平成18(行ウ)1 公金不当利得返還等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成20年5月16日 函館地方裁判所
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判決文本文64,274 文字)

-- 主文 被告は,民主・市民ネットに対し,8万7940円及びこれに対する平成18年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,市民自由クラブに対し,11万7330円及びこれに対する平成18年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,これを10分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担とし,補助参加により生じた費用は,被告補助参加人Aと原告との間においては,被告補助参加人Aの負担とし,被告補助参加人公明党函館市議団と原告との間においては,原告の負担とし,被告補助参加人Bと原告との間においては,原告の負担とし,被告補助参加人Cと原告との間においては,被告補助参加人Cの負担とし,被告補助参加人Dと原告との間においては,被告補助参加人Dの負担とし,被告補助参加人Eと原告との間においては,原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 被告は,民主・市民ネットに対し,8万7940円及びこれに対する平成18年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,被告補助参加人公明党函館市議団(以下「参加人公明党市議団」という)に対し,148万1350円及びこれに対する平成18年6月1日か。 ら支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,はこだて市民クラブに対し,8万6100円及びこれに対する平成18年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 -- 被告は,市民自由クラブに対し,11万7330円及びこれに対する平成18年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,被告補助参加人E(以下「参加人E」という)に対し,13万0。 780円及びこ 対し,11万7330円及びこれに対する平成18年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,被告補助参加人E(以下「参加人E」という)に対し,13万0。 780円及びこれに対する平成18年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 第2事案の概要 本件は,函館市の住民である原告及び選定者らが,函館市議会の5会派が平成16年度に支給された政務調査費について使途基準に違反する違法な支出を行っており,上記各会派は函館市に対して上記支出に係る政務調査費相当額を不当利得として返還すべきであるにもかかわらず,函館市長である被告は上記,(「」。)各会派に対する返還請求を怠っているとして地方自治法以下法という242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,上記各会派に対して当該支出額に相当する金員及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求することを求める事案である。 争いのない事実等(証拠等の摘示のない事実は当事者間に争いがない)。 (1)当事者等ア原告及び選定者らは,いずれも函館市の住民である。 イ被告は,函館市の執行機関である。 ウ民主・市民ネット,参加人公明党市議団,はこだて市民クラブ,市民自由クラブ及び参加人Eは,いずれも函館市議会議員で構成された平成16年度当時の同市議会内の会派である(弁論の全趣旨。以下,上記各会派を併せて「本件各会派」という。なお,参加人Eは1人会派で。)あった(弁論の全趣旨。 )エ被告補助参加人A(以下「参加人A」という)は,平成16年度当。 時,民主・市民ネットに所属する函館市議会議員であった(弁論の全趣旨。 )-- オF(以下「F議員」という,G(以下「G議員」という,参加。) 参加人A」という)は,平成16年度当。 時,民主・市民ネットに所属する函館市議会議員であった(弁論の全趣旨。 )-- オF(以下「F議員」という,G(以下「G議員」という,参加。)。)人公明党市議団代表者H(以下「H議員」という,I(以下「I議。)員」という)及びJ(以下「J議員」という)は,平成16年度当。 。 時いずれも参加人公明党市議団に所属する函館市議会議員であった弁,(論の全趣旨。 )カ被告補助参加人B(以下「参加人B」という)は,平成16年度当。 時,はこだて市民クラブに所属する函館市議会議員であった(弁論の全趣旨。 )キ被告補助参加人C(以下「参加人C」という)及び被告補助参加人。 D(以下「参加人D」という)は,平成16年度当時,いずれも市民。 自由クラブに所属する函館市議会議員であった(弁論の全趣旨。 )(2)法令の定め等ア法100条13項は,普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる旨定め,これに基づき,函館市においては,函館市議会政務調査費の交付に関する条例(以下「本件条例」という)及び函館市議会政務。 調査費の交付に関する条例施行規則(以下「本件規則」という)が制。 定されている。 イ本件条例には,次のような規定がある。 (ア)この条例は,法100条12項及び13項(ただし,平成14年法律第4号による改正前のもの,現在は13項及び14項)の規定に基づき,函館市議会議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,議会における会派に対し政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする(1条。 )(イ)政務調査費は,議長を経由 基づき,函館市議会議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,議会における会派に対し政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする(1条。 )(イ)政務調査費は,議長を経由して市長に,代表者,経理責任者等を記-- 載した会派結成届を提出した会派(所属議員が1人の場合を含む)。 に対して交付する(2条。 )(ウ)会派に対する政務調査費は,各月1日における当該会派の所属議員数に月額7万円を乗じて得た額を半期ごとに交付する(3条1項。 )(エ)会派は,政務調査費を本件規則で定める使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない(5条。 )(オ)政務調査費の交付を受けた会派の代表者(会派が消滅したときは,代表者であった者)は,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を作成し,議長に提出しなければならない(6条1項。 )(カ)会派は,政務調査費の交付を受けた年度において,交付を受けた政務調査費の総額から当該会派がその年度において市政に関する調査研究に資するため必要な経費として支出した総額を控除して残余がある場合は,当該残余の額に相当する額の政務調査費を市長からの交付額の確定の通知のあった日から起算して14日以内に返還しなければならない(7条1項。 )市長は,政務調査費の交付を受けた会派が第5条の使途基準に反して政務調査費を支出したと認めるときは,当該支出した額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる(7条2項。 )ウ本件規則6条は「条例第5条の規則で定める使途基準は,別表のとお,りとする」と定め,別表において,以下のとおり,政務調査費の使途を。 6項目に区分し,内容を記載している(以下,本件規則の別表で定める使途基準を「本件使途 条の規則で定める使途基準は,別表のとお,りとする」と定め,別表において,以下のとおり,政務調査費の使途を。 6項目に区分し,内容を記載している(以下,本件規則の別表で定める使途基準を「本件使途基準」という。 。)区分内容-- 研究研修費会派が行う研究会および研修会の実施に要する経費ならびに他の団体が開催する研究会,研修会等への参加に要する経費調査旅費会派が行う調査研究に必要な先進地調査または現地調査に要する経費資料作成費会派が行う調査研究に必要な資料の作成に要する経費資料購入費会派が行う調査研究に必要な図書,資料等の購入に要する経費広報広聴費会派が行う調査研究活動,議会活動および市の政策について市民に報告し,および広報するために要する経費ならびに会派が市民からの市政および会派の政策等に対する要望および意見を聴取するための会議の開催等に要する経費事務費会派が行う調査研究活動に係る事務遂行に要する経費エ函館市議会の各会派は,平成16年度当時,本件使途基準の具体的な運用について申合せをした書面(甲3)を作成しており,さらに,それに加えて同運用について政務調査費の使途基準の運用に関する取扱要綱乙「」(1。以下「本件要綱」という)を作成している(平成15年4月1日施。 行。本件要綱は,研究研修費を「会場費,食糧費,講師謝礼金,出席者)負担金会費資料代旅費交通費その他必要と認められる経費 ,,,,,」(条1号,調査旅費を「旅費,交通費,施設入場料,資料代,車両借り上)げ料,写真代,その他必要と認められる経費(2条2号)と規定し,旅」費の支出に当たっては函館市職員等の旅費に関する条例を準用することと-- し(3条1号,さらに,政務調査費として支出できな げ料,写真代,その他必要と認められる経費(2条2号)と規定し,旅」費の支出に当たっては函館市職員等の旅費に関する条例を準用することと-- し(3条1号,さらに,政務調査費として支出できないものを14項目)にわたって具体的に列挙している(4条。 )(3)本件各会派に対する平成16年度の政務調査費の交付被告は,本件条例に基づき,平成16年度の政務調査費として,民主・市民ネットに対し合計840万円を,参加人公明党市議団に対し合計420万円を,はこだて市民クラブに対し合計588万円を,市民自由クラブに対し合計504万円を,参加人Eに対し合計84万円を,それぞれ交付した。 (4)本件各会派による支出本件各会派は,上記(3)のとおり交付を受けた政務調査費から,別紙政務調査費支出一覧表(以下「別紙一覧表」という)の「支出日」欄記載。 の各日付けで,本件各会派に所属していた同表「対象議員」欄記載の函館市議会議員に対し,当該議員が研修会参加,調査旅行等の調査研究活動に要した経費として,同表「支出金額」欄記載の各金額を支出した。なお,上記各支出の際に作成された政務調査費支出伝票には,各支出に係る旅行等の目的として,同表「支出目的」欄のとおりの記載がある(甲14ないし17,乙15〔枝番のあるものは枝番を含む。以下,別紙一覧表の。〕番号1ないし10の各支出を併せて「本件各支出」といい,個別の支出を「番号1の支出」などという。 。)(5)本件各支出に係る各議員の活動内容別紙一覧表の「対象議員」欄記載の函館市議会議員は,それぞれ以下の内容の活動を行った。 ア番号1の支出に係る活動参加人Aは,平成16年10月4日から同月6日までの間,東京都に出張し,同月5日午後2時から同2時45分まで,K衆議院議員(以下「K衆議院議員」という) の活動を行った。 ア番号1の支出に係る活動参加人Aは,平成16年10月4日から同月6日までの間,東京都に出張し,同月5日午後2時から同2時45分まで,K衆議院議員(以下「K衆議院議員」という)等と面談し,同衆議院議員に対し,弁天・。 -- 若松地区地域再生プロジェクト(以下「本件プロジェクト」という)。 や予算要望額の内訳について説明するなどした(甲13。 )イ番号2の支出に係る活動F議員は,平成17年1月9日から同月13日までの間,札幌に出張し,同月10日に心のケア・サポート研究会主催のカウンセリングのスーパーヴィジョン講座を受講し,同月11日から同月13日までの間に北海道教育カウンセラー協会主催の教育カウンセラー養成講座(以下,「」。)()。 上記両講座を併せて本件各講座というを受講した甲14の1ウ番号3の支出に係る活動G議員は,平成16年7月14日から同月16日までの間,宮崎市に出張し,同月15日,宮崎市健康福祉部児童福祉課主幹,宮崎市議会事務局議事調査課主任主事及び同課課長補佐と面談しその後同市のフェ,,ニックス・シーガイア・リゾート(以下「シーガイア」という)及び。 (「」。)宮崎市フェニックス自然動物園以下フェニックス動物園というを訪問し,フェニックスリゾート株式会社社長代理・副総支配人及び宮崎市フェニックス自然動物園管理株式会社庶務課課長と面談した(甲14の2,丙Bイ1,5。 )エ番号4の支出に係る活動H議員,I議員及びJ議員(以下「H議員ら」という)は,平成1。 6年10月18日から同月21日までの間,宮崎市,熊本県玉名市及び佐賀県伊万里市に出張し,同月19日,宮崎市議会事務局において,同市教育委員会生涯学習課主幹兼図書館係長,同市議会事務局総務課課長補佐及び 0月18日から同月21日までの間,宮崎市,熊本県玉名市及び佐賀県伊万里市に出張し,同月19日,宮崎市議会事務局において,同市教育委員会生涯学習課主幹兼図書館係長,同市議会事務局総務課課長補佐及び同事務局議事調査課主任主事と面談し,同月20日,玉名市議会事務局において,同事務局局長,同市総務部企画課企画係参事,同係係長,同市プロジェクト推進室新幹線促進課課長補佐及び同市経済部商工観光課課長と面談し,同月21日,伊万里市議会事務局において,同-- 市総務部副部長兼総務課長,同部副部長兼職員係長及び同市議会事務局庶務係書記と面談した(甲14の3,丙Bウ1。 )オ番号5の支出に係る活動F議員,J議員及びI議員(以下「F議員ら」という)は,平成1。 6年7月20日から同月23日までの間,熊本市及び那覇市に出張し,同月21日,熊本市立熊本市民病院(以下「熊本市民病院」という)。 において,同病院院長,同病院事務局長,同病院事務局総務課職員及び,,,同市議会事務局議事課職員と面談し同月22日那覇市役所において同市都市計画部都市計画課主任技師,同課技師,同市議会事務局次長及び同事務局主任主事と面談し,沖縄都市モノレールを視察した(甲14の4,丙Bエ1。 )カ番号6の支出に係る活動G議員は,平成17年2月21日から同月22日までの間,静岡市に出張し,東海大学海洋科学博物館(以下「海洋博物館」という)を訪。 問し,同博物館館長及び東海大学社会教育センター博物館課長と面談したほか,マリンサイエンスホールでピグミィシロナガスクジラの完全骨格標本やメクアリウム(機械水族館)でイセエビロボットを見学するなどした(甲14の5,丙Bオ1。 )キ番号7の支出に係る活動参加人Bは,平成16年11月18日から同月20日までの間,埼玉県所沢市 標本やメクアリウム(機械水族館)でイセエビロボットを見学するなどした(甲14の5,丙Bオ1。 )キ番号7の支出に係る活動参加人Bは,平成16年11月18日から同月20日までの間,埼玉県所沢市に出張し,同月18日,同市役所を訪問して狭山ヶ丘土地区画整理事業(以下「狭山ヶ丘区画整理事業」という)を視察し,同市ま。 ちづくり計画部狭山ヶ丘区画整理事務所長,同事務所副主幹及び同市議会事務局主査と面談し,同月19日,医療法人啓仁会及び社会福祉法人栄光会が運営する所沢ロイヤル・ワム・タウンの特別養護老人ホームロイヤルの園(以下「ロイヤルの園」という)を訪問し,同ホーム施設。 -- 長,同ホーム副施設長,所沢ロイヤル・ワム・タウンの介護老人保健施設所沢ロイヤルの丘事務課長及び同保健施設支援相談員と面談した(甲15,丙C5。 )ク番号8の支出に係る活動参加人Cは,平成16年5月7日,青森県八戸市に出張し,東北医療福祉事業協同組合(以下「東北医療協同組合」という)を訪問し,同。 組合シルバーグループ本部専務理事及び同本部健診事業推進部部長と面談し,さらに,同本部,財団法人シルバーリハビリテーション協会の運営するシルバー病院,介護老人保健施設はくじゅ,八戸看護専門学校及び八戸西健診センター並びに医療法人仁泉会の運営するグループホームしろがねをそれぞれ視察した(甲16の1,丙D1。 )ケ番号9の支出に係る活動参加人Dは,平成16年7月14日から同月16日までの間,大阪府岸和田市及び和歌山市に出張し,同月15日,岸和田市議会事務局において同事務局総務課議事調査担当長と面談し,きしわだ自然資料館を視察して同資料館郷土文化室学芸員と面談し,岸和田市立郷土資料館,岸和田市まちづくりの館及び岸和田だんじり会館を視察し,同市産業部商工観光課観 務局総務課議事調査担当長と面談し,きしわだ自然資料館を視察して同資料館郷土文化室学芸員と面談し,岸和田市立郷土資料館,岸和田市まちづくりの館及び岸和田だんじり会館を視察し,同市産業部商工観光課観光担当長と面談し,同月16日,和歌山市議会事務局において同事務局議事調査課課長と面談し,和歌山市立こども科学館を視察して同科学館館長と面談し,和歌山市発明館(以下,参加人Dが視察した上記各施設を併せて「本件各施設」という)を視察して同発明館事務。 長と面談した(甲16の2,丙E1。 )コ番号10の支出に係る活動,,,参加人Eは平成16年6月26日から同月28日までの間高松市香川県小豆郡土庄町及び同県香川郡直島町に出張し,同月27日,同県小豆郡土庄町の香川県直島環境センター中間保管・梱包施設高度排水処-- 理施設及び掘削現場を視察して同センター豊島分室の担当者と面談し,その後,同県直島町の香川県直島環境センター中間処理施設を視察して同センター直島事業所長と面談した(甲17,丙F1。 )(6)住民監査請求原告及び選定者ら(以下「監査請求人ら」という)は,平成18年2。 月28日付けで,函館市監査委員に対し,本件条例に基づき函館市議会の各会派に交付された平成16年度の政務調査費のうち,本件各支出を含む合計237万6665円について,本件使途基準を逸脱して違法・不当に支出されているとして,函館市に返還させるなどの必要な措置を講ずるよう被告に勧告することを求める旨住民監査請求を行った甲27以下本(。 「件監査請求」という。 。)上記監査委員は,平成18年4月28日,本件監査請求を棄却し,その旨を監査請求人らに通知した(甲29。 )(7)本訴提起監査請求人らは,平成18年5月23日,本件訴訟を提起した。なお,原告は, 上記監査委員は,平成18年4月28日,本件監査請求を棄却し,その旨を監査請求人らに通知した(甲29。 )(7)本訴提起監査請求人らは,平成18年5月23日,本件訴訟を提起した。なお,原告は,同年6月2日,監査請求人らのために原告となるべき者として選定された。 争点 本件各支出が本件使途基準等に反し違法であるか否か。 第3争点に関する当事者の主張〔原告の主張〕1(1)政務調査費の交付目的政務調査費が制度化されたのは,地方議会の活性化を図るためには,その審議能力を強化していくことが必要不可欠であり,地方議員の調査活動基盤の充実を図る観点から,議会における会派等に対する調査研究費等の助成を制度化し,併せて,情報公開を促進する観点から,その使途の透明-- 性を確保することが重要となっているためである。 以上から,政務調査費は,議会の審議能力強化の観点から,議員の調査研究に充てる経費の一部として交付されるものであり,その使途の透明性の確保が重要である。 (2)地方議会の機能と政務調査費地方議会には,執行機関に対するチェック機能及び政策立案機能が付与されている。これらの機能を実現するためには,議員は,執行機関に軽くあしらわれることのないように,また,条例制定の能力を身につけるために,日常的に相当熱心に勉強する必要がある。ところが,現実には不勉強な議員が多く,これらの機能は十分に発揮されていないことが多い。したがって,地方議会の機能を強化するために,議員が熱心に調査研究活動を行うことは大いに歓迎すべきであるし,そのための費用の一部を政務調査費として交付することも総論としては賛成できることである。 しかし,税金の使い方をチェックすべき立場の議員が,政務調査費の交付の趣旨に反する使い方を行っているとすると,地方議会の機能を果た を政務調査費として交付することも総論としては賛成できることである。 しかし,税金の使い方をチェックすべき立場の議員が,政務調査費の交付の趣旨に反する使い方を行っているとすると,地方議会の機能を果たすことができない。 (3)本件各支出の違法性後記2のとおり,本件各支出の対象である調査研究の主体は,いずれも議員個人ではなく,会派であるべきところ,別紙一覧表記載の各調査研究,。 ,,はいずれも会派としての調査研究に当たらないまた後記3のとおり上記各調査研究は,いずれもその目的,内容及び効果に照らし,函館市政との関連性及び必要性が認められない。 したがって,本件各支出は,いずれも本件使途基準に反し違法である。 会派としての調査研究に当たらない点について(1)会派は議会内に形成された議員の同士的集合体であり,議員は地方公共団体の議会の構成員であって,会派と議員は飽くまで別個の概念である。 -- そして,法100条13項は,政務調査費の交付先を会派又は議員のいずれか一方(又は両方)であるとし,会派又は議員のいずれに交付するかは条例で定めなければならないと規定しており,これを受けて,本件条例2条は,政務調査費の交付先を「会派」と規定している。 このように交付先を「会派」と規定したのは,会派が議会の中で極めて重要な役割を果たしていることに着目し,政務調査費による会派活動の強化を通じ議会全体の審議能力のレベルアップにつなげることを目的としたからであり,それゆえ,本件条例5条は「会派は,政務調査費を規則で,定める使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」と規定し,本件規則。 6条の別表は「調査旅費」を「会派が行う調査研究に必要な先進地調査,または現地調査に要する経費 とし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」と規定し,本件規則。 6条の別表は「調査旅費」を「会派が行う調査研究に必要な先進地調査,または現地調査に要する経費」と定義して,会派が重要と判断した共通の市政の課題について,会派として調査研究をし,その調査研究に参加しなかった他の議員を含め,会派内の全議員の審議能力を向上させることを目的として会派に政務調査費を交付することにしたのである。 法は,条例によって政務調査費の交付先を議員個人と規定することも認めているが,函館市議会は,自ら交付先を会派とする本件条例を制定し,実際に政務調査費の交付を受けているのが議員個人ではなく会派である以上,今さら会派と議員が同一であるなどとはいえない。 (2)上記(1)のように,政務調査費に係る調査研究の主体は飽くまでも「会派」であり,政務調査費を個々の議員に好きなように使わせてよいということにはならない。したがって,政務調査費の支出が適法といえるために,(,,は会派が行った調査研究に対する支出でなければならず以下便宜上この要件を「会派性の要件」ということがある,会派が調査研究を行っ。)たといえるためには,以下の要件が備わっていなければならない。 ア当該調査研究と市政との関連性及び必要性について,会派として意思-- 統一が図られ,調査研究を担当する議員に対し,会派から指示が出されることイ会派からの要請に応える内容を記載した報告書を提出することウ会派内に分野別に報告書をまとめたファイルを備え置き,調査研究によって得られた情報を内部蓄積し,会派内の議員がそれを閲覧して活用でき,上記アの事前審査にも役立てられるような仕組みが作られていることエ会派としてのその後の活動に役立てられたこと(3)番 によって得られた情報を内部蓄積し,会派内の議員がそれを閲覧して活用でき,上記アの事前審査にも役立てられるような仕組みが作られていることエ会派としてのその後の活動に役立てられたこと(3)番号10の支出を除く本件各支出に係る調査研究は,いずれも上記㨯の要件のすべてを欠いており,会派が行ったとはいえない。特に,いずれの調査研究についても会派としての意思統一が図られていない点が重要である。 ア番号1の支出に係る調査研究について会派としての意思統一が図られたというためには,会派の例会で調査目的を告げ,例会出席者の同意を得ることが必要であり,会派の代表者の承諾を得ただけでは足りない。そして,参加人Aは,番号1の支出に係る調査研究について,上記同意を得ていない。 イ番号2ないし6の支出に係る調査研究について番号2ないし6の支出に係る調査研究について,F議員,G議員,H議員,I議員及びJ議員が参加人公明党市議団の団会議で事前の承認を得たことの客観的証拠はなく,上記各調査研究について同会議の議題とされた場合にはいずれも承認が得られなかった可能性が高い。 ウ番号7の支出に係る調査研究について番号7の支出に係る調査研究について,参加人Bが会派全体の承認を得たことの客観的証拠はなく,同調査研究が会派の会議の議題とされた場合には承認が得られなかった可能性が高い。 -- エ番号8及び9の支出に係る調査研究について番号8及び9の支出に係る調査研究について,参加人C及び参加人Dが会派全体の承認を得たことの客観的証拠はなく,上記各調査研究が会派の会議の議題とされた場合にはいずれも承認が得られなかった可能性が高い。 函館市政との関連性及び必要性がない点について(1)判断基準仮に本件各支出について「会派が調査研究を行った」と判断されると 議の議題とされた場合にはいずれも承認が得られなかった可能性が高い。 函館市政との関連性及び必要性がない点について(1)判断基準仮に本件各支出について「会派が調査研究を行った」と判断されるとし,ても,本件各支出が本件使途基準に反するか否かは,以下の基準によって判断すべきであり,それによれば,後述のとおり,本件各支出は,いずれも本件使途基準に反し違法である。 ア本件各支出が本件使途基準に反するか否かの判断は,①調査目的と市政との関連性,②調査方法・内容等に関する具体的説明の有無,③調査方法の妥当性,④調査活動と支出経費との相当性,⑤調査結果の保存の有無等を総合的に考察してすべきである。 イより具体的にいえば,本件各支出が本件使途基準に反しないというためには,①函館市政との関連において,視察の必要性を事前に検討したか,②視察前に視察先の選定をきちんと行ったか,③視察先のアポイントメントを取得したか,④事前の調査等必要な準備を行ったか,⑤現地において,函館市政との関連に重点を置いた視察,資料収集,関係者からの聞き取り等の調査を行い,記録を取ったか,⑥戻ってからそれらを報告書にとりまとめたか,⑦函館市政への政策提言等に活用したか,⑧日程及び費用は適正か,⑨その他関連性及び必要性を否定する特段の事情があるかという各要件を満たしていなければならない。 (2)番号1の支出について参加人AのK衆議院議員との面会は,函館市の本件プロジェクトに対す-- る予算付けに関する国の考え方を調べる目的でされたものではなく,単なる陳情目的での面会にすぎない。 予算付けに関する国の考え方を知るためであれば,函館市港湾部の担当職員から経過を聞き取れば済むことであり,わざわざK衆議院議員に会いに行く必要はない。また,K衆議院議員の選挙区は福島県に すぎない。 予算付けに関する国の考え方を知るためであれば,函館市港湾部の担当職員から経過を聞き取れば済むことであり,わざわざK衆議院議員に会いに行く必要はない。また,K衆議院議員の選挙区は福島県にあるから,同衆議院議員が函館市における本件プロジェクトの詳細な内容を知るはずがなく,国の考え方を調べるためであれば,国土交通省の担当者から確認する必要があるが,参加人Aは同担当者の同席を要請していない。 さらに,参加人Aは,会派に提出した報告書にK衆議院議員から受けたとされるアドバイスの内容を記載しておらず,予算獲得手法の単なる一般論を記載しているだけである。 (3)番号2の支出についてF議員は,番号2の支出に係る調査研究に当たって,事前に基礎的な調。 ,,査をしていないF議員は教育カウンセラー養成講座を受講しているがそもそも教育カウンセラー及びスクールカウンセラーに関する正確な認識を欠いている。 教育カウンセラーは,学級経営等教師の仕事を支援する役割を担うものであるから,F議員が,不登校,いじめ,教師力の低下等の問題解決を目的としていたのであれば,上記講座を受講することは明らかに目的外である。F議員が上記の目的を有していたのであれば,事前に函館市内の小中学校を調査し,問題解決のために教育カウンセラーが必要であると判明して初めて上記講座に参加する実益が生まれるのであって,そのような調査すらしていないF議員には同講座を受ける資格はない。同講座は,F議員の専門的知見の向上に役立ったにすぎず,函館市政との関連性及び必要性が希薄である。 (4)番号3の支出について-- ア宮崎市立保育園の調査について函館市立保育園の民営化のための調査であれば,函館市における同民営化実施計画において何が問題となっているかを事前に調査して問題点を絞 3の支出について-- ア宮崎市立保育園の調査について函館市立保育園の民営化のための調査であれば,函館市における同民営化実施計画において何が問題となっているかを事前に調査して問題点を絞り,その問題点との関連で最も適切な調査先を選択する必要があった。しかし,G議員は,上記計画の問題点を摘出していないし,調査先として宮崎市を選んだ理由を明らかにしていない。また,宮崎市に対して,事前に文書による問い合わせも行っていない。 さらに,宮崎市立保育園は,公設民営であったため,民営化によって委託先の社会福祉法人及び保育士が変更されず,保護者との間に全くトラブルがなかった。一方,函館市では,市立保育園を民間委託することにより保育士が完全に変わることになることから保護者に反対意見があったのであり,スムーズに民営化が実現された宮崎市を調査する必要はなかった。したがって,G議員が観光ついでに調査したことは明らかである。 イシーガイア及びフェニックス動物園の調査についてシーガイアの調査は,大規模なプロジェクトが破綻した際の後始末の仕方についての調査であるとのことであるが,現在,函館市に破綻のおそれのある第三セクターはないから,そのような調査は,函館市政との関連性が全くない。また,シーガイアの破綻の原因は,新聞記事等において公表されている資料によって理解可能であるから,現地にまで行く必要がない。 シーガイア及びフェニックス動物園の調査は,函館市政と関連性及び必要性を有さない完全に無駄な出張であり,観光旅行の域を出るものではない。 (5)番号4の支出についてア宮崎市立図書館の調査について-- 函館市立中央図書館の民間委託の在り方を調査するために宮崎市立図書館を調査先に選んだのであれば,民間委託のメリット及びデメリットについて調査し ついてア宮崎市立図書館の調査について-- 函館市立中央図書館の民間委託の在り方を調査するために宮崎市立図書館を調査先に選んだのであれば,民間委託のメリット及びデメリットについて調査しなければならないが,H議員らは,その調査をしていな。 ,,,いまたH議員らは図書館職員からの聞き取り調査をしていないし休館日に訪問したため,図書館そのものも見ていない。H議員らは,函館市立中央図書館の民間委託についての問題意識が希薄であったため,宮崎市立図書館の調査は,観光旅行と大差のない無駄な出張であった。 なお,H議員らが宮崎市立図書館の調査を行う3か月前に,既にG議員が宮崎県に調査に行っていたのだから,その際に同図書館の調査を委託することも可能だったはずである。 イ熊本県玉名市の調査について新幹線の開業と温泉地の活性化の関係について調査するのであれば,新幹線が開業してしばらく経った土地を調査先に選ぶべきである。番号4の支出に係る調査が実施された当時,熊本県玉名市は新幹線開業の整備に追われ,新幹線を核とした温泉街の活性化の在り方まで頭が回らない状況にあったのであり,そのようなことは事前に確認することができた。また,H議員らは,同市の温泉街の民間業者に対して,温泉街の活性化の条件について聞き取り調査をしていない。 さらに,会派に提出された報告書には,新幹線の開業と温泉地の活性化の関係については具体的な調査結果が何も記されていない。 ウ佐賀県伊万里市の調査について函館市が現在行っている職員意向調査の問題点を事前に調査して初めて佐賀県伊万里市における人事FA制度の調査と函館市政との関連性及び必要性が基礎付けられるところ,H議員らは,いずれもそのような事前調査をしていない。そのため,佐賀県伊万里市の調査によって,函館市の職員意向調 里市における人事FA制度の調査と函館市政との関連性及び必要性が基礎付けられるところ,H議員らは,いずれもそのような事前調査をしていない。そのため,佐賀県伊万里市の調査によって,函館市の職員意向調査制度の改善点について何ら教訓が得られていない。 -- エまた,会派としての調査研究であり,政務調査費が市民の税金であることを考えると,同一会派からの議員3名による同一地域の調査は無駄である。 (6)番号5の支出についてア熊本市民病院の調査について(「」財団法人日本医療機能評価機構の病院機能評価以下病院機能評価という)と健全経営の関係,新生児医療センターと健全経営の関係,。 市立函館病院の経営を圧迫している医療報酬未回収の問題及び人件費の問題について熊本市民病院ではどのような経営努力を行っているのか等,肝心な点についての調査がされておらず,会派に提出された報告書にもその記載がない。一般の見学者と同じ立場で施設を見学したことを調査と言いつくろっているにすぎない。 イ沖縄都市モノレールの調査について1キロメートル当たりの建設費や経営の内訳については,文書による問い合わせにより十分調査できるし,需要予想と実態との対比,建設費の見込みと実態との対比,経営実態,市民の反応等,現地に足を運んだ成果が明らかにされておらず,一般見学の域を出ない調査であって,開業後1年しか経過していないモノレールであること,その後のフォロー調査をしていないことから,単なる観光の口実としての調査であることは明らかである。 ウまた,会派としての調査研究であり,政務調査費が市民の税金であることを考えると,同一会派からの議員3名による同一地域の調査は無駄である。 (7)番号6の支出について海洋博物館には,平成16年7月20日に同一会派のH議員が調査に行 務調査費が市民の税金であることを考えると,同一会派からの議員3名による同一地域の調査は無駄である。 (7)番号6の支出について海洋博物館には,平成16年7月20日に同一会派のH議員が調査に行っており,G議員が重ねて調査に行く必要はなかった。 -- また,函館市で建設が検討されていた海の生態科学館については,市財,,政への圧迫が懸念されそれが最大の反対理由となっていたのであるから海洋博物館の収支についての調査は欠かすことができないはずであるのに,G議員は収支の内容だけでなく,入館者数,有料入館者と無料入館者の区別等を調べていないし,他の水族館についての収支等を調べることもしていない。 さらに,函館市において大学の附属施設として水族館を建設する予定はなかったのであるから,海洋博物館の調査は,函館市政と関連性及び必要性が全くない。 (8)番号7の支出についてア狭山ヶ丘区画整理事業の調査について参加人Bの関心事であった函館市北美原土地区画整理事業(以下「北美原区画整理事業」という)については,その遂行の障害になるよう。 な反対運動はなかったし,函館市が補助金を出さないため,その監督の必要もなかったのだから,調査に行く必要などなかった。埼玉県所沢市で実施されていた5か所の土地区画整理事業のうち2か所がいわゆる組合施行で3か所がいわゆる自治体施行であったから,調査をするとすれ,,ば北美原区画整理事業と同様の組合施行の事業を対象とすべきであり自治体施行であった狭山ヶ丘区画整理事業を対象とすべきではなかったまた参加人Bは狭山ヶ丘区画整理事業において遂行の障害になっ。 ,,ている反対運動の調査もしていない。 イロイヤルの園の調査について参加人Bは,函館市における特別養護老人ホームの施設数すら調査しておらず,埼玉県所沢 画整理事業において遂行の障害になっ。 ,,ている反対運動の調査もしていない。 イロイヤルの園の調査について参加人Bは,函館市における特別養護老人ホームの施設数すら調査しておらず,埼玉県所沢市の行政とロイヤルの園との関係についても調査していないのだから,函館市政との関連性は全くなく,狭山ヶ丘区画整理事業見学のついでに施設見学をしてきたにすぎない。参加人Bは,函-- 館市議会事務局の選んだメニューに従ってただ行って見てきただけである。 (9)番号8の支出について参加人Cは,函館市において苦情処理制度に基づく福祉サービスに関する苦情件数が年々増加しており,その原因が介護サービスの質の低下にあることから,番号8の支出に係る調査を実施したということだが,その前提とされる事実が誤っており,この調査は函館市政との関連性及び必要性が全くない。 (10)番号9の支出について番号9の支出に係る調査は観光客の見学と大差がなく,函館市政との関連性及び必要性は全くない。参加人Dは,函館市の社会教育施設の運営上の問題点を調査していない。また,参加人Dは函館山の保全と活用に関心を有していたということであるが,そうであれば,函館市と函館山の関係に似た関係を持つ都市を調査先とすべきであり,参加人Dの視察した各施設は明らかに不適切である。 さらに,参加人Dは,視察した各施設において,函館市政と関連する質問をしていないし,その運営上の問題点についても質問しておらず,函館市の社会教育施設の運営改善にとって有益な情報は一切得られていない。 当時,函館市において,水族館以外の社会教育施設の建設計画はなかったから,参加人Dの調査は函館市政とは関連性のない調査である。 (11)番号10の支出について(「」。)函館市の七五郎沢廃棄物最終処分場以下七五 族館以外の社会教育施設の建設計画はなかったから,参加人Dの調査は函館市政とは関連性のない調査である。 (11)番号10の支出について(「」。)函館市の七五郎沢廃棄物最終処分場以下七五郎沢処分場というの特質,同処分場の延命の可能性,溶融炉のプラスマイナスについて検討し,溶融炉が最適であるとの結論に達し,その稼働実態を調査に行くということであればともかく,参加人Eは,調査の前提となる基礎的な調査を行っていないまた七五郎沢処分場において廃棄物の掘り起こしを行っ。 ,,-- た場合に幾らくらいの事業費がかかるかについて事前に検討しておく必要があるのに,それを行っていない。 さらに,調査の実態も稼働状況の見学にすぎず,ずさんなものであり,参考になるような情報は何も入手していないが,それは調査前から予想されたことであったし,調査後に函館市の職員に報告書を作成させるなどは論外である。 ,, 以上のとおり本件各支出はいずれも本件使途基準に反して違法であるから本件各会派は,一覧表の「支出金額」欄記載のとおり,それぞれ各支出相当額を不当利得として被告に返還すべき義務がある。 〔被告の主張〕 政務調査費についての基本的な考え方(1)政務調査費の法定された趣旨等政務調査費は,平成12年法律第89号による法の一部改正によって法定されたものであるが,これは,かねてより全国市議会議長会等からその制度化に強い要望がされていたところ,いわゆる地方分権一括法の施行により,地方公共団体の自己決定権及び自己責任が拡大する中,その議会が担う役割がますます重要となっていることから,地方議員の調査活動基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究費の助成を制度化したものである。そして,その法定の趣旨は,普通地方公共団体の 割がますます重要となっていることから,地方議員の調査活動基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究費の助成を制度化したものである。そして,その法定の趣旨は,普通地方公共団体の議会は,条例の制定及び改廃,予算,重要な契約の締結並びに財産の取得及び処分等について議決権を有するなど多くの重要な権限を有していることに加えて,近時の社会情勢の複雑化に伴い,多様化・高度化する地域住民の要求に応えるための行政施策等に対する迅速かつ適切な審議が求められるようになっているため,普通地方公共団体の議会の構成員である議員には,地方行政等に関する諸制度,当該地方公共団体の政治,国政,さらには外国の事情ないし動向等に対する広範な知識が必要とされ,これら-- についての不断の調査研究活動が不可欠となっているので,これに要する費用の一部を普通地方公共団体が負担することによって,議員の調査研究活動の基盤を強化するためとされている。 なお,原告は,政務調査費が法定された目的として,その使途の透明性の確保も挙げているが,これは副次的に配慮されているにすぎない。したがって,法,本件条例及び本件規則について,議員の調査研究活動の基盤を減退させる方向での解釈はすべきではない。 (2)法令の定め等法100条13項及び本件条例1条は,政務調査費交付の趣旨を「議員の調査研究に資するため」と規定しているが,法100条13項及び14項並びに本件条例は,その「調査研究」の対象を限定していない。 また,本件条例5条は「会派は,政務調査費を規則で定める使途基準,に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」と規定し,これを受けて本件規則6。 条は「条例第5条の規則で定める使途基準は,別表のとおりとする」, って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」と規定し,これを受けて本件規則6。 条は「条例第5条の規則で定める使途基準は,別表のとおりとする」,。 と規定して本件使途基準を定めているが,同基準も「調査研究」の対象を限定していない。 (3)会派及び議員の政務調査費の支出についての裁量ア会派及び議員の独立性地方公共団体の議会及び議員は,執行機関とは相互に独立対等の関係にある。また,法は,地方公共団体の議員と職員の兼職を禁止する等執行機関が議会の活動に関与しない建前を明らかにしており,他方,議会及び議員の活動について自主性及び自律性を認め,議会及び議員が執行機関から独立して自主的な運営を行うことを保障している。 また,現代の議会においては,会派が存在し,議員の意見は会派を単位として集約され,議会活動が行われるなど,会派が重要な役割を担っ-- ている。その意味から会派の独立性も尊重されねばならない。それは,基本的人権としての結社の自由及び言論の自由,更にそこから導かれる政治活動の自由が保障されねばならないことからも当然のことである。 これに加えて,上記議員及び会派の独立性は,執行機関に対する関係だけでなく,議員及び会派相互に,その政策,思想,信条等の違いによる対抗ないし対立が当然に予定されていることからすれば,議員及び会派相互における独立性もまた保障されるべきことになる。 イ会派及び議員の裁量政務調査費が法定された趣旨,法令の定め,会派及び議員の独立性の保障の観点からすると,政務調査費については,会派及び議員に,その支出についての広範な裁量が認められるべきである。このことは,政務調査費の支出報告書の提出先が市長ではなく,議会議長とされていることにも現れている。 また,地方公 費については,会派及び議員に,その支出についての広範な裁量が認められるべきである。このことは,政務調査費の支出報告書の提出先が市長ではなく,議会議長とされていることにも現れている。 また,地方公共団体の行う施策及び事業は,広範多岐にわたるが,それに伴い,会派及び議員の市政に関する調査研究対象事項も広範多岐にわたる。そればかりでなく,会派及び議員が積極的に政策を提言及び提,,案していくことが期待されることからすればその調査研究対象事項は地方公共団体が現に取り組み,又は現に取り組もうとしている施策及び,。 事業に限らずいまだそれに至っていない事項にも及ぶべきものであるまた,地方公共団体が自ら行う施策及び事業に限らず,当該地方公共団体エリアでの重要な民間の事業やこれらに関する他都市の事例に関する事項にも及ぶべきものである。さらに,結果的に調査研究対象事項が地方公共団体の施策及び事業に直ちに結びつかなかったとしても,それが会派及び議員の調査研究対象事項としての適性を否定されるべきものではない。これらの事項は,いずれも本件条例5条の「市政に関する調査研究」の対象事項たる適格性があるというべきであり,この点からも政-- 務調査費の支出における会派及び議員の広い裁量が認められるべきである。 そうすると,本件条例7条2項は「市長は,政務調査費の交付を受,けた会派が第5条の使途基準に反して政務調査費を支出したと認めるときは,当該支出した額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる」と規定しているが,同項については,市長は,原則として会。 派及び議員の政務調査費の支出についての裁量を尊重すべきであり,明らかに使途基準に反して使用したと認められる場合でなければ,その返還を命じるのは相当でないし,その返還を命じることはできないと 会。 派及び議員の政務調査費の支出についての裁量を尊重すべきであり,明らかに使途基準に反して使用したと認められる場合でなければ,その返還を命じるのは相当でないし,その返還を命じることはできないというべきである。 ウ政務調査費の使途交付された政務調査費の使途については,当該普通地方公共団体ないしその議会の議員の個別具体的な政治課題と直接的な関連性を有する事項の調査研究活動に限って使用される必要はなく,当該普通地方公共団体の議会の議員としての政治活動全般に必要な広範な知識を得るための調査研究活動に使用されるものであっても何ら差し支えない。 また,議会の活性化を図るため議員の調査活動基盤を充実させてその審議能力を強化するとの観点からすると,政務調査費によるべき費用は,調査研究に直接用いられる費用に限られる必要はなく,調査研究のために有益な費用もこれに含まれるとしても何ら差し支えない。 会派性の要件について(1)政務調査費が制度化された趣旨政務調査費が制度化された趣旨は,審議能力向上のための議員の調査研究活動の基盤強化を目的とするものであって,会派のそれを目的とするものではない。このことは,政務調査費の交付先が議員ではなく会派とされる場合でも同様であって,法100条13項が「その議会の議員の調査研-- 究に資するため」と規定し「会派の調査研究に資するため」とはしてい,ないことからも明らかである。政務調査費の交付の対象が会派とされるのは,結局,議員の調査研究活動の基盤強化の手段にすぎず,本件使途基準もこれを前提に解釈すべきである。 (2)本件条例が政務調査費の交付先を会派とした趣旨,,函館市議会においては政務調査費の制度を法定する法の改正を受けて政務調査費の制度化に向けて検討を進めるため,議会運営委員会委員の各会 。 (2)本件条例が政務調査費の交付先を会派とした趣旨,,函館市議会においては政務調査費の制度を法定する法の改正を受けて政務調査費の制度化に向けて検討を進めるため,議会運営委員会委員の各会派代表者による会議で函館市における政務調査費の制度及びその取扱いを検討し,政務調査費の交付額,交付回数,交付対象等制度全般について協議した。同協議において,会計処理が適切に行える等の理由により,政務調査費の交付先を会派とする旨決定され,さらに,政務調査費の執行について,会派の総体の意思決定で行う場合のほか,会派の方針として,会派又はその代表者が認めるものであれば,所属議員の自主性を尊重して行うこととする場合も,各会派の自主的判断によるものであるとして,会派による政務調査費の執行に当たるとされた。なお,交付先を「会派及び議員」とすることについては,その運用が複雑になることなどから,函館市においては採用しないこととした。 (3)議員の自主性を尊重することの重要性政務調査費の制度趣旨が議員の調査研究活動の基盤強化にあることから,,すれば政務調査費によっていかなる調査研究を行うかの選択についても議員の意向が最大限尊重されるべきであり,あたかも議員が会派の手足にすぎないかのごとくに会派が議員に調査研究活動に対し指示を出すことは相当ではない。実際上も,同一会派に属する議員であってもその関心等は多様であり,各議員が異なる視点から調査研究を行うことは政務調査費による調査研究の活性化にとって極めて有意義である。 また,市町村議会においては,会派に政務調査研究を担当する職員は配-- 置されていないし,個々の議員にも政務に関する調査研究のための秘書等は存在しない。したがって,条例等により政務調査費の交付先が会派とされ,政務調査費の使途が本件使途基準 当する職員は配-- 置されていないし,個々の議員にも政務に関する調査研究のための秘書等は存在しない。したがって,条例等により政務調査費の交付先が会派とされ,政務調査費の使途が本件使途基準のごとくに「会派が行う」調査研究等とされているとしても,実際には,その調査研究等は,会派に属する各議員が自らこれを行うものである。そして,たとえ同一会派に属する議員らであっても,その個々の議員の自主性及び独立性が尊重されるべきことは,法,ひいては憲法の要請するところである。特に,政務に関する調査研究活動が議員活動の根幹に関わるものとされることからすれば,その調査研究活動については,なおさら議員の自主性及び独立性は尊重されるべきである。そうであれば,政務調査研究を担う議員に対し,会派が事細かに口出しするのは相当ではない。 さらに,本件条例2条は政務調査費の交付先たる会派にいわゆる1人会派も含むと規定している。1人会派においてはその議員のみの意向及び判断により政務調査費による調査研究活動が行われるのは当然であるが,そうすると,複数議員で構成される会派に所属する議員にあっては,その会派に所属しているということだけから,その調査研究活動に会派による事細かな制約が課されるのは,1人会派の議員との比較において著しく均衡を失する。特に,政務に関する調査研究が議員活動の根幹をなすことからすればなおさらである。 (4)会派の自主的判断に委ねることの相当性会派の独立性,自主性及び自律性を政務調査費の関係で見ると,いかなる政務調査費による調査研究活動を「会派の行う」それとするか,また,その会派の行う調査研究活動とするに当たって会派と所属議員間において必要とされる手続をどのようにするかも,会派の自主的及び自律的判断に委ねるべきである。 そして,このように解して れとするか,また,その会派の行う調査研究活動とするに当たって会派と所属議員間において必要とされる手続をどのようにするかも,会派の自主的及び自律的判断に委ねるべきである。 そして,このように解しても,個々の政務調査の適否は,その個々の政-- 務調査費による調査研究活動がその趣旨,目的及び内容において個別具体的に使途基準に適合しているか否かによって判断され,使途基準に反している場合にはこれが違法とされ,当該政務調査費支出分について会派から市長への返還義務が生じることとなるから,政務調査費の支出がいたずらに野放図となるおそれはない。 (5)会派性の要件に関する原告の主張について原告は,本件条例が政務調査費の交付先を議員ではなく会派としたのには特別の目的及び意義がある旨主張する。しかし,本件条例において政務調査費の交付先を会派としたのは,会計処理が適切にできる等専ら技術的な理由によるものであって,特別な目的及び意義はない。前記㨯の政務調査費の制度趣旨が飽くまでも議員の調査研究活動の基盤強化を本義とするものであって,会派のそれを本義とするものではないことからすれば,法100条13項が政務調査費の交付先として「議員」に加えて「会派」を規定したことに特別の意味があると解することはできず,交付先が議員であるか会派であるかによって政務調査費による調査研究活動の在り方が異なる又は異なるべきであると考えることはできない。 また,政令指定市及び中核市の多くが政務調査費の交付先を会派としているが,原告の主張するような「会派としての意思統一」がされることはほとんどないと考えられる。そうすると,原告の主張する基準を適用すれば,全国の市町村における政務調査費の支出はその大多数が違法とされることになるが,それでは余りに法的安定性を害する。このような原告の ほとんどないと考えられる。そうすると,原告の主張する基準を適用すれば,全国の市町村における政務調査費の支出はその大多数が違法とされることになるが,それでは余りに法的安定性を害する。このような原告の主張は実際を無視した常識に反するものであり,正当ではない。 (6)本件各支出について仮に政務調査費の支出には必ず会派としての意思の統一が必要だと解されるとしても,次のとおり,本件では,会派としての意思の統一が図られているというべきである。 -- ア番号1ないし9の各支出について本件条例及び本件規則は平成13年4月1日に施行されたところ,民主・市民ネット及び参加人公明党市議団はその施行のころ,また,はこだて市民クラブ及び市民自由クラブはそれぞれその会派が設立された平成15年5月ころ,いずれも会派として所属議員による政務調査費に関する協議を行い,被告から交付される政務調査費は経理責任者がこれを管理し,所属議員が政務調査費からの支出を求めるときには,その調査研究活動の内容とこれに必要な政務調査費から支出を求める金額を会派に申請し,会派の代表者及び経理責任者からその活動内容及び金額の承,,認を得た上で経理責任者からその金員の交付を受けることが決定されそのとおりの運用がされてきた。これによれば,上記各会派として承認をなす権限は,その協議による決定によって,会派の代表者及び経理責任者にこれが授与されたというべきである。そして,その会派としての承認の手続及び方法については,前記㨯のとおり,当該会派の自主的及び自律的決定が尊重されるべきである。そうであれば,その運用に係る具体的な政務調査費の支出及びその支出による調査研究活動については,会派としての承認があったと評価するに何ら問題はない。 そして,番号1ないし9の各支出及び各支出による調査 うであれば,その運用に係る具体的な政務調査費の支出及びその支出による調査研究活動については,会派としての承認があったと評価するに何ら問題はない。 そして,番号1ないし9の各支出及び各支出による調査研究活動につ,。 いても上記運用により上記各会派の承認がされたことは明らかであるしたがって,番号1ないし9の各支出による調査研究活動は,会派として行った調査研究であるといえる。 イ番号4及び5の各支出について,,,仮にそうでないとしても参加人公明党市議団は平成16年度当時その所属議員は5名であったところ,番号4の支出に係る調査研究については,その5名のうちH議員ら3名の議員がこれに参加し,また,番号5の支出に係る調査研究については,同5名のうちF議員ら3名の議-- 員がこれに参加している。このように,参加人公明党市議団における上記調査研究については,所属議員の過半数が参加しており,実質的に会派として意思統一がされているといえる。したがって,番号4及び5の各支出に係る調査研究については,参加人公明党市議団が会派として行ったものと評価されるべきである。 ウ番号10の支出について無所属クラブは参加人Eの1人会派である。したがって,仮に会派の調査研究というためには,調査研究と函館市政との関連性及び必要性に,,ついて会派としての意思統一が図られ調査研究を担当する議員に対し会派から指示がされることが必要であるとの原告の主張を前提としても,番号10の支出については,会派たる無所属クラブの調査研究とすることに何ら問題はない。 本件各支出が本件使途基準に反しないこと(1)本件使途基準適合性について前記1のとおり,政務調査費の本件使途基準適合性については,会派又は議員に広範な裁量が認められるべきであり,後記のとおり,本件各支出 出が本件使途基準に反しないこと(1)本件使途基準適合性について前記1のとおり,政務調査費の本件使途基準適合性については,会派又は議員に広範な裁量が認められるべきであり,後記のとおり,本件各支出はいずれも本件使途基準には反しない。 なお,原告は,前記〔原告の主張〕3(1)イの基準において,政務調査費の支出が正当であるか否かを判断する基準の諸要素を分解し,本件各支出は同基準への適合性に欠ける旨主張するが,その評価は総合的にされるべきであり,総合的に評価すると後記のとおり本件各支出は同基準に反しないから,原告の主張は失当である。 (2)番号1の支出について本件プロジェクトは函館市の重要課題の一つであり,これについて国の予算を得ることは同プロジェクトの具体的内容及びその手順にも関わるため,種々調査研究を必要とするところである。そして,長年政府与党の中-- 枢にあり,衆議院副議長を務め,プロジェクト事業の推進,国の予算付けの在り方等に豊富な知見を有するK衆議院議員に面談して事業推進,予算付けについての国の考え方や重要事項等を調査研究することは有益である。そのため,参加人Aは,K衆議院議員に面談し,調査を行ったのであり,これは陳情又は要望活動とは異なる。 そして,その調査の結果,参加人A及び民主・市民ネットから市長等に意見を述べ,その効果もあって,平成18年度に本件プロジェクトについて国の調査予算が付された。 (3)番号2の支出について学校教育問題,特に不登校,いじめ,教師の力量低下等の問題は,函館市における重要課題であり,同市では,この問題について市立学校に教育カウンセラーを配置しているところ,その在り方及び改善策が問題となっている。そして,F議員は,平成3年6月から平成10年2月まで函館市学校教育審議会委員を経験したことか の問題について市立学校に教育カウンセラーを配置しているところ,その在り方及び改善策が問題となっている。そして,F議員は,平成3年6月から平成10年2月まで函館市学校教育審議会委員を経験したことから,学校教育問題についての関心が,。 深く教育カウンセラーの問題をより具体的に検討する必要を感じていたそこで,F議員は,教育カウンセラーの問題をより具体的に研究する目的を持って,その研究に資する内容を有する教育カウンセラー養成講座に参加し,その調査研究を行ったのである。同議員には,資格取得の目的はなく,その取得によって同議員個人として有益なことは何もない。 (4)番号3の支出についてア宮崎市立保育園の調査について函館市においては,平成15年ころから市立保育園民営化問題について激しく議論されていた。 その中で,同問題を担当する函館市議会民生常任委員会委員長で同問題に関心の強かったG議員は,函館市に先行して市立保育園の民営化を実行した宮崎市の施策について調査する目的で,同市担当部局等を調査-- したのである。 イシーガイア及びフェニックス動物園の調査について函館市においては,平成3年から函館湾内埋立地の開発計画であるアクアコミュニティー構想が検討され,水族館建設計画の可否が重要問題となっており,その運営主体についても議論されていた。 その中で,G議員は,第三セクターによる運営方法を採りながら破綻した宮崎市のシーガイア及びその破綻後同市が施設の譲渡を受けたフェニックス動物園について検討する目的で,同市担当部局等を調査したものであり,この調査は,その規模の違いにかかわらず,函館市の上記問題に資するものである。 (5)番号4の支出についてア宮崎市立図書館の調査について函館市においては,函館市立中央図書館の平成17年11月の開館に 査は,その規模の違いにかかわらず,函館市の上記問題に資するものである。 (5)番号4の支出についてア宮崎市立図書館の調査について函館市においては,函館市立中央図書館の平成17年11月の開館に向けて事業が進行していたところ,その運営を民間委託することが問題とされていた。 その中で,H議員らは,既に市立図書館の民間委託を実行していた宮崎市の施策を調査する目的で,同市担当部局を調査したものである。その調査目的は,運営の民間委託についてであり,図書館施設そのものではないから,同図書館が休館であることは調査に支障がなく,また,調査時に休館であることは事前の打合せによりあらかじめ承知していた。 その調査結果に基づき,参加人公明党市議団は,会派として函館市議会で意見表明を含む質疑を行っている。 イ熊本県玉名市の調査について函館市においては,青森県八戸市から函館方面へ新幹線が延伸された場合,新幹線駅予定地から遠い温泉街をどうするかが重要問題となっている。 -- その中で,H議員らは,九州新幹線駅から遠い温泉街を抱えながら,新幹線との関係で温泉街活用を視野に入れた地域再生計画を策定した熊本県玉名市の施策を検討する目的で,同市の担当部局を調査したのである。 ウ佐賀県伊万里市の調査について函館市において,市職員の効率的配置は重要な問題となっている。そして,佐賀県伊万里市は,市職員の人材を有効活用するため人事FA制度を導入している。同制度は,市職員について,異動について希望を取り,これを人事異動の中でできるだけ反映させようというものである。 同制度を調査することは,函館市職員の効率的配置にとっても有益である。 そこで,H議員らは,上記人事FA制度について検討する目的で伊万里市担当部局を調査したのである。 (6)番号5の支出についてア 度を調査することは,函館市職員の効率的配置にとっても有益である。 そこで,H議員らは,上記人事FA制度について検討する目的で伊万里市担当部局を調査したのである。 (6)番号5の支出についてア熊本市民病院の調査について函館市においては,市立函館病院,恵山病院及び南茅部病院の経営健全化が重要課題となっていた。また,同市では少子化が著しく,市立病院における総合的な周産期医療体制の整備が問題となっている。 そして,熊本市民病院は,病院機能評価の審査を受ける等積極的に経営健全化に取り組み,総合的な周産期医療を行う新生児医療センターを開設し,同医療に積極的に取り組んでいた。 そこで,F議員らは,熊本市民病院における上記取組内容を検討する目的で,同市担当部局を調査したのである。 イ沖縄都市モノレールの調査について函館市においては,同市郊外の新幹線駅予定地から同市中心部へのアクセス方式が重要問題となっており,その方式の一つとしてモノレール-- が考えられる。 そこで,F議員らは,那覇空港から那覇市中心部へのアクセス手段として平成15年に開業した沖縄都市モノレールについて検討する目的で,同市担当部局を調査したのである。 (7)番号6の支出について函館市においては,平成16年以降海の生態科学館の建設計画について議論されている。同科学館を建設する場合,その運営主体が大きな問題であるところ,北海道大学水産学部,公立はこだて未来大学等が協力することが想定されていることから,大学による運営参加の手法が検討課題となる。そして,海洋博物館は,東海大学が運営するものであって,同博物館の運営内容の検討は,海の生態科学館における大学の運営参加の問題にとって有益である。また,海洋博物館の内容は,海洋科学の学術面においても海の生態科学館の施設の検討にとって有 るものであって,同博物館の運営内容の検討は,海の生態科学館における大学の運営参加の問題にとって有益である。また,海洋博物館の内容は,海洋科学の学術面においても海の生態科学館の施設の検討にとって有益である。 そのため,G議員は,運営方法,学術内容等を検討する目的で海洋博物館を調査したのである。 なお,参加人公明党市議団は,H議員による調査を前提として,更にG議員による別視点からの補充的な調査が有益であるとして番号6の支出に係る調査を決定しており,不必要な調査ではない。 (8)番号7の支出についてア狭山ヶ丘区画整理事業の調査について函館市においては,北美原地区の市街化整備が課題となっていた。そのような中で,人口規模が函館市に類似している埼玉県所沢市は,積極的に土地区画整理事業を施行し,市街化を成功させていた。 そこで,参加人Bは,同市の土地区画整理事業の検討を目的として,同市担当部局を調査したのである。この調査結果は,はこだて市民クラブの予算編成に対する要望等による市長への提言に結びつき,その後の-- 函館市北美原土地区画整理組合の設立認可にも結びついている。 イロイヤルの園の調査について函館市においては,高齢者に対する保健,医療及び福祉の充実が重要課題となっている。そして,埼玉県所沢市の所沢ロイヤル・ワム・タウンは,民間運営の病院を核とした保健,医療及び福祉の各分野が連携した高齢者福祉総合施設を展開していた。 そこで,参加人Bは,高齢者福祉総合施設の検討を目的として,ロイヤルの園を中心として所沢ロイヤル・ワム・タウンを調査したのである。 (9)番号8の支出について函館市においては,高齢者に対する保健,医療及び福祉の充実が重要課題となっている。そして,東北医療協同組合は,東北地方全域で高齢者に対する医療,介護及び福祉を ある。 (9)番号8の支出について函館市においては,高齢者に対する保健,医療及び福祉の充実が重要課題となっている。そして,東北医療協同組合は,東北地方全域で高齢者に対する医療,介護及び福祉を総合的に支援する活動をしている。 そこで,参加人Cは,同組合の活動の検討を目的として,青森県八戸市における同組合の施設等を調査したものである。なお,複数の施設を調査することは,多角的な検討にとって有益である。 (10)番号9の支出について函館市においては,函館市文化芸術振興条例の制定が検討課題になっていた。そして,それに関連して,文化芸術関係施設の整備等が問題となっていたため,多数の文化芸術関係施設を有する地方公共団体の文化芸術に対する基本施策及び同施設を検討することは,函館市の上記問題にとって有意義であった。 そこで,参加人Dは,上記のような地方公共団体として大阪府岸和田市及び和歌山市の文化芸術に対する基本施策及び上記両市における文化芸術施設の内容及び管理運営状況を検討する目的で,上記両市の担当部局及び文化芸術関係施設を調査したのである。 -- (11)番号10の支出について函館市においては,七五郎沢処分場の埋立て残余年数が逼迫し,その延命が重要課題になっている。そして,香川県直島環境センターでは,廃棄物を溶融して減量化する等の処理がされていた。同センターにおける廃棄物の処理は,七五郎沢処分場における廃棄物との差異にかかわらず,同処分場における廃棄物の減量化による延命に対し大いに参考となる。 そこで,参加人Eは,上記センターにおける廃棄物処理等の検討を目的として,同センターを調査したのである。 なお,調査日は日曜日であるが,これは,日曜日には一般見学者が少ないためである。また,宿泊地は高松市であるが,これは函館市との往復が便利で 処理等の検討を目的として,同センターを調査したのである。 なお,調査日は日曜日であるが,これは,日曜日には一般見学者が少ないためである。また,宿泊地は高松市であるが,これは函館市との往復が便利であることと直島及び豊島との海上交通が便利であるためである。 〔参加人Aの主張〕本件プロジェクトの推進及びその予算を得ることは,同プロジェクトの具体的内容等にも関わり,種々調査研究を必要とするところである。そこで,参加人A,,,,は長年政府与党の中枢にあり衆議院副議長を務めプロジェクト事業の推進その予算付けの在り方等に豊富な知見を有するK衆議院議員に面談して,本件プロジェクトの推進,その予算付けについての国の考え方等を調査したのである。 この調査の結果,参加人A及び民主・市民ネットから市長等に意見を述べ,その効力もあって,平成18年度に本件プロジェクトのうち弁天地区について国の調査予算が認められた。原告は,上記調査について,単なる陳情にすぎないと主張するが,参加人Aは,国の予算を得るためにK衆議院議員と面談し,種々調査したものであり,陳情とは異なるものである。 したがって,上記調査は函館市政との関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 〔参加人公明党市議団の主張〕 番号2の支出について-- (1)参加人公明党市議団では,議員の視察調査について,各議員の研究テーマに関する日程,調査目的等の申出を団会議で了承するスタイルを採っている。 F議員は,平成3年4月に函館市議会議員に初当選して以来,教育問題について継続的積極的に関わってきているから,同議員の教育カウンセラー養成講座受講の申出について参加人公明党市議団が会派として了承していることは明らかである。 (2)F議員は,これまでに多くの教育問題について議会で質問を行うな きているから,同議員の教育カウンセラー養成講座受講の申出について参加人公明党市議団が会派として了承していることは明らかである。 (2)F議員は,これまでに多くの教育問題について議会で質問を行うなどしてきた。教育カウンセラーについては,子供たちの問題行動の解決に欠かせないものであり,その在り方などについて調査研究する必要があると考え,上記(1)の講座を受講した。同講座受講後,F議員は,平成17年9月の定例会において教員のカウンセリング技術の向上などについて質疑や提言を行い,その結果,平成18年度に函館市教育委員会は「教師のカウンセリング基礎と実践」と題したカウンセリング講座を開催したり,教育自主研修会などでの研修が活発化している。原告は,F議員の上記講座受講が資格取得目的であると主張するが,議会における専門的具体的な論議を通じて現在の重要な教育問題の解決に取り組むために受講したものであり,資格取得目的で受講したものではない。また,同資格を取得してもF議員には何の利益もない。 ,,したがって本件各講座の受講は函館市政との関連性及び必要性があり本件使途基準に反しない。 番号3の支出について(1)宮崎市立保育園の調査について市立保育園の民営化は函館市の重要課題となっており,激しく議論されていたところ,G議員は市立保育園の民営化を所管する民生常任委員会委員長の立場にあり,函館市に先行して既に保育園を民営化していた宮崎市-- の例を調査し,同委員長及び議員として審議に役立たせようとした。この調査に当たり,G議員は,宮崎市議会事務局職員及び担当部局職員から説明を受け,その結果等を踏まえて,議会において参加人公明党市議団を代表してH議員が保育園民営化賛成の討論を行った。原告は,宮崎市と函館市では民間委託の在り方が異なると主張 職員及び担当部局職員から説明を受け,その結果等を踏まえて,議会において参加人公明党市議団を代表してH議員が保育園民営化賛成の討論を行った。原告は,宮崎市と函館市では民間委託の在り方が異なると主張するが,違いがあることを踏まえて調査しているのであるから何ら問題はないまた原告はインターネッ。 ,,トによる問い合わせ等により調査することができたと主張するが,直接訪問することによって,労使関係等の公にできない事情についても調査することができるのである。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 (2)シーガイア及びフェニックス動物園の調査について函館市では,平成3年からアクアコミュニティー構想が検討され,その中で水族館建設の可否等が重要課題となっていたところ,G議員は,破綻したシーガイア及びその破綻後に宮崎市が譲渡を受けたフェニックス動物園について検討し,函館市が大きなプロジェクトを進める場合の参考にするために宮崎市及び上記各施設の担当者から説明を受けるなどの調査を行った。この調査結果については更に検討を深め,今後の函館市のプロジェクト等の議論に活用する。原告は,函館市では大規模リゾート施設の建設,,はあり得ない旨主張するが函館市では第三セクターによる水族館の運営それがうまくいかなかった場合の処理等について議会で議論がされていたのであり,G議員も上記調査により大きな示唆を得ている。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 番号4の支出について(1)会派の承認を得ていたこと-- 参加人公明党市議団に所属する議員は5名であるが,番号4の支出に係る調査はそのうち3名という過半数で行ったものであるから,会派の了承を得ていたことは明白である。 派の承認を得ていたこと-- 参加人公明党市議団に所属する議員は5名であるが,番号4の支出に係る調査はそのうち3名という過半数で行ったものであるから,会派の了承を得ていたことは明白である。 (2)宮崎市立図書館の調査について函館市では市立中央図書館の建設が始まり,その運営を民間に委託することとされていたが,H議員らは,宮崎市が既に市立図書館の運営をNPO法人に委託していたことから,その経緯等を調査した。この調査後,議会の委員会において,I議員及びJ議員は,市立中央図書館の運営に関して,包括的な委託又は指定管理者制度の導入,学校図書館との連携及びボランティアの活用について質問を行った。 ,,原告は宮崎市立図書館の視察日が休館日であったことを問題にするが視察について相手方に事前に照会したところ,施設の視察ではなく民間委託の調査であれば,休館日でも説明できるとのことであったため,休館日に調査を行ったのである。 したがって,上記調査は,函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 (3)熊本県玉名市の調査について参加人公明党市議団は,平成13年に温泉の有効活用等に関する温泉セミナーを開催し,平成14年に新幹線開業とそれに伴う観光振興に関する新幹線フォーラムを開催しており,新幹線と温泉地の活性化について取り組んできていた。そして,H議員らは,新幹線を核とした温泉街の活用化について,平成16年の九州新幹線の開業に向けて温泉地と一体となった地域再生計画を策定している熊本県玉名市を調査研究してきた。上記調査後,J議員は,平成17年6月の定例会で官民一体となった戦略会議を立ち上げるべきとの質問を行った。 したがって,上記調査は,函館市政と関連性及び必要性があり,本件使-- 途基準に反しない。 (4)佐賀県伊万里 7年6月の定例会で官民一体となった戦略会議を立ち上げるべきとの質問を行った。 したがって,上記調査は,函館市政と関連性及び必要性があり,本件使-- 途基準に反しない。 (4)佐賀県伊万里市の調査について参加人公明党市議団はこれまでに函館市の人材登用等について提案を行ってきたところ,H議員らは,地方自治体の経営が厳しくなる中で市の人材を有効活用するために佐賀県伊万里市が発案した人事FA制度について調査を行った。上記調査後,H議員は,平成17年2月の定例会で市職員の能力向上を図るよう提言し,J議員は,同年6月の定例会で人材育成についての函館市の状況を質問している。原告は,伊万里市と函館市の規模が異なることを問題とするが,新たな政策を実行している都市の調査は市政の発展のため不可欠であるから,原告の主張は当たらない。 したがって,上記調査は,函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 (5)原告の主張について原告は,議員3名による調査は無駄であると主張するが,各議員が各自の視点で質問することでより理解が深まるから無駄ではない。また,原告は,H議員らが宮崎市を訪問する3か月前に既にG議員が宮崎市を訪問している点を問題にするが,参加人公明党市議団においては,先に訪問都市を決めるのではなく,調査項目に適合した宮崎市を調査しているのであるから,何ら問題はない。 番号5の支出について(1)会派の承認を得ていたこと参加人公明党市議団に所属する議員は5名であるが,番号5の支出に係る調査はそのうち3名という過半数で行ったものであるから,会派の了承を得ていたことは明白である。 (2)熊本市民病院の調査について参加人公明党市議団は,市立函館病院の健全化策について,これまで数-- 々の提言をしてきたところ,F議員ら るから,会派の了承を得ていたことは明白である。 (2)熊本市民病院の調査について参加人公明党市議団は,市立函館病院の健全化策について,これまで数-- 々の提言をしてきたところ,F議員らは,同病院の経営悪化の状況打開のため,病院機能評価を受け認定を受けた熊本市民病院の取組等を調査し,同病院の特色である新生児医療センターを調査した。上記調査後,J議員は,平成16年9月の定例会で市立函館病院も病院機能評価を受けるべき,,。 であると質問しH議員は平成17年2月の定例会で同様の質問をしたその結果,市立函館病院は,平成18年1月に病院機能評価を受け,同年3月に認定病院となった。また,同年4月から地方公営企業法の全部が適用されており,経営の健全化策についても現在策定中である。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 (3)沖縄都市モノレールの調査について函館市では北海道新幹線開業を控え,新函館駅からの交通ネットワークの整備が課題になっているところ,F議員らは,その選択肢の一つとしてバリアフリーが充実しており観光地として観光客数が類似している那覇市の沖縄都市モノレールの事業内容等の調査を行った。上記調査後,建設費が多額であること,沖縄県には有利な補助率があること,隣接する市町の財政負担の問題があること等から,会派として独自の提言をしにくいという認識になった。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 番号6の支出について参加人公明党市議団は,昭和60年代から水族館建設推進の立場をとっており,G議員は,海洋博物館の調査を行っている。原告は,既にH議員が同博物館の調査を行っているからG議員の調査は無駄であると主張するが,G議員はH議員とは別の視点 代から水族館建設推進の立場をとっており,G議員は,海洋博物館の調査を行っている。原告は,既にH議員が同博物館の調査を行っているからG議員の調査は無駄であると主張するが,G議員はH議員とは別の視点で視察を行ったのであって何ら問題はない。上記調査後,G議員は,平成17年9月の議会で函館の観光の活性化のための話題作りとし-- てイカロボットの製作について提言し,F議員は,平成18年2月の定例会で参加人公明党市議団を代表して海の生態科学館の建設について質問している。 さらに,G議員は,イカロボットの製作を通して,函館をロボット情報の集積発信基地にすることを目標として運動している。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 〔参加人Bの主張〕 狭山ヶ丘区画整理事業の調査について参加人Bは函館市北美原地区の市街化整備の必要があるとして議会で質問や提言を行ってきたが,函館市と人口規模等が類似している埼玉県所沢市において課題を抱えながらも成功した事例があることを知ったためにその調査を行ったものである。狭山ヶ丘区画整理事業は,反対運動があった中で数年にわたり説明会を開催した結果,事業完了の見通しがついたものであり,特筆すべき事業である。参加人Bは,上記調査結果について市理事者に提言するなどして活用を図り,現在では,函館市北美原土地区画整理組合は,その事業完成に向け努力している。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 ロイヤルの園の調査について函館市では高齢者の保健,医療及び福祉の充実が重要課題となっているが,所沢ロイヤル・ワム・タウンは民間主導による病院を核とした医療,保健及び福祉の各分野が連携した高齢者福祉総合施設を展開していることから,参加人Bは同 健,医療及び福祉の充実が重要課題となっているが,所沢ロイヤル・ワム・タウンは民間主導による病院を核とした医療,保健及び福祉の各分野が連携した高齢者福祉総合施設を展開していることから,参加人Bは同施設を調査したのである。上記調査結果は,はこだて市民クラブの予算要望に活用した。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 -- 〔参加人Cの主張〕参加人Cは,福祉サービスに携わる人材育成の必要性を感じていたが,青森県八戸市に本部がある東北医療協同組合が,質の高いサービスを提供できる人材作りを行っていたことから,同組合を調査したのである。参加人Cは,上記調査以前から質の高い福祉サービスの提供等について提言等を行っていたが,同調査後には更にその結果を踏まえて提言等を行っており,同調査は十分に活用されている。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 〔参加人Dの主張〕平成13年12月の文化芸術振興基本法施行を受けて,函館市では文化芸術振興条例が検討課題となっていたが,参加人Dは,同条例が施行された場合,環境整備,人材育成,文化遺産等の保存等について検討する必要があると考え,多数の文化芸術関係施設を有する大阪府岸和田市及び和歌山市を調査した。上記調査の結果については,例えば,きしわだ自然資料館では人が自然と触れ合う交流活動の文化拠点として市民活動を支援しているが,これは函館市において函館山を生涯学習の場として活用することの参考になるものであったし,参加人Dは子供たちが自主的に学ぶことのできる環境を作りたいと考えており,青少年科学館が必要であると考えていたところ,和歌山市立こども科学館はこのような将来の政策作りに大いに参考になった。 したがって,上記調査は函館 が自主的に学ぶことのできる環境を作りたいと考えており,青少年科学館が必要であると考えていたところ,和歌山市立こども科学館はこのような将来の政策作りに大いに参考になった。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 〔参加人Eの主張〕函館市では七五郎沢処分場の埋立て残余年数が逼迫しており,重要課題となっていたが,産業廃棄物の大量不法投棄事件があった香川県の豊島では,廃棄物を掘り起こして隣の直島に運搬し,同島の施設で溶融焼却処理を行い,その減容化-- が図られていた。参加人Eは,上記処理方式を七五郎沢処分場に応用できないか検討するため同島の施設を調査したのである。上記調査の結果,参加人Eは,同島の処理方式の応用により,七五郎沢処分場の延命及び再生が可能であるとの感触を得たので,その旨函館市の担当者及び民生常任委員会に提言し,現在,同市環境部で検討されている。なお,直島環境センター各施設を日曜日に視察したのは,一般見学者が少なく,同施設職員が十分に対応できるとのことであったためである。上記各施設は,曜日に関係なく稼働しており,技術的知識を有する職員から説明を受けている。調査の目的は処理システムにあったから,直島環境センター各施設と七五郎沢処分場で廃棄物の種類及び量が大きく異なることは問題ではない。 したがって,上記調査は函館市政と関連性及び必要性があり,本件使途基準に反しない。 第4当裁判所の判断 本件各支出の適法性について判断する前提として,原告の請求権について検討する。 原告は,被告に対して,被告が本件各会派に支出した金員の返還を請求することを求めているのであり,その請求の直接の根拠は本件条例7条2項であるが,実質は本件各支出が違法であることを前提とする,不当利得返還請求権である。 被告が本件各会派に支出した金員の返還を請求することを求めているのであり,その請求の直接の根拠は本件条例7条2項であるが,実質は本件各支出が違法であることを前提とする,不当利得返還請求権である。 そして不当利得返還請求権の根拠となるべき本件条例7条2項には市,,,「長は,政務調査費の交付を受けた会派が第5条の使途基準に反して政務調査費を支出したと認めるときは,当該支出した額に相当する額の政務調査費の返還を命ずることができる」と規定されているから,原告が,被告に対して,本。 件各会派の本件各支出相当額の返還を求めるよう請求することができるためには,本件条例5条の使途基準に反する政務調査費の支出があったことを,被告,。 が本件各会派に対して主張しそれが認められる場合であることが必要である-- そして,そのためには,原告は,本件各会派の本件各支出が本件使途基準に反していることを主張立証することが必要である。 本件各支出の本件使途基準適合性について(1)政務調査費支出の使途基準適合性の判断基準ア法100条13項は,政務調査費を議会の議員の「調査研究に資する」,ため必要な経費の一部として交付することができるものと定めており本件条例はそれを受けて,1条で「函館市議会議員の調査研究に資するため必要な」経費の一部として政務調査費を交付するものと定め,5条で「会派は,政務調査費を規則で定める使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」と定めている。上記法の規定は,地方分権の進展によ。 り地方議会の担う役割が強まっていることにかんがみ,地方議会の審議能力を強化してその活性化を図るため,地方議会議員の調査研究活動の基盤の充実を図る観点から,また,かかる調査活動 方分権の進展によ。 り地方議会の担う役割が強まっていることにかんがみ,地方議会の審議能力を強化してその活性化を図るため,地方議会議員の調査研究活動の基盤の充実を図る観点から,また,かかる調査活動基盤の透明性を確保する観点から,地方議会議員等に対する調査研究費の助成を制度化したものであると解される。すなわち,地方議会は,条例の制定,予算の議決等地方行政全般について重要かつ広範な権限を有しており,このような権限を適正に行使するには,議会の構成員である各議員の不断の調査研究,研さんが要請されるところ,そのために要した費用を適正な範囲内で,これを政務調査費として地方公共団体が負担することとしたものである。 イ上記法の規定が制度化された趣旨によれば,政務調査費は,地方議会の審議能力の活性化を図り,議員の調査活動基盤の充実を図るために支出されなければならないから,まず,支出の対象となった活動について調査研究といえるような実質がなければならず,そのような実質があるか否かは,調査目的,調査に向けた準備の有無及びその内容,当該調査-- 研究活動の具体的内容及び上記目的との関連等を総合的に考慮して客観的に判断すべきである。 さらに上記各規定が政務調査費の支出対象となる調査研究につき市,「政に関する」ものであることを要求していることや,政務調査費が調査研究に「資するために必要な」経費に支出されることを要求していることに照らすと,支出の対象となった活動が市政と関連性を有し,必要かつ合理的なものであることを要するというべきである。 すなわち,法は,政務調査費の支出について,交付を受けた会派等に(),議長への収支状況報告書の提出を義務づける100条14項ほかは支出の対象となる調査研究活動やその支出額等について何ら限定を加えておらず,また 務調査費の支出について,交付を受けた会派等に(),議長への収支状況報告書の提出を義務づける100条14項ほかは支出の対象となる調査研究活動やその支出額等について何ら限定を加えておらず,また,本件条例は,政務調査費を使途基準に従って支出し,必要経費以外に充ててはならないと定め(5条,これを受けた本件規)則は政務調査費の使途基準を定めているが(6条,そこでも対象とな)る調査研究活動やその支出額等について何ら限定を加えておらず,さらに,本件要綱は,政務調査費の対象外となる経費を列挙しているが(4条,そこで掲げられている行為はいずれも調査研究の実質を有しない)行為の典型例であって,調査研究活動の対象や支出額について限定を加えるものではないこと,上記アのとおり,地方議会の権能は広範にわたり,これを適正に行使するための各議員の調査研究活動も多岐にわたるものであるから,上記法の規定が制度化された趣旨を考慮すると,その調査対象の選定や調査方法及び内容については,議員としての調査研究の範囲を逸脱しない限り,法は比較的広範に自由な裁量を認めていると解されること,以上の点に照らすと,支出の対象となった活動に調査研究の実質があると認められる限りは,政務調査費をどのように使用するかについては会派の自主性及び自律性を尊重し,当該会派の裁量を広く認め,ただ,それが市政との関連性,必要性・合理性を欠くことが明ら-- かな場合にのみ違法と解すべきである。 ウこの点,原告は,政務調査費の支出が適法であるためには,十分な事前の調査を行い,調査後にその調査結果を活用しなくてはならないと主張するが,事前の調査や事後の活用は調査研究の実質を有する活動がされたか否かを判断するための要素にはなるが,それを欠いたからといって直ちに当該調査研究が違法となると 結果を活用しなくてはならないと主張するが,事前の調査や事後の活用は調査研究の実質を有する活動がされたか否かを判断するための要素にはなるが,それを欠いたからといって直ちに当該調査研究が違法となるというものではなく,当該調査研究の態様等から当該調査研究が調査研究の実質を有し,市政との関連性,必要性・合理性があると認められることもあり得るから,事前の調査や事後の活用が政務調査費の支出が適法であるための要件であると解するのは相当ではない。 (2)本件各支出の適合性に関する個別的検討ア番号1の支出について(ア)証拠(丙A1,4,9,10,証人A〔後記認定に反する部分を除く)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 。〕a函館市では平成3年7月18日に運輸大臣より函館港港湾計画の承認を受け,同計画の中で,大型客船埠頭の整備について触れられていたが,その後,いわゆるバブル経済が崩壊したこともあり,上記埠頭整備は実現しなかった。 b函館市においては,平成15年3月,国の政策に基づいて函館国際水産・海洋都市構想が策定されていたところ,同構想における主要施策の一つとして,大型客船埠頭の整備等をその内容とする本件プロジェクトが検討されていたが,平成16年度当時,国は同プロジェクトに対して予算を付けなかった。 c函館市においては,平成17年4月,弁天地区において桟橋方式を採用して岸壁を30メートル前に出す改良工事を実施するとの港湾計画が決定され,国の平成18年度予算にその費用が盛り-- 込まれた。 なお,参加人Aは,平成17年12月,上記港湾計画に関し,函館市議会議長,同市助役及び担当部長らとK衆議院議員に陳情を行っている。 dK衆議院議員は,福島県の選挙区で選出されている。 (イ)前記第2の2(5)ア及び上記(ア)で 月,上記港湾計画に関し,函館市議会議長,同市助役及び担当部長らとK衆議院議員に陳情を行っている。 dK衆議院議員は,福島県の選挙区で選出されている。 (イ)前記第2の2(5)ア及び上記(ア)で認定した事実に照らして,まず,前記第2の2(5)アの参加人Aの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人Aは,上記活動の目的は,プロジェクト事業の推進,その予算付けの在り方等に豊富な知見を有するK衆議院議員に面談して,本件プロジェクトの推進,その予算付けについての国の考え方を調査することであると主張している。 しかし,K衆議院議員は福島県出身の衆議院議員であり,そもそも函館市における本件プロジェクトの具体的内容を知っていたとは考えにくく,それについて知っていたとか,その予算付けに関する国の立場を把握していたと認めるに足りる証拠もない。また,参加人Aの作成した報告書(丙A1)添付の資料をみても,参加人AとK衆議院議員との面談は,参加人AがK衆議院議員に対して本件プロジェクトを説明することが中心であったと考えられ,参加人Aが,K衆議院議員から本件プロジェクトに対する国の考え方についての情報ないし知見を得たことはうかがわれず,かえって,上記面談の態様や,上記資料には「当該港湾施設の整備に関する平成17年度予算確保について,」,ご支援賜りますようお願い申し上げますとの記載があることに加え参加人Aが,平成17年12月にも函館市議会議長らと本件プロジェクトに関しK衆議院議員に陳情を行っていることに照らすと,上記面談は,有力国会議員であるK衆議院議員に対する陳情目的で行われた-- ものにすぎないことが推認されるというべきである。 この点,参加人Aは,K衆議院議員から本件プロジェクトの予算付けについて示唆を得た旨述べているが,どのよ 議員に対する陳情目的で行われた-- ものにすぎないことが推認されるというべきである。 この点,参加人Aは,K衆議院議員から本件プロジェクトの予算付けについて示唆を得た旨述べているが,どのような示唆を得たのかについて具体的な説明はされていないし,報告書にも具体的な内容の記載はなく,参加人Aが単なる陳情を超えて,調査研究の実質があると認めるに足りる活動をしたことの証拠はないといわざるを得ない。そして,政務調査費が制度化された趣旨が議会の審議能力の向上を図るために,議員の調査研究活動の基盤の充実を図る点にあることにかんがみると,予算付けに係る単なる陳情は,たとえ市政との関連性を有していたとしても,客観的にみて調査研究の実質を有するものとは認め難い。 また,その他に参加人Aが前記第2の2(5)アの出張において調査研究の実質があると認めるに足りる活動をしたことの証拠はない。 (ウ)したがって,番号1の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものということはできず,違法との評価を免れない。 イ番号2の支出について(ア)証拠(甲36の1,丙Bア1,11,21,証人F)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a教育カウンセラーとは,学級経営や授業,生徒指導,進路指導等にカウンセリングの発想及び手法を駆使し展開できる専門家であり,教育カウンセリングが扱う領域にはいじめや不登校をも含むものとされている。 他方,文部科学省は,不登校やいじめなどへの対策として,臨床心理士等の専門的な資格を持つスクールカウンセラー,及びスクールカウンセラーに準ずる者を小中学校に配置する事業を進めてい-- る。 bF議員は,平成3年6月から同10年2月までの間,函館市学校,,教育審議会委員を務めており平成4年3月 びスクールカウンセラーに準ずる者を小中学校に配置する事業を進めてい-- る。 bF議員は,平成3年6月から同10年2月までの間,函館市学校,,教育審議会委員を務めており平成4年3月の函館市議会において函館市の登校拒否児の現状等について質問していた。 c財務省主計局が平成16年12月に作成した「予算執行調査の反映状況(政府案」によると「スクールカウンセラーに準ずる者」),の配置・活用基準の緩和・撤廃が予算執行における改善点とされていた。 ,,(イ)前記第2の2(5)イ及び上記(ア)で認定した事実に照らしてまず前記第2の2(5)イのF議員の活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人公明党市議団は,上記活動の目的は,これまで多くの教育問題に取り組んできたF議員が,不登校やいじめなどの子供たちの問題行動の解決に欠かせない教育カウンセラーの在り方等を調査するため,専門的知識の取得や教育現場の実態を把握するというものであったと主張し,F議員も,スクールカウンセラーに準ずる者として教育カウンセラーが必要であると実感しているなどと供述しているが(丙Bア1,上記活動の内容等に照らすと,F議員の上記活動は,上記)目的で行われたものと認めることができる。 そして,F議員は,本件各講座を受講することによって,教育カウンセラーの在り方や活動内容等に関して,一定程度情報を収集し,知,,識を得ることができたと認められることからF議員の行った活動は客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,上記調査研究活動によって,教育カウンセラーの在り方等についての情報や知見を得ることができることからすると,市政との関連性も十分に-- 認められ,その費 ,必要性・合理性について検討すると,上記調査研究活動によって,教育カウンセラーの在り方等についての情報や知見を得ることができることからすると,市政との関連性も十分に-- 認められ,その費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 (ウ)以上によれば,F議員による上記活動に対する番号2の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,F議員は,基礎的調査を十分に行っておらず,教育カウンセラーは,スクールカウンセラーと異なり,教師の仕事を支援する役割を担うものであるから,F議員が不登校,いじめ等の問題解決を目的としていたのであれば,本件各講座を受講することは明らかに目的外である旨主張する。確かに,F議員の証言によれば,同議員は教育カウンセラー及びスクールカウンセラーの役割について必ずしも正確な知識を有していなかったことがうかがわれるものの,上記認定のとおり,教育カウンセリングが扱う領域にはいじめや不登校をも含むものとされているのであるから,本件各講座への参加が上記調査目的と関連性があることは明らかというべきであり,上記(イ)で認定したとおり,F議員の上記活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 ウ番号3の支出について(ア)証拠(丙Bイ1,2,5,6,8,9,証人G)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 aG議員は,平成16年度当時,函館市議会民生常任委員会委員長であり,同委員会は,市立保育園の民営化問題を所管していた。なお,H議員は,同年1月21日から同月23日までの間,市立保育園の民営化について調査するため,兵庫県尼崎市及び大阪府堺 生常任委員会委員長であり,同委員会は,市立保育園の民営化問題を所管していた。なお,H議員は,同年1月21日から同月23日までの間,市立保育園の民営化について調査するため,兵庫県尼崎市及び大阪府堺市において議員行政視察を行っている。 -- bG議員の前記第2の2(5)ウの出張以前に,宮崎市では8園の市立保育園を民営化していたが,同市における市立保育園は民営化以前から民間団体が運営していたものであり,一方,函館市における市立保育園は市が運営していた。 c函館市では,平成15年ころから市立保育園の民営化の方針が打ち出され,その是非が議論されていたところ,平成16年9月,函館市議会は民営化を実行するとの議決をした。 d函館市においては,平成12年9月,第三セクターを事業主体として函館湾内埋立地を開発する計画(アクアコミュニティー構想)が発表されたが,その後,函館市は,全国各地で第三セクターの経営破綻や債務超過が相次いでいるとして,同構想については慎重な姿勢を取っており,平成16年度当時,同構想は具体的な計画とはなっておらず,ほかに第三セクターによる大規模な事業も検討されていなかった。 eシーガイアは,宮崎県,宮崎市及び地元資本が合計3億円を出資して第三セクターを設立し,初期投資2000億円を投じて開発したものであったが,平成13年に経営破綻して,リップルウッド社に売却され,シーガイアのうち,フェニックス動物園については,宮崎市に管理運営が引き継がれた。 ,,(イ)前記第2の2(5)ウ及び上記(ア)で認定した事実に照らしてまず前記第2の2(5)ウのG議員の活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人公明党市議団は,上記活動の目的は,市立保育園の民営化の在り方等及び第三セクターによる事業の在り方等を調査するもの 前記第2の2(5)ウのG議員の活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人公明党市議団は,上記活動の目的は,市立保育園の民営化の在り方等及び第三セクターによる事業の在り方等を調査するものであったと主張しているが,上記活動の内容等に照らすと,G議員の上記活動は,おおむね上記目的で行われたものと認めることができる。 -- そして,G議員は,宮崎市立保育園の担当者及びシーガイアの担当者と面談することによって,市立保育園の民営化の在り方等及び第三セクターによる事業の在り方等に関して,一定程度情報を収集し,知,,識を得ることができたことは否定し難いからG議員の行った活動は客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,上記調査研究活動のうち,宮崎市立保育園の調査については,それによって市立保育園の民営化の在り方等についての情報や知見を得ることができることからすると,市政との関連性も十分に認められ,その費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 しかし,上記調査研究活動のうち,シーガイアの調査については,平成16年度当時,函館市において第三セクターによる大規模な事業は計画されておらず,近い将来に計画される見込みがあったことも認められないところ,シーガイアは,初期投資が2000億円にも及ぶ大型事業であった上,上記調査当時は既に破綻して,民間会社に売却されていたのであるから,調査研究に関する議員の裁量が広いことを考慮しても,シーガイアの事業の在り方等を調査することについて,市政との関連性や,必要性・合理性を認めることは困難である。 (ウ)以上によれば,G議員による上記活動のうちシーガイアの調査に係るものは政務調査としての必要 の事業の在り方等を調査することについて,市政との関連性や,必要性・合理性を認めることは困難である。 (ウ)以上によれば,G議員による上記活動のうちシーガイアの調査に係るものは政務調査としての必要性を欠くものといわざるを得ないが,同調査は,適法な調査研究活動である宮崎市立保育園の調査と同じ機会に行われたものであり,シーガイアの調査を行うために特別に交通,,費又は宿泊費を要したことを認定するに足りる証拠はないから結局番号3の支出は市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法とはいえない。 -- (エ)この点,原告は,宮崎市立保育園の調査について,G議員は事前の調査が不十分であり,宮崎市と函館市では市立保育園の運営主体が異なるから,調査先の選定を誤っているなどと主張するが,宮崎市も市立保育園を民営化している以上,市立保育園の民営化の在り方を調査するというG議員の調査目的と関連性を有することは明らかであり,調査研究の対象を,函館市と同じ方式により保育園の民営化を実施した都市に限定すべき合理的な理由はない上,上記(イ)で認定したとおり,G議員の調査活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 エ番号4の支出について(ア)証拠(甲14の3,丙Bウ1,2の2,2の3,3の2,証人H)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a函館市では,平成12年10月に同市立中央図書館の建設が決定され,平成16年度当時,平成17年11月の開館に向けて事業が進行していた。 なお,函館市は,平成16年2月,アウトソーシング推進計画を発表し,民営化や民間委託によって行政経費を削減することを目標とすることを標榜していた。 b宮崎市立図書 館に向けて事業が進行していた。 なお,函館市は,平成16年2月,アウトソーシング推進計画を発表し,民営化や民間委託によって行政経費を削減することを目標とすることを標榜していた。 b宮崎市立図書館は,H議員らが訪問した平成16年10月19日は休館日であった。 c宮崎市立図書館は,その運営をNPO法人に委託している。 d函館市近郊においては,平成16年度以前から北海道新幹線の開業が予定されている。函館市は,古くからの温泉街である湯の川温泉を抱えている。 e熊本県玉名市は1300年の歴史があるとされる玉名温泉を有し-- ており,平成16年度当時,同市においては,九州新幹線の開業が予定されていた。 f佐賀県伊万里市は,職員の異動について,職員の希望を所属長を通さず直接総務課に提出させる等の人事制度を採用し,これを人事FA制度と称している。 gJ議員は,平成18年3月20日の函館市議会予算特別委員会において,宮崎市の例を挙げて,市立図書館の運営をボランティアやNPOに委託することが可能かどうかについて質問した。 また,同議員は,平成17年6月16日の函館市議会において,玉名市に言及し,新幹線開業に向けた街づくりについて質問した。 ,,(イ)前記第2の2(5)エ及び上記(ア)で認定した事実に照らしてまず前記第2の2(5)エのH議員らの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人公明党市議団は,上記活動の目的は,図書館の運営をNPO法人に委託する手法等,新幹線を核とした温泉街の活性化の在り方等及び人材の有効配置等を調査するというものであったと主張しているが,上記活動の内容等に照らすと,H議員らの上記活動は,上記目的で行われたものと認めることができる。 そして,上記認定事実によれば,宮崎市,玉名市及び伊万里市は,函館市 うものであったと主張しているが,上記活動の内容等に照らすと,H議員らの上記活動は,上記目的で行われたものと認めることができる。 そして,上記認定事実によれば,宮崎市,玉名市及び伊万里市は,函館市からかなり遠方ではあるものの,上記目的の調査研究の対象とするに適当な場所であり,実際,H議員らは,宮崎市,玉名市及び伊万里市の各担当者と面談することによって,図書館の運営をNPO法人に委託する手法等,新幹線を核とした温泉街の活性化の在り方等及び伊万里市における人事FA制度の問題点等に関する情報を収集し,相応の知識を得ることができたと認められる上,J議員は,この調査結果に基づいて,市立図書館の運営や新幹線開業に向けた街づくりに-- ついて函館市議会で質問を行っていることに照らすと,H議員らの行った上記活動は,客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,平成16年度当時,函館市において,アウトソーシング推進計画など公営事業を民間に委託することが検討されていたこと,また,函館市近郊で北海道新幹線の開業が予定されていたこと,人事FA制度は函館市職員の効率的人事配置の問題に関連していることを考慮すると,市政との関連性も十分に認められ,その費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 (ウ)以上によれば,H議員らによる上記活動に対する番号4の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,複数の議員で調査を行うことは無駄である旨主張するが,複数の議員で調査を行うことは,多様な視点からの調査や会派の各議員において共通認識を持つことが可能になるという面があるから,当該調査 点,原告は,複数の議員で調査を行うことは無駄である旨主張するが,複数の議員で調査を行うことは,多様な視点からの調査や会派の各議員において共通認識を持つことが可能になるという面があるから,当該調査が調査研究の実質を有する限り,違法であるということはできない。また,原告は,H議員らによる宮崎市立図書館の調査及び伊万里市の調査について事前の調査が不十分であると主張し,新幹線の開業と温泉地の活性化の関係について調査するのであれば,新幹線が開業してしばらく経った土地を調査先に選ぶべきであり,玉名市は上記調査当時,新幹線の開業に追われ,温泉街の活性化にまで頭が回らない状態であったから,調査先の選定を誤っているなどと主張する。しかし,事前の調査が不十分であるからといって,直ちに当該調査研究に実質がないとか,市政との関連性がないなどといえないことは明らかであり,また,前述のとおり,政務調査費の制度は,議員-- の調査研究活動の基盤を強化するためのものであるから,その対象は議員としての政治活動全般に及び,それに必要な広範な知識を得るための調査研究であってもよく,現在函館市が実施している事業,直面している問題あるいは緊急の課題である必要はないというべきであるから,調査研究の対象については議員に広い裁量が認められるのであって,新幹線開業と温泉街の活性化に関する調査対象を原告主張のように限定すべき合理的な理由はなく(むしろ,函館市は新幹線開業前であることからすると,新幹線開業直前の玉名市を調査対象とすることに合理性があるともいえる,玉名市が温泉街の活性化に取り組。)める状態でなかったとの事実を認めるに足りる証拠もない上,上記(イ)で認定したとおり,H議員らの調査活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないか 性化に取り組。)める状態でなかったとの事実を認めるに足りる証拠もない上,上記(イ)で認定したとおり,H議員らの調査活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 オ番号5の支出について(ア)証拠(丙Bエ1,2の1,3の1,4,証人F)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a熊本市民病院は,平成16年当時,病院機能評価を受審し,その認定を受けていた。また,同病院は,新生児医療センターを備えている。 b函館市においては,市立函館病院について,経営健全化を図り,南北海道における基幹病院として医療水準を向上させることが課題とされており,平成14年度には,健全経営のための方策が策定されていた。 c那覇市は平成15年に沖縄都市モノレールを開業した。 d北海道新幹線は,函館駅ではなく,函館市近郊の北海道北斗市に(),設置される新函館駅現渡島大野駅に停車するものとされており-- 同駅から函館市内への交通手段の整備が検討課題となっている。 なお,公明党函館総支局青年局が平成16年5月に道内在住の20歳以上の男女7220名を対象に行ったアンケートでは,函館駅や函館市内から新函館駅へのアクセスはモノレールがよいという意見が30.9パーセントで多数を占めていた。 ,,(イ)前記第2の2(5)オ及び上記(ア)で認定した事実に照らしてまず前記第2の2(5)オのF議員らの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人公明党市議団は,上記活動の目的は,市立函館病院の健全化のため,病院機能評価を受審し認定を受けた熊本市民病院の取組内容と経営健全化に向けた取組として診療科の見直しに至る考え方等,同病院の特色である新生児医療センターの状況等及び沖縄都市 函館病院の健全化のため,病院機能評価を受審し認定を受けた熊本市民病院の取組内容と経営健全化に向けた取組として診療科の見直しに至る考え方等,同病院の特色である新生児医療センターの状況等及び沖縄都市モノレールの事業内容や開業後の利用状況と効果等をそれぞれ調査するというものであったと主張しているが,上記活動の内容等に照らすと,F議員らの上記活動は,上記目的で行われたものと認めることができる。 そして,F議員らは,熊本市民病院の関係者及びモノレールの関係者と面談することによって,経営が健全化した病院の取組等及びモノレールの事業内容等に関して,一定程度情報を収集し,知識を得ることができたと認められるところ,熊本市民病院は市立函館病院と同じ自治体病院であり,また,新函館駅から函館市内への交通手段としてモノレールという選択肢も考えられないわけではなく,その旨の希望も強かったのであって,熊本市民病院や沖縄都市モノレールを函館市政に関する調査対象とすることが適当でないとはいえないから,F議員らの行った活動は,客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,上記-- 活動によって,市立病院の経営の在り方等及びモノレールの事業内容等についての情報や知見を得ることができることからすると,市政との関連性も十分に認められ,その費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 (ウ)以上によれば,F議員らによる上記活動に対する番号5の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,複数の議員で調査を行うことは無駄であると主張するが,前記エ(エ)のとおり,複数の議員で調査を行うことは,多 資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,複数の議員で調査を行うことは無駄であると主張するが,前記エ(エ)のとおり,複数の議員で調査を行うことは,多様な視点からの調査等が可能になるから,当該調査が調査研究の実質を,。 ,,有する限り直ちに違法であるということはできないまた原告はF議員らによる熊本市民病院の調査は,病院機能評価と健全経営の関係等を調査しておらず,一般の見学者と同じ立場で見学したものにすぎない,モノレールの調査も一般の見学と変わらず,単なる観光であるなどとも主張する。しかし,上記のとおり,F議員らは,熊本市民病院の院長や那覇市都市計画部の主任技師らと面談して説明を受けているのであるから,上記活動が一般の見学と異ならないなどということはできない。また,同議員らが病院機能評価と健全経営の関係等を調査しなかった点は,同議員らの主張する調査目的に照らし,調査が不十分であるとみる余地があるが,そうであるからといって,直ちに上記活動が市政との関連性を失うものではないというべきであり,上記(イ)で認定したとおり,上記活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 カ番号6の支出について(ア)証拠(甲31,丙Bオ1,2の4,証人G)及び弁論の全趣旨によ-- れば,次の事実が認められる。 ,,aH議員は平成16年7月20日に海洋博物館を視察していたが,。 その際マリンサイエンスホールやメクアリウムを見学していないbG議員は,海洋博物館のメクアリウムに示唆を受け,平成17年9月の函館市議会において,函館の観光の活性化のために,函館港まつりのパレード(ワッショイはこだて)における巨大イカロボ 見学していないbG議員は,海洋博物館のメクアリウムに示唆を受け,平成17年9月の函館市議会において,函館の観光の活性化のために,函館港まつりのパレード(ワッショイはこだて)における巨大イカロボットの製作を提案した。 なおその後の平成18年7月にはG議員を事務局長としてロ,,「ボットフェス・インはこだて市民の会」が設立され,公立はこだて未来大学と函館市の水産業者が協力して巨大イカロボットの完成を目指すこととなった。 c函館市には,現在,大学の附属施設として水族館を建設する予定はないが,同市内には公立はこだて未来大学のほか,北海道大学水産学部が存在することから,将来,大学による協力あるいは運営参加の可能性が皆無とはいえない。 ,,(イ)前記第2の2(5)カ及び上記(ア)で認定した事実に照らしてまず前記第2の2(5)カのG議員の活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人公明党市議団は,上記活動の目的は,函館市における水族館建設推進のため,水族館を調査するというものであったと主張し,G議員も,水族館の運営及び水族館と産学官に関わる取り組み状況について調査する目的であった旨供述しているが(丙Bオ1,上記活動)の内容等に照らすと,G議員の上記活動は,上記目的で行われたものと認めることができる。 そして,上記認定事実によれば,海洋博物館は市政に関する調査の対象とすることが適当なものであり,G議員は,海洋博物館の担当者-- と面談し,メクアリウム等同博物館の施設を視察することによって,水族館の在り方等に関して,一定程度情報を収集し,知識を得ることができたと認められることに加え,その後,G議員が函館市議会でイカロボットの製作を提案していることをも併せ考えると,G議員の行った活動は,客観的にみて調査研究の実質があ 情報を収集し,知識を得ることができたと認められることに加え,その後,G議員が函館市議会でイカロボットの製作を提案していることをも併せ考えると,G議員の行った活動は,客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,上記活動によって,水族館の在り方等についての情報や知見を得ることができることからすると,市政との関連性も十分に認められ,その費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 (ウ)以上によれば,G議員による上記活動に対する番号6の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,G議員の調査の半年前にH議員が海洋博物館の調査を行っているからG議員の調査は無駄であると主張するが,複数の議員が別の機会に同じ施設を調査することによって,多様な視点から,,の調査等が可能になるから当該調査が調査研究の実質を有する限り違法であるということはできない上,G議員はH議員が見学しなかったメクアリウム等についても見学しているから,G議員の調査が無駄であるということはできない。また,原告は,G議員が同博物館の収支等を調査していないことや,函館市において大学の附属施設として水族館を建設する予定はなかったことなどを問題とするが,同博物館の収支等を調査しなかったことの一事をもって,上記活動が調査研究活動の実質や市政との関連性を失うものではなく,また,前記エ(エ)のとおり,政務調査の対象は,現在函館市が実施している事業,直面-- している問題あるいは緊急の課題である必要はなく,現に市において実施ないし実施が計画されていない事項であっても,広く市政に関する調査研究に資する限 ,現在函館市が実施している事業,直面-- している問題あるいは緊急の課題である必要はなく,現に市において実施ないし実施が計画されていない事項であっても,広く市政に関する調査研究に資する限り,政務調査費による調査研究の対象として差し支えないというべきであって,上記(イ)で認定したとおり,G議員の上記活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用することができない。 キ番号7の支出について(ア)証拠(丙C5,証人B)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a函館市では,北美原1丁目と2丁目にまたがる区域が,周辺部が市街化区域となる中で,開発が進まないことが問題とされており,平成17年2月に北美原土地区画整理組合が設立されたところ,同組合による土地区画整理事業は,組合が事業主体となるいわゆる組合施行の事業であったが,狭山ヶ丘区画整理事業は所沢市が事業主体となるいわゆる自治体施行の事業であった。 b所沢ロイヤル・ワム・タウンは,病院,介護老人保健施設,訪問看護ステーション,居宅介護支援事業所,特別養護老人ホーム,デイサービスセンター,在宅介護支援センター,ホームヘルパーステーション,軽費老人ホーム,居宅介護支援事業所等で構成された主として高齢者を対象とする複合総合施設である。 c函館市は,65歳以上の人口の割合が高い水準にあることから,高齢者に対する保健,医療及び福祉の充実が重要課題となっているところ,参加人Bの所属するはこだて市民クラブは,平成17年1,,月函館市に対する平成17年度予算編成に対する要望書において高齢者を始めとする市民健康増進施策の充実を図ることを求めていた。 -- ,,(イ)前記第2の2(5)キ及び上記(ア)で認定した事実 市に対する平成17年度予算編成に対する要望書において高齢者を始めとする市民健康増進施策の充実を図ることを求めていた。 -- ,,(イ)前記第2の2(5)キ及び上記(ア)で認定した事実に照らしてまず前記第2の2(5)キの参加人Bの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人Bは,上記活動の目的は,土地区画整理事業の成功例及び病院を核とした高齢者福祉総合施設を調査するというものであったと主,,,張しているが上記活動の内容等に照らすと参加人Bの上記活動は上記目的で行われたものと認めることができる。 ,,そして狭山ヶ丘区画整理事業及び所沢ロイヤル・ワム・タウンは函館市における土地区画整理事業及び高齢者福祉等について調査研究するのに適当でないということはできず,実際,参加人Bは,所沢市における土地区画整理事業及び高齢者福祉総合施設の担当者と面談することによって,課題を抱えた土地区画整理事業の在り方等及び高齢者福祉総合施設の整備等について一定程度情報を収集し,知識を得ることができたことは否定できないから,参加人Bの行った活動は,客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,上記活動によって,土地区画整理事業の在り方等及び高齢者福祉総合施設の整備等についての情報や知見を得ることができることからすると,,,市政との関連性は十分に認められその費用や出張期間等に照らして必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 (ウ)以上によれば,参加人Bによる上記活動に対する番号7の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,狭山ヶ丘区画整理事業は北美原区画整理事業と異なり自治体 活動に対する番号7の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,狭山ヶ丘区画整理事業は北美原区画整理事業と異なり自治体施行であるから,そもそも調査を行う必要はなかったものであり,参加人Bは所沢市の行政とロイヤルの園との関係について調-- 査していないから,同園の調査は単なる施設見学にすぎないなどと主張する。しかし,前記エ(エ)のとおり,政務調査の対象は,現に函館市が実施している事業,直面している問題あるいは緊急の課題である必要はなく,広く市政に関する調査に資する限り,調査研究の対象として差し支えないというべきであり,また,参加人Bが原告の指摘する事項をも調査していればより望ましかったとは考えられるものの,参加人Bが実際にそのような調査を行っていなかったからといって,上記活動が市政と関連性がないということはできず,上記(イ)で認定したとおり,上記活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 ク番号8の支出について(ア)証拠(丙D1,証人C)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 東北医療協同組合は,病院,診療所,健診施設,専門学校,介護老人保健施設,デイサービスセンター,在宅介護支援センター,居宅介,,,護支援事業所訪問介護事業所等の施設を運営し高齢者の介護予防医療及び介護のあらゆる場面において支援できる体制を作っている。 (イ)前記第2の2(5)ク及び上記(ア)で認定した事実に照らして,まず,前記第2の2(5)クの参加人Cの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人Cは,上記活動の目的は,函館市の高齢者介護福祉サービスの充実と健診率を高くするため 定した事実に照らして,まず,前記第2の2(5)クの参加人Cの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人Cは,上記活動の目的は,函館市の高齢者介護福祉サービスの充実と健診率を高くするため,グループ内で統一した研修会,講習会及び勉強会を開催し,質の高いサービスを提供できる人材育成を行っている東北医療協同組合を調査するというものであったと主張しているが,上記活動の内容等に照らすと,参加人Cの上記活動は,上記-- 目的で行われたものと認めることができる。 そして,参加人Cは,高齢者の介護等について充実した体制を整備している上記組合の関係者と面談し,その施設を視察することによって,高齢者の介護等の体制の整備に関して相応の情報を収集し,知識,,を得ることができたと認められることから参加人Cの行った活動は客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,上記活動によって,高齢者の介護等の在り方等についての情報や知見を得ることができることからすると,市政との関連性も十分に認められ,その費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 (ウ)以上によれば,参加人Cによる上記活動に対する番号8の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,後記会派性の要件を除き,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,参加人Cが函館市における福祉サービスに関する苦情件数が年々増加しており,その原因が介護サービスの質の低下にあると考え上記調査を行ったと主張している点を捉えて,その前提とされる事実が誤っており,上記調査は市政との関連性及び必要性が全くないなどと主張するが,福祉サービスに関する苦情件数は平成16年には減少し と考え上記調査を行ったと主張している点を捉えて,その前提とされる事実が誤っており,上記調査は市政との関連性及び必要性が全くないなどと主張するが,福祉サービスに関する苦情件数は平成16年には減少したものの,上記調査直前の平成15年までは増加していたのであり(丙D1,2,その原因が介護サービスの質の低下では)ないと断言することもできない上,上記(イ)で認定したとおり,参加人Cの上記活動が調査研究の実質を有すると評価でき,市政との関連性や必要性・合理性があると認められるから,原告の主張は採用の限りではない。 ケ番号9の支出について-- (ア)前記第2の2(5)ケで認定した事実に照らして,まず,前記第2の2(5)ケの参加人Dの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人Dは,上記活動の目的は,函館市において文化芸術振興条例が制定された場合の文化芸術活動に係る環境整備や人材育成,歴史的な文化遺産等の保存,継承,活用等について検討を深めるため,文化芸術関係施設である本件各施設を調査するというものであったと主張しているが,上記活動の内容等に照らすと,参加人Dの上記活動は,上記目的で行われたものと認めることができる。 そして,本件各施設は,いずれも文化芸術に関する市立の施設であるから,市政に関する調査対象とするのに適当ということができ,参加人Dは本件各施設の担当者と面談し各施設を視察することによっ,,て,文化芸術関係施設の在り方等に関して一定程度情報を収集し,知識を得ることができたと認められることから,参加人Dの行った活動は,客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討するに,上記活動によって,文化芸術関係施設の在り方等についての情報や知見を,, 客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討するに,上記活動によって,文化芸術関係施設の在り方等についての情報や知見を,,得ることができることからすると市政との関連性も十分に認められその費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 (イ)以上によれば,参加人Dによる上記活動に対する番号9の支出は,市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,後記会派性の要件を除き,違法な点はない。 (ウ)この点,原告は,参加人Dによる上記活動は観光客の見学と大差がなく,函館市の社会教育施設の運営改善にとって有益な情報は一切得-- られておらず,当時,函館市において水族館以外の社会教育施設建設の計画はなかったから,上記活動は市政と関連性がないなどと主張するが,前記エ(エ)のとおり,政務調査の対象は,現在函館市が実施し,,ている事業直面している問題あるいは緊急の課題である必要はなく市政に関する調査研究に資する限り,調査研究の対象とし得るというべきであり,上記(ア)で認定したとおり,参加人Dの上記活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 コ番号10の支出について(ア)証拠(甲17,丙F1,5,証人E)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a前記第2の2(5)コの参加人Eの出張には,函館市の焼却場の工場長が同行し,調査報告書も主として同人が作成した。 b函館市では,七五郎沢処分場の計画埋立て期間が平成28年までとされていたところ,予想を上回って埋立てが進行し,平成16年度当時,このままでは平成20年前後に埋立てが終了するおそれ 人が作成した。 b函館市では,七五郎沢処分場の計画埋立て期間が平成28年までとされていたところ,予想を上回って埋立てが進行し,平成16年度当時,このままでは平成20年前後に埋立てが終了するおそれがあるとして,問題とされていた。 c七五郎沢処分場に埋められている廃棄物は,豊島のそれと異なり汚染されたものではなく,また,その量は約200万トン以上であり,豊島の4倍程度である。 d香川県直島環境センターの行う豊島廃棄物処理事業は,豊島に不法投棄された廃棄物及びそれによって汚染された土壌合計60万トンの廃棄物を隣の直島に輸送し,直島中間処理施設の表面式回転溶融炉及びロータリーキルン炉で溶融焼却処理をするとともに溶融スラグ等の副生物の再生利用を図るものである。 e参加人Eは,前記第2の2(5)コの出張の前に,香川県直島環境-- センターの担当者から,休日には一般の見学者がいないため視察に適している旨連絡を受け,日曜日に視察を行った。 f参加人Eは,上記調査結果に基づき,平成18年3月29日の函館市議会民生常任委員会において,溶融炉の導入について検討する必要があるのではないかとの意見を述べた。 ,,(イ)前記第2の2(5)コ及び上記(ア)で認定した事実に照らしてまず前記第2の2(5)コの参加人Eの活動に調査研究の実質があるか否かを検討する。 参加人Eは,上記活動の目的は,七五郎沢処分場の延命ないし再生に応用するため,大量の廃棄物を溶融処理している香川県直島環境センターの豊島廃棄物処理事業を調査するというものであったと主張しているが,上記活動の内容等に照らすと,参加人Eの上記活動は,上記目的で行われたものと認めることができる。 そして,上記認定事実によれば,上記センターは市政に関する調査対象として適当なものであり,参加人Eは ,上記活動の内容等に照らすと,参加人Eの上記活動は,上記目的で行われたものと認めることができる。 そして,上記認定事実によれば,上記センターは市政に関する調査対象として適当なものであり,参加人Eは,上記センターの担当者と面談し,施設を視察することによって,廃棄物の溶融処理に関してそれなりに情報を収集し,知識を得ることができたと認められることから,参加人Eの行った活動は,客観的にみて調査研究の実質があったものと評価することができる。 次に,市政との関連性,必要性・合理性について検討すると,上記活動によって,廃棄物の溶融処理に関しての情報や知見を得ることができることからすると,七五郎沢処分場の延命ないし再生が問題とされていた函館市において市政との関連性も十分に認められ,その費用や出張期間等に照らして,必要性・合理性が明らかに欠けるとはいえない。 ,,(ウ)以上によれば参加人Eによる上記活動に対する番号10の支出は-- 市政に関する調査研究に資するため必要な経費に充てられたものと認められ,違法な点はない。 (エ)この点,原告は,参加人Eは七五郎沢処分場の特質や溶融炉のプラスマイナス等について基礎的な調査を行っておらず,視察の態様も施設の稼働状況の見学にすぎない上,報告書も函館市の職員に作成させていることから,参加人Eの行った調査は調査研究の実質を有しないと主張する。しかしながら,原告が指摘する事項を前もって調査しておかなければ,上記活動が市政と関連性を有しないと解すべき理由はなく,上記(イ)で認定したとおり,当該活動が調査研究の実質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 なお,参加人Eが調査研究の結果に係る報告書を函館市職員に作成させたことは,政務調査費の制度が議員 質を有すると評価できる以上,違法であるということはできないから,原告の主張は採用の限りではない。 なお,参加人Eが調査研究の結果に係る報告書を函館市職員に作成させたことは,政務調査費の制度が議員の調査研究基盤の充実を図るために設けられていることにかんがみると,好ましくないことであるといわざるを得ないが,参加人E自身,上記調査の結果に基づいて,函館市議会民生常任委員会において溶融炉の導入を検討するよう提案していることに照らすと,上記報告書の作成者が函館市職員であることによって調査研究の実質が失われたと認めることはできないというべきである。 (3)以上のとおり,番号2ないし10の各支出は,前記(1)の判断基準に適合しているが,番号1の支出は,同基準に適合していないから,その余の点について判断するまでもなく違法である。 会派性の要件について(1)判断基準についてア函館市においては,政務調査費の交付先を「議員」ではなく「会派」と定め,本件使途基準においては,例えば,調査旅費について「会派,-- が行う調査研究に必要な先進地調査または現地調査に要する費用」と規定している。そして,調査旅費以外の使途区分の使途内容についてもすべての項目について「会派が行う」という限定が加えられている。した,,「」がって函館市における政務調査費の支出に当たっては会派が行うものでなければならず,この要件を満たさない政務調査費の支出は,前記2(1)の判断基準に適合していても違法となると解される。 イそこで「会派が行う」の意味について検討すると,政務調査費の交,付先を「会派」とした実質的な理由は,単に議員個人が単独で調査研究を行うよりも,会派に所属する多種多様な専門性,経験,背景等を持つ議員がそれぞれの知識経験に基づき,市政に関連す ,政務調査費の交,付先を「会派」とした実質的な理由は,単に議員個人が単独で調査研究を行うよりも,会派に所属する多種多様な専門性,経験,背景等を持つ議員がそれぞれの知識経験に基づき,市政に関連する様々な問題を集団,,,により多角的に討議した方がよりよい調査活動が期待できその結果地方議会の審議能力が強化され,その活性化も図られると考えられたためであるから「会派が行う」という要件を満たすためには,政務調査,費の支出について会派としての意思統一がされ当該調査活動が会,,,「」,派として行うものであるとの会派の了承が存在することが必要でありこのような実態を伴わない政務調査費の支出は,本件使途基準に違反した違法な支出と解される。 ウ次に,政務調査費の支出について会派としての意思統一がされ,当該調査活動に会派の了承が存在するとはいかなる場合であるかに関しては,そもそも法100条13項及び本件条例1条が政務調査費の交付の趣旨を「議員の調査研究に資するため」と規定しているとおり,政務調査費交付の目的は,究極的には議員個々人の調査研究活動の基盤を強化することにあると認められること,法は政務調査費の交付先を「会派又は議員」と定めており「会派」に交付されることを原則としてはおら,ず,証拠(乙14)によると,実際,他の地方公共団体の中には,政務調査費の交付先を「会派又は議員「会派及び議員」又は単に「議員」」,-- ,,(),と規定している自治体も存在することまた 証拠 乙10によると本件条例において,政務調査費の交付先を「議員」個人又は「会派及び議員」ではなく「会派」のみとされた理由は,政務調査費の支出にお,ける運用が複雑になることを避け,支給方法や使途などの経理及び情報公開に対する取扱いを統一し 費の交付先を「議員」個人又は「会派及び議員」ではなく「会派」のみとされた理由は,政務調査費の支出にお,ける運用が複雑になることを避け,支給方法や使途などの経理及び情報公開に対する取扱いを統一し,また,議員個人のために費消する経費と調査経費との区別を明確にし,会計処理が適切に行われるようにするためという技術的な理由も考慮された結果であり,函館市議会議会運営委員会の協議では,政務調査費の執行について,会派の総体の意思決定で行う場合の外,会派の方針として,会派又はその代表者が認めるものであれば,所属議員の自主性を尊重し,会派による政務調査費の執行に当たると解されていたこと,さらに「会派が行う」という文言を厳格に,解し,これを会派に所属する議員の全員一致又は多数の議決を要すると解すると,会派の所属議員が多くなればなるほど政務調査費の支出についての会派の了承を得ることが困難となり,このような多人数の会派に所属する議員と1人会派の議員との間に著しい不均衡を生ずる可能性があるばかりか,多人数会派の所属議員の自由活発な調査研究活動の障害となる可能性があること,以上の点を考慮すると「会派の意思統一」,あるいは「会派の了承」を余り厳格に解する必要はなく,単に政務調査費を管理する会派の経理責任者及び会派の代表者が承認しただけでは足りないが,それに加えて,政務調査の内容及び政務調査費の使途が事実上会派の所属議員の大部分に認知されており,経理責任者及び代表者が承認した時点で所属議員から特段の異議が出されていなければ,会派の会合等において具体的に全員一致又は多数決による議決を経ていなくても,政務調査費の支出に会派としての意思統一があり,当該調査活動に会派の了承が存在すると認めることができると解すべきである。 エこの点,原告は「会派としての調査研究」 多数決による議決を経ていなくても,政務調査費の支出に会派としての意思統一があり,当該調査活動に会派の了承が存在すると認めることができると解すべきである。 エこの点,原告は「会派としての調査研究」といえるためには,前記,-- 〔〕,,第3原告の主張2(2)の各要件を満たす必要があると主張し特に調査研究活動後に報告書を作成・保管し,その後の会派の活動に活用されることが必要である旨主張するが,報告書の作成・保管といった事後的な問題によって当該活動が会派としての調査研究に当たるか否かが左右されると考えるのは相当ではなく,また,前述の政務調査費制度化の趣旨に照らし,会派は調査研究の結果をどのように取り扱うかについて広範な裁量権を持つというべきであって,仮に調査研究の結果が十分に活用されていなかったとしても,それは当該活動を行った議員又は会派の政治責任の問題であり,会派としての意思統一があったと評価された上で調査研究が行われていれば,会派としての調査研究というに十分であるから,この点に関する原告の主張は採用することができない。 オまた,被告は,政務調査費の交付先を「会派」としたのは,会計処理が適切にできる等専ら技術的な理由によるものであり,政務調査費による調査研究活動を「会派の行う」とするに当たって会派と所属議員間において必要とされる手続については議員又は会派の自主的判断に委ねるべきであると主張するが,政務調査費の交付先を「会派」とした趣旨は前記イのとおりであり,単に技術的理由にとどまるものではないから,議員又は会派の自主的判断を尊重するとしても,会派所属議員の大部分が認知していないなど会派としての意思統一が全く認められない場合についてまで「会派の行う」調査研究と認めることはできないというべきである。 したがって,被 断を尊重するとしても,会派所属議員の大部分が認知していないなど会派としての意思統一が全く認められない場合についてまで「会派の行う」調査研究と認めることはできないというべきである。 したがって,被告の上記主張もまた採用することはできない。 (2)番号2ないし6の支出の会派性についてア証拠(甲14の1ないし5,丙Bア5,証人F,証人G)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア)参加人公明党市議団において所属議員が政務調査費を支出して調-- 査研究を行う場合の手続は次のとおりである。すなわち,まず,政務調査を行おうとする所属議員が政務調査費支出伝票を会派の経理責任者に提出するとともに,毎週月曜日に開催されている会派の団会議において当該調査研究について話題として提供し,他の所属議員の同意を得た上で,会派の代表者である団長が決裁を行って,政務調査費の支出が決定される。なお,上記団会議においては,政務調査費の支出に関し議決が採られることはなく,議事録も作成されていない。 (イ)F議員は,番号2の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し,平成16年度当時の参加人公明党市議団の経理責任者であったI議員に提出した。その後,平成17年1月当時の参加人公明党市議団の会長であったH議員の決裁を経て,同月6日までに,政務調査費8万5380円の支出が決定された。同調査研究については,事前に団会議で話題になっており,同会議で所属議員から異論は出なかった。 (ウ)G議員は,番号3の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し,当時の会計責任者であったI議員に提出した。その後,平成16年7月当時の参加人公明党市議団の会長であったG議員の決裁を経て,同月12日までに政務調査費14万3330円の支出が決定された 票を作成し,当時の会計責任者であったI議員に提出した。その後,平成16年7月当時の参加人公明党市議団の会長であったG議員の決裁を経て,同月12日までに政務調査費14万3330円の支出が決定された。同調査研究については,事前に団会議で話題になっており,同会議で所属議員から異論は出なかった。 (エ)H議員ら3名は,番号4の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し,当時の会計責任者であったI議員に提出した。その後,当時の会長であったG議員の決裁を経て,同月15日までに,政務調査費53万7000円の支出が決定された。同調査研究については,事前に団会議で話題になっており,同会議で所属-- 議員から異論は出なかった。 (オ)F議員ら3名は,番号5の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し,当時の会計責任者であったI議員に提出した。その後,当時の会長であったG議員の決裁を経て,同月16日までに,政務調査費59万7420円の支出が決定された。同調査研究については,事前に団会議で話題になっており,同会議で所属議員から異論は出なかった。 (カ)G議員は,番号6の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し,当時の会計責任者であったI議員に提出した。そ,,,の後当時の会長であったH議員の決裁を経て同月18日までに政務調査費8万1220円の支出が決定された。同調査研究については,事前に団会議で話題になっており,同会議で所属議員から異論は出なかった。 (キ)上記(イ)ないし(カ)の支出の当時,参加人公明党市議団に所属する議員は5名であった。 イ上記アで認定した事実によれば,番号2ないし6の各支出については,いずれも調査研究の実施前に,参加人公明党市議団の団会議の中で話題に出されており,所属議員か 議団に所属する議員は5名であった。 イ上記アで認定した事実によれば,番号2ないし6の各支出については,いずれも調査研究の実施前に,参加人公明党市議団の団会議の中で話題に出されており,所属議員からは異論が出なかったことが認められる。そうすると,参加人公明党市議団の団会議において,上記各支出について正式な議決の手続が採られておらず,団会議の議事録が作成されていないとしても,会派に所属する議員全員が政務調査の内容及び政務調査費の使途を認知しており,当該調査研究につき異議がなかったといえるから,当該調査研究に係る政務調査費の支出について会派としての意思統一があり,会派の了承があったものと評価することができるというべきである。特に,番号4及び5の支出に関しては,参加人公明党市議団の所属議員5名のうちの3名による政務調査であり,それに加えて当時会長であったG議員の-- 了承もあったのであるから,その点のみで,会派の意思統一があり,会派の了承が存在すると認めるに十分であるというべきである。 したがって,番号2ないし6の各支出については,会派性の要件を満たしている。 ウこの点,原告は,番号2ないし6の各支出について,参加人公明党市議団の団会議で話題に出たとすれば,会派に所属する議員から反対意見が出され,会派の承認が得られなかった可能性が高いと主張するが,上記のとおり,本件では,団会議で話題に出され,異論が出なかったと認められるのであり,原告の主張は憶測に基づくものにすぎないから,採用することができない。 (3)番号7の支出の会派性についてア証拠(甲15,乙13,証人B)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア)はこだて市民クラブの所属議員が政務調査費を支出して調査研究を行う場合の手続は次のとおりである。すなわち,当 証拠(甲15,乙13,証人B)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア)はこだて市民クラブの所属議員が政務調査費を支出して調査研究を行う場合の手続は次のとおりである。すなわち,当該議員は,政務調査費支出伝票を経理責任者に提出するとともに,調査研究を行いたい旨会派に願い出て,会派に所属する議員の持ち回りで了解を得たり,会派に所属する議員の集まる会議で異議がないことの確認を行うなどし,その後,会派の代表者である会長の決裁を経て,経理責任者が政務調査費の支出を決定する。なお,上記の会議について議事録は作成されていない。 (イ)参加人Bは,番号7の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し,当時はこだて市民クラブの経理責任者であったLに提出した。その後,会派に所属する議員が上記支出を了解し,平成16年11月当時はこだて市民クラブの会長であったMの決裁を経て,同月18日までに,政務調査費8万6100円の支出が決-- 定された。なお,当時はこだて市民クラブの所属議員は7名であった。 イ上記アで認定した事実によれば,番号7の支出については,調査研究の実施前に会派に所属する議員が政務調査の内容及び政務調査費の使途について認知しており,特に反対意見が出たとは認められない。そうすると,会派の会議について議事録が作成されていないとしても,当該調査研究に係る政務調査費の支出について会派としての意思統一があり,会派の了承が存在するものと評価できるというべきである。 したがって,番号7の支出については,会派性の要件を満たしている。 ウこの点,原告は,番号7の支出について,はこだて市民クラブの会議で話題に出たとすれば,会派に所属する議員から反対意見が出され,会派の承認が得られなかった可能性が高いと主張するが,上記のとお る。 ウこの点,原告は,番号7の支出について,はこだて市民クラブの会議で話題に出たとすれば,会派に所属する議員から反対意見が出され,会派の承認が得られなかった可能性が高いと主張するが,上記のとおり,本件では,参加人Bは会派の了承を得たものと認められるのであり,原告の主張は単なる憶測に基づくものにすぎないから,採用することができない。 (4)番号8及び9の各支出の会派性について(,,,),ア 証拠 甲16の1 証人C証人D及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められる。 (ア)市民自由クラブの所属する議員が政務調査費の支出を受ける場合の手続は次のとおりである。すなわち,実施する調査研究の内容を記載した政務調査費支出伝票を会派の経理責任者に提出し,会派の代表者である会長がその支出を承認する。同承認後,政務調査費が交付される。 (イ)参加人Cは,番号8の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し当時市民自由クラブの経理責任者であったN以,(下「N議員」という)に提出した。その後,当時の市民自由クラ。 ブの会長であったO(以下「O議員」という)が上記支出を承認。 -- し,平成16年5月7日までに,政務調査費1万7460円の支出が決定された。 (ウ)参加人Dは,番号9の支出に係る調査研究について,政務調査費支出伝票を作成し,当時の経理責任者であったN議員に提出した。 その後,当時会長であったO議員が上記支出を承認し,同年7月13日までに,政務調査費9万9870円の支出が決定された。 (エ)上記(イ)及び(ウ)の当時の市民自由クラブの所属議員は6名であったが,本件全証拠を精査しても,会長及び経理責任者以外の他の所属議員が上記(イ)及び(ウ)に係る政務調査の内容及び政務調査費の使途について認知 及び(ウ)の当時の市民自由クラブの所属議員は6名であったが,本件全証拠を精査しても,会長及び経理責任者以外の他の所属議員が上記(イ)及び(ウ)に係る政務調査の内容及び政務調査費の使途について認知していたことを認めるに足りる証拠はない。 イ上記アで認定した事実によれば,市民自由クラブでは,番号8及び9の各支出に係る調査研究について,会派としての意思統一がされていると認めることはできず,会派としての調査研究であることについて会派の了承が得られているともいえない。 したがって,番号8及び9の各支出は,会派性の要件を満たしておらず,違法と評価せざるを得ない。 ウこの点,被告は,市民自由クラブでは,会派内の協議によって,政務調査費の支出について承認する権限を会派代表者及び経理責任者に授与しており,番号8及び9の各支出についても会派の承認が得られている旨主張しているが,前記(1)ウのとおり,たとえ政務調査費の支出について承認する権限を包括的に会派代表者及び経理責任者に授与していたとしても,個々の政務調査の内容及び政務調査費の使途について会派の他の所属議員が認知していない限り,単に会派代表者等の承認があるだけでは,会派としての意思統一がされていたと認めるのは相当ではないから,この点に関する被告の主張は採用することができない。 (5)番号10の支出の会派性について-- 参加人Eは1人会派であり,他の所属議員の認知の有無は問題とならないから,政務調査の内容及び政務調査費の使途について会派として了承する旨の議事録を残していないとしても,会派としての調査研究について会派内の意思統一や了承があったものと評価することができるというべきである。 (6)以上のとおり,番号2ないし7及び10の各支出は,会派性の要件を満たしているが,番号8及び9の各 調査研究について会派内の意思統一や了承があったものと評価することができるというべきである。 (6)以上のとおり,番号2ないし7及び10の各支出は,会派性の要件を満たしているが,番号8及び9の各支出は,会派性の要件を満たしておらず,結局,違法であると評価せざるを得ない。 結論 以上の次第で,民主・市民ネットによる番号1の支出並びに市民自由クラブによる番号8及び9の各支出は,いずれも違法であるから,民主・市民ネットは,番号1の支出に係る支出金額8万7940円を,市民自由クラブは,番号8及び9の各支出に係る支出金額合計11万7330円を,それぞれ函館市に対し返還すべき義務を負う。 したがって,原告の請求は,被告に対し,民主・市民ネットに8万7940円及びその遅延損害金を,市民自由クラブに11万7330円及びその遅延損害金を,それぞれ請求することを求める限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 函館地方裁判所民事部東海林保裁判長裁判官-- 吉戒純一裁判官宮﨑純一郎裁判官

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