昭和28(あ)3601 窃盗

裁判年月日・裁判所
昭和30年7月19日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人花房節男の上告趣意第一点(一)の項について。  所論は、原審において被告人弁護人は被告人にかかる大阪簡易裁判所係属

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判決文本文1,471 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人花房節男の上告趣意第一点(一)の項について。 所論は、原審において被告人弁護人は被告人にかかる大阪簡易裁判所係属中の被告事件の公訴事実が原審係属中の本件被告事件の公訴事実と同一と思われるので右事件を本件に併合審理せられるよう申立てたのに原審がこの申立を却下したことは証人申請を不能ならしめ被告人の証人審問権を不当に侵害したものであると主張し、憲法三七条二項違反を主張するのであるが、原審第一回公判調書(記録三九三丁)によれば、同公判期日には弁護人の控訴趣意書通りの弁論が行われた旨の記載があるだけで、所論のような併合審理の申立があつたことは記載していない(控訴趣意書中にもこの点に触れたところはない)。ただ所論の大阪簡易裁判所に対する被告人にかゝる別件窃盗被告事件の起訴状謄本が右第一回公判調書の次に記録に編綴されているだけである。原審のその他の公判調書にも併合審理のことに関する記載もなく、別に書面による申請も見当らず、原審で弁護人、被告人から証人尋問の申請がなされた形跡なく、併合審理をすべきことの決定があつた事跡も認められない。 しかし右事件を併合せずに本件を審判したからといつても、そのことだけで本件において証人申請をする妨げとなる筈は少しもない。本件記録によれば当事者は証人尋問の申請をすることを制限妨害せられることなくその機会を与へられていたと認められる。しかるに証人尋問の申請がないのであるから、証人審問の機会がなかつたことは当然であり原審裁判所の責に帰すべき失当はない。所論違憲の主張は前提を欠くものであつて上告適法の理由とならない。 記録を調べて見ると、所論の大阪簡易裁判所係属中の事件の公訴犯罪事実は本件の公訴犯罪事実と同一ではなく重複するところなく(単 ない。所論違憲の主張は前提を欠くものであつて上告適法の理由とならない。 記録を調べて見ると、所論の大阪簡易裁判所係属中の事件の公訴犯罪事実は本件の公訴犯罪事実と同一ではなく重複するところなく(単に両犯罪事実は同種であり- 1 -時機も殆んど同一であるというだけで)、両者はそれぞれ別個の事件である。従つて被告人が本件とは別に右事件において有罪の裁判を受けることがあつても本件と同一の犯罪について二重の制裁を加えられたことにはならない。一般に別個の二つの事件が各別に審判された場合にも両方について刑の執行猶予を言渡すことが出来る途も開かれている(刑法二五条二項)。しかし本件と右別件との場合において、すでに本件だけでさえ実刑が言渡されている以上、右別件を併合しても刑の執行猶予の言渡を受ける見込は生じて来ないと見る外ない。 本来この「二重の制裁」云々の主張は併合審理をせられるならば執行猶予の判決が得られることを主張する理由として為されているもので、併合審理の点については前段説示の通りであり、この主張は他に特に上告趣意として為されているものとは解せられない。所論はやはり上告適法の理由とならない。 同上告趣意第一点(二)の項について。 所論は量刑不当の主張に外ならないから刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。 記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべき事由はない。 よつて同法四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。 昭和三〇年七月一九日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官垂水克己裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊 己裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官本村善太郎- 2 -

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