平成26(行ウ)134 公売公告処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年7月17日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文35,101 文字)

平成27年7月17日判決言渡平成26年(行ウ)第134号公売公告処分取消等請求事件 主文 1 本件訴えのうち見積価額の公告の取消しを求める部分を却下する。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 処分行政庁が,別紙1「公売物件目録」記載の各不動産(売却区分番号11135-3)につき,平成24年9月4日付けでした公売公告を取り消す。 2 処分行政庁が,別紙1「公売物件目録」記載の各不動産(売却区分番号11135-3)につき,平成24年9月4日付けでした見積価額の公告を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,原告の相続税の担保として提供された不動産を処分するため,川崎北税務署長においてこれを差し押さえ,同税務署長から徴収の引継ぎを受けた処分行政庁においてこれを公売に付したところ,原告が,その見積価額が適正でない,超過差押えの禁止に違反する,公売に付した財産の選択につき裁量権の逸脱又は濫用があるなどと主張して,上記不動産についての公売公告(国税徴収法95条1項参照)及び見積価額の公告(同法99条1項参照)の各取消しを求めている抗告訴訟(処分の取消しの訴え)である。 2 関係法令の定め別紙2「法令の定め」のとおりである。以下では,法令の名称及び用語の表記及び略称は,同別紙の定めに従う。 3 前提事実以下に掲げる事実は,当事者間に争いのない事実,顕著な事実又は証拠等により容易に認めることのできる事実である。なお,認定に用いた証拠等は,その旨又はその番号(特に断らない限り枝番を含む。)を各事実の末尾に括弧を付して掲げる。 (1) 原告所有の不動産に対する担保権の設定ア原告は,a(平成2年▲月▲ なお,認定に用いた証拠等は,その旨又はその番号(特に断らない限り枝番を含む。)を各事実の末尾に括弧を付して掲げる。 (1) 原告所有の不動産に対する担保権の設定ア原告は,a(平成2年▲月▲日死亡)の遺産の一部につき遺贈を受けたことから,平成3年1月23日,川崎北税務署長に対し,これにより取得した財産に対する相続税(以下「本件相続税」という。)について,納付すべき税額を4億3355万2700円とする申告書を提出した。(争いのない事実,乙5)イ原告は,川崎北税務署長に対し,平成3年1月23日,本件相続税の全額について延納の申請をした上,同年9月13日,その所有する別紙1「公売物件目録」記載3の不動産並びに別紙3「差押等物件目録」順号1~3,12及び13の各不動産を担保として提供した(これらに抵当権を設定した。)。同署長は,同日,本件相続税の全額につき,下記を内容とする年賦延納の許可をした(以下「本件延納許可」という。)。なお,上記抵当権の設定登記は,同月17日に行われた。(乙1の3,乙3,6~9)記分納回数 20回分納税額第1回 2168万9700円第2回以降 2167万7000円利子税の割合年4.8%分納期限平成4年から平成23年までの毎年1月23日(ただし,平成5年,平成11年,平成22年については1月25日)ウ原告は,川崎北税務署長に対し,平成14年2月26日付けで,その所有する別紙1「公売物件目録」記載1,2及び4の各不動産を本件相続税の担保として提供した(これらに抵当権を設定した。)上,同年3月29日,別紙3「差押等物件目録」順号12及び13の各不動産につき担保の変更(一部解除)の申出をした。同署長は,同日,この申出を承認した。 なお,上記抵 した(これらに抵当権を設定した。)上,同年3月29日,別紙3「差押等物件目録」順号12及び13の各不動産につき担保の変更(一部解除)の申出をした。同署長は,同日,この申出を承認した。 なお,上記抵当権の設定登記は,同年4月1日に行われた。(乙1の1,2,4,乙9,10)エ上記ウの結果,本件延納許可の担保として徴されている不動産は,別紙1「公売物件目録」記載の各不動産(以下「本件公売不動産」という。)及び別紙3「差押等物件目録」順号1~3の各不動産(以下「本件担保不動産」という。)となった。 (2) 本件公売不動産の差押えに至る経緯ア原告は,本件延納許可の第9回(分納期限平成12年1月23日)から第15回(分納期限平成18年1月23日)までの各分納税額(その内訳は別紙4「租税債権目録」順号4~10のとおり)について,各分納期限までに完納しなかった。(乙11)イ川崎北税務署長は,平成12年2月23日から平成18年2月22日までの間,督促状により,上記アの各分納税額の納付を督促した(別紙4「租税債権目録」順号4~10参照)。(乙11)ウ川崎北税務署長は,平成18年3月7日,原告が上記アの各分納税額について滞納し,次回以降の分納税額についても納付の見込みがないことを理由として,本件延納許可のうち第16回以降の分納税額(合計1億0838万5000円)に係る部分を取り消した。(乙12)エ川崎北税務署長は,平成18年3月28日,督促状により,本件延納許可の取消しによって納期限が到来した相続税(本件延納許可の第16回(分納期限平成19年1月23日)以降の各分納税額の合計額)及び利子税(その内訳は別紙4「租税債権目録」順号11のとおり)の納付を督促した。 (乙11)オ川崎北税務署長は,平成18年4月11日,国税 納期限平成19年1月23日)以降の各分納税額の合計額)及び利子税(その内訳は別紙4「租税債権目録」順号11のとおり)の納付を督促した。 (乙11)オ川崎北税務署長は,平成18年4月11日,国税通則法52条1項に基づき,本件延納許可の担保物として提供された本件公売不動産及び本件担保不動産を処分するため,これらを差し押さえた(以下「本件差押処分」という。)。(争いのない事実,乙1,3,13)カ処分行政庁は,平成18年4月21日,国税通則法43条3項に基づき,川崎北税務署長から,上記イ及びエの督促に係る相続税及び附帯税(その内訳は別紙4「租税債権目録」順号4~11のとおり。以下「本件滞納相続税」という。)について,徴収の引継ぎを受けた。また,処分行政庁は,その後,同項に基づき,川崎北税務署長から,納期限を経過した原告の平成14年分~平成16年分の所得税(その内訳は別紙4「租税債権目録」順号1~3のとおり。以下「本件滞納所得税」という。)について,徴収の引継ぎを受けた。(乙11,弁論の全趣旨)キ処分行政庁は,平成18年4月25日,督促状により,本件滞納所得税の納付を督促した(別紙4「租税債権目録」順号1~3参照)。(乙11)ク処分行政庁は,平成18年8月21日,本件滞納相続税及び本件滞納所得税の滞納処分として,別紙3「差押等物件目録」順号4~6の各不動産(以下「別件差押不動産」という。)を差し押さえた(以下「別件差押処分」という。)。(争いのない事実,乙2,14)ケ処分行政庁は,平成18年8月21日,本件滞納相続税及び本件滞納所得税の滞納処分として,川崎市α区長が差し押さえていた別紙3「差押等物件目録」順号7~11の各不動産(以下「参加差押不動産」という。)について,参加差押えをした。(乙4,15)(3 本件滞納所得税の滞納処分として,川崎市α区長が差し押さえていた別紙3「差押等物件目録」順号7~11の各不動産(以下「参加差押不動産」という。)について,参加差押えをした。(乙4,15)(3) 別件差押不動産等に係る売買契約書の作成ア原告と株式会社b(以下「b」という。)は,平成19年12月28日,原告が同社に対して別件差押不動産を代金1億2430万円で売り渡すことを内容とする売買契約書を作成した。なお,同契約書には,契約締結時に手付金として1億1430万円を,平成20年1月31日までの所有権移転登記時に残代金1000万円を支払うものとし,別件差押不動産の所有権は上記1000万円の支払と同時に移転する旨の条項が設けられていた。(甲4の1,乙2)イ原告とbは,平成19年12月28日,原告が同社に対して本件担保不動産を代金5000万円で売り渡すことを内容とする売買契約書を作成した。 なお,同契約書には,契約締結時に手付金として4500万円を,平成20年1月31日までの所有権移転登記時に残代金500万円を支払うものとし,本件担保不動産の所有権は上記500万円の支払と同時に移転する旨の条項が設けられていた。(甲4の2,乙3)ウ原告とbは,平成19年12月28日,原告が同社に対して別紙1「公売物件目録」記載2並びに別紙3「差押等物件目録」順号7及び8の各不動産を代金4000万円で売り渡すことを内容とする売買契約書(以下では,同契約書と上記ア,イの各契約書とを併せて「本件各売買契約書」という。)を作成した。なお,上記の契約書には,契約締結時に手付金として3500万円を,平成20年1月31日までの所有権移転登記時に残代金500万円を支払うものとし,上記各不動産の所有権は上記500万円の支払と同時に移転する旨の条項が設けられてい 締結時に手付金として3500万円を,平成20年1月31日までの所有権移転登記時に残代金500万円を支払うものとし,上記各不動産の所有権は上記500万円の支払と同時に移転する旨の条項が設けられていた。(甲4の3,乙1の2,乙4の1,2)エ原告は,平成19年12月28日,bに対し,上記ア~ウの各不動産(別紙3「差押等物件目録」順号8の不動産を除く。)について,同日付け売買予約を原因とする所有権移転請求権仮登記(以下「本件仮登記」という。)手続をした。(乙1の2,乙2,3,4の1,2)(4) 本件公売不動産についての公売公告から本件訴え提起までの事実経過ア処分行政庁から本件公売不動産の評価を委託された不動産鑑定士(以下「本件鑑定人」という。)は,平成22年3月25日,本件公売不動産の価額評価額を3億9698万円(以下「本件鑑定評価額」という。)と算定した。(乙39)イ処分行政庁は,平成24年6月,本件鑑定評価額に時点修正(修正率96.9%),公売の特殊性に伴う20%の減額調整及び端数調整(100万円未満の切捨て)をそれぞれ施し,本件公売不動産の見積価額を3億0700万円(以下「本件見積価額」という。)と評定した。(乙40)ウ本件滞納所得税は,平成24年9月4日までに完納された。(乙16)エ処分行政庁は,本件公売不動産(売却区分番号11135-3)を公売に付する(以下「本件公売」という。)こととし,平成24年9月4日,下記の事項を含む国税徴収法95条1項各号に掲げる事項を公告する(以下「本件公売公告」という。)とともに,本件見積価額(3億0700万円)を公告した(以下「本件見積価額公告」といい,本件公売公告と併せて「本件各公告」という。)。(争いのない事実,乙17)記公売の日時平成24年1 に,本件見積価額(3億0700万円)を公告した(以下「本件見積価額公告」といい,本件公売公告と併せて「本件各公告」という。)。(争いのない事実,乙17)記公売の日時平成24年10月2日午後1時30分から午後2時35分まで売却決定の日時平成24年10月9日午前10時買受代金の納付の期限平成24年10月9日午後3時オ処分行政庁は,平成24年9月4日,原告に対し,本件公売公告に掲げた事項(ただし,「公売財産上の質権者,抵当権者等の権利の内容の申し出」の項目を除く。)及び本件滞納相続税の額を通知した。(争いのない事実,甲1)カ原告は,平成24年10月1日,処分行政庁に対し,本件各公告について異議申立て(以下「本件異議申立て①」という。)をした。(乙20)キ東京国税局の徴収職員は,平成24年10月2日,本件公売不動産の公売を実施し,3億0700万円で入札した株式会社cを最高価申込者に決定した。処分行政庁は,同月3日,下記の事項を公告する(以下「本件最高価公告」という。)とともに,これを原告に対して通知した。(乙18,19)記最高価申込者の氏名株式会社c最高価申込価額 3億0700万円売却決定の日時平成24年10月9日午前10時ク処分行政庁は,平成24年12月13日,本件異議申立て①を棄却する旨の決定をした。(甲2)ケ原告は,平成25年1月9日,国税不服審判所長に対し,本件各公告について審査請求をした。同所長は,同年9月13日,同審査請求のうち,本件公売公告に係る部分を棄却し,本件見積価額公告に係る部分を却下する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をした。(甲3)コ原告は,平成26年3月24日,本件訴えを提起した。(顕著な事実)(5) 別件差押 係る部分を棄却し,本件見積価額公告に係る部分を却下する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をした。(甲3)コ原告は,平成26年3月24日,本件訴えを提起した。(顕著な事実)(5) 別件差押不動産等に係る所有権移転登記の経由原告は,平成25年7月9日,bに対し,本件仮登記の原因を「平成19年12月28日売買(条件売買代金完済)」などと更正した上,本件各売買契約書(上記(3)ア~ウ参照)において目的物とされた各不動産(別紙3「差押等物件目録」順号8の不動産を除く。)について,平成22年2月23日売買を原因とする所有権移転登記手続をした。(乙1の2,乙2,3,4の1,2)(6) 本件裁決後における本件公売の手続の推移ア本件裁決から後記イの売却決定までの本件公売不動産に係る公売手続は,別紙5のとおり推移した。 イ処分行政庁は,平成26年9月17日午前10時,最高価買受人である株式会社cに対し,売却価額を3億0700万円として本件公売不動産の売却決定(以下「本件売却決定」という。)をした。(乙45,50)ウ株式会社cは,買受代金の納付期限である平成26年9月17日午後3時までに,買受代金3億0700万円の全額を納付し,本件公売不動産の所有権を取得した。(乙51,弁論の全趣旨)エ処分行政庁は,平成26年9月17日,本件担保不動産に設定された抵当権(上記(1)イ,ウ参照),別件差押処分(上記(2)ク参照)及び参加差押不動産に対する参加差押え(上記(2)ケ参照)をいずれも解除した。(乙55~57)オ処分行政庁は,平成26年9月19日付けで,配当計算書により上記ウの買受代金を下記のとおり配当した(以下「本件配当」という。)上で,本件滞納相続税の残額1億5052万3900円の全額を免除した。(乙52~ は,平成26年9月19日付けで,配当計算書により上記ウの買受代金を下記のとおり配当した(以下「本件配当」という。)上で,本件滞納相続税の残額1億5052万3900円の全額を免除した。(乙52~54)記滞納処分費への充当 235万4100円本件滞納相続税への充当 2億5312万0677円川崎市長への交付 3835万6706円有限会社dへの交付 290万8621円滞納者(原告)への交付 1025万9896円カ平成26年9月30日,本件公売不動産について,同月17日公売を原因とする株式会社cへの所有権移転登記がされた。(乙51) 4 争点(1) 本案前の争点ア請求第1項(上記第1の1)関係本件公売公告(前提事実(4)エ参照)の取消しを求める訴えの利益があるか。(争点①)イ請求第2項(上記第1の2)関係本件見積価額公告(前提事実(4)エ参照)が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか。(争点②)(2) 本案の争点(請求第1項関係)ア本件見積価額(前提事実(4)イ参照)の適否が本件公売公告の違法事由を構成するか。(争点③)イ 3億0700万円とされた本件見積価額(前提事実(4)イ参照)が適正な価額であるか。(争点④)ウ本件差押処分(前提事実(2)オ参照)が超過差押え及び無益な差押え(以下「超過差押え等」という。)の禁止に違反する違法なものであるか。 その違法が認められることにより,本件公売公告も違法なものとなるか。 (争点⑤)エ本件公売公告(前提事実(4)エ参照)には,本件公売不動産を公売に付したことにつき,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用した違法があるか。 (争点⑥)第3 争点についての当事者の主張の要 ⑤)エ本件公売公告(前提事実(4)エ参照)には,本件公売不動産を公売に付したことにつき,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用した違法があるか。 (争点⑥)第3 争点についての当事者の主張の要旨 1 争点①(本件公売公告の取消しを求める訴えの利益の存否)について(1) 被告の主張本件公売公告の取消しを求める訴えの利益は,既に消滅している。 ア公売公告は,公売財産の換価のため,その需要を喚起して入札又は買受けの申込みを誘引する目的でされるものであるところ,本件公売不動産については,一連の公売手続が終了しており(前提事実(6)参照),その後に何らかの手続が執られることは予定されていない。したがって,本件公売公告は,本件公売不動産の売却という目的を達成して法的効力を失っており,同公告を理由として原告に法律上の不利益が生ずるおそれもない。 イ原告は,本件公売公告の違法性はその後の手続に承継されるから,本件公売公告の法的効力は失われない旨主張する(後記(2)イ参照)。 (ア) しかし,違法性の承継とは,後行処分の取消訴訟において先行処分の違法性を主張することができるかという問題であるところ,本件は本件売却決定に先行する本件公売公告の取消訴訟であるから,本件訴訟において,本件公売公告の違法性が本件売却決定に承継されるか否かが問題になる余地はない。 (イ) 仮に本件売却決定に何らかの瑕疵があったとしても,本件公売不動産について一連の公売手続が完了している以上,その瑕疵は,本件公売公告の法的効力に何らの影響を与えるものではない。 なお,本件売却決定は,本件変更公告④に対する異議申立て(前提事実(6)ア,別紙5の8参照)についての決定がされていない段階で行われているが,国税通則法105条1項ただし書に違反するものではな なお,本件売却決定は,本件変更公告④に対する異議申立て(前提事実(6)ア,別紙5の8参照)についての決定がされていない段階で行われているが,国税通則法105条1項ただし書に違反するものではない。 なぜならば,本件変更公告④は,本件公売公告が公告した事項のうち売却決定の日時と買受代金の納付期限を変更するものにすぎず,本件公売不動産を売却されるという原告の法律上の地位を何ら変更するものではなく,同項にいう「国税に関する法律に基づく処分」には当たらない上,上記異議申立てが濫用的な申立てでもあるからである。 また,原告は,買受代金の納付期限(前提事実(6)ウ参照)までに不服申立てをしていないから,本件売却決定の取消しの訴えを提起することもできない(国税徴収法171条1項3号参照)。 (2) 原告の主張本件公売公告の取消しを求める訴えの利益は,なお存在する。 ア公売公告は,公売財産の所有者に対し,強制的に実施される公売手続が適正にされているか否かを確認する機会を与えるものであるから,これについて不服を申し立てる手段が保障されているというべきである。そして,公売手続が終了しても,それは事実として手続が終了したことを意味するにすぎず,公売公告の法的効力が失われることにはならない。 イ訴えの利益の有無に関する判断に当たっては,違法性の承継がされるか否かも判断要素の一つになるというべきである。しかるところ,公売公告の違法性はその後の手続(売却決定,所有権移転登記手続)に承継されるから,本件公売の手続が完了しても,本件公売公告の法的効力は失われない。 ウ本件変更公告④は,買受代金の納付期限を本件売却決定の5時間後と極端に短く設定しており(前提事実(6)ア,別紙5の7参照),その定め方が著しく正義に反する。そうすると,本件公 失われない。 ウ本件変更公告④は,買受代金の納付期限を本件売却決定の5時間後と極端に短く設定しており(前提事実(6)ア,別紙5の7参照),その定め方が著しく正義に反する。そうすると,本件公売公告の取消しを求める訴えの利益の有無を判断するに当たっては,本件変更公告④についての異議申立てがされていること(前提事実(6)ア,別紙5の8参照)を重要な事情として考慮すべきである。 エ処分行政庁は,本件変更公告④に対する異議申立てについて,何ら決定していないにもかかわらず,本件売却決定をした(前提事実(6)イ参照)。 したがって,本件売却決定には国税通則法105条1項ただし書に違反する重大な違法があるから,本件公売公告の法的効力は,依然として失われていない。 なお,売却決定の日時及び買受代金の納付期限は公売公告の内容の中心を成す重要なものであり,その変更は不服申立ての期間を新たに定めるものでもあるから,本件変更公告④は,国税通則法105条1項にいう「国税に関する法律に基づく処分」に当たる。また,上記異議申立ては,正当な権利を行使したものにすぎず,濫用的なものではない。 2 争点②(本件見積価額公告の行政処分性)について(1) 被告の主張本件見積価額公告は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。 不動産の公売においては,見積価額以上の入札又は買受けの申込みをしようとする者のうち最高の価額によるものが最高価申込者として定められ(国税徴収法104条),その者に対して売却決定が行われる(同法113条1項)から,見積価額の公告は,売却決定と離れて法的効果を有するものではない。したがって,見積価額の公告は,これにより直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものではなく,行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分そ ,売却決定と離れて法的効果を有するものではない。したがって,見積価額の公告は,これにより直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものではなく,行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たらない。 (2) 原告の主張本件見積価額公告は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 3 争点③(本件見積価額の適正性と本件公売公告との関係)について(1) 被告の主張本件見積価額の適否は,本件公売公告の違法事由を構成しない。 見積価額は,公売公告においてではなく,その後に公告される(国税徴収法95条1項,99条1項参照)ことからすると,見積価額の公告と公売公告とは,性質を異にする別個の手続であることは明らかである。また,公売財産の価額についての不服は,売却決定についての不服申立ての中で主張すべきである。したがって,見積価額の適否が公売公告の適法性に影響を及ぼすことはなく,見積価額が著しく低廉であることにより,公売公告が違法となる余地はない。 (2) 原告の主張本件見積価額の適否は,本件公売公告の違法事由を構成する。 見積価額も公売公告の内容の一つである。そして,見積価額が低廉であることは,売却価額の低廉をもたらし,ひいては公売財産の所有者の財産権を侵害する。したがって,見積価額の適正性は,公売公告の適法性に重大な影響を与える。 4 争点④(本件見積価額の適正性)について(1) 原告の主張本件見積価額は適正な価額でないから,本件各公告は違法である。 公売不動産の適正な価額,すなわち時価は,土地取引の一般的な基準であり,客観性を有する公示価格を規準として算定すべきである。そして,一般的に,公示価格は通常の取引価格よりも低額であるから,公売手続の特殊性を考慮しても,公売 なわち時価は,土地取引の一般的な基準であり,客観性を有する公示価格を規準として算定すべきである。そして,一般的に,公示価格は通常の取引価格よりも低額であるから,公売手続の特殊性を考慮しても,公売不動産の価額が公示価格よりも低額となる評価は誤りというべきである。 しかるところ,本件見積価額(3億0700万円)は,本件公売不動産の適正な価額である5億0402万8424円(その算定方法は,別紙6「原告による本件不動産の価額の算定」のとおり)を約2億円も下回り,低額に失する。これにより,原告はその差額相当の財産を失うことになる。 したがって,本件見積価額は著しく低廉であるから,本件各公告は,比例原則及び平等原則に違反する違法なものというべきである。 (2) 被告の主張仮に本件見積価額の適否が本件公売公告の違法事由を構成するとしても,本件見積価額は適正な価額であるから,本件公売公告は適法である。 ア処分行政庁は,国税徴収法98条に従い,本件公売の参考とするため,本件公売不動産の正常価格(現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう適正な価格)の評価を本件鑑定人に委託した。そして,本件鑑定人は,統一的規準である不動産鑑定評価基準に従い,取引事例比較法,開発法,収益還元法を用いて多角的に本件公売不動産の価格を検討した上,地価調査基準価格(国土利用計画法施行令9条)を規準とした価格との均衡にも留意し,本件鑑定評価額(3億9698万円)を算定した(前提事実(4)ア参照)。 そして,処分行政庁は,本件鑑定評価額に時点修正(修正率96.9%),公売の特殊性に伴う20%の減額調整及び端数調整(100万円未満の切捨て)をそれぞれ施し,本件見積価額(3億0700万円)を評定した(前提事実(4)イ参照)。 価額に時点修正(修正率96.9%),公売の特殊性に伴う20%の減額調整及び端数調整(100万円未満の切捨て)をそれぞれ施し,本件見積価額(3億0700万円)を評定した(前提事実(4)イ参照)。 イ公売は,① 換金目的の整理価額による,② その市場が税務署を中心とする限られたもので,一般消費者が公売品の使用を好まない,③ 換価財産や売却条件等が一方的に決定され,買受けの手数が煩雑である,④ 売主が瑕疵担保責任を負わない,⑤ 税務署側の都合によって取り消される場合がある上,買主は原則として解約や返品等ができないといった特殊性がある。そのため,公売においては,売却価額が一般市価を相当に下回るのが通例であり,最低売却価額の性質を有する見積価額も,一般市価を下回ることが通常である。 処分行政庁は,上記のような公売の特殊性を踏まえ,上記アのとおり減額調整をして本件見積価額を算出したのであるから,その手続及び内容に不備はない。 ウ原告の主張する算定方法(上記(1)参照)は,① 不動産鑑定評価基準の定める鑑定方式を採用していない,② 公示価格のみを前提とし,取引事例比較法,収益還元法といった複数の試算方法を比較検討していない,③ 本件公売不動産が標準的画地に比して規模が大きいという減価要因や個別格差を修正していない,④ 公売の特殊性を考慮していないなど,評価方法が一面的である上,個別要素や特殊事情の検討が不十分である。加えて,国税徴収法には,公示価格を規準とした額を見積価額として採用しなければならない旨を定めた規定はない。したがって,原告の主張する本件公売不動産の価額(上記(1)参照)は,合理性を欠くものである。 5 争点⑤(本件差押処分の超過差押え等該当性,本件公売公告への違法性の承継の有無)について(1) 原告の主張 主張する本件公売不動産の価額(上記(1)参照)は,合理性を欠くものである。 5 争点⑤(本件差押処分の超過差押え等該当性,本件公売公告への違法性の承継の有無)について(1) 原告の主張本件差押処分は超過差押え等の禁止(国税徴収法48条)に違反する違法なものであり,これを前提としてされた本件各公告も,違法なものである。 ア本件差押処分及びその後にされた別件差押処分(前提事実(2)オ,ク参照)のいずれも,本件滞納相続税の徴収を目的としたものであるから,両者は一体的に考慮されるべきである(事実,処分行政庁は,別件差押不動産の公売手続を先行して進めようとした。)。したがって,本件差押処分が超過差押え等に当たるか否かは,別件差押処分の存在をも前提とした上で検討されるべきである。 イ別件差押不動産に隣接する土地(川崎市α区β×番●の土地,面積489㎡。以下「隣接地」という。)は,平成19年3月6日に公売に付され,その売却価額は2億0007万1122円(1㎡当たり40万9143円)であった。これに基づいて別件差押不動産(合計1144.39㎡)の価額を算出すると,4億6821万9150円となる。これに対し,本件滞納相続税の金額は,別件差押処分がされた当時(平成18年8月21日当時),合計4億0017万5577円であった。 そうすると,処分行政庁は,別件差押不動産のみを公売に付したとしても,本件滞納相続税を十分に徴収することができた。 ウしたがって,本件差押処分は,超過差押え等として違法なものであり,これを前提としてされた本件各公告は,その違法性を承継する。 (2) 被告の主張本件差押処分は超過差押え等の禁止に違反せず,したがって,本件公売公告も違法なものではない。 ア本件滞納相続税の額(平成26年7月31日現在 告は,その違法性を承継する。 (2) 被告の主張本件差押処分は超過差押え等の禁止に違反せず,したがって,本件公売公告も違法なものではない。 ア本件滞納相続税の額(平成26年7月31日現在)は,4億0017万5577円(相続税本税1億5284万2577円,利子税2796万6900円,延滞税2億2098万6100円)であるのに対し,別件差押不動産の価額(平成22年6月現在の概算での見積価額)は2億0800万円にすぎない。したがって,別件差押不動産を処分しても,本件滞納相続税の額に満たない。 なお,参加差押不動産についての参加差押え(前提事実(2)ケ参照)には,先行して差押えをした川崎市α区長に対する交付要求の効力しか生じておらず,差押えの効力は生じていない(国税徴収法86条1項,87条1項参照)から,それらの公売によって本件滞納相続税の満足を得ることも困難である。 イ原告は,別件差押不動産の価額が4億6821万9150円であると主張する(上記(1)イ参照)。しかし,この価額は,1㎡当たりの単価が隣接地と同一であることを前提として算定したものにすぎず,その過程で個別的な価格形成の要因も全く考慮されておらず,何らの合理性を見いだすこともできない。 ウそもそも,別件差押処分は,本件公売の前提としてされた本件差押処分とはその対象を異にする別個の滞納処分であって,本件公売の手続を構成するものではないから,仮に別件差押処分が違法であったとしても,それが本件公売公告に何らの影響を与えるものではない。なお,本件差押処分及び別件差押処分は,連続した一連の手続を構成するものではなく,目的を共通にして一定の法律効果の発生を目指しているものでもないから,違法性の承継を認めるべき関係にはない。 6 争点⑥(本件公売不動産の選択に係 処分は,連続した一連の手続を構成するものではなく,目的を共通にして一定の法律効果の発生を目指しているものでもないから,違法性の承継を認めるべき関係にはない。 6 争点⑥(本件公売不動産の選択に係る裁量権の逸脱又は濫用の有無)について(1) 原告の主張本件各公告には,本件公売不動産を公売に付したことにつき,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用した違法がある。 ア本件公売公告の当時,本件公売不動産と別件差押不動産の双方について差押処分がされていたから,処分行政庁には,これらの不動産のうちいずれを公売の対象とすべきであるかにつき,選択の余地があった。 イ国税徴収法基本通達第47条関係17「財産の選択」(以下「本件通達」という。)は,差し押さえる財産の選択は,① 第三者の権利を害することが少ない財産であること,② 滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える支障が少ない財産であることに十分留意して行う旨を定めている。 しかるところ,差押処分と公売とは連動するものであるから,本件通達の趣旨は,公売にも適用されなければならない。 ウ本件公売不動産は,原告の居住用財産であって生活の本拠であるところ,上記5(1)のとおり,別件差押不動産を公売すれば,本件滞納相続税の徴収という目的を十分達することができた。したがって,処分行政庁は,原告の生活の維持に支障を生じさせる本件公売不動産を公売に付することを避けるべきであった。 この点,別件差押不動産はbに譲渡されていた(前提事実(3)及び(5)参照)が,同社は,原告から別件差押不動産を含む不動産を購入するに当たり,本件滞納相続税を含む原告の納税義務につき,売買代金の支払に代えて債務引受又は履行引受をした(本件各売買契約書の「負担の除去」の条項参照)。このことは,上記不動産の時価が合計2 を購入するに当たり,本件滞納相続税を含む原告の納税義務につき,売買代金の支払に代えて債務引受又は履行引受をした(本件各売買契約書の「負担の除去」の条項参照)。このことは,上記不動産の時価が合計20億円を下らないのに対し,本件各売買契約書上の代金が合計2億1430万円と著しく低額に抑えられていることからも明らかである。したがって,bは,別件差押不動産を換価しても何らの不利益も受けないのであり,かえって,本件公売の完了により,自らが引き受けた納税義務の履行を不当に免れることになる。 エ以上によれば,本件各公告には,本件公売不動産を公売に付した点につき,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法がある。 (2) 被告の主張本件公売公告には,本件公売不動産を公売に付した点につき,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用した違法はない。 ア税務署長等は,金銭以外の財産が担保として提供されている国税についての延納許可を取り消した場合には,当該財産を滞納処分の例により処分してその国税及び当該財産の処分費に充て(国税通則法52条1項),なお不足があると認めるときは,当該担保を提供した者の他の財産について滞納処分を執行し(同条4項),差押財産を換価するときは,これを公売に付さなければならない(国税徴収法94条)。このように,国税の徴収手続においては,まず,延納の担保として提供された財産が処分されることが予定されている。 しかるところ,本件公売不動産は,本件延納許可の担保として提供されたものである(前提事実(1)イ参照)から,処分行政庁がこれを公売に付して本件滞納相続税に充てたのは当然であって,本件公売不動産よりも先に別件差押不動産を公売に付さなければならない理由はない。 イ原告は,自らの判断で,本件延納許可の担保として本件公売不 を公売に付して本件滞納相続税に充てたのは当然であって,本件公売不動産よりも先に別件差押不動産を公売に付さなければならない理由はない。 イ原告は,自らの判断で,本件延納許可の担保として本件公売不動産を提供したのであるから,原告自身,同許可が取り消された場合には,その担保物の処分として本件差押処分及び本件公売がされることは,当然に予想していたといえる。 ウ国税徴収法は,滞納者の居住用不動産を差押禁止財産としておらず(75条~78条),かつ,差押財産は原則として換価しなければならないと定めている(89条)。また,法令上,他の財産をもってしても徴収することができない場合に初めて,上記不動産が換価の対象となる旨を定めた規定もない。そうすると,国税の徴収手続においては,滞納者の居住用不動産が換価されることは,当然に予定されている。 エ原告は,本件各公告は,本件通達に違反するから,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用したものであるなどと主張する(上記(1)イ,ウ参照)。 しかし,本件通達は,法規でない上,差押財産の選択に関する基準ないし留意事項を定めたもので,公売の順序を定めたものではない。 また,別件差押不動産は平成22年にbに譲渡されている(前提事実(3)及び(5)参照)から,上記の主張は,第三者であるbの利益を犠牲にして原告の財産を保全させるべきというものであって,正当なものではない。なお,本件各売買契約書には,bの負担において別件差押不動産等についての差押登記等の抹消登記手続をする旨の定めはあるが,同社が本件滞納相続税を負担する旨の定めは見当たらない。 オ以上の他に,処分行政庁が本件公売不動産を公売に付したことにつき,その裁量権の逸脱又はその濫用があることを窺わせる事情もない。 第4 当裁判所の判断 1 国税の担 旨の定めは見当たらない。 オ以上の他に,処分行政庁が本件公売不動産を公売に付したことにつき,その裁量権の逸脱又はその濫用があることを窺わせる事情もない。 第4 当裁判所の判断 1 国税の担保である不動産の処分に関する手続の概要国税の担保として提供された不動産(以下「担保不動産」という。)の処分は,滞納処分の例による(国税通則法52条1項参照)ところ,滞納処分として差し押さえられた不動産の換価及び配当に関する手続の概要は,関係法令の定め(別紙2「法令の定め」参照)によれば,以下のとおりである。なお,後記2以下の説示においては,特に断らない限り,不動産についての滞納処分と担保不動産の処分とを区別しないで記載することとする。 (1) 公売税務署長(国税通則法43条3項に基づき,税務署長から徴収の引継ぎを受けた国税局長を含む。以下同じ。)は,差し押さえた不動産(以下「差押不動産」という。)を換価するときは,これを入札又はせり売の方法による公売に付さなければならない(国税徴収法94条)。 税務署長は,差押不動産を公売に付するときは,公売の日の少なくとも10日前までに,公売に付する不動産(以下「公売不動産」という。)の名称,数量,性質及び所在,公売の方法,公売の日時及び場所,売却決定の日時及び場所,買受代金の納付の期限,公売財産上にその財産の売却代金から配当を受けることができる権利を有する者は売却決定の日の前日までにその内容を申し出るべき旨,その他公売に関し重要と認められる事項を公告しなければならず(国税徴収法95条1項),この公告は,税務署の掲示場その他税務署内の公衆の見やすい場所に掲示して行い,官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲げる方法その他の方法を併せて用いることもできる(同条2項)。また,税務署長は, は,税務署の掲示場その他税務署内の公衆の見やすい場所に掲示して行い,官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲げる方法その他の方法を併せて用いることもできる(同条2項)。また,税務署長は,公売不動産の見積価額を決定した上,公売の日から3日前の日までにこれを公告しなければならず(同法98条,99条1項),その方法は,公売公告と同様である(同条3項)。 差押不動産の公売が入札の方法により行われる場合には,入札者(公売不動産の入札に係る買受けの申込みをしようとする者)は,原則として,見積価額の100分の10以上の額により定められる公売保証金を所定の方法で提供した上で(国税徴収法100条1項,2項),その住所又は居所,氏名(法人にあっては名称),公売不動産の名称,入札価額その他必要な事項を記載した入札書に封をして,これを徴収職員に差し出さなければならない(同法101条1項)。そして,徴収職員は,原則として入札者を開札に立ち会わせた(同条3項)上,見積価額以上の入札者のうち最高の価額による入札者を最高価申込者として定めなければならず(同法104条1項),そのときは,直ちにその氏名及び価額を告げた後,入札の終了を告知しなければならない(同法106条1項)。 (2) 売却決定税務署長は,不動産を換価に付するときは,国税徴収法113条2項各号に掲げる事由がない限り,公売をする日から起算して7日を経過した日において,最高価申込者に対して売却決定を行う(同条1項)。 (3) 代金納付及び権利移転買受人は,買受代金を納付の期限(売却決定の日)までに現金で納付しなければならず(国税徴収法115条1項,3項。ただし,同法100条3項により,現金で納付した公売保証金がある場合には,これを買受代金に充てることができる。),買受代金を上記期 )までに現金で納付しなければならず(国税徴収法115条1項,3項。ただし,同法100条3項により,現金で納付した公売保証金がある場合には,これを買受代金に充てることができる。),買受代金を上記期限までに納付しないときは,売却決定が取り消されることがある(同条4項)。買受人は,これを納付した時に換価に付した不動産(以下「換価不動産」という。)を取得する(同法116条1項)。 税務署長は,換価不動産で権利の移転につき登記を要するものについては,不動産登記法その他の法令に別段の定めがある場合を除き,その買受代金を納付した買受人の請求により,その権利の移転の登記を関係機関に嘱託しなければならず(国税徴収法121条,不動産登記法115条1号),換価に伴い消滅する権利に係る登記があるときは,あわせてそのまっ消を関係機関に嘱託しなければならない(国税徴収法125条,不動産登記法115条2号)。 (4) 配当差押不動産の売却代金は,国税徴収法129条1項各号に掲げる国税その他の債権に配当し(同法128条1号,129条1項),配当した金銭に残余があるときは,その残余の金銭は,滞納者に交付する(同条3項)。税務署長は,上記売却代金の交付期日に,配当を受ける債権その他必要な事項を記載した配当計算書に従って上記売却代金を交付する(同法131条,133条1項)。 税務署長は,売却決定を取り消したときは,① 徴収職員が受領した差押不動産の売却代金の買受人への返還,② 国税徴収法121条その他の法令の規定により嘱託した換価不動産の権利の移転の登記の抹消の嘱託,③ 同法125条その他の法令の規定による嘱託で換価に係るものにより抹消された質権,抵当権その他の権利の登記の回復の登記の嘱託の手続をしなければならない(同法135条1項)。なお,上記③のと 嘱託,③ 同法125条その他の法令の規定による嘱託で換価に係るものにより抹消された質権,抵当権その他の権利の登記の回復の登記の嘱託の手続をしなければならない(同法135条1項)。なお,上記③のとおり嘱託した回復の登記に係る質権者,抵当権者又は先取特権者に対し上記売却代金から配当した金額がある場合において,これらの者がその金額を返還しないときは,税務署長は,その金額を限度として,これらの者に代位することができる(同条2項)。 2 争点①(本件公売公告の取消しを求める訴えの利益の存否)について被告は,本件公売公告がその法的効力を失っている以上,本件公売公告の取消しを求める訴えの利益は消滅していると主張する(上記第3の1(1)参照)ので,その当否について検討する。 (1) 本件公売公告の法的効果の消長上記1の差押不動産の換価の手続に鑑みると,公売は,差押不動産を換価するに当たり,これを買受希望者の自由競争に付し,その結果として形成される最高価額によって売却価額及び買受人を決定する手続であり,その冒頭に行われる公売公告は,買受希望者をできるだけ多く集めて当該不動産を高価に売却するため,当該不動産についての需要を喚起し,高価有利な買受申込み(すなわち売買の申込みの意思表示)を誘引することを目的として,指定の期日において公売を決行する効果を発生させるものであると解される。 そして,公売が終了した後にされる売却決定は,公売公告に応ずる入札(すなわち当該不動産の買受けの申込み)をした者のうち最高の価額によるものである最高価申込者に対し,これを承諾する旨の意思表示を内容とするものであって,滞納者(担保不動産の処分の場合には,当該不動産について担保権を設定した者)と最高価申込者との間に当該不動産の売買契約を成立させる効果を有する処分である 諾する旨の意思表示を内容とするものであって,滞納者(担保不動産の処分の場合には,当該不動産について担保権を設定した者)と最高価申込者との間に当該不動産の売買契約を成立させる効果を有する処分であると解される。 このように,公売公告は,差押不動産の売買契約の申込みの誘引としての性質を有するものである以上,遅くともその承諾の意思表示の性質を有する売却決定がされた段階では,その目的を達成してその法的効果を失っているものと解される。 しかるところ,前提事実(6)イのとおり,本件公売不動産については,既に本件売却決定がされていることに照らすと,本件公売公告の法的効果は既に消滅しているものと解される。 (2) 回復すべき法律上の利益の存否しかし,売却決定がされるに至った場合でも,差押不動産又は担保不動産(以下「差押不動産等」という。)の所有者及び滞納者には,公売公告を取り消すことによって「回復すべき法律上の利益」(行政事件訴訟法9条1項参照)があると解される。その理由は以下のとおりである。 ア公売公告の取消判決の効力国税に関する一連の滞納処分(国税通則法52条1項に基づく担保の処分を含む。以下同じ。)は,国税の納付義務を強制的に実現するという行政目的を達成するため,段階的に連続して行われる処分である(国税通則法40条,国税徴収法1条,第5章参照)。しかるところ,上記1(1)のとおり,公売公告は,売却決定及び配当に関する事項等を公告することをその内容とするものである上,売却決定に基づいて納付された買受代金(売却代金)が配当に充てられるから,売却決定及び配当は,それを行う基礎となる公売公告が有効に存在することが当然の前提となっている。 そうすると,公売公告の取消しを求める訴えのみが提起され,公売公告に違法があるとの理由により から,売却決定及び配当は,それを行う基礎となる公売公告が有効に存在することが当然の前提となっている。 そうすると,公売公告の取消しを求める訴えのみが提起され,公売公告に違法があるとの理由によりそれを取り消す旨の判決が確定した場合には,仮に既に売却決定や配当がされるに至っていたとしても,当該公売公告を前提としてされたこれらの処分は同判決と整合しないものとなるから,税務署長は,同判決の拘束力に従い,国税徴収法173条1項各号に該当するときを除き,職権でこれらの処分を取り消さなければならないと解される(行政事件訴訟法33条1項参照)(なお,国税徴収法171条1項の規定は,異議申立ての期限の特例を定めたものにすぎず,売却決定及び配当について独立した異議申立てがないときは職権による売却決定及び配当の取消しが妨げられると解さなければならない理由はない。)。 イ公売公告の取消判決が差押不動産等の所有者に与える利益(ア) 上記1(4)のとおり,税務署長は,買受人が換価不動産の買受代金を納付した後に売却決定を取り消したときは,徴収職員が受領した売却代金を買受人に返還するとともに,換価に係る権利の移転の登記の抹消及び換価に関して抹消された権利の登記の回復を嘱託する手続をしなければならない(国税徴収法135条1項参照)。 このように,換価不動産の売却決定が取り消された場合において,原状を回復するための手続が設けられているのは,この場合には,当該不動産の売買契約に基づく滞納者(担保不動産の処分の場合には,当該不動産について担保権を設定した者。以下この項において同じ。)から買受人への所有権移転の効果(国税徴収法116条1項参照)が遡及的に消滅し,当該不動産の所有権が滞納者に復帰するからであると解される(最高裁昭和30年(オ)第548号同32年 項において同じ。)から買受人への所有権移転の効果(国税徴収法116条1項参照)が遡及的に消滅し,当該不動産の所有権が滞納者に復帰するからであると解される(最高裁昭和30年(オ)第548号同32年6月7日第二小法廷判決・民集11巻6号999頁参照)。 そして,国税徴収法は,不動産の売却決定を取り消すことのできる時期につき特段の制限を設けていない(同法135条1項参照)上,配当(売却代金の交付)が完了した後に売却決定が取り消されることを前提とした規定を置いている(同条2項参照)。加えて,同法は,不動産の売却決定の取消しについては,これをもって善意の買受人に対抗することができない旨の規定(同法112条1項参照)を設けていない。そうすると,税務署長は,当該不動産の換価及び配当が完了した後であっても,売却決定に違法があると判断する場合には,同法173条1項各号に該当しない限り,これを取り消すことができると解される。しかも,売却決定が取り消された場合には,たとえ買受人が売却決定の取消しの原因につき善意であり,又は当該買受人から当該取消し前に当該不動産を譲り受けた第三者(以下「転得者」という。)がいるときであっても,上記と同様に,当該不動産の所有権は滞納者に法律上当然に復帰するものと解される。 (イ) 以上を前提とすれば,差押不動産等の所有者(差押登記又は担保権設定登記がされた後に所有者となった者を含む。以下同じ。)は,売却決定がされるに至った場合でも,公売公告を取り消す旨の確定判決を得ることにより,その拘束力に従って売却決定を取り消し,差押不動産の所有権を買受人又は転得者から回復することを期待し得るという法的地位を有するということができるから,公売公告の取消しによって「回復すべき法律上の利益」(行政事件訴訟法9条1項参照)を有すると解 産の所有権を買受人又は転得者から回復することを期待し得るという法的地位を有するということができるから,公売公告の取消しによって「回復すべき法律上の利益」(行政事件訴訟法9条1項参照)を有すると解すべきである。 ウ公売公告の取消判決が滞納者に与える利益(ア) 上記アのとおり,公売公告を取り消す旨の確定判決の拘束力に従い,公売公告に後行する処分が取り消された場合においては,当該不動産の差押え自体が取り消されない限りは,当該差押えに基づき,改めて,当該不動産についての公売公告を行うことになると解される(国税徴収法89条1項,94条1項,95条1項参照)。 しかるところ,この手続においては,改めて,国税徴収法の定めに従って,見積価額の公告,入札,最高価申込者の決定及び売却決定がそれぞれ行われることになる(上記(1)参照)から,適法な手続の下における売却決定に基づきより高額の売却代金が納付された場合には,国税に対する配当の金額が増加することになり(国税徴収法129条1項,128条1号),その結果,滞納者が納付すべき残余の国税の額が減少することになる。 (イ) そうすると,滞納者は,売却決定及び配当がされるに至った場合でも,公売公告を取り消す旨の確定判決を得ることにより,その拘束力に従って売却決定及び配当を取り消し,改めて適法な手続の下における売却決定が行われてより高額な売却がされることを期待し得るという法的地位を有するということができるから,公売公告の取消しによって「回復すべき法律上の利益」(行政事件訴訟法9条1項参照)を有すると解すべきである。 エなお,差押不動産等の所有者及び滞納者(以下「滞納者等」という。)は,公売公告の違法性を承継する売却決定の取消しの訴えを提起することにより,上記と同様の目的を達することができる べきである。 エなお,差押不動産等の所有者及び滞納者(以下「滞納者等」という。)は,公売公告の違法性を承継する売却決定の取消しの訴えを提起することにより,上記と同様の目的を達することができる。しかしながら,上記のとおり,滞納者等は,既に係属している公売公告の取消しの訴えにおいて勝訴すれば,取消判決の拘束力により,売却決定及び配当の取消しを得ることができるのであって,これによりその目的を十分に達することができる。しかも,滞納者等が主張しているのは公売公告の違法であるから,その違法は,公売公告それ自体の取消しの訴えの中で争うことが自然であって,滞納者等が,公売公告の違法を主張するために,既に係属している当該公売公告の取消しの訴えとは別に,あえて,新たに売却決定の取消しの訴えを提起し,又は同訴えへの変更等(行政事件訴訟法7条,民訴法143条参照)をしなければならないとするのは,著しく迂遠であるというほかはなく,滞納者等にとって煩雑であることは明らかである。したがって,売却決定の取消しの訴えを提起することができるという点は,「回復すべき法律上の利益」に関する上記の解釈を左右するものとはいえない。 (3) 本件における検討ア前提事実(6)イ及び証拠(乙1,51)によれば,原告は,本件公売不動産のうち別紙1「公売物件目録」記載1,3及び4の各不動産については,本件売却決定がされた平成26年9月17日当時,その所有者であったものと認められる。他方,前提事実(3)ウ及び(5)によれば,原告は,別紙1「公売物件目録」記載2の土地については,平成19年12月28日,これをbに売り渡すことを内容とする売買契約書を作成した上,平成25年7月9日,平成22年2月23日売買を原因とする所有権移転登記手続をしたことが認められるから,本件売却決定の 19年12月28日,これをbに売り渡すことを内容とする売買契約書を作成した上,平成25年7月9日,平成22年2月23日売買を原因とする所有権移転登記手続をしたことが認められるから,本件売却決定の当時,その所有者ではなかったものと認められる。 したがって,原告は,本件公売不動産のうち別紙1「公売物件目録」記載1,3及び4の各不動産の所有者として,本件公売公告の取消しによって「回復すべき法律上の利益」(買受人からその所有権を回復することを期待し得るという法的地位)を有するといえる。 イ加えて,前提事実(2)によれば,原告は,本件配当がされた平成26年9月19日当時,本件滞納相続税の滞納者であったと認められるから,その滞納者として,本件公売公告の取消しによって「回復すべき法律上の利益」(改めて適法な手続の下における売却決定が行われてより高額な売却がされることを期待し得るという法的地位)を有するといえる。 ウ以上のとおりであるから,本件公売公告の取消しを求める訴えの利益は,なお失われていないものと解される。 3 争点②(本件見積価額公告の行政処分性)について被告は,本件見積価額公告は抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないと主張する(上記第3の2(1)参照)。 そこで検討すると,抗告訴訟の対象となる行政処分,すなわち,行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。 しかるところ,上記1(1)の差押不動産の公売の手続に鑑みると,公売不動 れているものをいう(最高裁昭和37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。 しかるところ,上記1(1)の差押不動産の公売の手続に鑑みると,公売不動産の見積価額は,できるだけ多くの入札者(買受希望者)を誘引するため,入札価額の一応の基準を示すとともに,売却価額が著しく低廉となることを防止して公売の公正を図るため,最低売却価額を保障する性質を有するものであると解される。もっとも,公売不動産に関する権利義務又は法律上の利益は,上記のような性質を有する見積価額を公告することそれ自体によっては,直接的な影響を受けるということはできず,そのような影響は,当該不動産の売買契約の当事者となり得る地位を付与する最高価申込者の決定,又は同契約を成立させる売却決定がされることによって,初めて生じるものと解される。 そうすると,公売不動産の見積価額の決定に関する違法は,当該不動産に係る最高価申込者の決定又は売却決定の違法事由を構成し得るから,これらの処分の取消しの訴えを提起することによって争うことができると解される。ただし,見積価額それ自体の不当は,公売不動産が著しく低価に売却されたなどの事情がない限り,それらの違法事由を構成しないと解される(最高裁昭和40年(行ツ)第29号同43年10月8日第三小法廷判決・裁判集民事92号55頁参照)。 以上によれば,不動産の見積価額の公告は,これによって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものとはいえず,したがって,本件見積価額公告(前提事実(4)エ参照)は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないと解される。 そうであるとすれば,争点③以下の本案に関する争点(上記第2の4(2)参照)は,本件公売公告の取消しの訴えとの関係 前提事実(4)エ参照)は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないと解される。 そうであるとすれば,争点③以下の本案に関する争点(上記第2の4(2)参照)は,本件公売公告の取消しの訴えとの関係においてのみ,検討すべきこととなる。 4 争点③(本件見積価額の適正性と本件公売公告との関係)について被告は,本件見積価額の適否は本件公売公告の違法事由を構成しないと主張する(上記第3の3(1)参照)。 そこで検討すると,上記1(1)のとおり,国税徴収法上,公売不動産の見積価額は,公売公告の内容を構成せず(同法95条1項各号参照),公売公告とは別個独立に公告されることが予定されている(同法99条1項参照)上,見積価額の公告は,公売公告がされた後においてもすることができる(同項参照)こととされている。そして,上記3のとおり,公売不動産の見積価額の決定に関する違法は,当該見積価額の公告の後に行われる処分(最高価申込者の決定又は売却決定)の違法事由を構成し得ると解されるのである。 この点,原告は,見積価額も公売公告の内容の一つであると主張しているところ,確かに,前提事実(4)エ及び証拠(乙17)によれば,本件公売公告と本件見積価額公告とは,「公売公告兼見積価額公告」と題する1通の書面により,同時にされたことが認められる。しかし,この取扱いは,事実としてみれば1個の行為ということができるかもしれないが,上記の国税徴収法の定めに鑑みると,法的には,別個独立の公告が同時にされたものと評価するほかはない。 以上からすれば,本件見積価額の適否は,本件公売公告の適法性に影響せず,本件公売公告の違法事由を構成しないものと解される。したがって,争点④(本件見積価額の適正性)については,判断の必要がないこととなる。 5 争点⑤(本件差押処分の超過差押 売公告の適法性に影響せず,本件公売公告の違法事由を構成しないものと解される。したがって,争点④(本件見積価額の適正性)については,判断の必要がないこととなる。 5 争点⑤(本件差押処分の超過差押え等該当性,本件公売公告への違法性の承継の有無)について原告は,本件差押処分は,その後にされた別件差押処分の存在をも前提としてみれば,超過差押え等の禁止(国税徴収法48条)に違反する違法なものであって,これを前提としてされた本件各公告も違法なものであると主張する(上記第3の5(1)参照)。 しかし,差押処分が超過差押え(同条1項)に当たるか否かは,当該差押処分の時点を基準として,当該差押えの対象とされた各財産の見積価額と当該差押えの原因とされた国税の金額とを比較し,一部の財産を差し押えることをもって当該国税を十分満足させることができるかという観点から判断しなければならないのであって,その後に別個の差押処分がされたことを理由に,当初の上記差押処分を違法とすることはできないと解される。また,証拠(乙1,52)によれば,本件差押処分が無益な差押え(同条2項)に当たらないことは明らかである。 したがって,原告の上記主張は,その前提を欠くものであって,採用の限りでない。 6 争点⑥(本件公売不動産の選択に係る裁量権の逸脱又は濫用の有無)について原告は,別件差押不動産を公売に付せば本件滞納相続税を徴収することができたのであるから,処分行政庁には,原告の生活の維持に必要である本件不動産を公売に付した点につき,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるなどと主張する(上記第3の6(1)参照)。 しかし,国税通則法52条1項,4項は,税務署長等は,担保の提供がされている国税についての延納を取り消したときは,その提供された金 を濫用した違法があるなどと主張する(上記第3の6(1)参照)。 しかし,国税通則法52条1項,4項は,税務署長等は,担保の提供がされている国税についての延納を取り消したときは,その提供された金銭以外の財産を滞納処分の例により処分してその国税及び当該財産の処分費に充て,なお不足があると認めるときに,当該担保を提供した者の他の財産について滞納処分を執行すると定めている。 そして,前提事実(1),(2)及び(4)によれば,本件公売不動産は,原告の相続税(本件相続税)についての年賦延納の許可(本件延納許可)の担保として徴されたものであるところ,同許可が取り消されたことから,差し押さえられた(本件差押処分)上,公売に付された(本件公売)ものである。 そうすると,処分行政庁が,別件差押不動産の存在にかかわらず,本件公売不動産を公売に付したのは,国税通則法の定めに従ったものである以上,この点について,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるということはできない。 第5 結論以上によれば,原告の各請求のうち,本件見積価額公告の取消しを求める請求(上記第1の2)は,不適法であるからこれを却下すべきであり,本件公売公告の取消しを求める請求(上記第1の1)は,理由がないからこれを棄却すべきである。 よって,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用の上,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官谷口豊 裁判官工藤哲郎 裁判官和久一彦 (別紙2)法令の定め 1 国税通則法(国税の徴収の所轄庁)43条1項,2項略3項国税局長は,必要があると認めるときは,そ 裁判官和久一彦 (別紙2)法令の定め 1 国税通則法(国税の徴収の所轄庁)43条1項,2項略3項国税局長は,必要があると認めるときは,その管轄区域内の地域を所轄する税務署長からその徴収する国税について徴収の引継ぎを受けることができる。 4項以下略(担保の処分)52条1項税務署長等は,担保の提供されている国税がその納期限…までに完納されないとき,又は担保の提供がされている国税についての延納,納税の猶予若しくは徴収若しくは滞納処分に関する猶予を取り消したときは,その担保として提供された金銭をその国税に充て,若しくはその提供された金銭以外の財産を滞納処分の例により処分してその国税及び当該財産の処分費に充て,又は保証人にその国税を納付させる。 (注) 国税通則法43条3項(国税の徴収の所轄庁)の規定により国税局長が国税の徴収を行う場合には,その国税局長は,「税務署長等」に含まれる(同法46条1項参照)。 2項,3項略4項第1項の場合において,担保として提供された金銭又は担保として提供された財産の処分の代金を同項の国税及び処分費に充ててなお不足があると認めるときは,税務署長等は,当該担保を提供した者の他の財産について滞納処分を執行し,また,保証人がその納付すべき金額を完納せず,かつ,当該担保を提供した者に対して滞納処分を執行してもなお不足があると認めるときは,保証人に対して滞納処分を執行する。 5項以下略(不服申立てと国税の徴収との関係)105条1項国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立ては,その目的となつた処分の効力,処分の執行又は手続の続行を妨げない。ただし,その国税の徴収のため差し押えた財産の滞納処分…による換価は,その 1項国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立ては,その目的となつた処分の効力,処分の執行又は手続の続行を妨げない。ただし,その国税の徴収のため差し押えた財産の滞納処分…による換価は,その財産の価額が著しく減少するおそれがあるとき,又は不服申立人…から別段の申出があるときを除き,その不服申立てについての決定又は裁決があるまで,することができない。 2項以下略 2 国税徴収法(平成26年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)(超過差押及び無益な差押の禁止)48条1項国税を徴収するために必要な財産以外の財産は,差し押えることができない。 2項差し押えることができる財産の価額がその差押に係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先だつ他の国税,地方税その他の債権の金額の合計額をこえる見込がないときは,その財産は,差し押えることができない。 (換価する財産の範囲)89条1項差押財産(金銭,債権及び第57条(有価証券に係る債権の取立)の規定により債権の取立をする有価証券を除く。以下この節において同じ。)は,この節の定めるところにより換価しなければならない。 2項以下略(公売)94条1項税務署長は,差押財産を換価するときは,これを公売に付さなければならない。 2項公売は,入札又はせり売の方法により行わなければならない。 (公売公告)95条1項税務署長は,差押財産を公売に付するときは,公売の日の少なくとも10日前までに,次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし,公売に付する財産(以下「公売財産」という。)が不相応の保存費を要し,又はその価額を著しく減少するおそれがあると認めるときは,この期間を短縮することができる。 一公売財産の名称,数量,性質及び所在二 る財産(以下「公売財産」という。)が不相応の保存費を要し,又はその価額を著しく減少するおそれがあると認めるときは,この期間を短縮することができる。 一公売財産の名称,数量,性質及び所在二公売の方法三公売の日時及び場所四売却決定の日時及び場所五公売保証金を提供させるときは,その金額六買受代金の納付の期限七公売財産の買受人について一定の資格その他の要件を必要とするときは,その旨八公売財産上に質権,抵当権,先取特権,留置権その他その財産の売却代金から配当を受けることができる権利を有する者は,売却決定の日の前日までにその内容を申し出るべき旨九前各号に掲げる事項のほか,公売に関し重要と認められる事項2項前項の公告は,税務署の掲示場その他税務署内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。ただし,他の適当な場所に掲示する方法,官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲げる方法その他の方法を併せて用いることを妨げない。 (見積価額の決定)98条税務署長は,公売財産の見積価額を決定しなければならない。この場合において,必要と認めるときは,鑑定人にその評価を委託し,その評価額を参考とすることができる。 (見積価額の公告等)99条1項税務署長は,公売財産のうち次の各号に掲げる財産を公売に付するときは,当該各号に掲げる日までに見積価額を公告しなければならない。 一不動産,船舶及び航空機公売の日から3日前の日二以下略2項略3項第95条第2項の規定は,第1項の公告について準用する。(以下略)4項略(公売保証金)100条1項公売財産の入札又は競り売りに係る買受けの申込み(以下「入札等」という。)をしようとする者(以下「入札者等」という。)は,税務署長 する。(以下略)4項略(公売保証金)100条1項公売財産の入札又は競り売りに係る買受けの申込み(以下「入札等」という。)をしようとする者(以下「入札者等」という。)は,税務署長が公売財産の見積価額の100分の10以上の額により定める公売保証金を次の各号に掲げるいずれかの方法により提供しなければならない。ただし,税務署長は,公売財産の見積価額が政令で定める金額以下である場合又は買受代金を売却決定の日に納付させるときは,公売保証金の提供を要しないものとすることができる。 一現金(国税の納付に使用することができる小切手のうち銀行の振出しに係るもの及びその支払保証のあるものを含む。次号,第4項及び第115条第3項(買受代金の納付の期限等)において同じ。)で納付する方法二入札者等と保証銀行等(銀行その他税務署長が相当と認める者をいう。 以下この号及び第4項において同じ。)との間において,当該入札者等に係る公売保証金に相当する現金を税務署長の催告により当該保証銀行等が納付する旨の契約(財務省令で定める要件を満たすものに限る。)が締結されたことを証する書面を税務署長に提出する方法2項入札者等は,前項ただし書の規定の適用を受ける場合を除き,公売保証金を提供した後でなければ,入札等をすることができない。 3項公売財産の買受人は,第1項第1号に掲げる方法により提供した公売保証金がある場合には,当該公売保証金を買受代金に充てることができる。 ただし,第115条第4項の規定により売却決定が取り消されたときは,当該公売保証金をその公売に係る国税に充て,なお残余があるときは,これを滞納者に交付しなければならない。 4項以下略(入札及び開札)101条1項入札をしようとする者は,その住所又は居所,氏名(法人 をその公売に係る国税に充て,なお残余があるときは,これを滞納者に交付しなければならない。 4項以下略(入札及び開札)101条1項入札をしようとする者は,その住所又は居所,氏名(法人にあっては,名称。以下同じ。),公売財産の名称,入札価額その他必要な事項を記載した入札書に封をして,これを徴収職員に差し出さなければならない。(以下略)2項入札者は,その提出した入札書の引換,変更又は取消をすることができない。 3項開札をするときは,徴収職員は,入札者を開札に立ち会わせなければならない。ただし,入札者が立ち会わないときは,税務署所属の他の職員を開札に立ち会わせなければならない。 (最高価申込者の決定)104条1項徴収職員は,見積価額以上の入札者等のうち最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない。 2項略(入札又は競り売りの終了の告知等)106条1項徴収職員は,最高価申込者等を定めたときは,直ちにその氏名及び価額…を告げた後,入札又は競り売りの終了を告知しなければならない。 2項以下略(動産等の売却決定の取消)112条1項換価をした動産又は有価証券に係る売却決定の取消は,これをもって買受代金を納付した善意の買受人に対抗することができない。 2項略(不動産等の売却決定)113条1項税務署長は,不動産等を換価に付するときは,公売期日等から起算して7日を経過した日(以下「売却決定期日」という。)において最高価申込者に対して売却決定を行う。 (注) 「公売期日等」とは,公売をする日(随意契約により売却する場合には,その売却する日)をいう(111条)。 2項略(買受代金の納付の期限等)115条1項換価財産の買受代金の納 (注) 「公売期日等」とは,公売をする日(随意契約により売却する場合には,その売却する日)をいう(111条)。 2項略(買受代金の納付の期限等)115条1項換価財産の買受代金の納付の期限は,売却決定の日…とする。 2項税務署長は,必要があると認めるときは,前項の期限を延長することができる。ただし,その期間は,30日を超えることができない。 3項買受人は,買受代金を第1項の期限までに現金で納付しなければならない。 4項税務署長は,買受人が買受代金を第1項の期限までに納付しないときは,その売却決定を取り消すことができる。 (買受代金の納付の効果)116条1項買受人は,買受代金を納付した時に換価財産を取得する。 2項略(権利移転の登記の嘱託)121条税務署長は,換価財産で権利の移転につき登記を要するものについては,不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の法令に別段の定めがある場合を除き,その買受代金を納付した買受人の請求により,その権利の移転の登記を関係機関に嘱託しなければならない。 (換価に伴い消滅する権利の登記のまっ消の嘱託)125条税務署長は,第121条(権利移転の登記の嘱託)の規定により権利の移転の登記を嘱託する場合において,換価に伴い消滅する権利に係る登記があるときは,あわせてそのまっ消を関係機関に嘱託しなければならない。 (配当すべき金銭)128条税務署長は,次に掲げる金銭をこの節の定めるところにより配当しなければならない。 一差押財産の売却代金二以下略(配当の原則)129条1項前条第1号又は第2号に掲げる金銭(以下「換価代金等」という。)は,次に掲げる国税その他の債権に配当する。 一差押えに係る国税二交付要求を受け 下略(配当の原則)129条1項前条第1号又は第2号に掲げる金銭(以下「換価代金等」という。)は,次に掲げる国税その他の債権に配当する。 一差押えに係る国税二交付要求を受けた国税,地方税及び公課三差押財産に係る質権,抵当権,先取特権,留置権又は担保のための仮登記により担保される債権四略2項前条第3号又は第4号に掲げる金銭は,それぞれ差押又は交付要求に係る国税に充てる。 3項前2項の規定により配当した金銭に残余があるときは,その残余の金銭は,滞納者に交付する。 4項以下略(配当計算書)131条税務署長は,第129条(配当の原則)の規定により配当しようとするときは,政令で定めるところにより,配当を受ける債権,前条第2項の規定により税務署長が確認した金額その他必要な事項を記載した配当計算書を作成し…なければならない。(以下略)(換価代金等の交付)133条1項税務署長は,換価代金等の交付期日に配当計算書に従って換価代金等を交付するものとする。 2項以下略(売却決定の取消に伴う措置)135条1項税務署長は,売却決定を取り消したときは,次に掲げる手続をしなければならない。(以下略)一徴収職員が受領した換価代金等の買受人への返還二第121条(権利移転の登記の嘱託)その他の法令の規定により嘱託した換価に係る権利の移転の登記のまっ消の嘱託三第125条(換価に伴い消滅する権利の登記のまっ消の嘱託)その他の法令の規定による嘱託で換価に係るものによりまっ消された質権,抵当権その他の権利の登記の回復の登記の嘱託2項前項第3号の規定により嘱託した回復の登記に係る質権者,抵当権者又は先取特権者に対し換価代金等から配当した金額がある場合において, 消された質権,抵当権その他の権利の登記の回復の登記の嘱託2項前項第3号の規定により嘱託した回復の登記に係る質権者,抵当権者又は先取特権者に対し換価代金等から配当した金額がある場合において,これらの者がその金額を返還しないときは,税務署長は,その金額を限度として,これらの者に代位することができる。この場合において,配当した金額がその質権,抵当権又は先取特権により担保される債権の一部であるときは,税務署長は,その代位した債権者の承諾を要しないで,その代位に係る権利を行使し,かつ,その債権者に優先して弁済を受けることができる。 (滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例)171条1項滞納処分について次の各号に掲げる処分に関し欠陥があること…を理由としてする異議申立て…は,これらの規定にかかわらず,当該各号に掲げる期限まででなければ,することができない。 一,二略三不動産等についての第95条(公売公告)の公告…から売却決定までの処分換価財産の買受代金の納付の期限四略2項前項の規定は,国税通則法第75条第1項第2号ロ若しくは第4項(始審的審査請求)の規定による審査請求又は同法第115条第1項第3号(訴えの提起の特例)の規定による訴えの提起について準用する。(以下略)3項略(不動産の売却決定等の取消の制限)173条1項第171条第1項第3号(公売等に関する不服申立ての期限の特例)に掲げる処分に欠陥があることを理由として滞納処分に関する不服申立てがあった場合において,その処分は違法ではあるが,次に掲げる場合に該当するときは,税務署長,国税局長若しくは税関長又は国税不服審判所長は,その不服申立てを棄却することができる。 一その不服申立てに係る処分に続いて行われるべき処分(以下この号 ,次に掲げる場合に該当するときは,税務署長,国税局長若しくは税関長又は国税不服審判所長は,その不服申立てを棄却することができる。 一その不服申立てに係る処分に続いて行われるべき処分(以下この号において「後行処分」という。)が既に行われている場合において,その不服申立てに係る処分の違法が軽微なものであり,その後行処分に影響を及ぼさせることが適当でないと認められるとき。 二略2項以下略(国税局長が徴収する場合の読替規定)184条国税通則法第43条第3項…(徴収の引継ぎ)の規定により国税局長が徴収の引継ぎを受けた場合…におけるこの法律(…第173条(不動産の売却決定の取消しの制限)…を除く。以下略)の規定の適用については,「税務署長」又は「税務署」とあるのは,「国税局長」又は「国税局」とする。 3 不動産登記法(公売処分による登記)115条官庁又は公署は,公売処分をした場合において,登記権利者の請求があったときは,遅滞なく,次に掲げる事項を登記所に嘱託しなければならない。 一公売処分による権利の移転の登記二公売処分により消滅した権利の登記の抹消三滞納処分に関する差押えの登記の抹消 (別紙5)本件裁決から売却決定までの公売手続の推移 1 処分行政庁は,平成25年10月18日,本件公売公告における売却決定の日時及び買受代金の納付期限を下記A及びBのとおり変更した旨を公告する(以下「本件変更公告①」という。)とともに,本件最高価公告における売却決定の日時を下記Aのとおり変更した旨を公告した上,その旨を原告に対して通知した。(乙22~25)記A 売却決定の日時平成25年11月5日午前10時B 買受代金の納付期限平成25年11月5日午後3時 2 原告は, 旨を公告した上,その旨を原告に対して通知した。(乙22~25)記A 売却決定の日時平成25年11月5日午前10時B 買受代金の納付期限平成25年11月5日午後3時 2 原告は,平成25年10月30日,処分行政庁に対し,本件変更公告①及び同年11月5日に予定されている売却決定(上記1A参照)について,異議申立てをした。処分行政庁は,同年12月12日,同異議申立てをいずれも却下する旨の決定をした。(乙26,27) 3 処分行政庁は,平成26年2月28日,本件公売公告における売却決定の日時及び買受代金の納付期限を下記A及びBのとおり変更した旨を公告する(以下「本件変更公告②」という。)とともに,本件最高価公告における売却決定の日時を下記Aのとおり変更した旨を公告した上,その旨を原告に対して通知した。(乙28~31)記A 売却決定の日時平成26年3月10日午前10時B 買受代金の納付期限平成26年3月10日午後3時 4 原告は,平成26年3月6日,処分行政庁に対し,本件変更公告②及び同月10日に予定されている売却決定(上記3A参照)について,異議申立てをした。処分行政庁は,同年4月16日,同異議申立てをいずれも却下する旨の決定をした。 (乙32,33) 5 処分行政庁は,平成26年6月3日,本件公売公告における売却決定の日時及び買受代金の納付期限を下記A及びBのとおり変更した旨を公告する(以下「本件変更公告③」という。)とともに,本件最高価公告における売却決定の日時を下記Aのとおり変更した旨を公告した上,その旨を原告に対して通知した(乙34~37)記A 売却決定の日時平成26年7月1日午前10時B 買受代金の納付期限平成26年7月1日午後3時 6 原告は,平成26年6月27日,処分行政 原告に対して通知した(乙34~37)記A 売却決定の日時平成26年7月1日午前10時B 買受代金の納付期限平成26年7月1日午後3時 6 原告は,平成26年6月27日,処分行政庁に対し,本件変更公告③及び同年7月1日に予定されている売却決定(上記5A参照)について,異議申立てをした。 処分行政庁は,同年9月1日,同異議申立てをいずれも却下する旨の決定をした。 (乙38,44) 7 処分行政庁は,平成26年9月3日,本件公売公告における売却決定の日時及び買受代金の納付期限を下記A及びBのとおり変更した旨を公告する(以下「本件変更公告④」という。)とともに,本件最高価公告における売却決定の日時を下記Aのとおり変更した旨を公告した上,その旨を原告に対して通知した(乙45~48)記A 売却決定の日時平成26年9月17日午前10時B 買受代金の納付期限平成26年9月17日午後3時 8 原告は,平成26年9月12日,処分行政庁に対し,本件変更公告④及び同月17日に予定されている売却決定(上記7A参照)について,異議申立てをした。 (争いのない事実,乙49)(別紙6)原告による本件不動産の価額の算定 1 標準地及び対象地の概要項目標準地対象地1及び2(別紙1「公売物件目録」記載1及び2)対象地3(別紙1「公売物件目録」記載3)所在及び地番γ×番●δ×番地●及び●δ×番地●交通事情田園都市線○駅より850m田園都市線○駅より800m田園都市線○駅より800m道路事情ほぼ西側に幅員5mの市道に接面するほぼ南側に幅員6.5mの市道に接面する東側に幅員11.5mの市道に接面する公法上の規制1種低層居住専用建 より800m道路事情ほぼ西側に幅員5mの市道に接面するほぼ南側に幅員6.5mの市道に接面する東側に幅員11.5mの市道に接面する公法上の規制1種低層居住専用建ぺい率 50%容積率 80%1種低層居住専用建ぺい率 50%容積率 80%1種低層居住専用建ぺい率 50%容積率 80%供給処理施設水道,都市ガス,下水道水道,都市ガス,下水道水道,都市ガス,下水道形状ほぼ長方形ほぼ正方形長方形価格286,000円/㎡ 価格時点平成23年1月1日 2 公示価格を規準とした価額(1) 対象地1(別紙1「公売物件目録」記載1)① 道路幅員対象地に4%の加算② 道路の接続方位対象地に4%の加算③ 最寄駅への接近性,利便性対象地に3%の加算標準地も対象地も駅までの距離はほぼ同じであるが,標準地へのアクセスは長いかなりの坂道があり負担を感じるのに対し,対象地へのアクセスは,平らな平坦道であって,利便性があり,優れている。 ④ 道路の特殊舗装対象地に1.5%の加算標準地に接している道路は一般のアスファルト舗装であるが,対象地の道路は特殊滑り止め加工されたコンクリート舗装である。 ⑤ 奥行修正対象地に3%の減算対象地はほぼ正方形で間口に対して奥行のバランスがとれているので,利用方法によっては何ら問題がないが,奥行減算をする。 ⑥ 価額 3億6497万7713円(計算式)28万6000円/㎡(標準地の価格)×9.5%(上記①~⑤の個別的要因等の格差修正)×1165.43㎡(対象地の面積)(2) 対象地2(別紙1「公売物件目録」記載2)① 道路幅員対象地に4%の加算 0円/㎡(標準地の価格)×9.5%(上記①~⑤の個別的要因等の格差修正)×1165.43㎡(対象地の面積)(2) 対象地2(別紙1「公売物件目録」記載2)① 道路幅員対象地に4%の加算② 道路の接続方位対象地に4%の加算③ 最寄駅への接近性,利便性対象地に3%の加算④ 価額 7296万1831円(計算式)28万6000円/㎡(標準地の価格)×11%(上記①~④の個別的要因等の格差修正)×229.83㎡(対象地の面積)(3) 対象地3(別紙1「公売物件目録」記載3)① 道路幅員対象地に5%の加算② 道路の接続方位加算減算なし③ 最寄駅への接近性,利便性対象地に3%の加算④ 奥行修正対象地に1%の減算⑤ 価額 6608万8880円(計算式)28万6000円/㎡(標準地の価格)×9%(上記①~④の個別的要因等の格差修正)×212㎡(対象地の面積) 3 対象地1~3(別紙1「公売物件目録」記載1~3)の価額5億0402万8424円(計算式)3億6497万7713円(上記2(1)⑥)+7296万1831円(上記2(2)④)+6608万8880円(上記2(3)⑤)

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