平成15(ハ)4694 保証債務金請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年12月22日 名古屋簡易裁判所
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判決文本文3,309 文字)

主文 1 被告は,原告に対し,171万5237円及びうち168万9547円に対する平成15年6月27日から支払済みまで年21.9パーセントの割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 4 この判決主文第1項は,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求の趣旨被告は,原告に対し,168万9547円及びこれに対する平成15年5月21日から支払済みまで年21.9パーセントの割合(年365日の日割計算)による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 請求原因の要旨貸金業者である原告は,平成14年6月21日,訴外Aとの間で金銭消費貸借契約を締結し,同月25日,Aに180万円を貸し渡した(以下「本件金銭消費貸借」という)。同月24日,被告は原告に対して,Aの債務を根保証した(以下「本件根保証契約」という)。 本件は,原告が被告に対し,保証債務の履行を求めている事案であるが,原告は,支払済みの金員についてはその都度貸金業法43条が適用されるとの主張を併せてしている。 2 前提となる事実以下の事実は当事者間に争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨によって認定することができ,この認定の妨げとなる証拠はない。 (1) 被告は,貸金業法3条所定の登録を受けた貸金業者である。 (2) 原告は,業としてAとの間で金銭消費貸借契約を締結し,平成14年6月21日,以下の内容が記載された借入証書を作成した(甲2)。 貸付金額 180万円支払方法平成14年7月から毎月26日に元利均等5万6580円を支払う(なお最終支払時は5万6451円)弁済期限平成19年5月26日利率年28.0パーセント(年365日の日割計算)遅延損害金年28.0パーセント(年365日の日割計算 円を支払う(なお最終支払時は5万6451円)弁済期限平成19年5月26日利率年28.0パーセント(年365日の日割計算)遅延損害金年28.0パーセント(年365日の日割計算)特約 Aが一回でも支払いを遅滞したときは,当然に期限の利益を喪失する。 (3) 平成14年6月25日,原告は,Aに対し,180万円を交付した(甲8)。 (4) 原告は,Aに対し,本件金銭消費貸借契約後遅滞なく,貸金業法17条1項所定の書面を交付した(争いはない)。 (5) 原告は,被告に対し,平成14年6月24日に本件根保証契約の内容を説明する書面(貸金業法17条2項)を交付した(甲16,17)。 (6) 原告は,被告に対し,平成14年6月24日に本件根保証契約の内容を明らかにし,かつ本件金銭消費貸借関係の内容を明らかにする書面(貸金業法17条3,4項)を交付した(甲15)。 (7) 原告は,Aから別紙顧客台帳記載のとおりの弁済を受けた都度,遅滞なく貸金業法18条1項所定書面を同人に交付した(甲4の1ないし10,甲7の1ないし10)。 (8) Aは,平成14年8月26日に支払うべき元利金の返済を怠った(この認定を覆すに足る証拠は,被告から提出されていない。)。 3 被告の主張(1) 平成14年6月24日以前において,被告は原告からの電話で保証内容の説明を受け,保証人となることを承諾した。したがって本件根保証契約は平成14年6月24日以前に口頭で成立しており,被告は,本件根保証契約成立前に保証契約の内容を説明する書面の交付を受けていない。甲2,15,16,17号証の各書面は本件根保証契約成立後,熊本空港まで訪れた原告の担当者と被告との間で作成されたものであり,被告は,本件根保証契約成立前に交付されなければならない本件根保証契約の内容を説明 ,16,17号証の各書面は本件根保証契約成立後,熊本空港まで訪れた原告の担当者と被告との間で作成されたものであり,被告は,本件根保証契約成立前に交付されなければならない本件根保証契約の内容を説明する書面(甲16,17)を,契約成立後に受領したのである。 (2) 本件金銭消費貸借に対する返済は,Aの銀行口座からの自動引落によってなされており,このような支払方法は,Aが元本,利息への充当額を知らないままなされることから,Aが利息として任意に支払ったものとは認められない。 (3) Aが平成14年8月26日に支払うべき元利金の返済を怠ったとしても,原告はその後も月賦による返済を異議なく受領していたから,平成14年8月26日に期限の利益を喪失したとの主張は信義則に反する。 第3 当裁判所の判断 1 本件根保証契約の成立時期被告は,すでに原告からの電話において根保証契約が成立したと主張する。確かに根保証契約は,当事者の意思の合致のみで成立する。しかしながら,諾成契約であっても,契約当事者の意思を慎重に確認し後日の紛争を回避するため契約書面を作成することは取引社会において通常行われており,かつ望ましいものといわなければならない。本件においても,電話で根保証契約の意思を確認した原告が,平成14年6月24日に熊本まで赴き,被告の根保証人となるべき意思を最終確認し,本件根保証契約の内容を説明し,本件根保証契約を締結し,17条1,2項書面を交付したと解するのが相当である。 2 自動引落との主張について本件貸付に対する返済がAの口座からの自動引落によりなされたものと認めるに足る証拠はなく,逆に甲5号証の1ないし10によればAが振込送金をしていたことが認められる。被告の主張はその前提を欠き理由がない。 3 期限の利益を喪失していないとの主張について借入証書( 認めるに足る証拠はなく,逆に甲5号証の1ないし10によればAが振込送金をしていたことが認められる。被告の主張はその前提を欠き理由がない。 3 期限の利益を喪失していないとの主張について借入証書(甲2)には,債務者が一回でも支払いを遅滞したときは,当然に期限の利益を喪失する旨の特約があり(甲2第5条1項),かつ,Aが平成14年8月26日の支払を怠ったことが認められる。しかしながら,同月28日の返済の際,原告は,次回お支払日として平成14年9月26日を指定し,かつ次回請求額の内訳として遅延損害金ではなく利息額と明記していることが認められる(甲4の2)。 しかも,このような指定及び明記は,被告が弁済をした都度なされているのである(甲4の3ないし10)。してみると,原告は,上記特約にもかかわらず,Aの弁済の都度期限の利益を再度付与していたものと解するのが相当である。そしてAは平成15年5月20日に最終の弁済をしており,その際原告は同年6月26日を次回支払日と指定しているのだから,Aが期限の利益を失ったのは,平成15年6月26日を経過した時点と解すべきこととなる。 4 21.9パーセントの遅延損害金を年365日の日割計算として請求していることについて出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律第5条は閏年の場合の特則を設けているが,利息制限法にはこのような特則はない。したがって,年365日の日割計算とすることは利息制限法4条,1条に違反することとなる。 5 Aが期限の利益を失った日及び年365日の日割計算の点を除き,原告の請求はすべて認めることができる。よって,原告の請求は,168万9547円並びにこれに対する平成15年5月21日から同年6月26日まで利息制限法の範囲内である年15パーセントの割合による利息2万5690円(1,689,54 できる。よって,原告の請求は,168万9547円並びにこれに対する平成15年5月21日から同年6月26日まで利息制限法の範囲内である年15パーセントの割合による利息2万5690円(1,689,547×0.15÷365×37=25690)及び168万9547円に対する同年6月27日から支払済みまで年21.9パーセントの割合による遅延損害金を支払えとの限度で理由があるので主文のとおり判決する。 名古屋簡易裁判所裁判官下村資樹別紙省略

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