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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人藤林益三、同島谷六郎、同山本晃夫の上告理由について。白地手形は補充がされるまでは手形としての効力を生ぜず、白地手形が手形となり従つて署名者が手形上の責任を負うにいたるのは補充されたときからであつて、白地手形行為のときに遡るものではないが、署名者は署名のときその意思表示を完成しているのであつて、その意味で手形行為自体はすでに署名のときなされたと認めるべきである。同様に振出人が誤記して振出した手形も、後日訂正によつて完全な手形となりうる可能性がある以上、振出交付行為自体は、振出人が手形に署名し相手方に交付した時にあると解すべきであるから、原判決が本件手形の受取人である被上告口人の善意・悪意判定の基準時を、被上告人が本件手形の交付をうけた昭和二五年七月二二日頃においたのは相当である。所論は、独自の見解を主張するものであつて、採用しえない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介- 1 -
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