平成16(わ)955 強制わいせつ,強制わいせつ未遂,公然わいせつ被告事件

裁判年月日・裁判所
平成16年12月6日 神戸地方裁判所
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判決文本文2,520 文字)

主文 被告人を懲役2年6月に処する。 未決勾留日数中40日をその刑に算入する。 この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 平成16年5月8日午前7時50分ころ,兵庫県三田市a町b番地A中学校西側路上において,通行中のB(当時13歳)ら不特定かつ多数人の容易に覚知しうる状態において,ことさらに自己の陰茎を露出して示し,もって,公然とわいせつな行為をした第2 同月28日午後9時25分ころ,同市cd番地e先道路を通行中のC(当時19歳)を認めて劣情を催し,強いて同女にわいせつな行為をしようと企て,「F駅へ行く道分かりますか。」などと道案内を求めるふりをして,同女を同市cd番地f所在のD歯科医院北東約100メートルの山中に誘い込み,上記日時ころから同日午後9時50分ころまでの間,同所において,同女に対し,ズボン右ポケットに右手を入れて突起状に突きだし,凶器を所持しているかのように装って同女の腹部に突き立て,「これが何か分かるな。ちゃんと言うことを聞けば無事に帰すから。」などと申し向けて脅迫し,その反抗を抑圧した上,同女の上衣をまくり上げて乳房をもてあそび,さらに,同女の下衣を脱がせて臀部等を触るなどし,もって,強いてわいせつな行為をした第3 同年8月12日午後8時15分ころ,同市cd番地f号所在のD歯科医院東方約100メートル先歩道を通行中のE(当時16歳)を認めて劣情を催し,強いて同女にわいせつな行為をしようと企て,「女性と山登りをしていたら,彼女が足を挫いたので,ちょっと手を貸してくれませんか。」などと知人の救護 ル先歩道を通行中のE(当時16歳)を認めて劣情を催し,強いて同女にわいせつな行為をしようと企て,「女性と山登りをしていたら,彼女が足を挫いたので,ちょっと手を貸してくれませんか。」などと知人の救護を求めるふりをして,同女を同市cd番地eの山中に誘い込み,上記日時ころから同日午後8時35分ころまでの間,同所において,両手で同女の両肩を押さえつけるなどの暴行を加え,強いて同女にわいせつな行為をしようとしたが,同女に抵抗されたため,その目的を遂げなかったものである。 (証拠の標目)-括弧内は証拠等関係カード検察官請求証拠番号省略(補足説明)弁護人は,判示第3の事実について,被告人が両腕で被害者の両肩を押さえつけるなどの行為をしたことは事実であるけれども,被告人の上記行為は強制わいせつ罪における「暴行」にはあたらない旨主張する。 しかしながら,被告人は,被害者に強いてわいせつな行為をしようと企て,夜間,いまだ16歳の被害者を欺き,人気のない山中に連れ込んだ上,被害者が逃げられないようにするため,被害者の後ろに回り込んで,両手で被害者の両肩を押さえつけたものであって,このような状況下における被告人の上記行為は,被害者に対する強制わいせつの具体的危険性を生じさせたものと認められるから,強制わいせつ罪における実行行為としての暴行に該当するということができる。 よって,弁護人の上記主張は採用することができない。 (法令の適用)省略(量刑の理由)本件は,被告人が,通りがかりの被害者らに対してした公然わいせつ,強制わいせつ,強制わいせつ未遂の事案であるが,被告人は自己の性的な欲望を満たす目的で本件各犯行に及んだものであって,その身勝手な犯行の動機に酌量の余地はないこと,被告人は,自己の性器を若い女性に見せつける公然わいせつ行 せつ未遂の事案であるが,被告人は自己の性的な欲望を満たす目的で本件各犯行に及んだものであって,その身勝手な犯行の動機に酌量の余地はないこと,被告人は,自己の性器を若い女性に見せつける公然わいせつ行為を繰り返すうち,判示第1の犯行に及んだだけでなく,次第に性的欲望をエスカレートさせて,若い女性に強いてわいせつな行為をしようと企て,判示第2及び第3の各犯行に及んだものであり,しかも被告人は,判示第2の犯行後,公然わいせつ行為に及んで検挙され,その処分がいまだ決まらないうちに判示第3の犯行に及んだものであって(なお,この公然わいせつの罪については,判示第3の犯行後罰金の略式命令を受けている。),被告人にはこの種犯行の常習性が認められること,被告人は,判示第2及び第3の各被害者に道を尋ねたり助けを求めたりするなどして,いわば被害者らの親切心につけ込んで人気のない山中に連れ込んだ上,判示第2の被害者に対してはパンティー等をずりおろした上,臀部等をまさぐるなどのわいせつな行為に及び,判示第3の被害者に対してはわいせつな行為に及ぼうとしたものであって,これら犯行態様は計画的で卑劣かつ悪質であること,被害者らは13歳から19歳までの若い女性であって,本件各犯行により受けた精神的ショックは小さくなく,その処罰感情には強いものがあることなどにかんがみると,犯情はよくなく,被告人の刑事責任は重いといわざるを得ない。 しかしながら,被告人は,犯行を率直に認めて,現在では反省の態度を示していること,判示第2の被害者には慰謝料として金70万円を,判示第3の被害者には同じく金30万円をそれぞれ支払って,示談を成立させていること,被告人の実父や姉が被告人の今後の監督を誓約していること,被告人には禁錮以上の刑に処せられた前科がないこと,被告人は,本件後,勤務先の 同じく金30万円をそれぞれ支払って,示談を成立させていること,被告人の実父や姉が被告人の今後の監督を誓約していること,被告人には禁錮以上の刑に処せられた前科がないこと,被告人は,本件後,勤務先の会社を懲戒解雇されており,相応の社会的制裁も受けていること,本件によってすでに3か月以上の間身柄を拘束されていることなどの,被告人のために酌むべき事情も認められるので,今回は,被告人を主文の刑に処した上,その刑の執行を猶予することとする。 (検察官の科刑意見懲役3年)よって,主文のとおり判決する。 平成16年12月6日神戸地方裁判所第2刑事部 裁判官森岡安廣

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