- 1 -平成17年(行ケ)第10844号審決取消請求事件平成18年11月8日判決言渡,平成18年9月20日口頭弁論終結判決原告X被告アテンションシステム株式会社訴訟代理人弁理士岡田全啓主文原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1原告の求めた裁判「特許庁が無効2005-80120号事件について平成17年11月4日にした審決を取り消す」との判決。 。 第2事案の概要本件は,原告から後記本件特許の無効審判請求を受けた特許庁により,同審判請求を不成立とする旨の審決がなされたため,原告が,本件特許の特許権者である被告に対し,同審決の取消しを求めた事案である。 特許庁における手続の経緯( )本件特許(甲第8号証) 特許権者:アテンションシステム株式会社(被告)発明の名称:個人確認システム」「- 2 -特許出願日:平成9年7月29日(特願平9-219085)設定登録日:平成12年8月25日特許番号:特許第3103327号( )本件手続 審判請求日:平成17年4月18日(無効2005-80120号)審決日:平成17年11月4日審決の結論:本件審判の請求は,成り立たない」「。 審決謄本送達日:平成17年11月17日(原告に対し) 本件発明の要旨(,審決が対象とした発明特許請求の範囲の請求項1~3に記載された発明であり以下,これを「本件特許発明1」などという。なお,請求項の数は3個である)。 の要旨は,以下のとおりである。 ( )本件特許発明1 「請求項1】自己を呼び出すための呼び出し番号を記憶した記憶手段を有する【携帯通信機,前記記憶手段から前記呼び出し番号を読み出すための読出手段と通信手段とを有する端末機,および前記呼び出し番号と前記携帯通信機の 己を呼び出すための呼び出し番号を記憶した記憶手段を有する【携帯通信機,前記記憶手段から前記呼び出し番号を読み出すための読出手段と通信手段とを有する端末機,および前記呼び出し番号と前記携帯通信機の持ち主の暗証コードとを関連付けて記憶したコンピュータを含み,前記端末機の前記読出手段によって前記携帯通信機の前記記憶手段に記憶された前記呼び出し番号が読み出されたのち前記端末機から前記コンピュータに前記呼び出し番号が送信され,前記呼び出し番号によって前記コンピュータから前記携帯通信機が呼び出され,前記携帯通信機から暗証コードを前記コンピュータに送信することにより前記コンピュータにおいて前記呼び出し番号と関連付けて記憶された前記暗証コードと照合され,前記コンピュータで前記暗証コードが照合された結果が前記端末機に送信される,個人確認システム」。 ( )本件特許発明2 - 3 -「請求項2】前記コンピュータに記憶された前記暗証コードと前記携帯通信機【から送信された前記暗証コードとが一致したことに対応して,前記端末機に金額デ,,ータが入力され前記端末機から前記金額データが前記コンピュータに送信される請求項1に記載の個人確認システム」。 ( )本件特許発明3 「請求項3】前記コンピュータに記憶された前記暗証コードと前記携帯通信機【から送信された前記暗証コードとが一致したことに対応して,前記端末機において現金の授受が行われ,前記現金の授受に伴う金額データが前記端末機から前記コンピュータに送信される,請求項1に記載の個人確認システム」。 審決の理由の要点審決の理由は,以下のとおりであるが,要するに,原告の主張に係る特開平9-(。 ,,55803号公報審決及び本訴とも甲第1号証以下これに記載された発明を審決に合わせて「甲第 審決の理由の要点審決の理由は,以下のとおりであるが,要するに,原告の主張に係る特開平9-(。 ,,55803号公報審決及び本訴とも甲第1号証以下これに記載された発明を審決に合わせて「甲第1号証発明」という,特開昭61-40669号公報(審。)決及び本訴とも甲第2号証)及び特開昭61-269772号公報(審決及び本訴とも甲第3号証)を引用刊行物として,本件特許発明1は甲第1号証に基づいて,本件特許発明2は甲第1,第2号証に基づいて,本件特許発明3は甲第1,第3号証に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではないから,本件特許は無効とすべきでものではない,というものである。 「1本件発明本件特許の請求項1ないし3に係る発明は,本件明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された次のとおりのものと認められる。 (判決注:上記のとおりにつき省略) 請求人の主張- 4 -,,,,請求人は本件特許発明1は甲第1号証に記載された発明に基づいて本件特許発明2は甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて,また,本件特許発明3は,甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものであると主張する。 被請求人の主張一方,被請求人は,本件特許発明1ないし3は,甲第1号証ないし甲第3号証に記載されておらず,また,これらの記載から容易に想到できたものではないと主張する。 甲第1号証ないし甲第3号証の記載(1)甲第1号証(特開平9-55803号公報)甲第1号証には,図面とともに,次の記載が おらず,また,これらの記載から容易に想到できたものではないと主張する。 甲第1号証ないし甲第3号証の記載(1)甲第1号証(特開平9-55803号公報)甲第1号証には,図面とともに,次の記載がある。 ・0001【発明の属する技術分野】本発明は,電気通信におけるコールバック方法およ「【】び交換システムに関するものである」。 ・0006】本発明は上記問題点の解決を図り,コールバックを要求した端末側またはコー「【ルバックを行う側において,コールバックに係る情報の認証を可能にすることにより,複数のコールバック要求をした端末側で,コールバックの着信があったとき,その着信がどのコールバック要求のものなのかを判断できるようにし,また,コールバックを行う側が情報を配布するような場合に,コールバックした端末がコールバック要求を行った端末か否かを判別できるようにすることを目的とする」。 ・0007【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成するために,交換機に暗証「【】,,,番号発生装置を設け発信端末からの接続毎に暗証番号を発生させトーキートランクからの- 5 -発信端末への受け付け通知時に暗証番号も同時に通知する。それと共に,発信端末の発信者IDを発信者ID取得蓄積装置に格納する際に,該当する暗証番号も格納し,発信端末との通信終了後の情報センタへの発信者ID通知時に,該当暗証番号も同時に通知することでコールバックでの通信時にどのコールバック要求であったかを判別できるようにする」。 ・0008【発明の実施の形態】図1は,本発明の一つの実施例を説明する図である。以「【】下,図に従い具体的に説明する。図1(A)に示すように,発信端末11が情報センタ(または特定着信者)12への発信を行うと,交換機15は発信者ID取得蓄積装置13 実施例を説明する図である。以「【】下,図に従い具体的に説明する。図1(A)に示すように,発信端末11が情報センタ(または特定着信者)12への発信を行うと,交換機15は発信者ID取得蓄積装置13に接続し,発信端末11の発信者IDを取得蓄積すると共に,暗証番号発生装置16に暗証番号発生を依,。 ,。 頼し暗証番号を受け取るそして受け取った暗証番号を発信者IDと関連づけて蓄積するその後,トーキートランク14に暗証番号を通知し,発信端末11との接続をトーキートランク14に移す。トーキートランク14では,発信端末11と接続されると発信者ID取得蓄積装置13から受け取った暗証番号をトーキーに変換し,発信端末11に通知する」。 ・0009】その後,交換機15は,発信端末11を切断状態にした後,情報センタ12へ「【発信し,発信者ID取得蓄積装置13に蓄積された,発信端末11の発信者IDと,発信端末11へ通知した暗証番号を通知する。暗証番号をトーキーで受け取った発信端末11では,発信者が自分で記憶するか,もしくは端末内に記憶させておく」。 ・0010】次に,図1(B)に示すように,情報センタ12がコールバックする時は,情「【報センタ12から,交換機15が通知した発信者IDをもとにコールバック要求した発信端末11を着信端末として呼び出す処理を行う。呼び出された発信端末11は受話器を取る等の動作で通信状態になる。通信状態になると,情報センタ12またはコールバック要求元の発信端,,,末11はそれぞれ交換機15から通知された暗証番号を用いて相手端末送受信情報を確認選択した後,コールバックの処理を行う」。 - 6 -・0011】例えば,情報センタ12から回線接続後,情報センタ12がトーキーにて暗証「【番号を着信者に通知し,着信者が 端末送受信情報を確認選択した後,コールバックの処理を行う」。 - 6 -・0011】例えば,情報センタ12から回線接続後,情報センタ12がトーキーにて暗証「【番号を着信者に通知し,着信者が,それを聞いた後,対応する情報を選択し送出する。また例えば,情報センタ12から回線接続後,情報センタ12が暗証番号を着信者に要求し,着信者にPB等で暗証番号を入力させることで認証し対応する情報を選択して送出する。この暗証番号による認証は,情報センタ12側が行うようにしてもよく,コールバック要求をした端末側が行うようにしてもよい。サービスの内容に応じて決めることができる」。 ・0012【発明の効果】以上説明したように,本発明により複数のコールバックを要求「【】した端末側では,コールバック要求後,どのコールバックの呼かを判断するために,面倒な判別をする必要がなく,かつ端末内の情報が間違って取り出されることが回避できる。また,コールバックを行う端末側も,コールバックを要求した端末と端末内の情報の認証が可能になるシステムが実現できるという効果がある」。 また,発信端末が発信者IDを記憶した記憶手段を有すること,及び,情報センタが発信者IDと発信端末からの接続毎に発生された暗証番号とを関連付けて記憶することは,明らかである。 したがって,甲第1号証には,次の発明が記載されているものと認められる(甲第1号証発明。 )「自己を呼び出すための発信者IDを記憶した記憶手段を有する発信端末,前記記憶手段から前記発信者IDを読み出すための読出手段と通信手段とを有する発信者ID取得蓄積装置,および前記発信者IDと前記発信端末からの接続毎に発生された暗証番号とを関連付けて記憶した情報センタを含み,前記発信者ID取得蓄積装置の前記読出手段によって前記発信端末の前記 信者ID取得蓄積装置,および前記発信者IDと前記発信端末からの接続毎に発生された暗証番号とを関連付けて記憶した情報センタを含み,前記発信者ID取得蓄積装置の前記読出手段によって前記発信端末の前記記憶手段に記憶された前記発信者IDが読み出されたのち前記発信者ID取得蓄積装置から前記情報センタに前記発信者IDが送信され,前記発信者IDによって前記情報センタから- 7 -前記発信端末が呼び出され,前記発信端末から暗証番号を前記情報センタに送信することにより前記情報センタにおいて前記発信者IDと関連付けて記憶された前記暗証番号と照合され,前記情報センタで前記暗証番号が照合された結果が前記発信端末に送信される,交換システム」。 (2)甲第2号証(特開昭61-40669号公報)甲第2号証には,図面とともに,次のシステムが記載されている(第2頁右下欄~第3頁左上欄等参照。 )オンライン銀行POSシステムにおいて,顧客の本人確認が得られた場合に,商店等に設置された端末機10に顧客が購入した商品の代金等の信用取引データが入力され,該データが端末機10から中央装置30に送信されるようにしたシステム。 (3)甲第3号証(特開昭61-269772号公報)甲第3号証には,図面とともに,次のシステムが記載されている(第4頁左下欄等参照。 )バンキングシステムにおいて,顧客の本人確認が得られた場合に,入出金装置51において入金又は出金の取引データが入力され,該取引データに基づいて現金の授受が行われ,該取引データが入出力金装置51から中央処理装置75のホストコンピュータ77に送信されるようにしたシステム。 本件特許発明1について,(1)対比本件特許発明1と,甲第1号証発明とを比較すると,甲第1号証発明の「発信者ID」は本件特許発明1の呼び出し番号に相当 7に送信されるようにしたシステム。 本件特許発明1について,(1)対比本件特許発明1と,甲第1号証発明とを比較すると,甲第1号証発明の「発信者ID」は本件特許発明1の呼び出し番号に相当し以下同様に発信端末は携帯通信機に発「」,,「」「」,「信者ID取得蓄積装置」は「端末機」に「暗証番号」は「暗証コード」に「情報センタ」は,,- 8 -「コンピュータ」にそれぞれ相当する。 したがって,両者は「自己を呼び出すための呼び出し番号を記憶した記憶手段を有する携,帯通信機,前記記憶手段から前記呼び出し番号を読み出すための読出手段と通信手段とを有す,,る端末機および前記呼び出し番号と暗証コードとを関連付けて記憶したコンピュータを含み前記端末機の前記読出手段によって前記携帯通信機の前記記憶手段に記憶された前記呼び出し番号が読み出されたのち前記端末機から前記コンピュータに前記呼び出し番号が送信され,前記呼び出し番号によって前記コンピュータから前記携帯通信機が呼び出され,前記携帯通信機から暗証コードを前記コンピュータに送信することにより前記コンピュータにおいて前記呼び出し番号と関連付けて記憶された前記暗証コードと照合され,前記コンピュータで前記暗証コードが照合された結果が送信される,システム」の点で一致し,次の点で相違する。 。 [相違点]本件特許発明1は,個人確認システムに関するものであり,暗証コードは,携帯通信機の持ち主の暗証コードであり,コンピュータで上記暗証コードが照合された結果は,端末機に送信されるのに対して,甲第1号証発明は,交換システムに関するものであり,暗証コードは,携帯通信機からの接続毎に発生された暗証コードであり,コンピュータで上記暗証コードが照合された結果が携帯通信機に送信される点。 ( て,甲第1号証発明は,交換システムに関するものであり,暗証コードは,携帯通信機からの接続毎に発生された暗証コードであり,コンピュータで上記暗証コードが照合された結果が携帯通信機に送信される点。 (2)判断上記相違点について検討する。 本件特許発明1は,個人確認システムに関するものであり,上記相違点に係る本件特許発明1の構成は,買い物の決済,又は自動預入支払機における現金の支払い等において個人確認を確実にできるようにするためもの(判決注:するためのもの」の誤記と認められ,以下,引「用する場合には訂正して記載する)である。 。 - 9 -これに対して,甲第1号証発明は,交換システムに関するものであり,上記相違点に係る甲第1号証発明の構成は,甲第1号証の上記【0006】段落に記載されるように「複数のコ,ールバック要求をした端末側で,コールバックの着信があったとき,その着信がどのコールバック要求のものなのかを判断できるようにし,また,コールバックを行う側が情報を配布するような場合に,コールバックした端末がコールバック要求を行った端末か否かを判別できるようにする」ためのものである。 本件特許発明1と甲第1号証発明とは,発明の目的,及び作用効果が全く異なっているのであるから,当業者は,甲第1号証発明に基づいて本件特許発明1を容易に想到することは到底できない。 本件特許発明2について本件特許発明2は,本件特許発明1を引用するものであるが,本件特許発明1は,上記したとおり,当業者が甲第1号証発明に基づいて容易に想到できたものではなく,また,甲第1号,。 証発明に甲第2号証に記載されたシステムを組み合わせても容易に想到できたものではない 本件特許発明3について本件特許発明3は,本件特許発明1を引用するものであるが,本件特許発明1は,上記した 。 証発明に甲第2号証に記載されたシステムを組み合わせても容易に想到できたものではない 本件特許発明3について本件特許発明3は,本件特許発明1を引用するものであるが,本件特許発明1は,上記したとおり,当業者が甲第1号証発明に基づいて容易に想到できたものではなく,また,甲第1号,。 証発明に甲第3号証に記載されたシステムを組み合わせても容易に想到できたものではない むすび以上のとおり,本件特許発明1は,甲第1号証に記載された発明に基づいて,本件特許発明2は,甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて,また,本件特許発明3は,甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができ- 10 -たものではないから,本件特許は,無効とすべきものでない」。 第3原告の主張(審決取消事由)の要点 審決は,本件特許発明1の容易想到性の判断において,本件特許発明1と甲第,,。 1号証発明との相違点を誤認しかつ相違点についての判断を誤ったものであるなお,本件特許発明2,3については,審決の6項及び7項の説示に照らして,本件特許発明1に容易想到性が認められないことが,本件特許発明2,3に容易想到性が認められないことの理由とされていることが明らかであるから,本件特許発明1の容易想到性の判断が誤りである以上,本件特許発明2,3の容易想到性の判断も誤りである。 したがって,審決は取り消されるべきである。 取消事由(相違点の認定及び相違点についての判断の誤り)( )審決は,本件特許発明と甲第1号証発明とが「本件特許発明1は,個人確 ,認システムに関するものであり,暗証コードは,携帯通信機の持ち主の暗証コードであり,コンピュータで上記暗証コードが照合された結果は,端末機に送信される,,,,の 特許発明1は,個人確 ,認システムに関するものであり,暗証コードは,携帯通信機の持ち主の暗証コードであり,コンピュータで上記暗証コードが照合された結果は,端末機に送信される,,,,のに対して甲第1号証発明は交換システムに関するものであり暗証コードは携帯通信機からの接続毎に発生された暗証コードであり,コンピュータで上記暗証コードが照合された結果が携帯通信機に送信される点」において相違すると認定した上,当該相違点につき「本件特許発明1は,個人確認システムに関するもので,あり,上記相違点に係る本件特許発明1の構成は,買い物の決済,又は自動預入支払機における現金の支払い等において個人確認を確実にできるようにするためのも。 ,,,のであるこれに対して甲第1号証発明は交換システムに関するものであり上記相違点に係る甲第1号証発明の構成は・・・複数のコールバック要求をした,『端末側で,コールバックの着信があったとき,その着信がどのコールバック要求のものなのかを判断できるようにし,また,コールバックを行う側が情報を配布する- 11 -ような場合に,コールバックした端末がコールバック要求を行った端末か否かを判』。 ,別できるようにするためのものである本件特許発明1と甲第1号証発明とは発明の目的,及び作用効果が全く異なっているのであるから,当業者は,甲第1号証発明に基づいて本件特許発明1を容易に想到することは到底できない」と判断。 した。 しかるところ,審決の上記相違点の認定は,以下の3点に分けることができる。 ( )本件特許発明1は個人確認システムに関するものであるのに対し,甲第1号a証発明は交換システムに関するものである点(以下「相違点a」という。 。)( )本件特許発明1においては,暗証コードは携帯通信機の持ち 1は個人確認システムに関するものであるのに対し,甲第1号a証発明は交換システムに関するものである点(以下「相違点a」という。 。)( )本件特許発明1においては,暗証コードは携帯通信機の持ち主の暗証コードbであるのに対し,甲第1号証発明においては,暗証コードは携帯通信機からの接続毎に発生された暗証コードである点(以下「相違点b」という。 。)( )本件特許発明1においては,コンピュータで上記暗証コードが照合された結c果が端末機に送信されるのに対し,甲第1号証発明においては,コンピュータで上記暗証コードが照合された結果は携帯通信機に送信される点(以下「相違点c」という。 。)そして,相違点a,bについては,その相違点の認定自体が誤りであり,相違点cについては,これについての判断が誤りである。 ( )すなわち,まず,相違点bに関していうと,暗証コードが「携帯通信機の ,持ち主の暗証コードである」ことと「携帯通信機からの接続毎に発生され」るこ,ととは,比較対照の対象として,論理的に整合していない。暗証コードが何に(誰),,に対して付されたものであるかということが比較対照のポイントであるならば甲第1号証発明においても,何に(誰に)対して付されたものであるかを比較の対象としなければならないし,暗証コードが,携帯通信機との接続の都度発生されるなど,その生成過程に着目するのであれば,本件特許発明1においても,暗証コードの生成過程を検討すべきである。このように審決の比較対照が整合していないのは,審決が,本件特許発明1と甲第1号証発明の技術的なポイントを十分に把握し- 12 -ていないことを示すものである。 「」,,暗証コードに関し本件特許発明1と甲第1号証発明との差異の有無につき技術的な検討を要する点は,それぞ 発明の技術的なポイントを十分に把握し- 12 -ていないことを示すものである。 「」,,暗証コードに関し本件特許発明1と甲第1号証発明との差異の有無につき技術的な検討を要する点は,それぞれ「暗証コード」がどのようにして利用され,いかなる役割を果たすのかという点である。そして,甲第1号証発明については,甲第1号証に,発信端末(携帯通信機)から情報センタ(コンピュータ)への発信,(【】)があると暗証コードが生成されて蓄積されることが記載されている段落0008のに対し,本件特許発明1については,発明の要旨に,暗証コードの生成,登録に関する格別の規定はないが「前記呼び出し番号と前記携帯通信機の持ち主の暗証,コードとを関連付けて記憶したコンピュータを含み」との規定により,事前に暗証コードが呼び出し番号と関連付けてコンピュータに記憶されていることが認められるから,本件特許発明1も甲第1号証発明も,認証(暗証コードの照合)に先立って暗証コードが生成され,登録(蓄積,記憶)されているものである。このようにして,暗証コードが登録された後,本件特許発明1においては「コンピュータか,ら前記携帯通信機が呼び出され,前記携帯通信機から暗証コードを前記コンピュータに送信することにより前記コンピュータにおいて前記呼び出し番号と関連付けて」,,記憶された前記暗証コードと照合されるものであり甲第1号証発明においても情報センタが発信端末を呼び出した際に,発信者によって発信端末に入力され,その入力された暗証番号は情報センタにおいて照合され(段落【【,発00100011】,】)信者の個人確認(段落【)が行われる構成になっている。このように,本件0006】,(),特許発明1と甲第1号証発明とは照合前個人確認前に暗証コードが設定 発00100011】,】)信者の個人確認(段落【)が行われる構成になっている。このように,本件0006】,(),特許発明1と甲第1号証発明とは照合前個人確認前に暗証コードが設定されその設定された暗証コードが携帯通信機(発信端末)の使用者によって携帯通信機に入力される手順で個人確認を行う点で,技術的に同一であり,暗証コードの利用の仕方や役割も共通している。したがって,本件特許発明1と甲第1号証発明は,暗証コードに関して,相違点は存在しない。強いて挙げれば,甲第1号証発明の暗証コードは携帯通信機からの接続の都度,発生するのに対し,本件特許発明1は,このような構成を採用していない点が相違するが,このような構成を採用した甲第- 13 -1号証発明に比べ,本件特許発明1は,認証の精度の点で後退しているというだけであって,基本的な技術としては同一である。 ( )相違点aについても,同様に「個人確認システムに関するもの」と「交換 ,システムに関するもの」とが,比較対照の対象として,論理的に整合していない。 このことは,上記( )のとおり「交換システムに関するもの」である甲第1号証発 ,明においても,個人確認(認証)を行っていることに照らして明らかである「個。 人確認システム」に関するものであるかどうかが,比較対象のポイントであるならば,甲第1号証に「個人確認システム」の構成が開示されているかどうかを検討すべきところ,審決は,甲第1号証に実施例として記載された交換システムの用途に拘泥し,それが本件特許発明1と共通する個人確認システムを構築している点を看過して,相違点aの認定を誤ったものである。 ( )上記のように,相違点a,bの認定は誤りであるから,審決のした上記相違 点についての判断は,相違点cについての判断と解する ムを構築している点を看過して,相違点aの認定を誤ったものである。 ( )上記のように,相違点a,bの認定は誤りであるから,審決のした上記相違 点についての判断は,相違点cについての判断と解することになるところ,相違点cにつき「本件特許発明1と甲第1号証発明とは,発明の目的,及び作用効果が,全く異なっているのであるから,当業者は,甲第1号証発明に基づいて本件特許発明1を容易に想到することは到底できない」とする判断は,以下のとおり,誤り。 である。 すなわち,個人確認(認証)の結果をどう利用するかは,それぞれの認証技術が適用される用途に応じて選択すればよいことである。そして,特開平8-115366号公報(甲第7号証)に,クレジットカードによる買い物のシステムが挙げられており,本件特許発明1の「コンピュータ」に相当するカード会社6から「端,末機」に相当する端末装置1に認証結果を送信することが開示されている(段落【】~【)ように,顧客が店舗で買物をする際に,店舗とは離れたセン00230026】タでその顧客の認証を行い,その認証結果を店舗側の端末に送信することは,本件出願前によく知られた事項である。また,端末機が認証結果の送信を受けて,その認証結果に基づきサービスを提供する例は,本件特許の審査段階における拒絶理由- 14 -通知(甲第4号証)に引用された特開平8-221482号公報(甲第5号証)にも開示されている。要するに,認証結果は,それを必要とするところに送信されるべきもの(それを必要とするところが送信を受けるもの)である。 ,,,,なお甲第7号証につき被告は無効審判請求の理由として主張されておらず審決において判断の対象とされていない刊行物であるから,これに記載された事項,,,に基づく主張は許されないと主張する ,,なお甲第7号証につき被告は無効審判請求の理由として主張されておらず審決において判断の対象とされていない刊行物であるから,これに記載された事項,,,に基づく主張は許されないと主張するところ原告は甲第7号証の記載に基づき新たな無効理由を主張するものではなく,無効審判請求書(乙第1号証)の「認証結果は,それを必要とするところに送信すればよいのであって,いずれに送信するかは設計事項である(9頁下から11~10行)との主張を敷衍しているにすぎ」ない。このことは,甲第7号証についても同様である。 本件特許発明1においては,コンピュータで暗証コードが照合された結果が,端末機に送信されるのに対し,甲第1号証発明においては,コンピュータで暗証コードが照合された結果が,携帯通信機に送信されるという相違(相違点c)は,認証技術を買い物の決済に利用するか,情報等の配布要求に使用するかという,認証技術の「用途」の違いによって生じたものであり,単なる選択的事項の差異にすぎない。本件特許発明1の個人確認の技術構成は甲第1号証にすべて開示されており,そこで示されている技術構成を買物の決済に用い,確認結果を端末機に送信させる程度のことは,甲第1号証発明について,単に用途を変更したという域を出ないから,審決の上記判断が誤りであることは明らかである。 第4被告の反論の要点 審決の認定判断に原告主張の誤りはなく,原告の請求は理由がない。 取消事由(相違点の認定及び相違点についての判断の誤り)に対し( )原告は,審決がした相違点の認定のうち,相違点a,bの部分の認定が誤り である旨主張する。 - 15 -しかしながら,本件特許発明1においては,暗証番号は,コンピュータで厳密に秘密管理し,端末機には公開しないで,個人確認がなされるものであるから,秘密 の認定が誤り である旨主張する。 - 15 -しかしながら,本件特許発明1においては,暗証番号は,コンピュータで厳密に秘密管理し,端末機には公開しないで,個人確認がなされるものであるから,秘密性が保持され,個人確認を長きにわたって確実に行うことができる。これに対し,甲第1号証発明においては,非公開であるID番号及び暗証番号が「発信端末」,携帯通信機のほか発信者ID取得蓄積装置端末機を含む交換機及び情(),「」()「報センター(コンピュータ)の三者で共有されるから,秘密性の保持は極めて困」難になる。審決がした相違点の認定のうち,相違点a,bの部分の認定は,かかる点を相違点として認定したものであって,その認定に誤りはない。 ( )原告は,審決がした相違点の認定のうち,相違点cの部分の認定についての 審決の判断に対し,甲第7号証を挙げた上,個人確認(認証)の結果をどう利用するかは,それぞれの認証技術が適用される用途に応じて選択すればよいことであるとして,当該判断が誤りであると主張する。 しかしながら,甲第7号証は,無効審判請求の理由として主張されておらず,審決において判断の対象とされていない刊行物であるから,これに記載された事項に基づく主張は許されない。のみならず,甲第7号証に「ターミナルコントローラ,2は,下位通信部25で端末装置1が出力したデータの受信処理を行い(,こn21)れが認証用データであるかどうかを判定する(。この判定で認証用データでなn22)いと判定すると,受信したデータに基づく処理を行う(。ところで,n22でn28)認証用データであると判定すると,受信した認証用データを上位通信部26からネットワーク4を介してCAFIS5に送信する(。CAFIS5では,この認n23)証用データ ところで,n22でn28)認証用データであると判定すると,受信した認証用データを上位通信部26からネットワーク4を介してCAFIS5に送信する(。CAFIS5では,この認n23)証用データを該当するカード会社に送信し,カード会社では使用されたクレジット,。 カードに対してネガチェックや与信残高チェック等を行い取引の可否を判定するこの判定結果はCAFIS4,公衆回線網3を介してターミナルコントローラ2に送信されてくる(段落【)と記載されているように,本件特許発明1とは。」】0024異質の発明であって,これを適用することはできない。 - 16 -第5当裁判所の判断 取消事由(相違点の認定及び相違点についての判断の誤り)について( )原告のいう相違点a,bについての認定の誤りの点はしばらく措き,まず, 相違点cについての判断に関し,原告主張のとおり,審決の「本件特許発明1は,,,個人確認システムに関するものであり上記相違点に係る本件特許発明1の構成は買い物の決済,又は自動預入支払機における現金の支払い等において個人確認を確実にできるようにするためのものである。 これに対して,甲第1号証発明は,交換システムに関するものであり,上記相違点に係る甲第1号証発明の構成は・・,・複数のコールバック要求をした端末側で,コールバックの着信があったとき,『その着信がどのコールバック要求のものなのかを判断できるようにし,また,コールバックを行う側が情報を配布するような場合に,コールバックした端末がコールバック要求を行った端末か否かを判別できるようにする』ためのものである。 本件特許発明1と甲第1号証発明とは,発明の目的,及び作用効果が全く異なっているのであるから,当業者は,甲第1号証発明に基づいて本件特許発明1を容易に想 を判別できるようにする』ためのものである。 本件特許発明1と甲第1号証発明とは,発明の目的,及び作用効果が全く異なっているのであるから,当業者は,甲第1号証発明に基づいて本件特許発明1を容易に想到することは到底できない」との判断が,この相違点cについてのものであると。 して,その当否を検討する。 ただし,甲第5,第7号証記載の発明は,審決において,いわゆる公知事実(特許法29条1項3号所定の発明)として審理判断されていないことが明白であるので,本件においては,これらの発明は,周知事項の裏付けや原告の技術上の主張の裏付け等として考慮されるに止まり,直接,これらの発明に基づいて,本件特許発明1が容易想到であるとの判断に及ぶことは許されない。すなわち,原告は,甲第5,第7号証を挙げて,顧客が店舗で買物をする際に,店舗とは離れたセンタでその顧客の認証を行い,その認証結果を店舗側の端末に送信することは,本件出願前によく知られた事項であるとか,端末機が認証結果の送信を受けて,その認証結果に基づきサービスを提供する例が開示されていると主張するが,これらの主張は,認証の結果が,認証をする主体から,認証の結果を利用したい主体に送信されるこ- 17 -と(認証結果は,それを必要とするところに送信されるべきものであること)が周知事項であるとする趣旨では許容される余地があるとしても,許容されるのは,その限度に止まるものであって,これを公知事実として主張することはできない。 ( )そこで,甲第1号証発明に上記周知事項を適用した場合に,相違点cに係る 本件特許発明1の構成を得ること(コンピュータで暗証コードが照合された結果が携帯通信機に送信される甲第1号証発明の構成を,これが端末機に送信される本件特許発明1の構成に置き換えること)が容易であるか否かにつき検討 の構成を得ること(コンピュータで暗証コードが照合された結果が携帯通信機に送信される甲第1号証発明の構成を,これが端末機に送信される本件特許発明1の構成に置き換えること)が容易であるか否かにつき検討する。 甲第1号証発明が「自己を呼び出すための発信者IDを記憶した記憶手段を有する発信端末,前記記憶手段から前記発信者IDを読み出すための読出手段と通信手段とを有する発信者ID取得蓄積装置,および前記発信者IDと前記発信端末からの接続毎に発生された暗証番号とを関連付けて記憶した情報センタを含み,前記発信者ID取得蓄積装置の前記読出手段によって前記発信端末の前記記憶手段に記憶された前記発信者IDが読み出されたのち前記発信者ID取得蓄積装置から前記情報センタに前記発信者IDが送信され,前記発信者IDによって前記情報センタから前記発信端末が呼び出され,前記発信端末から暗証番号を前記情報センタに送信することにより前記情報センタにおいて前記発信者IDと関連付けて記憶された前記暗証番号と照合され,前記情報センタで前記暗証番号が照合された結果が前記発信端末に送信される,交換システム(審決書4頁22~末行)というものである。」ことは,当事者間に争いがないところ,かかる甲第1号証発明の構成と,本件特許発明1の構成とを対比すれば,甲第1号証発明の「発信端末「発信者ID取得蓄」,」,「」,「」,「」,積装置情報センタはそれぞれ本件特許発明1の携帯通信機端末機「コンピュータ」に相当することが認められる。 また,甲第1号証に下記記載があることも,当事者間に争いがない。 「発明の実施の形態】図1は,本発明の一つの実施例を説明する図である。以下,図に従い【。 (),()具体的に説明する図1Aに示すように発信端末11が情報センタ 者間に争いがない。 「発明の実施の形態】図1は,本発明の一つの実施例を説明する図である。以下,図に従い【。 (),()具体的に説明する図1Aに示すように発信端末11が情報センタまたは特定着信者- 18 -12への発信を行うと,交換機15は発信者ID取得蓄積装置13に接続し,発信端末11の発信者IDを取得蓄積すると共に,暗証番号発生装置16に暗証番号発生を依頼し,暗証番号を受け取る。そして,受け取った暗証番号を発信者IDと関連づけて蓄積する。その後,トー,。 キートランク14に暗証番号を通知し発信端末11との接続をトーキートランク14に移すトーキートランク14では,発信端末11と接続されると発信者ID取得蓄積装置13から受,。」(【】),「,け取った暗証番号をトーキーに変換し発信端末11に通知する段落その後0008交換機15は,発信端末11を切断状態にした後,情報センタ12へ発信し,発信者ID取得蓄積装置13に蓄積された,発信端末11の発信者IDと,発信端末11へ通知した暗証番号。 ,,を通知する暗証番号をトーキーで受け取った発信端末11では発信者が自分で記憶するかもしくは端末内に記憶させておく(段落【「次に,図1(B)に示すように,情報。」】),0009センタ12がコールバックする時は,情報センタ12から,交換機15が通知した発信者IDをもとにコールバック要求した発信端末11を着信端末として呼び出す処理を行う。呼び出された発信端末11は受話器を取る等の動作で通信状態になる。通信状態になると,情報センタ12またはコールバック要求元の発信端末11は,それぞれ交換機15から通知された暗証番号を用いて相手端末,送受信情報を確認,選択した後,コールバックの処理を行う(段落。」【「例えば, 報センタ12またはコールバック要求元の発信端末11は,それぞれ交換機15から通知された暗証番号を用いて相手端末,送受信情報を確認,選択した後,コールバックの処理を行う(段落。」【「例えば,情報センタ12から回線接続後,情報センタ12がトーキーにて暗証番0010】),号を着信者に通知し,着信者が,それを聞いた後,対応する情報を選択し送出する。また例えば,情報センタ12から回線接続後,情報センタ12が暗証番号を着信者に要求し,着信者にPB等で暗証番号を入力させることで認証し対応する情報を選択して送出する。この暗証番号による認証は,情報センタ12側が行うようにしてもよく,コールバック要求をした端末側が行うようにしてもよい。サービスの内容に応じて決めることができる(段落【)。」】0011しかるところ,甲第1号証の上記記載によれば,甲第1号証発明において「情,報センタ(コンピュータ」でなされた認証(暗証コードの照合)の結果を利用し)たい主体は,端末機に相当する「発信者ID取得蓄積装置」ではなく,携帯通信機に相当する「発信端末(の所持者)であることは明らかである。 」- 19 -そうすると,甲第1号証発明に「認証の結果が,認証をする主体から,認証の,結果を利用したい主体に送信されることという周知事項を適用したとしても暗」,「証コードが照合された結果が端末機に送信される」本件特許発明1の構成を得ることはできないものといわざるを得ない。 換言すれば,相違点cに係る本件特許発明1の構成を得るためには,甲第1号証及び上記周知事項のほか,認証の結果を利用したい主体が「端末機」であるような構成からなる発明が,公知事実(特許法29条1項各号所定の発明)として必要であり,このような公知事実なくして,甲第1号証発明と上記周知事項のみに か,認証の結果を利用したい主体が「端末機」であるような構成からなる発明が,公知事実(特許法29条1項各号所定の発明)として必要であり,このような公知事実なくして,甲第1号証発明と上記周知事項のみに基づいて,認証の結果を何ら必要としていない「発信者ID取得蓄積装置」に,認証の結果を送信する構成を採用し,相違点cに係る本件特許発明1の構成とすることは,当業者であっても容易になし得るところではないというべきである。なお,本件では,甲第5,第7号証記載の発明をもって,このような公知事実と主張し得ないことは上記のとおりである。 審決が,この点について,甲第1号証発明に基づいて本件特許発明1を容易に想到することは到底できない,とした判断は,上記の趣旨において是認することができ,誤りはない。 ( )そうすると,相違点cの部分についての審決の認定に誤りがなく(原告は, 相違点cの認定の誤りは主張していない,かつ,相違点についての判断も,相違。),,,,点cに関する限りは誤りがないのであるから仮に審決の相違点abの認定が原告主張のとおり,誤りであったとしても,原告の引用に係る刊行物に対する関係では,本件特許発明1に容易想到といえない部分が残ることになり,したがって,本件特許発明1に係る特許を無効とすることはできない。 また,本件特許発明2,3が容易想到である理由として,原告が主張するところは,本件特許発明1が容易想到であるということであるから,上記のように本件特許発明1に容易想到といえない部分が残る以上,本件特許発明2,3が容易想到- 20 -であるとすることもできない。 結論 以上によれば,原告の主張はすべて理由がなく,原告の請求は棄却されるべきである。 知的財産高等裁判所第4部裁判長裁判官塚原朋一裁判官石原直 結論 以上によれば、原告の主張はすべて理由がなく、原告の請求は棄却されるべきである。 知的財産高等裁判所第4部裁判長裁判官塚原朋一裁判官石原直樹裁判官高野輝久
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