平成12(行コ)14 文書開示拒否処分取消請求控訴事件(原審・福島地方裁判所平成10年(行ウ)第3号)

裁判年月日・裁判所
平成13年10月10日 仙台高等裁判所 情報公開
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判決文本文14,903 文字)

主文 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴の趣旨主文と同旨 2 控訴の趣旨に対する答弁(1) 本件控訴を棄却する。 (2) 控訴費用は控訴人の負担とする。 第2 事案の概要本件は、福島県の住民である被控訴人が、福島県情報公開条例(平成2年10月16日福島県条例第41号。平成6年10月14日条例第71号による改正後のもので、平成12年3月24日条例第5号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)5条1号に基づき、福島県公費支出調査検討委員会が作成した平成9年12月2日付け「公費支出調査結果及び改善策について」と題する報告書の基礎となった福島県の各部局(総務部、企画調整部、生活環境部、保健福祉部、商工労働部、農林水産部、土木部、出納局、福島県立医科大学、企業局、教育庁、監査委員事務局、人事委員会事務局及び地方労働委員会事務局)や各所属(本庁の各課、出先の事務所)の作成した調査資料の開示を平成9年12月8日請求したところ、本件条例の実施機関である控訴人が平成10年1月16日、これを本件条例6条所定の非開示事由に該当する情報が記載されているとして一部を非開示とする旨の処分をしたので、その非開示処分の取消しを求めて提訴し、その後、控訴人が請求を354所属の各所属作成資料の原判決別紙文書目録1ないし4、7、8、10ないし15の各文書、並びに監査委員事務局、人事委員会事務局及び地方労働委員会事務局を除いた他の11部局の各部局作成資料の同目録5、6及び9の各文書を非開示とした部分の取消しのみに減縮したところ、原審が被控訴人の請求を全部認容したので、控訴人が控訴した事案であり、控訴人が前記各文書の非開 他の11部局の各部局作成資料の同目録5、6及び9の各文書を非開示とした部分の取消しのみに減縮したところ、原審が被控訴人の請求を全部認容したので、控訴人が控訴した事案であり、控訴人が前記各文書の非開示の事由として主張しているのは、本件条例6条各号のうち、2号、3号、6号及び7号への各該当性である。 1 本件条例の主要な関連条文は、本判決別紙記載のとおりである(乙第1号証)。 2 本件における当事者間に争いのない事実(当事者、公費支出調査の経緯、公文書部分開示決定、請求の減縮、本件公文書の内容)、争点及びこれに関する当事者の主張については、次のとおり付加・訂正するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第二事案の概要」中の「三当事者間に争いのない事実」及び「四争点及びこれに関する当事者の主張」(原判決9頁8行目から同47頁末行まで)と同一であるから、これを引用する。 (1) 原判決23頁6行目から同9行目までを、次のとおり改める。 「(二) その他の節の支出に関する資料(1) 各所属(本庁の各課、出先の事務所)作成資料いずれも、本庁の各課・出先の事務所単位で、実態と異なるその他の節に関する支出について集計したものである。」(2) 原判決23頁10行目の「① その他の節に関する実態調査メモ」の次に、「(総括表)」を加える。 (3) 原判決30頁4行目から同6行目までを、次のとおり改める。 「1 本件公文書の非開示事由につき、訴訟段階で新たな非開示事由を追加主張することが許されるか。」(4) 原判決31頁2行目から同4行目までを、次のとおり改める。 「 控訴人は本件処分の際には、本件条例6条2号あるいは同条3号に該当することの理由だけを掲げ、他の非開示事由は掲げていなかったのであるから、訴訟の段階になって新たな非開示事由を掲げることは許さ 。 「 控訴人は本件処分の際には、本件条例6条2号あるいは同条3号に該当することの理由だけを掲げ、他の非開示事由は掲げていなかったのであるから、訴訟の段階になって新たな非開示事由を掲げることは許されない。」(5) 原判決40頁7行目、同10行目及び同44頁1行目の「別紙文書目録4、7ないし9」をいずれも「原判決別紙文書目録1、4、7ないし9」と改める。 (6) 原判決47頁末行の次に、行を改め、次のとおり加える。 「5 本件公文書の本件条例6条6号該当性について(控訴人)本件公文書は、県が公費支出が適正であったか否かを決定するための資料とする目的で収集した情報であるから、県内部における意思決定過程における情報に該当する。公開しないことを前提として提供された機密にわたる情報(不適正な公費支出の内容やその支出に関与したと疑われる県職員)を公開することは、情報提供者との信頼関係を損ない、将来の同様の事情聴取に重大な支障を及ぼし、公正又は適切な調査を行うことができなくなるおそれがある。 したがって、本件公文書は、本件条例6条6号に該当する。」第3 当裁判所の判断 1 本件公文書の非開示事由の追加主張の適否について本件訴訟における審判の対象は、本件処分の処分理由の適否ではなく、本件処分の実体法上及び手続上の違法性一般であるから、その後条例上類型化された処分理由を追加して主張したとしても、そのことによっては、処分の同一性は損なわれず、審判の対象が異なるに至るものではない。 また、本件条例9条3項が、非開示決定書に理由を記載すべきものとしているのは、非開示の理由の有無について実施機関の判断の慎重と公正妥当とを担保してその恣意を抑制するとともに、非開示の理由を開示請求者に知らせることによって、その不服申立てに便宜を与えることを目的としていると 、非開示の理由の有無について実施機関の判断の慎重と公正妥当とを担保してその恣意を抑制するとともに、非開示の理由を開示請求者に知らせることによって、その不服申立てに便宜を与えることを目的としていると解すべきである。そして、そのような目的は非開示決定の通知にその理由を付記することをもってひとまず実現される。本件条例の規定をみても、右の理由付記の定めが、右の趣旨を超えて、ひとたび決定書に理由を付記した以上、実施機関が当該理由以外の理由を非開示決定の取消訴訟において主張することを許さないものとする趣旨をも含むと解すべき根拠はないとみるのが相当である。 したがって、控訴人が、本件公文書の非開示事由につき、訴訟段階で新たな非開示事由を追加主張することは許されるものというべきである。 2 本件公文書の非開示事由の有無について本件条例6条は、「実施機関は、開示の請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報が記載されているときは、当該文書を開示しないことができる。」と定めており、同条の1号から8号に開示しないことができることになる各情報が同順位で規定されており、その2号には、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るもの」、その3号には、「法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、開示することにより、当核法人等又は当該個人の競争上の地位その他の正当な利益を害すると認められるもの」、その6号には、「県の機関又は国等の機関が行う事務事業に係る意思形成過程における審議、検討、調査、研究等に関する情報であって、開示することにより、当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に著しい支障が 「県の機関又は国等の機関が行う事務事業に係る意思形成過程における審議、検討、調査、研究等に関する情報であって、開示することにより、当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に著しい支障が生ずるおそれがあるもの」、その7号には、「県の機関が行う検査、監査、争訟、交渉、渉外、入札、試験、徴税、人事その他の事務事業に関する情報であって、開示することにより、当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の実施の目的が損なわれ、又はこれらの事務事業の公正若しくは円滑な実施に著しい支障が生ずるおそれのあるもの」と、その性質、内容がそれぞれが規定されている。 本件公文書に記載された情報が本件条例6条各号のうちの2号、3号、6号及び7号のいずれに該当するかしないかは、これら各号への該当性を判断する要素となる本件公文書に記載された情報の性質及び内容、並びに情報開示による影響等の如何により決定されるものであるから、以下、これを検討する。 前記当事者間に争いのない事実、乙第2号証、第3号証、第4号証の1、第18ないし第21号証、第25号証、第26号証、第29ないし第31号証、第33ないし第35号証、第36号証の1ないし5、第44号証、第45号証、並びに弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 (1) 本件公文書に記載された情報の性質について本件公文書は、知事部局(総務部、企画調整部、生活環境部、保健福祉部、商工労働部、農林水産部、土木部、出納局、福島県立医科大学)、企業局、教育庁、監査委員会事務局、人事委員会事務局及び地方労働委員会事務局に属する354の各所属(本庁の各課、出先の事務所)における公費支出の実態を把握し、より社会情勢に適合した公費支出の諸制度の確立を図ることを目的として実施された、福島県公費支出調査検討委員会の事務事業として位置 の各所属(本庁の各課、出先の事務所)における公費支出の実態を把握し、より社会情勢に適合した公費支出の諸制度の確立を図ることを目的として実施された、福島県公費支出調査検討委員会の事務事業として位置づけられるところの公費支出調査により得られた情報が記載されているところ、その公費支出調査は、その調査方法として、平成6年度から平成8年度までの3年度にわたる不適正な支出を含めた公費支出の実態を把握するため、354の各所属において、月次資料(支払予算明細表、支出負担行為明細表等)と関係資料との突き合わせのほか、所属長(本庁の各課、出先の事務所の長)等と関係者(庶務担当課長、係長、前任者、退職者等)とのヒアリングを実施し、公表しないことを前提として自らに不利益になる事実、すなわち、支出命令書と支出実態が異なるなどの支出形態についての報告を自主的に申告してもらう形(実態メモ)で実施されたものであり、その結果により得られた情報は、公務に関連する情報ではあるが、情報を提供した者との間の信義や情報の中に顕れた個人、法人及び団体の個々の名誉、信用及び社会的評価への影響について、慎重な配慮が要請される情報である。 (2) 本件公文書の記載経過及び情報の内容について① 原判決別紙文書目録1の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(総括表)所属毎の食糧費支出に関する実態調査メモの総括表であり、原判決別紙文書目録4の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(執行一覧表)の作成過程で明らかとなった実態と異なる支出の件数、支出額等の総括的な状況を記載したものである。 内容として、ア支出件数・支出額、イ実態と異なる支出件数・支出額、ウ職員間の飲食等に充当した件数・支出額、エ単価差の補填の金額、オ酌婦代等に使用した金額が記載されており、また、そ る。 内容として、ア支出件数・支出額、イ実態と異なる支出件数・支出額、ウ職員間の飲食等に充当した件数・支出額、エ単価差の補填の金額、オ酌婦代等に使用した金額が記載されており、また、その他として、支出の相手先、食糧費以外に支出した内容等が記載されており、個人名、業者名、法人・団体名や食糧費支出との関わりが明らかになる。 ② 原判決別紙文書目録2の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(支出額・件数等表)所属毎の食糧費支出に関する実態調査メモの配分予算項目毎の件数・支出額等の集計表であり、原判決別紙文書目録4の執行一覧表の作成過程で明らかとなった実態と異なる支出を、ア職員間の飲食等に充当、イその他に分けて、それぞれの件数、支出額、財源内訳を配分予算の目毎に集計したものである。 ③ 原判決別紙文書目録3の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(形態別状況表)所属毎の食糧費支出に関する実態調査メモの執行形態別の件数・支出額等の集計表であり、原判決別紙文書目録4の執行一覧表記載の執行形態毎に集計し、そのうち同執行一覧表の作成過程で明らかとなった実態と異なる支出を、ア職員間の飲食等に充当、イその他に分けて、それぞれの件数、支出額を記載したものである。 内容として、ア執行形態(A会合等・対国等、B会合等・対民間、C会議の弁当茶菓、D接客用茶菓代、Eその他)毎の件数・支出額、イ実態と異なる支出のうち、職員間の飲食等に充当した件数・支出額とその他の件数・支出額が記載されている。 ④ 原判決別紙文書目録4の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(執行一覧表)所属毎の食糧費支出に関する実態調査メモの執行一覧表であり、各所属の事務担当者(本庁各課は、総務担当課長補佐、総務担当係長、出先事務所は、総務担当次 ・食糧費支出に関する実態調査メモ(執行一覧表)所属毎の食糧費支出に関する実態調査メモの執行一覧表であり、各所属の事務担当者(本庁各課は、総務担当課長補佐、総務担当係長、出先事務所は、総務担当次長、総務課長、総務担当係長。)が調査対象年度に執行した食糧費全てについて案件毎にその内容(執行日、目的・概要、支出先等)、執行形態、実態と異なる支出の状況を記載したものであり、うち実態と異なる支出については、月次資料の調査のみでは実態の把握が困難であったため、事務担当者が、調査年度に在籍していた自らと同じ立場の職員や実際に懇談会等に出席した職員等からのヒアリング、関係資料の調査等を通じ、自己またはヒアリングの対象となった職員にとって不利益な内容をも含む事実について、その支出額と調書との具体的相違点を記載したものである。 内容として、食糧費の調書毎に調書番号、費目、負担行為年月日、出納機関決済日、執行形態、執行日、納入日、執行の目的、概要、支出先、支出額、調書との相違点が記載されており、また、支出先としての業者名等や食糧費支出との関わりも記載されている。 ⑤ 原判決別紙文書目録5の部局作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(部局計)のうち、「うち実態と異なる支出の内訳」欄記載部分所属毎の食糧費支出に関する実態調査メモの部局別(知事部局、企業局及び教育庁に所属する11の部局を指す。以下、同じ。)の集計表であり、当該部局内の所属において作成された原判決別紙文書目録2の支出額・件数等表の支出額・件数等の所属計の一覧を記載したものである。 内容として、部局内の所属毎の実態と異なる支出の内訳として、ア職員間の飲食等に充当と、イその他に分けて、件数、支出額、財源内訳が記載されている。 ⑥ 原判決別紙文書目録6の部局作成資料・食糧費支出に関する実態 部局内の所属毎の実態と異なる支出の内訳として、ア職員間の飲食等に充当と、イその他に分けて、件数、支出額、財源内訳が記載されている。 ⑥ 原判決別紙文書目録6の部局作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(形態別部局計)のうち、「実態と異なる支出」欄記載部分所属毎の食糧費支出に関する実態調査メモの部局別の集計表であり、当該部局内の所属において作成された原判決別紙文書目録3の形態別状況表の所属計の一覧を記載したものである。 内容として、部局内の所属毎の形態別(A会合等・対国等、B会合等・対民間、C会議の弁当茶菓、D接客用茶菓、Eその他)及び所属計として実態と異なる支出の件数、支出額が記載されている。 ⑦ 原判決別紙文書目録7の所属作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(総括表)所属毎のその他の節の支出に関する実態調査メモの総括表であり、原判決別紙文書目録8の所属作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(実態と異なる支出個別表)の作成過程で明らかとなった実態と異なる支出の件数、支出額等の総括的な状況を記載したものである。 内容として、ア実態と異なる支出の件数・支出額、そのうち諸経費へ流用した件数・支出額とその他の件数・支出額、内容、イ節の本来の目的外、または調書記載と異なる内容で事務的経費に充当した状況が記載されており、また、支出先としての業者名等や実態と異なる支出との関わりも記載されている。 ⑧ 原判決別紙文書目録8の所属作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(実態と異なる支出個別表)所属毎のその他の節の支出に関する実態調査メモの実態と異なる支出の個別の一覧表であり、各所属の事務担当者が、調査対象年度に在籍していた自らと同じ立場の職員等からのヒアリング等を通じ、自己またはヒアリングの対象となった職員にとって不利益な内 モの実態と異なる支出の個別の一覧表であり、各所属の事務担当者が、調査対象年度に在籍していた自らと同じ立場の職員等からのヒアリング等を通じ、自己またはヒアリングの対象となった職員にとって不利益な内容をも含む事実について、実態と異なる支出を、ア諸経費への流用、イその他に分けて、それぞれの支出額、財源内訳を記載するとともに、調書との具体的相違点等を記載したものである。 内容として、その他の節の調書毎に調書番号、費目、負担行為年月日、調書上の内容(支出内容、目的、業者名、支出額)、うち実態と異なる支出の内訳として、諸経費へ流用した支出額・財源内訳、その他の支出額・財源内訳、調書との相違点が記載されており、また、支出先としての業者名等や実態と異なる支出との関わりも記載されている。 ⑨ 原判決別紙文書目録9の部局作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(部局計)所属毎のその他の節の支出に関する実態と異なる支出の部局別の集計表であり、当該部局内の所属において作成された原判決別紙文書目録8の支出個別表の実態と異なる支出部分の所属計の一覧を記載したものである。 内容として、部局内の所属毎の実態と異なる支出の内訳として、諸経費へ流用とその他に分けて、件数・支出額・財源内訳が記載され、備考欄には支出先としての業者名等や実態と異なる支出との関わりも記載されている。 ⑩ 原判決別紙文書目録10の所属作成資料・諸経費流用分に係る総括メモ所属毎の諸経費流用分を集計した総括メモであり、各所属の所属長や事務担当者は、流用された金銭は既に別の支出として手続が完了し、実際に流用される際には公文書としての関係資料が作成されていないことから、残されていた領収書やメモなどを手掛りに調査対象年度に在籍していた自らと同じ立場の職員等からのヒアリング等を行い、可能な限り、 際に流用される際には公文書としての関係資料が作成されていないことから、残されていた領収書やメモなどを手掛りに調査対象年度に在籍していた自らと同じ立場の職員等からのヒアリング等を行い、可能な限り、流用に係る個々の使途の内容及び金額を特定したものである。 内容として、使途の内訳(事務的経費に充当、慶弔的経費に充当、国等との折衝経費に充当、会議等負担金に充当、各種団体との懇談会等に充当、職員間の飲食等に充当、職員への旅費としての支給、その他の費用に充当)毎に、支出件数・支出額・支出額の節別内訳(旅費、賃金、報償費、その他)が記載されており、事務的経費・慶弔的経費・折衝経費の支出先、会議・懇談・飲食等の参加者、旅費の受給者等も記載されている。 ⑪ 原判決別紙文書目録11の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(①事務的経費に充当)所属毎の諸経費流用分に関し、事務的経費(事務用参考図書等、臨時事務補助員の雇用、高速道路利用料、備品購入費等)に充当した使途内容を記載した内訳表であり、原判決別紙文書目録10の総括メモに関する調査により特定された事務的経費に充当した使途内容、金額、証明できるものを個別に記載したものである。 ⑫ 原判決別紙文書目録12の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(②慶弔的経費に充当)所属毎の諸経費流用分に関し、慶弔的経費(業務に関係する団体や個人への祝い金、香典等)に充当した使途内容を記載した内訳表であり、原判決別紙文書目録10の総括メモに関する調査により特定された慶弔的経費に充当した使途内容、金額、証明できるもの(証明に用いた資料)を個別に記載したものである。 ⑬ 原判決別紙文書目録13の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(③国等との折衝経費に充当)所属毎の諸経費流用分に関し、国等との折衝経費( (証明に用いた資料)を個別に記載したものである。 ⑬ 原判決別紙文書目録13の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(③国等との折衝経費に充当)所属毎の諸経費流用分に関し、国等との折衝経費(国の関係省庁、他都道府県及び市町村との懇談、地権者への茶菓子等)に充当した使途内容を記載した内訳表であり、原判決別紙文書目録10の総括メモに関する調査により特定された国等との折衝経費に充当した使途内容、金額、証明できるもの(証明に用いた資料)を個別に記載したものである。 ⑭ 原判決別紙文書目録14の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(④会議等負担金に充当)所属毎の諸経費流用分に関し、会議等負担金(ブロック会議、研修会、協議会等の負担金、講習会等受講料、会議用テキスト代等)に充当した使途内容を記載した内訳表であり、原判決別紙文書目録10の総括メモに関する調査により特定された会議等負担金に充当した使途内容、金額、証明できるもの(証明に用いた資料)を個別に記載したものである。 ⑮ 原判決別紙文書目録15の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(⑤各種団体との懇談会等に充当)所属毎の諸経費流用分に関し、各種団体との懇談会等(審議会、協議会、委員会、外部団体等との懇談)に充当した使途内容を記載した内訳表であり、原判決別紙文書目録10の総括メモに関する調査により特定された各種団体との懇談会等に充当した使途内容、金額、証明できるもの(証明に用いた資料)を個別に記載したものである。 (3) 本件公文書が開示された場合に判明する事項及び開示情報に接した者が抱く疑念について① 原判決別紙文書目録1の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(総括表)ア文書開示により所属名が開示されると、職員録等により当時の所属長、支出担当者、所属職員の 者が抱く疑念について① 原判決別紙文書目録1の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(総括表)ア文書開示により所属名が開示されると、職員録等により当時の所属長、支出担当者、所属職員の氏名が判明し、後記の情報から当該職員と所属における公費不適正支出との関与が強く疑われる。 イ文書開示により、所属の食糧費の実態と異なる支出の件数、支出額、その内容としての職員間の飲食等の件数・支出額、その他として、単価差の補填の金額、酌婦代等に使用した金額、その他の具体的金額が判明し、所属全体の食糧費支出に占める実態と異なる支出の割合も明らかとなり、他の所属の本件文書の開示により、所属によって実態と異なる支出の有無、多寡、時期による支出の相違等が明らかになり、他の所属の食糧費支出の実態との比較も可能となる。 ウ文書開示により、「その他の項(具体的に記入すること)」に支出の相手方などとして記載された個人、法人及び団体が県の公費不適正支出への関与を疑われる。 ② 原判決別紙文書目録2の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(支出額・件数等表)ア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属の食糧費の実態と異なる支出の件数、支出額、その内容としての職員間の飲食等の件数・支出額、その他の件数、支出額が判明し、所属全体の食糧費支出に占める実態と異なる支出の割合も明らかとなり、他の所属の本件文書の開示により、所属によって実態と異なる支出の有無、多寡、時期による支出の相違等が明らかになり、他の所属の食糧費支出の実態との比較が可能となる。 ③ 原判決別紙文書目録3の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(形態別状況表)ア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属の執行形態別の件数・支出額及びうち実態と異なる支出額の件数・支出額が判明するほか、②イと同じ 所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(形態別状況表)ア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属の執行形態別の件数・支出額及びうち実態と異なる支出額の件数・支出額が判明するほか、②イと同じ。 ④ 原判決別紙文書目録4の所属作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(執行一覧表)ア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属の食糧費の調書1件毎の具体的内容(目的、懇談の出席者、単価等)、うち実態と異なる支出に係る不適正執行の具体的内容(支出負担行為調書記載事項との相違点として、不適正執行の具体的手法等)が判明するほか、③イと同じ。 ウ文書開示により、「目的・概要」欄に記載された、懇談等の相手方としての県職員以外の個人やその氏名を冒用された県職員が県の公費不適正支出への関与を疑われる。 また、「支出先」の欄に支出の相手方として記載された業者、ことに名称を繰り返し使用されている業者が県の公費不適正支出への関与を強く疑われたり、「うち実態と異なる支出」の欄における実態と異なる支出が生じた理由の記載が記入スペースの制約等から不十分なため、文書開示を受けた者の捉え方次第では、業者が公費の不適正支出の形成に協力したとの誤解をもたれたりするおそれがある。 ⑤ 原判決別紙文書目録5の部局作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(部局計)のうち、「うち実態と異なる支出の内訳」欄記載部分ア ①アと同じ。 イ ②イと同じ。 ⑥ 原判決別紙文書目録6の部局作成資料・食糧費支出に関する実態調査メモ(形態別部局計)のうち、「実態と異なる支出」欄記載部分ア ①アと同じ。 イ ③イと同じ。 ⑦ 原判決別紙文書目録7の所属作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(総括表)ア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属のその他の節の「実態と異なる支出」の件数、支出額、そ イ ③イと同じ。 ⑦ 原判決別紙文書目録7の所属作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(総括表)ア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属のその他の節の「実態と異なる支出」の件数、支出額、その内容としての諸経費へ流用した件数・支出額、その他の件数・支出額及び実態と異なる支出の具体的内容が判明し、他の所属の本件文書も開示されると、所属によって実態と異なる支出の有無、多寡、時期による支出の相違等が明らかになり、他の所属のその他の節の支出の実態との比較も可能となる。 ウ文書開示により、「その他」の項に支出の相手方として記載された業者が県の公費不適正支出への関与を疑われたり、「その他」の項における実態と異なる支出が生じた理由の記載が記入スペースの制約等から不十分なため、文書開示を受けた者の捉え方次第では、業者が公費の不適正支出の形成に協力したとの誤解をもたれたりするおそれがある。 ⑧ 原判決別紙文書目録8の所属作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(実態と異なる支出個別表)ア ①アと同じ。 イ ⑦イと同じ。 ウ文書開示により、「調書上の内容」、「業者名」の欄に支出の相手方として記載された業者が県の公費不適正支出への関与を疑われたり、「その他」の項における実態と異なる支出が生じた理由の記載が記入スペースの制約等から不十分なため、文書開示を受けた者の捉え方次第では、業者が公費の不適正支出の形成に協力したとの誤解をもたれたりするおそれがある。 ⑨ 原判決別紙文書目録9の部局作成資料・その他の節に関する実態調査メモ(部局計)ア ①アと同じ。 イ ⑦イと同じ。 ウ文書開示により、「備考」欄に支出の相手方として記載された業者が県の不適正支出への関与を疑われたり、「備考」欄における実態と異なる支出が生じた理由の記載が記入スペースの制約等から不 ⑦イと同じ。 ウ文書開示により、「備考」欄に支出の相手方として記載された業者が県の不適正支出への関与を疑われたり、「備考」欄における実態と異なる支出が生じた理由の記載が記入スペースの制約等から不十分なため、文書開示を受けた者の捉え方次第では、業者が公費の不適正支出の形成に協力したとの誤解をもたれたりするおそれがある。 ⑩ 原判決別紙文書目録10の所属作成資料・諸経費流用分に係る総括メモア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属の諸経費流用分の支出に係る件数、支出額、使途別の件数、支出額が判明し、他の所属の本件文書の開示により、所属によって諸経費流用分の件数、多寡、使途別等の相違が明らかになり、他の所属の諸経費流用分の支出の実態との比較が可能となる。 ⑪ 原判決別紙文書目録11の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(①事務的経費に充当)ア ①アと同じ。 イ文書開示により、所属の諸経費流用分(事務的経費に充当)の支出に係る具体的使途内容(県職員以外の特定の個人が識別される職名または氏名、法人、団体等の名称が記載されている場合がある。)、金額等が判明し、他の所属の本件文書の開示により、所属によって事務的経費への流用の件数、多寡、使途内容の相違等が明らかになり、他の所属の諸経費流用分(事務的経費に充当)の支出の実態との比較が可能となる。 ウ文書開示により、「使途内容」欄の支出の相手方として記載された法人、団体が県の不適正支出への関与を疑われたり、繰り返し名称を使用されている法人が公費の不適正支出の形成に協力したとの誤解をもたれたりするおそれがある。 ⑫ 原判決別紙文書目録12の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(②慶弔的経費に充当)ア ①アと同じ。 イ ⑪イと同じ(ただし、「事務的経費」を「慶弔的経費」と改める。)。 ウ ⑪ がある。 ⑫ 原判決別紙文書目録12の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(②慶弔的経費に充当)ア ①アと同じ。 イ ⑪イと同じ(ただし、「事務的経費」を「慶弔的経費」と改める。)。 ウ ⑪ウと同じ。 ⑬ 原判決別紙文書目録13の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(③国等との折衝経費に充当)ア ①アと同じ。 イ ⑪イと同じ(ただし、「事務的経費」を「国等との折衝経費」と改める。)。 ウ ⑪ウと同じ。 ⑭ 原判決別紙文書目録14の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(④会議等負担金に充当)ア ①アと同じ。 イ ⑪イと同じ(ただし、「事務的経費」を「会議等負担金」と改める。)。 ウ ⑪ウと同じ。 ⑮ 原判決別紙文書目録15の所属作成資料・諸経費流用分に係る使途内訳表(⑤各種団体との懇談会等に充当)ア ①アと同じ。 イ ⑪イと同じ(ただし、「事務的経費」を「各種団体との懇談会等」と改める。)。 ウ ⑪ウと同じ。 (4) 情報開示による影響について① 所属の職員との関係本件公文書が開示された場合、職員録等により公費の不適正支出のあった当時の所属の所属長、支出担当者及び所属職員の氏名が判明することになるところ、これらの職員は、本件公文書に記載された食糧費及びその他の節の実態と異なる支出の状況や諸経費流用分の支出の状況と結びつけられて、個々の具体的関与の有無、公費支出の実情、予算制度の問題点などについての検討がないまま、所属の公費の不適正支出全体についての関与を印象づけられ、かつ、各所属毎の公費の不適正支出の実態についての比較を通じて、他の所属の職員との比較において公費の不適正支出についての関与の程度が検討され得る状態におかれることになるが、このような状況の下で、これらの職員に対する非難や問責は、抽象的なものにとどまらず、よ て、他の所属の職員との比較において公費の不適正支出についての関与の程度が検討され得る状態におかれることになるが、このような状況の下で、これらの職員に対する非難や問責は、抽象的なものにとどまらず、より具体的なものへと発展するおそれが高い。 そして、本件公文書が開示されることになれば、公表しないことを前提に自らの不利益な事実を申告した多数の職員との間の信頼関係を損なうばかりか、前記ような事態の発生により、不満や不快感を抱き、このため、将来において、職員の自主的な申告を必要とする公務関係の調査が実施された場合、前記のような事態を経験した多数の職員のみならず、このことを聞知した他の職員においても、仮に調査自体には協力するとしても、当然、自己に不利益な事実が将来情報開示されるとの意識の下で申告することになるから、正確な事実の把握を困難にするおそれがあり、または事実を隠蔽しようと違法不正な行為を図り、若しくはそのような行為がなされても、その発見が困難となるおそれの生じることが避けられないというべきである。 ② 県職員以外の個人、法人及び団体との関係本件公文書が開示された場合、本件公文書に記載された個人、法人及び団体は、県の公費不適正支出への関与を一般的に疑われたり、中には、法人、業者がその公費不適正支出の形成に協力したとの誤解をもたれたり、また、その関与を疑われた個人、法人及び団体が積極的に弁明をしなければならない立場に立たされたりして、これらの個人あるいは構成員において、不満や不快の念を抱くことになることが容易に予想される。その結果、個人、法人及び団体の名誉、信用及び社会的評価についての正当な利益が害されることになる。 3 そこで、前記2の事実を基に、本件公文書に記載された情報の非開示事由の有無を検討する。 前記2(1)及び2(2)の事 び団体の名誉、信用及び社会的評価についての正当な利益が害されることになる。 3 そこで、前記2の事実を基に、本件公文書に記載された情報の非開示事由の有無を検討する。 前記2(1)及び2(2)の事実に照らせば、福島県公費支出調査検討委員会による公費支出調査は、本件条例6条7号の「県の機関が行う検査、監査、争訟、交渉、渉外、入札、試験、徴税、人事その他の事務事業に関する情報」にいう事務事業の範疇に入るものであること、かつ、本件公文書に記載された情報がその事務事業に関する情報に該当するものであることは、明らかであるというべきである。 そして、本件公文書に記載された情報が開示された場合には、前記2(3)及び2(4)の事実のとおりの軽視し得ない影響が発生することが避けられないことから、将来の同種の事務事業(公費支出の調査に限られず、その他、地方行政の実情を正確に把握し、適正な地方行政の確立を目的として実施されるところの、職員の真実を反映した自主的な申告を必要とする公務関係の調査)の実施の目的が損なわれ、または将来の同種の事務事業の公正若しくは円滑な実施に著しい支障が生ずるおそれがあるというべきである。 したがって、本件公文書に記載された情報は、本件条例6条7号に該当するものであり、本件条例6条の他の各号への該当性の有無を問わず、控訴人が適法に、これを開示しないことができるものというべきである。 4 以上の次第で、本件処分のうち、本件公文書を非開示とした部分は、いずれも適法であり、被控訴人の本訴請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。 したがって、これと異なる原判決は相当でなく、本件控訴は理由があるから、原判決を取り消し、被控訴人の本訴請求をいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法67条2項、 たがって、これと異なる原判決は相当でなく、本件控訴は理由があるから、原判決を取り消し、被控訴人の本訴請求をいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法67条2項、61条を適用して、主文のとおり判決する。 仙台高等裁判所第三民事部裁判長裁判官喜多村治雄裁判官小林崇裁判官片瀬敏寿

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