昭和37(あ)426 建造物侵入、威力業務妨害

裁判年月日・裁判所
昭和38年12月26日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人佐伯静治、同小林直人、同小島成一、同大野正男の上告趣意第一点につい て。  論旨は、単なる法令違反の主張であつて、

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判決文本文1,951 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人佐伯静治、同小林直人、同小島成一、同大野正男の上告趣意第一点について。 論旨は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 (所論引用の判例は、事案を異にする本件に不適切であり、また原判決は、本件事案の確定された事実関係の下においては、所論残留を正当ならしめる事由が存在しないとした趣旨であること、原判文を通読すれば、自から明らかである。原判決およびその維持する一審判決には、刑法一三〇条の解釈適用につき、所論のような過誤は認められない。)同第二点について。 論旨は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(本件争議当日における取引所側の、原認定のような計画によつて実施される業務は、平常の取引所業務に比し内容的に遠くおよばないことは否定できないが、しかしこれによつても、取引所業務の本質的部面とみられる証券取引の公正の監視、価格の確定とその公示については勿論、ややサービス的性格を有するとみられる受渡、清算についても、不十分ながら、取引所としての機能を発揮し、一応取引所としての業務を遂行し得たものであることが認められ、少くとも刑法二三四条による保護に値する業務の実体を有していたものと解せられる旨、および一審判決判示第二の二の判示場立人らの判示取引所建物内への入場阻止がなされた午后三時をやや過ぎた頃においても、もしこれらの場立人らが青行隊員らに阻止されることなく立会場に入場することができ、直ちに取引所側から延刻の申請があつたとすれば、大蔵大臣においても該申請を許可したものと認められるから、右時刻頃にお- 1 -いても場立人らが行おうとした業務が存在しなかつたとはいえない旨の原判決の判断は、相当である の申請があつたとすれば、大蔵大臣においても該申請を許可したものと認められるから、右時刻頃にお- 1 -いても場立人らが行おうとした業務が存在しなかつたとはいえない旨の原判決の判断は、相当である。それ故、原判決には、証券取引法、取引所業務規程、同補助規則の所論各規定および刑法二三四条の解釈適用につき、所論のような違法があるとは認められない。)同第三点について。 論旨は、事実誤認、単なる訴訟法違反(採証法則違背を含む。)の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 同第四点(第一ないし第三のすべてを含む。)について。 論旨中、原判決が当裁判所の判例に違反すると主張する点は(論旨は、これを明記していないけれども、その引用判文からみて、昭和三三年五月二八日大法廷判決、刑集一二巻八号一六九四頁以下を指示するものと認める。なお、所論引用のいわゆるA上告事件判決、刑集一〇巻一二号一六〇五頁以下は、本件とは事案を異にし適切でない。)、原判決が争議行為の正当性を判断するに当り、単に平和的説得の域を出ていたかどうかという狭い規準のみにより、諸般の事情からみて正当な範囲を逸脱していたかどうかという広い規準による評価をしていないことを前提として判例違反をいうものである。しかし、原判決およびその維持する一審判決の判示の趣旨は、その認定する本件争議行為の全般にわたる事情から評価して、被告人の原判示所為をもつて争議行為の正当性を逸脱したものと認め、刑法上の威力による業務妨害罪が成立すると判断したものと解せられるので、判例違反をいう論旨はその前提を欠くものであり、その余の論旨は、事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、刑法二三四条の「威力」とは、犯人の威勢、人数および四囲の状勢よりみて、被 あり、その余の論旨は、事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、刑法二三四条の「威力」とは、犯人の威勢、人数および四囲の状勢よりみて、被害者の自由意思を制圧するに足る犯人側の勢力と解するを相当とし、かつ右勢力は客観的にみて被害者の自由意思を制圧するに足るものであればよいのであつて、現実に被害者が- 2 -自由意思を制圧されたことを要するものではないと解すべきであることは、既に昭和二八年一月三〇日当裁判所第二小法廷判決、刑集七巻一号一二八頁以下の示すところである。原判決が、一審判決判示第二の一の(二)の所為を刑法二三四条の威力業務妨害罪に当たるとしたのは、正当である。)よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 昭和三八年一二月二六日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官斎藤朔郎裁判官入江俊郎裁判官下飯坂潤夫- 3 -

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