昭和30(う)115 傷害致死被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和30年7月14日 名古屋高等裁判所 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を懲役参年に処す。      原審及び当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。          理    由  本件控訴の趣意は津地

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判決文本文1,354 文字)

主文 原判決を破棄する。 被告人を懲役参年に処す。 原審及び当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。 理由 本件控訴の趣意は津地方検察庁検事正雪下陽三郎名義の控訴趣意書記載の通りであるから右記載を引用する。 職権を以て調査するに原判決は押収にかかる靴一足(証第一号)を本件犯行の供用物件として刑法第十九条第一項第二号第二項本文に従つて没収しているが、右靴は被告人が屋外路上での本件犯行の際偶々履いていたもので、被告人は右靴を履いたまま被害者AことAの腹部を数回けり上げ以て本件傷害致死罪を犯したものであることは記録上明らかである。刑法第十九条が原則的に過失犯に対しても適用せらるべきかどう<要旨>かは別論としても、少くとも同法第十九条第一項第二号の供用物件の関係に於ては単に結果から見て犯行に役</要旨>立つたと云ふだけでは十分でなく犯人が之を犯行の用に供する意思を以て直接犯行の用に供し又は供せんとしたことを必要とするものと解するを相当とする。然るに本件は前記の如く被告人が被害者を足蹴にしたとき偶々靴履きのままであつたのに過ぎないものであるから、本件の供用物件ということはできない。従つて原判決が之を本件の供用物件として没収したのは違法であり、破棄を免れない、検察官の控訴趣意について。 原審及び当審が取調べた証拠を綜合して考察すれば被告人は原判示の日時場所においてAと口論の上BことBが仲裁するに拘らず、原判示の如く手挙を以てAの頭部を殴打し、更に革靴(証第一号)を履いたまま同人の腹部を数回蹴り上げ、遂に同人を死に致らしめたものであるが、Aが右暴行によりその場に転倒し蹲つたまま下腹を抱え口から何か物を吐きながら謝罪しているのに対し、何等手当を加えないで放置しておいたばかりでな を数回蹴り上げ、遂に同人を死に致らしめたものであるが、Aが右暴行によりその場に転倒し蹲つたまま下腹を抱え口から何か物を吐きながら謝罪しているのに対し、何等手当を加えないで放置しておいたばかりでなく、右Bが制止するに拘らずAの髪を掴んで立上がらせ手で顔や頭を殴つたり、靴履きのまま足で頭を蹴つたりしてその場を立去つたものであることを認めることができその残酷非道は言語に絶するものであるから、仮りに医師の治療宜しきを得なかつた為Aの死の転帰を些か早めたとしても、又口論の原因か被害者たるAにあつたとしても、之が為被者人の右残酷引道の責を軽減するものでなく、而も被告人は余り醉つていないのに泥醉せるAに対し右暴行を加えたものであり之等の事実に被告人の前科、経歴、家庭の事情その他諸般の事情を考慮すれば原審が被告人を懲役三年に処しなから五年間之が執行を猶予したことは軽きに失するから、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。 よつて刑事応訟法第三百九十七条に則り原判決を破棄し、同法第四百条但書に則り更に次の通り判決する。 罪となるべき事実及び証拠は原判決の記載を引用する。 法律に照すと判示所為は刑法第二百五条第一項に該当するからその刑期範囲内で被告人を懲役三年に処することとし、尚訴訟費用の負担につき刑事訴訟法第百八十一条第一項本文を適用し主文の通り判決する。 (裁判長判事高城運七判事柳沢節夫判事赤間鎮雄)

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