主文 原略式命令を破棄する。 本件公訴を棄却する。 理由 記録によれば,徳山簡易裁判所は,平成13年6月13日,同日付けの被告人に対する道路交通法違反被告事件の公訴提起に基づき,「被告人は,平成13年5月20日午前10時52分ころ,山口県光市ab丁目c番d西方10.3キロポスト先付近道路において,法定の最高速度を47㎞超える107㎞毎時の速度で普通乗用自動車を運転して進行したものである。」との事実を認定した上,道路交通法22条1項,118条1項2号,同法施行令11条,刑法18条,刑訴法348条を適用し,「被告人を罰金8万円に処する。これを完納することができないときは金5000円を1日に換算した期間(端数は1日に換算する)被告人を労役場に留置する。 第1項の金額を仮に納付することを命ずる。」との略式命令を発付したこと,同略式命令は,同年6月28日に確定したことが認められる。 ところで,原略式命令には,被告人の生年月日が昭和57年10月20日と記載されており,記録中の戸籍謄本によっても,この記載に誤りのないことが認められる。そうすると,被告人に対して本件公訴が提起された平成13年6月13日当時には,被告人は少年であって,公訴を提起するためには,少年法20条による家庭裁判所から検察官への送致決定を経る必要がある。しかし,本件では,同送致決定がされた事実は認められない。したがって,略式命令の請求を受けた徳山簡易裁判所は,刑訴法463条1項により通常の規定に従って審理をした上,同法338条4号により判決をもって公訴を棄却すべきであったといわなければならない。それにもかかわらず,同裁判所は,被告人に対し,前記略式命令を発付したのであるから,この略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため により判決をもって公訴を棄却すべきであったといわなければならない。それにもかかわらず,同裁判所は,被告人に対し,前記略式命令を発付したのであるから,この略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益である。 - 1 -よって,刑訴法458条1号ただし書により,原略式命令を破棄し,同法338条4号により本件公訴を棄却することとし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官浅野義正公判出席(裁判長裁判官河合伸一裁判官福田博裁判官北川弘治裁判官亀山継夫裁判官梶谷玄)- 2 -
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