【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人池辺甚一郎の上告趣意第一点について。 証拠調の範囲、限度は、事実審裁判所の裁量に属するから、原審が所論証人申請
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人池辺甚一郎の上告趣意第一点について。 証拠調の範囲、限度は、事実審裁判所の裁量に属するから、原審が所論証人申請(仮りにAをも証人として由請したとしても)を採用しなかつたからといつて違法であるといえないし、また、原判決挙示の証拠によれば、原判示事実認定を肯認できるから、審理不尽の違法も認め難い。それ故論旨は採用できない。 同第二点について。 しかし、原審の公判調書によれば、原審においては所論被告人の供述調書につき適式な証拠調をしていること明瞭である。そして、被告人の供述調書については、供述者又は作成者を公判期日において審問する機会を与えなくとも証拠と為しうることは刑訴応急措置法一二条の規定に照し明白である。それ故、所論は採用し難い。 同第三点について。 しかし、所論強要の事実を認むべき資料は存しないし、却つて第一審証人Bの供述によれば任意の供述であることを認ることができるから、所論は採用できない。 同第四点について。 しかし、憲法三七条二項の規定は裁判所が被告人又は弁護人から申請した証人は、不必要と思われる者まで悉く訊問しなければならぬという趣旨でないことは当裁判所屡次の判例である。そして、原審が所論証人を不必要と認め採用しなかつたことは、原審審理の経過に照し肯認でき、その裁量に何等違法を認めることができないから、本論旨も採ることができない。 同第五点について。 しかし、原判決挙示の証拠就中原審相被告人の供述記載を綜合すれば、原判示の- 1 -事実認定を肯認できるから、所論はその理由がない。 弁護人鍛治利一、同池辺甚一郎の上告趣意第一点について。 原判決が判示犯罪事実を認定する証拠として、所論被告人の司法警察官に対する自白、並びに原審共同被告 を肯認できるから、所論はその理由がない。 弁護人鍛治利一、同池辺甚一郎の上告趣意第一点について。 原判決が判示犯罪事実を認定する証拠として、所論被告人の司法警察官に対する自白、並びに原審共同被告人Aの原審公判廷における並びに司法警察官に対する判示同趣旨の各供述記載を挙げていることは所論のとおりである。そして被告人は、相被告人を証人として訊問すべき請求をしていないこと公判調書の記載上明白であり、また共同被告人の供述は互に補強証拠となりうるものであつて、これを証拠としても違憲でないことは、当裁判所屡次の判例であるから、原判決が前示共同被告人の供述記載を証拠に採つたのは、一向差し支えない。それ故、所論は、採用できない。 同第二点について。 原審が所論証人申請を却下して取調べなかつたことは、所論のとおりである。しかし証拠調の範囲、限度は、事実審裁判所の裁量に属するところであつて、憲法三七条二項の規定は、裁判所が被告人側申請の証人を不必要と思われる者までを必す取調べなければならない趣旨の規定でないことは当裁判所屡次の判例であるから。 原審が所論証人申請を却下して取調べなかつたからといつて、同憲法の規定に反し又は違法であり、従つて、憲法三一条に違反するということはできないし、また、かゝる裁判を目して憲法三七条一項の公平な裁判所の裁判でないといえないことも当裁判所屡次の判例に照し明らかなところである。きれば、本論旨も採用できない。 よつて、刑訴施行法二条、旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 検察官長部謹吾関与。 昭和二七年一二月一一日最高裁判所第一小法廷- 2 -裁判長裁判官岩松三郎裁判官真野毅 和二七年一二月一一日最高裁判所第一小法廷- 2 -裁判長裁判官岩松三郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官沢田竹治郎は退官につき署名捺印できない。 裁判長裁判官岩松三郎- 3 -
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