主文 原判決中上告人の敗訴部分を破棄し、右部分を東京高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人岩田豊の上告理由について。原審は、原審控訴人が予備的に請求した条件付第三者異議に基づき、原審控訴人が本件各建物につき原審控訴人のための所有権移転の本登記手続を経由したときは本件強制執行を許さない旨の判決をしたものである。しかしながら、第三者異議の訴のように新たな法律関係の形成を求める訴は、かかる法律関係が現在の事実関係に基づき即時に確定されうる場合にのみ許されるのが原則であり、たとえば本件のように、将来の事実の発生を条件とする、いわば将来の形成の訴は、かかる請求を許容すべき特別な事情の存する場合を除いては、許されないものと解するのが相当である(最高裁昭和四二年(オ)第六六〇号同四三年一一月一五日第二小法廷判決・民集二二巻一二号二六五九頁、昭和三四年(オ)第九九号同四〇年三月二六日第二小法廷判決・民集一九巻二号五〇八頁参照)。してみると、本件につき条件付第三者異議を許容すべき特別の事情の存否について審理することなく、かかる請求を認容した原判決には、審理不尽もしくは理由不備の違法があるものというべく、論旨はこの点において理由があるから、原判決中右の部分を破棄し、更に審理を尽くさせるため、右破棄部分を原裁判所に差し戻すべきである。よつて、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官下田武三- 1 -裁判官大隅健一郎裁判官藤林益三裁判官岸盛 1 -裁判官大隅健一郎裁判官藤林益三裁判官岸盛一裁判官岸上康夫- 2 -
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