否の理由として,被告は税務調査に関して得られた情報の守秘義務を主張するが,税務職員の守秘義務の対象となる秘密は形式的に国家機関が秘密と指定するだけでなく,実質的に秘密として保護される利益が必要であるとされているところ(最高裁昭和52年12月19日第2小法廷決定・刑集31巻7号1053頁,最高裁昭和53年5月31日第1小法廷決定・刑集32巻3号457頁),本件各比較対象法人の10年以上前の情報を開示することで,実質的な損害が発生することは全く証明されていない。被告は税務職員の守秘義務をあたかも絶対的なものであるかのように主張するが,税務職員が日常的に調査にかかわる納税 10年以上前の情報を開示することで,実質的な損害が発生することは全く証明されていない。被告は税務職員の守秘義務をあたかも絶対的なものであるかのように主張するが,税務職員が日常的に調査にかかわる納税者の情報をリークしていることは公知の事実である。 また,裁判所も,記者会見を開いて秘密情報を開示した税務職員に対して「右守秘義務はこれを免除すべき正当な理由があれば免除されるのであって,認定事実によれば,国税局調査査察部長は,控訴人病院について告発する前の段階であるが,すでに収集した資料から控訴人病院には法人税法違反の事 実があるものと認めたので,その職責上租税犯罪の一般予防,納税道義の向上等もっぱら公益を図る目的で新聞記者の取材に応じ本件公表したものであり,右公表は社会通念上相当と認められる限度を超えたものではないから守秘義務に違反したものではないというべきである」(東京高裁昭和59年6月28日判決・昭和56年(ネ)2808号・税資136号)と判示していることからも明らかなように,日本の税務職員は日常的に守秘義務違反をしており,これを盾に納税者の反対尋問権を奪うことは許されない。 その他,本件調査担当者は,原告が信頼する財務代理人である監査法人の参与で本件調査に当初からかかわっていた(省略)の立会いを拒否して,原告の調査対応を妨害した。 (3) 以上のとおり,本件各更正処分には適正手続違反があることから,本件各更正処分は違法である。 第3 過少申告加算税の賦課決定処分が違法であること(過少申告となったことについての国税通則法65条4項の規定する「正当な理由」があること)仮に本件各比較対象取引に係る売上総利益率を前提とした通常の利益率に基づいて算定した本件国外関連取引に係る独立企業間価格が正当なものであり,原告から(省略)へ の規定する「正当な理由」があること)仮に本件各比較対象取引に係る売上総利益率を前提とした通常の利益率に基づいて算定した本件国外関連取引に係る独立企業間価格が正当なものであり,原告から(省略)への所得移転が認められるとしても,原告は第三者が行った本件各比較対象取引に係る売上総利益率等を知ることはできないのであるから,内部取引であるQ14取引を用いて検証した価格をもって本件各事業年度の法人税の申告をしたことに合理的な理由がある。 したがって,過少申告となったことについて正当な理由があるというべきであるから,原告に対する本件各賦課決定処分は取消されるべきである。 第4 結論原告は(省略)が開発した言語学習メソッド(Q15)を一体として輸入し,日本において販売を行っているのであり,高付加価値な商品を開発した(省略)が高い利益を上げるのは当然である。また,Q1取引とQ12取引は商取引とし て一体のものであり,これを分断してQ1取引の損益だけを抽出することは,共通経費の配賦計算の問題を引き起こすのみならず,実際に行われている商取引を架空の取引に再構築することを意味する。さらに,Q1取引に係る売上総利益率が適正であることは内部取引であるQ14取引によっても立証されている。一方,原処分行政庁が選定したという本件各比較対象取引は,マルチ商法又は実質的なマルチ商法であり,キャラクターに関する権利も存在しない価値のない商品を販売するビジネスであり,Q1取引と売上総利益率が異なるのは当然である。原処分行政庁はこのような差異を無視しただけでなく,3社によって行われた本件各比較対象取引における売上総利益率を加重平均した架空の数字を前提として,必要な差異調整も行わず(そもそも不可能であるが),原告がQ1取引の売上げに応じて(省略)に対して支払うべ よって行われた本件各比較対象取引における売上総利益率を加重平均した架空の数字を前提として,必要な差異調整も行わず(そもそも不可能であるが),原告がQ1取引の売上げに応じて(省略)に対して支払うべきロイヤリティ率を加算するという更なる誤りを犯しているから,本件各更正処分等は違法なものであり,全て取り消されるべきである。 以上 (別紙8)被告の主張の概要第1 措置法66条の4第2項に基づく課税処分が適法であること 1 本件国外関連取引に係る棚卸資産(Q1)の再販売価格(Q1取引の売上金額)の算定が適切にされていること(1) Q1取引(輸入販売取引)とQ12取引(役務提供取引)とを一の取引とみるべきでないことア本件では,原告が国外関連者である(省略)からQ1を輸入する取引(本件国外関連取引)に係る独立企業間価格の算定の適否が争われているところ,「独立企業間価格の算定は,原則として,個別の取引ごとに行う」こととされている。もっとも,例外的に,国外関連取引について,同一の製品グループに属する取引,同一の事業セグメントに属する取引等を考慮して価格設定が行われており,独立企業間価格についてもこれらの単位で算定することが合理的であると認められる場合など,個別の取引で評価するよりも一の取引と見て評価する方が合理的である場合には,それらの取引を一の取引として独立企業間価格を算定することができる。 イしかるに,本件国外関連取引について,その他の取引を考慮した価格設定が行われているなどという例外的な事情は見当たらない。また,再販売取引における価格設定の観点から見ても,本件国外関連取引に係る棚卸資産(Q1)の再販売取引であるQ1取引において,Q12に係る役務提供取引を考慮した価格設定が行われているなどという事情は見当たらない 取引における価格設定の観点から見ても,本件国外関連取引に係る棚卸資産(Q1)の再販売取引であるQ1取引において,Q12に係る役務提供取引を考慮した価格設定が行われているなどという事情は見当たらない。 さらに,原告の顧客は,Q1の製品の購入のみをするか,別途Q12に加入するかを任意に選択でき,Q12への加入が顧客の意思に委ねられているところ,Q1を購入したもののQ12に加入しなかったという顧客が相当数存在する。しかも,原告はその理由すら分析しておらず,このことは,Q1取引において,Q12に係る役務提供取引を考慮した価格設定が行わ れていないことを示す事情といえ,Q1取引においては,Q1製品の販売のみで利益が確保できるように販売価格(再販売価格)を設定していると考えるのが自然である。 ウしたがって,Q1取引とQ12取引とを一の取引と見て評価する方が合理的であるとする理由はないから,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売取引の単位は,原則どおり,Q1取引のみとするのが合理的である。 (2) Q11の売上げに相当する部分の除外が適切にされていることア原告は,平成10年8月期から平成14年8月期までの途中までの間,国内の非関連者から,Q1のQ5の一部であるQ11(磁気カード読取機)を仕入れて,(省略)から仕入れた商品と併せてQ1(Q5)として販売していたが,Q11の価格とそれ以外の部分の価格を区別していなかった。 そこで,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算定するためには,原告の平成10年8月期から平成14年8月期までにおけるQ1の売上金額から,Q11の売上げに相当する部分を除外する必要がある。 イ平成10年8月期から平成14年8月期までのQ11のみの売上金額については,これを明らかにする証拠 年8月期までにおけるQ1の売上金額から,Q11の売上げに相当する部分を除外する必要がある。 イ平成10年8月期から平成14年8月期までのQ11のみの売上金額については,これを明らかにする証拠がないため,合理的な算出方法により算定する必要があるところ,Q1の仕入価格に占めるQ11の割合を販売価格に反映させることにより,Q11に係る売上金額を算出するという方法は合理的であって,このような合理的な算出方法によりQ11の売上げに相当する部分を算出した上で求めた本件国外関連取引における棚卸資産の再販売価格の算定は,適切に行われたものである。 ウ仮に,Q10とQ11の間にキャラクターの使用に伴う価値の違いが存在するとしても,それが両者の利益率に差異をもたらすものであることは,何ら証拠により客観的に明らかにされていない。また,仮に利益率の差異 をもたらすものであったとしても,それを合理的に算出する方法も認められないことからすれば,Q11の販売価格は,本件各更正処分において用いた算出方法のように,その商品を含むQ5の取引に係る仕入価格におけるQ11の占める割合に基づき算定するのが合理的であり,かつ,適切というべきである。 (3) 小括以上のとおり,本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1の再販売価格を算定するに当たっては,Q1取引のみに着目すべきであり,また,Q1取引に係る売上金額からQ11の売上げに相当する部分は適切に除外されている。 2 通常の利益率の算定が適法であること(1) 措置法66条の4第9項の規定する質問検査権行使の結果を用いて同条2項に基づく課税処分をすることができることア措置法66条の4第9項の規定する質問検査権行使の結果を用いて同条2項に基づく課税処分をすることができること措置法66条の4 使の結果を用いて同条2項に基づく課税処分をすることができることア措置法66条の4第9項の規定する質問検査権行使の結果を用いて同条2項に基づく課税処分をすることができること措置法66条の4第9項の規定によれば,文理上,同条1項の独立企業間価格を算定するために同条9項の規定する質問検査権を行使することができることは明らかである。 すなわち,同条9項における「第7項に規定する」という文言は「帳簿書類又はその写し」という文言に係るものであって「場合」という文言に係るものではないから,同条9項が同条7項の場合のみに適用場面を限定していると解釈することはできない。そして,その他に同条2項に基づく算定方法により同条1項の独立企業間価格を算定する場合を除外するような文言はないことからすると,同条9項の「第1項に規定する独立企業間価格を算定するために」とは,同条7項で規定されているいわゆる推定課税の場合のみを念頭に置いたものではなく,同条2項に基づく算定方法 により独立企業間価格を算定する場合をも念頭に置いたものであると解される。 イ措置法66条の4第9項の規定する適用要件を充足すること(ア) 原告は,措置法66条の4第7項の規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示し,又は提出しなかったことa 措置法66条の4第9項の規定する「第7項に規定する帳簿書類」は,「独立企業間価格を算定するために必要と認められる帳簿書類」と規定されているところ,具体的には,旧事務運営指針2-4で例示されている書類(法人が独立企業間価格の算定に使用した書類等,国外関連取引の内容を記載した書類等)が,これに該当する。すなわち,調査担当者が行う移転価格調査の過程においては,①関連者間における所得移転の蓋然性の有無に関する検討に必要な書類,②実際の 書類等,国外関連取引の内容を記載した書類等)が,これに該当する。すなわち,調査担当者が行う移転価格調査の過程においては,①関連者間における所得移転の蓋然性の有無に関する検討に必要な書類,②実際の取引価格に関する価格設定方法の把握に必要な書類及び③取引価格が独立企業間価格であるかについての検証に必要な書類が不可欠であるところ,事務運営要領2-4に例示された書類等はいずれも上記①ないし③の書類として例示したものであるから,それらの書類がなければ,納税者が算定した独立企業間価格が適正なものであるかを検証することができない。 また,我が国の移転価格税制は,国外関連取引の対価が独立企業間価格と異なる場合には納税者が独立企業間価格で申告しなければならない申告調整型の制度であるから,納税者は,自ら設定した取引価格が独立企業間価格として適正なものであることを前提に確定申告をしているはずである。したがって,独立企業間価格の算定に必要と認められる帳簿書類の提示又は提出を求められた場合には,原告自らが,取引価格の設定方法の具体的な説明を行い,あるいは,独立企業間価格の算定方法の選択,比較対象取引の選定(取引単位,比較対象性の 有無,差異の調整等)を適切に行ったとする書類などを提示又は提出して,進んで説明する必要があり,かつ,それは自ら申告するために準備されていたはずのものである。 b しかるに,本件調査担当者は,本件国外関連取引における取引価格が独立企業間価格として適正なものであるかを検証するために,通常であれば原告が申告時に検証していたであろう書類等を想定して,臨場調査時において原告に対して発問し,また,「質問事項」及び「質問事項等」を作成して交付するなどして,再三にわたり,本件国外関連取引における取引価格が独立企業間価格として適正な 書類等を想定して,臨場調査時において原告に対して発問し,また,「質問事項」及び「質問事項等」を作成して交付するなどして,再三にわたり,本件国外関連取引における取引価格が独立企業間価格として適正なものであることを検証するための書類等の提示又は提出を具体的に求めたものであるが,原告はこれに応じなかった。 c したがって,原告が,独立企業間価格を算定するために必要と認められる帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示又は提出しなかったことは明らかである。 (イ) 本件国外関連取引に係る「独立企業間価格を算定するために必要があるとき」に該当すること上記(ア)のように原告が措置法66条の4第7項に規定する帳簿書類又はその写しを遅滞なく提示し,又は提出しなかったという状況においては,本件国外関連取引に係る取引価格が独立企業間価格であるかを判断するために,類似の事業を営む者から,第三者との取引価格や利益率に関する情報を収集することが必要であるから,独立企業間価格を算定するための調査の必要性が客観的に認められる。 したがって,措置法66条の4第9項の規定する「独立企業間価格を算定するために必要があるとき」に該当する。 ウ仮に措置法66条の4第9項の規定する適用要件を充足しなかったとしても本件各更正処分が違法となるわけではないこと 措置法66条の4第9項は,移転価格税制の執行に不可欠である税務職員による比較対象法人に対する質問検査権限を創設した規定であって,当該質問検査に係る手続要件自体が課税処分の要件となるものではなく,調査の手続が刑罰法規に触れ,公序良俗に反し又は社会通念上相当の限度を超えて濫用にわたる等重大な違法を帯び,何らの調査なしに更正処分をしたに等しいものとの評価を受ける場合に限り,その処分に取消原因があるとされるのであ に触れ,公序良俗に反し又は社会通念上相当の限度を超えて濫用にわたる等重大な違法を帯び,何らの調査なしに更正処分をしたに等しいものとの評価を受ける場合に限り,その処分に取消原因があるとされるのであって,当該質問検査に係る手続が違法であることを理由に,直ちに課税処分が違法であるということはできない。 したがって,仮に,本件において措置法66条の4第9項の規定する適用要件を充足しないとしても,そのことのみをもって直ちに本件各更正処分が取り消されるものではない。 (2) 選定された3つの取引(本件各比較対象取引)が比較対象性を有することア本件各比較対象取引が比較対象性を有すること(ア) 本件各比較対象取引の選定方法(本件選定方法)が合理的なものであること本件調査担当者は,次のとおり(別紙6「被告の主張する独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定」の4項記載のとおり),適切に母集団の選定を行った上,第1次絞り込みから第3次絞り込みまでの各過程において,比較可能性を欠くものや比較可能性が低いものを選定対象から適切に除外し,本件国外関連取引に係る比較対象取引を選定した。 a 母集団の選定本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1について,国内において外交員による一般消費者に対する訪問販売が行われていることから,本件調査担当者は,この一般消費者に対する訪問販売という機能に着目し,①「訪販業界便覧 2003年版」(宏文出版株式会社発 行)に掲載されていた全746社(原告を除く),②「消費者相談窓口一覧平成14年10月」(社団法人日本訪問販売協会編集発行)の訪販協会員一覧に掲載されていた全310社(原告を除く),③「ネットワークビジネス企業売上高ランキング上位50社」(週刊エコノミスト平成15年8月26日掲載,出 社団法人日本訪問販売協会編集発行)の訪販協会員一覧に掲載されていた全310社(原告を除く),③「ネットワークビジネス企業売上高ランキング上位50社」(週刊エコノミスト平成15年8月26日掲載,出所・2003年1月1日付け日本流通産業新聞),④インターネットを用いて検索エンジンの登録サイトにおいて「幼児教育」かつ「教材」で検索して得られた18社(同検索結果に掲載された22社のうち,1社が4回,他の1社が2回重複して掲載されている。)から,①ないし③に掲載されていた会社及び法人としての申告実績がないものを除いた11社の合計1117社を母集団として選定した。 このように,上記の母集団の選定は,客観的な外部情報に基づいて適正に行われたものであって,原処分行政庁が恣意的に行ったものではない。 b 第1次絞り込み上記aの母集団1117社について,一般に入手可能な公開情報に基づき,次(a)ないし(c)のとおり,比較可能性が低いと考えられる合計1014社を選定対象から除外し,103社に絞り込んだ。 (a) 次の①ないし④に該当する会社は,比較可能性が低いとして選定対象から除外した。 ① 関連者間取引を行っている法人② 製造又はサービスを主たる事業としている法人③ 健康食品又は化粧品等の消耗品を主に取り扱っている法人④ 教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人以外の法人のうち,売上高が(省略)円未満の法人 なお,上記①については,そもそも関連者間取引は,比較対象取引として不適格であること,上記②については,原告のQ1取引とは大きく異なる機能を有していること,上記③については,健康食品又は化粧品等の単価の低い「消耗品」は,本件のような単価の高い「耐久消費財」と比べて,その内容が明らかに異なっていること,上記④については, く異なる機能を有していること,上記③については,健康食品又は化粧品等の単価の低い「消耗品」は,本件のような単価の高い「耐久消費財」と比べて,その内容が明らかに異なっていること,上記④については,原告のQ1の売上規模に比して極端に売上高が少ないこと(教育・教材,図書の訪問販売を行っている法人を除く。)から,比較対象性が低いものとして,選定対象から除外した。一方,第1次絞り込みに当たり,「教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人」について,売上高が(省略)円未満の法人を除外していないことについては,このような業態の法人の取引には,英語教材の訪問販売であるQ1取引と最も「同種又は類似」である取引が含まれている可能性が濃厚であり,業務内容や損益に関する資料等を精査して比較対象性の有無を検討する必要があることから,単純に売上高のみを理由として比較対象取引から除外することはしなかったものである。また,いずれ旧措置法通達66の4(2)-3の12のテスト等により比較対象取引として妥当であるか否かを判断するものであり,最終的には比較対象取引の選定の合理性は担保できる。したがって,「教育・教材及び図書の訪問販売を行う法人」について,売上高(省略)円未満の法人も含むとする基準を設定したことには十分な合理性があり,かつ,恣意性もない。 (b) 次の⑤ないし⑦に該当する会社も,「訪販業界便覧 2003年版」及び「消費者相談窓口一覧」の記載事項のみによって形式的に判断できるものは,比較可能性が低いとして選定対象から除外した。 ⑤ 店舗販売を行っている法人 ⑥ 調査対象期間(本件各事業年度)の損益データを収集できない法人⑦ 主に百貨店,通信販売会社及び訪問販売会社に販売している法人(c) 「訪販業界便覧」及び「消費者相談窓口一覧」には,主 ⑥ 調査対象期間(本件各事業年度)の損益データを収集できない法人⑦ 主に百貨店,通信販売会社及び訪問販売会社に販売している法人(c) 「訪販業界便覧」及び「消費者相談窓口一覧」には,主として通信販売業を行う法人が含まれていたため,次の⑧に該当する会社も,比較可能性が低いとして選定対象から除外した。 ⑧ 主として通信販売を行っている法人c 第2次絞り込み上記bの第1次絞り込みによって残った103社について,原処分行政庁の部内資料及び措置法66条4第9項の規定する質問検査権の行使による情報収集によって得られた資料等に基づき,比較可能性が低いと考えられる前記bの①ないし⑦に該当する合計87社を選定対象から除外し,16社に絞り込んだ。 d 第3次絞り込み上記(3)の第2次絞り込みによって残った16社から,比較可能性が低いと考えられた補正下着,呉服,宝飾品及び一般書籍等を販売する法人13社を除外した。 なお,再販売価格基準法においては,比較対象取引の選定で重要なのは,比較対象法人との機能の類似性であって,比較対象取引と問題取引の厳密な類似性は必要ではないとされているものの,上記列挙の各物品は,いずれも本件国外関連取引に係る棚卸資産であるQ1とは明らかに異なり,再販売者が得るマージン率がそもそも類似していない可能性が高いため,選定対象から除外した。 e 本件各比較対象取引の選定 原処分行政庁は,以上のような母集団の選定及び絞り込みを経て,Q1取引の比較対象取引として本件各比較対象取引を選定したのであって,本件選定方法は合理的であり,本件各比較対象取引の選定は適切にされている。 (イ) 本件各比較対象取引が比較対象性を有すること本件各更正処分では,措置法66条の4第2項1号ロの規定する「再販売価格基準 方法は合理的であり,本件各比較対象取引の選定は適切にされている。 (イ) 本件各比較対象取引が比較対象性を有すること本件各更正処分では,措置法66条の4第2項1号ロの規定する「再販売価格基準法」により,本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定が行われているところ,再販売価格基準法において通常の利益率を算定する際に用いられる比較対象取引は,国外関連取引に係る再販売取引における棚卸資産と「同種又は類似の棚卸資産」に関する取引であることが必要とされている(措置法施行令39条の12第6項本文)。そして,比較対象取引については,旧措置法通達66の4(2)-1の(2)において「国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を,非関連者から購入した者が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(当該取引と国外関連取引とにおいて売手の果たす機能その他に差異がある場合には,その差異により生じる措置法施行令第39条の12第6項に規定する割合の差につき必要な調整を加えることができるものに限る。)」とされており,「同種又は類似の棚卸資産の意義」については,旧措置法通達66の4(2)-2において,「国外関連取引に係る棚卸資産と性状,構造,機能等の面において同種又は類似である棚卸資産をいう」こととされている。 このように,再販売価格基準法における国外関連取引に係る再販売取引の棚卸資産と比較対象取引の棚卸資産は,条文上,独立価格比準法のように「同種」(措置法66条の4第2項1号イ)のものに限定されておらず,「類似」(措置法施行令39条の12第6項本文)のものでも足りるとされているのは,再販売価格基準法が,独立価格比準法のよう に比較対象取引の価格をそのまま独立企業間価格とはせず,一定期間にわたる類似取引における通常の利益率( 6項本文)のものでも足りるとされているのは,再販売価格基準法が,独立価格比準法のよう に比較対象取引の価格をそのまま独立企業間価格とはせず,一定期間にわたる類似取引における通常の利益率(具体的には売上総利益率に必要な差異調整を加えた割合)から独立企業間価格を算定するものであり,売上総利益率に影響を及ぼす重要な要素が,再販売者の果たす機能等であって,製品の内容や提供される役務の内容自体の同種性ではないという考え方の表れであるともいえる。 以上の点を踏まえて,比較対象取引に該当するか否かについての具体的な判断に当たっては,旧措置法通達66の4(2)-3において例示された12の要素(①棚卸資産の種類,役務の内容等,②取引段階,③取引数量,④契約条件,⑤取引時期,⑥売手又は買手の果たす機能,⑦売手又は買手の負担するリスク,⑧売手又は買手の使用する無形資産,⑨売手又は買手の事業戦略,⑩売手又は買手の市場参入時期,⑪政府の規制,⑫市場の状況)に基づき類似性の検討(12のテスト)が行われるべきである。 そして,12のテストによれば,本件各比較対象取引は,次のとおり,Q1取引との比較対象性があり,かつ,Q1取引と本件各比較対象取引との間の再販売者の果たす機能その他における差異について,その差異により生ずる割合を適正に調整できるのであるから,Q1取引と比較対象性を有している。 ① 棚卸資産の種類等が類似していること(a) Q1取引における棚卸資産は,原告が(省略)から輸入し訪問販売する幼児向け英語教材のQ1であり,教材の構成内容の違いにより,Q4,Q5,Q6,DVDセット及びQ7の5種類のセットがあり,各セットは,それぞれ絵本,CD,本,DVD,カード,発音カードとその専用読取機及びカセットを組み合わせたもので構成されている。 り,Q4,Q5,Q6,DVDセット及びQ7の5種類のセットがあり,各セットは,それぞれ絵本,CD,本,DVD,カード,発音カードとその専用読取機及びカセットを組み合わせたもので構成されている。 (b) これに対して,本件各比較対象取引における棚卸資産は,本件各比較対象法人が訪問販売する子供向け教材であり,本件各比較対象法人が販売するそれぞれの教材の内容は次のとおりである。 A社の販売する教材は,子供向けの学習教材であり,学習の目的によって複数のセットに区分されており,各セットは,基本的に絵本,テキスト,CD,ビデオ,絵が印刷されたカード及びその他で構成されている。 B社の販売する教材は,子供向けの学習教材であり,学習段階に応じて複数のセットに区分されており,各セットは,基本的にテキスト,発音カードとその専用読取機,CD及びその他で構成されている。 C社の販売する教材は,子供向けの学習教材であり,学習の目的及び対象年代によって複数のセットに区分されており,各セットは,基本的に絵本,CD,ビデオ,発音カードとその専用読取機及びその他で構成されている。 (c) このように,原告及び本件各比較対象法人が販売する棚卸資産は,学習目的や対象年代によって,その構成内容に若干の違いはあるものの,いずれも子供向けの教材であり,その商品構成も類似しているから,性状又は構造において類似の棚卸資産である。 ② 取引段階(小売り又は卸売り,一次問屋又は二次問屋等の別)にも差異がないこと(a) Q1取引は,原告と販売委任契約を締結したアドバイザーと称する外交員による一般消費者に対する小売訪問販売である。 (b) これに対して,本件各比較対象取引における本件各比較対象法人の販売形態は,それぞれ次のとおりである。 A社の教材の ーと称する外交員による一般消費者に対する小売訪問販売である。 (b) これに対して,本件各比較対象取引における本件各比較対象法人の販売形態は,それぞれ次のとおりである。 A社の教材の販売形態は,A社と代理店契約を締結した外交員が購入見込客を戸別に訪問して販売を行う訪問販売であり,一般消費者に対する小売販売である。 B社の教材の販売形態は,B社の営業担当社員(B社社員外交員)及びB社と販売委託契約を締結した外交員(B社個人外交員)が購入見込客を戸別に訪問して販売を行う訪問販売であり,一般消費者に対する小売販売である。 C社の教材の販売形態は,C社と直接に販売委託契約を締結した外交員(C社個人外交員),C社と代理店契約を締結した法人に所属する外交員(C社代理店外交員)及びC社の営業担当社員(C社社員外交員)が購入見込客を戸別に訪問して販売を行う訪問販売であり,一般消費者に対する小売販売である。 (c) このように,Q1取引及び本件各比較対象取引における棚卸資産の販売形態は,いずれも一般消費者に対する訪問販売(小売り)であるから,原告と本件各比較対象法人との間で,取引段階に関して売上総利益率に影響を及ぼすような差異はない。 なお,本件調査担当者は,本件各比較対象法人の業務委託契約書等を確認することで,本件各比較対象法人がマルチ商法による販売を行っておらず,Q1取引と取引段階において差異がないことを確認している。 ③ 売上規模(取引数量)の差異は売上総利益率に影響を及ぼさないこと(a) 本件各事業年度におけるQ1取引の売上高は,それぞれ平成10年8月期が(省略)円,平成11年8月期が(省略)円,平成12年8月期が(省略)円,平成13年8月期が(省略)円,平成14年8月期が(省略)円及び平成15年8月期が(省略)円 高は,それぞれ平成10年8月期が(省略)円,平成11年8月期が(省略)円,平成12年8月期が(省略)円,平成13年8月期が(省略)円,平成14年8月期が(省略)円及び平成15年8月期が(省略)円である。 (b) これに対して,本件各事業年度に近接するA社,B社及びC社の各事業年度の本件各比較対象取引に係る訪問販売の売上高をそれぞれ合計した金額は,各事業年度いずれも(省略)円以上である。 (c) 本件各比較対象取引の売上規模は,Q1取引に係る売上規模と比較すると差があることは確かである。 しかしながら,Q1取引や本件各比較対象取引のような非消耗性商品(教材)の訪問販売については,仕入段階では,一般の小売業と同様に,購入量の増大に伴い一定程度の値引圧力が働くことから,より安く教材を購入できるようになるのが通常であると考えられるのに対し,販売段階では,教材のような非消耗性商品の個人顧客宅への臨場販売という特徴(店舗販売のように他社製品と比較されることは少ない)から,定価販売を行うことが可能であり,一般の小売業と比較した場合,訪問販売業においては,売上規模の増大に伴ってかえって売上総利益率が上昇する可能性はあるとしても,その反対に売上規模の増大に伴って売上総利益率が減少することは通常考え難い。また,訪問販売業において,売上総利益率と売上規模の相関関係を肯定する資料も見当たらず,このことは,原告自身の本件各事業年度における売上規模と売上総利益率の推移をみても明らかである。 このように,原告が行っているような非消耗性商品の訪問販売業の利益構造からすると,必ずしも,売上規模の増大に伴って売上総利益率が減少するという相関関係があるとはいえないから,原告と本件各比較対象法人との間で,売上規模に関して売上総利益率に影響を及ぼす 業の利益構造からすると,必ずしも,売上規模の増大に伴って売上総利益率が減少するという相関関係があるとはいえないから,原告と本件各比較対象法人との間で,売上規模に関して売上総利益率に影響を及ぼすような差異があるとはいえない。以上の点は,本件調査担当者が,本件各比較対象取引を選定するに当たって公開データの数値を分析する中で,実際に確認したものである。 (d) また,固定費率が小さい企業は,売上高の増加に伴う利益の増加幅が固定費率の大きい企業ほどには大きくはないという傾向があるところ,訪問販売業には平均的な小売業と比較して販売員給与などの人件費や通信費を含む広告宣伝費の割合が極めて高いという特徴があり,同じ人件費といっても訪問販売業における販売員給与は売上高との連動性が高く変動費としての性質を有しているから,訪問販売業者は典型的な変動費型企業であるといえる。そうすると,一般的には,売上規模の増大により値下余力が生じ,これが売上総利益率を次第に低下させるという図式が当てはまるとしても,訪問販売業者は,典型的な変動費型企業であり,売上高の増大に伴う利益の増加幅はそもそも相対的に少ないため,売上総利益率に与える影響は限定的であるということができる。 (e) 以上のことから,少なくとも本件においては,原告と本件各比較対象法人と売上規模(取引数量)の差異は,売上総利益率に影響を及ぼすようなものではない。 ④ 契約条件の差異については適切に調整することができること(a) Q1に関する契約条件と本件各比較対象法人が販売する比較対象取引の商品に関する契約条件との間で,売上総利益率に影響を与えることが明らかなものは,教材の仕入代金の決済期間である。 (b) 原告と(省略)との商品(Q1)の仕入れに係る仕入代金の決済条件は,平成7年9 品に関する契約条件との間で,売上総利益率に影響を与えることが明らかなものは,教材の仕入代金の決済期間である。 (b) 原告と(省略)との商品(Q1)の仕入れに係る仕入代金の決済条件は,平成7年9月1日付け「購入契約書」によると,仕入代金(買掛金)の支払に2年間の支払猶予期間がある。 実際にも,「買掛金の内訳明細」には,平成14年8月期末における原告の(省略)に対する買掛金として,2000年(平成12年)9月から2002年(平成14年)8月までの2年間の仕入代 金が計上されており,このことからも,仕入代金の支払に2年間の支払猶予期間があることが認められる。 (c) これに対して,本件各比較対象法人の仕入代金の決済状況は次のとおりである。 A社の商品の仕入代金(買掛金)の決済は,毎月月末締めの翌月末日支払であり,支払猶予期間は1か月程度である。 B社の商品の仕入代金(買掛金)の決済は,毎月20日締めの翌月10日支払であり,支払猶予期間は20日程度である。 C社の商品の仕入代金(買掛金)の決済は,毎月月末締めの翌月末日支払であり,支払猶予期間は1か月程度である。 (d) このように,Q1と本件各比較対象取引の商品とでは,仕入代金(買掛金)の支払猶予期間について,Q1は2年,本件各比較対象取引の商品は1か月程度と大きな差異があるところ,これにより仕入代金の資金調達に係る金利相当額の負担に差が生じることから,売上総利益率に影響を及ぼすような差異となり得る。そして,この金利相当額の負担の差は,原告の資金調達金利を基礎として合理的に算出することが可能であり,その差異は適切に調整することができるから(その差異の調整が適正に行われていることは後記のとおりである。),このような差異が存在したとしても,本件各比較対象取引の比較対象性は することが可能であり,その差異は適切に調整することができるから(その差異の調整が適正に行われていることは後記のとおりである。),このような差異が存在したとしても,本件各比較対象取引の比較対象性は否定されない。 ⑤ 取引時期には差異がないことQ1は,一年を通して販売されているのに対し,本件各比較対象取引の商品についても,同様に一年を通して販売されており,また,本件各事業年度に近接する本件各比較対象法人の各6事業年度の期間においても,継続して販売されている。 なお,独立企業間価格の算定に当たり独立価格比準法を用いる場合には,「問題となる取引が第三者との間で行われたとした場合にどのような価格になるかを,実際の第三者間取引の価格から導くことにより決める方法」であるから,比較対象取引は「同種の棚卸資産に係る取引であるほか,取引された状況も同様」である必要があり,「取引時期」も価格に影響を及ぼし得る重要なポイントとなるとされているが,本件のように再販売価格基準法を用いる場合は,比較対象取引の一定期間(本件においては一事業年度)の売上総利益率を基礎として独立企業間価格が算定されるから,「取引時期」が比較対象性の判断に与える影響は低い。 ⑥ 売手又は買手の果たす機能の差異については適切に調整することができること(a) 原告は,(省略)が開発及び製造したQ1の完成品を輸入(本件国外関連取引)した上,その輸入した完成品を加工等せずに日本国内で子供のいる家庭を対象として,外交員により訪問販売を行っている。 したがって,本件国外関連取引及びQ1取引において原告が果たす機能のうち,売上総利益率に影響を及ぼすものとして着目すべき点は,①国外関連取引に係る再販売者の販売方法が戸別の訪問販売であること,②販売する棚卸資産は国外関連者であ びQ1取引において原告が果たす機能のうち,売上総利益率に影響を及ぼすものとして着目すべき点は,①国外関連取引に係る再販売者の販売方法が戸別の訪問販売であること,②販売する棚卸資産は国外関連者である仕入先が開発及び製造したものであり,棚卸資産の再販売者は製造機能を有しないことであるといえる。 (b) これに対して,本件各比較対象取引において売手の果たす機能は,次のとおりである。 A社の棚卸商品の販売形態は,子供のいる家庭を対象とした外交員による戸別の訪問販売である。そして,A社の販売する商品は, 絵本,テキスト,CD,ビデオ,絵が印刷されたカード,その他から構成される学習教材であるところ,当該学習教材は,仕入先が商品を開発し製造するものであり,A社は,仕入れた商品を加工等せずに販売しており,製造機能を有していない。 B社の棚卸商品の販売形態は,子供のいる家庭を対象とした外交員による戸別の訪問販売である。そして,B社の販売する商品は,テキスト,発音カードとその専用読取機,CD,その他から構成される学習教材であるところ,当該学習教材は,仕入先が開発し製造するものであり,B社は,仕入れた商品を加工等せずに販売しており,製造機能を有していない。 C社の棚卸商品の販売形態は,子供のいる家庭を対象とした外交員による戸別の訪問販売である。そして,C社の販売する商品は,絵本,CD,ビデオ,発音カードとその専用読取機,その他から構成される学習教材であるところ,当該学習教材は,仕入先が開発して製造したものであり,C社は,仕入れた商品を加工等せずに販売しており,製造機能を有していない。 (c) このように,Q1取引と本件各比較対象取引における教材の販売方法は,いずれも外交員による戸別の訪問販売である。そして,Q1取引と本件各比較対象取 に販売しており,製造機能を有していない。 (c) このように,Q1取引と本件各比較対象取引における教材の販売方法は,いずれも外交員による戸別の訪問販売である。そして,Q1取引と本件各比較対象取引における教材は,いずれも仕入先が開発し製造したものであって,原告及び本件各比較対象法人は製造機能を有していない。 したがって,両者の間に,売手の果たす機能において差異はないものの,訪問販売の販売形態においては,外交員報酬,広告宣伝に係る費用及び販売促進に係る費用は,顧客獲得のために必要な費用であり,その支出が売上総利益率に影響を及ぼすと認められるところ,現に,原告及び本件各比較対象法人の外交員報酬,広告宣伝費 及び販売促進費に係る支出が売上総利益率に影響を及ぼしているものと認められる。ただし,この差異は,当該各費用の売上高に占める割合を用いる方法により調整が可能であるから(その差異の調整が適正に行われていることは後記のとおりである。),このような差異が存在したとしても,比較対象性は否定されない。 (d) 原告は,その他,Q1取引と本件比較対象取引との間の営業拠点における差異が売上総利益率に影響すると主張するが,Q1取引取引と本件各比較対象取引との間にこのような差異があったとしても,売上総利益率に影響を及ぼすことが客観的に明らかであるとはいえない。 ⑦ 売手又は買手の負担するリスクには差異がないこと原告と(省略)との「購入契約書」第Ⅱ条「注文及び引渡し」,「2. 03 所有権の移動」によれば,本件国外関連取引において原告が(省略)から輸入したQ1の所有権は,日本国内に輸入された時点において原告に移転することとなっており,原告が在庫リスクを負担しているのに対し,本件各比較対象法人も,商品を仕入れて販売することから,本件各比 から輸入したQ1の所有権は,日本国内に輸入された時点において原告に移転することとなっており,原告が在庫リスクを負担しているのに対し,本件各比較対象法人も,商品を仕入れて販売することから,本件各比較対象法人も在庫リスクを負担している。 なお,国外関連取引に関して問題となるリスクとして為替リスクがあるが,本件国外関連取引は,(省略)に所在する(省略)からの輸入取引であるところ,仕入代金は円建てで決済されており,本件各比較対象取引も日本国内の事業者からの円建ての仕入れであるから,原告及び本件各比較対象法人は,いずれも為替リスクを負担していない。 したがって,在庫リスクや為替リスクという観点からみて,原告と本件各比較対象法人との間で,その負担するリスクに関して売上総利益率に影響を及ぼすような差異はない。 ⑧ 売手又は買手の使用する無形資産の差異については適切に調整することができること(a) 原告が販売するQ1には,Z2が著作権を有するQ2が使用されているところ,本件国外関連取引の棚卸資産であるQ1取引に使用されている無形資産の使用に係るロイヤリティは,原告が(省略)に対して支払う仕入代金には含まれておらず,本件国外関連取引に関係しない第三者である(省略)に対して原告が支払うこととされている。 原告と(省略)との間で締結されたQ1取引へのQ2等の使用に関するライセンス契約によれば,そもそも,Q2の著作権を有するZ2から,Q1にQ2の「使用許諾」を受けているのは,Q1を開発・製造する(省略)であり,原告は,Q2を使用して製造されたQ1を,(省略)から輸入し,日本国内で販売及びマーケティングする許諾を(省略)から受けているものである。 そして,Q1へのQ2の使用に係るロイヤリティは,Q2を使用してQ1を製造している(省略) Q1を,(省略)から輸入し,日本国内で販売及びマーケティングする許諾を(省略)から受けているものである。 そして,Q1へのQ2の使用に係るロイヤリティは,Q2を使用してQ1を製造している(省略)ではなく,Q2を使用したQ1を販売しマーケティングすることについて許諾を受けた原告が,Q1の販売数量に応じたロイヤリティ率によって算定される金額を,(省略)に支払うこととされている。 このように,Q1取引に係る棚卸資産であるQ1にはQ2等という無形資産が使用されているものの,原告が(省略)に対して支払うQ1の対価には,当該無形資産の使用に係る対価は含まれておらず,当該対価は,本件国外関連取引に関係しない第三者である(省略)に対し,原告が別途に支払われている。 (b) これに対し,本件各比較対象取引において使用される無形資産及びその使用の対価については,次のとおりである。 A社の販売する教材は,仕入先が開発及び製造を行っているものであり,教材を構成する絵本やテキストなどには,キャラクターが使用されている。A社は,キャラクターが使用された教材を非関連者から仕入れているが,キャラクターの使用に係る著作権の対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれているものと認められる。なお,仕入価格に含まれているキャラクター使用に係る対価の額は不明である。 B社の販売する教材は,仕入先が開発及び製造を行っているものであり,教材を構成するテキストやCDなどには,キャラクターが使用されている。B社は,キャラクターが使用された教材を非関連者から仕入れているが,キャラクターの使用に係る著作権の対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれているものと認められる。なお,仕入価格に含まれているキャラク を非関連者から仕入れているが,キャラクターの使用に係る著作権の対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれているものと認められる。なお,仕入価格に含まれているキャラクター使用に係る対価の額は不明である。 C社の販売する教材は,仕入先が開発及び製造を行っているものであり,教材を構成する絵本,テキスト及びビデオなどにはキャラクターが使用されている。C社は,キャラクターが使用された教材を非関連者から仕入れているが,キャラクターの使用に係る著作権の対価については,仕入代金と区別された別途の支払はなく,仕入価格に含まれているものと認められる。なお,仕入価格に含まれているキャラクター使用に係る対価の額は不明である。 (c) 教材において使用されるキャラクターは,教材に対する顧客の購買意欲を刺激し,販売を促進する働きをするという点では本質的な違いはない。 一方で,著作権の対象となるキャラクター自体の人気,知名度に違いが見られる場合には,より著名なキャラクターを使用する場合 にはその分だけ多額のロイヤリティを支払う必要が生じるため,キャラクターの差異はロイヤリティの支払金額に反映されることになるから,使用する無形資産における差異は,他の販売経費と同じように,そのキャラクターの使用に対するロイヤリティの支払額が売上高に占める割合の差によって調整することができる。 そして,Q1取引では,Q2が使用されており,この使用に対してロイヤリティが支払われているのに対し,本件各比較対象取引では教材にキャラクターが使用されているものの,この使用に対してロイヤリティが支払われているかは不明である。また,原告はQ1に係るQ2のロイヤリティをQ1の仕入代金とは別に支払い,販売費,一般管理費に計上しているのに対し,本件各比較対 ものの,この使用に対してロイヤリティが支払われているかは不明である。また,原告はQ1に係るQ2のロイヤリティをQ1の仕入代金とは別に支払い,販売費,一般管理費に計上しているのに対し,本件各比較対象取引の教材は,教材の仕入代金とは別途のロイヤリティの支払がなく,ロイヤリティは教材の仕入代金(売上原価)に含まれているものと認められる。 そうすると,原告と本件各比較対象法人が使用する無形資産の差異は,ロイヤリティの支払の程度における差異として調整することができるから(その差異の調整が適正に行われていることは後記のとおりである。),このような差異が存在したとしても,本件各比較対象取引の比較対象性は否定されない。 (d) Q1取引と本件各比較対象取引において使用する無形資産に関しては,次のとおり,原告及び本件各比較対象法人がそれぞれ有する販売網及び顧客リストについても類似性が認められる。 すなわち,販売網については,Q1取引は,「アドバイザー」が「日本全国を地区毎に担当」し戸別に訪問販売を行うものであり,本件各比較対象取引も,それぞれ,日本全国に支社,営業所,支店あるいは支所と称する外交員の拠点を置き,子供のいる家庭を対象 として外交員による戸別の訪問販売を行うものであるから,両者に違いはない。 一方,顧客リストについては,原告は,広告チラシ,雑誌,インターネット,テレビなどの媒体による広告及び各種イベント等における宣伝による顧客の資料請求データなどから収集した(省略)と称する販売見込客の氏名,住所及び電話番号の情報に基づいてリスト化し,訪問販売を行っているのに対し,本件各比較対象法人のうち,A社については,A社が情報誌や新聞等に掲載した広告やA社のホームページを見て資料を請求してきた者をリスト化し,B社については,外交 ト化し,訪問販売を行っているのに対し,本件各比較対象法人のうち,A社については,A社が情報誌や新聞等に掲載した広告やA社のホームページを見て資料を請求してきた者をリスト化し,B社については,外交員が独自に開拓したもののほかは,B社が雑誌に掲載した広告,ラジオコマーシャルによる宣伝やB社のホームページを見て資料請求をしてきた者をリスト化し,C社については,名簿収集業者から購入した名簿及び同業者から提供を受けた顧客リストに基づいてそれぞれ訪問販売を行っている。 そうすると,原告と本件各比較対象法人の顧客リストに関しては,その基礎となる情報の収集に係る費用である広告宣伝費の支出の程度において差異が認められるところ,かかる差異は,売手の果たす機能における差異として,当該費用の売上高に占める割合の差により調整が可能であるから(その差異の調整が適正に行われていることは後記のとおりである。),このような差異が存在したとしても,本件各比較対象取引の比較対象性は否定されない。。 ⑨ 売手又は買手の事業戦略には差異がないことQ1取引及び本件各比較対象取引は,外交員が一般消費者を戸別に訪問して販売する取引であり,市場開拓等について特殊な事業戦略を採用していないので,事業戦略に関して売上総利益率に影響を及ぼすと認められる差異は認められない。 なお,Q1取引及び本件各比較対象取引における市場開拓に関連するものとして,訪問販売の対象とする購入見込客の開拓に係る広告宣伝及びマーケティングの費用について,Q1取引と本件各比較対象取引との間には,その支出の程度に差異が生じていると認められるものの,かかる差異は当該費用の売上高に占める割合により調整が可能であるから(その差異の調整が適正に行われていることは後記のとおりである。),このような差異が存 の程度に差異が生じていると認められるものの,かかる差異は当該費用の売上高に占める割合により調整が可能であるから(その差異の調整が適正に行われていることは後記のとおりである。),このような差異が存在したとしても,本件各比較対象取引の比較対象性は否定されない。 ⑩ 売手又は買手の市場参入時期には差異がないこと原告及び本件各比較対象法人の市場参入時期については,それぞれ,原処分調査の時点で既に10年以上の事業経歴を有しており,販売活動は定常化しているのであるから,市場参入時期に関して売上総利益率に影響を与えるような差異は認められない。 ⑪ 政府の規制には差異がないことQ1取引及び本件各比較対象取引の教材の販売等については,特商法の規制を受けるが(特商法2条に規定する「訪問販売」に該当する。),この点においてQ1取引と本件各比較対象取引とにおいて異なるところはない。また,同法は,消費者保護を目的として,訪問販売における販売行為や販売手続について規定するものであり,商品の取引価格や取引数量等に関する規制はないから,政府の規制に関して売上総利益率に対する影響を生じさせるものではない。 ⑫ 市場の状況には差異がないことQ1取引は,「アドバイザー」が「日本全国を地区毎に担当」し,子供のいる家庭を対象として訪問販売を行うものであるのに対し,本件各比較対象取引についても,それぞれ日本全国に支社や営業所等と 称する外交員の拠点を配置し,子供のいる家庭を対象として訪問販売を行うというものである。 そうすると,原告と本件各比較対象法人との間で,市場の状況に関して売上総利益率に影響を及ぼすような差異はない。 イ原告の選定したQ14取引(内部比較対象取引)は比較対象性がないこと(Q14取引を比較対象取引としなかったことは適切である 間で,市場の状況に関して売上総利益率に影響を及ぼすような差異はない。 イ原告の選定したQ14取引(内部比較対象取引)は比較対象性がないこと(Q14取引を比較対象取引としなかったことは適切であること)通信販売であるQ14取引と訪問販売であるQ1取引とは,次のとおり,再販売者の果たす機能が異なっていることや,その販売形態の差異による費用構造の違いが顕著であること,更にはQ14取引が自ら取扱商品を製造して販売していること,市場参入時期が異なることなどからすると,Q14取引は,差異調整を論じるまでもなく,Q1取引との比較対象性がない。 (ア) Q14取引とQ1取引との間には,再販売者として原告の果たす機能及び負担するリスクにつき,売上総利益率に影響を及ぼす調整不可能な差異があることa まず,Q14取引は通信販売,Q1取引は訪問販売であるところ,本件調査担当者が分析したとおり,訪問販売会社8社の公開情報と通信販売業者7社の公開情報とを比較したところ,訪問販売と通信販売では,一般的に訪問販売の方が売上総利益率が高かった。また,訪問販売において一般的に必要とされる経費は,外交員報酬,広告・販売促進費であるのに対し,通信販売においては,外交員報酬は必要ではなく,代わりに荷造運賃及び通信費等が必要となる。このように,訪問販売と通信販売では,費用構造が大きく異なるのであり,実際にも,調査の過程で収集した情報によれば,訪問販売業者の売上げに占める外交員報酬,広告・販売促進費の合計額の割合は,通信販売業者の売 上げに占める広告・販売促進費,荷造運賃及び通信費の合計額の割合を大きく上回っていることが認められた。 このような費用構造の差異は,Q14取引とQ1取引における再販売者としての原告の果たす機能等の点で重大な差異を示すもの ,荷造運賃及び通信費の合計額の割合を大きく上回っていることが認められた。 このような費用構造の差異は,Q14取引とQ1取引における再販売者としての原告の果たす機能等の点で重大な差異を示すものであり,Q14取引が原告内部の取引であるとしても,その差異が売上総利益率に及ぼす影響を定量的に把握できるものではなく,それを合理的に調整する方法はない。 b 次に,Q14取引では,Q1の広告宣伝と(省略)を利用することにより,Q1取引と比べ,販売者の勧誘に対して顧客が購入を応諾する確率が高いため,販売費用を大幅に削減することが可能となるといった事情が認められ,これらは,いずれも売上総利益率に大きな影響を与える事情といえる。このような顧客の状況の差異は,Q1取引の活動の影響によってもたらされたものとはいえ,そのような差異が売上総利益率に与える影響については,それが原告内部の事情ではないため,原告内部の費用額等によって測定することはできず,これを合理的に調整する方法も見当たらない。 したがって,Q14の通信販売(Q14取引)において,既にあるQ1取引の(省略)を利用することは,Q1取引との間において,調整を行い得ない差異を生じさせる事情であり,この点においてもQ14取引は比較対象性がないと認められる。 c さらに,Q14取引は,原告が,製造委託基本契約に基づき,(省略)によって開発及び提供されるマスターを提供し,(省略)にQ14製品の製造を委託するというものであり,原告は製品の製造委託業者である。これに対し,Q1取引は,原告が,本件購入契約に基づき,(省略)から同社が製造,生産,組立てを行ったQ1製品を購入するものであり,原告は製品の購入業者である。この差異により,Q14 取引では,原告は,製造委託業者として,Q14製品 約に基づき,(省略)から同社が製造,生産,組立てを行ったQ1製品を購入するものであり,原告は製品の購入業者である。この差異により,Q14 取引では,原告は,製造委託業者として,Q14製品の在庫リスクや第三者に対する権利侵害に係るリスクを負担するのに対し,Q1取引では,原告はそのようなリスクを負担することはない(後者でも在庫リスクはあるが,これは飽くまでも購入業者として仕入れた製品に係る在庫リスクであり,前者の製造委託業者として負担する最低発注数量に相当する在庫リスクとは全く異なる。)。このように,Q14取引とQ1取引とでは,契約において原告が負担するリスクに明白な差異があるところ,一般的に取引価格を設定する際には,当該リスクが発現した場合の費用も考慮されるから,リスク負担の有無は取引価格に影響すると考えるのが自然である。 したがって,実際に原告がその負担をしたことがあるか否かはともかく,法的なリスク負担の有無は,取引価格ひいては売上総利益率に影響を与える事情であるといえる。 d 加えて,原告は,Q14取引における製品の調達段階においては,製造委託業者として開発費を支出して製品開発機能を果たしているのに対し,Q1取引においては,(省略)が開発し製造したものを日本で販売する機能しか有していない。そのため,Q14取引に係る売上原価には製造委託に係る開発費が含まれているのに対して,Q1取引に係る売上原価の中には開発費の金額が含まれていないことになり,売上原価の内容も両者で大きく異なっている。このことは売上総利益率に影響を与えるものである。 e 以上のとおり,Q14取引とQ1取引との間には,再販売者として原告の果たす機能及び負担するリスクにつき,売上総利益率に影響を及ぼす調整不可能な差異(12のテスト⑥及び⑦参照 るものである。 e 以上のとおり,Q14取引とQ1取引との間には,再販売者として原告の果たす機能及び負担するリスクにつき,売上総利益率に影響を及ぼす調整不可能な差異(12のテスト⑥及び⑦参照)がある。 (イ) Q14取引とQ1取引との間には,売手又は買手の市場参入時期につき,売上総利益率に影響を及ぼす調整不可能な差異があること Q1取引が昭和52年に始まったものであるのに対し,Q14取引は平成11年に始まったものである。 一般に,市場に参入した当初は,費用の投入を先行させるなどにより販売費及び一般管理費の売上高に対する比率(以下「販売・管理費比率」という。)が異常な数値となるところ,実際に原告の販売・管理費率は,平成11年度及び平成12年度において(省略)を超える異常な数値を示しており,大きな営業損失を生じさせる原因となっている(平成15年度までの損益状況をみても,その営業利益率の変動が大きく,一定していない。)。 このことは,Q14取引とQ1取引との間に,売上総利益率に影響を及ぼす差異があることを示す徴表というべきであり,市場参入時期における差異は,Q14取引とQ1取引に係る売上総利益率に影響を及ぼす差異といえ,これを合理的に調整する方法も見当たらないから,Q14取引とQ1取引との間には,売手の市場参入時期につき,売上総利益率に影響を及ぼす調整不可能な差異がある。 (ウ) Q14取引とQ1取引との間には,販売費及び一般管理費の売上高に対する比率につき,大きな差異があることQ14取引の販売・管理費比率は平成11年度(1999年度)から平成15年度(2003年度)までの5事業年度の平均が(省略)であるのに対し,Q1取引の販売・管理費比率は,平成10年8月期から平成15年8月期までの6事業年度(本件各事業年度) 1999年度)から平成15年度(2003年度)までの5事業年度の平均が(省略)であるのに対し,Q1取引の販売・管理費比率は,平成10年8月期から平成15年8月期までの6事業年度(本件各事業年度)の平均が(省略)となっており,両社の販売・管理費比率が大きく異なる。これは,前記(イ)で述べたように市場参入時期に差異があることを考慮したとしても,大きな差異である。 しかしながら,原告は,いずれの取引も自身が行う取引であるにもかかわらず,その差が大きい理由について合理的な説明ができていない。 (3) 本件各比較対象取引における売上総利益率の算定等(収入金額等の抽出)が適切であることア本件国外関連取引に係る独立企業間価格は,本件各比較対象取引の通常の利益率に基づいて算定するものであるところ,この通常の利益率は,再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該収入金額の合計額に対する割合(売上総利益率)とされているから(措置法施行令39条の12第6項),本件国外関連取引に係る独立企業間価格を算定する前提として,本件各比較対象取引における収入金額の合計額(売上金額)と棚卸資産の原価により,本件各比較対象取引に係る売上総利益率を算定する必要がある。この点,本件各比較対象法人は,いずれも教材の訪問販売に付随して有料の会員制アフターフォローサービスを提供していることから,本件各比較対象法人の行う本件各比較対象取引の収入金額及びその原価としては,上記アフターフォローサービスの提供に係るもの等を含まない教材の訪問販売に係る金額を抽出する必要がある。 イまた,通常の利益率は,比較対象取引と当該国外関連取引に係る棚卸資 びその原価としては,上記アフターフォローサービスの提供に係るもの等を含まない教材の訪問販売に係る金額を抽出する必要がある。 イまた,通常の利益率は,比較対象取引と当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には,その差異により生ずる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合とすべきところ(措置法施行令39条の12第6項ただし書),Q1取引と本件各比較対象取引の間では,販売経費(外交員報酬,広告宣伝費及び販売促進費)に関する差異調整が必要となるから,本件各比較対象法人の販売経費について,本件各比較対象取引(教材の訪問販売)に係る金額を抽出する必要がある(原告が指摘するB社及びC社の販売経費の抽出において,B社社員外交員及びC社社員外交員に係る旅費,交通費,通信費,退職金又は退職給与引当金繰入額等 については,売上総利益率に影響を及ぼすことが客観的に明らかであるとは認められないから,販売経費として抽出していない。)。なお,ロイヤリティに関しても差異の調整が必要であるが,本件各比較対象法人が支払うロイヤリティは売上原価に計上されていると認められることから,個別の抽出は不要である。 ウ原処分行政庁は,本件各比較対象法人(A社,B社及びC社)における本件各比較対象取引に係る収入金額等の抽出について,別紙6「被告の主張する独立企業間価格及び国外関連者への所得移転金額の算定」の5項記載のとおり,本件各比較対象取引それぞれの売上高,売上原価及び費用の具体的な内容及び会計処理の方法を的確に把握した上で,本件各比較対象取引のそれぞれの実情に即して,教材の訪問販売に係るもののみを合理的に抽出し,各社の売上総利益率を算出している。 (4) 差異調整が適切に 内容及び会計処理の方法を的確に把握した上で,本件各比較対象取引のそれぞれの実情に即して,教材の訪問販売に係るもののみを合理的に抽出し,各社の売上総利益率を算出している。 (4) 差異調整が適切にされていることア使用する無形資産に関する差異調整が適切にされていること(ア) Q1取引に係るロイヤリティ割合を本件各比較対象取引に係る売上総利益率に加算するという調整方法が合理的であることa 再販売価格基準法において求める「通常の利益率」とは,比較対象取引の売上総利益率を基礎として,あるべき国外関連者の売上総利益率を求めるものであり,国外関連取引に関し,関連者間取引に係るゆがみを除いた場合,本来はどの程度の売上総利益率になるのかを,比較対象取引の売上総利益率をベースとして算定するものである。もっとも,比較対象取引と国外関連取引の間に前提条件における差異が存在することになるため,この差異を調整する必要があるところ,これは,比較対象取引が国外関連取引と同一条件の下で取引を行ったとすれば,どの程度の売上総利益率になるのかを求めるために行われるのである。すなわち,比較対象取引と国外関連取引において,使用する キャラクターや,それに対するロイヤリティの支払に係る会計処理が異なる場合,比較対象取引が,国外関連取引と同じキャラクターを使用し,かつ同じ会計処理方法を採用したならば,どの程度の売上総利益率となるかを算定するために行われる。 b この点,まず,Q1取引では,原告と(省略)との間でQ2等の使用に関するライセンス契約が締結され,同契約に基づき,Q2を使用したQ1を輸入して日本国内でマーケティング及び販売を行う非独占的権利が(省略)から供与されており,そのライセンスの対価として,Q1の売上高に応じた料率に基づくロイヤリティを(省 基づき,Q2を使用したQ1を輸入して日本国内でマーケティング及び販売を行う非独占的権利が(省略)から供与されており,そのライセンスの対価として,Q1の売上高に応じた料率に基づくロイヤリティを(省略)に支払うものとされているが,このロイヤリティは「売上原価」に計上されておらず「販管費」(販売費・一般管理費)として処理されている。 これに対し,本件各比較対象取引については,いずれの棚卸資産である教材にもキャラクターが使用されているが,ロイヤリティを支払っていることを示す事実は認められないため,ロイヤリティの支払があるかは明らかではなく,また,仮にロイヤリティに相当するものがあるとしても,教材自体の仕入価格に織り込まれているものと考えられるため,売上原価に含まれているということになる。 このように,Q1取引では販管費としてロイヤリティを支払っているのに対し(売上原価にロイヤリティが含まれていない分,売上総利益率が高い。),本件各比較対象取引は販管費としてロイヤリティを支払っていない(キャラクターの開発者である仕入先が別途ロイヤリティの支払を請求していないので,ロイヤリティ相当額が仕入価格に含まれていると解すると,売上総利益率がその分低い。)という会計処理方法上の差異があり,この差異は通常の利益率の計算に影響を及ぼすものであるから,この会計処理方法の差異を調整するために,本件各比較対象取引に係るロイヤリティ割合(Xとする。)を,本件各 比較対象取引に係る売上総利益率(Aとする。)に加算する必要がある(A+X)。 次に,使用するキャラクター(無形資産)おける差異について,ロイヤリティ割合の差によって調整する必要があり,調整するために,Q1取引に係るロイヤリティ割合(Yとする。)と本件各比較対象取引に係るロイヤリティ割合の差( クター(無形資産)おける差異について,ロイヤリティ割合の差によって調整する必要があり,調整するために,Q1取引に係るロイヤリティ割合(Yとする。)と本件各比較対象取引に係るロイヤリティ割合の差(Y-X)を,上記加算後の本件各比較対象取引に係る売上総利益率(A+X)に加算する必要がある([A+X]+[Y-X]=A+Y)。 そうすると,本件各比較対象取引に係る売上総利益率(A)に,Q1取引に係るロイヤリティ割合(Y)を加算すれば(A+Y),Q1取引のあるべき売上総利益率が求められることになる。 c 一方で,Q1取引においては,著名なキャラクターを使用することで販売促進が図られるため,販売費の支出が抑えられるという効果があることは否定できず,実際,本件各比較対象取引に係る売上総利益率よりもQ1取引に係る販売経費率の方が低いことが認められる。 そこで,原処分行政庁は,本件各比較対象取引に係る通常の利益率の算出に当たり,本件各比較対象取引に係る売上総利益率にQ1取引に係るロイヤリティ割合を加算するとともに,後記イのとおり,Q1取引に係る販売経費率と本件各比較対象取引に係る販売経費率との差を減算しているから,これにより,差異は適正に調整されているといえる。 (イ) Q1取引に係るロイヤリティ割合の算定が適切にされていることa 原告と(省略)との間のライセンス契約によれば,Q2の著作権を有するZ2から,Q1にQ2の「使用許諾」を受けているのは,Q1を開発・製造する(省略)であり,原告は,Q2を使用して製造されたQ1を,(省略)から輸入し,日本国内で販売及びマーケティング する許諾を(省略)から受けているものである。そして,Q2を使用したQ1を販売しマーケティングすることについて許諾を受けた原告は,Q1の販売数量に応じたロイヤリ 内で販売及びマーケティング する許諾を(省略)から受けているものである。そして,Q2を使用したQ1を販売しマーケティングすることについて許諾を受けた原告は,Q1の販売数量に応じたロイヤリティ率によって算定される金額を,(省略)に支払うこととされている。 したがって,原告と(省略)との間のライセンス契約に基づいて支払われるロイヤリティは,原告が日本国内で行うQ1の販売及びマーケティングの許諾に対する対価であると認められるから,Q12に配賦する必要はない。 b 原告は,国内仕入商品であるQ11を含めたQ1の売上総額に対して所定の割合を乗じて算出するロイヤリティを販管費として計上しているため,調整すべきロイヤリティ割合については,Q11の売上げに相当する部分を除外する必要がある。 そこで,Q1取引全体のロイヤリティの金額に,Q1の売上金額全体に占めるQ11の売上金額の割合を乗じた金額をもとに,別表7のとおり,調整すべきロイヤリティ割合を計算した。 c このように,Q1取引に係るロイヤリティ割合の算定は適切にされている。 イ販売経費に関する差異調整が適切にされていること販売経費は,訪問販売という販売形態において顧客獲得のために必要な費用であり,その支出が売上総利益率に影響を及ぼすと認められるところ,別表6の②欄及び別表9の㉞欄のとおり,本件各事業年度に対応する本件各比較対象取引に係る販売経費率は,Q1取引に係る販売経費率に比べ高くなっており,原告のQ1取引に係る売上総利益率に比べ本件各比較対象取引に係る売上総利益率は相対的に高くなっているものと認められることから,その販売経費率の差異について,別表9の㉞欄のQ1取引に係る販売経費率と別表6の①欄のとおり加重平均した本件各比較対象取 引に係る売上総利益率との差を くなっているものと認められることから,その販売経費率の差異について,別表9の㉞欄のQ1取引に係る販売経費率と別表6の①欄のとおり加重平均した本件各比較対象取 引に係る売上総利益率との差を本件各比較対象取引に係る売上総利益率から減算することにより調整した。 ウ本件各比較対象取引との差異を理由とするその他の差異調整が不要であること(ア) 売上総利益率の調整を行うべき差異比較対象取引と国外関連取引との間において当事者の果たす「機能その他」において差異があるときには,通常の利益率は,その差異により生じる割合の差につき必要な調整を加えた後の割合とする必要があるが(措置法施行令39条の12第6項ただし書),同ただし書は,「その差異により生ずる割合の差」について調整を加えると規定しており,「その差異」自体について調整を加えるとは規定していないから,何らかの差異が存在するとしても,直ちにその調整が必要となるということにはならない。そして,この調整は,国外関連取引に係る棚卸資産を再販売する取引と類似するとして選択された比較対象取引について,比較対象取引としての合理性を確保するために行われるものであるから,調整の対象の差異が売上総利益率に影響を及ぼすことが客観的に明らかであると認められる場合に限って行われるべきものと解すべきである。 すなわち,再販売価格基準法において調整すべき対象となる差異は,売上総利益率に影響を及ぼすことが客観的に明らかである重要な差異をいい,別個の法人であるが故に存在する諸々の相違点を全て調整することは求められていない。例えば,各法人の保有する固定資産や顧客のクレジットの利用率,退職給与引当金の計上金額に差異があるなどの事情は,再販売者が果たす機能及び負担するリスクと直接的に関係するものではなく,その差異が い。例えば,各法人の保有する固定資産や顧客のクレジットの利用率,退職給与引当金の計上金額に差異があるなどの事情は,再販売者が果たす機能及び負担するリスクと直接的に関係するものではなく,その差異が売上総利益率にどのような影響を及ぼすか客観的に明らかではないし,及ぼす影響に係る具体的な金額の把握もできない ことから,少なくとも再販売価格基準法を採用する場合には,そのような差異は調整の対象とはならない。 (イ) その他の差異の調整を行うべきである旨の原告の主張には理由がないこと原告は,本件各更正処分で行われた差異調整のほか,本件各比較対象取引に係る仕入れは国内取引である一方,Q1に係る仕入取引は輸入取引(CIF)であり,運賃及び保険料,通関手数料その他の費用が売上原価に含まれるという差異があるとして,その調整を行うべきである旨主張する。 しかしながら,原告は,本件国外関連取引の取引価格には運賃,保険料及び通関手数料等が含まれている旨主張する一方で,原処分調査時から現在に至るまで,その金額を明らかにする客観的な資料を提出していない。また,そもそも,原告が提出した本件国外関連取引の仕入れに係る価格設定に関する資料を見ても,運賃,保険料及び通関手数料等を考慮して取引価格が設定されていることをうかがわせる記載は存在しない。しかも,仮にCIF条件により運賃及び保険料相当額を考慮して取引価格が設定されているとしても,取引価格の設定に当たっては,その他にも国内取引においても仕入先が負担する運賃等の費用のほか需給関係や販売数量,獲得する利益の額等の諸々の事情が影響を及ぼすものであり,また,再販売者はその仕入価格に基づいて販売価格を設定するものであると考えられるから,必ずしも売上総利益率に重大な影響を及ぼすものではない。むしろ,上記のと 等の諸々の事情が影響を及ぼすものであり,また,再販売者はその仕入価格に基づいて販売価格を設定するものであると考えられるから,必ずしも売上総利益率に重大な影響を及ぼすものではない。むしろ,上記のとおり,原告が提出した価格設定に関する説明資料にすら記載されていないことからすれば,仮に,そのような差異が存在していたとしても,その影響は極めて限定的であることがうかがわれる。 そうすると,本件国外関連取引の取引価格が,運賃,保険料及び通関手数料等を考慮して設定されているとは認められず,仮に,原告が主張する運賃等の費用の差異が存在したとしても,それがQ1取引に係る売上総利益率に及ぼす影響は極めて限定的であり,その影響度合いも客観的に明らかでないことから,調整すべきものとは認められない。 したがって,これらの調整を行うべきとする原告の主張には理由がない。 3 本件国外関連取引における購入価格が独立企業間価格を超えること(措置法66条の4第1項の適用要件を充足していること)(1) 売上総利益率に係る(加重)平均値の採用が適法であることア平均値の採用が適法であること比較対象性を有する比較対象取引が複数存在する場合には,それらの複数の比較対象取引の平均値を用いる方が,比較対象取引毎の差異が相殺されて利益率が平準化されるため,より客観性のある独立企業間価格を算定することができる。また,措置法及び同法施行令の条文も,比較対象取引を一つに限定する旨を規定していない。 これらのことからすれば,複数の比較対象取引の平均値を用いることは許容されると解される。 イ加重平均値の採用が適法であること再販売価格基準法を用いる場合の独立企業間価格の算定方法を定めた措置法施行令39条の12第6項の文言によると,「通常の利益率」は,比較対象取 ると解される。 イ加重平均値の採用が適法であること再販売価格基準法を用いる場合の独立企業間価格の算定方法を定めた措置法施行令39条の12第6項の文言によると,「通常の利益率」は,比較対象取引に係る「当該再販売者の売上総利益の額(当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額から当該比較対象取引に係る棚卸資産の原価の額の合計額を控除した金額をいう。)の当該収入金額の合計額に対する割合とする」と定められているのであるから,比較対象取引が複数存在する場合には,その複数の比較対象取引に係る収入金額の 合計額に占める複数の比較対象取引に係る売上総利益の額の合計額に対する割合をもって「通常の利益率」の算定の基礎とするものと解するのが,措置法施行令の文言に照らして自然というべきである。そして,上記の算定方法は加重平均にほかならないから,原処分行政庁による通常の利益率の算定は,法令の解釈に沿った算定手法である。 したがって,本件において原処分行政庁が本件各比較対象取引に係る売上総利益率について加重平均値(本件各比較対象取引の売上げに応じた平均値)を採用し,本件各比較対象取引の売上げの合計額と売上原価の合計額から売上総利益率を算出したことは適切である。 (2) 独立企業間価格の幅の概念について一般的に,複数の比較対象取引が存在することにより独立企業間価格が一定の幅を形成している場合において,当該幅の中に国外関連取引の対価の額があるときは,措置法66条の4第1項の規定の適用の有無を検討する余地があるが(いわゆる幅の問題),Q1取引に係る売上総利益率は,本件各比較対象法人のそれぞれの差異を調整した後の売上総利益率に満たないものであるから,本件では,そもそも原告が独立企業間価格で取引を行っていたことにはならず,幅の問題を議 引に係る売上総利益率は,本件各比較対象法人のそれぞれの差異を調整した後の売上総利益率に満たないものであるから,本件では,そもそも原告が独立企業間価格で取引を行っていたことにはならず,幅の問題を議論する前提が欠けている。 (3) 措置法66条の4第1項の適用要件の充足本件各比較対象取引の加重平均された売上総利益率は,別表6の①欄のとおりであり,この売上総利益率について,ロイヤリティ割合や加重平均された販売経費率の差異,支払猶予期間の差異により調整をすると,Q1取引に係る通常の利益率は別表10の⑪欄のとおり,通常の利潤の額は別表10の⑫欄のとおり,本件国外関連取引に係る独立企業間価格は別表10の⑬欄のとおりとなる。 よって,本件国外関連取引における購入価格は独立企業間価格を超えるものであるから,措置法66条の4第1項の適用要件を満たしており,本件国外関連取引に係る海外移転所得は,別表11の⑤欄のとおりとなる。 第2 本件各更正処分等には手続上の瑕疵がないこと 1 本件各更正処分に係る本件各通知書の理由の記載は法人税法130条2項の求める理由付記として欠けるところはないこと(1) 判例上,帳簿書類の記載自体を否認しないでされた更正に係る理由付記には,帳簿書類記載の法的評価を覆すに足りるだけの信憑力のある資料を摘示する必要はないと解されており,このような場合に更正通知書に記載すべき理由としては,処分庁の恣意抑制及び不服申立ての便宜という理由付記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的に明示するものであれば足りると解される。 これを本件について見ると,本件各更正処分は,帳簿に記載されている事実関係は認めつつ,特殊関係企業間の取引を通ずる所得の海外移転を防止し,適正な国際課税を実現しようとする措置法66条の4の規定に基づ これを本件について見ると,本件各更正処分は,帳簿に記載されている事実関係は認めつつ,特殊関係企業間の取引を通ずる所得の海外移転を防止し,適正な国際課税を実現しようとする措置法66条の4の規定に基づき,本件国外関連取引において原告が国外関連者に対して支払う対価の額が独立企業間価格を超えているため,本件国外関連取引は独立企業間価格で行われたものとみなして所得金額を算定するものである。すなわち,原告は,自己の判断で取引価格を算定し,措置法66条の4第1項に定める独立企業間価格に該当するとして申告したものであるところ,本件各更正処分は,原告がその判断により算定した取引価格が独立企業間価格には該当しないと判断して行われたのであるから,「帳簿書類の記載自体を否認することなしに更正をする場合」に該当する。 したがって,本件各更正処分の理由付記は,帳簿記載書類の法的評価を覆すに足りるだけの信憑力のある資料を摘示する必要がなく,理由付記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的に明示すれば足りる。 (2) そして,本件各更正処分に係る本件各通知書の「更正の理由」欄には,①(省略)が措置法施行令39条の12第1項2号に規定する原告の国外関連者に当たること,②本件各更正処分の対象とした国外関連取引は,原告が(省略)との間で行った訪問販売に用いる子供向け英語教材の輸入取引であること,③独立企業間価格の算定方法について措置法66条の4第2項1号ロに規定する再販売価格基準法を採用したこと,④措置法施行令39条の12第6項に規定する比較対象取引として,本件各比較対象法人の取引を選定したこと,⑤措置法66条の4第2項1号ロに規定する通常の利益率は,本件各比較対象取引に係る売上総利益率に原告と本件各比較対象取引とで売手の果たす機能その他において売上総利益 較対象法人の取引を選定したこと,⑤措置法66条の4第2項1号ロに規定する通常の利益率は,本件各比較対象取引に係る売上総利益率に原告と本件各比較対象取引とで売手の果たす機能その他において売上総利益率に影響を及ぼすと認められる差異について必要な調整を加えた後のものであること,及び⑥これらに基づき,本件国外関連取引に係る独立企業間価格を算定した結果,本件国外関連取引において原告が(省略)へ支払う対価の額が同項に規定する独立企業間価格を超えている場合に当たるものとして,その差額を本件各事業年度の所得金額に加算したことが記載されている。かかる記載は,本件各更正処分をするに至った判断過程について,本件各更正処分の原因となる事実,法の適用及びその結果をそれぞれ具体的に明示したものであって,納税者において,当該記載自体から原処分行政庁の判断過程を十分に検証することができるものである。 したがって,本件各通知書には,法の要求する原処分行政庁の恣意抑制及び不服申立ての便宜という理由付記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的な記載がされている。 (3) よって,本件各通知書の理由の記載は,法人税法130条2項の求める理由付記として欠けるところはなく,適法である。 2 適正な調査手続に反するものではないこと 本件調査担当者は,原告に対して,訪問販売であるQ1取引と通信販売であるQ14取引との間に比較対象性があると認めるに足りないこと及び本件国外関連取引の取引価格算定に係る資料がないことから措置法66条の4第9項及び同条7項の規定に基づく情報収集をする旨を述べ,その後,本件国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む者に対して,適正に質問検査権を行使して情報を収集している。また,本件調査において,本件調査担当者らは大声,暴言,精神的威迫行為な する旨を述べ,その後,本件国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む者に対して,適正に質問検査権を行使して情報を収集している。また,本件調査において,本件調査担当者らは大声,暴言,精神的威迫行為など,公務員職権濫用罪に該当する違法行為を行っていないし,本件調査において税理士資格を有しない(省略)の発言を制限したことも,何ら違法なものではない。その他,原処分行政庁及び被告は,同項の規定による質問検査権の行使後も,本件各比較対象法人について,守秘義務の範囲内で情報を開示するなどして,原告に対して本件各更正処分に関する課税の根拠を示している。 したがって,措置法66条の6第9項の規定する質問検査権行使により収集した情報に基づいて行った本件各更正処分は適正手続に違反するものではない。 第3 過少申告加算税の賦課決定処分に違法はないこと(過少申告となったことについて通則法65条4項の規定する「正当な理由」はないこと) 1 通則法65条4項の規定する「正当な理由」があると認められる場合について,最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決(民集60巻4号1611頁)は,「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり」,「納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいう」と判示した。 この点について,我が国の移転価格税制においては,納税者が,国外関連者との取引価格を独立企業間価格に置き換えて法人税に関する規定を適用し申告することが求められているところ,本件各事業年度における原告の法人税の申告においても,原告は自己の判断で取引価格を算定し措置法66条の4第1項 に定める独立企業間価格に該当するとして申告したものである。そうすると,本件各事業年度における原告の法人税の過少申告は,申告の前提となった本件国外関連 引価格を算定し措置法66条の4第1項 に定める独立企業間価格に該当するとして申告したものである。そうすると,本件各事業年度における原告の法人税の過少申告は,申告の前提となった本件国外関連取引に係る取引価格が独立企業間価格に該当するという原告の認識,判断が誤っていたことに基づいて発生したものといえるから,前記最高裁判決が判示する「納税者の責めに帰することのできない客観的な事情」があるとはいえず,「過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合」には当たらない。 したがって,原告に,通則法65条4項の「正当な理由」があるとは認められない。 2 また,独立企業間価格に基づく申告をしなかったことに関する「正当な理由」があると認められるか否かは,申告時における納税者の事情等により判断されるべきであり,申告後になされた更正処分等において第三者間取引情報(いわゆるシークレット・コンパラブルに係る情報)が使用されたことは,申告時において原告が独立企業間価格に基づいて確定申告をしなかったことの「正当な理由」を基礎づけるものではない。 原告は,本件各更正処分において第三者間取引情報が用いられていることを問題視して,本件各比較対象取引に関する情報が申告時に入手し得なかったものであることを「正当な理由」が認められることの根拠とするようであるが,そもそも,原告は,独立企業間価格の算定に当たって,第三者間取引情報に基づいてしなくても,通常の経済取引として非関連者間との間で設ける価格を検討することが可能だったのであり,その価格により本件国外関連取引を行っていれば,措置法66条の4に基づき更正処分を受けることはなかったのである。 したがって,第三者間取引情報を入手しないと独立企業間価格を算定できなかったかのような原告の主張は失当である 引を行っていれば,措置法66条の4に基づき更正処分を受けることはなかったのである。 したがって,第三者間取引情報を入手しないと独立企業間価格を算定できなかったかのような原告の主張は失当である。 第4 結語 以上のとおり,原告の主張はいずれも失当であり,本件各更正処分等は適法であるから,原告の請求はいずれも棄却されるべきである。 以上

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