令和1(行ク)21 訴えの変更申立て事件

裁判年月日・裁判所
令和2年1月16日 札幌地方裁判所
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判決文本文3,064 文字)

令和元年(行ク)第21号訴えの変更申立て事件(基本事件:平成31年(行ウ)第3号観光船事業に係る許認可取消処分等取消請求事件)決定主文 平成31年(行ウ)第3号観光船事業に係る許認可取消処分等取消請求事件の訴えを,損害賠償請求の訴えに変更することを許可する。 理由 第1 申立ての趣旨及び理由 1 申立ての趣旨 主文同旨 2 申立ての理由本件申立ての理由は別紙「訴えの変更申立書」,「訴えの変更申立書の補足訂正」及び「被告の意見(令和元年12月11日付)に対する反論」のとおりであり,これに対する相手方の意見は別紙「訴えの変更申立に対する意見」の とおりである。 第2 当裁判所の判断 1 申立人は,観光船事業を実施するために必要な各処分(以下「本件各原処分」という。)を相手方から受けていたところ,後にこれらを取り消す旨の各処分(以下「本件各不利益処分」という。)を受けたとして,本件各不利益処分の 取消しを求めた(基本事件。以下,この請求を「本件旧請求」という。)。 本件は,申立人が,本件各原処分は違法である旨主張して,行政事件訴訟法21条1項に基づき,本件旧請求に係る訴えを,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求(以下「本件新請求」という。)に係る訴えに交換的に変更する旨申し立てた事案である。 2 一件記録によれば,次の事実が認められる。 (1) 本件各原処分相手方は,申立人に対し,①平成28年6月1日付け運河護岸・物揚場護岸登録(乙1),②同年12月1日付け工作物等施工許可(乙2,3),③平成29年1月31日付け工作物等施工許可に係る施工期間の変更承認(乙4),④平成28年6月1日付け港湾施設占用許可(乙5),⑤同日 登録(乙1),②同年12月1日付け工作物等施工許可(乙2,3),③平成29年1月31日付け工作物等施工許可に係る施工期間の変更承認(乙4),④平成28年6月1日付け港湾施設占用許可(乙5),⑤同日付け港 内行事等許可(乙6)を行い,さらに,⑥観光船事業に使用する建物の建築確認申請につき,平成28年7月22日,確認済証(乙24)を申立人に交付した(本件各原処分。以下,上記各番号に従い,「本件原処分①」などという。)。 (2) 本件各不利益処分 相手方は,平成30年4月27日,本件原処分①ないし⑤については取消処分を,本件原処分⑥については港湾法40条の2第1項に基づく是正命令を行い,申立人にこれらを通知した(本件各不利益処分)。 (3) 基本事件申立人は,平成31年2月13日,本件各不利益処分の取消しを求める旨 の訴えを提起した(基本事件)。 基本事件において,申立人は,本件各不利益処分が違法である旨主張した。 これに対し,相手方は,本件各原処分がいずれも法令の解釈を誤った不適法なものであり,それゆえこれらを取り消す旨の本件各不利益処分は適法である旨主張した。 (4) 本件申立て申立人は,上記(3)の相手方の主張を踏まえ,令和元年12月3日,本件各原処分がいずれも法令の解釈を誤った不適法なものであり,そのため申立人は相手方に対して国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権を有するなどと主張して,当裁判所に対し,行政事件訴訟法21条1項に基づき,本件 旧請求に係る訴えを本件新請求に係る訴えに変更することを申し立てた(本 件申立て)。 3(1) 行政事件訴訟法21条1項は,請求の基礎に変更がなく,裁判所が相当であると認めるときは,訴えの変更を許す る訴えを本件新請求に係る訴えに変更することを申し立てた(本 件申立て)。 3(1) 行政事件訴訟法21条1項は,請求の基礎に変更がなく,裁判所が相当であると認めるときは,訴えの変更を許すことができる旨定める。 (2) 本件についてこれをみるに,本件旧請求は,本件各原処分を取消し・是正した本件各不利益処分につき,その取消しを求めるものである。そして,相 手方が本件各原処分の不適法性を主張したことから,申立人としては,本件各原処分が不適法であるならば国家賠償法1条1項の適用上違法となるとして,相手方の上記主張を踏まえ,本件旧請求に係る訴えから本件新請求に係る訴えへの訴えの交換的変更を申し立てたものである。 そして,本件旧請求の審理においては,申立人及び相手方の双方から,本 件各原処分に至る経緯,本件各原処分の根拠,本件各原処分後の申立人の行為その他一連の事情について主張がされ,これに関する書証が提出されていたのであって,これらの各訴訟資料・証拠資料は本件新請求の審理に当たっても利用することが十分期待されるところである。 さらに,本件旧請求と本件新請求とは,いずれも,申立人の観光船事業が 本件各不利益処分によって立ち行かなくなったことを前提に,当該処分の取消し(本件旧請求)ないし損害賠償(本件新請求)を求めるものであって,申立人の事業につきその救済を求めるという点でも共通している。 したがって,本件の訴え変更は,請求の基礎に変更がないものというべきである。 (3) また,上記(2)のとおり,本件旧請求の審理に当たって提出された各訴訟資料・証拠資料は本件新請求の審理に当たっても利用することが十分期待される上,そもそも前提になる事実関係自体は本件旧請求と本件新請求とで大きく変わりはな ,本件旧請求の審理に当たって提出された各訴訟資料・証拠資料は本件新請求の審理に当たっても利用することが十分期待される上,そもそも前提になる事実関係自体は本件旧請求と本件新請求とで大きく変わりはないのであって,せいぜい,過失の有無や損害といった点で追加の主張立証が必要になるにとどまる。このような状況において,本件の訴 え変更を認めずに,新訴の提起を促した上,改めて審理をやり直させるとい うのは,迅速な審理の要請(行政事件訴訟法7条,民事訴訟法2条)に反し,訴訟経済を害する結果ともなり得る。 (4) 以上によれば,本件の訴えの変更は,請求の基礎に変更がないものとして,これを許すものとするのが相当である。 4 この点につき相手方は,本件の紛争解決のためには,本件各不利益処分の適 否についての明確な司法判断が必要である旨主張する。 しかし,申立人は,訴えの変更後は本件各不利益処分の効力及び適法性を争わないことを明らかにしている上(令和元年12月23日付け「求釈明に対する回答書」),訴えの変更が認められれば,申立人が本件旧請求に係る訴えを取り下げたのと同様の効果が生じ,本件各不利益処分の取消しの訴えにつき出 訴期間(行政事件訴訟法14条1項)を徒過することとなるから,申立人はもはや本件各不利益処分の取消しを求めて訴えを提起することができないことになる。 したがって,本件の紛争解決のためには変更後の訴えによることで足りるものというべきであって,相手方の上記主張は採用することができない。 第3 結論よって,申立人の本件申立てには理由があるからこれを認容することとして,主文のとおり決定する。 令和2年1月16日札幌地方裁判所民事第5部 裁判長裁判官瀬 孝 裁判官 立人の本件申立てには理由があるからこれを認容することとして,主文のとおり決定する。 主文 令和2年1月16日札幌地方裁判所民事第5部 裁判長裁判官瀬孝 裁判官井原史子 裁判官佐藤克郎

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