【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 弁護人芦田浩志の上告趣意について。 論旨は家庭裁判所は憲法七六条
主文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 弁護人芦田浩志の上告趣意について。 論旨は家庭裁判所は憲法七六条二項にいわゆる特別裁判所に該当し、従つて児童福祉法六〇条の罪について家庭裁判所の専属裁判権を定めた少年法三七条一項四号の規定は憲法七六条二項に違背し無効であると主張する。 しかし、すべて司法権は最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属するところであり、家庭裁判所はこの一般的に司法権を行う通常裁判所の系列に属する下級裁判所として裁判所法により設置されたものに外ならない。尤も裁判所法三一条の三によれば、家庭裁判所は、家庭に関する事件の審判及び調停並びに保護事件の審判の外、少年法三七条一項に掲げる罪に係る訴訟の第一審の裁判を所管する旨明記するに止まり、そしてその少年法三七条一項では同条項所定の成人の刑事々件についての公訴は家庭裁判所にこれを提起しなければならない旨規定されているけれど、それはたゞ単に第一審の通常裁判所相互間においてその事物管轄として所管事務の分配を定めたに過ぎないものであることは、裁判所法における下級裁判所に関する規定、殊にその種類を定めた二条、及びその事物管轄を定めた一六条、一七条、二四条、二五条、三一条の三、三三条、三四条等の規定に徴して明らかである。現に家庭裁判所は同裁判所で成立した調停等に対する請求異議の訴訟についても、家事審判法二一条、一五条、民訴五六〇条、五四五条に基ずき第一審の受訴裁判所として専属の管轄権あるものと解されているのであつて、この事は家庭裁判所がもともと司法裁判権を行うべき第一審の通常裁判所として設置されたものであることに由来するのである。それ故右と反対の見地に立つ論旨は採るを- 1 るものと解されているのであつて、この事は家庭裁判所がもともと司法裁判権を行うべき第一審の通常裁判所として設置されたものであることに由来するのである。それ故右と反対の見地に立つ論旨は採るを- 1 -得ない。 よつて刑訴四〇八条、一八一条により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 昭和三一年五月三〇日最高裁判所大法廷裁判長裁判官田中耕太郎裁判官栗山茂裁判官真野毅裁判官小谷勝重裁判官島保裁判官斎藤悠輔裁判官藤田八郎裁判官岩松三郎裁判官河村又介裁判官谷村唯一郎裁判官小林俊三裁判官本村善太郎裁判官入江俊郎裁判官池田克裁判官垂水克己- 2 -
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