【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人宅島康二の上告理由について 原審が適法に確定したところによれば、(
主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人宅島康二の上告理由について 原審が適法に確定したところによれば、(1) Dは、被上告人に対し土地区画整 理法(以下「法」という。)一〇四条により同人所有の本件宅地の換地に伴う清算 金債権一五九万四七二六円を有していたところ、上告人は、昭和五四年一〇月一日 同人の債権者として右清算金債権に対し差押・転付命令を得た、(2) 本件宅地に ついて換地処分をした旨の公告があつた昭和五四年二月二八日当時、本件宅地につ いてはE信用金庫外一名を根抵当権者とする根抵当権が設定され、その旨の登記が 経由されていた、(3) 土地区画整理事業の施行者の大阪市長は、右根抵当権を有 する債権者から右清算金を供託しなくてもよい旨の申出がなかつたので、昭和五四 年一二月一四日法一一二条により右清算金一五九万四七二六円を、被供託者を土地 所有者D又は根抵当権者E信用金庫外一名として、大阪法務局に供託した、という のである。 ところで、法一一二条一項は、施行者は、施行地区内の宅地について清算金を交 付する場合において、当該宅地について抵当権等があるときは、抵当権等を有する 債権者から供託しなくてもよい旨の申出がない限り、右清算金を供託しなければな らない旨定めているが、その趣旨は、右のような場合、施行者が清算金を直接宅地 所有者に払い渡してしまうと、抵当権等を有する債権者が事実上右清算金に対し物 上代位権を行使することができなくなるおそれがあるので、右抵当権者等を保護す るため、抵当権等を有する債権者から供託しなくてもよい旨の申出がない限り、右 清算金を供託しなければならないことにしたものであるから、その反面として、宅 - 1 - 地所有者は、施行者に対し直接右清算金の支払 、抵当権等を有する債権者から供託しなくてもよい旨の申出がない限り、右 清算金を供託しなければならないことにしたものであるから、その反面として、宅 - 1 - 地所有者は、施行者に対し直接右清算金の支払を請求することができず、単に施行 者に対し右清算金を供託すべきことを請求しうるにすぎないものと解するのが相当 である。そして、清算金債権の右のような内容及び効力は、右債権が譲渡等により 宅地所有者から第三者に移転しても異なるものではなく、宅地上に抵当権等を有す る者があらかじめ物上代位権を行使して差押えをする以前に右の譲渡等が行われた 場合においても、これにより右債権の移転を受けた者において施行者に対し直接清 算金の支払を請求することができることとなるわけのものではないというべきであ る。してみれば、前記事実関係のもとにおいて、上告人がDの被上告人に対する前 記清算金債権について差押・転付命令を得たとしても、これによつて被上告人に対 し直接右清算金の支払を請求することができるものではないものといわざるをえな い。これと同趣旨の原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論 の違法はない。論旨は、ひつきよう、原判決を正解せず、又は右と異なる見解に基 づいて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主 文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 和 田 誠 一 裁判官 藤 崎 萬 里 裁判官 中 村 治 朗 裁判官 谷 口 正 孝 - 2 - 裁判官 中 村 治 朗 裁判官 谷 口 正 孝 - 2 -
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